JPH0977561A - 窒化アルミニウム焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体

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JPH0977561A
JPH0977561A JP7235242A JP23524295A JPH0977561A JP H0977561 A JPH0977561 A JP H0977561A JP 7235242 A JP7235242 A JP 7235242A JP 23524295 A JP23524295 A JP 23524295A JP H0977561 A JPH0977561 A JP H0977561A
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昭宏 堀口
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光男 加曽利
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の AlN焼結体においては、機械的強度、
熱伝導性、低温焼結性、導体との密着性、ガラス封止性
の全てを満足させることが課題とされていた。 【解決手段】 平均粒径 2μm 以下の窒化アルミニウム
粒子を主成分とし、かつ希土類元素から選ばれる少なく
とも 1種を酸化物換算で 1〜 8重量% 、アルカリ土類金
属元素から選ばれる少なくとも 1種を酸化物換算で 0.3
〜 7重量% 、およびBi、Pb、Sb、InおよびSnから選ばれ
る少なくとも 1種の元素を酸化物換算で 5〜25重量% 含
有する窒化アルミニウム焼結体である。本発明の窒化ア
ルミニウム焼結体は、 1973K以下の低い焼結温度で焼結
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化アルミニウム
(AlN) 焼結体に係り、さらに詳しくは低温焼結が可能
で、緻密で熱伝導性が良好であり、かつ導体層との密着
性ならびにガラス封止性が良好な窒化アルミニウム焼結
体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ICやLSIのような半導体素子
の高速化、高集積化等に伴って、回路基板や半導体パッ
ケージに対する要求特性も厳しくなりつつある。例え
ば、半導体素子から発生する熱を効率よく放熱するため
に、高い熱伝導性が要求され、また半導体素子の熱的応
力による破壊等の危険性をできるだけ小さくするため
に、熱膨張係数が半導体素子のそれと近いことが要求さ
れる。
【0003】ところで、回路基板やパッケージの絶縁材
料としてのセラミックス材料としては、アルミナ(Al2
O 3 )セラミックスがこれまで一般的に用いられてき
た。しかしながら、アルミナセラミックスは従来のプラ
スチック材料やガラス材料と比べれば熱伝導性が高いも
のの、熱伝導率が20W/m K 程度とまだ不十分であると共
に、熱膨張係数が 7×10-6/Kとシリコンの熱膨張係数
(4.5×10-6/K)の約 2倍であるため、半導体素子の高集
積化や高速化に対応するには十分な特性を有していると
はいえない。
【0004】このようなことから、アルミナセラミック
スに代って窒化アルミニウム(AlN)焼結体が注目され、
多層回路基板の絶縁材料等への応用が多方面で研究され
ている。 AlN焼結体は熱膨張係数が 4.0×10-6/Kで、シ
リコンの熱膨張係数にほぼ等しく、半導体素子の熱的応
力を十分小さくできるという特徴を有する。さらに、熱
伝導率が100W/m Kを超えるものも得られているため、半
導体素子の高集積化や高速化に伴う発熱量の増大にも十
分対応できるものである。
【0005】ところで、緻密で高熱伝導性の AlN焼結体
を得るためには、 AlN結晶粒子の酸素をトラップする焼
結助剤、例えばアルカリ土類金属化合物や希土類化合物
を添加すると共に、通常 1973K以上の高温で焼結してい
る。しかし、このように高温で焼結された AlN焼結体
は、結晶粒子の成長に伴って機械的強度が低下する等の
問題が生じる。このような AlN焼結体の機械的強度の低
下は、半導体チップ実装用基板やパッケージに応用する
場合において致命的である。そこで、焼結温度の低下が
必要とされている。
【0006】一方、今後の AlN焼結体の用途を拡大させ
るためには低コスト化が急務であり、その試みとして既
存の連続炉の使用を実現すべく、焼結温度の低下が検討
されている。近年の研究開発の結果、 AlN焼結助剤の改
良によって、超微紛の AlN粉末等を使用することなく、
1873K前後の温度まで焼結温度を低下させることが可能
になりつつある。
【0007】焼結温度の低下に有効な焼結助剤として
は、例えば特開昭 61-209959号公報、特公平 5-17190号
公報、特開昭 62-153173号公報に、希土類元素やアルカ
