JPH0985306A - ダル仕上ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

ダル仕上ステンレス鋼板の製造方法

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JPH0985306A
JPH0985306A JP25114295A JP25114295A JPH0985306A JP H0985306 A JPH0985306 A JP H0985306A JP 25114295 A JP25114295 A JP 25114295A JP 25114295 A JP25114295 A JP 25114295A JP H0985306 A JPH0985306 A JP H0985306A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防眩性および色調均一性に優れたダル仕上ス
テンレス鋼板の製法を提供すること。 【課題解決法】 ダル仕上ワークロールとして、(1)
エッチングによる凹凸を施し、さらに凸部をダル加工し
たワークロールを用いてあるいは(2)ダル加工したワ
ークロールとエッチングによる凹凸を施したワークロー
ルを組合せて用いて圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に建築物の内外
装に使用され、特に防眩性と色調均一性に優れるダル仕
上ステンレス鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、建築物の内外装用建材として、ス
テンレス鋼板が多用されるようになった。その理由は、
ステンレス鋼が持つ耐食性と美麗さという特性が建材用
途にも生かされてきたためである。しかしながら、外装
材に使用される場合は、ステンレス鋼板の地肌の美麗さ
故にしばしば防眩性という観点で問題となる。この防眩
性を満足させる方法のひとつとして、ダル仕上ステンレ
ス鋼板の使用が有効である。ダル仕上ステンレス鋼板
は、例えば特開平4−46612号公報に開示されてい
るように、ショットブラスト加工や放電加工により梨地
加工(ダル加工)されたワークロールを用いて圧延する
のが一般的な製造方法である。
【0003】前述した方法で製造されるダル仕上ステン
レス鋼板には、以下のような問題点があった。 (1)直射日光の元では防眩性が必ずしも十分とはいえ
ない。 (2)圧延距離の増加とともに磨耗のためワークロール
ダル加工面の粗さが低下するため、ステンレス鋼板表面
の粗さも細かい方に変化し、その変化にしたがって表面
色調も変化するので、色調均一性が不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、防眩
性および色調均一性に優れたダル仕上ステンレス鋼板の
製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的およ
び利点は、第1に、方向性のないランダムな模様がエッ
チング法により表面に施され、しかも該模様の凸部表面
のみがダル加工されているワークロールを用いてステン
レス鋼板を圧延することを特徴とするダル仕上ステンレ
ス鋼板の製造方法によって達成される。以下この発明を
第1の発明と称する。
【0006】さらに本発明の目的および利点は、第2
に、ダル加工を施した表面を有するワークロール(I)
による圧延およびエッチングにより方向性のないランダ
ムな模様を表面に施したワークロール(II)による圧延
を組合せることを特徴とするダル仕上ステンレス鋼板の
製造方法によっても達成されることが、本発明者らによ
って明らかにされた。この製造方法を第2の発明と称す
る。
【0007】以下、本発明を詳述するが、それにより本
発明の他の目的、利点および効果が明らかとなろう。
【0008】まず、第1の発明を説明する。方向性のな
いランダムな模様(以下、単に「ランダム模様」ともい
う)をエッチング法によりワークロール表面に形成する
には、それ自体公知の方法で行うことができる。例えば
フォトエッチング法によりランダム模様を形成すること
ができる。
【0009】ランダム模様の大きさは、凸部を1個含む
ように閉曲線を各凸部に描いたときに、該閉曲線がなす
面積を有する相当円の平均直径が後述する凸部に施され
る放電加工法によるダル加工された表面平均粗さRaの
値より10〜100倍が好ましく、20〜80倍がより
好ましい。
【0010】また、圧延距離が増大しても、ダル仕上ス
テンレス鋼板の色調をなるべく均一に保持する観点か
ら、ランダム模様の凹部の深さは20〜200μmが好
ましく、50〜150μmがより好ましい。ここで、ラ
ンダム模様の凹部の深さは、凸部の粗さ中心線と凹部の
粗さ中心線との差として定義され、デプスゲージまたは
表面粗さ計によって測定される値である。
【0011】第1の発明では、ランダム模様の凸部のみ
に、例えば放電加工によりダル加工を施しその表面を粗
くする。その表面平均粗さRaは、優れた防眩性を付与
する観点から、2μm以上であることが好ましい。しか
し、Raが15μmを超えてもその効果は飽和する。放
電加工法によるダル効果は、それ自体公知でありランダ
ム模様の凸部に上記の如き平均粗さRaを与えることは
当業者には容易である。
【0012】第1の発明で用いられるワークロールおよ
び第1の発明で製造されるダル仕上ステンレス鋼板の断
面模式図を図1に示す。図1は、ワークロールのランダ
