JPH0976382A - 制振形材の製造方法 - Google Patents
制振形材の製造方法Info
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Abstract
を向上させる。 【解決手段】 中空部を有する形材、例えばトラス形ア
ルミ押出形材1の中空部の端部から制振樹脂10を挿入
し、形材の長手方向にわたって中空部7〜9の内面の一
部又は全部、具体的にはリブ4と面板3に制振樹脂10
を配置した後、加熱して該制振樹脂を中空部内面に接着
させる。
Description
で構成され内部に中空部が形成されたトラス状形材、又
は一枚の面板にリブを突出して構成され片面に凹部が形
成されたπ状形材であって、振動騒音を防止する必要の
ある部分に用いられる制振形材に関し、そのような制振
形材の製造方法、更にはこの制振形材を用いた輸送用構
造部材に関する。
車両の構成部材には、軽量で剛性に富むものが求められ
る。そこで、構造部材をアルミ押出形材を用いて形成す
るようになった。床面には、二枚の面板の間にジグザグ
状のリブを有するトラス型のアルミ押出形材が用いら
れ、側壁及び天井面には、一枚の面板の片面からリブが
突出するπ型のアルミ押出形材が用いられる。
い鉄等に比較して振動騒音を伝えやすく、乗客の乗り心
地を考慮して、振動騒音を低減する必要がある。そのた
め、トラス型アルミ押出形材については、車輪からの転
動音やモータ音が伝わりにくくするために、客室側の面
板の上に樹脂を介してアルミ板等の弾性板を張り付けた
拘束型制振構造を採用することが、本発明者らによって
提案されている。また、π型のアルミ押出形材について
は、面板とリブとが形成する凹部に吸音用のグラスウー
ルを詰めることが行われていた。
/時のような高速で走行する車両では、トラス型アルミ
押出形材については、サンドイッチ構造の部分で振動エ
ネルギーが減衰されるものの、サンドイッチ構造を通過
した振動エネルギーはリブを伝って何ら抑制されること
なく伝達される。また、このような高速になると、構造
体の周囲に高速で空を切る乱気流が発生し、側壁及び天
井面を高周波で振動させるという現象が発生するが、上
述したグラスウールは、主として空気伝搬する音響エネ
ルギーを吸収するものであり、側壁及び天井面で発生し
た振動エネルギーを吸収することができない。その結
果、トラス型アルミ押出形材やπ型アルミ押出形材を振
動エネルギーが減衰せずに客室へと伝わり、空気中に音
響エネルギーとして放出するために、客室内の騒音を大
幅に低減することができないという問題点があった。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、第1に、制振特性に優れたトラス型アルミ押出
形材やπ型アルミ押出形材等の制振形材を提供すること
にあり、第2に、このように制振特性に優れた制振形材
を用いた輸送用構造部材を提供することにあり、第3
に、このような制振特性に優れたこのような制振形材を
簡単に製造することができる製造方法を提供することに
ある。
リブから構成される形材であり、このリブと面板によっ
て前記形材内部に中空部が形成される例えばトラス型ア
ルミ押出形材に対して、中空部内面に制振樹脂を設ける
構成が基本となっている。この中空部は元々存在する空
間であって、この部分の内面に制振樹脂を張り付ける
と、面板及びリブを曲げる振動エネルギーが熱エネルギ
ーに変換されて相当の音響エネルギー低減効果が認めら
れる。音源側面板の中空側内面に制振樹脂を張り、更に
斜めのリブの片面に制振樹脂を張ると、面板の部分で減
衰し、リブを伝わる途中でも減衰することから相乗的に
音響エネルギーが低減される。そして、制振樹脂を張る
ことはトラス型アルミ押出形材だけではなく、π型アル
ミ押出形材の凹部特に面板の内側にも適用できる。この
ようなトラス型アルミ押出制振形材を高速鉄道車両の床
板に用い、π型アルミ押出制振形材を高速鉄道車両の側
壁及び天井に用いると、客室内の騒音が大幅に低減す
る。
部に制振樹脂を挿入する場合に、プラスチックフィルム
に制振樹脂を張った連続部材にすると、挿入し易く、制
振樹脂を溶かすための加熱に際して、プラスチックフィ
