JPH0987608A - 水系接着剤組成物、接着フィルム、および接着フィルムの製造方法 - Google Patents

水系接着剤組成物、接着フィルム、および接着フィルムの製造方法

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JPH0987608A
JPH0987608A JP7232418A JP23241895A JPH0987608A JP H0987608 A JPH0987608 A JP H0987608A JP 7232418 A JP7232418 A JP 7232418A JP 23241895 A JP23241895 A JP 23241895A JP H0987608 A JPH0987608 A JP H0987608A
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adhesive
water
film
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adhesive layer
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JP7232418A
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Hidetoshi Abe
秀俊 阿部
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3M Co
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜欠陥および厚みムラのない接着剤層の形
成。 【解決方法】 水と助溶媒とからなる混合溶剤と、該混
合溶剤中に溶解または分散された接着剤成分とを含有す
る水系接着剤組成物において、上記助溶媒が、式(1)で
表される化合物Aを含んでなることを特徴とする水系接
着剤組成物。 (式中、R1はメチル基またはエチル基を示し、R2は炭
素数3〜5のアルキレン基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系接着剤組成物
に関し、特に、接着フィルム等の接着層を有する製品の
製造に適した水系接着剤組成物に関する。また、本発明
は、上記水系接着剤組成物から形成された接着剤層を備
えた接着フィルム、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、グラフィックフィルム等の接着
フィルム、メンディングテープ等の接着テープ、マーキ
ング材などの、支持体の少なくとも一面に接着剤層を搭
載した製品(以下、総称して「接着フィルム」と呼ぶこ
とがある)の製造において、その接着剤層を形成するた
めの塗布液として、水溶性または水分散性のポリマーを
接着剤成分として含む水系接着剤組成物が利用されてい
る。この様な製品は、(i)上記フィルム等の本体となる
支持体上に接着剤層を設けた後、その接着剤層を保護す
るために、シリコン層等の離型層を備える基材(以下
「ライナー」と呼ぶ。)を積層する手順で製造される方
法と、(ii)ライナーの離型層上に接着剤層を設けた後、
その上に支持体を積層する手順で製造される方法とがあ
る。
【0003】しかしながら、離型層表面(「離型面」と
も呼ばれる)は、はっ水性を有するので、上記(ii)の方
法では、水系接着剤組成物を用い、塗布により接着剤層
をライナー上に設けることは通常困難である。これは、
従来の水系接着剤組成物は、はっ水性を有する塗工面に
対する濡れが充分でなく、はじき、くぼみ等の塗膜欠陥
が発生し、充分な塗布厚で厚みムラのない塗膜を形成す
ることができないからである。
【0004】上記の様な塗膜欠陥の発生を防止するため
には、たとえば増粘剤の添加が有効である。この様な増
粘剤を含む水系接着剤組成物は、たとえば特開昭61−
101555号公報に開示されている。この組成物は、
キサンガムをアルコ−ル、グリコ−ル、グリコ−ルモノ
