JPH0987786A - 高Moニッケル基合金および合金管 - Google Patents
高Moニッケル基合金および合金管Info
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- JPH0987786A JPH0987786A JP24893995A JP24893995A JPH0987786A JP H0987786 A JPH0987786 A JP H0987786A JP 24893995 A JP24893995 A JP 24893995A JP 24893995 A JP24893995 A JP 24893995A JP H0987786 A JPH0987786 A JP H0987786A
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Abstract
もに、熱間加工性ならびに冷間加工性に優れ、高温
長時間使用時の靱性に優れた高Moニッケル基合金およ
びこの合金を用いた合金管を提供する。 【解決手段】重量%で、C :0.05%以下、 S
i:0.5%以下、Mn:0.5%以下、 Cr:
20〜23%、Fe:2〜7%、 Mo:8〜
10%、Al:0.4%以下、 Nb:0.5%以
下、Ta:0.5%以下、 P :0.010%以
下、Ca:0〜0.01%、 Mg:0〜0.01
%、希土類元素:0〜0.1%、B :0〜0.01%
を含有し、かつ下記(1)式を満足し、 8×C≦Nb+Ta≦0.5(%) (1) (元素記号は、各元素の含有率(重量%)を表す) 残部がNiおよび不可避の不純物からなる合金およびこ
の合金を用いた合金管。
Description
oニッケル基合金およびこの合金を用いた合金管に関
し、さらに詳しくは、熱間加工性、冷間加工性等の加工
性、広範囲の腐食環境あるいは過酷な腐食環境における
耐食性に優れた配管用、ボイラ・熱交換器用合金管等に
好適な高Moニッケル基合金および合金管に関する。
設備では、配管用あるいは構造用などの鋼材が、高温下
でアルカリ性または酸性の溶液に曝されるような条件で
用いられることがある。また、ボイラーの過熱器管、蒸
発管あるいは構造部材、熱交換器の熱交換器管、コンデ
ンサー管、触媒管あるいは構造部材などは、高温・高圧
下で、かつ腐食性雰囲気で用いられる。また、ゴミ焼却
設備などでは、鋼材が高温下で、塩素ガス等の腐食性の
強いガス雰囲気に曝される。このように極めて苛酷な腐
食環境に曝される条件で用いられる鋼材には、当然十分
な耐食性を備えた材料が採用されている。例えば、ボイ
ラーの過熱器管、蒸発管などには、JISG4903、
G4904に規定されているNi−Cr−Fe合金が用
いられる場合がある。これらの規格には、それぞれ6種
の高耐食合金が規定されており、特に苛酷な腐食環境に
対しては、Mo含有率の高い(8〜10重量%、以下化
学組成は重量%で表す)NCF625TPあるいはNC
F625TB合金が使用されている。
TB合金(以下、単に625合金と記す)は、Niをベ
−スとしてCr:20〜23%、Ni:58%以上、M
o:8〜10%、Fe:5%以下、Nb:3.15〜
4.15%、他にAl、Tiを含んでいる。これらの合
金は、主としてCr、Ni、Moの作用により、極めて
苛酷な腐食環境においても優れた耐食性を備えることを
目標として開発され、実用上良好な耐食性を示している
場合が多い。
して用いられる場合には、熱間押し出し法(ユジーンセ
ジュルネ法)によって製管し、継目無合金管として用い
られることが多い。しかし、これらの合金は熱間加工性
および冷間加工性が極めて悪い。したがって、熱間押し
出し後の素管には疵が多発するので、手入れにより素管
の疵を取り除かなければならない。また、冷間加工性が
悪いため、冷間圧延や冷間抽伸などの製造段階で、1工
