JPH097724A - 爆薬の爆発による電線の接合方法 - Google Patents

爆薬の爆発による電線の接合方法

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JPH097724A
JPH097724A JP17690795A JP17690795A JPH097724A JP H097724 A JPH097724 A JP H097724A JP 17690795 A JP17690795 A JP 17690795A JP 17690795 A JP17690795 A JP 17690795A JP H097724 A JPH097724 A JP H097724A
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JP
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electric wire
explosive
flying
speed
metal
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JP17690795A
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English (en)
Inventor
Masato Araki
正任 荒木
Hideaki Kikuchi
秀昭 菊地
Eiji Nishida
英司 西田
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SUTAASHIP KK
Asahi Electric Works Ltd
Original Assignee
SUTAASHIP KK
Asahi Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 機械的な圧縮やかしめ効果によらず、撚り線
の表面に表れた部分のみでなく、電線に損傷を与えずに
内層部分まで冶金的に接合する方法を提供する。 【構成】 接合しようとする電線7の外周に、電線撚り
線外層の材質と同系統の金属からなり予め管状の曲面に
成形した保護体5を被せ、その外側には保護体5と同材
質の金属からなりかつその金属の音速の70%以上の速
度で爆発する爆薬1の爆発圧力によって飛翔し保護体5
と衝突する飛翔板3を配置し、飛翔板3と保護体5並び
に電線7を一体に冶金的に接合する方法であり、爆薬1
は飛翔板3の曲面の外方に設置され、爆薬1の一端から
他端へ進行的に爆発を進行させ、爆発によって飛翔板3
と保護体5の衝突点の移動速度が接合しようとする電線
外層の金属の音速の70%以下であり、飛翔管の爆発の
進行方向と直角な方向への飛翔速度が内層の撚り線同士
も接合するのに充分とすることを特徴とする電線の接合
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送配電線を爆薬の爆発
圧力で接合する方法に関し、特に金属板と保護管及び電
線を一体に冶金的に接合することにより、少ない爆薬量
で高い強度と耐候性に優れた信頼性の高い接合を得る方
法であり、電力等の動力や機械類の使用が困難な山間僻
地でも実施でき、また爆薬の使用量が少ないため、軽量
の爆発消音装置を使用することが可能で、人家の多い地
域でも容易に爆発騒音の公害なく実施できる方法であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の送配電線を爆薬の爆発圧力で接合
する方法に於いては、接合を要する電線の端を金属管内
で突き合せ、金属管の外側を厚い(約10mm程度)ゴ
ムなどの弾性の保護体で覆った上に導爆線を巻き付け、
その導爆線を爆発させることにより金属管を収縮させて
電線を機械的に圧縮して電線を接合していた。従来技術
の特許文献としては、特公昭51−25592,実公昭
58−32865等の公報がある。
【0003】この方法による場合、導爆線の爆発速度は
電線に使用される金属の音速より高速か略等しく、その
ような場合金属を爆発圧力によって冶金的に接合するこ
とは出来ないことが知られている。また、金属管の外側
を厚いゴムなどの弾性の保護体で覆った上に導爆線を巻
き付けることにより、弾性の保護体が金属管に伝わる爆
発圧力を減衰させるため、それを補うため大量の導爆線
を使用する必要が生じ、単に金属管を圧縮して接合する
のに必要な以上の爆薬を要する。
【0004】更に、このような機械的な圧縮やかしめに
よる接合は、冶金的な接合に較べて接合強度が低いため
に、電線の接合部分の長さを大きく取る必要があり、こ
れも導爆線の使用量を多くする要因の一つであった。加
えて、単に金属管を機械的に締め付けて圧縮やかしめ応
力で接合することについては、信頼性が低いという問題
と、金属管と電線、電線の撚り線間の空隙に雨水や腐蝕
性のガスが入りやすく、この様な方法で接合された部分
には、爆発の強大な圧力によって金属が強加工を受けた
ため、大きな残留応力が含まれ、他の部分より容易に浸
蝕されるという大きな問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】上記の従来の爆薬の
爆発による電線の接合方法の有する欠点を除去するには
次のような問題があった。 (1)雨水やガスの接合部への侵入を防ぐには、接合は
機械的な圧縮やかしめによらず、飛翔管と保護管及び撚
り線の内部まで冶金的に接合し、撚り線の間の空隙を塞
