JPH0977608A - 被覆農薬粒剤およびその製造方法 - Google Patents

被覆農薬粒剤およびその製造方法

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JPH0977608A
JPH0977608A JP25818495A JP25818495A JPH0977608A JP H0977608 A JPH0977608 A JP H0977608A JP 25818495 A JP25818495 A JP 25818495A JP 25818495 A JP25818495 A JP 25818495A JP H0977608 A JPH0977608 A JP H0977608A
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JP25818495A
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Shigetoshi Kimoto
成年 木元
Kichiya Kutsuzawa
吉也 沓沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施用後、一定期間農薬活性成分を放出させ
ず、一定期間後に放出させるような被覆農薬粒剤を提供
すること。 【解決手段】 オレフィン重合体及びオレフィンの共重
合体を主成分とし、熱硬化性樹脂を分散含有させた被膜
により、1種以上の農薬活性成分と1種以上の水膨潤性
物質からなる農薬粒剤を被覆してなる被覆農薬粒剤。 【効果】 従来困難であった精度の高い時限放出制御を
可能とし、農薬を作用させたい時期にその性能を発揮で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圃場に施用後一定
期間農薬活性成分を放出させず、一定期間経過後に農薬
活性成分を放出させることができる被覆農薬粒剤、その
製造方法及び放出制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農作物の病害虫の防除及び除草に
おいて、散布時の省力化と安全性の面から粒剤の使用が
好まれ、防除体系に広く取り入れられている。農薬粒剤
の製造方法として一般的には、鉱物質微粉に農薬活性
成分、バインダー、及び必要に応じて各種の補助剤を加
え、水で練り合わせ細孔より押し出し、乾燥後造粒する
押し出し造粒法、鉱物質等よりなる無活性粒体に液状
にした農薬活性成分を含浸させる含浸法、鉱物質等よ
りなる無活性粒体にバインダーを用いて農薬活性成分を
被覆する被覆法の3種類の粒剤が知られており、利用分
野によってその最適な形態が選択される。
【0003】農作業体系における防除は、対象が病害虫
のものと雑草のものとに大別できるが、栽培期間を通じ
て数回に分けてその対象に適合する農薬を施用散布して
おり、防除体系を形成している。農薬散布はその回数と
薬剤の種類が多いため多くの労力を必要としている。例
えば水稲の場合、播種発芽期に用いる種子消毒に用いる
薬剤、苗立枯病用の薬剤、育苗〜幼穂形成期〜穂揃期に
かけてのイモチ病、ツマグロヨコバイ・ウンカ類、紋枯
病、カメムシ等があり、雑草に対してはヒエ用、広葉雑
草用等の除草剤を施用散布している。このように防除作
業は省力化栽培体系構築の障害となっている。
【0004】このような問題を解決するため種々の試み
がなされている。例えば、特公昭64−5002号公報
には熱可塑性樹脂被覆による徐放化と安全化を試みた農
薬に関する記載が開示されているが、この方法は水溶性
又は蒸散性農薬の安全化と徐放化には効果的であると考
えられる。また、農薬活性成分の徐放化は従来の施用回
数、施用量等を減らすため省力化に有効な方法であると
いえる。しかしながら、農薬活性成分、特に除草粒剤に
用いられるものは難水溶性のものが大部分であることか
らこのような技術の適用は困難であり、また、粒剤の被
覆により徐放性を付与すると施用後の被膜内部に農薬活
性成分が残留するため農作物への影響が懸念されてい
た。そこで、どうしても水溶解性が大きく、蒸散性の大
きい農薬活性成分を使用しなければ徐放化の実用化がで
きず、農薬活性成分の選択幅が非常に小さいものとなっ
ていた。
【0005】また、特開平6−9303号公報、特開平
6−9304号公報、特開平6−72805号公報、特
開平6−80514号公報には所定の農薬活性成分が必
要な時期までは放出せず、また一旦放出を開始すると、
