JPH0972015A - 壁用建材およびその製造方法 - Google Patents

壁用建材およびその製造方法

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JPH0972015A
JPH0972015A JP7226819A JP22681995A JPH0972015A JP H0972015 A JPH0972015 A JP H0972015A JP 7226819 A JP7226819 A JP 7226819A JP 22681995 A JP22681995 A JP 22681995A JP H0972015 A JPH0972015 A JP H0972015A
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JP
Japan
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slurry
metal
porous
pores
building material
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Application number
JP7226819A
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English (en)
Inventor
Masami Miyake
政美 三宅
Takaharu Shirata
敬治 白田
Koji Hoshino
孝二 星野
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の効果を有する壁用建材であって、薄く
形成できるとともに簡単な構造かつ低コストに作製で
き、単純な施工工程で優れた断熱、抗菌、防カビおよび
電磁波シールド効果を得ることを課題とする。 【解決手段】 板状の建築用基材と、該建築用基材の表
面に発泡金属スラリーを塗布、焼結して形成した多孔質
金属体層とを備え、該多孔質金属体層は、多数の気孔を
覆うスケルトン部が、内部に前記気孔より小径な内部微
細気孔を多数包含する有孔金属焼結体で形成されている
技術が採用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱、抗菌、防カ
ビ、電磁波シールド等の付加価値を有する壁用建材およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁、床および天井等に取り付けられ特定
の用途に用いる建材として、例えば、断熱、抗菌および
防カビ等の機能を備えているものが要求されることがあ
る。断熱材は、ウレタン等の高分子系および石膏等の無
機系のものが主に使用され、抗菌および防カビ用壁材
は、有機系薬剤や抗菌性金属担持ゼオライトを含有する
高分子系部材等が用いられている。また、部屋等の電磁
波シールド用としては、金属箔や金属性の網のシールド
材を部屋を覆うように張設することによって電磁波の遮
断を行っている。
【0003】上記の建材のほとんどは、それぞれ単一の
用途にしか効果がなく、従来、複数の効果を有する建材
を作製するには、それぞれの部材を張り合わせて多層構
造とする必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような張り合わせた多層構造の壁用建材(以下、張り合
わせ建材という)では、壁材としては厚みが増すととも
に、複雑かつ高コストとなってしまうという課題が残さ
れている。さらに、電磁シールド用としてシールド材を
必要とする場合では、わずかな開口部でもシールド性能
に大きく影響するため、張設したシールド材の継ぎ目を
止める必要がある。しかしながら、張り合わせ建材で
は、内部に重ねられた金属箔や網を継ぎ合わせることが
困難であり、このため、一度部屋をシールド材で覆った
後、あるいはそれ以前に他の特定の効果を有する壁材等
を張らなければならず、施工工程の増加を招いていた。
また、張り合わせ建材をのり等の接着剤で張設したとき
には、のり等が菌を培養するもととなってしまうという
課題も生じていた。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、薄く形成できるとともに簡単な構造かつ低コスト
に作製でき、単純な施工工程で優れた電磁波シールド、
断熱性、抗菌および防カビ効果等が得られる壁用建材お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来知ら
れていない新規な構造を有する有孔金属焼結体の研究を
行っており、以下のような研究結果が得られた。一般に
