JPH0980054A - 液体試料のイオン強度又は比重の測定方法及び測定用具 - Google Patents

液体試料のイオン強度又は比重の測定方法及び測定用具

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JPH0980054A
JPH0980054A JP27462795A JP27462795A JPH0980054A JP H0980054 A JPH0980054 A JP H0980054A JP 27462795 A JP27462795 A JP 27462795A JP 27462795 A JP27462795 A JP 27462795A JP H0980054 A JPH0980054 A JP H0980054A
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JP
Japan
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protein
liquid sample
specific gravity
measuring
ionic strength
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JP27462795A
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English (en)
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Hisashi Sakamoto
久 坂本
Yoshinori Takahashi
好範 高橋
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Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体試料の特性の1つであるイオン強度や比
重の測定を特殊な機器を使用せずに簡易に測定する方法
が、多数、開示されているが、感度的に低いという課題
があつた。 【解決手段】 イオン強度や比重を測定する方法とし
て、新規に蛋白誤差法を応用して測定する方法を基に、
高感度化する手段として、蛋白質とその作用によって構
造変化する色素を完全に分離する。これによって、上記
の課題を解決できた。 【効果】 液体試料のイオン強度や比重を、高価な機器
や煩雑な操作なしに、しかも高感度に、簡易に精度良
く、かつ安価に測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 液体試料、特に尿、汗、血清、
唾液、髄液などの体液の特性を示す手段として、pH、
粘度、イオン強度、比重、浸透圧及び凝固点等がある
が、本発明は、液体試料の一つの特性であるイオン強度
又は比重を高価な機器を必要とせずに、高感度かつ迅速
に、さらに精度良く、簡易に測定するための測定方法及
び測定用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 液体試料の比重を直接測定する方法と
して、現在一般的に行われている方法には、一定容積の
重量を測定する為に、比重瓶を用いる方法、目盛り付き
浮きぱかりを液体試料に浸漬し、浮きぱかりが沈んだ量
を目盛りで測定する方法、液体試料の光の屈折を利用し
た屈折計などの装置を使用する方法等がある。
【0003】これらの装置は、ほぼ必要な精度は得られ
ているが、一方、非常に高価であり、精度を保持するた
めに、目盛の校正や器具の洗浄等の維持管理などのメン
テナンスが頻繁に必要であり、時間や手間がかかる。ま
た、測定温度の補正が必要であるという数多くの不便さ
がある。また、測定時において、測定する液体試料の量
が一定量以上必要であり、不足する場合も生じる。さら
に、液体試料が蛋白質や脂肪酸などを含み液体面に気泡
が発生し易い場合や毛細管現象による目盛の読み取りの
困難さもある。
【0004】液体試料として尿、髄液、汗、唾液、血清
などを使用する事ができるが、この場合、感染性微生物
に関係してその取り扱いには十分な注意が必要である。
【0005】上記の様な課題を解決する方法として、乾
式試験片によるイオン強度又は比重の簡易な測定方法及
び測定用具が要望されている。乾式試験片を用いた場
合、液体試料をピペットなどで1滴点着するか、試験片
を直接、液体試料に浸漬する方法で、試験紙に液体試料
を供給し、生成した色変化をあらかじめ作成された比色
表と比較することによってイオン強度又は比重を測定す
る。あるいは、生成した色変化を、反射率計を用いて測