ム模様のダル加工されている凸部2が、ステンレス鋼板
表面の凹部4として転写され、ワークロールの凹部1が
ステンレス鋼板の凸部3として転写されている様子を示
している。
【0013】次に、第2の発明について説明する。第2
の発明で使用するワークロール(I)の表面には、通常
のダル加工が施されている。その表面の平均粗さRa
は、ステンレス鋼板に充分な防眩性を付与する観点から
2μm以上であることが好ましい。但し、15μmを超
えてもその効果は飽和する。上記のように、ワークロー
ル(I)の表面にダル加工するには、それ自体公知の方
法、例えばショットブラスト加工法、放電加工法により
行うことができる。
【0014】ワークロール(II)の表面は、エッチング
により方向性のないランダムな模様(ランダム模様)が
施されている。ランダム模様の凹部の深さは、圧延距離
が増大してもステンレス鋼板の色調をなるべく均一に保
つ観点から20〜200μmであることが好ましい。こ
こで、ランダム模様の凹部の深さは、第1の発明で既に
述べたとおりに定義されかつ測定される。
【0015】ワークロール(II)表面上のランダム模様
の大きさは、凸部を1個含むように閉曲線を各凸部に描
いたときに、該閉曲線がなす面積を有する相当円の平均
直径が、ワークロール(I)のダル加工された表面平均
粗さRaの値より10〜100倍が好ましく、20〜8
0倍がより好ましい。
【0016】第2の発明の好ましい態様では、ワークロ
ール(II)の表面に施されているランダム模様の凸部の
みが、例えば放電加工法によりダル加工されている。ダ
ル加工された凸部の表面平均粗さRaは2〜15μmで
あることが好ましい。このように、ランダム模様の凸部
のみについてダル加工するのは、以下の理由による。す
なわち、エッチング凸部表面は、エッチング前の表面、
すなわち砥石による平滑仕上面となっており、圧延時に
このワークロール凸部で圧下される鋼板凹部の底面は平
滑面となる。これに対し、このワークロール凸部をダル
加工面にしておくことにより、鋼板凹部底面もダル加工
となることにより一層防眩性が向上するためである。
【0017】ワークロール(I)による圧延は、通常1
パスの圧延で良いが、ステンレス鋼板表面をより確かな
ダル仕上面とするため複数パスの、例えば2〜3パスの
圧延を行ってもよい。一方、ワークロール(II)による
圧延は、ランダム模様がステンレス鋼板表面に重なるこ
とを避ける目的で、1パスのみの圧延が好ましい。
【0018】ワークロール(I)による圧延とワークロ
ール(II)による圧延の順序は任意であり、どちらを先
に行っても本発明の目的が達成される。
【0019】図2および図3は、ワークロール(I)お
よびワークロール(II)の表面の模式図ならびにこれら
のワークロールを用いて圧延したステンレス鋼板の表面
の模式図を示している。図3は、ワークロール(II)の
ランダム模様の凸部をダル加工した場合の態様を示す。
【0020】図2(a)は、ダル加工されたワークロー
ル(I)の表面がステンレス鋼板の表面に転写される様
子を示している。図2(b)は、ワークロール(I)の
表面が転写され粗面化されたステンレス鋼板をワークロ
ール(II)で圧延することによりワークロール(II)の
ランダム模様の凸部2に対応するステンレス鋼板表面部
分4が平坦になり、該ランダム模様の凹部1に対応する
ステンレス鋼板表面部分3は、粗面化されたままの様子
を示している。
【0021】図3(a)は、図2(a)と同じく、ワー
クロール(I)の表面がステンレス鋼板表面に転写さ
れ、粗面化する様子を示している。図3(b)は、ワー
クロール(II)のランダム模様の凸部2が粗面化されて
いるので、対応するステンレス鋼板表面部分4も粗面化
されている様子を示している。もちろん、ワークロール
凹部1に対応するステンレス鋼板表面4は、ワークロー
ル(I)で粗面化されたままである。
【0022】第1の発明および第2の発明いずれの場合
も、本発明方法による圧延は、冷間圧延工程のうち、表
面平滑なワークロールによる圧延終了後に行われるが、
該圧延終了後に焼鈍・酸洗工程を行い、その後本発明方
法による圧延を行ってもよい。
【0023】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下
の実施例において、ステンレス鋼板の表面物性の測定は
以下の方法に従って行った。
【0024】(1)光沢度(60゜) JIS B 8741に従い、入射角60゜、受光角6
0゜の光沢度を測定した。 (2)輝度 試験片面に垂直な方向よりリング照明を照射し、受光角
70゜における光の強さを測定した。 (3)表面平均粗さRa JIS B 0601に定める中心線平均粗さRaを触
針式表面粗さ計を用いて測定した。
【0025】実施例1 焼鈍および酸洗を施した板厚3.6mmのSUS304
熱延コイル多数を素材とし、平滑なワークロールにて板
厚1.05mmまでゼンジミアミルにより冷間圧延し
た。引き続いてエッチングと放電加工を組合せて作成し
たダル仕上用ワークロールにより板厚1.0mmまで圧
延した。なお、ダル仕上用ワークロールのランダム模様
の凹部の深さは、80〜100μmの範囲にあり、該ラ
ンダム模様の凸部の表面の平均表面粗さRaは5μmで
あった。圧延後は、通常実施されている焼鈍・酸洗工程
を経て製品コイルとし、製品コイルよりステンレス鋼板
サンプルを採取し、防眩性と色調を調べた。結果を表1
に示した。