リ土類金属元素のハロゲン化物が記載されている。また
同様に、 AlN焼結体の焼結温度を低下させる方法とし
て、例えば特開平1-183469号公報に、焼結助剤として希
土類酸化物とアルカリ土類金属酸化物を同時添加する方
法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公報に記載されている従来の AlN焼結体の低温焼結
方法では、 1973Kより低い温度で十分に緻密で、かつ熱
伝導率の高い AlN焼結体は得られていない。例えば、特
開昭 61-209959号公報や特開昭 62-153173号公報に記載
されている方法では、 1873Kで100W/m Kを超える高い熱
伝導率を達成することはできていない。また、特公平 5
-17190号公報に記載の方法では、120W/m Kの熱伝導率が
達成されているものの、全て 1973K以上の温度で焼成し
て得られたものである。さらに、希土類元素やアルカリ
土類金属元素のハロゲン化物を多量に添加すると、 AlN
焼結体の表面に多くの析出物が出現し、焼きむらや色む
らの元になるだけでなく、表面の平滑性が低下するため
に、後工程で導体回路を形成する際に研磨工程を必要と
する等、多くの問題を内包している。
【0009】また、特開平1-183469号公報に記載されて
いる方法では、 Y2 O 3 と CaOを同時に添加することに
よって、 1873Kで 8時間の焼結で、3.27g/cm3 の密度と
139W/m Kの熱伝導率が達成されているが、記載されてい
る粒界相成分を鑑みると完全にポアフリーで緻密な焼結
体とはなっていないと考えられる。
【0010】一方、回路基板等として用いる場合には、
AlN絶縁層と金属導体層との密着性等についても考慮す
る必要がある。すなわち、表面あるいは内部に金属導体
層が形成された AlN成形体を高温で同時焼成する際に、
金属導体層と AlN絶縁層の密着性が良好でない場合に
は、焼成後に導体層が絶緑層から剥がれる等の不具合が
発生する。また、焼成によって得られた多層回路基板を
パッケージ材料に供する場合、半導体素子を搭載した
後、この素子を保護するためにキャップを使用したガラ
ス封止を行うことがある。従って、ガラス封止性も良好
である必要がある。しかしながら、これまでの AlN材料
では以上の機械的強度、熱伝導性、低温焼結性、導体と
の密着性、ガラス封止性の全てを十分満足する材料は得
られていないのが現状である。
【0011】このように、 AlN焼結体においては機械的
強度、熱伝導性、低温焼結性、導体との密着性、ガラス
封止性の全てを満足させることが課題とされていた。
【0012】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、低温で焼結可能で、機械的強度や熱
伝導率が高く、かつ導体との密着性やガラス封止性に優
れた窒化アルミニウム焼結体を提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化アルミニウ
ム焼結体は、平均粒径 2μm 以下の窒化アルミニウム粒
子を主成分とし、希土類元素から選ばれる少なくとも 1
種を酸化物換算で 1〜8重量% 、アルカリ土類金属元素
から選ばれる少なくとも 1種を酸化物換算で0.3〜 7重
量% 、およびBi、Pb、Sb、InおよびSnから選ばれる少な
くとも 1種の元素を酸化物換算で 5〜25重量% 含有して
いることを特徴としている。
【0014】本発明の窒化アルミニウム焼結体は、 (1)
希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素と、 (2)
アルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも 1種の元
素と、 (3)Bi、Pb、Sb、InおよびSnから選ばれる少なく
とも 1種の元素とを同時に含有するものであり、これら
各元素はそれらを含む各化合物が焼結助剤として添加さ
れたものである。そして、 (1)と (2)の化合物が同時に
添加されていることによって、 1973K以下での低温焼結
が可能となる。さらに、 (3)の化合物が添加されている
ことで、低温での焼結および緻密化が促進されると共
に、導体層との密着性やガラス封止性が良好になる。
【0015】(1)の希土類元素としては、Sc、 Yおよび
ランタン系列元素が挙げられ、その添加量は酸化物換算
で 1〜 8重量% の範囲とする。希土類元素化合物の添加
量が酸化物換算で 1重量% 未満では焼結性が不十分で、
また十分焼結したとしても酸素のトラップ効果が低くな
り、熱伝導率が低下する。−方、 8重量% を超えると、
AlN焼結体内部に生成する粒界相が過剰となり、熱伝導
率が低下する原因となる。より好ましい添加量は酸化物
換算で 1.5〜 7重量% である。
【0016】(2)のアルカリ土類金属元素としては、C
a、Ba、Sr等が挙げられ、その添加量は酸化物換算で 0.