ルムが接着剤になったり、カバーになったりする。ま
た、中空部内に直接に熱融着性の制振樹脂を挿入する場
合には、制振樹脂板の表面に溝が交差する凹凸模様のエ
ンボス加工を施し、この制振樹脂板をエンボス加工が接
着側となるようにし、好ましくは溝の交差点に厚み方向
に貫通孔を設け、空気が逃げやすくして密着性を向上さ
せる。また、時効硬化型アルミニウム合金の押出形材の
場合には、制振樹脂の加熱を時効硬化の熱処理と兼ねて
行うことができ、省エネルギーになると共に、加熱工程
の重複を回避できる。
図面に従ってこれを説明する。第1図は、トラス型アル
ミ押出形材の制振形材の断面を示している。長尺のアル
ミ押出形材1は、上下の面板2、3をジグザグ状の傾斜
リブ4と両端の垂直リブ5、6で支え、三角形の中空部
7と逆三角形の中空部8と両端の台形の中空部9が形成
されたトラス型断面形状を有している。
面、中空部9の斜面と下面に、制振樹脂10とプラスチ
ックフィルム11とが張りつけられている。図示例で
は、下側の面板3が音源側になっており、面板3の上側
内面及び傾斜リブ4の上側内面のように、制振樹脂10
とプラスチックフィルム11は自重で載りうる面に張り
つけられている。すなわち、中空部7に対しては、フラ
ットなものが載っており、中空部8に対してはV型のも
のが載っており、中空部9に対しては谷折りのものが載
っており、加熱することで制振樹脂10が融けて中空部
内面に張りついている。
て、適当な厚み及び材質を選定して用いられる。厚みに
関しては、通常1〜10mmの範囲のものが適宜選択し
て使用される。材質としては、制振特性に優れた変形ア
スファルト系樹脂やブチルゴム系特殊合成ゴム等が用い
られる。この制振樹脂10は加熱で自己融着するものに
限らず、接着剤によって中空部内面に張りつけられるも
のでもよい。また、この制振樹脂10は全体が均一な材
料で形成されるものに限らず、表面側が固い材質であ
り、内面側が柔らかくて自己融着可能な材質の2層の如
く積層された構造のものを仕様することができる。更
に、制振性を高めたり、その他の機能を付加するため、
制振樹脂10の表面の全部又は一部に、以下に述べるプ
ラスチックフィルムの他、アルミ箔等のように材質が異
なる薄い膜を張りつけることができる。
ルム等が用いられる。このプラスチックフィルムは直接
制振樹脂10が露出し、その表面に塵等が付着するのを
防止するカバーとしての役目を果たしている。したがっ
て、プラスチックフィルムに代わって、アルミ箔を用い
ることもできる。
下側)からの振動が加えられると、面板3が加振され、
曲げ振動を開始する。面板3とプラスチックフィルム1
1で挟まれた制振樹脂10は曲げ変形を受け、振動エネ
ルギーの一部が熱エネルギーに変換される。残った振動
エネルギーはリブ4に伝搬し、リブ4も曲げ振動を開始
する。リブ4とプラスチックフィルム11で挟まれた制
振樹脂10も曲げ変形を受け、振動エネルギーの一部が
熱エネルギーに変換される。この結果、音源側の面板3
と斜めのリブ4の曲げ振動が抑制されることになり、ト
ラス構造全体の振動エネルギーが大きく抑制されるた
め、音源と反対側(静環境側の)面板2に伝わる振動エ
ネルギーは相当に小さくなり、制振形材全体の遮音効果
を高める。
元々存在する中空部8、9の内面に設けられており、形
材1の厚みそのものが増えるわけではない。したがっ
て、面板3の外側に粘弾性樹脂を挟んで弾性板を張りつ
けるものに比較して、厚み寸法が増えずに、重量増加も
少なくて済み、しかも制振特性はリブ4の効果が加重さ
れる。
造方法を説明する。制振形材1より長いプラスチックフ
ィルム11に長方形の制振樹脂板10を多数直列に並
べ、接着剤で張りつけて連続体12にする。長方形の幅
は接着すべきリブ4や面板2、3の幅で決まるが、長方
形制振樹脂板10の長さは1m前後が適切である。長す
ぎると反り等で中空部内面との間に隙間ができて空気を
巻き込むので、フラットな長方形が確保できる程度の長
さに切断する。そして、制振樹脂10が下側になるよう
にし、連続体12を中空部7内に挿入する。制振樹脂1
0同士を突き当てつつ押し込むこともできるが、押し込
みにくい場合には、プラスチックフィルム11の先端に