エ−テルのような非溶媒でスラリーにした増粘剤を含ん
でいる。しかしながら、増粘剤は、組成物の粘度を高く
し、組成物の流動性を低下させるので、厚みムラのない
塗膜の形成が困難になり、塗布特性全体をバランス良く
改善することは困難であった。
【0005】また、塗膜欠陥の発生を防止するために
は、非イオン界面活性剤の添加も有効である。この様な
非イオン界面活性剤を含む水系接着剤組成物は、たとえ
ば特開昭55−30967号公報に開示されている。こ
の公報は、合成樹脂板に表面保護シ−トを接着するため
の非イオン界面活性剤を含む水溶性糊剤を開示してい
る。ここで開示されている有用な非イオン界面活性剤
は、炭素数12以上のアルキル基、アラルキル基等の比
較的高分子量の疎水基を有しているので、親水性に乏し
く、ポリマー成分との相溶性が悪く接着剤層の中で、ポ
リマー成分の分離が生じやすい。この様な分離は接着力
の経時での低下を引き起こす。
【0006】一方、接着剤組成物の添加剤として、ヒド
ロキシ置換化合物を用い、接着剤の接着力をコントロー
ルすることが知られている。この様な化合物を含む水溶
性接着剤は、たとえば、特開平3−149280号公
報、特開平3−149281号公報に開示されている。
また、他の添加剤として、水溶性フェノ−ル樹脂の硬化
剤としてエチレングリコ−ルジアセテ−トが使用できる
ことが、特開昭57−186号公報に開示されている。
しかしながら、この様な添加剤は、塗膜欠陥の発生を防
止することを企図して使用されてはおらず、したがっ
て、塗膜欠陥の防止機能は乏しい。
【0007】さらに、水と混和可能な水混和有機溶剤を
助溶媒として用いることも知られている。たとえば、特
開平4−337381号公報には、接着性樹脂、水、水
混和有機溶剤、ゲル化剤、およびアルキルグリコキシド
を含有し、小さい圧力で被接着面に対し滑らかに均一に
塗布することが可能な固形接着剤組成物が開示されてい
る。ここで開示されている有用な水混和性有機溶剤は、
セロソルブ(エチレングリコールモノエチルエーテル)、
ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチル
エーテル)、グリセリン等のヒドロキシ基含有化合物で
あり、この他工業用高光沢性ラッカーなどの塗料にも使
用されている。しかし、これら助溶剤は、シリコンのよ
うなはっ水性を有する面に対する濡れ性を充分に改善
し、塗工面上に充分な塗布厚でかつ厚みムラのない塗膜
を形成させる性能は充分ではない。
【0008】一方、水系のアクリル系感圧接着剤におい
て、上記の様な増粘剤、および、界面活性剤を添加する
ことも知られている。たとえば、市販品として知られて
いる、Ashland社の“AROSET resins”は、アクリル増粘
型のラテックス増粘剤(Thickner)を用いたエマルジョン
・ベースのアクリル系感圧性接着剤である。
【0009】また、感圧接着剤における界面活性剤(Sar
factant in Pressure Sensitive Adhesive)、ウィリア
ム・アール・ドーガーティ(William R. Dougherty)、エ
アー・プロダクツ・アンド・ケミカル・インクは、グリ
コール系の非イオン性界面活性剤により、アクリル系感
圧接着剤の水系塗布組成物の表面エネルギーを低下さ
せ、濡れ性を改善し、気泡の発生を効果的に低減できる
ことを教示している。しかしながら、水系アクリル系感
圧接着剤においても、上記と同様に、増粘剤および界面
活性剤の添加のみでは、上記の問題点を充分に解決でき
ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、上記の従来技術の問題点に鑑み、(1)塗布操作の際
には充分な流動性(たとえば、適切な範囲の粘度)を有
し、(2)はっ水性を有する物体(ライナー等)の表面上に
も充分な厚さ(乾燥厚さ)で塗布可能で、(3)通常の塗布
操作により、はじき、くぼみ等の塗膜欠陥の発生、およ
び厚みムラのない接着剤層が塗布により形成可能であ