3〜 7重量% の範囲とする。アルカリ土類金属元素化合
物の添加量が酸化物換算で 0.3重量% 未満では焼結性が
不十分で、また十分焼結したとしても酸素トラップ効果
が低くなり、高い熱伝導率が達成できない。−方、 7重
量% を超えると、 AlN焼結体内部に生成する粒界相が過
剰となり、熱伝導率が低下する原因となる。また、アル
カリ土類金属元素の化合物が多量に生成した AlN焼結体
では耐水性が劣化する。より好ましい添加量は 0.5〜 5
重量% である。
【0017】(3)のBi、Pb、Sb、InおよびSnから選ばれ
る元素は、その酸化物の融点がいずれも低く、低温で液
相を発生するために、焼結途上で AlN粒の再配列を容易
にして焼結を促進する効果がある。また、 AlN粒表面の
酸化物層(Al2 O 3 )と反応して、さらに低温で共晶液
相を生成し、焼結を促進する効果がある。
【0018】さらに、上記(3) の元素を含む化合物が存
在すると、同時焼成あるいは後工程で導体層を形成した
場合に、導体層と AlN絶縁層との間の密着性が良好とな
る。すなわち、上述したように (3)の元素を含む化合物
は低温で液相を生成し、この液相は粘性が低く、濡れ性
が非常に良好であるため、この液相の一部が導体層の中
に浸透し、冷却後に固化することで導体層と AlN絶緑層
とを強固に結合する。これによって、導体層と AlN絶縁
層との密着性が良好になる。
【0019】また、 (3)の元素はいずれもガラスに含有
され得る元素であり、これらの元素とAlならびに酸素が
同時に焼結体表面に存在すると、上記 (3)の元素が封止
するガラス内に拡散し、 AlN焼結体と封止ガラスとを強
固に密着させると同時に、ガラスの AlN焼結体に対する
濡れ角が小さくなって、良好なガラス封止が可能とな
る。
【0020】(3)の元素を含む化合物の添加量は、酸化
物換算で 5〜25重量% の範囲とする。この添加量が 5重
量% 未満であると、焼結を促進する効果が不十分とな
る。さらに、 (3)の元素を含む化合物は概して高温での
蒸気圧が高いため、焼結工程途上で揮散しやすく、 5重
量% 未満であると同時焼成の導体層、あるいは焼結後に
作製した導体層の密着強度を向上させる効果が低下し、
さらにガラス封止の際にも AlN焼結体に残存する (3)の
元素量が少なくなり、結果としてガラス封止性を良好に
する効果も低下する。一方、25重量% を超えると、粒界
に生成する粒界相の量が多くなり、熱伝導率が低下する
原因となる。特に (3)の元素を多量に添加すると、粒界
相の AlN粒に対する濡れ性が良好となって、 AlN粒同士
を離し、結果として熱の伝達を阻害するために好ましく
ない。より好ましい添加量は 7〜20重量% の範囲であ
る。
【0021】上述した (1)、 (2)、 (3)の各元素の化合
物を添加した AlN焼結体は、 1973K以下での低温焼結に
よっても緻密化が可能となり、高熱伝導率が得られると
共に、 AlN粒の平均粒径を 2μm 以下とすることができ
る。すなわち、 AlN粒の粗大化を抑制することが可能と
なり、平均粒径が 2μm 以下であることに起因して、従
来の AlN焼結体よりも高強度が得られる。焼結後の AlN
結晶粒の平均粒径が 2μm を超えると機械的強度が劣化
する。さらに、 (3)の元素の化合物を添加していること
により、導体層と AlN絶縁層の密着性を良好にすると共
に、ガラス封止性も向上させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0023】まず、本発明の AlN焼結体を実現するため
の製造方法について述べる。本発明の AlN焼結体は、以
