JPH09920A - 光高透過性酸化チタン光触媒およびその製造方法 - Google Patents

光高透過性酸化チタン光触媒およびその製造方法

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Publication number
JPH09920A
JPH09920A JP7147436A JP14743695A JPH09920A JP H09920 A JPH09920 A JP H09920A JP 7147436 A JP7147436 A JP 7147436A JP 14743695 A JP14743695 A JP 14743695A JP H09920 A JPH09920 A JP H09920A
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JP
Japan
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titanium
titanium oxide
iso
tetra
bis
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Pending
Application number
JP7147436A
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English (en)
Inventor
Norihiko Miyazaki
典彦 宮崎
Yutaka Hagiwara
裕 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Publication of JPH09920A publication Critical patent/JPH09920A/ja
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な光透過性を有する膜状の酸化チタン光
触媒を提供すること。 【構成】 基材上にジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナト)チタンの20重量%エタノール溶液を
噴霧することにより形成した光高透過性酸化チタン光触
媒は、図1(a)に示すごとく、結晶の配向を揃えてな
る酸化チタン膜からなる。このように結晶の配向を揃え
ることにより、光高透過性が生じる。このことにより、
酸化チタン膜に十分にその光触媒能力を発揮させると共
に、その酸化チタン膜を透過した十分な量の光が次の光
触媒に到達し、その光触媒を活性化することができる。
この光高透過性酸化チタン膜を光源ランプの表面に直接
用いても、その酸化チタン表面での光触媒性が十分に活
性化されると共に、更に光源ランプに対向して配置され
ている光触媒へ、十分な光を供給して、その光触媒も十
分に活性化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化チタン光触媒に関
し、特に光に対して高い透過性を有する酸化チタン光触
媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光により物質を分解する酸化チタ
ン光触媒が知られている(特開平6−315614号、
特開平6−304480号等の各公報)。例えば、特開
平6−315614号公報では、環境大気中の窒素酸化
物等を除去するために、ビルの外壁などに酸化チタンを
主成分とする光触媒をシート状あるいはパネル状にして
配置して、太陽光中の近紫外線により、光触媒を活性化
し、大気中の窒素酸化物等を硝酸等に変化させる汚染物
質の除去方法およびその浄化材が提案されている。ま
た、特開平6−304480号公報では、紫外線殺菌ラ
ンプの表面に酸化チタン微粒子を光の透過性の良いバイ
ンダーを用いて担持させ、エチレン分解に用いている。
その他、流体中の有害物質の分解等にも用いられてる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような、
酸化チタン光触媒は、光を効率的に利用するために、粉
体の酸化チタン(TiO2 )をバインダーを用いて基材
の表面に膜状に形成していた。
【0004】粉体の酸化チタンは、白色顔料としても知
られているごとく、隠蔽力の大きいものである。したが
って、この粉体の酸化チタンからなる膜を、例えば透明
な基板の上に形成し、それを2枚以上を重ねて、2枚目
以降は酸化チタン膜と基板とを透過して来た光により光
触媒作用を生じさせることにより光の利用効率を上げよ
うとしても、酸化チタン膜は光の透過性が極めて低いた
め、光源から直接光を受ける酸化チタン膜は十分な光触
媒作用を示しても、その影に隠れている2枚目以降の酸
