JPH0983345A - 低消費電力論理回路 - Google Patents

低消費電力論理回路

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JPH0983345A
JPH0983345A JP7266089A JP26608995A JPH0983345A JP H0983345 A JPH0983345 A JP H0983345A JP 7266089 A JP7266089 A JP 7266089A JP 26608995 A JP26608995 A JP 26608995A JP H0983345 A JPH0983345 A JP H0983345A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パストランジスタ論理の後段のインバータに
流れる貫通電流を抑制することで,多段接続のパストラ
ンジスタ論理を利用可能とし,低消費電力の論理回路を
得る。 【構成】 パストランジスタ論理1の出力にクロック付
きインバータ2,さらにその出力にデータ保持回路3を
接続する。そしてクロック付きインバータ2へのクロッ
ク入力がデータ保持回路3に対する書き込み制御信号を
兼ねる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,LSIを設計す
るための回路技術に属し,その中でも消費電力の少ない
LSIを実現するためにLSIチップ上の回路要素とし
て用いる低消費電力論理回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】論理回路の一種であるパストランジスタ
論理は,MOSトランジスタを入力信号の選択スイッチ
として用いることにより論理を構成するもので,もっと
も普及しているCMOS論理に比べて少数のトランジス
タで同機能の論理を実現でき,高速動作が可能な割に消
費電力の少ない論理回路として知られている。その特徴
や回路例については,「低電力LSIの技術白書(日経
マイクロデバイス編,日経BP社)」の98から104
ページに多数の記述がある。
【0003】従来,パストランジスタ論理を用いた論理
回路は,図6に示すように段数の少ないパストランジス
タ論理101のあとに,CMOSインバータ102を接
続したものを一組とし,これと同様の組をいく段も接続
して所望の論理を実現し,得られた論理信号を次段のレ
ジスタ103に書きむ構成をとっていた。ここでレジス
タ103は,書き込みクロックに有効な入力があるとき
書き込みを行う。
【0004】図6の回路構成をさらに詳細に記述した例
が図7である。図7は4ビット全加算器の最上位桁上げ
回路を例として回路記述してある。図7の回路例では,
段数の少ないパストランジスタ論理101として,NM
OSパストランジスタを2段だけ接続した回路を使用し
ている。接続段数の数え方としては,例えばNMOSパ
ストランジスタ111,112で2段と数える。この接
続段数が少ないほど,接続終段のパストランジスタから
出力される信号電圧変化は急峻となり,また接続段数が
多いほど出力される信号電圧変化は緩やかになる。CM
OSインバータ102は,段数の少ないパストランジス
タ論理101から出力された信号電圧変化をより急峻に
する働きを持つ。したがって,パストランジスタの接続
段数を2段ないし3段といった少ない段数に抑え,その
後に必ずCMOSインバータを配置する図6および図7
のような従来例においては,回路中の信号電圧変化を常
に急峻に保つことができ高速動作に適した回路構成とい
える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが図6および図
7のような従来の回路を低消費電力論理回路として用い
る場合には以下のような問題がある。
【0006】電源電圧および動作周波数を同一条件にし
た場合,図6および図7の回路の消費電力は,主に回路
中の総トランジスタ数とCMOSインバータの総数によ
って左右される。前者は,トランジスタの持つ寄生コン
デンサの充放電が電力消費の原因となっており,トラン
ジスタ総数が増加するほど消費電力も増加傾向を示す。
後者については,例えばCMOSインバータ102が動
作するとき,信号電圧が変化する過程において,PMO
Sトランジスタ121とNMOSトランジスタ122を
貫通して+VDDからGNDに流れる貫通電流が電力消
費の原因になっており,CMOSインバータの個数が増
加するほど消費電力も増大する。これらのことから高速
動作よりも電力消費削減を重視する場合には,図6およ
び図7の回路中から,レジスタ103の直前のCMOS