下に示す製造方法を適用して作製することが好ましい。
【0024】本発明の AlN焼結体を製造するために用い
る AlN粉末は、実質入手可能なあらゆる粉末のうち、焼
結後の粒径を考慮して平均一次粒径が0.03〜 1.4μm の
範囲で、不純物酸素量が 0.2〜 3.5重量% の範囲である
ものが望ましい。
【0025】AlN粉末の平均一次粒径が0.03μm 末満で
あると、粉末としての取り扱いが困難となり、かつ粉末
の成形が困難になるおそれがある。−方、 AlN粉末の平
均一次粒径が 1.4μm を超えると、 1973K以下特に 187
3K以下での低温焼結が困難になるおそれがあり、また焼
結後の AlN粒の平均粒径が 2μm を超えて、機械的強度
が劣化するおそれがある。より好ましい AlN粉末の平均
一次粒径は0.05〜 1.2μm の範囲である。
【0026】また、 AlN粉末の不純物酸素量とは、焼結
直前に実効的に焼結に関与する酸素量を意味するもので
ある。この不純物酸素量が 0.2重量% 未満であると、 1
973K以下特に 1873K以下での低温焼結が困難になった
り、焼結前の混合や成形の取り扱い段階で AlN材料が変
質するおそれがある。−方、不純物酸素量が 3.5重量%
を超えると、高熱伝導性の AlN焼結体を得ることができ
なくなるおそれがある。より好ましい不純物酸素量は
0.5〜 2.0重量% の範囲である。
【0027】次に、上述したような AlN粉末に、前述し
た (1)、 (2)および (3)の元素を含む各化合物を焼結助
剤として添加する。焼成後に AlN焼結体内部に (1)の希
土類元素の化合物や (2)のアルカリ土類金属元素の化合
物として存在する焼結助剤は、 AlN粉末に粉体または液
体として添加される。具体的には、酸化物、炭酸塩、シ
ュウ酸塩、硝酸塩、アルコキサイド、ハロゲン化物等
が、さらに硝酸塩をアルコールに溶解した溶液等、ある
いはこれらの組合せが用いられる。また、焼結助剤とし
て添加する (3)の元素を含む化合物としては、酸化物あ
るいは焼成途上で酸化物となる化合物が好ましく、例え
ば炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、アルコキサイド等やこ
れらの水溶液、アルコール溶液等が挙げられる。 (1)、
(2)および(3)の元素を含む各化合物の添加量および添
加理由は前述した通りである。
【0028】AlN粉末および焼結助剤からなる原料粉末
中には、必要に応じて着色化や高強度化のために、Ti、
W、Mo、Ta、Nb、Mn等の遷移金属の酸化物、炭化物、フ
ッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等を0.05〜 1重量
% の範囲で配合してもよい。さらに、焼結温度を低下さ
せるのに有効なアルミナ(Al2 O 3 )等のアルミニウム
化合物、リン化合物、ホウ素化合物や、機械的強度を増
すために酸化ケイ素(SiO2 )、窒化ケイ素(Si3 N 4
等のケイ素化合物を、原料粉末に対してそれぞれ 1重量
% 以下の範囲で添加してもよい。
【0029】上述した AlN粉末および焼結助剤等からな
る混合原料粉末は、バインダを添加して混練、造粒を行
った後に、成形することが望ましい。この際に用いる成
形方法としては、例えば金型プレス、静水圧プレス、ド
クターブレード等のシート成形法等、あるいはこれらの
組合せを用いることが可能である。バインダとしては、
例えばアクリル系、メタクリル系、PVB系等が使用さ
れる。これらのバインダを分散させる溶媒としては、例
えばn-ブタノール等のアルコール系、メチルイソブチ