水に界面活性剤と非水溶性有機溶剤を添加して混合する
と、界面活性剤によって非水溶性有機溶剤が内包された
微細にして整寸のミセルと呼ばれるコロイド状の液滴が
形成され、これが水中に均一に分散分布するようになる
が、前記界面活性剤と非水溶性有機溶剤に加えて、さら
に金属粉を添加して混合しても前記ミセルを形成し、こ
れが金属粉と共に水中に均一に分散分布した混合物とな
る。この場合、前記非水溶性有機溶剤として炭素数5〜
8の非水溶性炭化水素系有機溶剤を用いて、前記混合物
から、例えば公知のドクターブレード法やスリップキャ
スト法等の方法で所定形状の成形体を成形し、この成形
体を5℃以上の温度に保持すると、前記炭素数5〜8の
非水溶性炭化水素系有機溶剤は水よりも大きい蒸気圧を
有するので、これが気化し、ガスとなって成形体から蒸
発することから、成形体内には微細にして整寸の気泡が
多数発生して多孔質成形体が形成されるようになる。さ
らに前記混合物に結合剤として水溶性樹脂を加えると前
記多孔質成形体がハンドリング可能な強度をもつように
なり、また前記混合物に多価アルコール、油脂、エーテ
ル、およびエステルのうちの少なくとも1種を添加する
と、前記多孔質成形体が可塑性をもつようになる。この
ような状態の多孔質成形体に焼結を施すと、気孔を覆う
スケルトン部(骨格)で構成された多孔質金属体が得ら
れ、スケルトン部が内部に前記気孔より小径な内部微細
気孔が多数包含されている有孔金属焼結体で形成される
という研究結果を得たのである。
【0007】本発明は、前記課題を解決するために、上
記の研究結果をもとに以下の構成を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の壁用建材では、板状の建築用基材
と、該建築用基材の表面に、発泡金属スラリーを塗布、
焼結して形成した多孔質金属体層とを備え、該多孔質金
属体層は、多数の気孔を覆うスケルトン部が、内部に前
記気孔より小径な内部微細気孔を多数包含する有孔金属
焼結体で形成されている技術が採用される。この壁用建
材では、前記気孔および内部微細気孔が多孔質金属体層
の内部に多数含まれることから高効率な断熱効果を有す
るとともに、スケルトン部が有孔金属焼結体とされてい
るので高い電磁波シールド効果も同時に有する。そし
て、この壁用建材を部屋等に張設する際には、建築用基
材を互いに隣接して配置することにより、その表面に形
成された多孔質金属体層も連続して配置されることにな
る。また、多孔質金属体層は、のり等の接着剤を用いず
に建築用基材の表面に直接塗布、焼結して形成されてい
るので、菌が培養されることもない。さらに、建材とし
て必要な強度は、建築用基材によって確保されている。
【0008】請求項2記載の壁用建材では、請求項1記
載の壁用建材において、前記スケルトン部を形成する有
孔金属焼結体は、銀および銅の少なくとも一方が含有さ
れている技術が採用される。この壁用建材では、スケル
トン部を形成する有孔金属焼結体に、銀および銅の少な
くとも一方を含有することにより、抗菌性が高い金属で
ある銀および銅によって菌の発生が抑制される。
【0009】請求項3記載の壁用建材では、請求項1ま
たは2記載の壁用建材において、前記気孔および内部微
細気孔に、薬剤が包含されている技術が採用される。こ
の壁用建材では、前記気孔および内部微細気孔に、抗
菌、防カビ用等の薬剤やその他の薬剤を包含することに
より、薬剤による効果がさらに付加される。
【0010】請求項4記載の壁用建材の製造方法では、
発泡金属スラリーを板状の建築用基材の表面に塗布して
スラリー成形体を形成するスラリー塗布工程と、該スラ
リー塗布工程後に、スラリー成形体を乾燥させて発泡さ
せることにより、スケルトン部に覆われた多数の気孔を
有する多孔質成形体層を形成するスラリー乾燥工程と、
前記多孔質成形体層を焼結させて多孔質金属体層を形成
するとともに、スケルトン部を、内部に前記気孔より小
径な内部微細気孔を多数包含する有孔金属焼結体とする
多孔質成形体層焼結工程とを備える技術が採用される。
この壁用建材の製造方法では、建築用基材の表面に直接
発泡金属スラリーを塗布して乾燥・焼結することによ
り、のり等の接着剤を用いずに直接、建築用基材の表面
に多孔質金属体層が形成される。
【0011】請求項5記載の壁用建材の製造方法では、
請求項4記載の壁用建材の製造方法において、前記発泡
金属スラリーは、重量%で、炭素数5〜8の非水溶性炭
化水素系有機溶剤:0.05〜10%、界面活性剤:
0.05〜5%、水溶性樹脂結合剤:0.5〜20%、
平均粒径:0.5〜500μmの金属粉:5〜80%、
必要に応じて、多価アルコール、油脂、エーテル、およ
びエステルのうちの1種または2種以上からなる可塑