紐を付け、紐を中空部5に先に通しておいてから、紐を
引っ張って引き込むこともできる。そして、図示の二点
鎖線のように、プラスチックフィルム11の両端が中空
部7の端からはみ出る状態にし、プラスチックフィルム
11の両端を引っ張ると、途中のプラスチックフィルム
11の弛みや制振樹脂10の反り等が矯正され、連続体
12の全体が中空部7の下側内面に密着し、空気の巻き
込みが少なくなる。また、必要に応じて、端からはみ出
たプラスチックフィルム11に張力を与えた状態でテー
プ等で固定し、プラスチックフィルム11に緊張力を与
えることもできる。
げられた連続体を挿入し密着させる。つぎに、連続体1
2が挿入された形材1の全体を加熱炉に入れて加熱す
る。すると、制振樹脂10が加熱により溶融し、制振樹
脂10は中空部内面とプラスチックフィルム11の両方
に融着する。
のものと異なる点は、中空部8の内面に張られた制振樹
脂10はプラスチックフィルムの接着層13を介して張
られている点である。すなわち、制振樹脂10は図1の
ように外面が覆われておらず、外面が露出している。
ム、ポリアミドフィルムのようなホットメルトタイプの
プラスチックフィルムが用いられる。また、フィルム1
3に代わり、ナイロン製ネット、ポリエチレン製ネット
又は寒冷紗等のネットも用いられる。要は可撓性と面積
があり、制振樹脂と中空部内面とを接着することができ
るものであればよい。特にホットメタルタイプのプラス
チックフィルムは、接着性、溶融性及びスリップ性に優
れ、加熱前は中空部8への制振樹脂板10の挿入を容易
にし、加熱後は融けて接着剤になり、制振樹脂板10を
間接的に接着させる。
4により説明する。プラスチックフィルム13の上に制
振樹脂板10を並べて接着して連続体12にし、中空部
7に挿入される。プラスチックフィルム13が中空部7
の下面を滑らかに滑り、制振樹脂10が順次押し込まれ
ていく。プラスチックフィルム13及び制振樹脂10が
加熱により共に溶融し、制振形材1の中空部内面とプラ
スチックフィルム13と制振樹脂10が相互に融着す
る。そのため、プラスチックフィルム13は制振樹脂1
0と同程度の温度で溶融するものが好ましい。また、こ
の制振樹脂10とプラスチックフィルム13の接着には
常温で接着可能なゴム系接着剤が用いられる。
である。図5(a)には、プラスチックフィルム13を
下側にして滑らせて挿入した後、反転機械等を用いて上
下逆転させ、制振樹脂10を中空部内面に接するように
位置させる方法が開示されている。すなわち、リブ4、
4に沿わせる二枚の連続体12を挿入した状態を示して
いる。まず下側の連続体12をプラスチックフィルム1
3を下にして挿入し、次に上側の連続体12を挿入する
か、上下の連続体12、12を同時に挿入する。そし
て、図5(b)のように、形材1の上下を逆転させ、連
続体12、12をリブ4の上側内面に沿わせて加熱す
る。または、リブ4に沿うV字形の状態に折り曲げた連
続体を挿入し、上下逆転させて、制振樹脂10が中空部
内面に接するように位置させる。このように、制振樹脂
10が融けて直接リブ4の内面に接着されるようにする
と、プラスチックフィルムを介して制振樹脂をリブに接
着する場合のように、プラスチックフィルムの溶融時に
リブ4とプラスチックフィルム間に存在する空気がその
まま残留することもなく、制振樹脂10とリブ4の内面
との接着強度が低下することを防止することができる。
てプラスチックフィルムを用いる場合を説明したが、ネ
ットを用いると、ネットの目を通って融けた制振樹脂が
流れるため、密着性が良くなる場合がある。また、フィ
ルムやネットを2枚の制振樹脂板で挟んだ連続体とする
ことができる。更に、制振樹脂同士の端同士をテープで
張りつけたり、糸や針金を制振樹脂板に貫通させて連続
体にすることもできる。更に、形材としてアルミ押出形
材を用いる場合を説明したが、上下の面板とリブを溶接
又は接着で一体にする形材にも適用可能である。更に、
制振樹脂を張りつける部分は、図1や図3のものに限ら
れず、斜めのリブ4の片面にだけ制振樹脂を張りつける
もの、音源側の面板3の内面にだけ制振樹脂を張りつけ
るもの、音源側の面板3の内面に代わって静音側の面板
