JPH0990667A - 電子写真用写し絵転写材 - Google Patents

電子写真用写し絵転写材

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JPH0990667A
JPH0990667A JP24405595A JP24405595A JPH0990667A JP H0990667 A JPH0990667 A JP H0990667A JP 24405595 A JP24405595 A JP 24405595A JP 24405595 A JP24405595 A JP 24405595A JP H0990667 A JPH0990667 A JP H0990667A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性が向上し、低湿環境下でのカールを低
減し、しかも原紙中の水分による加熱加圧定着時の火膨
れが防止された電子写真用写し絵転写材を提供する。 【解決手段】 紙を主体とする基材の表裏に高分子樹脂
塗工を施してなる電子写真用写し絵転写材において、一
方の面に少なくとも接着層、転写層の2層または少なく
とも接着層、離型層、転写層の3層、のこりの面に裏打
ち層を施し、かつこの裏打ち層が基材表面を部分的に露
出してなることを特徴とする電子写真用写し絵転写材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置、静電
記録装置等のトナーを用いて画像形成を行う装置におい
て、得られたトナー像を他の最終転写材へ再転写を行う
ことが可能な電子写真用写し絵転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写し絵という技術を用いて立体的
に画像を転写することは広く知られており、例えば紙等
の基材上にデキストリンに代表される水溶性の糊を塗工
し、この塗膜上にアクリルインクを用いて必要とされる
画像をスクリーン印刷等で形成し、この画像を有する紙
を水につけてデキストリンを溶かし、水に浮いたアクリ
ルインク画像を陶器等の立体物に水圧によって写し取る
水圧転写法が広く知られている。この方法に用いられる
転写紙を電子写真に直接応用した例として、武藤工業製
のテンプリンがある。この転写材は、ライスペーパー上
にデキストリンを成膜したものを転写材として作成し、
これを、電子写真装置にかけデキストリン表面にトナー
像を形成した後、トナー中の樹脂を軟化させることが可
能な有機溶剤にこの転写材を通過させ、トナー像に再転
写の対象となる転写媒体への接着力を付与した後に、こ
の転写材をトナー像が再転写媒体に正対するように密着
させた後、紙裏面より水を付与してデキストリン膜を溶
解してトナー像のみの転写を行うものである。
【0003】しかし、このような不透明な紙上に水溶性
塗膜を形成してなる転写材では、再転写の際の位置合せ
が困難なだけでなく、雰囲気中の水分の影響により画像
形成前に転写材表面が軟化してしまい、この軟化したデ
キストリンが電子写真装置内の感光ドラム等に付着する
というような問題を生じてしまう。更に、上記のように
空気中の水分に敏感なために水分量に対する伸び、縮み
が激しく、転写材の無用な放置カールを生じ、装置内に
おける通紙搬送性が著るしく悪くなってしまう。
【0004】上記2点の問題に対し、特開平4−361
086号公報において、デキストリンに替わり、酢酸ビ
ニルの鹸化物であるポリビニルアルコールを用いた再転
写材の提案がある。ここで提案されている転写材は紙上
にシリコーン樹脂を塗工したものの上にアクリル樹脂膜
を形成し、更にこの上に日華化学製カセゾール0−5に
シリコーン消泡剤を混ぜたものを塗工したものであっ
て、再転写自体は、電子写真装置にてこの塗膜上にトナ
ー像を形成した後に、このカセゾール膜を基材から剥ぎ
取り、再転写媒体にトナー像が正対するように重ね合わ
せる。
【0005】加熱及び加圧を施すことで前述トナー像中
の樹脂を軟化させて再転写媒体への接着力を得、冷却し
た後にカセゾール膜の裏面よりエチルアルコールの80
%水溶液を付与してカセゾール膜とトナー像の接着力を
低下させ再転写を終了するものである。
【0006】この方法によれば、基材よりトナー像を有
する薄フィルムを剥ぎ取るために略透明フィルムとなり
位置合せが容易となる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいては、使用されている塗膜材料が酢酸ビニルの部分
鹸化物を用いているためにテンプリンと同様に空気中の
水分に対して敏感であり、耐水性が著しく劣るという問
題、更には、アルコール溶媒を付与しての塗膜の剥ぎ取
