JPH0992895A - 圧電素子とその製造方法 - Google Patents

圧電素子とその製造方法

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JPH0992895A
JPH0992895A JP18455796A JP18455796A JPH0992895A JP H0992895 A JPH0992895 A JP H0992895A JP 18455796 A JP18455796 A JP 18455796A JP 18455796 A JP18455796 A JP 18455796A JP H0992895 A JPH0992895 A JP H0992895A
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Akihiko Nanba
昭彦 南波
Tetsuyoshi Ogura
哲義 小掠
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
Kazuo Eda
和生 江田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高歩留、高信頼性を有する圧電素子を得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 本発明の圧電素子の製造方法は、第1の
基板1および圧電体からなる第2の基板2の主面を鏡面
仕上げする工程と、主面の双方またはいずれか一方に複
数の溝を形成する工程と、第1の基板1および第2の基
板2の主面を重ね合わせる工程と、重ね合わせた基板を
熱処理し接合する工程と、第1の基板1に第2の基板2
の一部を露出させる開口部を形成する工程と、開口部に
露出した第2の基板2の領域またはその領域に対向する
第2の基板2の主面の双方またはいずれか一方に電極4
を形成し複数の圧電素子を形成する工程と、接合した基
板を複数の圧電素子に分割する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体、圧電体、ガ
ラス等の基板材料を直接接合や陽極接合により、貼り合
わせた複合基板から形成される圧電素子、及び、その製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水晶発振器等に応用される圧電素子の製
造方法において、近年、圧電基板と半導体基板を、接着
剤等の中間層を介さずに直接接合や陽極接合により張り
合わせる方法が検討されている。ここで、直接接合とは
鏡面研磨された2つの基板を重ね合わせ、熱処理するこ
とにより基板を原子レベルで接合する技術である。ま
た、陽極接合は鏡面研磨された2つの基板を重ね合わ
せ、界面に電圧を印加しながら、熱処理を行い、基板を
原子レベルで接合する技術である。例えば、アイ・イー
・イー・イー・ウルトラソニックス シンポジウム プロ
シーディング,1045頁(1994年)(IEEE Ultras
onics Symposium Proceeding、p1045(1994))では、半導
体と圧電体の直接接合について報告されており、これに
よると、シリコンと水晶が、二酸化珪素の層を介して原
子間で接合されていることが報告されている。この二酸
化珪素はシリコン基板、あるいは水晶基板を構成する原
子に起因するもので、中間接着層には該当しない。ま
た、同種基板の直接接合でも、アプライド フィジック
ス レターズ 第66巻 1484頁(1995年)(App
lied Physics Letters vol.66. p1484,(1995))では、
ニオブ酸リチウムが原子間で接合されていることが報告
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】直接接合は、たとえ
ば、以下のような工程で実現される。
【0004】(A)基板の重ね合わせる面を鏡面仕上げ
する。 (B)基板を洗浄する。
【0005】(C)基板を重ね合わせる。基板材料によ
っては、重ね合わせの前に、親水化処理を施す場合があ
る。
【0006】(D)熱処理を行い、基板を接合する。 しかしながら、水晶発振器の製造方法におけるシリコン
と水晶のように、異なる基板を直接接合、陽極接合する
製造方法では、熱膨張率の違いから、(D)の熱処理の
際に基板が破損、剥離してしまうという問題があった。
特開平5−327383号公報では、熱膨張率の異なる
基板どうしを直接接合、陽極接合する場合、基板の破
損、剥離は基板の厚みと密接な関係があることが報告さ
れている。
【0007】さらに、基板の破損等は、基板の接合面積
にも依存する。すなわち、複合基板の接合工程中におい
て熱応力による基板の破損なしに基板が熱処理できる最
高温度を熱処理可能温度と定義すると、図11に示すよ
うに、熱処理可能温度は、接合面積に依存することがわ
かる。図11は、親水化処理と重ね合わせ熱処理により
直接接合した場合の水晶基板とシリコン基板の接合面積
と熱処理可能温度の関係の実験値を示す図である。実験
において、水晶基板の厚みは100μm、シリコン基板
の厚みは600μmとし、形状はともに正方形とした。
接合方法はアンモニア水、過酸化水素、純水の混合液で
親水化処理を行い、重ね合わせ、100℃/時間の割合
で昇温し、その最高温度で2時間保持した。横軸は水晶
とシリコンの接合面積で、縦軸は複合基板の熱処理可能
温度を面積1600mm2のときの熱処理可能温度で規
格化した値である。
【0008】このように、基板厚や接合面積により熱処
理可能温度が相違するので、異種基板の直接接合を安定
に行うことは、本質的に困難であり、圧電素子の作製に
直接接合を用いることは容易ではなかった。
【0009】次に、熱処理可能温度が接合面積に依存す
る要因について説明する。すなわち、加熱処理の際に、
接合面内に加わる応力が不均一になるためであり、この
要因としては、以下のようなことが考えられる。
【0010】(1)加熱工程中、接合強度が接合面内で
分布を持つこと (2)部分的な非接合部分が存在すること まず、(1)について説明する。
【0011】基板を直接接合、あるいは、陽極接合する
工程中では、基板が接合される速度が接合界面で一定で
はない。つまり、強く接合されている部分と弱い接合部
分とが存在し、基板内で応力に分布ができるためであ
る。。
【0012】次に、(2)について説明する。接合面内
で接合されている部分(接合部分)と接合されていない
部分(非接合部分)とが存在し、基板内で応力に分布が
できるためである。