2の内面に制振樹脂を張りつけるもの、音源側及び静音
側の面板2、3の内面の両方に制振樹脂を張りつけるも
の、斜めのリブ4の両側にも制振樹脂を張りつけるも
の、場合によっては面板2、3の外側面に粘弾性樹脂を
挟まれた弾性板を張りつける拘束型サンドイッチ構造を
付加することもできる。
振樹脂板14を直接挿入する場合を説明する。図示のよ
うに長方形にカットされた制振樹脂板14の多数を用意
し、中空部8に順次押し込んでいく。このように、中空
部、7、8、9の所望内面に制振樹脂板14を挿入し、
中空部7、8、9の内面に載置された状態にする。
10mmの変性アスファルト系樹脂やブチルゴム系特殊
合成ゴム等をシート成形したものであり、表面に凹凸模
様が立体的に型付けされたエンボス加工15を施したも
のである。そして、エンボス加工15された側が接着面
となるように中空部8に挿入される。このエンボス加工
15は、図示例ではV溝を菱型に交差配置した凹凸模様
を転写したものである。例えば、加熱軟化させたシート
を冷却したエンボスロールとゴムロールで加圧転写し、
冷却ロールを経て転写されたエンボス加工を固定する。
このエンボス加工15は、V溝の菱型配置に限らず、表
面の凹凸のうち凹部が外周まで連続しているものであれ
ばよく、ランダム模様であってもよい。
ず、V溝の交差点に厚み方向の貫通孔16が設けられて
いる。この貫通孔16は熱融着時に接着面側に閉じ込め
られそうな空気を抜くためのものであり、熱融着時に塞
がらないために3mm以上の直径を有するものが好まし
い。貫通孔16の加工は上述したエンボスロールにV山
の交点にピンが突設したものを用いるとエンボス加工と
同時に加工できる。
は、フラットな長方形に切断され、中空部8に挿入され
る。制振樹脂板14同士を突き当てつつ順次押し込むこ
ともできるが、制振樹脂板14同士を紐体等で連結し、
紐体を介して中空部5に引き込むこともできる。更に、
形材と略同じ長さの制振樹脂板14を使用することも可
能であるため、それを形材の一端から引き込むこともで
きる。また、同様に面板3の内面側にも制振樹脂板14
を挿入する。
ミ形材1の全体を加熱炉に入れて加熱する。時効処理型
アルミニウム合金のアルミ形材の場合には途中工程で時
効硬化のための加熱処理が必要であり、この熱処理を制
振樹脂を熱融着するための熱処理を共用することができ
る。6061合金の場合で、例えば190℃×3時間の
加熱処理を行う。変性アスファルトやブチルゴム系特殊
合成ゴム等の制振樹脂板10は130〜150℃×20
〜30分で熱融着するため、190℃の高温加熱では、
図7のように、反り気味になって周囲から急速に融け始
める。しかし、エンボス加工15の溝15aを通って内
部に空気が抜けるため、閉じ込められる空気が少なくな
り、結果として接着面の密着性が向上する。また、溝1
5aの交差点の貫通孔16があると、空気の抜けが確実
に行われ、全面にわたる密着性が確保される。
密着性を向上させる方法として、既にプラスチックフィ
ルムやポリエチレン製ネットを用いる方法を説明した
が、アルミ形材1と略同じ幅寸法の制振樹脂板14を使
用する場合、プラスチックフィルムの代わりにゴム系の
接着剤を制振樹脂板14の融着面側に塗布しておき、制
振樹脂板14と共にアルミ形材1の中空部内面に密着さ
せる方法もある。
と制振樹脂板の熱融着の兼用とすることで、時効処理型
アルミニウム合金の一連の加工工程のなかに制振樹脂板
の熱融着工程を組み込める。このような、時効処理型ア
ルミニウム合金としては、MgとSiをそれぞれおよそ
0.5〜1.0重量%含有しており、Mg2Siの中間
相の析出により時効硬化するAl−Mg−Si系アルミ
ニウム合金(6000系)が代表的であるが、Al−Z
n系、Al−Zn−Mg系、Al−Zn−Mg−Mn系
等が使用できる。この時効硬化のためには、例えば60
61合金の場合で、170〜190℃×3〜8時間の加
熱処理を行う。
系樹脂やブチルゴム系特殊合成ゴム等であり、通常13
0〜150℃×20〜30分で熱融着する。すると、時
効硬化のための170〜190℃×3〜8時間は高温で
あり、制振樹脂板の周囲が先に融け、制振樹脂板と中空