ぎ、それらが侵入できないようにする必要がある。その
ためには、爆発速度が導爆線より低く、よって爆発圧力
も低い爆薬を使用する必要が生じ、よって爆薬の使用量
が増加する恐れがある。 (2)爆薬の使用量を低くするため、爆薬と金属管の間
の厚い保護層を設けないようにすると、接合のための金
属管や電線を爆発圧力により損傷する恐れが生ずる。 (3)電線内層の撚り線同士まで接合するには強力な爆
発力を必要とし、その結果、飛翔管を直接電線に衝突さ
せて接合しようとすると、電線が大きな変形や場合によ
っては破断する恐れがある。 (4)従来、高い爆発速度の爆薬で金属を冶金的に接合
するには、例えば2枚の金属板を爆発で接合しようとす
る場合、金属板の間に角度を与えて、金属板同士が衝突
する点の移動速度が金属の音速を越えないようにしてい
た。それに対し、電線のように棒状のものの周囲に金属
を接合しようとする場合、従来考えられていた方法は、
テーパー状の金属管を棒状の接合対象の周囲に設置し、
金属管の外周を覆う爆薬をテーパーの細くなった側の一
端から爆発させることにより、金属管と棒状の接合対象
の衝突点の速度を爆発速度より遅くして接合することが
考えられたが、継ぎ目なしのテーパー管を作ることが難
しいこと等の問題から実用には向かなかった。これらの
問題点について、発明者らは多くの理論的、実験的検討
を進めた結果、以下の結論に到達した。
【0006】
【問題を解決するための手段】上記の各問題点につき以
下の対策を講ずれば、解決できると考えられる。各番号
は上記問題点の番号に対応する。 (1)金属板と保護管及び電線内層の撚り線同士まで冶
金的に接合出来るようになった場合、接合部の強度は接
合部を構成する金属本来の強度或はそれ以上の強度を有
し、従来の爆発で接合する方法による冶金的接合を伴わ
ない機械的圧縮やかしめによる接合に対して遙かに高い
強度を有する。従って従来の方法では、電線長で例えば
300mmとか500mmの長さの接合部を設けて強度
を確保していたのを、例えば100mm以下で接合し
て、従来の接合方法による強度以上を確保しつつ、接合
部長を短縮したことにより、爆薬量を従来以下とする。
また、次項に詳しく説明するが、厚い弾性体の保護層を
排除して、接合部に伝達される爆発圧力の減衰を防止す
ることにより、爆薬量の減少を可能とする。
【0007】(2)厚い保護層を排除することにより爆
薬量の減少を図ると、金属管や電線を爆発圧力により損
傷する恐れが生ずるが、それに対しては導爆線のよう
に線条状の爆薬を用いず、粉状、又は可塑性の爆薬を用
いて、金属表面に導爆線の線条痕が圧印されるのを防止
する、爆薬に直接接触する飛翔板を、電線を包囲保護
する金属管(保護管)を介して電線に衝突させ、飛翔板
が直接電線に衝突することにより電線が破損することを
防止すると共に、飛翔板と保護管の両方を電線に冶金的
に接合することにより、充分な接合強度を得る。これら
の手段により、少ない爆薬量で電線を疵つけることな
く、高い接合強度を有する冶金的接合を得ることが出来
る。
【0008】(3)電線内層の撚り線同士まで接合する
ような強力な爆発力で処理することよる、電線の大きな
変形や破断を防止するには、(2)で厚いゴム等の保護
層を排除するために採用することを考えた保護管が、そ
のまま有効に作用する。
【0009】(4)テーパー状の金属管を使用する代り
に、特定の曲面と電線との相対距離を与えた飛翔板を電
線の周囲を略覆って設置し、飛翔板の電線に面した側と
反対の面を覆う高速で爆発する爆薬を爆発させ、飛翔板
が爆薬の爆発圧力で飛ばされて電線に衝突する際に、そ
の衝突点の移動速度が電線と飛翔板を構成する金属の音
速の70%以下であり、飛翔板の爆発の進行方向と直角
な方向への飛翔速度が、内層の撚り線同士も接合するの
に充分であるようにして冶金的接合が達成されるもので
ある。
【0010】以下図によって本発明の構成を説明する。
図1は本発明の代表的な実施態様を示す接合のための各
要素を組合わせた状態を示す、電線の長手の軸に対して
直角な面から見た図で、1は爆薬、2は飛翔板3の表面
を保護するための薄い保護材、4は飛翔板3と保護管5
の間に適切な距離を維持するためのスペーサ、6は保護
管5と電線7の表面部分に適切な距離を維持するための
スペーサ、8は爆薬を起爆するための電気雷管で、aは
その設置位置を意味する。また、dは飛翔板3のa点か
ら最も遠い位置での飛翔板3と保護管5の垂直距離、L
は飛翔板3のa点から電線7の長手軸に直角な方向に測
って最も遠い位置b点と、電気雷管8を設置したa点の
間の飛翔板表面に沿って測った距離を、L0は電線7の表
面の対応する位置間の長さを示す。図4には、LとL0
を太線矢印で示す。
【0011】爆薬1は、金属を冶金的に接合するには2
枚の金属板が平行に設置され、爆薬が一端から進行的に
他端へ爆発し、それに従って金属板が進行的に衝突して
行く場合、それらの金属の縦波の音速(以下、音速とい
う)以下、好ましくは金属の音速の70%以下の爆発速
度で爆発するものであることが必要とされる。しかし、
本発明に於いては、接合部を構成する部品全てを良好に
接合するには、爆薬1の爆発によって飛翔する飛翔板3
の保護管5との相対距離が、爆薬1の爆発が進行するに
従って徐々に離れるように設置し、そのために飛翔板3
と保護管5の衝突点の進行速度が、接合部分の金属の音
速の70%以下となるようにすることにより、爆薬1の
爆発速度が金属の音速の70%以上であるような高い爆
発速度の爆薬を用いても良好な冶金的接合が達成される