【0013】ここで、非接合部分の発生原因としては、
以下のようなことが考えられる。 ・基板自身の表面荒れ、うねり、そり、汚れ ・接合界面のパーティクル ・接合界面に閉じこめられた気体 ・初期接着で水分子および水分子に付着した原子を介す
接合方法とる場合、接合界面に閉じ込められた水分子お
よび水分子に付着した原子 以下、このような非接合部分をボイドと呼ぶことにす
る。
【0014】特に、圧電基板のような絶縁体は、帯電し
やすくパーティクルが付着しやすいため、(2)の原因
で基板の破損、剥離が発生すやすい。すなわち、ミクロ
ンオーダーのパーティクルが付着し、ボイドとなると、
ボイドの部分から広範囲にわたって基板の剥離が進行
し、剥離部分の圧電複合基板は使用不能となる。帯電し
た絶縁体基板に付着したミクロンオーダーのパーティク
ルを完全に除去するのは、容易ではなく、直接接合、陽
極接合の洗浄工程を複雑にする。
【0015】また、異方性の熱膨張率を持つ絶縁体で
は、接合の際に、基板方位を正確に合わせないと、応力
の発生により基板の破損、剥離といった現象を引き起こ
す。
【0016】以上は、接合工程中の熱処理における従来
の課題を述べたが、圧電素子の作製後においても、圧電
素子を外部電極にコンタクトさせるための半田リフロー
等の加熱工程を経る際には、同様の課題が発生し、圧電
複合基板が剥離等する問題が生じる。また、接合界面に
存在するボイドは圧電複合基板を破損させない場合であ
っても、圧電複合基板に作成された圧電素子に応力を加
えることとなるため、その圧電素子の特性を変化させ、
ひいては、圧電素子の信頼性を損なう原因となる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、直接接合の際に接合する2つの基板の少な
くとも一方に溝を形成することにより複合基板の剥離等
の問題を防止し、圧電素子の製造を容易にすることを目
的とする。また、作製された圧電素子に加わる応力を低
減し、信頼性の高い圧電素子を提供することを目的とす
る。
【0018】すなわち、前記目的を達成するため、開示
された圧電素子の製造方法は、第1の基板および圧電体
からなる第2の基板の主面を鏡面仕上げする工程と、前
記主面の双方またはいずれか一方に複数の溝を形成する
工程と、前記第1の基板および前記第2の基板の前記主
面を重ね合わせる工程と、前記重ね合わせた基板を熱処
理し接合する工程と、前記第1の基板に前記第2の基板
の一部を露出させる開口部を形成する工程と、前記開口
部に露出した前記第2の基板の領域またはその領域に対
向する前記第2の基板の主面の双方またはいずれか一方
に電極を形成し複数の圧電素子を形成する工程と、前記
接合した基板を前記複数の圧電素子に分割する工程とを
有することを特徴とする。
【0019】また、開示された圧電素子は、電極が形成
された圧電体と、前記圧電体の一部に接合された基板と
からなる圧電素子において、前記圧電体と前記基板との
接合部における前記基板には少なくとも1以上のくぼみ
が形成されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の実施の形態1における圧電素
子の製造方法を図1に示す。図1において、1は圧電基
板で、例えば、大きさが40×40mmで、厚みが10
0μmのATカット水晶基板である。2は半導体基板
で、例えば、大きさが40×40mmで、厚みが600
μmのシリコン基板である。
【0021】以下、工程を説明する。 (a)ATカット水晶基板1とシリコン基板2の表面を
鏡面研磨、洗浄を行い、弗酸系のエッチング液により、
表面層を除去する。ATカット水晶基板はこの段階で、
所定の厚み、例えば、100μmに薄板化される。
【0022】(b)シリコン基板2の鏡面研磨した面に
エッチングにより、溝3を設けた。溝の寸法は、例え
ば、溝幅100μm、溝深さ30μm、溝間隔は2mm
とした。溝はATカット水晶基板上に設けても、シリコ
ン基板、ATカット水晶基板の両方に設けても良い。
【0023】本実施の形態の材料構成では、溝幅は通
常、溝間隔よりも大きい値であれば良いが、接合強度を
得るためには、好ましくは、溝間隔に対して90%以下
の値とするのがよい。本実施の形態では、溝間隔に対
し、5%の溝幅を取っている。溝深さは、溝構造を有す
る基板の強度を大きく損なわない程度にする必要があ
る。通常は溝部分の基板厚みが50μm以上残る深さ、
例えば、厚み600μmのシリコンでは550μm以下
の溝深さをとるが、圧電複合基板の強度を考慮すると、
好ましくは、溝部分の基板厚みが100μm以上残る深
さ、例えば、厚み600μmのシリコンでは500μm
以下の溝深さをとるのがよい。本実施の形態では、溝部
分の基板厚みが600μmのシリコン基板に対して57
0μm残る深さ、すなわち、溝深さを30μmとした。
【0024】(c)ATカット水晶基板1とシリコン基
板2をアンモニア、過酸化水素、純水の混合液に浸漬
し、表面を親水化処理し、更に、純水で充分洗浄した。
以上の処理により、各基板表面は親水化され、表面には
水分子および水分子に付着した原子が付着する。2枚の
基板の鏡面研磨した面を重ね合わせた。水分子および水
分子に付着した原子のファンデルワールス力により、2
枚の基板は吸着した。親水化処理後に、基板を乾燥させ
ても同等の効果は得られる。
【0025】(d)熱処理を行なった。通常、熱処理温
度は、室温以上573℃以下であるが、好ましくは10
0℃以上500℃以下がよい。本実施の形態では、24
0℃で熱処理を行った。熱処理時間は5時間とした。こ
の熱処理により、基板が原子間接合または分子間接合に
よる固着により接合されることとなる。
【0026】ここで、原子間接合による固着とは、基板
表面を構成している原子どうしが、接着剤などの基板表
面を構成する原子以外から成る中間接着層を介すことな
く、直接に接合されている状態を意味する。例えば、シ
リコン基板同士やシリコンと水晶基板の接合でのシロキ
サン接合(Si−O−Si)が原子間接合にあたる。分
子間接合による固着とは、接合前の工程において意図的
に基板表面に付着させた前記基板表面を構成する原子以
外の分子、あるいは、官能基により基板が接合されてい
る状態を意味する。例えば、基板表面を親水化処理した
場合の水酸基同士の水素結合によるものや接合界面に残
留する水分子および水分子に付着した原子を介した水素
結合によるものが分子間接合にあたる。このような基板
の接合形態は、接合時の熱処理温度によって決まる。熱
処理温度と接合形態の関係は接合する基板の種類や接合