速やかに放出するような被覆粒状農薬に関する記載が開
示されているが、被膜が二層構造であるため多くの製造
工程を必要とし、その優れた機能を発揮したとしても製
品が高価なのに加えて、製造条件が厳しく精度の高い放
出制御を得るには不向きなものであった。
【0006】一般的に、徐放型持続農薬は、水に不溶
性で、かつ水透過性のマトリックス物質中に農薬活性成
分を分散させたもの、水に緩慢に溶解する物質で農薬
活性成分をコーティングしたもの、水に不溶性の物質
で農薬活性成分をコーティングしたもの、水に緩慢に
溶解するマトリックス物質中に農薬活性成分を分散させ
たものの4分類に大別できる。これらの農薬に関して
は、作物の生育期間中に完全放出するものもあるが、放
出制御技術、つまり、有効成分が、ある一定期間全く放
出せず、一定期間後から徐々に放出が始まるという技術
は、未完成であるのが現状である。特に、精度の高い放
出開始を制御する技術は未だみられず、数日単位、時間
単位で放出制御できる粒剤が農業従事者から切望されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
ような従来技術の問題点が解決された被覆農薬粒剤とそ
の製造法を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、被
覆用の被膜材料としてオレフィン重合体およびオレフィ
ンの共重合体を被膜成分とし、このものに熱硬化性樹脂
ならびに必要に応じて特定の無機粉体及び/または界面
活性剤をそれぞれ適量配合したもので被覆した農薬粒剤
が所期の目的を達成しうることを見出し、この知見に基
づいて本発明を完成した。以上の記述から明らかなよう
に、本発明の目的は、一定期間有効成分を放出させず、
一定期間後に有効成分を放出させることができる一層の
被膜からなる被覆粒剤、その製造方法および放出制御方
法を提供することである。また、有効成分として、農薬
活性成分を使用し、必要な時期に放出させることで、病
害虫の駆除や除草ができ、被適用作物の収穫までに農薬
活性成分を全て消費することができる被覆農薬粒剤を提
供することである。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明は、下記の(1)
ないし(8)の構成を有する。 (1)オレフィン重合体及びオレフィンの共重合体を主
成分とし、該主成分に熱硬化性樹脂を分散含有させた被
膜により、1種以上の農薬活性成分と1種以上の水膨潤
性物質からなる農薬粒剤を被覆してなる時限崩壊型被覆
農薬粒剤。 (2)熱硬化性樹脂が酸無水物とアミン及び/またはジ
アミンとの反応よりなるポリアミド酸溶液である前記
(1)に記載の時限崩壊型被覆農薬粒剤。 (3)熱硬化性樹脂が酸無水物とアミン及び/またはジ
アミンとの反応よりなるポリアミド酸溶液を焼成後粉砕
した粉体である前記(1)に記載の時限崩壊型被覆農薬
粒剤。 (4)熱硬化性樹脂が被膜に対し0.1〜30重量%の
範囲で分散含有させてなる前記(1)ないし前記(3)
のいずれかに記載の時限崩壊型被覆農薬粒剤。 (5)界面活性剤を被膜に分散含有させてなる前記
(1)ないし前記(4)のいずれかに記載の時限崩壊型
被覆農薬粒剤。 (6)水不溶性または水難溶性無機粉体を被膜に分散含
有させてなる前記(1)ないし前記(5)のいずれかに
記載の時限崩壊型被覆農薬粒剤。 (7)オレフィン重合体及びオレフィンの共重合体を主
成分とし、該主成分に熱硬化性樹脂を添加せしめた被膜
材料よりなる混合溶解液を流動状態の農薬粒剤に噴霧状
で添加し、該添加時に該粒剤に高速熱風流を吹き付けて
添加された該混合溶解液中の溶媒を除去乾燥せしめるこ
とを特徴とする時限崩壊型被覆農薬粒剤の製造方法。 (8)オレフィン重合体及びオレフィンの共重合体を主
成分とし、該主成分に熱硬化性樹脂を分散含有させた被
膜により、1種以上の農薬活性成分と1種以上の水膨潤
性物質からなる農薬粒剤を被覆した被覆農薬粒剤を圃場
に施用後、該被膜の透湿性により圃場に供給された水分
を内部の水膨潤性物質に作用させ、被膜に対して内部応
力を与え、一定期間後に亀裂を発生させ、被膜を崩壊さ
せることにより、農薬活性成分を放出させるが、該放出
までの一定期間は内部の農薬活性成分を放出させない如
くすることを特徴とする被覆農薬粒剤の放出制御方法。
【0009】本発明の構成と効果について以下に詳述す
る。本発明の被覆農薬粒剤は、1種以上の農薬活性成分
と1種以上の水膨潤性物質が配合されている粒剤の表面
に、被膜材料が被覆されたものであり、農薬活性成分と