剤:0.1〜15%、水:残り、からなる配合組成を有
する混合物とされる技術が採用される。この壁用建材の
製造方法では、上記の混合組成により発泡金属スラリー
が構成されているので、常温常圧下でスラリー成形体の
成形が可能になるとともに、微細にして整寸な気孔を有
する高気孔率の多孔質金属体層が形成される。また、前
記可塑剤を混合することにより、変形し易い建築用基材
の表面に多孔質金属体層を形成しても該多孔質金属体層
が一定の可塑性を有することから剥がれ、割れ等が生じ
難い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の第1形態を
図1から図5を参照しながら説明する。これらの図にあ
って、符号1は壁用建材、2は建築用基材、3は多孔質
金属体層を示している。
【0013】壁用建材1は、図1に示すように、セラミ
ックボードや石膏ボード等の板状の建築用基材2と、該
建築用基材2の表面に直接形成され銀および銅を含む多
孔質金属体層3とを備えている。多孔質金属体層3は、
図2に示すように、スケルトン部3aに覆われた多数の
気孔Aを有し、そしてスケルトン部3aは、内部に前記
気孔Aより小径な内部微細気孔aを多数包含する有孔金
属焼結体とされている。
【0014】上記の壁用建材1では、気孔Aおよび内部
微細気孔aが多孔質金属体層3の内部に多数含まれるこ
とから高効率な断熱効果が得られるとともに、スケルト
ン部3aが有孔金属焼結体とされているので高い電磁波
シールド効果を得ることができる。そして、壁用建材1
を部屋等に張設する際にも、互いに隣接して配置するこ
とにより、容易に多孔質金属体層3同士をつなぎ止める
ことができ、簡単な施工工程により高い電磁波シールド
効果を有する部屋等を形成することができる。また、多
孔質金属体層3は、のり等の接着剤を用いずに建築用基
材2の表面に直接形成されているので、菌が培養される
こともない。
【0015】次に、本発明に係る壁用建材1の製造装置
の一例を図3を参照して説明する。これらの図にあっ
て、符号10は壁用建材製造装置、11は搬送用ベルト
コンベア、12は発泡金属スラリー用貯槽、13はドラ
フターを示している。
【0016】壁用建材製造装置10は、ドクターブレー
ド法を適用したものであり、建築用基材2を載置して一
定方向に搬送する搬送用ベルトコンベア11と、該搬送
用ベルトコンベア11の上方に配され貯留された発泡金
属スラリーSを建築用基材2の表面に塗布する発泡金属
スラリー用貯槽12と、該発泡金属スラリー用貯槽12
の下流に配され、発泡金属スラリーSを乾燥させる複数
のドラフター13とを備える。
【0017】前記発泡金属スラリー用貯槽12は、その
下端部の下流側に発泡金属スラリーSの排出口12aが
空けられ、その上部にはドクターブレード部12bが設
けられている。さらに、該ドクターブレード部12bの
側面には、排出される発泡金属スラリーSを建築用基材
2の寸法に合わせて所定の長さで切断するカッター12
cが上下動可能に取り付けられている。前記ドラフター
13は、その上部に接続されたオーブン(図示せず)か
ら送り込まれる高温状態の空気を塗布された発泡金属ス
ラリーSに吹き付けるファン13aを備える。
【0018】次に、上記の壁用建材製造装置10による
本発明に係る壁用建材1の作製方法の一工程例を図2か
ら図4を参照して説明する。
【0019】〔スラリー塗布工程〕まず、発泡金属スラ
リー用貯槽12内には、重量%で、炭素数5〜8の非水
溶性炭化水素系有機溶剤:0.05〜10%、界面活性
剤:0.05〜5%、水溶性樹脂結合剤:0.5〜20
%、平均粒径:0.5〜500μmの金属粉:5〜80
%、必要に応じて、多価アルコール、油脂、エーテル、
およびエステルのうちの1種または2種以上からなる可
塑剤:0.1〜15%、水:残り、からなる配合組成を
有する混合物である発泡金属スラリーSを貯めておく。
【0020】上記発泡金属スラリーSは、図4の(a)
に示すように、界面活性剤によって非水溶性有機溶剤が
内包された微細にして整寸のミセル15aと呼ばれるコ
ロイド状の液滴が形成され、これが水中に均一に分散分
布するようになるが、前記界面活性剤と非水溶性有機溶
剤に加えて、さらに金属粉15bを添加して混合しても
前記ミセル15aを形成し、これが金属粉15bと共に
水中に均一に分散分布した状態となっている。なお、前
記金属粉15bには、銀または銅、もしくはこれらの合
金からなる金属粉が含まれている。
【0021】搬送用ベルトコンベア11を駆動して、そ
の上部に隣接状態に並べて載置した建築用基材2を発泡
金属スラリー用貯槽12側に搬送する。建築用基材2が
発泡金属スラリー用貯槽12の下方に移送されると、カ