り時に残留塗膜が生じてしまうという問題、また、原紙
としてシリコーン離型紙を使用しているためにアクリル
樹脂層とシリコーン層との界面での剥離が生じ易くな
り、電子写真装置内での剥れ、また更には、ポリビニル
アルコール層を剥ぎ取る際にアクリル樹脂までも一緒に
剥離してしまい写し絵が達成できなくなるという問題が
生じる。
【0008】これらの問題点を解決するために、一般に
使用されているコート紙を原紙に用い、この片面にアク
リル樹脂からなる接着層を設け、この上に写し絵機能を
有する転写層を設け、更に、使用する転写層の水溶性高
分子を耐水性のタイプに変えるという方法が考えられ
る。
【0009】しかし、この場合においても、紙の裏面側
が紙の面を露出しているため、転写材が放置される環境
により紙の著しいカールを生じる可能性がある。更に、
電子写真装置内において定着時に定着ローラーに加熱収
縮による巻き付きを生じる可能性がある。
【0010】そこで、本発明者は、裏打ち層を樹脂で形
成することにより、カールや巻き付きの問題を防止でき
るのではないかと考えた。
【0011】ところが、この転写材も使用条件によって
は、コート原紙中の水分が定着の加熱により急激に蒸発
し、紙の膨れを発生してしまう可能性がある。更に、現
状のカラー複写機において定着時に使用されるシリコー
ンオイルによって、樹脂コートを両面に施した紙の場
合、スリップを発生し、定着ローラー対への搬送が不良
になる可能性がある。
【0012】従って、本発明の目的は、耐水性が向上
し、放置カール量が減少し、しかも定着時の熱膨れ、定
着対への搬送不良が発生しない電子写真用写し絵転写材
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、紙
を主体とする基材の表裏に高分子樹脂塗工を施してなる
電子写真用写し絵転写材において、一方の面に少なくと
も接着層、転写層の2層、のこりの面に裏打ち層を施
し、かつこの裏打ち層が基材表面を部分的に露出してな
ることを特徴とする電子写真用写し絵転写材である。
【0014】また、本発明は、紙を主体とする基材の表
裏に高分子樹脂塗工を施してなる電子写真用写し絵転写
材において、一方の面に少なくとも接着層、離型層、転
写層の3層、のこりの面に裏打ち層を施し、かつこの裏
打ち層が基材表面を部分的に露出してなることを特徴と
する電子写真用写し絵転写材である。
【0015】上記本発明においては、裏打ち層の樹脂膜
の基材に対する被覆率が10%以上95%以下であるこ
とが好ましい。また、裏打ち層が基材面に網目状に形成
した高分子樹脂材料からなることが好ましい。また、転
写層が水溶性高分子を含有することが好ましく、水溶性
高分子がポリビニルアルコールであることがより好まし
く、ポリビニルアルコールがポリ酢酸ビニルを95%以
上鹸化したポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルを
90%以下鹸化したポリビニルアルコールを含有し、鹸
化度が95%以上のポリビニルアルコールの含有率が固
型分として25重量%以上75重量%未満であることが
特に好ましい。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて以下に説明す
る。
【0017】図1は本発明の電子写真用写し絵転写材1
の層構成を示す概略断面図ある。11は転写材1の基材
であって中質あるいは上質の普通紙、あるいはこれらの
紙の片面または両面に目止め用の表層コートを施した
紙、いわゆるコート紙、アート紙等の塗工紙が用いられ
る。紙の場合、坪量は30g/m2 以上が好ましく、4
5g/m2 以上がより好ましい。30g/m2 未満の紙
では、塗工樹脂膜を厚くしても電子写真装置における搬
送性が確保されにくい。また、坪量は200g/m2 以
下が好ましく、150g/m2 以下がより好ましい。2
00g/m2 を越えると、原紙の剛性が高過ぎるため、
搬送性が不良になり易い。また、この原紙は、電子写真
装置における良好な画像転写性を維持するために、塩化
ナトリウム等の無機塩を0.2〜4重量%添加され、そ
の体積抵抗値が20℃、65%RH環境下、24時間放
置で108 〜1010Ω・cmに調整されていることが好
ましい。
【0018】12は接着層であって、後で塗工される離
型層13及び転写層14あるいはこれらが一体となった
ものが電子写真装置内で容易に剥れることを防止するた
めに設けられている。用いられる素材としては、水性ア
クリルエマルジョン、水溶性アクリル、水溶性ポリエス
テル、6.6ナイロン、ポリアクリロニトリルあるいは
有機溶剤に可溶なアクリル樹脂等が挙げられる。また、
必要に応じて、吸油性能を持つ無定形二酸化珪素、いわ
ゆるシリカの微粉末を混入させることができる。このシ