インバータ109だけを残して他の3個のCMOSイン
バータ102,105,107を取り除くことで,トラ
ンジスタ数削減とCMOSインバータ個数削減の両方が
達成され,大幅な電力消費削減が実現可能なように見え
る。ただし1つだけ残したCMOSインバータ109
は,レジスタ103の動作を保証するために必要なもの
である。
【0007】ところが上記方法には考え漏れがありかえ
って電力消費を増大させる結果になる。それはCMOS
インバータの特性に起因している。CMOSインバータ
は,前述のとおり入力の信号電圧変化をより急峻なもの
に変えて出力する。ところがこのとき,入力の信号電圧
変化が緩やかになればなるほど,前述の貫通電流の大き
さが急激に増加するという性質を合わせ持っている。よ
り詳細に説明するならば,CMOSインバータを流れる
貫通電流は,インバータへの入力信号電圧が十分高くも
なく十分低くもない中間値をとるときにだけ流れるもの
である。厳密には,例えばCMOSインバータ102に
ついて見るならば,その入力信号電圧がPMOSトラン
ジスタ121の閾値電圧より低く,NMOSトランジス
タ122の閾値電圧よりも高いときにだけ貫通電流が流
れる。したがって,入力信号電圧の上昇あるいは下降が
緩やかであればあるほど,入力信号電圧の値が上述の中
間値をとる時間が急激に長くなるために,貫通電流の流
れる時間がそれに比例して増大し,電力消費の増加につ
ながるのである。
【0008】さて,前記方法によりCMOSインバータ
3個を削減すると,段数の少ないパストランジスタ論理
101,104,106,108は互いに直接接続さ
れ,これによりNMOSパストランジスタの接続段数は
2段から8段に増える。この結果,接続終段のパストラ
ンジスタから出力される信号電圧変化はたいへん緩やか
なものになる。これがCMOSインバータ109の入力
信号となるため,CMOSインバータ109の貫通電流
を大幅に増大させる。そしてCMOSインバータ3個の
削減によって得られた電力削減効果よりもさらに大きな
電力消費増大を招くという問題を生じるのである。
【0009】したがって,上記問題を解決しより低消費
電力の論理回路を実現するためには,CMOSインバー
タ入力の信号電圧変化が緩やかな場合においても,同C
MOSインバータに大きな貫通電流が流れることのない
回路構成を実現すればよいことになる。本発明は,これ
を実現するためになされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】「請求項1」に対応する
手段を述べる。パストランジスタ論理1の出力にクロッ
ク付きインバータ2を接続する。さらにクロック付きイ
ンバータ2の出力にデータ保持回路3を接続する。この
接続により,クロック付きインバータ2のクロック入力
がデータ保持回路3に対する書き込み制御信号を兼ね
る。
【0011】本手段により,いかに前記問題を解決する
かについて説明する。クロック付きインバータ2は,ク
ロック入力が入った時だけインバータとして動作し,そ
れ以外は動作停止状態であって,そのとき出力は接続が
切れた状態と等価である。パストランジスタ論理1の入
力が変化すると,少し遅れてその出力信号電圧は緩やか
に変化を始め,電圧の中間値を経て,やがて電圧値の十
分高い状態か十分低い状態のいずれかに落ち着く。この
後にクロック付きインバータ2にクロック入力信号を与
えることにより,同クロック付きインバータ2は普通の
インバータとして動作し,パストランジスタ論理1の出
力信号を反転したものを出力する。それによりデータ保
持回路3の保持していた信号値が書き変わる。この場
合,クロック付きインバータ2が動作を始めるのは,パ
ストランジスタ論理1の出力信号電圧が十分高い値か十
分低い値に落ち着いた後であるため,クロック付きイン
バータ2には貫通電流が一切流れることはなく,これに
より貫通電流に基づく電力消費をなくすることができ,
前記問題を解決した低消費電力論理回路が実現される。
【0012】次に「請求項2」に対応する手段を述べ
る。「請求項1」に対応する手段に加えて,クロック付
きインバータ2の第2の出力から入力へ反転信号を供給
する正帰還回路4を追加接続し,正帰還回路4はクロッ
ク付きインバータ2にクロック入力が入ったときのみ動
作する回路とする。
【0013】「請求項2」に対応する手段により,いか
に前記問題を解決するかについて説明する。クロック付
きインバータ2の動作は,前述のとおりである。パスト
ランジスタ論理1の入力が変化すると,少し遅れてその
出力信号電圧は緩やかに変化を始め,電圧の中間値を経
て,やがて電圧値の十分高い状態か十分低い状態のいず
れかに落ち着こうとする。ここでパストランジスタ論理