ものである。
【0012】図から明らかなように、飛翔板3と保護管
5との間の飛翔板表面から垂直に測った距離dは、雷管
から遠ざかるにつれて離れるように仕組まれている。図
では、飛翔板3の形状は円筒の一部を切り取った円弧状
をしているように描かれているが、これはあくまでも実
施上の一例であり、後に述べる要件さえ満たせば他の適
切な形状、例えば楕円形の断面でも差し支えない。保護
材2は、本発明では粉状又は可塑性の爆薬を使用するた
め従来の方法におけるような導爆線を用いないので、線
条痕が残る恐れがなく、よって塗装によって薄い塗膜を
付着させたり、プラスチック製或いは紙製のテープを張
り付ける程度で良く、最大でも1mm以下の厚さで充分
である。
【0013】スペーサ4は、飛翔板3と保護管5の間に
適切な距離を維持するためのものであり、これも後に爆
薬1の要件と飛翔板3の要件と共に詳しく説明する。保
護管5は、電線7と異った材種であると電蝕を被るた
め、飛翔板3及びスペーサ4と共に電線7と同系統の材
質である必要がある。即ち電線7が銅線の場合は飛翔板
3とスペーサ4並びに保護管5は銅又は銅合金、アルミ
ニウム線の場合はアルミニウム又はアルミニウム合金で
なければならない。また、電線7が外層がアルミニウム
合金で内層(中心層)が鋼から成るACSR(鋼心アルミ
撚り線)系の電線の場合は、外層の材質にあわせて、飛
翔板3とスペーサ4並びに保護管5はアルミニウム又は
アルミニウム合金でなければならない。スペーサ6もス
ペーサ4と同様に、電線7と保護管5の間に適切な距離
を維持するためのものであり、電線7と同種の材質であ
る必要がある。電気雷管8は、爆薬1を起爆するための
ものである。ただし、保護管5の内面と電線7の表面は
平行になるように設置される。
【0014】図2は、図1を紙面に平行な方向から見た
断面図で、「’」の付いた数字は図1のそれぞれ同じ番
号の部品に対応する。また、L’は飛翔板3’の電気雷
管8’から最も遠い位置を電線7の長手の軸に測った距
離である。図では電気雷管8は飛翔板3の中央に設置さ
れているが、後に述べる要件さえ満たせば、飛翔板3’
の端に設置しても、他の適当な位置に設置してもよい。
【0015】ここで、図1で爆薬1が電気雷管8によっ
て起爆され、a点から飛翔板の角に当たる部分まで爆発
した際の状況を考える。図1のa点からまたは図2の
a’点飛翔板の角までの爆薬1或いは1’の長さをL”
として、それが飛翔板3或いは3’の対応する位置の長
さと等しいと考えると、 L”=(L2+L’21/2 ・・・・・・ 1) となる。更に、爆薬1の爆発速度をDとすると、爆薬1
がa点で電気雷管8によって起爆されてから、爆発がb
点に到達するまでの時間t1は、 t1=L”/D ・・・・・・・・・・・ 2) で表わされる。
【0016】更に、爆薬1が爆発することにより、飛翔
板3は爆薬1の反対側に高速で飛ばされる。飛翔板3が
面に直角な方向に測った飛ばされる速度(以下、飛翔速
度という)をvとし、爆発がa点に到達してからa点が
保護管の表面に衝突するまでの時間t2は、 t2=d/v ・・・・・・・・・・・・ 3) である。a点では飛翔板3の下面は保護管5の表面に接
しているから、爆発してから接触するまでの時間を無視
すると、a点が保護管5に衝突してからb点が衝突する
までの時間は、 t3=t1+t2=L”/D+d/v ・・・・・ 4) で得られる。この式の意味するところは、もし、飛翔板
3と保護管5が平行に設置されていれば、t3=L”/
Dとなるので、a点からb点まで飛翔板3が徐々に離れ
るように設置したことにより、飛翔板3と保護管5の衝
突点がaからbまで進むに要する時間t3はd/vだけ
長くかかることになることを意味する。また、a点での
衝突がb点まで進む平均速度(以下、後衝突点の移動速
度という)Vは、 V=L0/t3=L0/(L”/D+d/v) ・・・・・・ 5) で与えられる。
【0017】厳密には、飛翔板3が爆薬1の爆発によっ
て爆薬の設置された面と反対側の方向に飛ばされる場
合、その方向は飛翔板3の面から直角な方向より爆発の
進行方向にやや傾いた方向に飛ばされるが、衝突点の移
動速度Vを爆薬の爆発速度Dより充分に低く設定する際
には、それに伴う誤差は無視できる程度である。また、
本発明の目的は、爆薬1の爆発によって、飛翔板3を2
本の電線の突き合わせた部分のほぼ中央に高速で衝突さ
せ、飛翔板3が両方の電線に強固に冶金的に接合される
現象を利用して、飛翔板3を介して2本の電線を接合す
ることにあり、保護管5はその際飛翔板3が電線7に高
速で衝突する際に、電線7が著しく損傷或いは破断する
ことを防ぐ役目を果たすわけであるが、保護管5は同時
に飛翔板3と共に電線7に接合して継ぎ手の役目を果た
すものである。
【0018】それでは、飛翔板3と保護管5を継ぎ手と
して有効に電線7を接合するに必要とする衝突点の移動
速度Vと飛翔板3の保護管7への衝突速度vについて説
明する。衝突点の移動速度Vについては、理論的にも実
験的にも金属の音速の70%を越える場合、良好な接合
が期待できないが、衝突速度vについては、これまで明
確な基準はなかった。発明者らは、多くの実験と理論的
検討を繰り返した結果、次の結論に到達した。即ち、本
発明に於いて目的とすることは、単に飛翔板3と保護管
5、保護管5と電線7の表面を冶金的に接合するだけで
なく、撚り線からなる電線7の内層部の撚り線同士まで
接合する必要があることは、既に述べた通りであるが、
それには、電線7の材種毎に定まる、電線7の体積あた
