JPH0996701A - 反射防止膜およびその製造方法 - Google Patents
反射防止膜およびその製造方法Info
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- JPH0996701A JPH0996701A JP7256157A JP25615795A JPH0996701A JP H0996701 A JPH0996701 A JP H0996701A JP 7256157 A JP7256157 A JP 7256157A JP 25615795 A JP25615795 A JP 25615795A JP H0996701 A JPH0996701 A JP H0996701A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2層構成の反射防止膜であって、所望の反射
率を示しかつその反射率を示す帯域幅が従来より広い反
射防止膜を提供する。 【解決手段】 透明基板11上に順に設けられた第1の
層13および該第1の層13より屈折率が低くかつフッ
素樹脂で構成された第2の層15から成る、2層構成の
反射防止膜において、前記第1の層13を前記透明基板
より屈折率が低い物質の層で構成する。
率を示しかつその反射率を示す帯域幅が従来より広い反
射防止膜を提供する。 【解決手段】 透明基板11上に順に設けられた第1の
層13および該第1の層13より屈折率が低くかつフッ
素樹脂で構成された第2の層15から成る、2層構成の
反射防止膜において、前記第1の層13を前記透明基板
より屈折率が低い物質の層で構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2層構成の反射
防止膜とその製造方法とに関するものである。
防止膜とその製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばレンズ、プリズム、フィルタ等の
光学素子では、所望の光学特性を得るために、その表面
に反射防止膜が形成されることが多い。このような反射
防止膜のうち2層構成の反射防止膜の従来例として、例
えば特開平6−18705号公報に開示のものがあっ
た。この反射防止膜は、透明基板上に、空気側へ向かっ
て、屈折率が1.58以上の高屈折率物質の第1の層お
よび屈折率が1.35以下の非晶質透明フッ素樹脂の第
2の層を積層して構成した反射防止膜であった(例えば
特許請求の範囲)。すなわち、透明基板上に順に設けら
れた第1の層および該第1の層より屈折率が低くかつフ
ッ素樹脂で構成された第2の層から成る、反射防止膜で
あった。さらに、この公報の第4欄第6〜8行に、この
反射防止膜における第1の層はその屈折率が基板のそれ
より高いものが好ましいと記載されているように、この
従来の反射防止膜は、第1の層の屈折率が透明基板のそ
れより高くされた構成の反射防止膜でもあった。また、
この反射防止膜はディッピングコート法、スピンコート
法などの塗布溶液により形成されるものであった(例え
ば第2欄第33〜34行)。この公報に開示の反射防止
膜によれば、優れた反射防止性を有した光学素子が得ら
れるという(例えば第2欄第30〜32行)。
光学素子では、所望の光学特性を得るために、その表面
に反射防止膜が形成されることが多い。このような反射
防止膜のうち2層構成の反射防止膜の従来例として、例
えば特開平6−18705号公報に開示のものがあっ
た。この反射防止膜は、透明基板上に、空気側へ向かっ
て、屈折率が1.58以上の高屈折率物質の第1の層お
よび屈折率が1.35以下の非晶質透明フッ素樹脂の第
2の層を積層して構成した反射防止膜であった(例えば
特許請求の範囲)。すなわち、透明基板上に順に設けら
れた第1の層および該第1の層より屈折率が低くかつフ
ッ素樹脂で構成された第2の層から成る、反射防止膜で
あった。さらに、この公報の第4欄第6〜8行に、この
反射防止膜における第1の層はその屈折率が基板のそれ
より高いものが好ましいと記載されているように、この
従来の反射防止膜は、第1の層の屈折率が透明基板のそ
れより高くされた構成の反射防止膜でもあった。また、
この反射防止膜はディッピングコート法、スピンコート
法などの塗布溶液により形成されるものであった(例え
ば第2欄第33〜34行)。この公報に開示の反射防止
膜によれば、優れた反射防止性を有した光学素子が得ら
れるという(例えば第2欄第30〜32行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−18705号公報に開示の2層構成の反射防止膜の
場合、所望の反射率を示す帯域幅は必ずしも広いとはい
えない。例えば反射率が1%以下を示す帯域幅はせいぜ