ッター12cが上方に移動されるとともに、排出口12
aが開口されて該排出口12aから発泡金属スラリーS
が建築用基材2の表面上に排出、直接塗布される。
【0022】このとき、発泡金属スラリーSは、ドクタ
ーブレード部12bによって一定の厚さに成形される。
建築用基材2の下流端が排出口12aに位置したとき、
カッター12cを下方に移動させることによって発泡金
属スラリーSの排出、塗布を止める。これによって、図
4の(a)に示すように、建築用基材2の表面にスラリ
ー成形体15が形成される。
【0023】〔スラリー乾燥工程〕この後、スラリー成
形体15は、建築用基材2の搬送によってドラフター1
3の下方に移送されるとともに、ドラフター13によっ
て乾燥処理が施される。このとき、図4の(b)に示す
ように、スラリー成形体15を5℃以上に保持して乾燥
させると、前記炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機
溶剤は水よりも大きい蒸気圧を有するので、これが気化
し、ガスとなってスラリー成形体15から蒸発する。こ
の後、さらに高温状態下で脱脂を行う。このため、スラ
リー成形体15内には微細にして整寸の気泡が多数発生
して多孔質成形体が形成されるようになり、乾燥後、ス
ケルトン部3aに覆われた多数の気孔Aを有する多孔質
成形体層16が形成される。
【0024】〔多孔質成形体層焼結工程〕この多孔質成
形体層16を有する建築用基材2を、焼結炉(図示せ
ず)内に入れて焼結処理を施す。このとき、図4の
(c)および図2に示すように、気孔Aを覆うスケルト
ン部3aで構成された多孔質金属体層3が得られ、スケ
ルトン部3aが、その内部に前記気孔Aより小径な内部
微細気孔aが多数包含されている有孔金属焼結体となっ
た壁用建材1が製造される。
【0025】このようにして製造された壁用建材1を室
内の天井部および壁部に張設した一形態を図5を参照し
て説明する。
【0026】室内の天井部20には、複数の野縁受けバ
ー21が壁部22間に架け渡されるとともに、複数の吊
りボルト23によって、該吊りボルト23の一端部に取
り付けられたハンガー24を介して水平に吊設されてい
る。これら吊りボルト23の他端部は天井部20の上部
に設けられたコンクリートや鉄骨に固定されている。野
縁受けバー21の下部には、複数の野縁バー26が野縁
受けバー21の長さ方向と直交する方向に一定間隔で配
設、固定されている。
【0027】これら野縁バー26の下部には、複数枚の
壁用建材1が野縁バー26に釘等で固定、張設されてい
る。これら壁用建材1は、それぞれの側部を当接させて
天井部20全面に隣接して配設されている。また、壁部
22にも、複数の壁用建材1が野縁バー26に釘等で固
定、張設され、天井部20と同様に、それぞれの側部を
当接させて壁部22全面に隣接して配設されている。な
お、これら天井部20および壁部22の壁用建材1の表
面には、化粧ボード27が釘等で張設されている。
【0028】上記のように壁用建材1が張設された室内
では、多孔質金属体層3内に包含される気孔Aおよび内
部微細気孔aによって高い断熱効果が得られ、室内温度
を一定に維持し易く、また、それぞれの壁用建材1が隣
接して多孔質金属体層3が密接に接触しているので、高
い電磁波シールド効果が得られ、高精度な電気機器等の
使用に好適な環境を得ることができる。
【0029】次に、本発明の実施の第2形態を図6およ
び図7を参照しながら説明する。これらの図にあって、
符号31は壁用建材、32は建築用基材、33は多孔質
金属体層を示している。
【0030】図6に示すように、第2形態の壁用建材3
1は、第1形態の壁用建材1と同様に、建築用基材32
の表面に直接、多孔質金属体層33を形成した後、有機
系薬剤、抗菌性金属担持ゼオライト、金属塩溶液および
その他の薬剤Yの少なくとも一つに浸漬させ、これを乾
燥することにより、図7に示すように、気孔Aおよび内
部微細気孔aの内部に薬剤Yが包含されて形成されてい
る。なお、上記の浸漬工程においては、薬剤Yの浸漬効
率を向上させるために、減圧下において行っても構わな
い。このとき、単に浸漬させた場合に比べて内部微細気
孔aの内部まで薬剤Yを十分に包含させることができ
る。このように構成された壁用建材31は、第1形態の
壁用建材1が有する効果に、さらに該薬剤Yによる防カ
ビ等の効果が付加される。
【0031】本発明に係る発泡金属スラリーにおいて、
その配合組成を上記の通りに限定した理由を説明する。
【0032】(a) 炭素数5〜8の非水溶性炭化水素
系有機溶剤(以下、単に有機溶剤という) 上記有機溶剤には、界面活性剤の作用でミセルを形成
し、成形後5℃以上の温度に保持することで気化して、