1の出力信号電圧が,まだ最終的状態に落ち着く前の中
間値にあるあいだに,クロック付きインバータ2にクロ
ック入力信号を与える。ただし中間値といつても,ある
閾値を越えて最終的な出力信号電圧の値に近づいている
ことが必要である。クロック入力信号を与えることによ
り,クロック付きインバータ2は普通のインバータとし
て動作し,中間値の入力信号を閾値と比較して高電圧か
低電圧か判別しつつ,反転増幅し出力する。それにより
データ保持回路3の保持していた信号値を書き変える。
この場合,クロック付きインバータ2が動作を始めるの
は,パストランジスタ論理1の出力信号電圧がまだ中間
値にあるあいだのため,クロック付きインバータ2には
貫通電流が流れる。しかしながら,クロック付きインバ
ータ2の動作開始と同時に,正帰還回路4も動作を始め
る。正帰還回路4は,パストランジスタ論理1の出力信
号電圧が緩やかに変化している変化の速度を加速する働
きがあり,これにより同出力信号電圧の値は急速に中間
値を脱して最終的な値に落ち着く。このことによりクロ
ック付きインバータ2に貫通電流が流れる時間はごく短
時間に抑えられ,したがって貫通電流に基づく電力消費
を削減することができ,前述の問題を解決した低消費電
力論理回路が実現される。
【0014】「請求項2」に対応する手段は,「請求項
1」に対応する手段に比べ,クロック付きインバータ2
へのクロック入力信号をより早い時期に与えることを可
能にしたものであり,クロック周期の短い比較的高速な
回路の実現に適する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0016】「請求項1」に対応する実施の形態を図1
に示す。パストランジスタ論理1の出力にクロック付き
インバータ2を接続する。さらにクロック付きインバー
タ2の出力にデータ保持回路3を接続する。この接続に
より,クロック付きインバータ2のクロック入力がデー
タ保持回路3に対する書き込み制御信号を兼ねる。ただ
しクロック付きインバータ2は,クロック入力信号が与
えられたときのみインバータとして動作し,それ以外の
時は動作休止状態であって出力は無接続状態となるもの
である。
【0017】次に「請求項2」に対応する実施の形態を
図2に示す。図1に示した実施の形態に加えて,クロッ
ク付きインバータ2の第2の出力から入力へ反転信号を
供給する正帰還回路4を追加接続し,正帰還回路4はク
ロック付きインバータ2にクロック入力が入ったときの
み動作する回路とする。
【0018】
【実施例】以下,本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0019】図3は本発明の第1の実施例であり,「請
求項2」に対応する実施の形態(図2)を具体化したも
のである。なお,「請求項1」に対応する実施例は,図
3の中から,正帰還回路のPMOSトランジスタ41と
NMOSトランジスタ42を削除することによって得ら
れる。以下,図3の各部分について順に説明する。
【0020】まずパストランジスタ論理1の回路例を図
4に示す。図4は,4ビット全加算器の最上位桁上げ回
路であり,NMOSパストランジスタのみを用いて実現
した例である。パストランジスタの接続段数はもっとも
多い部分において8段である。本発明では,パストラン
ジスタ論理1に含まれるパストランジスタの接続段数が
ある程度大きくなること,それによってパストランジス
タ論理1の出力信号電圧の変化,すなわち電圧波形の立
ち上がりまたは立ち下がりがたいへん緩やかになること
を想定している。
【0021】次にクロック付きインバータ2の回路例に
ついて図3を用いて説明する。インバータの機能を実現
するのがPMOSトランジスタ21およびNMOSトラ
ンジスタ24であり,それらに直列接続されたPMOS
トランジスタ22とNMOSトランジスタ23はクロッ
ク入力が入った時に閉じるスイッチとして働く。なおP
MOSトランジスタ22には反転クロック入力を,NM
OSトランジスタ23には非反転クロック入力を与え
る。クロック入力が入らないとき,これら2個のトラン
ジスタはスイッチが開いた状態であり,次段のデータ保
持回路への接続は絶たれている。またこのときは,イン
バータを構成するPMOSトランジスタ21とNMOS
トランジスタ24への入力信号電圧の値がいかなるもの
であっても,貫通電流は一切流れない。次にクロック入
力信号が入った場合は,PMOSトランジスタ21およ
びNMOSトランジスタ24はごく普通のインバータと
して働き,入力信号を反転して出力する。この出力信号
の値は,次段のデータ保持回路に保持されていた信号値
と置き換わり,データ保持回路への書き込みを行ったこ