条件によっても異なるが、熱処理温度を上げるに従い、
分子間接合を主とした接合形態から、分子間接合と原子
間接合の両方が存在する中間形態へと変化し、更には、
原子間接合へと変化する。本発明では直接接合、あるい
は、陽極接合の接合形態として上記の3つの接合形態を
すべて含むものとする。
【0027】(e)シリコン基板を水晶基板に達するま
でエッチングし、開口部を形成する。(e-1)は開口部
側から見た接合基板の下面図、(e-2)は水晶基板側か
ら見た接合器板の上面図である。
【0028】(f)ATカット水晶基板1に電極4を形
成する。水晶発振器の場合には、水晶基板の両面に形成
されたこの電極が励振用電極を形成する。(f-1)、(f
-2)は各複合基板の下面図、上面図である。
【0029】(g)複合基板を前記複数の溝に沿ってダ
イシングする。図はダイシングにより分割された圧電素
子の上面図(g-1)、断面図(g-2)、斜視図(g-3)で
ある。圧電素子の各圧電素子のこのとき、溝の寸法、形
状を最適化することにより、ダイシングなしに基板を小
片に分割することも可能である。すなわち、外部からの
機械的な手法により基板にそりを加えることにより、溝
部分で基板が容易に割れるようにすることが可能とな
り、ダイシング工程の簡略化が図れる。また、必ずしも
溝にそってダイシングする必要はなく、(h)に示すよ
うに、複数の溝を圧電素子に含むような形態でダイシン
グしても構わない。
【0030】このようにして作製された圧電素子は、最
終的に、外部に設けられた駆動用のIC、例えば、発振
器用のICとワイヤーボンディング等により接続させる
ことにより、実際の機器に組み込まれて使用されること
となる。また、シリコン基板上にIC12をあらかじめ
作製しておくと、図1の(i)に示したような構造とす
ることができる。この場合、工程(a)の前工程とし
て、シリコン基板上のIC部と接合される水晶基板を予
め、くり抜いておくか、空隙を設けておくかする必要が
ある。
【0031】本実施の形態の製造方法とることで、次の
ような作用がある。 (1)熱処理工程中に、熱応力が不規則、かつ、部分的
に集中することを溝構造を設けることにより緩和する。
【0032】(2)熱処理中のボイドの発生を軽減す
る。 (3)接合工程中、あるいは、接合工程終了後の基板剥
離の進行を抑える。
【0033】まず、(1)について説明する。溝構造を
持たない基板どうしを接合すると、熱処理工程中、熱膨
張率の違いに起因する熱応力は接合界面で不規則に加わ
る。一部で過剰の熱応力が加わると基板はそこから破
損、剥離する。本実施の形態の製造方法とすると、熱応
力は溝周辺に集中するが、溝構造が規則的に設けられて
いるため、過剰の熱応力が加わることはない。
【0034】次に、(2)について説明する。接合工程
中に接合界面に存在する気体、水分子および水分子に付
着した原子は溝部分から除去され、ボイドの発生が軽減
されるる。また、基板のうねり、そりによるボイドは溝
部分に吸収され、接合部分に発生するボイドは軽減され
る。特に、数百μmに鏡面研磨された基板はうねり、そ
りを持つことが多い。また、初期接着で多量の水分子お
よび水分子に付着した原子を介す接合形態をとる場合、
水分子および水分子に付着した原子の除去と同時に接合
界面に存在するパーティクルも除去する効果があり、ク
リーン度の低い、室内でも直接接合、陽極接合が可能と
なる。
【0035】次に、(3)について説明する。接合界面
にボイドが存在すると、接合工程中、特に、熱処理の際
にボイド部分から基板の剥離が進行する。基板の剥離
は、溝部分で停止するため、接合剥離面積は本実施の形
態の構成にすることにより大幅に減少する。接合後に発
生する基板剥離についても同様の作用がある。
【0036】以上に説明した製造方法により、熱膨張率
の異なる基板を直接接合する際の基板の破損、剥離を軽
減し、2種以上の基板からなる複合基板に形成される圧
電素子の量産性、歩留まりを高める効果がある。また、
溝形成によりダイシングが不要になる可能性がある。
【0037】なお、本実施の形態では溝間隔を0.3か
ら20mmと変えて、同様の製造方法で複合基板を作製
した。溝間隔と熱処理可能温度の関係を図2に示す。横
軸は溝間隔で、縦軸は熱処理可能温度Tを接合界面に溝
構造を有しない通常の接合方法により接着した場合の熱
処理可能温度で規格化した値である。従来の接合方法に
比べて熱処理可能温度が上昇し、接合が安定化している
ことがわかる。
【0038】また、溝間隔が小さくなるほど熱処理可能
温度は上がり、単位あたりの接合面積に対する接合強度
も大きくできることがわかる。溝間隔は必要とする基板
全体の接合強度や最終の複合基板の形状に合わせて設定
する。
【0039】なお、複合基板の溝は基板の縦横に垂直
に、且つ、等間隔に設けられているが、基板に対して、
斜めでも、曲線状に入っていても、等間隔でなくても、
溝を入れることによる上記の効果は得られる。
【0040】なお、シリコン基板に予め、発振回路を組
み込んでおくと、外部に設けられるICも圧電素子内に
集積化でき、機器の小型化、低コスト化に寄与できる。
【0041】なお、半導体基板としてはシリコン基板を
例として示したが、ガリウム砒素、インジウムリン基板
を用いても同様の効果は得られる。これらの化合物半導
体基板を用いることで、高周波デバイス、光デバイスな
どに応用可能である。
【0042】なお、圧電体としは水晶、ニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウム、ジルコン酸チタン酸ランタン
酸鉛の群から選ばれる材料を用いて、前記の効果を確認
した。
【0043】これらの圧電体と半導体を組み合わせるこ
とにより、例えば、圧電発振器、表面弾性波コンボルバ
などに応用可能である。
【0044】(実施の形態2)本発明の圧電素子の製造
方法の実施の形態2を以下に説明する。本実施の形態2
では、半導体基板2の代わりに、ガラス基板を用いる。
工程図は、実施の形態1の場合と同様であるので省略す
る。圧電基板は、例えば、大きさが40×40mmで、
厚みが100μmのATカット水晶基板である。ガラス
基板は、例えば、大きさが40×40mmで、厚みが5
00μmで、熱膨張率が3×10-6/℃である。
【0045】以下、工程を説明する。 (a)ATカット水晶基板を鏡面研磨、洗浄を行い、弗
酸系のエッチング液により、表面層を除去する。ATカ
ット水晶基板はこの段階で、所定の厚み、例えば、10
0μmに薄板化される。ガラス基板は、基板の製造段階
で鏡面仕上げされている。