微細にして整寸の気泡をスラリー成形体中に形成する作
用があるが、その割合が0.05%未満では気泡の発生
が不十分で、所望の高い気孔率をもった有孔金属焼結体
を製造することができず、一方その割合が10%を越え
ると。ミセルが大型化し、これに伴ないスラリー成形体
中に形成される気泡も大径化してしまい、スラリー成形
体および有孔金属焼結体の強度が急激に低下するように
なることから、その割合を0.05〜10%、望ましく
は0.5〜5%と定めた。また、上記有機溶剤の炭素数
を5〜8としたのは、その値が4以下で液体のものは常
温常圧下では存在せず(すべて気体)、一方その値が9
以上になると、蒸気圧が小さくなり、気泡形成がきわめ
て困難になるという理由に基づくものである。さらに、
上記有機溶剤としては、ネオペンタン、ヘキサン、イソ
ヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、オクタ
ン、およびトルエンの使用が望ましい。
【0033】(b) 界面活性剤 界面活性剤には、上記の通り有機溶剤を内包したミセル
を形成する作用があるが、その割合が0.05%未満で
は前記ミセルの形成が不安定となり、これが原因で微細
にして整粒のミセルを形成することができず、一方その
割合が5%を越えても前記作用により一層の向上効果が
現れないことから、その割合を0.05〜5%、望まし
くは0.5〜3%と定めた。また界面活性剤としては一
般に洗剤の使用でよく、市販の台所用中性合成洗剤(例
えば、アルキルグルコシドとポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルの28%混合水溶液)で十分である。
【0034】(c) 水溶性樹脂結合剤 水溶性樹脂結合剤には、多孔質形成体の強度を向上させ
て、これのハンドリングを可能ならしめる作用がある
が、その割合が0.5%未満では所望の強度向上効果が
得られず、一方その割合が20%を越えると所定形状へ
の成形が困難になることから、その割合を0.5〜20
%、望ましくは2〜10%と定めた。また、上記水溶性
樹脂としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、エチル
セルロース、およびポリビニルアルコールの使用が望ま
しい。
【0035】(d) 金属粉 金属粉は、焼結後有孔金属焼結体を構成するものである
から、従来の有孔金属焼結体を含め金属多孔質体に適用
されている金属材料で構成してよいが、その平均粒径が
0.5μm未満になると焼結体の高気孔率化が困難にな
り、一方その平均粒径が500μmを越えると混合原料
中での分散性が低下し、均質な焼結体の製造ができなく
なることから、その平均粒径を0.5〜500μm、望
ましくは5〜100μmと定めた。また、上記金属粉の
割合は5〜80%とするのがよく、これはその割合が5
%未満では焼結体の強度が急激に低下するようになり、
一方その割合が80%を越えると高気孔率化が困難にな
るという理由に基づくものであり、この場合20〜70
%の割合が望ましい。
【0036】(e) 可塑剤 可塑剤として添加される多価アルコール、油脂、エーテ
ル、およびエステルには、スラリー成形体に可塑性を付
与する作用があるので、必要に応じて添加されるが、そ
の割合が0.1%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その割合が15%を越えると多孔質成形体の
強度が急激に低下するようになることから、その割合を
0.1〜15%、望ましくは2〜10%と定めた。ま
た、上記多価アルコールとしてはエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、およびグリセリン、上記油脂
としてイワシ油、菜種油、およびオリーブ油、上記エー
テルとして石油エーテル、さらにエステルとして、フタ
ル酸ジNオクチル、ソルビタンモノオレート、ソルビタ
ントリオレエート、ソルビタンパルミテート、およびソ
ルビタンステアレートの使用がそれぞれ望ましい。
【0037】さらに、前記混合物に可燃材を加えると、
多孔質成形体の脱脂時および焼結時に燃焼消失させて、
気孔の形成を一段と促進させることができる。したがっ
て、可燃材としては、300℃以上の温度で、かつ上記
金属粉の焼結温度以下の温度で燃焼消失するものであれ
ば、特に材料的制限はないが、形状に関しては、粉末状
であれば、0.1〜200μm、望ましくは20〜10
0μmの平均粒径をもつものがよく、また繊維状であれ
ば、その長さは200μm以下、望ましくは30〜12
0μmであるのがよい。また、その割合が0.1%未満
では所望の気孔形成促進作用が得られず、一方その割合