部内面との間に空気が閉じ込められたままになりがちで
ある。そこで、制振樹脂板の接着側のエンボス加工面に
おける凹凸模様の凹部を通って空気が逃げて、制振樹脂
板と中空部内面の接着が確保される。この凹凸模様を溝
が交差したものにし、交差点に厚み方向の貫通孔を設け
ると、閉じ込められそうな空気が貫通孔を経て更に放出
される。
制振形材を図8乃至図12により説明する。
造の腹部を形成する連続折板状のリブを、上述したよう
にアルミ25、27の間に樹脂26を挟んで一体的に成
形した制振リブ24で形成すると共に、片面に縦溝22
aを有するアルミ板22と、同じく片面に縦溝21aを
有するアルミ板21とを、これら縦溝21a、22aの
ある面が対向するように配置し、かつサンドイッチ制振
板24の各山形の頂部27aをアルミ板22の縦溝22
aに、また各山形の谷部25aをアルミ板21の縦溝2
1aにはまるように接着して構成している。
側)からの振動が加えられると、アルミ板21が加振さ
れ曲げ振動を開始し、そのエネルギーは制振リブ24に
伝わるが、このとき制振リブ24が曲げ変形を受ける
と、リブ24の中間層を占める樹脂26もせん断変形を
受け、振動エネルギーが熱エネルギーに効率良く変換し
て空間23に放出される。この結果、すべての制振リブ
24の曲げ振動が抑制され、静環境側のアルミ板22に
伝わる振動エネルギーは非常に小さくなり、パネル全体
の遮音効果を高めることができる。
の下側のアルミ板21の代わりに、2枚のアルミ板3
2、34の間に樹脂33を挟んで一体的に成形したサン
ドイッチ制振板31を取り付けた構成としている。ま
た、上側のアルミ板22もサンドイッチ制振板とするこ
ともできる。従ってこの制振形材30では、音源側のア
ルミ板32が加振され曲げ振動を開始したとき、曲げ振
動エネルギーは、樹脂33を通過する間にある程度減衰
された後、リブ24に伝わることになるので、図8の制
振形材20で得られる遮音性能をさらに改善することが
できる。
側)から厚み方向に沿って厚肉のアルミ板42、樹脂層
43、薄肉のアルミ板44の順序で一体的に成形したサ
ンドイッチ制振板41を採用することも自由である。こ
の構成では、厚肉アルミ板42の曲げ剛性を、薄肉アル
ミ板44、サンドイッチ制振板24、アルミ板22から
なるトラス構造体の曲げ剛性に近づけることができ、結
果として樹脂43を防音パネル40全体の中立軸に近づ
けて位置させ吸収する歪エネルギーを大きくすることが
可能となる。また、上側のアルミ板22をサンドイッチ
制振板41と同様に樹脂を中立軸に近づけたものとする
こともできる。
む形式の、いわば等厚型アルミ制振板を使用する図9の
制振形材30の様に、樹脂層がパネル全体の中立軸から
みると比較的離れた位置に存在する構成となっている場
合に比べて、パネル全体が曲げ振動を受けた時の樹脂に
生じるせん断ひずみエネルギーが非常に大きくなり、そ
の分、振動エネルギーが熱エネルギーに変換して外気に
放出される割合も大きくなるので、パネル全体の遮音効
果をより一層高めることができる。
a、22aを凸条21f、22fに設けるようにし、ア
ルミ板21、22の部分的な剛性の低下を防止したもの
である。同様に図12は図9の変形例であり、縦溝34
aを凸条34fに設けるようにし、サンドイッチ制振板
31におけるアルミ板34の部分的な剛性の低下を防止
したものである。
たが、以下、π型の制振形材の本発明の適用例を図13
により説明する。
0は、紙面手前から向こうに延びる細長い面板51と、
面板51の片面の長手方向に突設された四つの凸条リブ
52とからなり、凸条リブ52と面板51とで凹部空間
55が形成された断面形状となっている。そして、凹部
55の下側であって面板51の上側片面に、制振樹脂5
3とプラスチックフィルム54が張られている。このよ
うに制振形材50はπ字断面を有しており、これを単位
とするものが紙面左右方向に複数接合されて、構造体の
床や側壁、天井面を構成する。なお、面板51の両端部
は接合部分になるので、接合部分周辺56には制振樹脂
53が張られず、隣接形材部材との溶接等による接合時
に邪魔にならないようになっている。
明する。最初にアルミを面板51とリブ52とでπ字形