【0046】(b)ガラス基板の鏡面仕上げ面にエッチ
ングにより、溝を設けた。溝の寸法は、溝幅100μ
m、溝深さ30μm、溝間隔は2mmとした。溝はAT
カット水晶基板上に設けても、ガラス基板、ATカット
水晶基板の両方に設けても良い。
【0047】本実施の形態のような構造の貼り合わせ複
合基板は、例えば、鏡面研磨された基板を重ね合わせ熱
処理し、作製可能である。熱処理温度は例えば、水晶と
本実施の形態で用いたような熱膨張率3×10-6/℃ガ
ラスの場合、室温以上573℃以下、好ましくは100
℃以上500℃以下の温度での熱処理がよい。本実施の
形態では、300℃と180℃で熱処理を行った。熱処
理時間は5時間とした。
【0048】(c)ATカット水晶基板とガラス基板を
アンモニア、過酸化水素、純水の混合液に浸漬し、表面
を親水化処理し、更に、純水で充分洗浄した。以上の処
理により、各基板表面は親水化され、表面には水分子お
よび水分子に付着した原子が付着する。2枚の基板の鏡
面仕上げ面を重ね合わせた。水分子および水分子に付着
した原子のファンデルワールス力により、2枚の基板は
吸着した。親水化処理後に、基板を乾燥させても同等の
効果は得られる。
【0049】(d)熱処理を行なった。通常、熱処理温
度は、室温以上573℃以下であるが、好ましくは10
0℃以上500℃以下がよい。本実施の形態では、26
0℃で熱処理を行った。熱処理時間は5時間とした。
【0050】(e)ガラス基板を水晶基板に達するまで
エッチングし、開口部を形成する。 (f)ATカット水晶基板に電極を形成する。水晶発振
器の場合には、水晶基板の両面に形成されたこの電極が
励振用電極を形成する。
【0051】(g)複合基板を前記複数の溝に沿ってダ
イシングする。このとき、溝の寸法、形状を最適化する
ことにより、ダイシングなしに基板を小片に分割するこ
とも可能である。すなわち、外部からの機械的な手法に
より基板にそりを加えることにより、溝部分で基板が容
易に割れるようにすることが可能となり、ダイシング工
程の簡略化が図れる。また、必ずしも溝にそってダイシ
ングする必要はなく、複数の溝を圧電素子に含むような
形態でダイシングしても構わない。
【0052】このようにして作製された圧電素子は、最
終的に、外部に設けられた駆動用のIC、例えば、発振
器用のICとワイヤーボンディング等により接続させる
ことにより、実際の機器に組み込まれて使用されること
となる。
【0053】本実施の形態の製造方法とすることで、次
のような作用がある。ガラス基板はその製造方法から基
板表面にうねりが発生しやすく、また、うねりを除去す
るために研磨を行った場合でも、基板内に気泡が存在す
るためボイドが発生しやすい。実施の形態1に示した同
様の作用により、この課題は解決できる。また、ガラス
基板は安価で、かつ、種類が多く、熱膨張率の自由度が
高いため、貼り合わせ複合基板の材料に適している。
【0054】以上説明した構成により、ガラス基板と前
記ガラスとは熱膨張率の異なる他の基板からなる複合基
板の耐熱温度が上昇し、経年変化も抑制され、基板の信
頼性が向上する。
【0055】なお、熱膨張率の異なる他のガラス基板を
用いた場合でも、必要な耐熱温度と溝間隔、溝深さを熱
膨張率に応じて選ぶことにより、接合界面に溝構造を有
しない複合基板に比べ、高温での熱処理が可能となる。
実際に、熱膨張率3×10-6/℃、7×10-6/℃、1
4×10-6/℃、15×10-6/℃の熱膨張率のガラス
基板を用いて、本実施の形態の貼合わせ複合基板を作製
して、同様の前記効果が得られた。
【0056】なお、複合基板の溝は基板の縦横に垂直
に、且つ、等間隔に設けられているが、基板に対して、
斜めでも、曲線状に入っていても、等間隔でなくても、
溝を入れることによる上記の効果は得られる。
【0057】なお、本実施の形態では、ガラス基板との
接合材料として水晶基板を用いたが、圧電体としてニオ
ブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ジルコン酸チタン
酸ランタン酸鉛の群から選ばれる材料を用いても同様の
効果が得られる。また、圧電体の代わりにシリコン、ガ
リウム砒素、インジウムリンの半導体基板を用いても同
様の効果が得られる。
【0058】なお、ガラス基板に予め、薄膜トランジス
タ等により構成した発振回路を組み込んでおくと、外部
に設けられるICも圧電素子内に集積化でき、機器の小
型化、低コスト化に寄与できる。
【0059】(実施の形態3)本発明の実施の形態3の
圧電素子の製造方法を図3に示す。本実施の形態3で
は、ニオブ酸リチウム基板を用いた場合を示す。
【0060】図3の(a)から(c)において、(a-1),
(a-3),(b-1),(b-3),(c-1)は上面図、(a-2),(a-4),(b-
2),(b-4),(c-2)は断面図である。また,(e)、(f)
において,(e-1),(f-1)は複合基板をガラス基板から見
た上面図、(e-2),(f-2)は圧電基板から見た上面図であ
る。(g)、(h)は各圧電素子の上面図、断面図、斜
視図である。
【0061】5は圧電基板で、例えば、大きさが直径5
1mmのウエハで、厚みが100μmの128゜rotate
d yカットニオブ酸リチウム基板である。6も圧電基板
で、例えば、大きさが直径51mmのウエハで、厚みが
500μmのyカットニオブ酸リチウム基板である。
【0062】以下、工程について説明する。 (a)ニオブ酸リチウム基板の表面を鏡面研磨、洗浄を
行い、弗酸系のエッチング液により、表面層を除去す
る。yカットニオブ酸リチウム基板7はこの段階で、所
定の厚み、例えば、50μmに薄板化される。
【0063】(b)厚み500μmのyカットニオブ酸
リチウム基板の鏡面研磨した面にエッチングにより、溝
3を設けた。溝の寸法は、例えば、溝幅500μm、溝
深さ30μm、溝間隔は10mmとした。溝は50μm
厚のyカットニオブ酸リチウム基板上に設けても、50
0μm厚のyカットニオブ酸リチウム基板、50μm厚
のyカットニオブ酸リチウム基板の両方に設けても良
い。
【0064】(c)yカットニオブ酸リチウム基板をア
ンモニア、過酸化水素、純水の混合液に浸漬し、表面を
親水化処理し、更に、純水で充分洗浄した。以上の処理
により、各基板表面は親水化され、表面には水分子およ
び水分子に付着した原子が付着する。2枚の基板の鏡面
研磨した面を重ね合わせた。水分子および水分子に付着
した原子のファンデルワールス力により、2枚の基板は
吸着した。親水化処理後に、基板を乾燥させても同等の
効果は得られる。