が40%を越えると、多孔質成形体の乾燥時に、その表
面に凹凸が発生し易くなり、表面性状が悪化するように
なることから、その割合を0.1〜40%、望ましくは
5〜20%と定めた。さらに可燃材としては、パルプ、
綿、糸屑、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロー
ズ、非水溶性セルローズ樹脂、ポリビニルブチラル樹
脂、ポリビニル樹脂、アクリル樹脂、およびポリエチレ
ン樹脂等の使用が望ましい。
【0038】尚、前述した各形態では、平板状の建築用
基材2,32を用いたが、板状であれば他の形状、例え
ば湾曲面や凹凸面を有する板状の建築用基材でも構わな
い。また、前記可塑剤を混合した発泡金属スラリーを用
いれば、形成された多孔質金属体層が可塑性を有するの
で、変形し易い建築用建材に適用しても構わない。
【0039】
【実施例】次に、本発明に係る壁用建材を実施例により
具体的に説明する。まず、金属粉として表1、2に示さ
れる平均粒径および組成を有する各種の金属粉、有機溶
剤として、ネオペンタン(以下、A−1という)、ヘキ
サン(同じくA−2という、以下同じ)、イソヘキサン
(A−3)、ヘプタン(A−4)、イソヘプタン(A−
5)、ベンゼン(A−6)、オクタン(A−7)、およ
びトルエン(A−8)、界面活性剤として上記の市販の
台所用中性合成洗剤、水溶性樹脂結合剤として、メチル
セルロース(以下、B−1という)、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース(同じくB−2という、以下同
じ)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(B−3)、
カルボキシメチルセルロースアンモニウム(B−4)、
エチルセルロース(B−5)、およびポリビニルアルコ
ール(B−6)、可塑剤として、ポリエチレングリコー
ル(以下、C−1という)、オリーブ油(同じくC−2
という、以下同じ)、石油エーテル(C−3)、フタル
酸ジNブチル(C−4)、およびソルビタンモノオレー
ト(C−5)をそれぞれ用意し、これらを表1、2に示
される配合組成で水に配合し、通常の条件で混合するこ
とにより混合原料A〜Pをそれぞれ発泡金属スラリーと
して調製した。
【表1】
【表2】
【0040】ついで、これらの各種の混合原料を前述し
た壁用建材製造装置10等によって、建築用基材の表面
に塗布してスラリー成形体を形成するとともに、このス
ラリー成形体にそれぞれ表3、4に示される条件で気泡
形成(多孔質成形体形成)、脱脂および焼結を施すこと
により表面に多孔質金属体1〜16を形成した壁用建材
をそれぞれ製造した。
【表3】
【表4】
【0041】つぎに、これらの多孔質金属体1〜16を
形成した壁用建材について、有孔金属焼結体の気孔率を
測定するとともに、縦断面における任意10ケ所を金属
顕微鏡で200倍の倍率で観察して、それぞれの観察個
所における気孔の最大孔径と最小孔径を測定し、その平
均値を求めた。これらの測定結果を表5に示した。
【表5】
【0042】また、これらの多孔質金属体1〜16を形
成した壁用建材について、画像解析装置を併用して多孔
質金属体の全体気孔率をそれぞれ測定し、かつBET法
にて多孔質金属体の全体比表面積を測定し、さらに前記
多孔質金属体を構成する有孔金属焼結体のスケルトン部
の内部微細気孔の気孔率も測定した。これらの測定結果
を測定個所:30ケ所の平均値として表6に示した。
【表6】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)本発明に係る壁用建材によれば、気孔および内部
微細気孔が多孔質金属体層の内部に多数含まれ、スケル
トン部が有孔金属焼結体とされていることから高効率な
断熱効果と高い電磁波シールド効果等を同時に有するの
で、単純かつ薄い構造でこれら複数の効果を低コストで
得ることができる。そして、本発明の壁用建材を部屋等
に張設する際には、建築用基材を互いに隣接して配置す
ることにより、その表面に形成された多孔質金属体層も
連続して配置されるので、単純な施工工程で優れた電磁
波シールド効果を得ることができる。さらに、多孔質金
属体層は、のり等の接着剤を用いずに建築用基材の表面
に直接形成されているので、菌が培養されることもな
く、衛生性がさらに向上する。また、建材として必要な
強度は、建築用基材によって確保されており、通常の建
材と同様に取り扱いができる。 (2)また、スケルトン部を形成する有孔金属焼結体
に、銀および銅の少なくとも一方を含有することによ
り、菌の発生が抑制され、抗菌性をさらに向上させるこ
とができる。 (3)さらに、気孔および内部微細気孔に、抗菌、防カ