化チタン膜には、ほとんど光が到達せず、光の利用効率
を上げることはできなかった。
【0005】また、前述した特開平6−304480号
公報のごとく、直接ランプの表面に酸化チタン膜を形成
する場合には、特別に光の透過性の良いバインダーを用
いなくては、酸化チタン膜の表面まで光を到達させるこ
とはできず、十分な光触媒作用を生じさせることはでき
なかった。ましてや、更に、このランプに向けられてい
る基板上の酸化チタン膜に光触媒活性を生じさせて光の
利用効率を上げることは、ランプ表面の酸化チタン膜に
より光がほとんど遮られていることから、困難であっ
た。
【0006】本発明は、上記問題点を解決することがで
き、従来の粉体の酸化チタンと比較して、十分な光の透
過性を有する膜状の酸化チタン光触媒を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
結晶の配向を揃えてなる酸化チタン膜からなる光高透過
性酸化チタン光触媒である。
【0008】請求項2記載の発明は、アナタース型の
(101)(200)(211)面以外の結晶面のX線
回折強度がほとんどない酸化チタン膜からなる請求項1
記載の光高透過性酸化チタン光触媒である。
【0009】請求項3記載の発明は、アナタース型の
(101)面以外の結晶面のX線回折強度がほとんどな
い酸化チタン膜からなる請求項1記載の光高透過性酸化
チタン光触媒である。請求項4記載の発明は、酸化雰囲
気にて熱分解して酸化チタンとなることができるチタン
化合物、その溶液またはその分散液を、熱分解可能な温
度に熱した基材上に、酸化雰囲気下にて塗布することに
より生成された請求項1記載の光高透過性酸化チタン光
触媒である。
【0010】請求項5記載の発明は、前記チタン化合物
が、有機チタン化合物である請求項4記載の光高透過性
酸化チタン光触媒である。請求項6記載の発明は、前記
有機チタン化合物が、テトラ−イソ−プロポキシチタ
ン、テトラ−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチル
ヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタ
ン、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナ
ト)チタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビス(トリエタ
ノールアミナト)チタン、チタニウムステアレート、チ
タニウム−イソ−プロポキシオクチレングリコレート、
テトラ−イソ−プロポキシチタン重合体、テトラ−ノー
マル−ブトキシチタン重合体、ジヒドロキシ・ビス(ラ
クタト)チタン、プロパンジオキシチタンビス(エチル
アセトアセテート)、オキソチタンビス(モノアンモニ
ウムオキサレート)、トリ−ノーマル−ブトキシチタン
モノステアレート、ジ−イソ−プロポキシチタンジステ
アレート、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)チタン・ア
ンモニウム塩、およびテトラ−メトキシチタンの内から
選ばれた1種以上からなる請求項5記載の光高透過性酸
化チタン光触媒である。
【0011】請求項7記載の発明は、前記有機チタン化
合物が、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチルアセト
ナト)チタン、テトラ−ノーマル−ブトキシチタン、テ
トラ−イソ−プロポキシチタン、ジ−ノーマル−ブトキ
シ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、およびチ
タニウム−イソ−プロポキシオクチレングリコレートの
内から選ばれた1種以上からなる請求項5記載の光高透
過性酸化チタン光触媒である。
【0012】請求項8記載の発明は、前記チタン化合物
が、無機チタン化合物である請求項4記載の光高透過性
酸化チタン光触媒である。請求項9記載の発明は、前記
無機チタン化合物が、塩化チタンである請求項8記載の
光高透過性酸化チタン光触媒である。
【0013】請求項10記載の発明は、酸化雰囲気にて
熱分解して酸化チタンとなることができるチタン化合
物、その溶液またはその分散液を、熱分解可能な温度に
熱した基材上に、酸化雰囲気下にて塗布することによ
り、結晶の配向を揃えた光触媒能力を有する光高透過性
酸化チタン膜を生成する光高透過性酸化チタン光触媒の
製造方法である。
【0014】請求項11記載の発明は、前記チタン化合
物が、有機チタン化合物である請求項10記載の光高透
過性酸化チタン光触媒の製造方法である。請求項12記
載の発明は、前記有機チタン化合物が、テトラ−イソ−