とになる。
【0022】データ保持回路3は,CMOSインバータ
31,32と抵抗器33により構成することができる。
なお,従来例に示したレジスタ103を用いずにデータ
保持回路3を用いる理由は,クロック入力がない場合に
クロック付きインバータ2の出力が無接続状態になった
とき,データ保持回路3ならば問題がないが,レジスタ
103ならば動作不安定になること,またレジスタ10
3ならば別に書き込みクロックを必要とし消費電力が大
きくなるためである。
【0023】次に,クロック入力信号が入りPMOSト
ランジスタ21およびNMOSトランジスタ24がイン
バータとして働くときの貫通電流について補足する。イ
ンバータを流れる貫通電流は,インバータへの入力信号
電圧が十分高くもなく十分低くもない中間値をとるとき
にだけ流れる。厳密には,入力信号電圧がPMOSトラ
ンジスタ21の閾値電圧より低く,NMOSトランジス
タ24の閾値電圧よりも高いときにだけ貫通電流が流れ
る。したがって,入力信号電圧の上昇あるいは下降が緩
やかであればあるほど,入力信号電圧の値が上述の中間
値をとる時間が急激に長くなるために,貫通電流の流れ
る時間がそれに比例して増大する。
【0024】次に正帰還回路4の回路例について図3を
用いて説明する。正帰還回路4は,PMOSトランジス
タ41およびNMOSトランジスタ42を用いて構成す
ることができる。クロック付きインバータの中のPMO
Sトランジスタ21と22の接続点の信号をPMOSト
ランジスタ41の入力としていること,およびNMOS
トランジスタ23と24の接続点の信号をNMOSトラ
ンジスタ42の入力としていることに特徴があり,これ
らにより,クロック付きインバータにクロック入力が入
った時だけPMOSトランジスタ41およびNMOSト
ランジスタ42が動作する。なおパストランジスタ論理
1がNMOSパストランジスタのみで構成されているよ
うな場合であって,その出力信号電圧波形の立ち下がり
は速く立ち上がりのみ遅いような場合においては,正帰
還回路4は,PMOSトランジスタ41のみを用い,N
MOSトランジスタ42を省略して構成することもでき
る。
【0025】以上が第1の実施例の回路構成およびその
部分の動作に関する説明であり,次に第1の実施例の使
用方法と全体的回路動作について説明する。
【0026】はじめに「請求項1」に対応する回路,す
なわち図3から正帰還回路を削除したものについて,使
用方法と全体的回路動作を説明する。
【0027】パストランジスタ論理1の入力が変化する
と,ある遅れ時間経過後パストランジスタ論理1の出力
信号電圧は緩やかに上昇,または下降の変化を始め,電
圧の中間値を経て最終的に十分高い電圧,または十分低
い電圧に達する。このような状態に到達した時点をもっ
て,パストランジスタ論理1の出力が確定したという。
パストランジスタ論理1の出力が確定した後,クロック
付きインバータ2のクロック入力に信号を与える。すな
わち,PMOSトランジスタ22には反転クロック入力
を,NMOSトランジスタ23には非反転クロック入力
を与える。これによりPMOSトランジスタ22および
NMOSトランジスタ23は導通状態となり,その結
果,PMOSトランジスタ21とNMOSトランジスタ
24はインバータとして動作を始める。同インバータ
は,パストランジスタ論理1の出力を反転増幅して,P
MOSトランジスタ22とNMOSトランジスタ23の
接続点に出力する。この出力が,次段のデータ保持回路
の保持する信号値を強制的に書き換える。この場合,パ
ストランジスタ論理1の出力信号電圧が十分に高い値か
低い値に落ち着いた後(すなわち確定した後)にクロッ
ク入力信号を与えているので,クロック付きインバータ
を構成するPMOSトランジスタ21,22およびNM
OSトランジスタ23,24を貫通する貫通電流は一切
流れない。したがって貫通電流に基づく電力消費がなく
なり,「発明が解決しようとする課題」の項で述べた問
題を解決した低消費電力論理回路が実現できる。
【0028】次に「請求項2」に対応する実施例,すな
わち図3そのものについて,その使用方法と全体的回路
動作を説明する。
【0029】パストランジスタ論理1の入力が変化する
と,少し遅れてその出力信号電圧は緩やかに変化を始
め,電圧の中間値を経て,やがて出力が確定しようとす
る。ここでパストランジスタ論理1の出力がまだ確定す
る前の,出力信号電圧が中間値にあるあいだに,クロッ
ク付きインバータ2にクロック入力信号を与える。すな
わち,PMOSトランジスタ22には反転クロック入力
を,NMOSトランジスタ23には非反転クロック入力
を与える。ただし出力信号電圧の中間値といっても,あ