り、(4)経時で安定な接着力を有する接着剤層を形成す
ることが可能な、水系接着剤組成物を提供することにあ
る。
【0011】また、本発明の第2の目的は、上記の様な
改善された接着剤層を備えた接着フィルムを提供するこ
とにある。
【0012】さらに、本発明の第3の目的は、上記の様
な改善された接着剤層を備えた接着フィルムの製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、水と助溶媒とからなる混合溶剤と、該混
合溶剤中に溶解または分散された接着剤成分とを含有す
る水系接着剤組成物において、上記助溶媒が、式(1)で
表される化合物Aを含んでなることを特徴とする水系接
着剤組成物。 (式中、R1はメチル基またはエチル基を示し、R2は炭
素数3〜5のアルキレン基を示す。)を提供する。
【0014】化合物Aは、混合溶剤中に含有され、混合
溶剤中における接着剤成分の溶解性または分散性を改良
し、接着剤組成物の流動性および乾燥速度を適切な範囲
に制御する様に作用する。その結果、水系接着剤組成物
の上記のような塗布特性およびその接着剤組成物から形
成された接着剤層の接着力の経時安定性を向上させるこ
とができる。化合物Aのこの様な性質は、その化学構
造、すなわち、水酸基を有しないで、メトキシ基(また
はエトキシ基)とアセトキシ基とを有し、これらの官能
基の間にあるアルキレン基の炭素数を3〜5であること
から発現する。
【0015】本発明の好ましい1つの態様は、化合物A
の含有量が、水100重量部に対して20〜100重量
部の範囲であることを特徴とする。含有量が20重量部
よりも少ないと塗布操作を容易にするために充分な流動
性を付与することができないおそれがあり、反対に、含
有量が100重量部よりも多いと乾燥に時間を要し生産
性が悪くなる傾向がある。
【0016】接着剤組成物の流動性を、接着剤組成物の
粘度で表せば、粘度が500〜10,000cpsの範囲で
あるのが好適である。粘度が500cpsよりも低いと充
分な塗布厚でかつ厚みムラのない塗膜を得ることが困難
になる傾向があり、反対に、粘度が10,000cpsより
高いと流動性に乏しく、塗布操作が困難になったり、接
着剤組成物を塗布装置に供給することが困難になったり
するおそれがある。さらに、高すぎる粘度は、分散時に
巻き込んだ気泡が逃げにくく、塗膜にクレ−タやピンホ
−ルが発生しやすくなる。
【0017】また、本発明は、別の一面において、フィ
ルム状の支持体および該支持体上に形成された接着剤層
から成る接着フィルムであって、該接着剤層が請求項1
記載の水系接着剤組成物から混合溶剤を揮散することに
より形成された接着フィルムを提供する。この接着フィ
ルムは、上記接着剤組成物から形成されるので、塗布操
作において発生するはじき、くぼみ等の塗膜欠陥がな
く、かつ厚みムラのない、すなわちムラが所定範囲内に
制御された接着剤層を備え、その接着剤層は、経時で安
定な接着力を有する。
【0018】この様な接着剤層は、好適には、20℃に
おいて測定された値で、1×104〜107dyn/cm2の範
囲である圧縮弾性率を有する。圧縮弾性率が104dyn/c
m2よりも低いと凝集性が低くなり、保持力等の接着性能
が充分でなくなる傾向があり、反対に、圧縮弾性率が1
7dyn/cm2よりも高いと粘着性が低下し、常温での接着
フィルムの貼り付けが困難になるおそれがある。
【0019】また、本発明は、さらに別の一面におい
て、a)少なくとも片面が離型面であるライナーの離型
面上に請求項1記載の水系接着剤組成物を塗布し、該組
成物中の混合溶剤を除去して接着剤層を形成する工程、 b)上記接着剤層上にフィルム状の支持体を積層し固着
する工程、から成ることを特徴とするフィルム状の支持
体と、接着剤層とライナーとをこの順で積層して備える
接着フィルムの製造方法を提供する。この製造方法は、
上記の様な接着フィルムの製造を容易にし、生産性を向
上させる。接着フィルムでは、通常、支持体の材質、厚
み、支持体が装飾されている場合はその装飾柄など、の
支持体の形態は製品ごとに異なる。しかしながら、ライ