【0065】(d)熱処理を行なった。通常、熱処理温
度は、室温以上1100℃以下であるが、好ましくは1
00℃以上1100℃以下がよい。本実施の形態では、
800℃で熱処理を行った。熱処理時間は5時間とし
た。
【0066】(e)ニオブ酸リチウム基板6を水晶基板
に達するまでエッチングし、開口部を形成する。
【0067】(f)ATカット水晶基板に電極を形成す
る。発振器の場合には、基板の両面に形成されたこの電
極が励振用電極を形成する。
【0068】(g)複合基板を前記複数の溝に沿ってダ
イシングする。このとき、溝の寸法、形状を最適化する
ことにより、ダイシングなしに基板を小片に分割するこ
とも可能である。すなわち、外部からの機械的な手法に
より基板にそりを加えることにより、溝部分で基板が容
易に割れるようにすることが可能となり、ダイシング工
程の簡略化が図れる。また、必ずしも溝にそってダイシ
ングする必要はなく、複数の溝を圧電素子に含むような
形態でダイシングしても構わない。
【0069】このようにして作製された圧電素子は、最
終的に、外部に設けられた駆動用のIC、例えば、発振
器用のICとワイヤーボンディング等により接続させる
ことにより、実際の機器に組み込まれて使用されること
となる。
【0070】本実施の形態の製造方法をとることで、次
のような作用がある。 (1)接合工程中に、熱応力が不規則、かつ、部分的に
集中することを溝構造を設けることにより緩和する。
【0071】(2)接合工程中のボイドの発生を軽減で
きる。 (3)接合工程中、あるいは、接合工程終了後の基板剥
離の進行を抑える。基板剥離の進行を抑える。
【0072】(1)〜(3)の作用の説明については前
記実施の形態と同様であるが、特に、絶縁基板の帯電し
やすいという性質から(3)の作用が大きい。また、
(1)については、特に、異方性の熱膨張率を持つ絶縁
体基板の貼り合わせ複合基板において顕著である。これ
は、各基板の方位がずれて接合されているばあい、同種
基板であっても、実質的に異種基板の圧電複合基板とな
るためである。
【0073】以上説明した形態の製造方法により、同じ
熱膨張率を持つ絶縁体基板からなる複合基板の量産性、
歩留まりを高めることができる。
【0074】なお、圧電基板としてニオブ酸リチウム基
板以外のタンタル酸リチウム基板、ジルコン酸チタン酸
ランタン酸鉛を用いても良い。
【0075】用途によって、圧電基板も他のカット角、
材料を用いても、鏡面研磨できる材料であれば、同様の
前記効果が得られる。
【0076】また、鏡面研磨された圧電体はその製造か
らボイドが発生しやすいため、特に、前記作用による効
果は大きい。
【0077】以上説明した構成により、圧電基板と前記
圧電基板とは熱膨張率の異なる他の圧電基板からなる複
合基板の耐熱温度が上昇し、経年変化も抑制され、基板
の信頼性が向上する。
【0078】なお、複合基板の溝は基板の縦横に垂直
に、且つ、等間隔に設けられているが、基板に対して、
斜めでも、曲線状に入っていても、等間隔でなくても、
溝を入れることによる上記の効果は得られる。
【0079】なお、このような異なる圧電基板どうしを
貼り合わせ複合基板は、もとの基板とは異なった特性を
持つ圧電基板となる。
【0080】(実施の形態4)以下、実施の形態4にお
ける圧電素子の製造方法について説明する。基板の方位
も同種であることを除いては、実施の形態3の場合と同
様である。工程図も図3と同じである。
【0081】7は圧電基板で、例えば、大きさが直径5
1mmのウエハで、厚みが50μmのyカットニオブ酸
リチウム基板である。6は圧電基板で、例えば、大きさ
が直径51mmのウエハで、厚みが500μmのyカッ
トニオブ酸リチウム基板である。本実施の形態の貼り合
わせ複合基板は圧電基板7、6の貼り合わせ界面、いわ
ゆる、接合界面に溝3を有している。本実施の形態で
は、この溝3は圧電基板6に縦横に設けている。溝3の
寸法は、例えば、溝一本辺りの幅に相当する溝幅は50
0μm、溝の深さに相当する溝深さは30μm、隣接す
る溝の中心間の距離に相当する溝間隔は5mmである。
本実施の形態の材料構成では、溝幅は通常、溝間隔より
も大きい値であれば良いが、接合強度を得るためには、
好ましくは、溝間隔に対して95%以下の値とするのが
よい。本実施の形態では、溝間隔に対し、10%の溝幅
を取っている。溝深さは、溝構造を有する基板の強度を
大きく損なわない程度にする必要がある。本実施の形態
では、溝部分の基板厚みが500μmのニオブ酸リチウ
ム基板に対して470μm残る深さ、すなわち、溝深さ
を30μmとした。
【0082】本実施の形態のような構造の貼り合わせ複
合基板は、例えば、鏡面研磨された基板を重ね合わせ熱
処理し、作製可能である。熱処理温度は例えば、ニオブ
酸リチウム基板どうしの場合、室温以上1100℃以
下、好ましくは100℃以上1000℃以下の温度での
熱処理がよい。本実施の形態では、300℃、及び、5
00℃で熱処理を行った。熱処理時間は5時間とした。
【0083】本実施の形態の構造をとることで、次のよ
うな作用がある。 (1)加熱時に、熱応力が不規則、かつ、部分的に集中
することを溝構造を設けることにより緩和する。
【0084】(2)加熱時に、新たなボイドの発生を軽
減できる。 (3)基板剥離の進行を抑える。
【0085】(1)〜(3)の作用の説明については実
施の形態1と同様であるが、特に、絶縁基板の帯電しや
すいという性質から(3)の作用が大きい。
【0086】なお、(1)については、特に、異方性の
熱膨張率を持つ絶縁体基板の貼り合わせ複合基板におい
て顕著である。これは、各基板の方位がずれて接合され
ているばあい、同種基板であっても、基板が異方性を有
することにより実質的に異種基板の圧電複合基板となる
ためである。
【0087】以上説明した本実施の形態の製造方法とす
ることで、熱膨張率の同じ貼り合わせ複合基板の場合で
あっても、その耐熱温度が上昇し、経年変化が抑制さ
れ、基板の信頼性が向上する。
【0088】なお、本実施の形態では、圧電体としてニ
オブ酸リチウムを用いたが、水晶、タンタル酸リチウ
ム、ジルコン酸チタン酸ランタン酸鉛の群から選ばれる
材料を用いても、前記の効果は得られる。
【0089】なお、異方性材料の場合、用途によって、
そのカット角度を任意に選択することも可能である。
【0090】なお、複合基板の溝は基板の縦横に垂直
に、且つ、等間隔に設けられているが、基板に対して、
斜めでも、曲線状に入っていても、等間隔でなくても、
溝を入れることによる上記の効果は得られる。
【0091】なお、圧電基板に限らず、同じガラス基板