程当たりの加工度を低くし、工程数を増やすことによっ
て問題を回避しているのが実状である。このように、6
25合金の製管には、多くの手間と複雑な工程を必要と
するので生産性が低いこと、製造コストが高いこと、製
造所要日数が長いことなどの問題がある。
焼却炉廃熱回収ボイラの過熱器管、熱交換器管などの高
温用材料として、あるいは各種高温用材料を溶接する際
の溶接材料としても使用される。この625合金は、も
ともと650℃付近の温度域で著しく時効硬化する性質
を持っている。そのために、500℃を超える高温域で
長時間使用されると、合金の靭性が著しく低下する。し
たがって、高温域で用いられる機器に使用した場合、加
熱・冷却の繰り返しによる熱疲労等により損傷を起こす
危険性があるので、高い信頼性が要求されるボイラチュ
ーブ用などとしては、使用温度が高い条件では採用する
ことができなかった。
点を解決するためになされたものであって、従来の62
5合金の優れた耐食性を備えるとともに、熱間加工性
ならびに冷間加工性に優れ、高温長時間使用時の組織
安定性に優れた高Moニッケル基合金およびこの合金を
用いた合金管を提供することを目的としている。
対象に、合金管等を製造する上で問題となっていた熱間
加工性および冷間加工性が劣る原因、さらには、高温に
おける組織安定性が低下する原因について研究を行っ
た。その結果、次の新たな知見を得た。
ては、3.15〜4.15%含まれるNb、Taが悪影
響を及ぼしている。Tiも製管時の素管にできる疵の原
因の一つとなる。NbとTaは、両者を合わせた含有率
を0.5%以下、Tiは無添加とすることにより、62
5合金の熱間加工性および冷間加工性を著しく向上させ
ることができる。
ることに加えて、P含有率を0.010%以下とするこ
とによって、625合金の熱間加工性を飛躍的に向上さ
せることができる。
安定性は、NbとTaを合わせた含有率を所定量以下と
することによって改善できる。NbおよびTa含有率を
制限することにより、合金の高温における組織の安定性
が改善され、500℃を超える高温域で長時間使用して
も脆化を起こさない。
様々な条件の腐食環境における625合金の耐食性には
なんら影響がない。
高温で時効硬化させる目的で添加されている。ガスター
ビン用ブレード材などとしては、極めて高い高温強度が
要求されるので、Nbなどの添加による高温強度の確保
が必要である。しかし、本発明が対象としている合金の
用途、すなわち、主に配管用、ボイラ・熱交換器用等の
合金管、構造材などでは、それほど高い高温強度を必要
としない。材料の特性としては、625合金と同程度の
耐食性を備えること、継目無合金管等の製造に適した加
工性を備えること、さらには高温下での使用時に靱性の
低下を起こさないように、高温での組織の安定性を備え
ることの方がむしろ重要である。
たものであって、「重量%で、C :0.05%以下、
Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、
Cr:20〜23%、Fe:2〜7%、 M
o:8〜10%、Al:0.4%以下、 Nb:
0.5%以下、Ta:0.5%以下、 P :0.
010%以下、Ca:0〜0.01%、 Mg:0〜
0.01%、希土類元素:0〜0.1%、B :0〜
0.01%を含有し、かつ下記(1)式を満足し、 8×C≦Nb+Ta≦0.5(%) (1) (元素記号は、各元素の含有率(重量%)を表す) 残部がNiおよび不可避の不純物からなる高Moニッケ
ル基合金およびこの合金を用いた合金管。」を要旨とす
る。
各元素の作用と含有率の範囲およびその根拠について説
明する。
結合し結晶粒界にCr炭化物が析出する。Cr炭化物が
析出すると、結晶粒界近傍にCr欠乏層が形成され、粒
界腐食が起こりやすくなる。そのため、C含有率は0.