プロポキシチタン、テトラ−ブトキシチタン、テトラキ
ス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステア
リルオキシチタン、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナト)チタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビ
ス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウムステ
アレート、チタニウム−イソ−プロポキシオクチレング
リコレート、テトラ−イソ−プロポキシチタン重合体、
テトラ−ノーマル−ブトキシチタン重合体、ジヒドロキ
シ・ビス(ラクタト)チタン、プロパンジオキシチタン
ビス(エチルアセトアセテート)、オキソチタンビス
(モノアンモニウムオキサレート)、トリ−ノーマル−
ブトキシチタンモノステアレート、ジ−イソ−プロポキ
シチタンジステアレート、ジヒドロキシ・ビス(ラクタ
ト)チタン・アンモニウム塩、およびテトラ−メトキシ
チタンの内から選ばれた1種以上からなる請求項11記
載の光高透過性酸化チタン光触媒の製造方法である。
【0015】請求項13記載の発明は、前記有機チタン
化合物が、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチルアセ
トナト)チタン、テトラ−ノーマル−ブトキシチタン、
テトラ−イソ−プロポキシチタン、ジ−ノーマル−ブト
キシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、および
チタニウム−イソ−プロポキシオクチレングリコレート
の内から選ばれた1種以上からなる請求項11記載の光
高透過性酸化チタン光触媒の製造方法である。
【0016】請求項14記載の発明は、前記チタン化合
物が、無機チタン化合物である請求項10記載の光高透
過性酸化チタン光触媒の製造方法である。請求項15記
載の発明は、前記無機チタン化合物が、塩化チタンであ
る請求項14記載の光高透過性酸化チタン光触媒の製造
方法である。
【0017】
【作用及び発明の効果】請求項1の光高透過性酸化チタ
ン光触媒は、結晶の配向を揃えてなる酸化チタン膜から
なる。このように結晶の配向を揃えることにより、光高
透過性(光の透過性が高いことを意味する。)が生じ
る。このことにより、酸化チタン膜に十分にその光触媒
能力を発揮させると共に、その酸化チタン膜を透過した
十分な量の光が次の光触媒(本発明の酸化チタン膜に限
らない。)に到達し、その光触媒を活性化することがで
きる。
【0018】勿論、この光高透過性酸化チタン膜を光源
ランプの表面に直接用いても、その酸化チタン表面での
光触媒性が十分に活性化されると共に、更に光源ランプ
に対向して配置されている光触媒(本発明の酸化チタン
膜に限らない。)へ、十分な光を供給して、その光触媒
も十分に活性化される。
【0019】上記光高透過性酸化チタン光触媒は、すべ
て結晶性の酸化チタンから構成されている必要はない。
結晶性の酸化チタンの間に非晶質の酸化チタンが存在し
ていても良い。非晶質の酸化チタンも光高透過性である
ことから、酸化チタンの配向した結晶の間に存在してい
ても、光高透過性を阻害することはほとんど無い。尚、
非晶質の酸化チタンのみでは、光触媒能力は存在しな
い。
【0020】光高透過性酸化チタン光触媒は、アナター
ス型の(101),(200),(211)面以外の結
晶面のX線回折強度がほとんどない酸化チタン膜である
と、十分に高い光透過性と共に、高い光触媒能力を有し
ていることから好ましい。また、アナタース型の(10
1)面以外の結晶面のX線回折強度がほとんどない酸化
チタン膜からなる光高透過性酸化チタン光触媒でも良
い。尚、酸化チタンの結晶の配向が揃っていれば良いの
であるから、これ以外の結晶面の組合わせであっても良
い。例えば、アナタース型の(004)面とルチル型の
(101)面との組合わせでも良い。
【0021】一般的な傾向として、前記光高透過性酸化
チタン膜が薄いほど、アナタース型の(101)のみに
なり易い。例えば、膜厚が200nm以下であれば、ほ
とんどアナタース型の(101)のみとなる。しかし、
アナタース型の(101)のみよりも、他の結晶面もX
線回折に表れた方が、光触媒能力が高い。光高透過性と
の両立を考慮すると、3種類ほどの結晶面のみがX線回
折に現れることが好ましい。例えば、アナタース型の
(101),(200),(211)面のみであること
が好ましい。このような3面になり易い膜厚は、800
nm前後(例えば600〜1000nmの範囲)であ
る。1000nmから厚い方へ離れるほど光触媒能力は
有しつつも光透過率が低下するので、余り厚くすること