リカは、上層の離型層13の接着力を高める目的、更に
は、コート紙内部から蒸発する水分の吸収を目的として
使用され、その粒径は0.5〜10μmが好適である。
【0019】次に、13は離型層であって主体をポリ酢
酸ビニルの鹸化物であるポリビニルアルコールからな
り、その鹸化度が95%以上のものが好ましく、98%
以上のものがより好ましい。また、鹸化度が90%以下
のポリビニルアルコールを用いる場合は、離型剤として
少量の水溶性シリコーン(一般に消泡剤等の界面活性剤
系のもの)を混入させたものを用いることも可能であ
る。但し、鹸化度が70%未満のポリビニルアルコール
は、耐水性の面で使用することが困難である。但し、上
記したシリコーンを混入させた場合、転写層14の組成
と同一にしても何ら問題はない。
【0020】また、離型層13と接着層12の相互の材
料選択はその接着力によっても影響され、少なくとも電
子写真装置における搬送力によって剥がれることがない
よう接着強度として90°剥離で1.5g/cm以上で
あることが好ましく、後述する転写層14と離型層13
からなる再転写フィルム層を基材から剥ぎ取る際にフィ
ルムの破れを生じないように6g/cm以下が好まし
い。
【0021】次に、転写層14について述べると、この
層は、電子写真装置によってトナー像を受け取り、少な
くとも加熱によって再転写工程に入るまでの間トナー像
を保持し、かつ、再転写時には、十分なトナー剥離性能
を有することが求められている。また、従来技術に比べ
十分な耐水性を有することも要求されている。すなわ
ち、再転写時の溶剤浸透性を確保しつつ、耐水性が優れ
ていることが必要である。具体的には、ポリ酢酸ビニル
を95%以上鹸化したポリビニルアルコールに、ポリ酢
酸ビニルを90%以下鹸化したポリビニルアルコールを
混合して転写層を形成する。混合率は固型分比率とし
て、95%以上の高鹸化度ポリビニルアルコールの含有
率が10重量%以上であることが好ましく、より好まし
くは25重量%以上である。10重量%未満では、90
%以下の低鹸化度ポリビニルアルコールの特性である水
溶性特性が強く現れることとなり、高温環境下で表層の
溶け出しが発生し、電子写真装置内の部材を汚染する可
能性がある。更に、高鹸化度ポリビニルアルコールが7
5重量%以上では、膜自体を形成する直鎖高分子の配列
がセルロース膜のように規則性が高くなるため、空気中
の水分量の変化に対する膜の収縮が大きくなる可能性が
ある。すなわち、高鹸化度ポリビニルアルコールは固型
分比率として25重量%以上75重量%未満がより好ま
しい。また、この転写層14には必要に応じて電子写真
転写性の向上のためカチオン系あるいはノニオン系の帯
電防止剤を加えることも可能である。帯電防止剤量とし
ては、目標表面固有抵抗値として108 〜1012/□に
なるように調整すればよい。更に、通紙搬送性及びトナ
ーの定着性の確保のためシリカ粉末等の無機白色顔料を
混合してもよい。また、この層を離型層と合わせて形成
する場合、シリカ粉末の量を増やし、シリコーンを混合
すればよい。
【0022】各層の膜厚について、接着層12は膜の分
裂剥離が発生しないよう薄層であることが好ましく、2
μm以上10μm以下が好ましい。2μm未満ではムラ
を生じ易く、10μmを越えると層内剥離を生じ易い。
但し、接着層にシリカ粉末を混入させた場合、膜強度が
上がるため15μmまで形成しても何ら問題はない。離
型層13は、転写層14のプライマー層的役割とこの層
と接着層12との界面で十分な剥離を達成する役割りが
あり、その厚みは2μm以上6μm以下であることが好
ましい。6μmを越えるとこの層の水分による収縮が強
くでてカールを生じ易く、2μm未満ではムラが発生し
易い。
【0023】転写層14の膜厚は、3μm以上が好まし
い。これより薄くなると基材からの剥離時にフィルムの
破れを生じる等の強度不足が発生し易い。また、50μ
m以下が好ましい。これより厚くなると剥離後のフィル
ムが硬くなり、再転写時において曲面追従性が低下し易
い。より好ましい膜厚としては4μm以上40μm以下
である。
【0024】次に、裏打ち層15について述べる。この
層は、転写層14、離型層13の各水溶性高分子からな
る層が、放置された環境により伸縮した際に発生する多
少のカールを低減するために設けられるものである。裏
打ち層の材料としては、接着層12に用いたバインダー
樹脂を用いることも可能であるし、有機溶剤可溶の熱可
塑性、熱硬化性いずれの樹脂をも用いることが可能であ
り、例えばポリエステル、ウレタン、フェノール、アク
リル、エポキシ、ブチラール、塩化ビニル系等の樹脂あ
るいはこれらの混合物を用いることが可能である。本発