水膨潤性物質を主成分とする粒状の核と被膜材料として
オレフィン重合体及びオレフィンの共重合体を主成分と
し、熱硬化性樹脂を添加分散させたカプセルとで構成さ
れている。また、本発明の溶出制御方法は、前記被覆農
薬粒剤のカプセルの部分である被膜に対して、圃場への
施用の一定期間後に亀裂を発生させ、被膜を破壊させる
方法である。
【0010】本発明における農薬活性成分を放出制御す
るためには、少なくとも該成分の放出が開始するまでは
農薬活性成分の放出を抑える被覆技術が本発明を達成す
るためには必要である。すなわち本発明品が有効に活用
されるためには放出を抑える技術が必要である。これら
の技術は透湿性の小さい被膜で完全に被覆できる技術で
あり、透湿性の小さい汎用の被覆材料としてオレフィン
重合体及びオレフィンの共重合体が好ましい被膜材料で
ある。本発明では上記の卓越した被覆技術と透湿性の小
さい材料を選択することに加えて必要かつ充分な膜厚を
確保することも必要である。均一性が高く透湿性の小さ
い材料を用い被膜を厚くすることにより、確実に溶出が
抑え込まれ本発明の基本になる被覆粒剤が得られる。こ
の場合、膜厚が厚すぎると被膜材料の所要量が増すため
経済的でない。
【0011】本発明はこのような溶出し難い被膜に対し
その透湿性を調節する目的でフィラーを分散し、その種
類や添加量等により初期の放出を抑制し、一定期間後溶
出を開始させるものである。この溶出抑制期間は複数の
要因によることから、通常は農薬活性成分の種類、物
性、農薬粒剤の粒径、粒形、被膜材料の種類、組成、膜
厚及び該粒体の膨潤膨張力等が特定されなければならな
い。このフィラーとして熱硬化性樹脂を用いると安定し
た品質のものを得ることができるため好ましい材料であ
る。また当該添加量を増減することにより、放出開始ま
での期間を調節することができる。
【0012】本発明においてさらに重要なことは本発明
品の圃場への施用後一定期間経過後に農薬活性成分を残
留させないことである。つまり、農薬活性成分は一定の
期間後にその効力が消失しなければならない。それに
は、被膜が常に完全に存在する条件下では、その放出特
性が被膜の透湿性により決定され、放出後期になるほど
緩慢になり易く、農作物栽培期間中常に放出しているこ
とになりかねず、農薬活性成分の残留が問題となる可能
性が大きい。例えば、難水溶性農薬活性成分の場合は溶
出し難いためその一定期間経過後の効力消失という効果
が発揮できない。これら諸問題を解決するため、本発明
では一定期間経過後、被膜にクラックや亀裂等を発生さ
せ、被膜を崩壊させることにより被膜内部の諸成分を放
出することを見出した。被膜にクラックや亀裂を発生さ
せる方法は種々考えられるが、このことは被膜の諸構成
要素の他に粒体の膨潤性、内部応力等被膜内部の粒体の
物性を利用して被膜に応力をかけるのが最も容易であ
り、該粒体の材料としては天然鉱物のベントナイトや天
然高分子の澱粉等がコスト、性能の点で最も好ましい物
質である。
【0013】本発明に用いられるオレフィン重合体と
は、メチレン鎖を基本骨格とする合成高分子であり、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・一酸化炭素共重合体、ポリブテン、
ブテン・エチレン共重合体、ブテン・プロピレン共重合
体、ポリスチレン等であり、オレフィンの共重合体と
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・アクリル酸共重
合体、エチレン・メタアクリル酸エステル共重合体等で
ある。
【0014】本発明に用いられる熱硬化性樹脂とは、酸
無水物とアミン及び/またはジアミンとの反応によりな
るポリアミド、ポリイミド、ビスマレイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリエーテルイミド、マレイミド、ポリエー
テルアミド及びその溶液等である。
【0015】これら熱硬化性樹脂は、溶液状、粉状もし
くはそれらの中間のいずれの形態でも用いることができ
る。例えば粉体の場合、酸無水物とアミン及び/または
ジアミンとの反応により得られたポリアミド酸溶液を1
00℃〜200℃、好ましくは110〜160℃にて焼
成し、脱溶媒後得られた固形物をボールミルまたはミキ
サーで粉砕したものを用いる。焼成温度は脱溶媒ができ
るのであれば低温でも構わないが、熱硬化性樹脂を溶解
する溶媒は一般的に極性溶媒が多く、沸点が100℃以
上の高温である場合が多い。また、好ましい粒径は0.