05%以下とした。Cは少ない方がよいので、下限は工
業的に製造可能な量である。
る。しかし、Si含有率が0.5%を超えると、合金が
650℃程度の高温に加熱された場合、脆いシグマ相が
析出し、加熱脆化感受性を高める。したがって、Si含
有率は0.5%以下とした。
に脱酸される場合には、無添加でもよい。
ての作用があり、脱酸剤としても添加される。しかし、
その含有量が0.5%を超えると熱間加工性を損なうの
で、0.5%以下とした。Si、Al等で十分脱酸され
る場合には、無添加でもよい。
性、耐高温酸化性を確保する上で不可欠の元素である。
その効果は20%以上で顕著となる。ただし、Mo含有
率の高い本発明合金においては、Cr含有率が23%を
超えた場合、合金が700℃程度の高温に加熱されと脆
いα−Cr相が析出し、合金の靭性が低下する。したが
って、Cr含有率は20〜23%とした。
腐食環境での孔食、すきま腐食および各種の酸に対する
全面腐食、塩化物を含む溶融塩腐食に対する合金の耐食
性を著しく高める効果がある。その効果は8%以上で顕
著となり、10%を超えると飽和する。したがって、M
o含有率は8〜10%とした。
間加工性を向上させる目的で添加される。その効果は2
%以上で現れる。Fe含有率が高く7%を超えるとNi
含有率が相対的に低下するので、合金の耐食性が低下す
る。したがって、Fe含有率は2〜7%とした。
る。本発明合金の場合、含有率が0.4%を超えると、
高温における長時間使用の際あるいは熱間加工中に脆い
金属間化合物が析出する。そのために、クリ−プ延性の
低下、合金自体の脆化が起こるので、0.4%以下とし
た。本発明合金では、所定の脱酸効果を得るために、下
限は0.1%程度とすることが望ましい。
る傾向の強い元素であり、合金中のCを固定してCr炭
化物の析出を抑制する働きがある。そのために、合金の
粒界腐食感受性を抑える(耐粒界腐食性を向上させる)
作用がある。その効果はC含有率の8倍以上で顕著とな
る。しかし、Nb、Taが過剰な場合には、熱間加工性
および冷間加工性を損なうとともに、加熱脆化に対する
感受性が高くなる。したがって、Nb、Taいずれか一
方を含む場合は、それぞれ0.5%以下、両者を含む場
合は、両者合わせて(Nb+Ta)0.5%以下とし
た。すなわち、下記(1)式を満足することが必要であ
る。
およびTa含有率を制限することによって改善できる。
さらに、P含有率を0.010%以下とすることによっ
て、熱間加工性が格段に向上する。P含有率0.010
%を超えると、熱間加工性の向上効果が小さいので、P
含有率は0.010%以下とした。
不純物元素である。P含有率を低くするためには、Pの
低い溶解原料を用いること、溶湯に対して脱燐処理を施
すことなどの対策を講じればよい。
される場合に含有させる元素である。その効果は、両者
合わせて0.003%以上で現れるが、0.01%を超
えると低融点の金属間化合物が析出し、かえって熱間加
工性が悪くなる。したがって、Ca、Mgを含ませる場
合には、両者合わせて(少なくとも1種で)、0.00
3〜0.01%とするのが望ましい。
どのREMは、Ca、Mgと同様、合金の熱間加工性を
いっそう向上させる場合に含有させる元素である。ま
た、REMは、合金が高温で使用される場合、合金の保
護性(酸化抑制効果のある)酸化スケ−ルの密着性を改
善させ、耐高温酸化性を向上させる働きも持っている。
で0.02%以上含有する場合に顕著に発揮される。し
かし、含有率0.1%を超えるとREMとNi、Cr、
Mo等からなる金属間化合物が生じ、熱間加工性を悪く
する。したがって、REMを含ませる場合には、0.0
2〜0.1%が望ましい。なお、前記のCa、MgとR
EMを併用することは、いっそう有効である。
の作用による高温クリープ変形に対して、結晶粒界を強