ビ用等の薬剤やその他の薬剤を包含することにより、薬
剤による効果がさらに付加され、多様な効果を有するこ
とができる。 (4)本発明に係る壁用建材の製造方法によれば、建築
用基材の表面に直接発泡金属スラリーを塗布して乾燥・
焼結することにより、のり等の接着剤を用いずに直接、
建築用基材の表面に多孔質金属体層が形成されるので、
衛生性が向上するとともに、様々な板状の建築用基材お
よび大面積の建築用基材に対して適用することができ
る。 (5)さらに、発泡金属スラリーを、前述した所定の混
合組成で形成することにより、常温常圧下でスラリー成
形体の成形が可能になるとともに、微細にして整寸な気
孔を有する高気孔率の多孔質金属体層が形成されるの
で、優れた断熱効果等を有する高品質な壁用建材を簡易
な工程で容易に製造することができる。また、前記可塑
剤を混合することにより、変形し易い建築用基材、すな
わち可塑性、弾性および熱膨張性等の高い建築用基材に
も適用することができ、多様な壁用建材を製造すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る壁用建材の第1形態を示す断面図
である。
【図2】図1における多孔質金属体層の拡大断面図であ
る。
【図3】本発明に係る壁用建材の製造装置の一例を説明
するための概略断面図である。
【図4】本発明に係る壁用建材の製造方法の一工程例を
説明するための概念図である。
【図5】本発明に係る壁用建材の第1形態を室内に配設
した状態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る壁用建材の第2形態を示す断面図
である。
【図7】図6における多孔質金属体層の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1,31 壁用建材 2,32 建築用基材 3,33 多孔質金属体層 3a スケルトン部 15 スラリー成形体 15a ミセル 15b 金属粉 16 多孔質成形体層 A 気孔 a 内部微細気孔 S 発泡金属スラリー Y 薬剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04F 13/08 B22F 5/00 101B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の建築用基材と、 該建築用基材の表面に、発泡金属スラリーを塗布、焼結
    して形成した多孔質金属体層とを備え、 該多孔質金属体層は、多数の気孔を覆うスケルトン部
    が、内部に前記気孔より小径な内部微細気孔を多数包含
    する有孔金属焼結体で形成されていることを特徴とする
    壁用建材。
  2. 【請求項2】 前記スケルトン部を形成する有孔金属焼
    結体は、銀および銅の少なくとも一方が含有されている
    ことを特徴とする請求項1記載の壁用建材。
  3. 【請求項3】 前記気孔および内部微細気孔に、薬剤が
    包含されていることを特徴とする請求項1または2記載
    の壁用建材。
  4. 【請求項4】 発泡金属スラリーを板状の建築用基材の
    表面に塗布してスラリー成形体を形成するスラリー塗布
    工程と、 該スラリー塗布工程後に、スラリー成形体を乾燥させて
    発泡させることにより、スケルトン部に覆われた多数の
    気孔を有する多孔質成形体層を形成するスラリー乾燥工
    程と、 前記多孔質成形体層を焼結させて多孔質金属体層を形成
    するとともに、スケルトン部を、内部に前記気孔より小
    径な内部微細気孔を多数包含する有孔金属焼結体とする
    多孔質成形体層焼結工程とを備えることを特徴とする壁
    用建材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記発泡金属スラリーは、重量%で、 炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤:0.05
    〜10%、 界面活性剤:0.05〜5%、 水溶性樹脂結合剤:0.5〜20%、 平均粒径:0.5〜500μmの金属粉:5〜80%、 必要に応じて、多価アルコール、油脂、エーテル、およ
    びエステルのうちの1種または2種以上からなる可塑
    剤:0.1〜15%、 水:残り、 からなる配合組成を有する混合物とされることを特徴と
    する請求項4記載の壁用建材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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