る閾値を越えて最終的な出力信号電圧の値に近づいてい
ることが必要である。この閾値はインバータの入力閾値
である。クロック入力を与えることによりPMOSトラ
ンジスタ22およびNMOSトランジスタ23は導通状
態となり,その結果,PMOSトランジスタ21とNM
OSトランジスタ24はインバータとして動作を始め
る。同インバータは,中間値にあるパストランジスタ論
理1の出力信号電圧をインバータの入力閾値と比較して
高電圧か低電圧か判別しつつ,反転増幅し出力する。こ
の出力は,PMOSトランジスタ22とNMOSトラン
ジスタ23の接続点に現れ,データ保持回路3の保持し
ていた信号値を書き換える。この場合,クロック付きイ
ンバータ2が動作を始めるのは,パストランジスタ論理
1の出力信号電圧がまだ中間値にあるあいだである。こ
のため,クロック付きインバータ2には,PMOSトラ
ンジスタ21,22とNMOSトランジスタ23,24
を通して貫通電流が流れる。しかしながら,クロック付
きインバータ2の動作開始と同時に,正帰還回路4も動
作を始める。ここで正帰還回路4は,パストランジスタ
論理1の出力信号電圧が,前述のインバータの入力閾値
より高ければそれをさらに高めるように作用し,インバ
ータの入力閾値より低ければそれをさらに低めるように
作用する。ところで正帰還回路4が動作を始めるのは,
パストランジスタ論理1の出力信号電圧の値が,緩やか
に変化してインバータの入力閾値を越えた後である。し
たがって正帰還回路4は,パストランジスタ論理1の出
力信号電圧が緩やかに変化している変化の速度を加速す
る向きに働く。これにより,同出力信号電圧の値は急速
に中間値を脱して最終的な値に落ち着く。このことによ
りクロック付きインバータ2に貫通電流が流れる時間は
ごく短時間に抑えられ,したがって貫通電流に基づく電
力消費を削減することができ,前述の問題を解決した低
消費電力論理回路が実現される。
【0030】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。
【0031】図5は,本発明の第2の実施例である。図
5の回路構成は,図3に対して,PMOSトランジスタ
25とNMOSトランジスタ26とそれらに接続するデ
ータ保持回路6,およびPMOSトランジスタ27とN
MOSトランジスタ28とそれらに接続するデータ保持
回路7を追加したものである。本回路構成は,パストラ
ンジスタ論理1で生成した論理信号の反転したものを書
き込むべき相手のレジスタが,1個ではなく複数個存在
する場合に対応できるよう,第1の実施例(図3)を拡
張したものである。図5におけるPMOSトランジスタ
22,25,27の働きは,図3におけるPMOSトラ
ンジスタ22の働きと同様であり,図5におけるNMO
Sトランジスタ23,26,28の働きは,図3におけ
るNMOSトランジスタ23の働きと同様である。すな
わち,例えばPMOSトランジスタ27に反転クロック
入力を与えNMOSトランジスタ28に非反転クロック
入力を与えるならば,両トランジスタは導通状態とな
り,これによりPMOSトランジスタ21とNMOSト
ランジスタ24は普通のインバータとして動作を始め
る。インバータの出力は,PMOSトランジスタ27と
NMOSトランジスタ28の接続点に現れ,同接続点に
直結しているデータ保持回路7の保持する信号値を書き
換える。以上の動作は,PMOSトランジスタ25とN
MOSトランジスタ26の組においても,PMOSトラ
ンジスタ22とNMOSトランジスタ23の組において
もまったく同様である。すなわち,3組あるクロック入
力のいずれに入力信号を与えるかによって,データ保持
回路3,6,7のいずれに書き込みを行うかが決まるこ
とを除けば,その他の部分の回路構成も回路の動作も,
図3の場合とまったく同じとなる。したがって,貫通電
流を削減するために,パストランジスタ論理1の出力信
号電圧の変化に対して,いずれのタイミングでクロック
入力を与えるべきかに関しても,第1の実施例の場合と
まったく同様に行えばよい。
【0032】次に本発明の第3の実施例について説明す
る。第3の実施例は,図3の構成を持つ論理回路からデ
ータ保持回路3だけを除いたものを複数用意し,それら
のおのおのに含まれるクロック付きインバータ2の出力
を互いに接続し,さらに互いに接続したクロック付きイ
ンバータ2の出力をただ1個のデータ保持回路3の入力
に接続した回路構成のものである。これは,相異なる複
数の論理回路のいずれかから,ただ1個のレジスタにデ
ータ転送する必要がある場合の回路構成にあたる。使用
方法は,1個のデータ保持回路3へ複数の論理回路から
同時に書き込みを行うことがないように注意さえすれ