化する働きがある。この粒界強化効果を得るために、B
を添加してもよい。Bを含有させる場合には、0.00
2〜0.01%程度が好ましい。その理由は、B含有率
0.002%未満では上記の効果が期待できず、B含有
率が0.01%を超えると、NiB等の低融点化合物が
形成されて熱間加工性が悪くなるためである。
使用されている設備、プロセスで製造することができ
る。例えば、Ni、Cr、Fe等の溶解原料をアーク式
電気炉または高周波誘導溶解炉等で溶解し、脱酸および
成分調整を行った後、造塊法または連続鋳造法によっ
て、インゴット(鋳塊)、スラブ等に鋳造する。本発明
合金の製造の場合には、溶解、成分調整の工程で、真空
溶解あるいは真空処理を利用するのも有効である。イン
ゴットから合金管を製造する場合には、例えば押し出し
製管用のビレットに加工し、ユジーンセジュルネ法等で
製管すればよい。また、合金板を製造する場合には、ス
ラブを熱間圧延し熱延板を得ることができる。なお、本
発明合金に所定の特性を付与するために、通常、熱間加
工後に、1100〜1200℃程度の温度に加熱する溶
体化処理を施す。
合管を製造するのにも適している。
の二重管を製造する場合には、押し出し製管用のビレッ
トの段階で、外側が本発明合金、内側が炭素鋼の2層構
造のビレットとし、そのビレットを押し出し製管すれば
よい。また、内側を本発明合金としてもよい。本発明合
金を外側にするか、内側にするかは用途によって決め
る。複合する材料としては、炭素鋼以外に、Cr−Mo
鋼(STBA24など)でもよい。この他、外側および
内側に本発明合金、その間に炭素鋼等を挟んだ三重管と
した複合管であってもよい。これらの複合管の用途とし
ては、ボイラの蒸発管などがある。
合金の化学組成の範囲外の比較合金に比べて、優れた特
性を備えていることを実証するために、様々な角度から
評価を行った。特に、耐食性については、広範囲の腐食
環境での耐食性を確認した。以下、実施例によって具体
的に説明する。
(従来の合金を含む)として、計17種類の供試材を製
造し、これらの供試材を対象に次の特性を評価した。評
価項目は、加工性(熱間加工性および冷間加工性)、時
効による脆化度、湿食に対する抵抗性(耐粒界割れ性、
耐応力腐食割れ性、耐孔食性、酸・アルカリ溶液中での
腐食速度)、耐高温酸化性および耐高温腐食性である。
これらの特性調査に用いた供試材の作製方法および供試
材の内訳は、次のとおりである。
Kgを溶解し、インゴットに鋳造した。このインゴット
の外表面を切削し取り除いた後、1200℃に5時間加
熱し、1200から1050℃の温度範囲で熱間鍛造を
行った。鍛造後のサイズは、厚み20mm、幅100m
mである。この鍛造材を1200℃で2時間加熱し、軟
化焼鈍を行った。さらに、冷間圧延により厚み14mm
の冷延板とした。冷間圧延後の溶体化熱処理条件は、1
100℃、1時間加熱後水冷とした。
較例12種類)の化学組成を示す。
〜17鋼は比較例である。比較例の内、供試材No.6
は、JIS G 4904に規定されているNCF62
5TB合金(以下、625合金と記す)である。また、
供試材No.7および8はCr含有率がそれぞれ15.
26%と25.11%で、本発明合金の範囲外、供試材
No.9はNbとTaを含んでいない合金である。供試
材No.10はNb+Ta含有率が0.81%、No.
11はC含有率が0.06%、No.13はAl含有率
が0.66%、No.14はFe含有率が9.99%、
No.15はP含有率が0.012%、No.16はB
含有率が0.015%、No.17はY含有率が0.1
5%で、いずれも本発明合金の範囲より高く、No.1
2はFe含有率が1.23%で本発明合金の範囲より低
い例である。これらの供試材の内、No.16とNo.