ル、トルエン、キシレン等が使用される。バインダの添
加量は使用する AlN粉末の粒度によっても異なるが、混
合原料粉末 100重量部に対して 2〜12重量部の範囲とす
ることが好ましく、より好ましくは 3〜10重量部の範囲
である。
【0030】次いで、上記成形体を窒素ガス気流中等の
非酸化性雰囲気中で最高温度 1273K以下まで加熱してバ
ンイダを除去した後、非酸化性雰囲気中で 1973K以下の
温度で、より好ましくは1673〜 1973Kの範囲の温度で焼
結する。なお、バインダを除去する工程は、 AlNの酸化
等に留意して加熱する最高温度を適宜選択することによ
って、空気等の酸素を含む雰囲気、あるいは水蒸気を含
む雰囲気を用いることも可能である。
【0031】上述した焼結過程で 1973Kより高い温度で
焼結すると、 (3)の元素を含む化合物の蒸発が激しくな
ると共に AlNの粒成長が起こり、平均粒径が 2μm 以下
を達成することが困難になり、結果として得られた AlN
焼結体の強度が低下する不具合が発生する。また、 167
3K末満では完全に緻密化するまでに必要な焼成時間が長
くなりあまり好ましくない。また、焼結過程の雰囲気圧
力は 0.9気圧以上で行うことが好ましい。 0.9気圧未満
では、特に (3)の元素を含む化合物の揮散が激しくな
り、焼結を促進する効果が低下すると共に、導体との密
着性やガラス封止性等も十分に改善できなくなるおそれ
がある。
【0032】焼結時の非酸化性雰囲気としては、窒素、
アルゴンの単独ガスや混合ガス、あるいはこれらの一部
を水素やCO2 等とした混合ガス等を使用することができ
る。また、 AlN、BN、カーボン等から選ばれた焼成容器
中で、カーボン、タングステン、モリブデン等をヒータ
として具備する焼結炉中で焼成することが望ましい。上
述したような製造方法を適用することで、平均粒径 2μ
m 以下の AlN粒を主成分とし、 (1)希土類元素から選ば
れる少なくとも 1種を酸化物換算で 1〜 8重量% 、 (2)
アルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも 1種を酸
化物換算で0.3〜 7重量% 、および (3)Bi、Pb、Sb、In
およびSnから選ばれる少なくとも1種の元素を酸化物換
算で 5〜25重量% 含有する、本発明の AlN焼結体を再現
性よく得ることができる。
【0033】本発明の AlN焼結体は、高温高強度材やヒ
ートシンク等として使用することも可能であるが、メタ
ライズを施して導体回路を形成したり、あるいは成形体
上に導体層を設けて同時焼成して導体回路を形成する等
によって、各種回路基板やパッケージ基体等として好適
に使用される。本発明の AlN焼結体を絶縁部分として使
用することで、優れた放熱性や機械的強度、そして導体
層との剥離等の欠陥がない良好な回路特性を備えた回路
基板やパッケージ基体を作製することができる。さらに
は、半導体素子を搭載してガラス封止を行う場合には、
ガラス封止性の良好なパッケージ等を作製することが可
能である。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】実施例1 平均一次粒径が 0.6μm で、不純物酸素量が 0.9重量%
の AlN粉末に、平均粒径 0.1μm 、純度 99.9%の Y2 O
3 粉末を 3.0重量% 、および平均粒径 0.2μm、純度 9
9.9%のCaCo3 を CaO換算で 1.0重量% 添加し、さらに平
均粒径 0.5μm、純度 99.9%のBi2 O 3 を 8.0重量%
と、平均粒径 0.3μm 、純度 99.9%のWO3を W換算で 0.