り一定以上のエネルギを飛翔板3の飛翔による運動エネ
ルギとして、電線7に投入する必要があると云うことで
ある。例えば、アルミニウムの撚り線からなる電線7の
場合、電線7内部の空隙を含む体積1m3当り、400M
j以上のエネルギを投入する必要があることが判明し
た。また、銅の撚り線からなる場合は、900Mj以上
のエネルギを投入する必要がある。この電線7の材質が
アルミニウムと銅で違う理由は、銅はアルミニウムより
変形抵抗と融点が高いため、より大きなエネルギを投入
しないと良好な接合が出来ないためと考えられる。
【0019】必要な速度vを飛翔板3に与える方法は次
のようにして決定できる。飛翔板3に本発明の実施例を
参考にして適当量の爆薬を装着し、爆薬を爆発させて飛
翔板3が管内部に向かって飛翔して行く過程をフラッシ
ュX線によって撮影し、飛翔板3の傾斜角度から判定す
る方法がある。また、飛翔板3の内部に距離を変えて電
気的接点であるピンを並べ、それが飛翔板3が変形する
過程で次々に電気的にショートして行くのをオッシロス
コープ等の電気的記録手段で記録し、距離−時間関係か
ら判定する方法も有効である。これらの方法は、爆発現
象の測定に関する参考書、教科書等には多く説明されて
おり、当業者であればそれらを参考にして容易に実施で
きる。
【0020】それらの測定手段を利用しないで有効な薬
量を決定する手段としては、本発明の実施例を参考にし
て各値を設定し、実際に接合を行い、接合された電線7
を切断して検査し、電線7の内層まで接合されていなけ
れば爆薬量を少しづつ増加して良好な接合が得られる条
件を探索する方法がある。逆に電線7が破断されたり、
接合部に大きな疵が発生したりする場合は、爆薬量が多
すぎる可能性があるので、薬量を漸減して適切な接合が
得られる量を設定すればよい。
【0021】飛翔板3と保護管5の間の距離、或はそれ
を決める飛翔板3の形状は、衝突点の移動速度Vを決定
するのに重要な役割を果たすことは、上記の説明から明
らかである。即ち、爆発速度が金属の音速の70%以上
の爆薬で飛翔板3を加速して保護管5に衝突させ、衝突
点の移動速度Vを金属の音速の70%以下に設定するに
は、基本的には図1の飛翔板3と保護管5の垂直距離が
a点からb点に移動するにつれ漸進的に増す必要があ
る。そして、爆薬1の爆発速度D、a点とb点の飛翔板
3の距離L”、電線7の対応する距離L0、b点での飛翔
板3と保護管5の垂直距離dと飛翔板3の垂直方向の飛
翔速度vが分れば、上記の関係式から容易に衝突点の移
動速度Vを求めることが出来る。
【0022】ここで仮に、L”を70mm、L0を60m
m、爆薬1の爆発速度Dを7,000m/秒、b点での
飛翔板3と保護管5の垂直距離dを12mm、飛翔板3
の飛翔速度を1,200m/秒とすると、 t1=L”/D=70mm/7mm/マイクロ秒=10マイクロ
秒 t2=d/v=12mm/1.2mm/マイクロ秒=10マイク
ロ秒 t3=t1+t2=20マイクロ秒 V=L0/t3=60mm/20マイクロ秒=3mm/マイクロ秒 であり、衝突点の移動速度Vは3mm/マイクロ秒=3,0
00m/秒で殆どの金属の音速の70%以下であること
になり、特に電線に多く用いられるアルミニウムの音速
の6,420m/秒の70%である4,494m/秒、
銅の音速の5,010m/秒の70%の3,507m/
秒より充分に低いことが明らかである。ただし、この計
算は飛翔板3のa点から最も離れた位置b点までの衝突
点の移動速度Vを求めるものであり、例えばa点から図
1の紙面に平行な方向の飛翔板3の端までの衝突点の移
動速度はより遅いものとなる。これは上記の説明の応用
として考えれば、容易に計算できる程度のものであるの
で説明は省略する。
【0023】次に飛翔板3と保護管5の厚さは、次の要
素を考慮に入れて決定する。接合が行われた後、飛翔板
3と保護管5は接合部での電線の機械的強度を受け持つ
と共に、一方の電線から他方の電線へ電流が流れる場合
の電路の役割を果たす。まず、電線の機械的強度を保証
するには、次の要件を満たす必要がある。電線は全て規
格によって定められ、各種類により一定以上の破断強度
を保証しなければならない。仮に保証すべき強度をF、
飛翔板3の断面積をSf、保護管5の断面積をSu、飛
翔板3と保護管5の材質が等しいものとしてその単位断
面積当り破断強度をfとすると、 f(Sf+Su)>F ・・・・・・・・・ 6) を満足するようにSfとSuを設定すればよい。飛翔板
3と保護管5の断面積、或は厚さの振り分け方について
は、飛翔板3の厚さは、その飛翔速度とその結果接合の
ために投入されるエネルギの決定に関わる。上記によっ
て、飛翔板3の飛翔速度が分れば、どれだけのエネルギ
が接合に投入されるかを次式によって求めることが出来
る。 E=mVp2/2 ・・・・・・・・・・7) ここで、Eは飛翔板3の運動エネルギ、mは飛翔板3の
質量である。このEが先に述べた接合に必要なエネルギ
に達していれば、接合のための必要条件は満たされたこ
とになる。
【0024】保護管5の厚さは、飛翔板3の厚さが投入
エネルギEと関連するのと異なり、飛翔板3が保護管5
に衝突した際、自らを大きく疵つけることなく、電線7
が疵ついたり、破断することを防ぐに足る厚さとするこ
とが必要で、経験的に決める必要がある。ただし、保護
管5の厚さが飛翔板の厚さより50%以上も厚いような
設定は避ける可きである。しかし、これも当業者であれ
れば本発明明細書を参考にして容易に決定できる。保護
管5と電線7の間の距離、或はそれを決めるスペーサ6