17のそれぞれB、Y含有率が高すぎる供試材について
は、いずれもインゴットの熱間鍛造の段階で割れが生じ
た。したがって、加工性、耐食性等の特性評価は行わな
かった。
おりである。なお、グリーブル試験以外の各試験におけ
る試験片は、溶体化処理後の供試材から採取した。
る破断絞りで評価した。グリ−ブル試験では、熱間鍛造
後のインゴットから、径10mm、長さ130mmの丸
棒を切り出し、所定の温度に加熱後急速引張試験を行っ
た。破断絞りは、破断面の径/破断前の径×100
(%)によって求めた。
に規定されている常温引張試験における絞りで評価し
た。引張試験片としてはJIS Z 2201に規定さ
れている4号試験片(径6mm)を用いた。
650℃で3000時間加熱後、0℃で衝撃試験を行
い、衝撃値によって評価した。用いた試験片は、JIS
Z 2202に規定されている4号試験片である。
の4種の試験によって評価した。供試材はNo.1〜5
の本発明合金およびNo.6(625合金)の比較合金
である。試験片としては、供試材の板厚中央部から切り
出した、幅10mm、長さ40mm(応力腐食割れ感受
性試験の場合は75mm)、厚さ3mmの短冊状腐食試
験片を用いた。
S G 0573に定められているヒュ−イ試験(65
%硝酸腐食試験)によって評価した。試験片に対して
は、試験前にもっとも厳しく鋭敏化を受けるとされてい
る750℃、1時間加熱の処理を施した。
れ性:JIS G 0576に定められている沸騰42
%MgCl2 水溶液中のU字曲げ試験によって評価し
た。試験では、上記の板状試験片をU字曲げ後、沸騰4
2%塩化マグネシウム溶液中に100時間浸漬し、応力
腐食割れ(SCC)の発生の有無を調査した。
0577に準じた方法で孔食電位を測定し、耐孔食性
を評価した。用いた溶液は人工海水(ASTM−D−1
141)とした。
片を腐食溶液に浸漬し、板厚の減少量から腐食速度を求
める方法によって評価した。腐食溶液は、50%NaO
H溶液(沸騰)、50%硫酸溶液(80℃)および5%
HCl(50℃)の3種類である。
℃で1000時間加熱した後の試験片の酸化増量によっ
て評価した。
物等を焼却する炉に付随する廃熱ボイラ、製紙工場で使
用されているソ−ダ回収ボイラなどの過熱器、あるいは
火炉壁蒸発管や節炭器(エコノマイザ−)、ガス−ガス
熱交換器などの環境に相当する高温腐食環境における耐
高温腐食性を評価した。試験では、幅15mm、長さ1
5mm、厚さ3mmの板状試験片を用いて、その試験片
の表裏全表面に、実炉のボイラチュ−ブ表面に付着する
腐食性付着灰を模擬した合成灰(Na2 SO4 、K2 S
O4 、NaCl、KCl、FeCl2 、Fe2 O3 、P
bCl2 を所定量混合させた灰。重量%で、Pb:9.
97%,Cl:9.09%,SO3 :28.88%を含
む)を試験片単位表面積当たり40mg/cm2 塗布し
た。次に、排ガスを模擬した組成の腐食性ガス(100
0ppmHCl−50ppm%SO2 −10%O2 −1
0%CO2 −20%H2 O−bal.N2 )を通気させ
た試験炉中で、400℃(火炉蒸発管を想定)および5
00℃(過熱器管を想定)で各20時間試験片を加熱
し、試験片の腐食減量を測定した。
る。
験における破断絞りの測定結果を示した。
150、1200、1250℃のいずれの温度において
も、比較した合金(No.6、10、12、15)より
絞り値が著しく高く、熱間加工性に優れていることが分
かる。この比較合金の中でも、供試材No.6の625
合金は、絞り値が特に低い。また、Nb+Ta含有率が
0.81%と高い供試材No.10の比較合金は、ある
程度の熱間加工性の改善が認められるが、1250℃に
おける熱間加工性が著しく悪い。広い温度域で熱間加工
性を向上させるためには、P含有率を0.010%以下
と低めに制限することに加えて、Nb+Ta含有率を
0.5%以下とする必要がある。Fe含有率が1.23
%と低い供試材No.12の比較合金の熱間加工性は、
625合金より多少良好ではあるものの、本発明合金に
比べると著しく悪い。その原因は、Nb+Ta含有率が
適正ではあるが、Fe含有率が1.23%と低くすぎる
ためである。供試材No.15は、Nb+Ta含有率が
0.42%と低いため、1150℃および1200℃に
おける熱間加工性が改善されている。しかし、Pを0.