定し、予め作成した検量線からイオン強度又は比重に換
算する方法が用いられている。
【0006】試験片に液体試料を供給する方法として、
浸漬法と点着法があるが、両者にはそれぞれにメリット
とデメリットがある。例えば、浸漬法には、分注ノズル
機構やノズルの洗浄機構を必要としないというメリット
があるが、浸漬した際、液体試料の中に乾式試験片中の
試薬が流出し、液体試料を汚染するというデメリットが
ある。逆に、点着法には、浸漬した際、液体試料の中に
乾式試験片中の試薬が流出せず、液体試料を汚染しない
というメリットがあるが、分注ノズル機構やノズルの洗
浄機構を必要するというデメリットがある。
【0007】浸漬法は、”dip and read”
法と呼ばれ、液体試料に試験片を浸漬して約2秒後に引
き上げて30〜60秒後に比色する方法が用いられてい
る。この方法の最も大きな特徴は、特別な機器を必要と
せず、いつでも、どこでも、誰でも手軽に測定できると
ころにメリットがある。
【0008】この様な乾式試験片は、血液中や尿中の各
種成分を測定して、病気の診察を開始する前のスクリー
ニング検査や、病気の治療後の回復状況を診断したり、
定期的な健康診断によって、病気の早期発見をする方法
として利用されている。
【0009】特に、臨床検査の医療現場において、診療
初期の病態把握を即時的に行うスクリーニング検査は非
常に重要である。その為に、各種の乾式試験片が開発さ
れ、臨床の場で簡易に測定されている。例えば、全血を
試料とした場合、グルコース、アンモニア、ケトン体、
ナトリウム、カリウム、塩素等が簡易に測定されてい
る。尿を試料とした場合、グルコース、ケトン体、蛋白
質、ヘモグロピン、pH、白血球、ビリルビン、ウロビ
リノーゲン、比重、アスコルビン酸等を組み合わせて、
簡易に測定されている。尿検査の場合、苦痛を伴わずに
簡単に採取できるところに特徴があり、緊急検査または
即時検査として、非常に便利である。近年、尿のスクリ
ーニング検査において、尿崩症の指標として、尿の浸透
圧や比重の測定が注目されている。
【0010】上記の乾式試験紙においては、USP34
49080に、体液中、特に、汗、血液、尿、髄液、唾
液の比重や浸透圧を簡易に測定する方法として、ナトリ
ウムイオンや塩素イオンを測定することによって、これ
らのイオン濃度が体液の液性の指標である比重や浸透圧
測定に代用でき、病気の診断やマススクリーニングに有
用であることが開示されている。ナトリウムイオンを測
定する場合には、多孔性の濾紙に弱酸性イオン交換樹脂
とpH指示薬の両者を含浸し、乾燥させて測定用具を作
製する。塩素イオンを測定する場合には、多孔性の濾紙
に弱塩基性イオン交換樹脂とpH指示薬の両者を含浸
し、乾燥させて測定用具を作製する。例えば、この測定
用具を尿に浸漬または数滴を点着すると、尿中のナトリ
ウムイオンや塩素イオンとイオン交換樹脂のHイオン
(水素イオン)又はOHイオン(水酸イオン)とのイオ
ン交換が起こり、HイオンまたはOHイオンとが溶液中
に解離する。解離したHイオンまたはOHイオンによっ
て濾紙中のpHの変動が起こる。そのpHの変動をpH
指示薬で測定することを原理としている。本測定用具
は、膵臓嚢崩性繊維症、潰瘍、関節炎等の診断に有用で
ある。
【0011】USP4108727には、非イオン性、
およびイオン性溶質(尿素、グルコース、またはそれら
の混合物)を含む液体中の比重や浸透圧を測定する方法
及び用具が開示されている。この方法は色素物質を内部
に含有するマイクロカプセルとイオン化剤(ウレアー
ゼ、ウレアカルボキシラーゼ、グルコースオキシダーゼ
など)をマトリックス中に含有し、乾燥して作製する。
尿素やグルコースの多い液体中ではイオン化剤によって
アンモニア、二酸化炭素、グルコン酸等のイオンを生成
する。そのイオンによって浸透圧が上昇し、マイクロカ
プセルが破壊され、マイクロカプセルの中に入っている
色素物質が漏れだしてくる。その漏れだした色素の量が
液体の比重や浸透圧に比例する方法である。
【0012】特公昭62−12858号には、50〜9
5%が中和された弱酸性もしくは弱塩基性の多価高分子
電解質とpH指示薬からなる水性試験試料中のイオン強
度を測定するための浸漬一読取型組成物が開示されてい
る。ここでは、水性試料中にナトリウムイオンが存在す
ると弱酸性の多価高分子電解質のカルボキシル基(メチ
ルビニルエーテルとマレイン酸の共重合体)のHイオン
とナトリウムイオンとがイオン交換し、Hイオンが解離
してくる。Hイオンが解離することにより組成物中の液
性は酸性側に移動し、pH指示薬(ブロムチモールブル
ー)の呈色が変化する方法が開示されている。