は好ましくない。また、600nmから薄い方へ離れる
ほど、X線回折に現れる結晶面が少なくなり、また結晶
自体も少なり、光透過率は向上しても光触媒能力が低下
するので、余り薄くすることは好ましくない。
【0022】この光高透過性酸化チタン光触媒は、酸化
雰囲気にて熱分解して酸化チタンとなることができるチ
タン化合物を原料とする。このようなチタン化合物とし
ては、有機チタン化合物および無機チタン化合物が存在
する。有機チタン化合物としては、テトラ−イソ−プロ
ポキシチタン、テトラ−ブトキシチタン、テトラキス
(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリ
ルオキシチタン、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチ
ルアセトナト)チタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビス
(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウムステア
レート、チタニウム−イソ−プロポキシオクチレングリ
コレート、テトラ−イソ−プロポキシチタン重合体、テ
トラ−ノーマル−ブトキシチタン重合体、ジヒドロキシ
・ビス(ラクタト)チタン、プロパンジオキシチタンビ
ス(エチルアセトアセテート)、オキソチタンビス(モ
ノアンモニウムオキサレート)、トリ−ノーマル−ブト
キシチタンモノステアレート、ジ−イソ−プロポキシチ
タンジステアレート、ジヒドロキシ・ビス(ラクタト)
チタン・アンモニウム塩、およびテトラ−メトキシチタ
ン等が挙げられる。
【0023】これらの有機チタン化合物は、単独で、ま
たは2種以上からなる化合物を組合わせて用いられる。
すなわち、1種以上からなる有機チタン化合物が用いら
れる。これらの有機チタン化合物の内でも、ジ−イソ−
プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、テト
ラ−ノーマル−ブトキシチタン、テトラ−イソ−プロポ
キシチタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビス(トリエタ
ノールアミナト)チタン、およびチタニウム−イソ−プ
ロポキシオクチレングリコレートの内から選ばれた1種
以上からなるものが、容易に熱分解し、光触媒能力が有
り、光高透過性が高く、かつ可視光線では透明となり、
更に基材への付着性の点からも好ましい。
【0024】組合せとしては、例えば、ジ−イソ−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンとチタニウ
ム−イソ−プロポキシオクチレングリコレートとの混合
物(例えば、モル比で3/7〜7/3)、ジ−イソ−プ
ロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンとテトラ
−イソ−プロポキシチタンとの混合物(例えば、モル比
で3/7〜7/3)、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(ア
セチルアセトナト)チタンとテトラ−ブトキシチタン
[この内でも特にテトラ−ノーマル−ブトキシチタン]
との混合物(例えば、モル比で3/7〜7/3)、ジ−
イソ−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン
とジ−ノーマル−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミ
ナト)チタンとの混合物(例えば、モル比で3/7〜7
/3)、あるいはジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチ
ルアセトナト)チタンとテトラキス(2−エチルヘキシ
ルオキシ)チタンとの混合物(例えば、モル比で3/7
〜7/3)等が挙げられる。
【0025】無機チタン化合物としては、塩化チタン
(TiCl4 )等が挙げられる。無機チタン化合物と有
機チタン化合物とを混合して用いても良い。これらは、
そのまま用いられるか、または溶媒や分散媒を用いて、
溶液あるいは、コロイド溶液、乳濁液もしくは懸濁液と
いった分散液として用いる。特に、噴霧法(スプレー
法)にて基材に吹き付ける場合には、流動性の無い物
は、溶液や分散液として用いる。
【0026】ここに利用できる溶媒あるいは分散媒とし
ては、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノ
ールといったアルコール類が挙げられ、その他の溶媒あ
るいは分散媒としては、ヘキサン、トルエン、クロロベ