011%含むため、本発明合金に比べ、1250℃にお
ける熱間加工性が劣っている。
おける絞り値を示した。本発明合金の絞り値は、いずれ
も供試材No.6の625合金、および他の比較合金よ
り高く、本発明合金の冷間加工性が良好であることが確
認された。
の表3に衝撃試験における衝撃値を示した。本発明合金
(供試材No.1〜4)は、供試材No.6の625合
金およびその他の比較合金より衝撃値が高く、時効によ
る合金の脆化が起こりにくいことが分かる。その理由
は、本発明合金は高温における組織安定性が著しく改善
されているためである。比較合金の内、Cr含有率が本
発明合金の範囲より高い供試材No.8は、Nb+Ta
含有率が適正であるにもかかわらず、時効による脆化が
顕著であった。また、Nb+Ta含有率が0.81%と
高すぎる供試材No.10は、625合金に比べると脆
化の程度は小さいが、本発明合金より顕著に脆化してい
た。Al含有率が0.66%と過剰な供試材No.13
についても、脆い金属間化合物が析出するために、脆化
が顕著であった。
粒界腐食性、耐応力腐食割れ性および耐孔食性に関
する試験結果、表5に、酸・アルカリ溶液中での腐食
速度に関する試験結果をまとめて示した。
腐食減量、濃厚塩化物水溶液中での耐応力腐食割れ性を
示すSCC発生の有無および海水環境での耐孔食性を示
す孔食電位いずれの特性についても、本発明合金は、比
較合金の625合金(供試材No.6)と同等であっ
た。また、表5に示したように、沸騰50%NaOH溶
液、80℃50%H2 SO4 溶液および50℃5%HC
l溶液中での腐食速度も、本発明合金(供試材No.1
〜5)は、供試材No.6の625合金と同等で極めて
小さく、酸およびアルカリ溶液中での腐食も起こりにく
いことが確認された。625合金は、これらの特性に優
れているとされている。したがって、本発明合金は、少
なくともこれらの4つの特性について、実用上十分な性
能を備えていることが裏付けられた。
気中で、1000℃に1000時間加熱した後、試験片
の酸化増量を測定した結果を示した。本発明合金(供試
材No.1〜5)には、いずれも異常酸化は発生してお
らず、625合金(供試材No.6)同様、優れた耐高
温酸化性を備えていた。
せて、腐食性のガス雰囲気中で、400℃および550
℃にそれぞれ20時間加熱し、試験片の酸化増量を測定
した結果を表6にまとめて示した。本発明合金(供試材
No.1〜5)は、いずれの温度においても625合金
(供試材No.6)と同等またはそれ以下の腐食増量値
であり、625合金に匹敵する腐食性環境での耐高温酸
化性を備えていることが分かった。また、試験後の試験
片表面を金属顕微鏡を用いて調査した。その結果、本発
明合金では625合金と同様、粒界腐食等の局部腐食も
生じていないことが確認された。
7)によって、次の3種類の継目無合金管を製造した。
熱交換器用として、外径26.67mm、肉厚2.87
mm、長さ4000mmの合金管、ボイラの過熱器用と
して、外径50.8mm、肉厚5.5mm、長さ600
0mmの合金管、および二重管として、外管に本発明合
金、内管にJIS G 3461に規定されているST
B410(化学組成:表7)を用いた外径63.5m
m、肉厚6.35mm(外管肉厚1.52mm、内管肉
厚4.83mm)、長さ3000mmの二重管の3種類
である。まず、アーク式電気炉で約20トンの本発明合
金を溶製し、熱間鍛造・切削加工により、外径174m
m、内径38mm、長さ600mmのビレットを作製し
た。二重管については、外管用ビレット、内管用ビレッ
トをそれぞれ別個に製作し、前記の寸法のビレットに組
み立てた。次に、ビレットを1250℃に加熱し、ユジ
ーンセジュルネ法により熱間押出を行い、外径60.5
mm、内径35mmの素管とした。この素管を1100
℃で加熱した後、所定の寸法まで冷間抽伸し、溶体化熱
処理を施し、さらに脱スケ−ルを行って製品の合金管に