ナーは異なる製品においても共通のものが使用できる。
したがって、ライナーに接着剤層を備え付けた接着剤層
付きライナーを、予め大量に生産してストックしてお
き、製品オーダーに対応し、その製品用の支持体を用意
して、その支持体と上記接着剤層付きライナーとから接
着フィルムを製造する様にすれば、塗布装置の使用効率
を高め、その結果、接着フィルムの生産性を高めること
ができる。
【0020】化合物Aは、セロソルブ等の分子内に水酸
基を有する水混和性の有機溶剤と異なり、水と大量に混
ざり合う様な溶解性を持たない。すなわち、化合物A
は、混合溶剤中に含有され、混合溶剤中における接着剤
成分の溶解性または分散性を改良し、接着剤組成物の流
動性および乾燥速度を適切な範囲に制御する様に作用す
る範囲において、水に対して一定の溶解性を持っていれ
ば良い。通常、化合物Aの水に対する溶解度は、1〜3
0ml/水100mlの範囲であり、好適には、5〜2
0ml/水100mlの範囲である。
【0021】式(1)において、R2の炭素数は3〜5
の範囲である。炭素数が3より小さいと、上記の様な水
系接着剤組成物の塗布特性の改善ができず、反対に5よ
り大きいと、乾燥に時間を要し生産性が悪くなる。R2
のアルキレン基は、直鎖構造または分岐構造をとること
ができる。また、R1は、好ましくはメチル基である。
これは、水に対する溶解性が比較的良好になり、接着剤
組成物の塗布特性の改善が容易になるからである。
【0022】化合物Aの、酢酸ブチルを100とした場
合の蒸発速度は、好適には5〜50の範囲、特に好適に
は8〜40の範囲である。また、化合物Aの溶解性パラ
メータは、好適には8.0〜10.0の範囲、特に好適に
8.2〜9.5の範囲である。
【0023】この様な化合物Aとして具体的には、次の
様なものが挙げられる。
【0024】○プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テ
ルアセテ−ト(PGM−AC:クラレ(株)社製);R1
メチル基、R2の炭素数=3、溶解度パラメータ=9.
2、蒸発速度(酢酸ブチルを100とした場合)=3
4、水の対する溶解度=18.5ml/100ml ○プロピレングリコ−ルモノエチルエ−テルアセテ−ト
(PE−AC:クラレ(株)社製);R1=エチル基、R2
の炭素数=3、蒸発速度(酢酸ブチルを100とした場
合)=19、水の対する溶解度=9.5ml/100m
l ○3−メチル−3−メトキシブチルアセテ−ト(ソルフ
ィットTM−AC:クラレ(株)社製);R1=メチル基、R
2の炭素数=5、溶解度パラメータ=8.4、蒸発速度
(酢酸ブチルを100とした場合)=10、水の対する溶
解度=6.8ml/100ml ○3−メトキシブチルアセテ−ト;R1=メチル基、R2
の炭素数=4、溶解度パラメータ=8.5 また、化合物Aは、1種または2種以上の混合物として
使用できる。
【0025】水と化合物Aを含んでなる助溶媒とからな
り、接着剤成分および必要により添加される添加剤を該
混合溶剤中に溶解または分散せしめて、塗布手段により
塗布可能な液体状の水系接着剤組成物液体を形成する。
【0026】助溶媒は、化合物Aの他に、本発明の効果
を損なわない範囲において、水混和性の有機溶剤を含む
ことができる。この場合、水混和性の有機溶剤の含有量
は、水100重量部に対して、20重量部以下の範囲が
好ましい。
【0027】接着剤成分に含まれるポリマーは、特に限
定されず、通常の水溶性または水分散性の接着剤ポリマ
ーが使用できる。たとえば、ポリアクリレート、ポリビ
ニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリウレタ
ン、ユリア、メラミン、シリコーン、天然ゴム、合成ゴ
ムなどである。この様なポリマーは、混合溶剤中に溶解
または分散させて使用する。また、ポリマーが分散され
て含有される場合、そのポリマーからなる弾性微小球と
して含ませることができる。この様な弾性微小球につい
ては、特開平2−194079号公報に記載されてい