どうしについても同様の前記効果が得られる。
【0092】なお、本実施の形態の組み合わせ以外で
も、絶縁体基板どうしで、直接接合、陽極接合可能なも
のについては、同様の効果は得られる。
【0093】(実施の形態5)実施の形態5の圧電素子
の製造方法を説明する。上記実施の形態4と同様の製造
方法で、熱処理前に基板を薄膜化する工程を備えること
を特徴とする。
【0094】すなわち、実施の形態1の工程(a)から
(c)の後、基板を低温で仮接着する。その後、図4に
示すように、ATカット水晶基板1を研磨、エッチング
により100μmの厚さから20μmまで薄板化する工
程を設ける。その後の工程(d)から(g)は実施の形
態1と同様である。
【0095】本実施の形態の製造方法を用いることで、
次のような作用がある。すなわち、基板厚を薄くするこ
とで、熱処理可能温度が上昇するので基板の剥離等の防
止の効果がよりいっそう顕著になり、量産性の向上が図
れる。また、本発明では、実施の形態1に述べた作用に
より、ボイドの発生が抑制されるので、研磨後の基板厚
みは基板内でほぼ一定となり、圧電素子の特性ばらつき
が少なく歩留の向上が図れる。
【0096】以上述べた本実施の形態の製造方法によ
り、量産性、歩留まりともに良好に基板の薄板化を行う
ことが可能となる。
【0097】なお、本実施の形態では、実施の形態1の
場合を例にして説明したが、上記のすべての実施の形態
において用いることにより同様の効果が期待される。
【0098】(実施の形態6)実施の形態6の圧電素子
の製造方法を説明する。実施の形態1と同様に(a)か
ら(c)の工程を行った後、基板を低温で仮接着する。
その後、図5に示すように、ATカット水晶基板1のみ
をダイシングソーにより分離する。ここで、ダイシング
の位置は、半導体基板2に設けた溝に沿って行うことが
望ましい。分離の後、実施の形態1の(d)から(g)
の工程により圧電素子を作製する。
【0099】本実施の形態の製造方法を用いることによ
り、ATカット水晶基板1は個々に分割されることにな
り、一部の分割領域に剥離等の不良が発生しても隣接す
る領域への影響は完全に防止できる。すなわち、圧電素
子のよりいっそうの歩留まりの向上が図れることとな
る。
【0100】なお、本実施の形態では、水晶基板1の分
離をダイシングソーにより行ったが、ダイヤモンドカッ
ターや微細砥粒を吹き付けて研削を行うサンドブラスや
エッチングなどの化学的な手法を用いても良い。
【0101】なお、本実施の形態では、実施の形態1の
場合を例にして説明したが、上記のすべての実施の形態
において用いることにより同様の効果が期待される。
【0102】(実施の形態7)実施の形態7の圧電素子
の製造方法を説明する。実施の形態1と同様に(a)か
ら(c)の工程を行った後、基板を低温で仮接着する。
その後、本実施の形態7では、図6に示すように、次の
工程を付加している。
【0103】(a)ATカット水晶基板1のみをダイシ
ングソーにより分離する。ここで、ダイシングの位置
は、半導体基板2に設けた溝に沿って行うことが望まし
い。
【0104】(b)ATカット水晶基板1を研磨、エッ
チングにより20μmまで薄板化する。
【0105】その後、実施の形態1の(d)から(g)
の工程により圧電素子を作製する。本実施の形態の製造
方法を用いることにより、実施の形態1で述べた同様
の、作用、効果に加え、実施の形態5および実施の形態
6の作用、効果が加わる。また、研磨の際に砥粒がAT
カット水晶基板1全体に均一に接触し、研磨による板厚
のばらつきが小さくなる。従って、圧電素子の歩留ま
り、量産性は更に向上する。
【0106】なお、本実施の形態では、実施の形態1の
場合を例にして説明したが、上記のすべての実施の形態
において用いることにより同様の効果が期待される。
【0107】(実施の形態8)実施の形態8の圧電素子
の製造方法を説明する。実施の形態1と同様に(a)か
ら(c)の工程を行った後、基板を低温で仮接着する。
その後、本実施の形態では更に、図7に示すように、貼
り合わせ複合基板をダイシングソーにより小片に切断す
る工程を設ける。ここで、ダイシングの位置は、半導体
基板2に設けた溝に沿って行うことが望ましい。その
後、分離した小片に実施の形態1の(d)から(g)と
同様の工程に行うことより圧電素子を作製する。
【0108】本実施の形態の製造方法を用いることによ
り、実施の形態1で述べた同様の、作用、効果に加え、
次の作用、効果が加わる。
【0109】すなわち、小片に切断することにより、接
合面積が小さくなり、熱処理可能温度が大幅に向上す
る。
【0110】なお、本実施の形態では、実施の形態1の
場合を例にして説明したが、上記のすべての実施の形態
において用いることにより同様の効果が期待される。
【0111】(実施の形態9)実施の形態9の製造方法
を説明する。8は、充填剤となるエレクトロンワックス
をの注入した溝部分である。実施の形態1と同様に
(a)から(c)の工程を行う。本実施の形態では、図
8に示すように、(c)の工程終了後、基板を低温で仮
接着し、次の工程を行う。
【0112】(a)70℃で重ね合わせた複合基板を加
熱し、溝部分に、エレクトロンワックスを注入する。エ
レクトロンワックスは毛細現象により、溝部分に浸透す
る。
【0113】(b)ATカット水晶基板1を研磨、エッ
チングにより20μmまで薄板化する。
【0114】本実施の形態の製造方法を採ることで、次
のような作用がある。低温の熱処理では、複合基板の接
合強度は弱い。
【0115】これらの工程終了後、実施の形態1に示す
(d)から(g)の工程を行い、圧電素子を作製する。
【0116】以上述べた製造方法により、接合強度を強
くし、後工程での歩留まりを向上させる効果がある。す
なわち、エレクトロンワックスにより、基板側面部から
溝内への異物、特に薄膜化工程における異物の侵入を防
止できる。
【0117】なお、本実施の形態では、溝を埋める材料
として、エレクトロンワックスを用いたが、その他の材
料を用いても良く、要は、溝部分に浸透し、常温で固化
するものであれば同様の効果がある。
【0118】なお、本実施の形態では熱処理に相当する
工程を70℃で行ったが、エレクトロンワックスが溶融す
る温度であれば同様の効果がある。また、注入する材料
によっては、温度を設定すればよい。
【0119】なお、熱処理を行った後、更に、本実施の
形態における(a)の工程を行っても同様の効果があ
る。
【0120】なお、本実施の形態では、実施の形態1の
場合を例にして説明したが、上記のすべての実施の形態