【0013】特開平2−66451号には、pH緩衝
剤、pH指示薬、低分子の錯体形成剤(クラウンエーテ
ル、エチレンジアミン四酢酸など)を含有する吸収性担
体により水性液体中のイオン強度又は比重の測定方法及
びその試薬が開示されている。この方法は水性試料中の
ナトリウムイオンが錯体形成剤のHイオンとイオン交換
して、水性液体中のpHが酸性側に移動する。そのpH
の移動をpH指示薬の色変化で、イオン強度または比重
を測定する方法が開示されている。
【0014】特開平5−196616号には、pH緩衝
剤、pH指示薬、及び増感剤として界面活性剤を含む水
性液体試料のイオン強度又は比重測定用組成物が開示さ
れている。本法は水性液体試料のイオン(ナトリウム、
カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)により、該
溶液のpHの変動およびpH指示薬の解離度の変動を測
定する。
【0015】近年、色調移動の感度と精度を改良する手
段として、特開平4−315049号、特開平6−29
4790号にみられるごとき、試薬組成物ならびにその
含浸試験用具が開示されている。これらの方法は、強電
解性ポリマーアニオンと解離型色素カチオンのイオン会
合(結合)が、液体試料のpHに影響されずに、塩類
(特に塩化ナトリウム)の存在によって影響を受け、検
液中のナトリウムイオン量に対応した色調移動を生じる
ことに立脚している。
【0016】また、本出願人による特願平7−6206
6号においては、蛋白質、緩衝剤及びpH指示薬を含有
する含浸液を多孔性マトリックスに吸液させて作製する
尿比重試験片が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】 尿中には生体情報を
反映した各種の成分が含まれているが、特に、その成分
による液性の1つである比重の測定は、尿細管からの有
用物質の再吸収の能力を知る大きな指標となり、臨床現
場における尿崩症のスクリーニング手段として、実地医
療に不可欠である。しかし、今までに開示されてきた方
法は、感度、及び精度において決して満足のいく方法で
はなかった。特に、目視判定において、感度が低い為
に、測定精度が得られず測定誤差が多かった。
【0018】本発明者は、鋭意研究を進めてきた結果、
従来の測定原理とは異なる原理により、優れた感度を有
する液体試料のイオン強度又は比重を測定する、簡易な
測定方法及び測定用具の開発に成功し、本発明を完成す
るに至った。
【0019】
【課題を解決するための手段】 本発明は、本出願人に
よる特願平7−62066号の改良発明といえる。特願
平7−62066号の発明では、感度及び保存安定性に
おいて、充分なものは得られなかった。
【0020】本発明は、液体試料のイオン強度又は比重
の測定方法及び測定用具において、多孔性マトリックス
内に、蛋白質と該蛋白質の荷電によって構造変化する化
合物が、予め接触しないように分離して配置されている
ことを特徴とする。さらに必要に応じて、緩衝剤を含有
することを特徴とする。そして、多孔性マトリックス内
に、液体試料が供給された際、分離して配置された蛋白
質と該蛋白質の荷電によって、化合物の構造変化が開始
される反応において、液体試料中の特定成分が、該反応
と競合又は阻害することを特徴とする。
【0021】つまり、本発明は、蛋白質とpH指示薬ま
たは陰イオン性色素化合物を物理的に分離した形態で多
孔性マトリックスに配置し、乾燥させて作製する液体試
料のイオン強度または比重の測定方法及び測定用具に関
する。
【0022】まず、反応原理について、すでに特願平7
−62066号に記載しているが、以下に説明する。反
応原理は、尿中の蛋白質を測定する方法として、『蛋白
誤差法』が一般的に用いられているが、この『蛋白誤差
法』の特徴として、液体試料中の塩渡度の影響を鋭敏に
受けることを逆に利用したものである。
【0023】すなわち、蛋白質の当電点以下の状態にお
ける蛋白質、及び蛋白質の当電点付近で緩衝能を持つ緩
衝剤、及び蛋白質の当電点付近に変色域を持つpH指示
薬、又は陰イオン性色素化合物の存在下、液体試料中の
陰イオン(特に塩素イオン)と負荷電したpH指示薬ま
たは陰イオン性色素化合物とが当電点以下で正荷電した
蛋白質との競争反応を原理とする液体試料のイオン強度
又は比重を測定する。尿中の各種の成分を分析する臨床
検査の分野において、蛋白質を『蛋白誤差法』を原理と
して利用する方法は、既に公知である。また、この『蛋
白誤差法』が塩濃度、とりわけ陰イオン(特に塩素イオ
ン)濃度によって影響を受けることもまた知られてい
る。これらについては、例えば、「分析化学」Vol.