る。
【0028】接着剤成分には、接着剤の性能を改良する
目的で、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤等の添加剤を含有
させることができる。
【0029】接着剤組成物は、本発明の目的を損なわな
い範囲において、増粘剤、界面活性剤などの添加剤を含
有することができる。
【0030】増粘剤は、接着剤組成物の粘度の制御のた
めに添加する。アルカリ増粘型アクリル系エマルション
が好ましく、具体的にはプライマルASE−60、プラ
イマルTT−615(ローム・アンド・ハース(R&H)
(株)社製)が使用できる。添加量は固形分で接着剤ポリ
マー100重量部に対して0.2〜3.0が好ましい。添
加量が0.2重量部より少ないと増粘効果が充分でない
ため厚みムラのない塗膜を得ることが困難になる傾向が
あり、反対に、添加量が3.0重量部より多いと乾燥に
時間を要し生産性が悪くなるおそれがある。
【0031】界面活性剤は、接着剤組成物の表面張力を
調整するために添加する。添加量は、通常、0.005
〜0.5重量部の範囲である。たとえば、トライトンX
−100(ポリエチレングリコ−ル系、R&H(株)社
製)、トライトンGR−5M(スルホン酸塩系、R&H
(株)社製)、FC−129(フッ素系、3M社製)が使用
できる。
【0032】その他、消泡剤、濡れ性向上剤、レベリン
グ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等を接着剤組成
物に添加することができる。
【0033】本発明の接着剤組成物は所定量の水、化合
物A、接着剤成分、および必要により各種添加剤を、従
来公知の混合装置または分散装置内に投入し、各材料が
均一に溶解または分散する様にして製造される。この様
な装置には、たとえば、ハイスピードミキサー、プラネ
タリーミキサー、エクストルーダー、ホモジナイザー、
サンドミル、などがある。
【0034】アルカリ増粘型の増粘剤を使用する場合、
アンモニア等のアルカリ試薬以外の材料が均一に溶解ま
たは分散された中間組成物を形成した後、その中間組成
物にアルカリ試薬を加えて増粘させる。
【0035】本発明の水系接着剤組成物は、後述する様
な接着フィルムの接着剤層の形成のために用いられる
他、溶媒揮散型接着剤としても使用できる。
【0036】本発明の水系接着剤組成物は、支持体上ま
たはライナーの離型面上に塗布し、乾燥させて接着剤層
を形成する。塗布方法は、例えばナイフコ−タ−、グラ
ビアコ−タ−、ロ−ルコ−タ−、ダイコーター等の通常
の塗布装置を用いて行われる。塗布後の乾燥は、通常、
80℃〜120℃にて3〜10分間行われる。接着剤塗
布重量は、接着フィルムを製造する場合、乾燥後の重量
で4〜100g/m2であり、用途に応じて任意に選ぶこと
ができる。
【0037】本発明の接着フィルムはポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメ
チルメタクリレ−ト、ポリカ−ボネ−ト、紙、金属箔、
セラミック薄膜等の材料からなるフィルム状の支持体
の、片面もしくは両面に接着剤層を積層し、接着剤層と
支持体とを固着して形成される。接着剤層と支持体とが
接着しにくい場合は、支持体の接着剤層積層面にプライ
マー処理を施して、固着力を向上させることができる。
【0038】支持体の厚みは、通常5〜500μm、好
適には20〜200μmの範囲である。
【0039】通常の製造においては、支持体に直接接着
剤組成物を塗布し、乾燥させて接着剤層を形成した接着
フィルムは、形成された接着剤層の表面を、ライナ−で
被覆するか、接着剤層のある面とは反対側の支持体面に
離型処理を施しておいて、ロ−ル状に巻き取って保存さ
れる。
【0040】また、ライナー表面に直接接着剤組成物を
塗布し、乾燥させて接着剤層を形成した接着剤層付きラ
イナーの製造では、形成された接着剤層の表面を、別の
ライナ−で被覆するか、接着剤層のある面とは反対側の
ライナー面も離型処理を施しておき、ロ−ル状に巻き取