3重量% 添加し、これらにn-ブタノールを加えて湿式ボ
ールミルにより解砕・混合した後、n-ブタノ一ルを除去
して原料粉体とした。
【0036】続いて、上記原料粉末 100重量部に対して
アクリル系バインダ 5重量部を有機溶剤と共に添加して
造粒した後、 50MPaの圧力で一軸加圧して成形体を作製
した。この成形体を AlN焼結体からなる容器にセット
し、グラファイト製ヒータ炉で2気圧の窒素ガス雰囲気
下にて 1873Kで 6時問焼成して AlN焼結体を得た。得ら
れた AlN焼結体の密度をアルキメデス法によって測定し
たところ、3.31g/cm3 と十分に緻密化していた。また、
AlN焼結体の破断面をSEMによって観察して微構造を
確認したところ、ポアはほぼ完全に消滅しており、この
結果から上記 AlN焼結体が完全に緻密化していることが
確認された。
【0037】また、 AlN焼結体表面には粒界相のしみ出
しによる色むらや焼きむらは認められなかった。 AlN焼
結体の破断面をSEMにより観察し、インターセプト法
からAlN粒の平均粒径を求めたところ 1.8μm であっ
た。さらに、得られた AlN焼結体から直径10mm、厚さ 3
mmの円板を切り出し、室温下で JIS-R1611に従ってレー
ザーフラッシュ法で熱伝導率を測定したところ 142W/m
K であった。また、 JIS-R1601に従って 4点曲げ強度を
測定したところ、320MPaと焼結温度が低いにもかかわら
ず高強度であった。
【0038】一方、前述の方法で作製した成形体の表面
に、平均粒径が 1.1μm のタングステン97重量% とフィ
ラーとして上述した添加剤を加えた AlN混合粉末(原料
粉末) 3重量% とを有機溶剤と共に混合して作製したペ
ーストを、スクリーン印刷法で塗布し、上述した条件と
同一条件で焼結まで行った。次に、得られた AlN焼結体
表面の 2mm角の大きさの導体部にNiめっきを行った後、
ワイヤーをはんだ付けして引張り強度試験を行い、 AlN
焼結体と導体層の密着強度を測定した。その結果、引張
り強度は7.4kgf/2mm角と高い値を示した。
【0039】さらに、前述した方法に従って、 2個の凹
型 AlN焼結体を製造した。得られた2個の凹型 AlN焼結
体をそれらの開口面が互いに対向するように重ねた後、
窒素雰囲気中で下記の表1に組成を示すガラスを用いて
ガラス封止を行った。
【0040】
【表1】 封止した AlN焼結体を、 5気圧のヘリウムガスで満たし
たチャンバ内に40分間放置した後、チャンバ内を 0.1Pa
オーダで真空に引いて、再び空気を 1気圧まで導入し
た。このヘリウム洗浄工程を 3回行った後、試料をチャ
ンバから取り出し、空気中で30分間放置した。このよう
に処理した後、ヘリウムリーク試験(ファインリーク検
知)にかけ、リーク量の検出は質量分析計で行った。そ
の結果、リーク量は 1.0×10-10 atm・cc・ sec-1以下
と良好な値を示した。
【0041】実施例2 平均一次粒径が 0.8μm で、不純物酸素量が 0.7重量%
の AlN粉末に、平均粒径 0.1μm 、純度 99.9%のDy2 O
3 粉末を 5重量% 、および平均粒径 0.2μm 、純度99.9
% のBaCO3 を BaO換算で 1重量% を添加し、さらに平均
粒径 0.5μm 、純度99.9% のSb2 O 3 を10重量% と、純
度99.9% の TiO2 をTi換算で 0.3重量%添加し、これら
にn-ブタノールを加えて湿式ボールミルにより解砕・混
合した後、n-ブタノールを除去して原料粉体とした。
【0042】続いて、上記原料粉末 100重量部に対して
アクリル系バインダ 5重量部を有機溶剤と共に添加して
造粒した後、 70MPaの圧力で一軸加圧して成形体を作製
した。この成形体を AlN焼結体からなる容器にセット
し、グラフアイト製ヒータ炉内で 1気圧の窒素ガス雰囲
気下にて 1923Kで 4時間焼成して、目的とする AlN焼結
体を得た。
【0043】得られた AlN焼結体の密度、熱伝導率、 4
点曲げ強度、導体との密着性ならびにガラス封止性を、
実施例1と同様の条件および方法で測定したところ、そ
れぞれ3.33g/cm3 、153W/m K、311MPa、6.9kgf/2mm角、
1.0×10-10 atm・cc・ sec-1以下といずれも良好な値
を示した。