42(1993)497〜503頁に示されている。
『蛋白誤差法』では、蛋白質の正荷電したアミノ基と負
荷電したカルボキシル基による電荷的平衡状態と、pH
指示薬における解離型と非解離型による電荷的平衡状態
があり、その両者の結合により、呈色が見られる。つま
り、蛋白質は、pHが等電点では、電荷的に中性状態で
あり、正荷電したアミノ基と負荷電したカルボキシル基
が同数存在する状態にある。
【0024】pHが等電点以下では、正荷電したアミノ
基が増え、蛋白質は、全体として正に荷電する。逆に、
pHが等電点以上では、負荷電したカルボキシル基が増
え、蛋白質は、全体として負に荷電する。蛋白質は、複
数の反応部位を持ち、正荷電した複数のアミノ基を持っ
ている。同時にpH指示薬が存在すると、蛋白質の正荷
電したアミノ基によって、pH指示薬は負の解離状態へ
と構造変化を起こし、弱く結合して発色する。ところ
が、液体試料中に共存する陰イオン(特に塩素イオン)
も、この蛋白質の正荷電したアミノ基と結合する。すな
わち、蛋白質の正荷電したアミノ基に、液体試料中の陰
イオンと負に解離し易いpH指示薬が競争的に反応す
る。従って、液体試料中の陰イオンの量によって負の解
離構造に変化したpH指示薬の量が変化し、その量によ
って発色の程度が異なることになる。
【0025】つまり、蛋白質の測定法に通常使用されて
いる『蛋白誤差法』が塩濃度の影響を受けることに着目
し、その原理を応用した方法である。蛋白質と負の解離
状態にあるpH指示薬との結合は溶液状態では、その結
合定数は小さいが、蛋白質とpH指示薬が共存する状態
で濾紙に含浸させ、乾燥させると、蛋白質とpH指示薬
が強固に結合してしまう。この状態にある試験紙に、液
体試料中の陰イオンが来ても蛋白質と負の解離型pH指
示薬との結合を切るのに、非常に時間を要することが明
らかとなった。
【0026】本発明は、蛋白質とpH指示薬とを予め結
合状態にせずに、完全に分離させた形で一体型として含
有させ、液体試料が供給された際に初めて蛋白質とpH
指示薬との結合が開始される測定方法及び測定用具であ
る。これによれば、液体試料中に陰イオンが存在する
と、蛋白質とpH指示薬との結合を反応の初期から強度
に阻害することになる。従って、陰イオンによる競争反
応または阻害反応が鋭敏に、高感度に起こることにな
り、本発明を完成するに至った。本発明により、反応に
時間を要したり、低感度であるという課題を簡易な方法
で解決できた。さらに、意外にも、蛋白質と色素などの
試薬を層分離した為に、保存安定性の向上にもつながっ
た。
【0027】
【発明の実施の形態】 本発明においては、蛋白質と該
蛋白質の荷電によって構造変化する化合物が、予め接触
しないように分離しながら配置するために、多孔性マト
リックスの一方の面に、蛋白質を含む試薬を塗布又は印
刷し、次に、多孔性マトリックスのもう一方の面に、蛋
白質の荷電によって構造変化する化合物を含む試薬を塗
布又は印刷することができる。
【0028】また、蛋白質と該蛋白質の荷電によって構
造変化する化合物が、予め接触しないように分離しなが
ら配置するために、一つの多孔性マトリックスに、蛋白
質を含む試薬を含浸し、次に、他の多孔性マトリックス
に、蛋白質の荷電によって構造変化する化合物を含む試
薬を含浸し、最後に2つの多孔性マトリックスを重ね合
わせることもできる。
【0029】多孔性マトリックスとしては、生理的に、
かつ含浸液用溶媒に不活性な材質で、重量当たりの表面
積が大きい試薬担持性能を有するものであればいずれも
使用することができる。これらの例示としては、天然お
よび合成になる紙状態、布状態、連続気泡体、粒状体、
粒状等各種のものがあるが、特に、取り扱い易さ、強
度、純度の点から濾紙が好適である。
【0030】使用できる蛋白質の種類としては、種々の
ものがあるが、アルブミン、グロブリン、ゼラチン又は
カゼインから選ばれるか、又はこれらの混合物でよい。
蛋白質の濃度としては、含浸液状態で0.1〜5%(w
/v)が好ましい。
【0031】あるいは、蛋白質が、蛋白質分解酵素で部