明においては、更なる構成として図3に示すように、こ
の層の塗工形状を一様な面ではなく、塗工原紙である1
1のB側の面が部分的に塗工層で覆われないように網目
状にしている。すなわち、原紙11が完全にB面も樹脂
で覆われてしまうと、電子写真装置内における加熱定着
装置で加熱される際に紙内部の水分が急激に水蒸気化
し、紙自体の火膨れであるブリスターを生じてしまう。
これを防ぐ意味で裏面に開口部を設けている。その開口
率は塗工層が原紙を覆う被覆率で示すと、10%以上9
5%以下であればよく、好ましくは20%以上90%以
下であり、より好ましくは25〜80%である。この被
覆率は必要とする最小の開口の大きさを保持しているこ
とが必要であり、0.01mm2 以上25mm2 以下の
開口であればよい。25mm2 を越える開口の大きさで
は、カール防止効果が不十分であり、0.01mm2 未
満では十分な水蒸気の逃げを達成できない。
【0025】次に、この塗工層の厚みは、1〜20μm
が好ましく、2〜20μmがより好ましい。20μmを
越えると塗工乾燥時に樹脂の縮みによるカールを発生
し、1μm未満ではカール防止効果が不十分である。
【0026】また、この層にも不定形の二酸化珪素(シ
リカ)の微粉末を混入して用いてもよく、好ましくは
0.5〜10μm径のシリカ粉末を2〜5重量部使用す
ることで安定した塗工層となる。
【0027】次に、本発明の写し絵転写材に適応可能な
電子写真用トナーについて詳述する。基本的に、スチレ
ン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、エポキシ、ポリエステル等の樹脂を主体とするバイ
ンダー樹脂にカーボンブラックの他、イエロー、シア
ン、マゼンタ等の染顔料を含む電子写真用トナーが使用
可能である。その中でも特に、以下に示すカラートナー
は、本発明の写し絵転写材の効果をより引き出すことが
可能なものである。
【0028】このカラー電子写真装置用のトナー粉は、
熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが必要
で、軟化点が低く、かつ、溶融時間の短いシャープメル
ト性のトナーが好ましい。
【0029】シャープメルトなトナーを使用することに
より、複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色カラー像
に忠実なカラーコピーを良好に得ることができる。
【0030】このようなシャープメルトなトナーは、例
えばポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂の
ようなバインダー樹脂、着色剤(染料、昇華性染料)、
荷電制御剤等を溶融混練、粉砕、分級してトナーを製造
する。必要とあれば、トナーに各種外添剤を添加する外
添工程を付加してもよい。
【0031】カラートナーは定着性及びシャープメルト
性を考慮すると、バインダー樹脂としてポリエステル樹
脂を使用したものが好ましい。シャープメルト性ポリエ
ステル樹脂はジオール化合物とジカルボン酸とから合成
される分子の主鎖にエステル結合を有する高分子化合物
である。特に、次式
【0032】
【化1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yは各々1以上の正の整数であり、かつx+yの平均値
は2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導
体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上の
カルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキル
エステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを少なくと
も共縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性
を有するのでより好ましい。
【0033】シャープメルト性ポリエステル樹脂の軟化
点は60〜120℃が好ましい。このシャープメルト性
のポリエステル樹脂をバインダー樹脂として含有するト
ナーの軟化点特性を図2に示す。
【0034】フローテスターCFT−500形(島津製
作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.5mm、
厚み1.0mmとして50kgの押出荷重を加え初期設
定温度80℃で、予熱時間300秒の後、5℃/分の速
度で等速昇温した時描かれるトナーのプランジャー降下
量−温度曲線(以後軟化S字曲線という)を求める。試
料となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用い、プラ
ンジャー断面積は10cm2 とする。軟化S字曲線は図
2のようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナー
は徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降下
A→B)。更に昇温すると溶融状態となったトナーは大
きく流出し(B→C→D)プランジャー降下が停止し終
了する(D→E)。
【0035】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0 はそのトナーの軟化点を示
す。
【0036】このようなシャープメルト性のトナーまた
は樹脂とは、溶融粘度が105 を示す時の温度をT1 、
5×104 cpを示す時の温度をT2 としたとき、 T1 =90〜150℃|ΔT|=|T1 −T2 |=5〜
30℃ の条件を満たす樹脂のことをいう。
【0037】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性のトナーまたは樹脂は加熱されることによ
り極めてシャープに粘度低下を起こすことが特徴であ
る。このような粘度低下が最上部トナー層と最下部トナ
ー層との適度な混合を生じせしめ、更にトナー層自体の
透明性を急激に増加させ、良好な減色混合を起こすもの
である。
【0038】次に、本発明の具体例について記す。具体
例中、部は重量部を示す。
【0039】[実施例1]坪量80g/m2 の上質紙の
両面を、でんぷんと炭酸カルシウムからなる塗工液にて
目止め処理したいわゆるコート紙を原紙として、以下の
処方にて写し絵転写材Aを得た。
【0040】 <接着層> アクリル樹脂(カバーコートレジンLO−316、互応化学製) 100部 トルエン 100部 シリカ(FPS−3、塩野義製薬製) 4部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて10g
/m2 になるように塗膜を形成した。得られた層の厚み
は9μmであった。
【0041】 <離型層> 高鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度99%) クラレポバールPVA110水溶液(固形分14%) 20部 水 100部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて厚み4
μmになるように塗膜を接着層の上に形成した。
【0042】 <転写層> 高鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度99%) クラレポバールPVA110水溶液(固形分14%) 50部 低鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度88%) カセゾール0−5水溶液(固形分14%)日華化学製 50部 帯電防止剤(カチオンAB、日本油脂製) 2.5部 シリカ(FPS−2、塩野義製薬製) 6部 水 5部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて厚み7
μmになるように塗膜を離型層の上に形成した。
【0043】 <裏打ち層> アクリル樹脂(プラスサイズLO−170、互応化学製) 100部 トルエン 100部 シリカ(FPS−3、塩野義製薬製) 4部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて70%
スクリーン刷版を用いて6g/m2 になるように塗膜
を、原紙の転写層を形成した側の反対側の面に形成し
た。得られた層の厚みは4μmであった。塗工層の被覆
率は75%、開口部1か所の面積は0.36mm2 であ
った。
【0044】得られた電子写真用写し絵転写材Aの接着
層と離型層との接着力は2g/cmであった。また、転
写層の表面固有抵抗は1011Ω/□であった。
【0045】上記転写材をキヤノン製CLC700(キ
ヤノン製カラー複写機)にてカラー複写を行ったとこ
ろ、塗膜の剥れもなくかつ良好なカラー画像が得られ
た。更に、この写し絵転写材Aを23℃、5%の環境下
に5分間放置したところ、転写層を上にして転写材の端
部の持ち上がりが4角平均で5mm発生した。この状態
で、前述の複写機にて複写を行ったところ、通紙性能に
何ら問題はなかった。
【0046】また、複写画像を得た転写材Aからトナー
像を有する転写層及び離型層の一体フィルムを剥ぎ取
り、用意したコートボール紙にトナー像が正対するよう
に合わせ110℃に加熱されたアイロンでフィルムをコ