の寸法は、スペーサ4の場合程厳密に定める必要はな
い。その理由は、飛翔板3が保護管5に衝突して保護管
5が電線7に向かって飛ばされる垂直方向の速度は、保
護管5の厚さが飛翔板3の厚さと同程度以下であれば、
飛翔板3の垂直方向の速度vよりやヽ低い程度で、vと
ほぼ等しいと考えてよく、また、先に述べた必要な投入
エネルギの要件さえ達成されていれば、問題とするほど
のことではないからである。一般的に、保護管5と電線
7の間の距離、或はそれを決めるスペーサ6の寸法は
0.1mmから1mmの間で設定すればよいが、必要が
あればそれ以下でもそれ以上でも良い。
【0025】当然のことながら、電線7は飛翔板3の中
央で接合端が突き合わされるようにすることが適当であ
るが、接合の要件によっては適宜ずらすことも可能であ
り、これも設計者の裁量範囲と考えてよい。また、飛翔
板3の長さは、電気的に良好な接合を達成する要件とし
て、全部の長さにわたって保護管5を介して電線7に接
合され、電線7は飛翔板3の中央で突き合わされるもの
と考えれば、電線7の半径をr、飛翔板3がほぼ電線の
周囲を覆って接合された場合、その長さをCとして、 πrC≧πr2 ・・・・・・・・・ 8) であることが必要である。これは、電線7の片側の接合
部表面面積が、電線7の断面積と等しいかより大きい必
要があることを意味する。ただし、アルミニウム電線
で、中心部に補強のための鋼線が配されている電線の場
合は、右辺は導電体としての有効面積を宛てればよい。
また、8)式は、電線が撚り線でなく、一体のものと仮
定して断面積を求めているが、撚り線の有効断面積が分
っている場合、右辺にはその値を入れればよい。また、
飛翔板3と保護管5の断面積を合わせたものは、電線7
の有効断面積と同等かそれ以上であることを前提とす
る。
【0026】例えばアルミニウムの撚り線からなる電線
の、外径が18.2mmでφ2.6mmのアルミニウム
線30本をφ2.6mmの鋼線7本を中心にして撚り合
わせたACSR160と呼称される送電線では、その有
効断面積は159.3mm2あり、これを右辺に代入し
て必要な飛翔板3の長さLを求めると、5.6mmとな
る。実際には、長さ6mm足らずの飛翔板3を爆薬で高
速に加速して保護管5を介して電線7に接合することは
出来ないので、例えば全長40mm程度以上の飛翔板3
を接合することになるが、上記から、実用的に接合でき
る長さの飛翔板3を用いれば、どのような長さでも電気
的な接合要件は達成できることが分る。
【0027】図3は、本発明の実施態様の他の一例を示
す電線の長手の軸に平行な断面図で、「”」の付いた数
字は図1のそれぞれの番号に対応する。図1では、飛翔
板3として円筒状の金属の一部を円筒の軸に沿って切り
取った形とし、電線7の断面中心に対して偏心させて設
置して、飛翔板3と保護管5の管に必要な漸進的な距離
変化を得たが、本図ではテーパー状の管の一部を切り取
った形とし、起爆点をテーパー管状に曲げ成形した飛翔
板の小さい曲率側の端に設置している。
【0028】更に特徴的なこととして、円弧状の断面の
円弧中心に対して電線7”の中心を適切に偏心させて設
置することにより、全ての位置で衝突点の平均移動速度
Vをほぼ等しくすることが出来ることである。例えば、
図1の例では、電気雷管8から紙面に直角に手前に爆発
して来る成分に対しては、飛翔板3が保護管5に衝突す
る点の平均移動速度Vは爆薬の爆発速度Dと等しく、従
ってその部分の直下では飛翔板3と保護管5、保護管5
と電線7、電線7の内層部の撚り線相互の良好な冶金的
接合は期待できないが、図3の配置と飛翔板3の形状で
は、殆どの部分で良好な冶金的接合が期待できる。即
ち、a”点からb”点、a”点からc”点、a”点から
d”点までの衝突点の平均移動速度Vを等しくするよう
に飛翔板3”の形状とその電線7”からの離心量を式
1)から5)までを利用して求めればよい。
【0029】図1に示す方法と図3に示す方法で、円筒
或いはテーパー管の一部を切り取った形状とする理由は
以下の2つである。1)閉じた円筒或いはテーパー管の
周囲に爆薬の層を貼り付け、一点から起爆すると、爆発
は爆薬表面を放射状に進行し、起爆した点の反対側の位
置で衝突する。衝突した点では爆発圧力が倍増するた
め、その部分で飛翔板3が破損したり、部分的に飛翔速
度が高くなるため、その部分が衝突した部分の保護管5
や電線7が破損したり、大きな歪を受ける。本発明の様
な開いた管、或いは開いたテーパー管のような形状とす
ることにより、その問題は完全に解決する。2)平板か
ら曲面を作るのは容易であるが、特にテーパー管の場合
閉じた管を作るのは大変に難しく、また費用も高い。円
筒の一部を切り取った形状の場合も、任意の曲率を与え
ることが出来るが、円筒の任意の厚さと径を備えたもの
を作るのには同様に費用がかかる。既存の標準的形状の
円筒がそのまま使えるとは限らない。
【0030】
【作用】本発明は、送電線、配電線等のアルミニウムや
その合金、銅或は銅合金の撚り線である電線を爆発圧力
を利用して接合する際に、機械的な圧縮やかしめ等の効
果によらず、撚り線の表面に表われた部分のみでなく、
内層部分まで冶金的に接合することにより、従来の単に
機械的な圧縮やかしめにより接合する方法に較べて少な
い接合で長さで、従って少ない爆薬の使用量で信頼性の
高い接合を可能とし、金属管と電線、電線の撚り線間の
空隙がないため、そこに雨水や腐蝕性のガスが入って容
易に浸蝕されることがない方法を提供する。
【0031】更に従来電線の様な棒状のものの周囲を覆