分的に分解した蛋白質から選ばれるか、またはこれらの
混合物であってもよい。
【0032】緩衝剤は、pHが0.5〜5.0の緩衝能
を有し、反応が弱酸性から強酸性下で行われるのが好ま
しい。例えば、蛋白質としてアルブミンを用いた場合、
等電点が、4.9なので、pH3〜4.5が好ましい。
ゼラチンを用いた場合、その等電点が4.7なので、p
Hは3〜4.5が好ましい。使用できる緩衝液の種類と
しては、クエン酸、シュウ酸、リン酸、Good試薬が
好適であり、濃度としては、含浸液状態で0.05〜2
M(モル/l)が好ましい。
【0033】使用できるpH指示薬としては、蛋白質の
等電点以下を変色域とするものであれば使用することが
でき、ブロムクレゾールグリーン、ブロムフェノールブ
ルー、ブロムクレゾールパープル、コンゴーレッド、テ
トラブロムフェノールブルー、ブロムキシレノールブル
ー、テトラブロムフェノールフタレイン、メチルオレン
ジなどがあげられ、特に、ブロムクレゾールグリーンが
好適である。濃度は、含浸液状態で0.05〜2M(モ
ル/l)が好ましい。
【0034】また、使用できる陰イオン性色素化合物と
しては、ピロガロールレッド、クマシーブリリアンブル
ーなどがあげられ、濃度は、含浸液状態で0.05〜2
M(モル/l)が好ましい。
【0035】本発明の組成物を作製する際の試薬の溶剤
または分散媒(以下、含浸液用溶媒と略記)としては、
水または/およびアルコール類、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロパノール等を使用することができ
る。
【0036】含浸液の調製方法、含浸液の含浸方法、含
浸のための多孔性マトリックスの選択などは従来行われ
ている方法で構わない。
【0037】以下に本発明をさらに詳細に説明するため
に、実施例を示すが、本発明の技術思想はこれらによっ
て限定されるものではない。
【0038】
【実施例1】以下の処方で各塗工液を作製する。 (塗工液Aの調製) (処方) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.5 g (日本曹達製) 牛血清アルブミン(シグマ製) 1000 mg 0.2Mクエン酸緩衝液(pH4.0) 100 ml (塗工液Bの調製) (処方) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.5 g (日本曹達製) ブロムクレゾールグリーン(和光純薬製) 200 mg エタノール 100 ml 上記の塗工液Aの成分を正確に秤量し、完全に溶解して
塗工液Aを調製した後、濾紙(ワットマン製:3MMc
hr、厚さ300μm)の一方の面に、グラビアコータ
ー(30メッシュ)でコーティングする。その後直ち
に、50℃にて30分間乾燥する。同様に、塗工液Bを
調製した後、上記で作製した瀘紙のもう一方の面に、グ
ラビアコーター(30メッシュ)でコーティングする。
その後直ちに、50℃にて30分間乾燥する。この面が
ブロムクレゾールグリーンの黄色に着色した状態にな
る。黄色に着色した面に両面テープを貼り、5×5mm
に裁断し、5×60mmの白色ポリエチレンテレフタレ
ートシートの先端に両面テープで固定して、測定用具と
した。
【0039】
【実施例2】塗工液A,Bの作製は実施例1と同じ処方
及び方法で作製する。 (含浸濾紙Aの作製)塗工液Aをバットに入れ、濾紙
(ワットマン社製:3MMchr、厚さ300μm)を
浸漬して、試薬を5分間含浸させる。その後、50℃に
て30分間乾燥する。本品を6×6mmにカットし、含
浸瀘紙Aとする。 (含浸濾紙Bの作製)塗工液Bをバットに入れ、濾紙
(ワットマン社製:3MMchr、厚さ300μm)を
浸漬して、試薬を5分間含浸させる。その後、50℃に
て30分間乾燥する。本品を6×6mmにカットし、含
浸濾紙Bとする。含浸濾紙Aと含浸濾紙Bを重ね合わせ
て、直径5mmの貫通孔を持つ、マウントの間に挟み込
んで、測定用具とする。
【0040】