ンゼン、塩化メチルあるいはパークロロエチレン等が挙
げられる。この内でも、特に、塩化メチルが、前記有機
チタン化合物の溶解力が強くかつ粘度が小さくて流動性
が良いので好ましい。また、エタノールは、前記有機チ
タン化合物の溶解力と作業の環境衛生上の面から好まし
い。尚、溶媒や分散媒は少量の水を含んでいても良い。
この水によりチタン化合物が加水分解しても最終的には
基材上で酸化チタンになるからである。また、この水が
含まれていた方が、酸化チタンになり易い場合もある。
【0027】溶媒や分散媒へのチタン化合物の溶解濃度
あるいは分散濃度は、基材への塗布のし易さ、形成する
酸化チタン膜の厚さ、結晶化の状態等から適宜選択すれ
ば良い。前述したチタン化合物を液体の場合はそのま
ま、あるいは溶液や分散液として、固体の場合は、粉体
としてそのまま、あるいは溶液や分散液として、熱分解
可能な温度に熱した基材上に、酸化雰囲気下にて塗布す
ることにより、酸化チタン光触媒は生成される。
【0028】基材の温度としては、例えば、400℃〜
600℃であり、チタン化合物の分解性に応じて適宜選
択すれば良い。ただし、あまりに低温度であると、例え
ば300℃以下であると、非晶質が急速に増加し、光高
透過性ではあるが光触媒能力が低下するので好ましくな
い。
【0029】酸化雰囲気としては、熱分解により酸化チ
タンが生成するための酸素が存在すれば良く、酸素分子
そのものが存在しなくても、反応により酸素を放出する
物質が存在していても良いし、チタン化合物自身やその
溶媒あるいは分散媒が酸素を供給しても良い。酸化雰囲
気としては、通常は空気中で十分であるが、特別に酸素
を供給した雰囲気で熱分解しても良い。また雰囲気温度
も分解温度であっても良いが、基材さえ分解に十分な温
度であれば、雰囲気温度は常温でも良いし、常温より低
温でも良い。
【0030】また、基材としては、主に金属、ガラス等
の熱分解温度に耐えられる物質であれば良い。ガラスを
基材として選択する場合には、その中でも特に無アルカ
リガラス、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等が
好ましい。通常のアルカリガラスでも良いが、リチウム
ガラスやナトリウムガラスでも結晶化等によりリチウム
やナトリウムの析出が抑えられていると、酸化物光触媒
の光触媒能力を長期間維持する上で好ましい。
【0031】この光高透過性酸化チタン光触媒の製造方
法としては、酸化雰囲気にて熱分解して酸化チタンとな
ることができるチタン化合物、その溶液またはその分散
液を、熱分解可能な温度に熱した基材上に、酸化雰囲気
下にて塗布することにより、結晶の配向を揃えた光触媒
能力を有する光高透過性酸化チタン膜を生成することが
できる。その結果、光高透過性の光触媒能力がある酸化
チタン光触媒を提供することができる。
【0032】基材への塗布方法は、噴霧による方法が最
も良いが、他の塗布方法でも良い。前記チタン化合物
は、酸化雰囲気にて熱分解で酸化チタンとなるものであ
るが、最終的に酸化チタンになる中間の過程で、一旦、
加水分解された後、更に分解して酸化チタンとなっても
良い。例えば、熱分解時の雰囲気に水蒸気が含まれてい
る場合、あるいは、チタン化合物が水または水を含む溶
媒や分散媒により溶液や分散液とされている場合などで
は、一旦、加水分解してから、酸化チタンとなる行程が
生じ易い。
【0033】
【実施例】
[実施例1]ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチルア
セトナト)チタンの20重量%エタノール溶液を調製し
た。500℃に加熱した基材(ここでは厚さ1.1mm
のホウケイ酸ガラス[無アルカリガラス]の板)を、常
温の空気中に配置して、直ちに、前記エタノール溶液を
基材の表面に、スプレー装置にて噴霧した。噴霧量は、
ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チ
タンとして0.027g/平方cmであった。
【0034】この結果、基材上には膜厚0.8μmの酸
化チタン膜が形成された。酸化チタン膜は強固に基材に
固着していた。視認により、この酸化チタン膜は、可視
光線では光高透過性(波長550nmにて96%の透過
率であった)でかつ透明な膜が形成されていた。
【0035】[実施例2]テトラ−ノーマル−ブトキシ
チタンを用いて、実施例1と同じ工程・同じ条件下に
て、同じ基材上に膜厚0.8μmの酸化チタン膜を形成
した。酸化チタン膜は強固に基材に固着していた。
【0036】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では光高透過性(波長550nmにて80%以上の透
過率であった)でかつ透明な膜が形成されていた。 [実施例3]実施例1と同じ有機チタン化合物を用い