って、爆薬の爆発によって金属板を冶金的に接合する場
合、金属板或いは金属管を電線に平行に設置し、電線に
向かう面と反対側の面に金属の音速より低い爆発速度で
爆発する爆薬(以下、低速爆薬という)を設置して一端
から爆発させ、金属板或いは金属管を電線に進行的に衝
突させて接合するか、金属の音速より高い爆発速度で爆
発する爆薬(以後高速爆薬)を利用して接合する場合、
一端が細く、他端が太い所謂テーパー状、或いはラッパ
状の金属管を電線の周囲に位置させ、管の外側に設置し
た爆薬を管の細い側から起爆して管が電線に衝突する点
が進行する速度を、爆薬の爆発速度より低くなるように
して接合するしかなかったが、本発明によって、高速爆
薬を用いて特殊な形状の金属管を用いることなく、簡便
に電線を爆発によって接合できるようになった。高速爆
薬で接合できると云うことは、高速爆薬は爆発圧力が低
速爆薬より高いため、低速爆薬で実施する場合より少な
い爆薬量で有効に施工できるため、資源の節減、危険の
低減、爆発音響の低減、防護対策の容易化等、爆薬の爆
発による電線の接合の実施に於いて、全ての面で有利な
方法を提供するものである。
【0032】
【実施例1】以下実施例によって本発明を説明する。図
1の飛翔板3として、長さ60mm、幅100mm、厚
さ3mmの工業用純アルミニウム板を用意し、外周での
曲率半径を20mmとして、長さ60mm、直径36m
mの円筒の一部を約13mmの幅で軸に沿って切り取っ
た形状に曲げ加工し、その外側の曲面に塩化ビニール系
塗料を一層吹き付け塗装し、保護材2とした。また、保
護管5として、外径22mm、内径19mm、長さ12
0mmの工業用純アルミニウム管を用意した。電線7と
しては、ACSR160と呼称される送電線で、外径が
18.2mmでφ2.6mmのアルミニウム線30本を
φ2.6mmの鋼線7本を中心にして撚り合わせた長さ
300mmのもの2本用意し、保護管5の両端から挿し
込み、中央で突き合わせた。その際、スペーサ6とし
て、直径0.3mmのアルミニウム線を電線7の保護管
5に挿し込む側の端から5mmの位置と55mmの位置
に一回巻き付け、電線7が保護管5の略中心に位置する
ようにした。飛翔板3の外周全面を覆って、爆薬1とし
て厚さ3mmのコンポジションC4爆薬を配置した。そ
の結果爆薬1の量は33gで、密度は1.65g/cm3
であった。爆薬1を装着した飛翔板3をその長手の軸の
中心が保護管5の長手の軸の中心と一致するようにし、
かつ円弧の頂点位置が保護管5に接するようにし、円弧
の両端が保護管5からそれぞれ等しく7.5mmになる
ようにして飛翔板3の角部に厚さ0.1mmのアルミニ
ウム板をスペーサ4として保護管5との間に介在させ、
爆薬1の表面と保護管5の飛翔板3から突き出した部分
を塩化ビニールの接着テープで固定し、爆薬1の中央部
に電気雷管8を塩化ビニールの接着テープで固定した。
【0033】以上のようにして組合わせたものを、砂を
厚さ約300mm、直径約2,000mmに盛り上げた
上に置き、遠隔した位置から塩化ビニール被覆した平行
電線で電気雷管8に通電して爆薬1を起爆した。その結
果、爆薬1は7,100m/秒の爆発速度で爆発した。
この爆発速度は、飛翔板3、保護管5、及び電線7を構
成する金属であるアルミニウムの音速6,420m/秒
の約110%に相当する。爆薬1の爆発によって、飛翔
板3は高速で保護管5に衝突し、保護管5と接合しつつ
電線7に接合した。爆発後に回収した接合体を電線7の
長手方向の軸を中心に、軸に平行に切断して接合面を光
学顕微鏡で検査したところ、飛翔板3と保護管5、保護
管5と電線7の表面、更に電線7の内層部分の撚り線同
士の何れも、波形の境界で冶金的に接合していた。ただ
し、飛翔板3が保護管5に接していた部分の直下では、
幅約7mmにわたって、飛翔板3と保護管5、保護管5
と電線7の表面は機械的に接触してはいるものの、冶金
的な接合をしていないと認められたが、それらの部分の
更に電線7の内層にあたる部分では、電線7の撚り線同
士が冶金的に接合していることが認められた。また、飛
翔板3は、幅約0.5mmから1mmで飛翔板3の長さ
の溝状の部分を残して、保護管5の表面全面に接合して
いた。
【0034】上記と同様にして作った他の接合体を、引
張試験機によって引張強度試験を行ったところ、電線7
は接合部以外の部分で規定強度以上の7,110kgf
で破断したが、接合部には破断が認められず、接合は充
分な強度で達成されたと認められた。接合時にどれだけ
のエネルギが投入されたかを調べるため、接合するため
の組合わせからスペーサ4、保護管5、スペーサ6及び
電線7を取り除いたものを用意し、飛翔板3の内部に、
飛翔板3の飛翔速度を測定するために電気的接触点とな
るピンを6本、飛翔板3の内面からの距離を変えて設置
し、爆薬1を爆発させてピンの各位置に於いての接触時
間をオッシロスコープに記録した。その結果、飛翔板3
の内面から1mmから8mmの位置での飛翔板の平均の
飛翔速度は1,180m/秒であった。得られた飛翔速
度と爆薬1の量及び飛翔板3の質量とから、7)式によ
って接合に投入されたエネルギを計算すると、電線の単
位体積当り2,160Mj/m3が投入されていること
が分った。
【0035】測定した飛翔板3の飛翔速度と爆薬1の爆
発速度から、電気雷管8の装着位置から飛翔板の角部に
向かう方向の飛翔板3と保護管5の衝突点の移動速度を
計算したところ、2,830m/秒でアルミニウムの音
速の70%である4,494m/秒を充分に下回ること