ートボール紙に押しつけた。更に、80%エチルアルコ
ール水溶液を離型層側から付与したところ、このポリビ
ニルアルコールフィルムは溶けることなく膨潤し、トナ
ー像を自己分離してコートボール紙に写し絵が完了し
た。
【0047】[比較例1]裏打ち層の被覆率を94%に
する以外は実施例1と同様の方法で写し絵転写材Bを得
た。
【0048】この写し絵転写材BをAと同様にCLC7
00にて複写を行った。加熱定着部において著しい火膨
れは発生しなかったが、連続で複写を行うと定着部金属
部分が昇温し、それに触れた転写材の一部に微小な火膨
れが発生し、開口面積が不足していることが判明した。
【0049】[実施例2]裏打ち層の被覆率を25%と
し、塗工量を8g/m2 とする以外は実施例1と同様の
方法で写し絵転写材Cを得た。
【0050】実施例1と同様の試験を行ったところ、被
覆率を下げた分塗工量を上げているため、低湿環境下で
のカール量も平均6mmと小さく、実施例1と同じく良
好な結果を得た。
【0051】[比較例2]裏打ち層の被覆率を15%と
し、塗工量を20g/m2 (膜厚21μm)とする以外
は実施例1と同様の方法で写し絵転写材Dを得た。
【0052】実施例1と同様の試験を行ったところ、被
覆率を下げ過ぎたために紙の端部ではなく全体に波打ち
を発生し、低湿環境では通紙させることができなかっ
た。
【0053】[実施例3]坪量80g/m2 の上質紙の
両面を、でんぷんと炭酸カルシウムからなる塗工液にて
目止め処理したいわゆるコート紙を原紙として、以下の
処方にて写し絵転写材Eを得た。
【0054】 <接着層> アクリル樹脂(カバーコートレジンLO−316、互応化学製) 100部 トルエン 100部 シリカ(FPS−3、塩野義製薬製) 4部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて10g
/m2 になるように塗膜を形成した。得られた層の厚み
は9μmであった。
【0055】 <転写層> 高鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度99%) クラレポバールPVA110水溶液(固形分14%) 50部 低鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度88%) カセゾール0−5水溶液(固形分14%)日華化学製 50部 帯電防止剤(カチオンAB、日本油脂製) 2.5部 シリカ(FPS−2、塩野義製薬製) 6部 シリコーン(KM73、信越化学製) 4部 水 5部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて厚み1
2μmになるように塗膜を接着層の上に形成した。
【0056】 <裏打ち層> アクリル樹脂(プラスサイズLO−170、互応化学製) 100部 トルエン 100部 シリカ(FPS−3、塩野義製薬製) 4部 からなる塗工液を用い、スクリーンコーターにて80%
スクリーン刷版を用いて7g/m2 になるように塗膜
を、原紙の転写層を形成した側の反対側の面に形成し
た。得られた層の厚みは5μmであった。塗工層の被覆
率は82%、開口部1か所の面積は0.25mm2 であ
った。
【0057】得られた電子写真用写し絵転写材Eの接着
層と転写層との接着力は3g/cmであった。また、転
写層の表面固有抵抗は1011Ω/□であった。
【0058】上記転写材をキヤノン製CLC700(キ
ヤノン製カラー複写機)にてカラー複写を行ったとこ
ろ、塗膜の剥れもなくかつ良好なカラー画像が得られ
た。更に、この写し絵転写材Eを23℃、5%の環境下
に5分間放置したところ、転写層を上にして転写材の端
部の持ち上がりが4角平均で3mm発生した。この状態
で、前述の複写機にて複写を行ったところ、通紙性能に
何ら問題はなかった。
【0059】また、複写画像を得た転写材Eからトナー
像を有する転写層フィルムを剥ぎ取り、用意したコート
ボール紙にトナー像が正対するように合わせ110℃に
加熱されたアイロンでフィルムをコートボール紙に押し
つけた。更に、80%エチルアルコール水溶液を転写層
裏面から付与したところ、このポリビニルアルコールフ
ィルムは溶けることなく膨潤し、トナー像を自己分離し
てコートボール紙に写し絵が完了した。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、耐
水性が向上し、低湿環境下での無用なカールが減少し、
しかも原紙中の水分による加熱加圧定着時の火膨れが防
止された電子写真用写し絵転写材が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写し絵転写材の概略縦断面図である。