を単位として断面を形成するように押出し成形するか、
又は、溶接接合してアルミ形材を製造する。次に、形材
をそのまま、あるいは複数個を溶接接合して、凹部55
に上からプラスチックフィルム54に接着された制振樹
脂53を挿入し、150℃〜250℃で時効硬化のため
の熱処理を行う。最後に冷却する。制振樹脂53はこの
時効硬化の温度より低い温度で融ける材料が選択されて
おり、面板51に融着する。なお、プラスチックフィル
ム54を用いないで、制振樹脂53だけを凹部55内に
挿入することもできる。また、制振樹脂をリブ53の片
面又は両面に接着することもできる。
図1の制振形材1の使用例を図14により説明する。図
14は高速鉄道車両の構造部材の断面図であり、床面に
は、図1のトラス型制振形材1を接合して用いられ、側
壁と天井には図13のπ型制振形材50が接合して用い
られている。制振形材1は、床の下面側に設けられたモ
ータ音、転動音等の振動を制振樹脂10である樹脂が曲
げ変形して吸収する。そして、輸送体用構造体内にモー
タ音、転動音等の振動が伝わるのを防止している。更
に、π型制振形材50を天井や側壁に使用すると、高速
走行中の空を切ることに起因する高周波の振動音や転動
音、モータ音等に含まれる高周波の振動音を制振樹脂1
0が曲げ変形で吸収して構造体内に伝わりにくくなる。
その結果、乗客等を運ぶ際は、乗客に騒音による不快感
を与えず乗り心地の良い鉄道車両を提供することができ
る。このような輸送体用構造部材としては高速鉄道車両
に限らず、航空機、自動車、高速船等に用いられるもの
がある。
15乃至図17のグラフ図により説明する。6061合
金を押し出した図1に示す形状のアルミ形材に対して、
日本特殊塗料株式会社製の変性アスファルト系樹脂(厚
み3mm、溶融温度140℃)であって、深さ1.0m
mのV溝が菱型に交差するエンボス加工が施された制振
樹脂板を必要箇所に挿入し、190℃×3時間で時効硬
化のための加熱処理を行い、同時に制振樹脂板を熱融着
させたものを使用した。図15のものは、図1の面板3
の内側面にだけ制振樹脂を熱融着したものである。図1
6のものは、図1の斜めのリブ4の片面にだけ制振樹脂
を熱融着したものである。図17のものは、図1の如く
面板の3の内面側及び斜めのリブ4の片面に制振樹脂を
熱融着した。図15乃至図17共に、制振樹脂板を熱融
着させない未処理形材を比較のために図示している。そ
して、1/3オクターブ周波数に対する音響透過損失を
測定した結果を未処理形材と共にグラフ化している。
樹脂を熱融着したものは、音響エネルギーは未処理形材
に比較して最大で19dBの低減効果が発揮することが
確認された。この低減効果は、面板の下側に粘弾性樹脂
を介して弾性板を張り付けたサンドイッチ構造にしたも
のに匹敵する。すなわち、面体の下側に弾性板を設ける
必要がなくなり、形材の厚みや重量を増すことなく、相
当の低減効果を達成することができる。
脂を熱融着したものは、音響エネルギーは未処理形材に
比較して最大で23dBの低減効果が発揮することが確
認された。さらに、図15の場合では、630Hz以下
の低周波数領域では効果がなかったが、この場合には5
00Hzにおいても6dBの低減効果が認められた。こ
のことは、高速車両では車輪からの転動音やモータ音が
一層伝わりにくくなっているということを意味する。
側及び斜めのリブ4の片面に制振樹脂を熱融着したもの
は、相乗効果によって、未処理形材に比較して最大で3
3dBの低減効果が発揮することが確認された。とりわ
け、リブ4の片面に制振樹脂を熱融着したことが、より
優れた制振効果に寄与していることが判る。
図18のグラフ図に基づいて説明する。実験は、図15
乃至図17と同様に1/3オクターブ周波数に対する音
響透過損失を測定することにより行われた。一点鎖線は
面板の内面に貼りつけた制振樹脂の厚みが2mm、破線
は面板の内面に貼り付けた制振樹脂の厚みが1.5mm
の制振形材である。未処理形材は、アルミ押出形材だけ
の場合を同じ条件により実験した結果を示している。制
振樹脂の厚みに係わらず500hz以上の周波数領域に
なると明らかに従来のアルミ押出形材だけよりも制振効
果があることが判る。