て、実施例1と同じ工程で500℃の同じ基材上に、膜
厚0.2μmの酸化チタン膜を形成した。酸化チタン膜
は強固に基材に固着していた。
【0037】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では光高透過性(波長550nmにて96%の透過率
であった)でかつ透明な膜が形成されていた。 [実施例4]ジ−ノーマル−ブトキシ・ビス(トリエタ
ノールアミナト)チタンを用いて、実施例1と同じ工程
・同じ条件下にて、同じ基材上に膜厚0.8μmの酸化
チタン膜を形成した。酸化チタン膜は強固に基材に固着
していた。
【0038】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では光高透過性(波長550nmにて80%以上の透
過率であった)でかつ透明な膜が形成されていた。 [実施例5]テトラ−イソ−プロポキシチタンを用い
て、実施例1と同じ工程・同じ条件下にて、同じ基材上
に膜厚0.8μmの酸化チタン膜を形成した。酸化チタ
ン膜は強固に基材に固着していた。
【0039】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では光高透過性(波長550nmにて80%以上の透
過率であった)でかつ透明な膜が形成されていた。 [実施例6]実施例5と同じ有機チタン化合物を用い
て、実施例1と同じ工程で400℃に加熱した同じ基材
上に、膜厚0.8μmの酸化チタン膜を形成した。酸化
チタン膜は強固に基材に固着していた。
【0040】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では光高透過性(波長550nmにて80%以上の透
過率であった)でかつ透明な膜が形成されていた。 [比較例1]同じ基材上に、透明なバインダーを用い
て、粉体の酸化チタン膜を形成した。膜厚は0.8μm
であり、酸化チタンとして0.005g/平方cmであ
った。
【0041】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では白濁して光透過性は低く、不透明であった。 [比較例2]実施例1と同じ有機チタン化合物を用い
て、実施例1と同じ工程で300℃に加熱した同じ基材
上に、膜厚0.8μmの酸化チタン膜を形成した。
【0042】視認により、この酸化チタン膜は、可視光
線では光高透過性(波長550nmにて80%以上の透
過率であった)でかつ透明な膜が形成されていた。 [光触媒活性の測定]酸化チタン膜が形成された実施例
1〜3および比較例1,2にて酸化チタン膜を形成した
基材を、それぞれ別々の石英ガラスの容器に入れ、内部
にエタノールガスを入れて、容器内部のエタノール濃度
を150ppmとした。次に容器外部から15Wのブラ
ックライト2本で、容器内部の基材表面を照射した。照
射30分後のエタノールの濃度変化を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなごとく、実施例1〜3に
ついては、光触媒能力があった。しかも実施例1〜3は
視認にて透明であった。他の実施例4〜6についても、
ほぼ同様に光触媒能力があり、しかも視認にて透明であ
った。比較例1にも光触媒能力があったが、視認にては
白濁したものであり、透明ではなかった。比較例2につ
いては、視認にて透明であるが光触媒能力はなかった。
【0045】[紫外線の光透過性の測定1]酸化チタン
膜が形成された実施例1〜6および比較例1,2にて酸
化チタン膜を形成した基材を、高圧水銀ランプ(紫外線
強度23.4W/平方cm)で、紫外線の透過率を測定
した。その結果を、前述した可視光の透過状態とともに
表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2から明らかなごとく、光触媒能力があ
る実施例1〜6は、紫外線の透過率にも、更に可視光の
透過率にも優れていることが判る。比較例1は光触媒能
力があるが、紫外線の透過率も、可視光の透過率も悪い
ことが判る。比較例2は、紫外線の透過率も、可視光線
の透過率も優れているが、前述したごとく光触媒能力が
無い。
【0048】[紫外線の光透過性の測定2]実施例1お
よび比較例1について、前記水銀ランプを用いて、それ
ぞれ、1枚、2枚重ねおよび3枚重ねで測定した。その
結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】表3から明らかなごとく、比較例1は1枚
目で10%未満の透過率であり、その後ろに隠れた2枚
目の基材表面の光触媒を活性化するには不十分である。
一方、実施例1では、2枚重ねても17%の透過率であ
り、3枚目の基材表面の光触媒も活性化することができ