【参照例1】 (含浸液の調製) (処方) プロムクレゾールグリーン(和光純薬製) 100 mg エタノール 50 ml ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.5 g (日本曹達製) 0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.0) 50 ml 牛血清アルブミン(シグマ製) 500 mg 上記の混合物による含浸液を調製した後、濾紙(ワット
マン社製:3MMChr,厚さ300μm)に5分間含
浸し、50℃にて30分間乾燥する。含浸液及び含浸後
の濾紙は青色に発色がみられた。この含浸濾紙の片面に
両面テープを貼付し、5×5mmに裁断し、5×60m
mの白色ポリエチレンテレフタレートシートの先端に両
面テープを用いて固定し、測定用具とした。
【0041】本発明の液体試料のイオン強度や比重を測
定する試験片としての有用性を示す為に、上記のように
して作製した測定用具を用いて、以下の試験を行った。
【0042】(感度試験)比重を1.000、1.01
0、1.020、1.030、1.040の各レベルに
調節した塩化ナトリウム水溶液を作製し、試料とした。
これに、先に作製した試験片を2秒間浸漬し、引き上げ
た試験片の呈色を目視観察し、同時に分光反射率計(島
津製作所製、UV240、積分球方式)で620nm
(ピロガロールレッドの場合550nm)での反射率を
測定した。測定結果を、表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】水溶液の比重と反射率との間には、良好な
比例関係にあることがわかる。また、参照例1に比べ
て、実施例1及び2は反射率の差が大きく、目視感度が
大きいことが判る。この事は参照例のように、あらかじ
め蛋白質と色素が結合していると、液体試料中の陰イオ
ンによって、蛋白質と色素の結合が壊れ、色素が解離す
るのに時間がかかることを示している。一方、実施例で
は、蛋白質と色素が完全に分離され、全く結合していな
い為に、液体試料中の陰イオンが効果的に蛋白質と結合
し色素が遊離状態となり、高感度化している。
【0045】(安定性試験)実施例1、実施例2及び参
照例1で作製した試験片を乾燥剤と共にガラス瓶に入
れ、密栓をして60℃に保存した。経日後、試験紙を取
り出し、前記感度試験で作製した試料を用いて感度を測
定した。その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例1、実施例2においては、60℃に
2カ月間、保存してもほとんど各試料の反射率に変動は
みられなかった。一方、参照例1では、反射率が高くな
る方向に変動しており、加熱によって、含浸された蛋白
質と色素試薬が強固に結合し、反応性が落ちていること
が分かる。
【0048】
【実施例3】 (10%低分子ゼラチン溶液の調製)ゼラチン10g
(新田ゼラチン製、#250)を秤取し、精製水90m
lを加えて50℃で完全溶解する。溶解後、40℃まで
温度を下げ、蛋白分解酵素(ペプシン、シグマ製)、2
0000Uを添加し、撹拌下で2時間反応させる。その
後、温度を90℃に上げて、蛋白分解酵素を失活させる
と低分子ゼラチン溶液ができる。本品を低温にしても、
もはや、ゲル化しない。また、ゼラチンの等電点は、
4.7にある。 (塗工液Aの調製) (処方) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.2 g (日本曹達製) 10%低分子ゼラチン溶液 20 g 0.2Mクエン酸緩衝液(pH4.0) 80 ml (塗工液Bの調製) (処方) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.5 g (日本曹達製) ブロムクレゾールグリーン(和光純薬製) 200 mg エタノール 100 ml 上記の塗工液Aの成分を正確に秤量し、完全に溶解して
塗工液Aを調製した後、瀘紙(ワットマン製:3MMc
hr、厚さ300μm)の一方の面に、グラビアコータ
ー(30メッシュ)でコーティングする。その後直ち