において用いることにより同様の効果が期待される。
【0121】(実施の形態10)図9に、本発明の実施
の形態10の圧電素子を示す。(a)は斜視図、(b)
は上面図、(c)は断面図、(d)は裏面図である。こ
こで、1は水晶基板、2は半導体基板である。4は電極
であり、例えば、発振器の場合には、励振用電極を構成
する。また、11はスルーホールであり、下部電極と外
部へのワイヤ−ボンディング等による接続を容易にする
ために下部電極を上部に引き出すために形成されてい
る。このような圧電素子は、外部に設けられた駆動用の
回路に、ワイヤーボンディング等により接続されて使用
される。
【0122】本実施の形態10の特徴は、半導体基板2
上に、基板の接合界面における応力を低減するための溝
3が形成されていることである。図9で、接合部分の大
きさは、5×5mmで、溝幅は50μm、溝深さは10
μm、溝間隔は1mmとした。
【0123】この溝の存在により、半田リフロー等の加
熱工程を経る際にも、基板が熱応力により剥離等する問
題が解決されている。また、素子駆動時においても、基
板からの応力の低減が図れるので、信頼性の高い動作を
有する圧電素子が実現できる。
【0124】また、図10に示すように、半導体基板2
に、駆動回路用のIC12を形成することで、圧電素子
を含む機器の小型化、低コスト化が図れる。図10で
(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は断面図、
(d)は裏面図である。水晶基板1の裏面電極は水晶基
板に設けられた貫通穴から水晶基板1の表面に引き出さ
れており、IC12と水晶の圧電素子の導通はワイヤー
13により取られている。
【0125】なお、応力を低減するという点では、半導
体基板に形成する溝は単なるくぼみであってもよい。す
なわち、溝のようなストライプ形状ではなく、アイラン
ド状に点在するくぼみであってもよい。また、基板と圧
電体がアイランド状に接合する形態であっても構わな
い。要するに、接合部における基板の一部に応力を緩和
するための非接合部が形成されていれば、本発明の効果
は達成できる。
【0126】なお、半導体基板としてはシリコン基板を
例として示したが、ガリウム砒素、インジウムリン基板
を用いても同様の効果は得られる。これらの化合物半導
体基板を用いることで、高周波デバイス、光デバイスな
どに応用可能である。
【0127】なお、圧電体としは水晶、ニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウム、ジルコン酸チタン酸ランタン
酸鉛の群から選ばれる材料を用いてもよい。これらの圧
電体と半導体を組み合わせることにより、例えば、圧電
発振器、表面弾性波コンボルバなどに応用可能である。
【0128】
【発明の効果】本発明の圧電素子の製造方法によれば、
基板に設けられた複数の溝の形成により圧電基板との接
合界面における熱応力が緩和される。すなわち、接合界
面における熱応力を溝部分に集中させることにより、圧
電基板の接合部に過剰に熱応力がかかることを抑制する
ことができる。従って、直接接合により圧電素子を作製
する製造方法においても、基板の剥離等の問題を生じる
ことなく圧電素子の作製が容易に可能となる。
【0129】また、基板に局所的な応力が加わった場合
においても、基板に設けられた溝により、剥離は一定の
領域に抑制されるので広範囲な領域で剥離を生じること
がない。すなわち、量産性に優れた高歩留の圧電素子の
製造が実現できる。
【0130】本発明の圧電素子によれば、圧電体と基板
の接合部に形成された溝により、接合界面からの熱応力
を緩和できるため、高信頼性の圧電素子が実現できる。
すなわち、接合界面における熱応力を溝部分に集中させ
ることにより、圧電基板の接合部に過剰に熱応力がかか
ることを抑制することができ、熱応力による特性変化の
少ない圧電素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における圧電素子の製造
方法を示す図
【図2】同実施の形態1における貼り合わせ複合基板の
溝間隔と熱処理可能温度の関係を示す図
【図3】同実施の形態3における圧電素子の製造方法を
示す図
【図4】同実施の形態5における圧電素子の製造方法の
一部を示す図
【図5】同実施の形態6における圧電素子の製造方法の
一部を示す図
【図6】同実施の形態7における圧電素子の製造方法の
一部を示す図
【図7】同実施の形態8における圧電素子の製造方法の
一部を示す図
【図8】同実施の形態9における圧電素子の製造方法の
一部を示す図
【図9】同実施の形態10における圧電素子を示す図
【図10】同実施の形態10における他の圧電素子を示
す図
【図11】従来の複合基板の接合面積と熱処理可能温度
の関係を示す図
【符号の説明】
1 圧電基板 2 半導体基板 3 溝 4 電極 5,6,7 圧電基板 8 充填剤
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 3/08 H03H 9/19 A 9/19 7259−5J 9/25 C 9/25 H01L 27/00 301B // H01L 27/00 301 41/22 Z (72)発明者 江田 和生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板および圧電体からなる第2の基
    板の主面を鏡面仕上げする工程と、前記主面の双方また
    はいずれか一方に複数の溝を形成する工程と、前記第1
    の基板および前記第2の基板の前記主面を重ね合わせる
    工程と、前記重ね合わせた基板を熱処理し接合する工程
    と、前記第1の基板に前記第2の基板の一部を露出させ
    る開口部を形成する工程と、前記開口部に露出した前記
    第2の基板の領域またはその領域に対向する前記第2の
    基板の主面の双方またはいずれか一方に電極を形成し複
    数の圧電素子を形成する工程と、前記接合した基板を前
    記複数の圧電素子に分割する工程とを有する圧電素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】第1の基板が半導体、ガラス、圧電体のう
    ちのいずれかからなる請求項1記載の圧電素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】第1の基板がシリコン、ガリウムヒ素、ま
    たは、インジウムリンのいずれかからなる請求項1記載