って保存される。
【0041】ライナーの離型処理は、通常、シリコン系
化合物を含んでなる離型層を、ライナー上に設けること
により行われる。
【0042】
【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0043】実施例1〜3、および比較例1〜3 <接着剤>接着剤は感圧性接着剤を使用した。これは、
IOA/BA/AA=90/7/3であるモノマ−組成
からなるモノマー混合物の重合体を接着剤ポリマーとし
て用い、架橋剤としてエポキシ化合物(綜研化学(株)社
製)を添加したものであった。(IOA:イソオクチル
アクリレ−ト、BA:ブチルアクリレ−ト、AA:アク
リル酸) <化合物A>クラレ(株)社製の、3−メチル−3−メ
トキシブチルアセテ−ト(ソルフィットTMAC)を使用
した。
【0044】<サンプルの作製法>接着剤、増粘剤、界
面活性剤、化合物Aを各配合量にて混合・分散後、アン
モニアにて撹拌・増粘し、接着剤組成物を得た。各材料
の配合量は表に示す。得られた接着剤組成物をシリコン
処理ライナ−(サンエ−化学(株)社製RHC11T)に、
乾燥後の塗布重量が10g/m2になるように塗布し、乾
燥させて接着剤層を形成した。乾燥は105℃で5分間
行った。この接着剤層付きライナーと、上記接着剤組成
物をサンプルとして、以下の試験を行った。
【0045】試験方法の詳細 <溶液流動性>溶液の入ったポリ容器を45°の角度で
傾け、溶液が流動すれば○、流動しなければ×で評価し
た。
【0046】<はじき>溶液をライナ−上に塗布した直
後、塗膜の表面にくぼみ、穴、はじきがないか目視で観
察する。不具合がなければ○、欠陥があれば×で評価す
る。
【0047】<粘度>JISK7117に従い、23℃
の条件下でSA7号スピンドルを用いて行った。
【0048】<圧縮弾性率>レオメトリックス社製RS
AII粘弾性スペクトロメ−タ−を用いて20℃での圧縮
弾性率を測定した。測定は、被験接着剤を直径5mm、厚
さ7mmのシリンダ−状に成型し、平行プレ−ト治具に取
り付け、1rad/sの周波数の圧縮ひずみをあたえなが
ら、−80℃から150℃の温度変化を与え、弾性率の
温度依存性を測定することにより行われた。
【0049】試験結果を次の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表中、ASE−60はローム・アンド・ハ
ース社から市販のアクリル系エマルジョン増粘剤であ
り、TT−615も同社から市販のアクリル系エマルジ
ョン増粘剤である。FC−129は住友スリーエム社か
ら市販のフッ素系界面活性剤である。
【0052】表からわかる様に、比較例1をみると溶液
の流動性に問題があるが、実施例1〜3は助溶剤の添加
効果により良好な流動性が付与されている。比較例2、
3はライナ−上ではじき等の不具合を生じているが、実
施例1〜3は濡れ性が改善され良好な塗膜を形成でき
た。
【0053】これは、粘度が比較的低い範囲にあり、し
かも化合物Aを含まないので、接着剤層の乾燥速度が早
すぎたこと、および、接着剤成分の分散性が改善され
ず、乾燥にともない接着剤成分の凝集が生じたことが原
因であったと推察される。実施例1〜3では、粘度の高
低にかかわらず、化合物Aの添加により、乾燥速度が緩
やかになり、接着剤成分の分散性が良好になり、はじき
の発生を防止することができたと考える。
【0054】また、実施例1及び比較例1〜3にて作成
した接着剤付きライナーを用い、支持体に厚み50μm
のポリ塩化ビニルフィルムを用いて、支持体と接着剤層
とを固着する様に積層して、常法に従い接着フィルムを
作成した。積層は支持体と接着剤付きライナーとを重ね
合わせた後、2本のロールの間を加圧しながら通すこと
により行われた。この接着フィルムをアルキド・メラミ
ン塗装板(NTP(株)社製)に貼り付け、それを80℃の
オーブン中に1日置いて、養生試験を行う前後の剥離接
着力を測定し、比較したところ、試験後の接着力の保持
率は、いずれの接着フィルムも約70〜85%であっ