い200nm程度である(例えば上記公報の図3、図
5、図6参照)。目的の反射率を示しかつ帯域幅をより
広くする技術として、3層以上の多層構造を用いる技術
もあるが、その場合は層数が増える分、製造工程の管理
が大変であったり不良発生時の処理が大変等の問題があ
る。2層構成の反射防止膜であって、所望の反射率を示
し、かつ、その反射率を示す帯域幅が従来より広い反射
防止膜が望まれる。また、このような反射防止膜であっ
て所望の分光反射率特性を示す反射防止膜を容易に製造
できる方法が望まれる。
6−18705号公報に開示の2層構成の反射防止膜の
場合、所望の反射率を示す帯域幅は必ずしも広いとはい
えない。例えば反射率が1%以下を示す帯域幅はせいぜ
い200nm程度である(例えば上記公報の図3、図
5、図6参照)。目的の反射率を示しかつ帯域幅をより
広くする技術として、3層以上の多層構造を用いる技術
もあるが、その場合は層数が増える分、製造工程の管理
が大変であったり不良発生時の処理が大変等の問題があ
る。2層構成の反射防止膜であって、所望の反射率を示
し、かつ、その反射率を示す帯域幅が従来より広い反射
防止膜が望まれる。また、このような反射防止膜であっ
て所望の分光反射率特性を示す反射防止膜を容易に製造
できる方法が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の第一
発明によれば、透明基板上に順に設けられた第1の層お
よび該第1の層より屈折率が低くかつフッ素樹脂で構成
された第2の層から成る、2層構成の反射防止膜におい
て、前記第1の層を前記透明基板より屈折率が低い物質
の層で構成したことを特徴とする。
発明によれば、透明基板上に順に設けられた第1の層お
よび該第1の層より屈折率が低くかつフッ素樹脂で構成
された第2の層から成る、2層構成の反射防止膜におい
て、前記第1の層を前記透明基板より屈折率が低い物質
の層で構成したことを特徴とする。
【0005】また、この出願の第二発明によれば、透明
基板上に順に設けられた第1の層および第2の層から成
る2層構成の反射防止膜を製造するに当たり、先ず、透
明基板上に屈折率が前記透明基板より低い物質の層で構
成された第1の層を形成し、次に、該第1の層上に屈折
率が該第1の層より低くかつフッ素樹脂で構成された第
2の層を真空蒸着法により形成すると共に、該蒸着時の
蒸着速度および基板加熱温度の少なくとも一方を制御し
て当該反射防止膜の特性を制御することを特徴とする。
基板上に順に設けられた第1の層および第2の層から成
る2層構成の反射防止膜を製造するに当たり、先ず、透
明基板上に屈折率が前記透明基板より低い物質の層で構
成された第1の層を形成し、次に、該第1の層上に屈折
率が該第1の層より低くかつフッ素樹脂で構成された第
2の層を真空蒸着法により形成すると共に、該蒸着時の
蒸着速度および基板加熱温度の少なくとも一方を制御し
て当該反射防止膜の特性を制御することを特徴とする。
【0006】なおこれら第一および第二の発明におい
て、透明基板を構成する材料として、典型的には、光学
ガラス、石英、プラスチックスが挙げられる。しかし、
透明基板を構成する材料はこれらの例に限られない。ま
た、ここでいう透明基板の形状は目的に応じ任意とでき
る。板状のもの、さらにはレンズ、プリズム等の光学素
子の形状に即した形状のもの、さらには、フィルム状の
ものなども、もちろんここでいう透明基板に含まれる。
て、透明基板を構成する材料として、典型的には、光学
ガラス、石英、プラスチックスが挙げられる。しかし、
透明基板を構成する材料はこれらの例に限られない。ま
た、ここでいう透明基板の形状は目的に応じ任意とでき
る。板状のもの、さらにはレンズ、プリズム等の光学素
子の形状に即した形状のもの、さらには、フィルム状の
ものなども、もちろんここでいう透明基板に含まれる。
【0007】また、これら第一および第二発明において
第1の層の構成材料は、上記屈折率の条件を満足するこ
とを前提として設計に応じた種々のものとできる。例え
ば、(a).酸化物であって上記屈折率の条件を満足するも
の、(b).金属フッ化物であって上記屈折率の条件を満足
するもの、(c) 高分子化合物であって上記屈折率の条件
を満足するものは、第1の層の構成材料として用い得
る。酸化物の例としては例えばSiO2 を、金属フッ化
物の例としては例えばMgF2 やAl2 F3 を、それぞ
れ挙げることが出来る。
第1の層の構成材料は、上記屈折率の条件を満足するこ
とを前提として設計に応じた種々のものとできる。例え
ば、(a).酸化物であって上記屈折率の条件を満足するも
の、(b).金属フッ化物であって上記屈折率の条件を満足
するもの、(c) 高分子化合物であって上記屈折率の条件
を満足するものは、第1の層の構成材料として用い得