【0026】比較例1 実施例1において用いたダル仕上用ワークロールの代わ
りに、従来の方電加工によるダル加工のみを施したワー
クロール(表面平均粗度Ra:5μm)を用いる以外
は、実施例1を繰り返した。結果を表1に示した。
【0027】実施例2 焼鈍および酸洗を施した板厚3.6mmのSUS304
熱延コイル多数を素材とし、平滑なワークロールにて板
厚1.10mmまでゼミジミア圧延機により冷間圧延し
た。次に、表面をダル加工したワークロール(I)(表
面平均粗度Ra:5μm)を用い、1パス圧延により板
厚1.05mmに仕上げ、さらにランダム模様をエッチ
ング加工で表面に付けたワークロール(II)(ランダム
模様の凹部の深さ:80〜100μm)を用い、1パス
圧延により板厚1.0mmに仕上げた。圧延後は、実施
例1と同様な操作を行いステンレス鋼板の表面物性を測
定した。結果を表1に示した。
【0028】実施例3 実施例2において、ワークロール(II)としてランダム
模様の凸部を放電加工法によりダル加工したもの(ラン
ダム模様の凹部の深さ:80〜100μm、上記凸部の
表面平均粗さRa:4μm)を用いる以外は、実施例2
を繰り返した。結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果から以下のことが結論される。 (1)光沢度は、正反射光の強さを表し、この値が小さ
い程防眩性に優れている。本発明法は、従来に比べ格段
に光沢度が低減され、防眩性に優れる。 (2)輝度は、散乱光の強さを示すもので輝度が大きい
程、白っぽい色調、小さい程、黒っぽい色調に対応す
る。従って、本発明法によれば、圧延距離増加に対する
輝度変化が従来法に比べ格段に小さいこと、すなわち色
調の均一性が維持されていることがわかる。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法で製造されるダル仕上ステ
ンレス鋼板は、従来のダル仕上面にエッチングによる凹
凸が付与されるので、防眩性が著しく向上し(正反射光
の強さが減少する)、また、エッチングによる凹凸は充
分に深いので、ロール摩耗が多少進んでも板面に転写さ
れる凹凸形状の変化が小さく、圧延距離増大による色調
変化も小さい。従って、ステンレス鋼板の建材への適用
が大いに促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるワークロールの表面状態お
よび該表面が転写されたステンレス鋼板の表面状態を模
式的に示す図である。
【図2】本発明で用いられるワークロールの表面状態お
よび該表面が転写されたステンレス鋼板の表面状態を模
式的に示す図である。
【図3】本発明で用いられるワークロールの表面状態お
よび該表面が転写されたステンレス鋼板の表面状態を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
1 ワークロール表面のランダム模様の凹部 2 ワークロール表面のランダム模様の凸部 3 ワークロール表面のランダム模様の凹部に対応する
ステンレス鋼板表面部分 4 ワークロール表面のランダム模様の凸部に対応する
ステンレス鋼板表面部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向性のないランダムな模様がエッチン
    グ法により表面に施され、しかも該模様の凸部表面のみ
    がダル加工されているワークロールを用いてステンレス
    鋼板を圧延することを特徴とするダル仕上ステンレス鋼
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】 ワークロールの表面が放電加工法により
    ダル加工され、その部分の表面平均粗さRaが2〜15
    μmの範囲にあり、エッチング法により表面に施された
    模様の凹部の深さが20〜200μmの範囲にある請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ダル加工を施した表面を有するワークロ
    ール(I)による圧延およびエッチングにより方向性の
    ないランダムな模様を表面に施したワークロール(II)
    による圧延を組合せることを特徴とするダル仕上ステン
    レス鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 ワークロール(I)の表面平均粗さRa
    が2〜15μmの範囲にあり、ワークロール(II)の表
    面に施された模様の凹部の深さが20〜200μmの範
    囲にある請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ワークロール(II)の表面に施された模
    様の凸部表面のみがダル加工されている請求項3に記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 ワークロール(I)の表面平均粗さRa
    が2〜15μmの範囲にあり、ワークロール(II)の表
    面に施された模様の凹部の深さが20〜200μmの範
    囲にあり、凸部のダル加工が放電加工法によりなされ、
    その凸部の表面平均粗さRaが2〜15μmの範囲にあ
    る請求項5に記載の製造方法。
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