た。剥離接着力は剥離角度90°、剥離スピード300
mm/秒、その他の条件はJIS Z 0237(1980)
に準拠して測定された。各測定結果を表1に示す。ま
た、市販の接着フィルムを対象サンプルとして同様に養
生試験を行い、接着力の保持率を測定したところ、その
値は85%であった。この市販の接着フィルムは、3M
(株)社製のScotchcalTM「品番:3650」で、支持体
は50μmの厚みのポリ塩化ビニルフィルムであり、接
着剤はアクリル系感圧接着剤であった。これらの結果か
ら、本発明により形成される接着剤層が、経時で安定な
接着力を有し、実用上問題のないレベルであることが確
認できた。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、(1)塗布操作の際には
充分な流動性(たとば、適切な範囲の粘度)を有し、(2)
はっ水性を有する物体(ライナー等)の表面上にも充分な
厚さ(乾燥厚さ)で塗布可能で、(3)通常の塗布操作によ
り、はじき、くぼみ等の塗膜欠陥の発生、および厚みム
ラのない接着剤層が塗布により形成可能であり、(4)経
時で安定な接着力を有する接着剤層を与えることが可能
な、水系接着剤組成物を提供することができる。
【0056】また、この様な接着剤組成物から形成され
る接着フィルムは、上記の様な塗膜欠陥、および厚みム
ラのない接着剤層を備え、経時で安定な接着力を発揮す
ることができる。
【0057】さらに、上記接着剤組成物は、はっ水性を
有する物体表面に対し、均一かつ容易に塗布できるの
で、ライナーの離型面上に、上記接着剤組成物を塗布
し、混合溶剤を除去して接着剤層を設け、その後接着剤
層上に支持体を積層し、該支持体と上記接着剤層とを固
着する工程を含む方法により接着フィルムを製造するこ
とができ、それによる生産性の向上も可能にする。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と助溶媒とからなる混合溶剤と、該混
    合溶剤中に溶解または分散された接着剤成分とを含有す
    る水系接着剤組成物において、 上記助溶媒が、式(1)で表される化合物Aを含んでなる
    ことを特徴とする水系接着剤組成物。 (式中、R1はメチル基またはエチル基を示し、R2は炭
    素数3〜5のアルキレン基を示す。)
  2. 【請求項2】 前記化合物Aの含有量が、水100重量
    部に対して20〜100重量部の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載の水系接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記接着剤組成物の粘度が500〜1
    0,000cpsの範囲であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の水系接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 フィルム状の支持体および該支持体上に
    形成された接着剤層から成る接着フィルムであって、該
    接着剤層が請求項1記載の水系接着剤組成物から混合溶
    剤を揮散することにより形成された接着フィルム。
  5. 【請求項5】 前記接着剤層の20℃において測定され
    た圧縮弾性率が、1×104〜107dyn/cm2の範囲であ
    ることを特徴とする請求項4の接着フィルム。
  6. 【請求項6】 a)少なくとも片面が離型面であるライ
    ナーの離型面上に請求項1記載の水系接着剤組成物を塗
    布し、該組成物中の混合溶剤を除去して接着剤層を形成
    する工程、 b)上記接着剤層上にフィルム状の支持体を積層し固着
    する工程、から成ることを特徴とするフィルム状の支持
    体と、接着剤層とライナーとをこの順で積層して備える
    接着フィルムの製造方法。
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