【図2】本発明の転写材に用いられるトナーの溶融特性
図である。
【図3】本発明の写し絵転写材の裏打ち層の形状の一例
を示す概略図である。
【符号の説明】
11 基材(原紙) 12 接着層 13 離型層 14 転写層 15 裏打ち層

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を主体とする基材の表裏に高分子樹脂
    塗工を施してなる電子写真用写し絵転写材において、一
    方の面に少なくとも接着層、転写層の2層、のこりの面
    に裏打ち層を施し、かつこの裏打ち層が基材表面を部分
    的に露出してなることを特徴とする電子写真用写し絵転
    写材。
  2. 【請求項2】 裏打ち層の樹脂膜の基材に対する被覆率
    が10%以上95%以下である請求項1記載の電子写真
    用写し絵転写材。
  3. 【請求項3】 裏打ち層が基材面に網目状に形成した高
    分子樹脂材料からなる請求項2記載の電子写真用写し絵
    転写材。
  4. 【請求項4】 転写層と接着層がその界面で剥離可能で
    ある請求項1記載の電子写真用写し絵転写材。
  5. 【請求項5】 接着層と転写層の接着力が1.5g/c
    m以上6g/cm以下である請求項1記載の電子写真用
    写し絵転写材。
  6. 【請求項6】 転写層が水溶性高分子を含有する請求項
    1記載の電子写真用写し絵転写材。
  7. 【請求項7】 水溶性高分子がポリビニルアルコールで
    ある請求項6記載の電子写真用写し絵転写材。
  8. 【請求項8】 転写層がポリ酢酸ビニルを95%以上鹸
    化したポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルを90
    %以下鹸化したポリビニルアルコールを含有し、鹸化度
    が95%以上のポリビニルアルコールの含有率が固型分
    として25重量%以上75重量%未満である請求項1記
    載の電子写真用写し絵転写材。
  9. 【請求項9】 転写層の表面固有抵抗が、20℃、65
    %RH環境下で10 8 〜1012Ω/□である請求項1記
    載の電子写真用写し絵転写材。
  10. 【請求項10】 紙を主体とする基材の表裏に高分子樹
    脂塗工を施してなる電子写真用写し絵転写材において、
    一方の面に少なくとも接着層、離型層、転写層の3層、
    のこりの面に裏打ち層を施し、かつこの裏打ち層が基材
    表面を部分的に露出してなることを特徴とする電子写真
    用写し絵転写材。
  11. 【請求項11】 裏打ち層の樹脂膜の基材に対する被覆
    率が10%以上95%以下である請求項10記載の電子
    写真用写し絵転写材。
  12. 【請求項12】 裏打ち層が基材面に網目状に形成した
    高分子樹脂材料からなる請求項11記載の電子写真用写
    し絵転写材。
  13. 【請求項13】 離型層と転写層が一体として接着層か
    ら分離可能である請求項10記載の電子写真用写し絵転
    写材。
  14. 【請求項14】 接着層と離型層の接着力が1.5g/
    cm以上6g/cm以下である請求項10記載の電子写
    真用写し絵転写材。
  15. 【請求項15】 転写層が水溶性高分子を含有する請求
    項10記載の電子写真用写し絵転写材。
  16. 【請求項16】 水溶性高分子がポリビニルアルコール
    である請求項15記載の電子写真用写し絵転写材。
  17. 【請求項17】 転写層がポリ酢酸ビニルを95%以上
    鹸化したポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルを9
    0%以下鹸化したポリビニルアルコールを含有し、鹸化
    度が95%以上のポリビニルアルコールの含有率が固型
    分として25重量%以上75重量%未満である請求項1
    0記載の電子写真用写し絵転写材。
  18. 【請求項18】 転写層の表面固有抵抗が、20℃、6
    5%RH環境下で108 〜1012Ω/□である請求項1
    0記載の電子写真用写し絵転写材。
  19. 【請求項19】 接着層に二酸化珪素の微粉末を含有す
    る請求項10記載の電子写真用写し絵転写材。
  20. 【請求項20】 転写層に二酸化珪素の微粉末を含有す
    る請求項10記載の電子写真用写し絵転写材。
  21. 【請求項21】 裏打ち層に二酸化珪素の微粉末を含有
    する請求項10記載の電子写真用写し絵転写材。
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