が判明した。
【0036】
【比較例1】実施例1と同様の実験を行った。ただし、
他の条件は等しく、飛翔板3として外径36mm、内径
30mm、長さ60mmの工業用純アルミニウム管を用
意し、その外周全面に爆薬1として厚さ3mmのコンポ
ジションC4を装着した。実施例1と同様にして飛翔板
3を保護管に取り付け、同様の位置に取り付けた電気雷
管8に通電して爆薬1を爆発させたところ、電気雷管8
を装着したのと反対側の位置で飛翔板3は破断して保護
管5に衝突し、その結果電線は飛翔板3の衝突した位置
で破壊されてばらばらになり、無論接合は出来なかっ
た。
【0037】
【比較例2】実施例1と同様の実験を行った。実施例1
と異なる点として、飛翔板3を保護管5とスペーサ6な
しで、電線7が飛翔板3に対して実施例1と同様の相対
位置に設置されるようにして、実施例1と同様にして爆
薬1を起爆した。その結果、飛翔板3は電線7に衝突
し、飛翔板3と電線7は電線7の内層の撚り線同士も含
めて強固に冶金的に接合されたが、電線7の飛翔板3の
端から突き出した部分は、鋼線の芯を残してアルミニウ
ムの撚り線が全て切断されていた。これは、保護管5が
無いため、飛翔板3の端で発生する剪断応力により、ア
ルミニウム線が切断されたためと考えられる。
【0038】比較例1の結果と併せて考えると、飛翔板
3が管状の場合、爆薬1が爆発する際に両側から進行し
てきた爆発が電気雷管8の設置位置の反対側で衝突し
て、その部分の圧力が極端に高くなるため、飛翔板3は
破断して良好な接合が出来なくなり、また、保護管5な
しの場合、電線7の内層の撚り線同士まで接合しようと
すると飛翔板3の両端から突き出した電線7が剪断応力
により切断されることが明白である。
【0039】
【実施例2】図3の飛翔板3として一端が幅72mm、
他端が幅110mm、長さが60mmで厚さ3mmの銅
板を用意し、幅72mmの方の端を内半径11.5m
m、幅110mmの方を内半径18mmの円弧状に曲げ
加工した。その結果、厚さ2mmの銅板は一端がほぼ閉
じた円弧で他端が幅約15mm開いたテーパー状の管の
一部を、管の軸に沿って三角形に切り取った形となっ
た。その飛翔体3の外側表面に、保護材2として塩化ビ
ニール系塗料一層をスプレー塗装した。保護材2の上
に、飛翔板3の外周の全面を覆って、爆薬1として厚さ
3mm、重量30gのコンポジションC4爆薬を設置し
た。
【0040】接合する電線7として、硬銅の送電線で外
径が18.2mmのφ2.6mmの硬銅線37本を撚り
合わせた長さ300mmのもの2本のそれぞれの一端
を、外径23mm、内径19mm、長さ120mmの銅
管を保護管5としてその両端から挿し込み、中央で突き
合わせた。その際、スペーサ6として、直径0.3mm
の銅線を電線7の保護管5に挿し込む側の端から5mm
の位置と55mmの位置に一回巻き付け、電線7が保護
管5の略中心に位置するようにした。保護管5の両端と
電線7の保護管5から突出した部分を塩化ビニールの接
着テープで固定し、前記の爆薬1その他を装着した飛翔
板3をその長さ方向の中心が保護管5の長さ方向の中心
と一致するようにして、飛翔板3の半径が小さい方の円
弧が保護管5に接し、半径の大きい方が、切り欠きがあ
る部分で切り欠きの両端が保護管5からの垂直距離が約
7mm、切り欠きの反対側の部分が保護管5からの垂直
距離が約6mmになるようにして、厚さ0.1mmのア
ルミニウム板をスペーサ4として介在させ、塩化ビニー
ルの接着テープで固定した。
【0041】以上のようにして組合わせたものを砂を厚
さ約300mm、直径約2,000mmに盛り上げた上
に置き、爆薬1に電気雷管8を小さい形の円弧状の端部
の中央に紙製の接着テープで固定して、遠隔した位置か
ら塩化ビニール被覆した平行電線で電気雷管8に通電し
て爆薬1を起爆した。その結果、爆薬1は7,100m
/秒の爆発速度で爆発した。
【0042】爆薬1の爆発によって、飛翔板3は高速で
保護管5に衝突し、保護管5と接合しつつ電線7に接合
した。爆発後に回収した接合体を電線7の長手方向の軸
を中心にして、軸に平行に切断して接合面を光学顕微鏡
で検査したところ、飛翔板3と保護管5、保護管5と電
線7の表面、更に電線7の内層部分の撚り線同士の何れ
も、波形の境界で冶金的に接合していた。
【0043】上記と同様にして作った他の接合体を、引
張試験機によって引張強度試験を行ったところ、電線7
は接合部以外の部分で規定強度以上の7,890kgf
で破断したが、接合部には破断が認められず、接合は充
分な強度で達成されたと認められた。
【0044】接合時にどれだけのエネルギが投入された
かを調べるため、接合するための組合わせからスペーサ
5、保護管5、スペーサ6及び電線7を取り除いたもの
を用意し、飛翔板3の内部に、飛翔板3の飛翔速度を測
定するために電気的接触点となるピンを6本、飛翔板3
の内面からの距離を変えて設置し、爆薬1を爆発させて
ピンの各位置に於いての接触時間をオッシロスコープに
記録した。その結果、飛翔板3と保護管5が衝突する飛
翔板3の内面から1mmから8mmの範囲での飛翔管の
平均速度は465m/秒であった。得られた飛翔速度と
爆薬1の量及び飛翔板3の質量とから、3)式によって
接合に投入されたエネルギを計算すると、電線の単位体
積当り977Mj/m3が投入されていることが分っ
た。この値は、銅撚り線を接合するに必要な最低の値で
ある900Mj/m3を上回っている。
【0045】
【比較例3】実施例2の実験を繰り返した。ただし、爆