振樹脂が曲げ振動で音響エネルギーを吸収する場合の実
験例であったが、制振樹脂の表面にアルミ箔が張られた
ものは、制振樹脂がリブとアルミ箔の間に挟まれ、曲げ
変形のみならず、若干のせん断変形を受ける。そのた
め、音響エネルギーの吸収率が向上する場合がある。そ
こで、アルミ箔の有無の影響を調べるために、図1のア
ルミ形材の厚み3mmの面板3から長方形の板を切り出
し、この長方形板の片面に厚さ2mmの制振樹脂を張っ
ただけの第1サンプルと、更にこの制振樹脂の表面にア
ルミ箔が張られた第2サンプルと、長方形板だけの第3
サンプルを作成した。これらのサンプルの中央を支持し
て加振実験を行い、得られた共振曲線から減衰の大きさ
を求めた。また、20℃の環境温度に設定し、第3次固
有振動数に着目して損失係数を算出した。制振樹脂だけ
の第1サンプルでは第3次固有振動数が823.1Hz
であって損失係数が0.0405であるが、アルミ箔付
の第2サンプルでは第3次固有振動数が876.4Hz
であって損失係数が0.0531に若干増えている。な
お、何も張らない第3サンプルでは、第3次固有振動数
が786.1Hzであって損失係数が0.0012であ
る。このように、アルミ箔を制振樹脂の表面に張ると、
損失係数が増えており、アルミ箔より剛性の高い板を制
振樹脂の表面に張りつけたり、制振樹脂自体をせん断変
形で減衰しやすい材質にすると、一層制振特性が向上す
る可能性を有している。
については、中空部の内面に、制振樹脂等を張りつける
という簡単な構成によって、リブを伝わる振動エネルギ
ーを吸収するようにしたので、制振形材自体の重量増加
を最小限にし、また高さが高くなるという形状変更もな
いまま、遮音効果を高めることができる。また、π型の
ものについても、凹部内面に制振樹脂等を張りつけると
いう簡単な構成によって、同様に遮音効果を高めること
ができる。
重で載る部分に制振樹脂板を挿入して加熱するだけで、
必要部分に制振樹脂を張りつけることができる。また、
時効硬化の為の加熱処理が必要な時効処理型アルミニウ
ム合金の場合には、制振樹脂の溶融を時効処理の過程で
行うことができ、特別の加熱処理を省略することができ
る。プラスチックフィルム等に長方形制振樹脂板の多数
を張りつけた連続体を用いると、容易に制振樹脂板をリ
ブや面板に沿わせることができ、制振樹脂が重なった
り、浮き上がることを防止し、確実な制振特性を発揮さ
せることができる。さらに、プラスチックフィルム等を
用いない場合であっても、制振樹脂板の熱融着面側のエ
ンボス加工の凹凸や貫通孔を設けると、これらを通って
接着面の空気が抜け、密着性を広い範囲にわたって確保
でき、高い制振特性を確保できる。
面図である。
図である。
断面である。
図である。
一部断面と製造方法を示す図である。
の製造方法を示す斜視図である。
製造方法を示す一部断面図である。
製造方法を示す一部断面図である。
製造方法を示す一部断面図である。
の製造方法を示す一部断面図である。
の製造方法を示す一部断面図である。
の製造方法を示す一部断面図である。
用いられる高速鉄道車両用構造部材の断面図である。
グラフ図である。
グラフ図である。
グラフ図である。
フ図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 中空部を有する形材に制振処理を行う方
法であり、形材の中空部の端部から制振樹脂を挿入し、
形材の長手方向にわたって中空部の内面に制振樹脂を配
置した後、加熱して該制振樹脂を中空部内面に接着させ
ることを特徴とする制振形材の製造方法。 - 【請求項2】 形材の中空部内面と制振樹脂との間にプ
ラスチックフィルムを介在させ、加熱によって該プラス
チックフィルムを溶かして制振樹脂を中空部内面に接着
させることを特徴とする請求項1に記載の制振形材の製
造方法。 - 【請求項3】 プラスチックフィルムの上面に制振樹脂
を載置して、該制振樹脂とプラスチックフィルムを同時
に形材の中空部の端部から挿入することを特徴とする請
求項1又は2記載の制振形材の製造方法。 - 【請求項4】 前記プラスチックフィルムがホットメル
トタイプであることを特徴とする請求項2又は3記載の