1〜100μmの範囲であり、添加量は被覆材料中の含
有率で0.1〜30重量%である。この数値は主成分の
オレフィン重合体及びオレフィンの共重合体の種類、フ
ィラーの透湿度等により変化する。
【0016】また、被膜には水不溶性又は難溶性無機粉
体微粉体を添加することができる。該微粉体の添加量の
増減により被覆材料の主成分であるオレフィン重合体及
びオレフィンの共重合体を節約できることからコスト的
に有利であることばかりか被膜のクラックまたは亀裂の
発生を調節することが可能である。これらの一例とし
て、タルク、クレイ、金属酸化物、珪酸質、ガラス及び
アルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0017】水不溶性又は難溶性無機粉体微粉体は、そ
の粒径が50μm以下であり、好ましくは20μm以下
である。これら粒径は被膜の厚み等を考慮すればよく、
被膜中に均一に分布していれば完全被覆の上で好まし
い。添加量は特に制限はないが被覆材料中の含有率で好
ましくは50重量%以上90重量%以下であると崩壊し
やすい粒剤が得られる。
【0018】その他に被膜には界面活性剤を添加するこ
とができる。界面活性剤の添加は被膜の透湿度を大きく
する効果があり、熱硬化性樹脂微粉体を分散含有させた
被膜への添加はこれら相乗効果により、より精密な崩壊
制御が可能である。さらに、オレフィン重合体及びオレ
フィンの共重合体に界面活性剤を添加した被膜は本発明
品の施用後ストレスによる割れが生じやすくなる傾向が
ある。
【0019】本発明品に使用し得る界面活性剤はアニオ
ン性のもの、カチオン性のもの、両性のもの、ノニオン
性のもの何れも使用し得るが、界面活性剤の親水性疎水
性のバランスが重要である。親水性が強すぎる場合は被
膜内に均一に分散せずに凝集して被膜欠陥生成の原因に
なる。親油性の強いものは被膜への影響はないが、溶出
促進効果がやや劣る傾向がある。これら界面活性剤を親
水性−親油性の均衡を表すHLBでその目安を示せば6
〜20であり、好ましくは9〜16、さらに好ましくは
11〜13である。一般にHLBが高すぎると樹脂との
親和性が劣り、界面活性剤を被膜内に均一に分散させる
ことができないので安定した効果が期待できない。これ
らの界面活性剤は1種または2種以上の混合物であって
も用いることができるが、その添加量は被覆材料に対し
て好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは
0.05〜10重量%である。その範囲未満では効果が
不明瞭であり、その範囲を越えると不経済である。ま
た、ノニオン性界面活性剤が最も好ましい。
【0020】本発明に用いられる界面活性剤としては、
アニオン界面活性剤としては疎水基が炭素のみの鎖状結
合よりなるものでは、高級脂肪酸塩類、高級アルキルジ
カルボン酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、高
級アルキル・スルフォン酸塩類、高級アルキル・ジスル
フォン酸塩類、硫酸化脂肪および脂肪酸塩、スルフォン
化高級脂肪酸塩、高級アルキル燐酸エステル塩等、ま
た、疎水基が炭素以外の元素を含有する鎖状結合よりな
るものでは高級脂肪酸エステルや高級アルコール・エ−
テルの硫酸エステル塩またはスルフォン酸塩、高級脂肪
酸と蛋白質分解アミノ酸の縮合物やアミノ酸との縮合
物、高級脂肪酸アミドのアルキロール硫酸エステル塩や
アルキル・スルフォン酸塩、高級アルキル・スルフォナ
ミドのアルキル・カルボン酸塩、スルフォ琥珀酸エステ
ル塩等、さらに、疎水基に炭素のみよりなる環を有する
ものではアルキル・ベンゼンとアルキル・フェノールと
アルキル・ナフタリンのスルフォン酸塩、アルキル・ナ
フタリン・スルフォン酸塩のホルマリン縮合物、アルキ
ル・ジフェニールおよびその他の多数の環よりなるスル
フォン酸塩、アルキル・アリル・スルフォン酸塩のケト
ン化合物、石油スルフォン酸塩等、疎水基に炭素以外の
元素を含有する環を有するもの、疎水基として天然原料
を使用する他環性物質ではナフテン酸塩、ナフテニル・
アルコ−ル硫酸エステル塩、樹脂酸塩、樹脂酸アルコ−
ル硫酸エステル塩、リグニン・スルフォン酸塩等が挙げ
られる。カチオン界面活性剤としては、高級アルキル・
アミン塩類、第4級アンモニウム塩等があげられる。両
性界面活性剤としては、ベタイン型、グリシン型、アラ