    の圧電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】第1の基板が集積回路の形成されたシリコ
    ン基板であることを特徴とする請求項1記載の圧電素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】第1の基板が薄膜トランジスタを含む集積
    回路の形成されたガラス基板であることを特徴とする請
    求項1記載の圧電素子の製造方法。
  6. 【請求項6】第2の基板が、水晶、ニオブ酸リチウム、
    タンタル酸リチウム、ジルコン酸チタン酸ランタン酸鉛
    のいずれかからなる請求項1記載の圧電素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】第1の基板および圧電体からなる第2の基
    板の主面を鏡面仕上げする工程と、前記主面の双方また
    はいずれか一方に複数の溝を形成する工程と、前記第1
    の基板および前記第2の基板の前記主面を重ね合わせる
    工程と、前記第2の基板の厚さを減ずる工程と、前記重
    ね合わせた基板を熱処理し接合する工程と、前記第1の
    基板に前記第2の基板の一部が露出する開口部を形成す
    る工程と、前記開口部に露出した前記第2の基板の領域
    またはその領域に対向する前記第2の基板の主面の双方
    またはいずれか一方に電極を形成し複数の圧電素子を形
    成する工程と、前記接合した基板を前記複数の圧電素子
    に分割する工程とを有する圧電素子の製造方法。
  8. 【請求項8】第1の基板および圧電体からなる第2の基
    板の主面を鏡面仕上げする工程と、前記主面の双方また
    はいずれか一方に複数の溝を形成する工程と、前記第1
    の基板および前記第2の基板の前記主面を重ね合わせる
    工程と、前記第2の基板を複数の領域に分割する工程
    と、前記重ね合わせた基板を熱処理し接合する工程と、
    前記第1の基板に前記第2の基板の一部が露出する開口
    部を形成する工程と、前記開口部に露出した前記第2の
    基板の領域またはその領域に対向する前記第2の基板の
    主面の双方またはいずれか一方に電極を形成し複数の圧
    電素子を形成する工程と、前記接合した基板を前記複数
    の圧電素子に分割する工程とを有する圧電素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】第1の基板および圧電体からなる第2の基
    板の主面を鏡面仕上げする工程と、前記主面の双方また
    はいずれか一方に複数の溝を形成する工程と、前記第1
    の基板および前記第2の基板の前記主面を重ね合わせる
    工程と、前記第2の基板の厚さを減ずる工程と、前記第
    2の基板を複数の領域に分割する工程と、前記重ね合わ
    せた基板を熱処理し接合する工程と、前記第1の基板に
    前記第2の基板の一部が露出する開口部を形成する工程
    と、前記開口部に露出した前記第2の基板の領域または
    その領域に対向する前記第2の基板の主面の双方または
    いずれか一方に電極を形成し複数の圧電素子を形成する
    工程と、前記接合した基板を前記複数の圧電素子に分割
    する工程とを有する圧電素子の製造方法。
  10. 【請求項10】第1の基板および圧電体からなる第2の
    基板の主面を鏡面仕上げする工程と、前記主面の双方ま
    たはいずれか一方に複数の溝を形成する工程と、前記第
    1の基板および前記第2の基板の前記主面を重ね合わせ
    る工程と、重ね合わせた状態で前記第1の基板および前
    記第2の基板を複数の基板に分割する工程と、前記複数
    の基板を熱処理し接合する工程と、前記複数の基板のそ
    れぞれに前記第1の基板に前記第2の基板の一部が露出
    する開口部を形成する工程と、前記開口部に露出した前
    記第2の基板の領域またはその領域に対向する前記第2
    の基板の主面の双方またはいずれか一方に電極を形成す
    る工程とを有する圧電素子の製造方法。
  11. 【請求項11】第1の基板および圧電体からなる第2の
    基板の主面を鏡面仕上げする工程と、前記主面の双方ま
    たはいずれか一方に複数の溝を形成する工程と、前記第
    1の基板および前記第2の基板を洗浄する工程と、前記
    第1の基板および前記第2の基板の前記主面を重ね合わ
    せる工程と、前記重ね合わせた基板の周囲の前記溝に充
    填剤を埋める工程と、前記重ね合わせた基板を熱処理し
    接合する工程と、前記第1の基板の一部を前記第2の基
    板に達するまで除去する工程と、前記第1の基板が除去
    された領域における前記第2の基板に電極を形成する工
    程と、前記複数の溝の全部または一部に沿って前記接合
    された基板を分離する工程とを有する圧電素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】電極が形成された圧電体と、前記圧電体
    の一部に接合された基板とからなる圧電素子において、
    前記圧電体と前記基板との接合部における前記基板には
    少なくとも1以上のくぼみが形成されていることを特徴
    とする圧電素子。
  13. 【請求項13】くぼみが溝であることを特徴とする請求
    項12記載の圧電素子。
  14. 【請求項14】溝が互いに直交する複数の溝であること
    を特徴とする請求項13記載の圧電素子。
  15. 【請求項15】基板が半導体、ガラス、圧電体のうちの
    いずれかからなる請求項12記載の圧電素子。
  16. 【請求項16】基板がシリコン、ガリウムヒ素、また
    は、インジウムリンのいずれかからなる請求項12記載
    の圧電素子。
  17. 【請求項17】基板が集積回路の形成されたシリコン基
    板であることを特徴とする請求項12記載の圧電素子。
  18. 【請求項18】基板が薄膜トランジスタを含む集積回路
    の形成されたガラス基板であることを特徴とする請求項
    12記載の圧電素子。
  19. 【請求項19】圧電体が、水晶、ニオブ酸リチウム、タ
    ンタル酸リチウム、ジルコン酸チタン酸ランタン酸鉛の
    いずれかからなる請求項12記載の圧電素子。
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