る。
【0051】このことから、比較例1では何枚重ねても
最前列の1枚のみが光触媒活性を示すのみであるが、実
施例1では、前から3枚目までの酸化チタン膜が光触媒
活性を示し、光触媒としての作用も、同一の光源でも比
較例1のほぼ3倍となることが判る。他の実施例2〜6
についても実施例1とほぼ同様な結果であった。
【0052】[近紫外線の光透過性の測定3]実施例1
および比較例1について、前記水銀ランプの代りに強度
が1.1W/平方cmと弱い近紫外線を発生するブラッ
クライトを用いて、それぞれ、1枚および2枚重ねで測
定した。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4から明らかなごとく、実施例1は2枚
目までの酸化チタン膜に十分に近紫外線が到達するが、
比較例1では1枚目を透過する近紫外線はほとんど無
い。したがって、近紫外線の状況下でも実施例1は比較
例1の2倍の光触媒作用を発揮することが判る。尚、他
の実施例2〜6についても実施例1とほぼ同様な結果で
あった。
【0055】[X線回折パターン測定]実施例1〜6ま
での基材上の酸化チタン膜および比較例1,2の基材上
の酸化チタン膜のX線回折パターンの測定を実施した。
その結果を図1〜3に示す。図1(a)は実施例1に、
図1(b)は実施例2に、図1(c)は実施例3に、図
2(a)は実施例4に、図2(b)は実施例5に、図2
(c)は実施例6に、図3(a)は比較例1に、図3
(b)は比較例2に対応する。
【0056】実施例1,5は、アナタース型結晶面とし
ての(101),(200),(211)のみが表れ、
他はほとんど存在しないことが判る。このことから、酸
化チタン膜は、配向が揃った結晶と非晶質の酸化チタン
から構成されていることが判る。
【0057】実施例2,3,6は、アナタース型結晶面
としての(101)のみが表れ、他はほとんど存在しな
いことが判る。このことから、酸化チタン膜は、配向が
揃った結晶と非晶質の酸化チタンから構成されているこ
とが判る。実施例4は、アナタース型結晶面としての
(004)、ルチル型結晶面としての(101)のみが
表れ、他はほとんど存在しないことが判る。このことか
ら、酸化チタン膜は、アナタース型もルチル型も共に結
晶面配向が揃った結晶と非晶質の酸化チタンから構成さ
れていることが判る。
【0058】比較例1は、粉体であるがゆえに、結晶が
あらゆる方向をランダムに向いているので、アナタース
型の全ての結晶面のパターンが出ている。逆に比較例2
は、全てが非晶質であり、結晶面のパターンはまったく
出ていない。
【0059】このことから、実施例1〜6の酸化チタン
膜は、結晶の配向を揃えてなることにより、光高透過性
の酸化チタン光触媒として実現されていることが判る。
尚、実施例の酸化チタン膜の副次的な性質として、可視
光線に対して透明な酸化チタン光触媒となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3のX線回折図である。
【図2】 実施例4〜6のX線回折図である。
【図3】 比較例1,2のX線回折図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶の配向を揃えてなる酸化チタン膜から
    なる光高透過性酸化チタン光触媒。
  2. 【請求項2】アナタース型の(101)(200)(2
    11)面以外の結晶面のX線回折強度がほとんどない酸
    化チタン膜からなる請求項1記載の光高透過性酸化チタ
    ン光触媒。
  3. 【請求項3】アナタース型の(101)面以外の結晶面
    のX線回折強度がほとんどない酸化チタン膜からなる請
    求項1記載の光高透過性酸化チタン光触媒。
  4. 【請求項4】酸化雰囲気にて熱分解して酸化チタンとな
    ることができるチタン化合物、その溶液またはその分散
    液を、熱分解可能な温度に熱した基材上に、酸化雰囲気
    下にて塗布することにより生成された請求項1記載の光
    高透過性酸化チタン光触媒。
  5. 【請求項5】前記チタン化合物が、有機チタン化合物で
    ある請求項4記載の光高透過性酸化チタン光触媒。
  6. 【請求項6】前記有機チタン化合物が、テトラ−イソ−
    プロポキシチタン、テトラ−ブトキシチタン、テトラキ
    ス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステア
    リルオキシチタン、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(アセ
    チルアセトナト)チタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビ
    ス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウムステ
    アレート、チタニウム−イソ−プロポキシオクチレング
    リコレート、テトラ−イソ−プロポキシチタン重合体、
    テトラ−ノーマル−ブトキシチタン重合体、ジヒドロキ
    シ・ビス(ラクタト)チタン、プロパンジオキシチタン
    ビス(エチルアセトアセテート)、オキソチタンビス
    (モノアンモニウムオキサレート)、トリ−ノーマル−
    ブトキシチタンモノステアレート、ジ−イソ−プロポキ
    シチタンジステアレート、ジヒドロキシ・ビス(ラクタ
    ト)チタン・アンモニウム塩、およびテトラ−メトキシ
    チタンの内から選ばれた1種以上からなる請求項5記載
    の光高透過性酸化チタン光触媒。
  7. 【請求項7】前記有機チタン化合物が、ジ−イソ−プロ
    ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、テトラ−
    ノーマル−ブトキシチタン、テトラ−イソ−プロポキシ
    チタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビス(トリエタノー
    ルアミナト)チタン、およびチタニウム−イソ−プロポ
    キシオクチレングリコレートの内から選ばれた1種以上
    からなる請求項5記載の光高透過性酸化チタン光触媒。
  8. 【請求項8】前記チタン化合物が、無機チタン化合物で
    ある請求項4記載の光高透過性酸化チタン光触媒。
  9. 【請求項9】前記無機チタン化合物が、塩化チタンであ
    る請求項8記載の光高透過性酸化チタン光触媒。
  10. 【請求項10】酸化雰囲気にて熱分解して酸化チタンと
    なることができるチタン化合物、その溶液またはその分
    散液を、熱分解可能な温度に熱した基材上に、酸化雰囲
    気下にて塗布することにより、結晶の配向を揃えた光触
    媒能力を有する光高透過性酸化チタン膜を生成する光高
    透過性酸化チタン光触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】前記チタン化合物が、有機チタン化合物
    である請求項10記載の光高透過性酸化チタン光触媒の
    製造方法。
  12. 【請求項12】前記有機チタン化合物が、テトラ−イソ
    −プロポキシチタン、テトラ−ブトキシチタン、テトラ
    キス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステ
    アリルオキシチタン、ジ−イソ−プロポキシ・ビス(ア
    セチルアセトナト)チタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・
    ビス(トリエタノールアミナト)チタン、チタニウムス
    テアレート、チタニウム−イソ−プロポキシオクチレン
    グリコレート、テトラ−イソ−プロポキシチタン重合
    体、テトラ−ノーマル−ブトキシチタン重合体、ジヒド
    ロキシ・ビス(ラクタト)チタン、プロパンジオキシチ
    タンビス(エチルアセトアセテート)、オキソチタンビ
    ス(モノアンモニウムオキサレート)、トリ−ノーマル
    −ブトキシチタンモノステアレート、ジ−イソ−プロポ
    キシチタンジステアレート、ジヒドロキシ・ビス(ラク
    タト)チタン・アンモニウム塩、およびテトラ−メトキ
    シチタンの内から選ばれた1種以上からなる請求項11
    記載の光高透過性酸化チタン光触媒の製造方法。
  13. 【請求項13】前記有機チタン化合物が、ジ−イソ−プ
    ロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、テトラ
    −ノーマル−ブトキシチタン、テトラ−イソ−プロポキ
    シチタン、ジ−ノーマル−ブトキシ・ビス(トリエタノ
    ールアミナト)チタン、およびチタニウム−イソ−プロ
    ポキシオクチレングリコレートの内から選ばれた1種以
    上からなる請求項11記載の光高透過性酸化チタン光触
    媒の製造方法。
  14. 【請求項14】前記チタン化合物が、無機チタン化合物
    である請求項10記載の光高透過性酸化チタン光触媒の
    製造方法。
  15. 【請求項15】前記無機チタン化合物が、塩化チタンで
    ある請求項14記載の光高透過性酸化チタン光触媒の製
    造方法。
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