【0044】比較例1 実施例1と同様の AlN粉末に、添加剤としてのBi2 O 3
を添加しない以外は全て実施例1と同じ割合で添加し、
実施例1と同様の方法で成形、脱脂、焼結を行った。得
られた AlN焼結体の密度は3.28g/cm3 であり、平均粒径
は 1.4μm であった。また、熱伝導率は135W/m K、 4点
曲げ強度は325MPaであったが、SEMにより AlN焼結体
の破断面の微構造を観察した結果、少数の小さなポアが
焼結体内部のところどころに存在しており、完全に緻密
な AlN焼結体とはなっていなかった。
【0045】また、実施例1と同様の方法で導体との密
着性を評価したところ、3.5kgf/2mm角と低い値しか得ら
れなかった。さらに、実施例1と同様の方法でガラス封
止性をヘリウムリーク特性で評価したところ、 5.0×10
-7 atm・cc・ sec-1と大きな値を示し、ガラス封止性が
低いことを確認した。
【0046】比較例2 実施例1と焼結助剤や添加剤等が全て同じである AlN原
料粉末を作製して、成形、脱脂を行った後、カーボン炉
内で 2073K× 2時間の条件で焼結した。得られた AlN焼
結体の密度は3.30g/cm3 と緻密化し、熱伝導率も178W/m
Kと高かったが、 AlN粒の平均粒径が 8.7μm と粒成長
しており、 4点曲げ強度は実施例1と比べて190MPaと低
かった。さらに、実施例1と同様の方法で導体との密着
性とガラス封止性を評価したところ、2.7kgf/2mm角、
6.8×10-7 atm・cc・ sec-1と不十分な値であった。
【0047】実施例3〜12 下記の表2に示す AlN粉末と焼結助剤および添加物を用
い、かつ焼結条件を表2に示す圧力、温度、時間とする
以外は、実施例1と同様な方法により、10種類の AlN焼
結体をそれぞれ作製した。なお、実施例6では Y2 O 3
をY(NO3 3 ・6H2 O をn-ブタノ一ルに溶解したもので
添加した。
【0048】得られた実施例3〜12の AlN焼結体につ
いて、密度、熱伝導率、平均粒径、4点曲げ強度、導体
との密着性、ならびにガラス封止性を、実施例1と同様
な方法で評価した。それらの結果を下記の表3に示す。
【0049】
【表2】
【表3】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の AlN焼結
体は微細な AlN結晶粒を有し、 1973K以下の低い焼結温
度で焼結しているにもかかわらず、十分に緻密で高熱伝
導率を有する。さらに、粒径が小さいことに起因して機
械的強度が高く、さらに焼結助剤の種類に基いて導体と
の密着が強固で、ガラス封止を行った際の封止性が良好
な AlN焼結体を提供することができる。従って、本発明
の AlN焼結体は、単に高強度かつ高熱伝導性であること
に基く構造材としてだけでなく、メタライズ基板や多層
同時焼成回路基板、さらにはパッケージ基体等の構成材
料として有効に応用することができる。
【0051】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径 2μm 以下の窒化アルミニウム
    粒子を主成分とし、希土類元素から選ばれる少なくとも
    1種を酸化物換算で 1〜 8重量% 、アルカリ土類金属元
    素から選ばれる少なくとも 1種を酸化物換算で 0.3〜 7
    重量% 、およびBi、Pb、Sb、InおよびSnから選ばれる少
    なくとも 1種の元素を酸化物換算で 5〜25重量% 含有し
    ていることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001253777A (ja) * 2000-03-13 2001-09-18 Ibiden Co Ltd セラミック基板
JP2002187776A (ja) * 2000-12-21 2002-07-05 Toshiba Corp AlNメタライズ基板およびその製造方法
JP2003243495A (ja) * 2002-10-30 2003-08-29 Ibiden Co Ltd セラミック基板
US6825555B2 (en) 2000-06-16 2004-11-30 Ibiden Co., Ltd. Hot plate

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