ば,あとは図3の論理回路とまったく同じに扱えばよ
い。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば,パストランジスタを多
段に接続したパストランジスタ論理を低消費電力論理回
路として使用可能になる。このようなパストランジスタ
論理は,従来方法によれば,次段に接続されるCMOS
インバータに大きな貫通電流を流すため,低消費電力用
途には使用できなかったものであるが,本発明は,前記
貫通電流を削減することによりそれを可能とした。パス
トランジスタを多段に接続したパストランジスタ論理
は,従来例に比べて,途中のCMOSインバータを削除
したことで大きな消費電力削減効果を持つ。すなわち,
従来例と対比して,CMOSインバータに使用する分の
トランジスタ数の削減と,CMOSインバータを流れる
貫通電流の削減の2重の効果により,大幅な消費電力の
削減が可能となる。したがって本発明の実施により,従
来に比べ電力消費を大幅に改善した低消費電力論理回路
が得られる。
【0034】また本発明によれば,クロック付きインバ
ータのクロック入力がデータ保持回路への書き込み制御
信号を兼ねるために,従来例のレジスタの代わりに簡素
なデータ保持回路を使用することができ,この部分でも
トランジスタ数削減による消費電力削減効果が得られ
る。
【0035】また本発明によれば,従来例に比べて,論
理回路を構成する総トランジスタ数を削減できるため
に,LSIのチップ面積減少による生産コスト低減の効
果がある。
【0036】さらに本発明に基づく回路構成は,共通バ
スを排除したディジタルシステムの設計に適し,共通バ
スの充放電にともなう電力消費を削減したい場合に有効
である。ここで共通バスを使用する回路について簡単に
説明するならば,例えば,パストランジスタ論理1の後
段のクロック付きインバータ2の出力部分が特別な信号
線,すなわち共通バスとなっていて,ここを他系統の回
路も時分割で共通利用しており,この共通バスの後段
に,データ保持回路の代わりに書き込み制御信号線付き
のレジスタが複数個接続している形態のものである。こ
の共通バスは,共通利用されるために信号値の変化確率
が高く,従ってバスの充放電頻度が高いために消費電力
も大きい傾向がある。一方本発明では,共通バスを介す
ることなくデータ保持回路を直結しているために,バス
の充放電にともなう無駄な電力消費は起こらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】低消費電力論理回路の構成図であり,本発明の
実施の形態を表す。
【図2】低消費電力論理回路の構成図であり,本発明の
実施の形態を表す。
【図3】低消費電力論理回路の回路図であり,本発明の
実施例を表す。
【図4】パストランジスタ論理の回路図であり,本発明
の実施例の一部分を成す。
【図5】低消費電力論理回路の回路図であり,本発明の
実施例を表す。
【図6】従来技術に基づいたパストランジスタ論理を含
む論理回路の構成図である。
【図7】従来技術に基づいたパストランジスタ論理を含
む論理回路の回路図である。
【符号の説明】
1 パストランジスタ論理 2,5 クロック付きインバータ 3,6,7 データ保持回路 4 正帰還回路 21,22,25,27,41,121 PMOSトラ
ンジスタ 23,24,26,28,42,122 NMOSトラ
ンジスタ 31,32,102,105,107,109 CMO
Sインバータ 33 抵抗器 101,104,106,108 段数の少ないパスト
ランジスタ論理 103 レジスタ 111,112 NMOSパストランジスタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOS型パストランジスタの相互接続
    よりなるパストランジスタ論理(1)と,パストランジ
    スタ論理(1)の出力に接続するクロック付きインバー
    タ(2)と,クロック付きインバータ(2)の出力に接
    続するデータ保持回路(3)よりなり,かつクロック付
    きインバータ(2)のクロック入力がデータ保持回路
    (3)に対する書き込み制御信号を兼ねる低消費電力論
    理回路。
  2. 【請求項2】 クロック付きインバータ(2)の第2
    の出力から入力へ反転信号を供給する正帰還回路(4)
    を設け,かつクロック付きインバータ(2)にクロック
    入力が入ったときのみ正帰還回路(4)が動作すること
    を特徴とする「請求項1」記載の低消費電力論理回路。
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