仕上げた。
十分な延性があるため、1250℃での熱間押出法によ
り容易に製管することができた。また、冷間加工性も良
好なため、冷間抽伸も容易であった。さらに、製品の合
金管には、表面疵等の欠陥も認められなかった。
ついて、高温強度ならびにクリ−プ破断強度を調査した
が、これらの特性も良好であった。例えば、550℃に
おける高温強度は、引張強度で547MPaであり、6
25合金より低めではあるもののSUS304TBの4
70MPaより高い値を示した。また、クリ−プ破断強
度は、600℃ではSUS316HTBなみの高い強度
を有しており、高温でボイラチュ−ブとして十分使用で
きる性能を備えていることが確認された。
に、本発明の合金および合金管は、熱間加工性および冷
間加工性が従来の625合金に比べて著しく優れてお
り、かつ、様々な条件の腐食環境において、625合金
に匹敵する耐食性を備えていることが確認された。さら
に、高温での使用中の時効脆化も、625合金に比べて
極めて起こりにくいことが実証された。
腐食環境において既存のNCF625TP、NCF62
5TBに匹敵する優れた耐食性を備え、かつ、熱間加工
性および冷間加工性が極めて良好である。したがって、
合金管等を製造する場合、熱間加工または冷間加工前の
素材の疵取り等の手入れが不要であり、加工後の製品に
表面疵がほとんど発生しない。そのために、製造歩留ま
りがよく、製造コストを大幅に低減でき、製造工程の省
略により製造に要する日数の短縮も可能である。
における組織が極めて安定なため、高温で長時間使用し
ても脆化が起こらず、高温靱性に優れている。
は、加工性、耐食性および高温靱性に優れているので、
過酷な腐食環境で使用される配管用、ボイラ・熱交換器
用合金管あるいはこれらの装置の構造用材料、さらに
は、ごみ焼却炉廃熱ボイラやソ−ダ回収ボイラなどの過
熱器管、構造用材料などに適用可能である。本発明の合
金および合金管を用いた設備は、高温における耐食性お
よび靱性が高いため、設備の耐久性を大幅に延長できる
とともに、設備の信頼性や稼働率を大幅に高めることが
できる。この他、本発明合金によれば、従来の合金では
製造困難であった二重管、三重管などの複合管も容易に
製造することができる等、本発明の合金および合金管は
産業上、極めて優れた効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】重量%で、C :0.05%以下、 S
i:0.5%以下、Mn:0.5%以下、 Cr:
20〜23%、Fe:2〜7%、 Mo:8〜
10%、Al:0.4%以下、 Nb:0.5%以
下、Ta:0.5%以下、 P :0.010%以
下、Ca:0〜0.01%、 Mg:0〜0.01
%、希土類元素:0〜0.1%、B :0〜0.01%
を含有し、かつ下記(1)式を満足し、 8×C≦Nb+Ta≦0.5(%) (1) (元素記号は、各元素の含有率(重量%)を表す) 残部がNiおよび不可避の不純物からなる高Moニッケ
ル基合金。 - 【請求項2】希土類元素が0.02〜0.1重量%であ
る請求項1に記載の高Moニッケル基合金。 - 【請求項3】CaとMgの合計含有率が、0.003〜
0.01重量%である請求項1または請求項2に記載の
高Moニッケル基合金。 - 【請求項4】請求項1、2または3に記載の高Moニッ
ケル基合金からなる合金管。 - 【請求項5】外表面側もしくは内表面側または内外表面
側が、請求項1、2または3に記載の高Moニッケル基
合金からなる複合管。
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1995
- 1995-09-27 JP JP24893995A patent/JP3864437B2/ja not_active Expired - Fee Related
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