ニン型、スルフォベタイン型が挙げられる。ノニオン界
面活性剤としては、ポリオールの脂肪酸エステル、ポリ
エチレン・オキサイド縮合型等が挙げられる。
【0021】本発明における水膨潤性物質とは水を吸収
して体積を増加する性質を有する物質であり、例えばベ
ントナイト、澱粉、吸水性高分子等があげられる。
【0022】ベントナイトは膨張型結晶格子を持つ粘土
鉱物を主成分とし、石英、長石、クリストバライト、ふ
っ石、雲母及び土類金属炭酸塩、硫酸塩などを随伴する
粘土鉱物の名称であり、膨潤性粘土鉱物であるスメクタ
イトを主成分とする鉱床粘土である。ベントナイトはナ
トリウムイオンに富み、多量の水を吸収して高い膨潤性
を示すナトリウム系ベントナイト、カルシウムイオン、
マグネシウムイオンに富み膨潤性の低いカルシウム系ベ
ントナイト、ソーダ処理により膨潤活性を人工的に付与
した活性化ベントナイトの3種がある。ベントナイトは
産地、製品により性質、品質が異なりその粒径により膨
潤力が異なるためこれらを考慮し選択されるべきであ
る。
【0023】澱粉としてはコーンスターチ、バレイショ
澱粉の他、酸化澱粉、α化澱粉、無機酸や脂肪酸エステ
ル澱粉及びアルキルやヒドロアルキルエーテル澱粉等の
加工澱粉や澱粉誘導体を用いることができる。エステル
型及びエーテル型の澱粉の例を挙げれば、エステル型は
酢酸澱粉、リン酸澱粉、硝酸澱粉、コハク酸澱粉、キサ
ントゲン酸澱粉など、エーテル型はカルボキシメチル澱
粉、メチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、アリルエー
テル澱粉、カチオン澱粉等であるがこれらに限るもので
はない。
【0024】本発明に用いられる吸水性高分子として
は、水を吸って膨張するものであれば用いることがで
き、例えば上記に示した多糖類で天然高分子の一種であ
る澱粉系、セルロ−ス系、ヒアルロン酸、アガロース、
コラーゲンやその他タンパク質、合成高分子ではポリビ
ニルアルコ−ル系、アクリル系、その他の無水マレイン
酸系重合体、ビニルピロリドン系重合体、ポリエーテル
系、縮合系ポリマー等が挙げられる。吸水倍率は50〜
1000倍のものが好ましく、ベントナイト等に比べて
高価なため吸水倍率が高めのものを少量添加すると低コ
ストで製造できる。
【0025】これら膨潤性物質のほかに造粒助剤として
公知の物質を使用することができ、一般的には鉱物質担
体、植物性担体、消石灰、尿素、硫安、塩安、化成肥
料、プラスチック発泡体等を添加混合することができ
る。鉱物質担体とはクレイ、カオリン、セリサイト、タ
ルク、酸性白土、軽石、珪砂、珪石、炭酸カルシウム、
ゼオライト、パーライト、パーミキュライト等であり、
植物性担体とはモミガラ、オガクズ、木質粉、パルプフ
ロック、大豆粉、トウモロコシ茎等である。造粒に用い
られるバインダーとして、アラビアゴム、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、リグニ
ンスルホン酸塩類、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、界面活性剤類、流動パラフィン等であ
る。
【0026】本発明品は農薬粒剤表面を被覆した形態の
ものであるため供用する農薬活性成分の担持形態は好ま
しくは球状の粒剤である。粒径は0.5〜10mm好ま
しくは1〜5mmであり10mm以上でもよい。これら
造粒方法は慣行法に準じて行うことができるが、押し出
し造粒法が最も簡易である。
【0027】農薬粒剤の農薬活性成分としては殺虫、殺
菌、除草、及び植物成長調整等の作用を有するものであ
り、これらであればその種類に制限なく適用され得る。
本発明に利用できる農薬活性成分は特に制限はないが、
1種または2種以上の組成で使用することができる。そ
の具体例を下記に挙げるがこれらはあくまでも例示であ
り限定されるものではない。
【0028】例えば1−(6−クロロ−3−ピリジルメ
チル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミ
ン、1,2,5,6−テトラヒドロピロロ〔3,2,1
−ij〕キノリン−4−オン、3−ヒドロキシ−5−メ
チルイソオキサゾール、5−メチル−1,2,4−トリ
アゾロ〔3,4−b〕ベンゾチアゾール、3−アリルオ
キシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキ
シド、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピ
ルアミノ−s−トリアジン、1−(2−クロロイミダゾ
[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル尿素、2−
クロル−4,6−ビス(エチルアミノ)−S−トリアジ
ン、2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチ
ルアセトアニリド、メチル=α−(4,6−ジメトキシ
ピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−
ο−トルアート、S−(4−クロロベンジル)−N,N
−ジエチルチオカーバメート、S−ベンジル=1,2−
ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマート、2,4
−ジクロロフェニル−3′−メトキシ−4′−ニトロフ
ェニルエーテル、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−
6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリア
ジン、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−
ジメチル−5−ピラゾリル−p−トルエンスルホネー
ト、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−
s−トリアジン、S−1−メチル−1−フェニルエチル
=ピペリジン−1−カルボチオアート、1−(α,α−
ジメチルベンジル)−3−(パラトリル)尿素、2−ク
ロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2´,6´
−ジメチルアセトアニリド、2−クロロ−2´,6´−
ジエチル−N−(ブドキシメチル)アセトアニリド、
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸エチル、2−メチル−
4−クロロフェノキシ酢酸エチル、(E)−(S)−1
−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタ
−1−エン−3−オール、(2RS,3RS)−1−
(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1
H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−
3−オール、4´−クロロ−2´−(α−ヒドロキシベ
ンジル)イソニコチンアニリドを挙げることができる。
【0029】本発明の被覆農薬粒剤の製造方法は、特に
限定するものではないが、例えば、転動又は流動状態に
ある農薬粒剤に前述の被覆材の混合溶解液を噴霧等の手
段により吹き付けてその表面を被覆する一方、該被覆物
を同時並行的に高速熱風流で処理して該被覆物表面の溶
媒を瞬時に蒸発乾燥させる方法があり、この場合の該被
覆物の流動化には、噴流層を用いて行うのが最も好まし
い。該被覆方法においては、本発明にかかわるオレフィ
ン重合体及びオレフィンの共重合体を主成分とし、熱硬
化性樹脂からなる被膜材料を均一に分散させるために特
に被覆液の攪拌を強力に行う必要がある。以下に実施例
によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に
より限定されるべきものではない。尚、以下の実施例に
おける「%」は特にことわりがない限り「重量%」であ
る。
【0030】
【実施例】
(農薬粒剤の製造)水膨潤性物質としてベントナイト6
0重量%、クレー35重量%、農薬活性成分として2−
ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセト
アニリド(87.3%)15重量%をとり、ニーダーで
均一に混合し、加水混練した。この混合物をスクリュー
押し出し式造粒機(スクリーン径0.8mmφ)で押し
出し造粒した後、球形整粒機で整粒した。次に該造粒物
を熱風循環乾燥機を用いて100℃で乾燥して篩分けを
行い、農薬活性成分13%を含有した粒径0.8〜1.