に、50℃にて30分間乾燥する。同様に、塗工液Bを
調製した後、上記で作製した濾紙のもう一方の面に、グ
ラビアコーター(30メッシュ)でコーティングする。
その後直ちに、50℃にて30分間乾燥する。この面が
ブロムクレゾールグリーンの黄色に着色した状態にな
る。黄色に着色した面に両面テープを貼り、5×5mm
に裁断し、5×60mmの白色ポリエチレンテレフタレ
ートシートの先端に両面テープで固定して、測定用具と
した。
【0049】
【実施例4】10%低分子ゼラチン溶液の調製は実施例
3に記載した方法で作製する。 (塗工液Aの調製) (処方) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.2 g (日本曹達製) 10%低分子ゼラチン溶液 20 g 0.2Mクエン酸緩衝液(pH3.5) 80 ml (塗工液Bの調製) (処方) ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M) 0.5 g (日本曹達製) ピロガロールレッド(キシダ化学製) 100 mg トリトンX−100(和光純薬製) 50 mg エタノール 100 ml 上記の塗工液Aの成分を正確に秤量し、完全に溶解して
塗工液Aを調製した後、濾紙(ワットマン社製:3MM
chr、厚さ300μm)の一方の面に、グラビアコー
ター(30メッシュ)でコーティングする。その後直ち
に、50℃にて30分間乾燥する。同様に、塗工液Bを
調製した後、上記で作製した濾紙のもう一方の面に、グ
ラビアコーター(30メッシュ)でコーティングする。
その後直ちに、50℃にて30分間乾燥する。この面が
ピロガロールレッドの黄色に着色した状態になる。黄色
に着色した面に両面テープを貼り、5×5mmに裁断
し、5×60mmの白色ポリエチレンテレフタレートシ
ートの先端に両面テープで固定して、測定用具とした。
実施例1で用いた試料を使用して、同様の測定を行っ
た。その測定結果を、表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】水溶液の比重と反射率との間には、良好な
比例関係にあることがわかる。また、表1の参照例1に
比べて、実施例3及び4は反射率の差が大きく、目視感
度が大きいことが判る。
【0052】
【発明の効果】本発明は、従来の原理(イオン交換法)
とは全く異なる、蛋白誤差法を基本原理にした、色素内
の構造変化を応用した方法である。蛋白質と色素を完全
に分離して、一体化することによって、液体試料中のイ
オン濃度(比重と強い相関がある)による蛋白質と色素
の相互作用を効果的に阻害することに成功し、高感度
で、かつ短時間に、さらに安価に、液体試料のイオン強
度又は比重を測定する新規な試験片が得られる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体試料のイオン強度又は比重を測定す
    るための方法において、多孔性マトリックス内に、蛋白
    質と該蛋白質の荷電によって構造変化する化合物が、予
    め接触しないように分離して配置されていることを特徴
    とする、液体試料のイオン強度又は比重の測定方法。
  2. 【請求項2】 さらに必要に応じて、緩衝剤を含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の液体試料のイオン
    強度又は比重の測定方法。
  3. 【請求項3】 多孔性マトリックス内に、液体試料が供
    給された際、分離して配置された蛋白質と該蛋白質の荷
    電によって、化合物の構造変化が開始される反応におい
    て、液体試料中の特定成分が、該反応と競合又は阻害す
    ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体試料
    のイオン強度又は比重の測定方法。
  4. 【請求項4】 蛋白質の荷電によって構造変化する化合
    物が、pH指示薬であることを特徴とする、請求項1〜
    3、いずれかに記載の液体試料のイオン強度又は比重の