薬1の厚さを2mmに変更した。その結果、爆薬1の重
量は20gであった。爆薬1を爆発させた結果、爆発速
度6,980m/秒で爆発した。回収した接合体の断面
を実施例1と同様にして検査したところ、飛翔板3と保
護管5は良好に冶金的な接合を示し、保護管5と電線7
の表面は部分的に冶金的接合をしていたが、電線7の内
層の撚り線同士は接合していなかった。
【0046】実施例1と同様にして飛翔板3の飛翔速度
を測定したところ、飛翔板3と保護管5の衝突する位置
での速度は320m/秒で、3)式から電線7の単位体
積当り462Mj/m3が投入されていることが分っ
た。この値は、銅撚り線の単位体積当りに投入されるこ
とを要するエネルギ、900Mj/m3より少なく、良
好な接合を得るには、更に大きなエネルギを投入する必
要があることが分った。
【0047】
【比較例4】実施例2の実験を繰り返した。ただし、保
護管5を取り除き、飛翔板3と電線7の相対位置を実施
例2と等しくなるように固定した。爆薬1を爆発させた
ところ、飛翔板3と電線7は接合されたが、電線7の飛
翔板3の端からはみ出した部分は飛翔板の両端で各5乃
至7本の撚り線を除いて、飛翔板3の衝突による剪断応
力で破断された。
【0048】接合部分を電線の長手の軸に平行に切断し
て光学顕微鏡で検査したところ、飛翔板3と電線7の表
面及び電線7の内層の撚り線同士の間は冶金的に接合し
ていた。この実験では、良好な接合が得られる条件は満
たしたが、保護管5を欠くために飛翔板3の両端で電線
7を剪断応力により破断し、保護管5の存在が投入エネ
ルギ量と共に良好な接合を達成するための重要な要件で
あることを示す。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、従来爆発圧力で金属管
を継ぎ手として電線を接合する場合、爆発圧力で金属管
や電線が損傷するのを防止するため、厚いゴム等の保護
材で金属管と電線を覆っていたことにより、大量の爆薬
を使用することが必要で、かつ金属管と電線、電線内層
の撚り線の間は単に機械的な圧縮やかしめによって接合
していたのを、極端に厚い保護材を廃し、電線を保護す
るための金属の保護管を取り入れ、かつ適 正な投入エ
ネルギで施工することによって、爆発圧力で加速されて
高速で飛翔する金属板を撚り線からなる電線に衝突させ
て接合する方法に於いて、電線の内層の撚り線同士に至
るまで冶金的に接合し、雨水や腐蝕性のガスが撚り線接
合部の空隙に入って電線を腐蝕するのを防ぐと共に、金
属管の両端で金属管が電線に衝突する際の剪断応力で電
線が破断することを有効に防止して良好な接合部が簡便
に得られる産業上有効な発明である。
【0050】さらに、従来から電線接続に良く使われて
いる爆圧式電線ジョイントに比較すると、爆薬の量は少
なくなり保護管等の付属の装置も小さくなり、全体とし
てコンパクトな設計が可能となった。また、この種のジ
ョイントは爆発時の騒音が非常に大きいため、人家から
遠い山間部の送電線等に主として使われていたが、この
発明によれば爆発音も比較的小さくなり、防音装置を設
けるとしてもコンパクトな防音装置で済み、これまで適
用できなかった市街地近隣の送配電線等でも施工時の環
境問題をクリヤすることが可能となったため、性能と施
工性共に満足のいく爆圧式の電線接続装置の提供ができ
るようになった。なお、この発明の明細書では、2本の
電線の突き合わせて接合する方法、すなわち直線スリー
ブのような接合方法について説明してきたが、これに限
らず、1本の連続した電線についても適用できることは
もちろんであ。例えば、電線の素線が損傷または切断し
た場合に用いられる補修スリーブのような使い方もでき
ることは、当業者なら容易に考えられることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための1例の部材の組み合わ
せ方を示す説明図である。
【図2】図1のA−A断面矢視図であり、本発明を実施
例のひとつを示す。
【図3】本発明の実施態様の他の例を示す図である。
【図4】LとL0を示す図である。
【符号の説明】
1、1’、1” 爆薬 2、2’、2” 保護材 3、3’、3” 飛翔板 4、4’、4” 飛翔板と保護管の間のスペーサ 5、5’、5” 保護管 6、6’、6” 保護管と電線の間のスペーサ 7、7’、7” 電線 8、8’、8” 雷管
フロントページの続き (72)発明者 西田 英司 神奈川県川崎市高津区久本1丁目8番1号 旭電機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合しようとする電線の外周に、電線撚
    り線外層の材質と同系統の金属からなり予め管状の曲面
    に成形した保護体を被せ、その外側には保護体と同材質
    の金属からなりかつその金属の音速の70%以上の速度
    で爆発する爆薬の爆発圧力によって飛翔し保護体と衝突
    する飛翔板を配置し、飛翔板と保護体並びに電線を一体
    に冶金的に接合する方法であり、爆薬は飛翔板の曲面の
    外方に設置され、爆薬の一端から他端へ進行的に爆発を
    進行させ、爆発によって飛翔板と保護体の衝突点の移動
    速度が接合しようとする電線外層の金属の音速の70%
    以下であり、飛翔管の爆発の進行方向と直角な方向への
    飛翔速度が内層の撚り線同士も接合するのに充分とする
    ことを特徴とする電線の接合方法。
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