4mmφの農薬粒剤を得た。
【0031】(熱硬化性樹脂の合成)300ml四口フ
ラスコを用い、ジエチレングリコールジメチルエーテル
100mlを入れた後、α,ω−ビス(3−アミノプロ
ピル)ポリジメチルシロキサン18.9gを溶解し、攪
拌機で攪拌しながら内温を10℃まで冷却した後、無水
マレイン酸4.6gを添加、反応させ熱硬化性樹脂Aを
得た。同様に、300ml四口フラスコを用い、N,N
−ジメチルアセトアミド100mlを入れた後、p−ア
ミノ安息香酸4.7gを溶解し、攪拌機で攪拌しながら
内温を7℃まで冷却した後、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物18.9gを添加反応させ熱硬化性樹脂
Bを得た。
【0032】(製造例)図1は本実施例において用いた
被覆装置のフローシートである。1は噴流塔で塔径25
0mm、高さ2000mm、空気噴出口径50mm、円
錘角50度で粒剤投入口2、排ガス出口3を有する。噴
流用ガスはブロアー10から送られ、オリフィス流量計
9、熱交換器8を経て噴流塔に至るが、流量は流量計、
温度は熱交換器で管理され、排気は排ガス出口3から塔
外に排出される。被覆処理に使用される農薬粒剤は投入
口2から所定の熱風を通しながら投入し噴流を形成させ
る。熱風温度はT1 、被覆処理中の粒体温度はT2 、排
気温度はT3 の温度計により検出される。T2 が所定の
温度になったら、被覆液をポンプ6、スプレーノズル4
を通して噴霧状で噴流状の粒体に向かって吹き付ける。
被覆液は溶解槽11で攪拌しておき、粉体使用の場合は
粉体が均一に分散するように攪拌しておく。被覆が終了
後ブロアーを止め、被覆された農薬粒剤を抜き出し口7
より排出する。本実施例では下記の基本条件を維持しつ
つ被覆を行った。 一流体ノズル:開口0.6mmフルコーン型 熱風量:4m3 /min 熱風温度:100℃±2℃ 供試粒剤:粒径0.8〜1.4mmφの農薬活性成分を
含有した粒剤 粒剤投入量:10kg 供試溶剤:テトラクロロエチレン 被覆液供給量:0.3kg/min 被覆液濃度:固形分2.5重量% 被膜組成及び被覆率を表1に示す。熱硬化性樹脂は、溶
液のものはそのまま用い、粉体のものはボールミルで粉
砕後、75μmのふるいで通過したものを供試した。
【0033】
【表1】
【0034】PE−1:低密度ポリエチレン MI=2
3 d=0.916g/cm3 PE−2:エチレン・一酸化炭素共重合体 MI=0.
75 CO=0.95重量% PP :ポリプロピレン Mw=10,000 d
=0.9g/cm3 ノニオン:ヘキサオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル HLB=13 タルク:平均粒径 5μm 溶液1:熱硬化性樹脂A 溶液2:熱硬化性樹脂B 粉体1:熱硬化性樹脂A 粉体2:熱硬化性樹脂B
【0035】(水中放出試験)前記製造例によって得ら
れた各被覆農薬粒剤の水中放出試験を行った。ビーカー
に1リットルの水を入れ、得られた被覆農薬粒剤を各々
0.1gを施用し、定期的にビーカーの中央部より水溶
液をサンプリングし、農薬活性成分の分析を行った。こ
のときの水温は25℃で、施用後28日まで行った。こ
の結果を表2に示す。比較例として前記農薬粒剤の製造
で得られた被覆していない粒剤を供試した。
【0036】
【表2】
【0037】表2の結果から、比較例は施用直後から放
出開始しているのに対し、熱硬化性樹脂を添加した実施
例1〜10は施用1日後の水中農薬活性成分濃度が検出
されず、初期の放出は抑えられており、放出も徐放化さ
れていることは明らかである。また、実施例1〜3は、
熱硬化性樹脂に対するポリオレフィンの量を変化させた
ものであるが、ポリオレフィンの添加量が少なくなるほ
ど農薬活性成分放出開始時期がはやくなり、放出開始時
期の調整に有効であることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明は、1種以上の農薬活性成分と1
種以上の水膨潤性物質からなる農薬粒剤を、オレフィン
重合体及びオレフィンの重合体を主成分とし、熱硬化性
樹脂を分散含有させた被膜により被覆することにより、
従来困難であった精度の高い時限放出制御を可能とし、
農薬を作用させたい時期にその性能を発揮できる農薬粒
剤である。具体的には次の通りである。 (1)従来の農薬粒剤は農薬活性成分が施用時に環境水
と接しているため施用後直ちに溶出開始していたが、本
発明の被覆農薬粒剤により、被膜崩壊時期が任意にで
き、農薬の放出制御技術を高度化することができた。 (2)従来の熱可塑性樹脂による被覆による被覆農薬粒
剤では、難水溶性物質は溶出せず、適用不可であったの
が本発明により、難水溶性物質の使用が可能となり、使
用できる農薬活性成分の選択の幅が広がった。 (3)被膜が一層であるため多層被膜より製造工程が少
ないため製品を安価に提供することができ、また精度の