    測定方法。
  5. 【請求項5】 蛋白質の荷電によって構造変化する化合
    物が、ピロガロールレッド、クマシーブリリアントブル
    ーから選ばれるか、またはこれらの混合物であることを
    特徴とする、請求項1〜3、いずれかに記載の液体試料
    のイオン強度又は比重の測定方法。
  6. 【請求項6】 緩衝剤が、pH0.5〜5.0の間で緩
    衝能を有し、反応が弱酸性から強酸性下で行われること
    を特徴とする、請求項2〜5に記載の液体試料のイオン
    強度又は比重の測定方法。
  7. 【請求項7】 液体試料のイオン強度又は比重を測定す
    るための用具において、多孔性マトリックス内に、蛋白
    質と該蛋白質の荷電によって構造変化する化合物が、予
    め接触しないように分離して配置されていることを特徴
    とする、液体試料のイオン強度又は比重の測定用具。
  8. 【請求項8】 さらに必要に応じて、緩衝剤を含有する
    ことを特徴とする、請求項7に記載の液体試料のイオン
    強度又は比重の測定用具。
  9. 【請求項9】 多孔性マトリックス内に、液体試料が供
    給された際、分離して配置された蛋白質と該蛋白質の荷
    電によって、化合物の構造変化が開始される反応におい
    て、液体試料中の特定成分が、該反応と競合又は阻害す
    ることを特徴とする、請求項7又は8に記載の液体試料
    のイオン強度又は比重の測定用具。
  10. 【請求項10】 蛋白質の荷電によって構造変化する化
    合物が、pH指示薬であることを特徴とする、請求項7
    〜9、いずれかに記載の液体試料のイオン強度又は比重
    の測定用具。
  11. 【請求項11】 蛋白質の荷電によって構造変化する化
    合物が、ピロガロールレッド、クマシーブリリアントブ
    ルーから選ばれるか、またはこれらの混合物であること
    を特徴とする、請求項7〜9、いずれかに記載の液体試
    料のイオン強度又は比重の測定用具。
  12. 【請求項12】 緩衝剤が、pH0.5〜5.0の間で
    緩衝能を有し、反応が弱酸性から強酸性下で行われるこ
    とを特徴とする、請求項8〜11に記載の液体試料のイ
    オン強度又は比重の測定用具。
  13. 【請求項13】 蛋白質と該蛋白質の荷電によって構造
    変化する化合物が、予め接触しないように分離しながら
    配置するために、多孔性マトリックスの一方の面に、蛋
    白質を含む試薬を塗布又は印刷し、次に、多孔性マトリ
    ックスのもう一方の面に、蛋白質の荷電によって構造変
    化する化合物を含む試薬を塗布又は印刷することを特徴
    とする、請求項7〜12、いずれかに記載の液体試料の
    イオン強度又は比重の測定用具。
  14. 【請求項14】 蛋白質と該蛋白質の荷電によって構造
    変化する化合物が、予め接触しないように分離しながら
    配置するために、一つの多孔性マトリックスに、蛋白質
    を含む試薬を含浸し、次に、他の多孔性マトリックス
    に、蛋白質の荷電によって構造変化する化合物を含む試
    薬を含浸し、最後に2つの多孔性マトリックスを重ね合
    わせることを特徴とする、請求項7〜12、いずれかに
    記載の液体試料のイオン強度又は比重の測定用具。
  15. 【請求項15】 蛋白質が、アルブミン、グロブリン、
    ゼラチンまたはカゼインから選ばれるか、またはこれら
    の混合物であることを特徴とする、請求項7〜14、い
    ずれかに記載の液体試料のイオン強度又は比重の測定用
    具。
  16. 【請求項16】 蛋白質が、蛋白質分解酵素で部分的に
    分解した蛋白質から選ばれるか、またはこれらの混合物
    であることを特徴とする請求項7〜14、いずれかに記
    載の液体試料のイオン強度又は比重の測定用具。
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