制振形材の製造方法。 - 【請求項5】 前記制振樹脂の表面にアルミ箔を設けた
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制振
形材の製造方法。 - 【請求項6】 中空部を有する形材が、一対の面板とリ
ブから構成された形材であり、この面板とリブによって
形材内部に中空部が形成されていることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の制振形材の製造方法。 - 【請求項7】 一枚の面板と、該面板の表面に突出し該
面板の長手方向に形成されたリブからなる形材に制振処
理を行う方法であり、前記面板の長手方向にわたって制
振樹脂を配置した後、加熱して該制振樹脂を形材に接着
させることを特徴とする制振形材の製造方法。 - 【請求項8】 制振樹脂はその表面に凹凸模様のエンボ
ス加工が施され、この制振樹脂をそのエンボス加工側が
形材への接着面側になるように配置することを特徴とす
る請求項1〜7のいずれかに記載の制振形材の製造方
法。 - 【請求項9】 制振樹脂のエンボス加工は溝が交差する
模様であり、この溝の交差点には、厚み方向に貫通孔が
加工されていることを特徴とする請求項8に記載された
制振形材の製造方法。 - 【請求項10】 形材が時効硬化型アルミニウム合金の
押出形材であり、前記加熱は時効硬化の熱処理と兼ねて
行われることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記
載された制振形材の製造方法。 - 【請求項11】 形材に制振処理を行うにあたり、形材
を構成する複数の面のうち1又は2以上の面に長手方向
にわたって制振樹脂を配置した後、加熱して該制振樹脂
を接着させる制振形材の製造方法において、形材が時効
硬化型アルミニウム合金の押出形材であり、上記加熱は
時効硬化の熱処理と兼ねて行われることを特徴とする制
振形材の製造方法。 - 【請求項12】 形材に制振処理を行うにあたり、形材
を構成する複数の面のうち1又は2以上の面に長手方向
にわたって制振樹脂を配置した後、加熱して該制振樹脂
を接着させる制振形材の製造方法において、制振樹脂は
その表面に凹凸模様のエンボス加工が施され、この制振
樹脂をそのエンボス加工側が形材への接着面側になるよ
うに配置することを特徴とする制振形材の製造方法。 - 【請求項13】 制振樹脂のエンボス加工は溝が交差す
る模様であり、この溝の交差点には、厚み方向に貫通孔
が加工されていることを特徴とする請求項12に記載さ
れた制振形材の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP8192911A JP2706916B2 (ja) | 1993-02-08 | 1996-07-02 | 制振形材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (9)
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| JP21503993 | 1993-08-06 | ||
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-
1996
- 1996-07-02 JP JP8192910A patent/JPH0948079A/ja active Pending
- 1996-07-02 JP JP8192911A patent/JP2706916B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1996-12-24 JP JP8356261A patent/JPH09174722A/ja active Pending
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| JPH0948079A (ja) | 1997-02-18 |
| JPH09174722A (ja) | 1997-07-08 |
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