高い時限崩壊制御ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造例に使用した噴流カプセル化装置
のフローシートである。
【符号の説明】
1:噴流塔 2:粒剤投入口 3:排ガス出口 4:スプレーノズル 5:農薬粒剤 6:ポンプ 7:抜き出し口 8:熱交換器 9:オリフィス流量計 10:ブロアー 11:溶解槽 T1 :温度計 T2 :温度計 T3 :温度計 SL:加熱媒体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【実施例】 (農薬粒剤の製造)水膨潤性物質としてベントナイト6
0重量%、クレー25重量%、農薬活性成分として2−
ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセト
アニリド(87.3%)15重量%をとり、ニーダーで
均一に混合し、加水混練した。この混合物をスクリュー
押し出し式造粒機(スクリーン径0.8mmφ)で押し
出し造粒した後、球形整粒機で整粒した。次に該造粒物
を熱風循環乾燥機を用いて100℃で乾燥して篩分けを
行い、農薬活性成分13%を含有した粒径0.8〜1.
4mmφの農薬粒剤を得た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン重合体及びオレフィンの共重
    合体を主成分とし、該主成分に熱硬化性樹脂を分散含有
    させた被膜により、1種以上の農薬活性成分と1種以上
    の水膨潤性物質からなる農薬粒剤を被覆してなる時限崩
    壊型被覆農薬粒剤。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂が酸無水物とアミン及び/
    またはジアミンとの反応よりなるポリアミド酸溶液であ
    る請求項1に記載の時限崩壊型被覆農薬粒剤。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂が酸無水物とアミン及び/
    またはジアミンとの反応よりなるポリアミド酸溶液を焼
    成後粉砕した粉体である請求項1に記載の時限崩壊型被
    覆農薬粒剤。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂が被膜に対し0.1〜30
    重量%の範囲で分散含有させてなる請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の時限崩壊型被覆農薬粒剤。
  5. 【請求項5】 界面活性剤を被膜に分散含有させてなる
    請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の時限崩壊型
    被覆農薬粒剤。
  6. 【請求項6】 水不溶性または水難溶性無機粉体を被膜
    に分散含有させてなる請求項1ないし請求項5のいずれ
    かに記載の時限崩壊型被覆農薬粒剤。
  7. 【請求項7】 オレフィン重合体及びオレフィンの共重
    合体を主成分とし、該主成分に熱硬化性樹脂を添加せし
    めた被膜材料よりなる混合溶解液を流動状態の農薬粒剤
    に噴霧状で添加し、該添加時に該粒剤に高速熱風流を吹
    き付けて添加された該混合溶解液中の溶媒を除去乾燥せ
    しめることを特徴とする時限崩壊型被覆農薬粒剤の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 オレフィン重合体及びオレフィンの共重
    合体を主成分とし、該主成分に熱硬化性樹脂を分散含有
    させた被膜により、1種以上の農薬活性成分と1種以上
    の水膨潤性物質からなる農薬粒剤を被覆した被覆農薬粒
    剤を圃場に施用後、該被膜の透湿性により圃場に供給さ
    れた水分を内部の水膨潤性物質に作用させ、被膜に対し
    て内部応力を与え、一定期間後に亀裂を発生させ、被膜
    を崩壊させることにより、農薬活性成分を放出させる
    が、該放出までの一定期間は内部の農薬活性成分を放出
    させない如くすることを特徴とする被覆農薬粒剤の放出
    制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998031221A1 (fr) * 1997-01-20 1998-07-23 Chisso Corporation Granules agrochimiques non enrobes et granules agrochimiques enrobes a temps de liberation controle
KR100781143B1 (ko) * 2000-11-21 2007-12-03 구미아이 가가쿠 고교 가부시키가이샤 농약조성물 및 그의 제조법 그리고 살포방법

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