る。酸化物の例としては例えばSiO2 を、金属フッ化
物の例としては例えばMgF2 やAl2 F3 を、それぞ
れ挙げることが出来る。
【0008】また、これら第一および第二発明において
第2の層の構成材料は、任意好適なフッ素樹脂とでき
る。フッ素樹脂は一般に屈折率が低いため、2層構成の
反射防止膜における第2の層の構成材料として用いて好
適だからである。特に第一発明の場合では、ディップコ
ート法により形成されるフッ素樹脂であっても良い。ま
た第二発明の場合は、真空蒸着法により薄膜化が可能な
フッ素樹脂であれば任意好適なものを用い得る。例え
ば、テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)
と、2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフル
オロ−1,3−ジオキソル(2,2-bistrifluoromethyl-4,
5-difluoro-1,3-dioxole) との共重合体から成るフッ素
樹脂(具体的にはデュポン社製のAF2400(商品
名))は、真空蒸着法により薄膜化が可能であり、か
つ、低い屈折率の薄膜が得られ、しかも、蒸着時の蒸着
速度および基板加熱温度の少なくとも一方を変えること
で、薄膜の屈折率を変化させることが出来ることが知ら
れているので(例えば文献I「SPIE Vol.2253(1
994),pp.512〜519の例えばFig.1、
Fig.3)、この第二発明で用いるフッ素樹脂として
好適である。
第2の層の構成材料は、任意好適なフッ素樹脂とでき
る。フッ素樹脂は一般に屈折率が低いため、2層構成の
反射防止膜における第2の層の構成材料として用いて好
適だからである。特に第一発明の場合では、ディップコ
ート法により形成されるフッ素樹脂であっても良い。ま
た第二発明の場合は、真空蒸着法により薄膜化が可能な
フッ素樹脂であれば任意好適なものを用い得る。例え
ば、テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)
と、2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフル
オロ−1,3−ジオキソル(2,2-bistrifluoromethyl-4,
5-difluoro-1,3-dioxole) との共重合体から成るフッ素
樹脂(具体的にはデュポン社製のAF2400(商品
名))は、真空蒸着法により薄膜化が可能であり、か
つ、低い屈折率の薄膜が得られ、しかも、蒸着時の蒸着
速度および基板加熱温度の少なくとも一方を変えること
で、薄膜の屈折率を変化させることが出来ることが知ら
れているので(例えば文献I「SPIE Vol.2253(1
994),pp.512〜519の例えばFig.1、
Fig.3)、この第二発明で用いるフッ素樹脂として
好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの出願の
各発明の実施の形態について比較例と共に説明する。こ
こで、図1は透明基板11と、第1の層13と、第2の
層15との積層関係を示した断面図、また図2〜図6は
発明のいくつかの実施の形態の反射防止膜あるいは比較
例の反射防止膜おのおのでの分光反射率特性を示した図
である。ただし、いずれの図もこの発明を理解出来る程
度に概略的に示してあるにすぎない。また、以下に説明
する透明基板、第1の層および第2の層それぞれの屈折
率はいずれも波長500nmの光についての屈折率であ
る。また図2〜図6に示した分光反射率特性は、いずれ
もTF−CALCと称される汎用計算ソフトによるシミ
ュレーションにより得た結果である。ただし、この計算
の際の屈折率は、波長500nmの光に対する屈折率に
統一している。本願発明の効果を知るうえでは屈折率の
波長依存性を無視してもさしつかえないからである。
各発明の実施の形態について比較例と共に説明する。こ
こで、図1は透明基板11と、第1の層13と、第2の
層15との積層関係を示した断面図、また図2〜図6は
発明のいくつかの実施の形態の反射防止膜あるいは比較
例の反射防止膜おのおのでの分光反射率特性を示した図
である。ただし、いずれの図もこの発明を理解出来る程
度に概略的に示してあるにすぎない。また、以下に説明
する透明基板、第1の層および第2の層それぞれの屈折
率はいずれも波長500nmの光についての屈折率であ
る。また図2〜図6に示した分光反射率特性は、いずれ
もTF−CALCと称される汎用計算ソフトによるシミ
ュレーションにより得た結果である。ただし、この計算
の際の屈折率は、波長500nmの光に対する屈折率に
統一している。本願発明の効果を知るうえでは屈折率の
波長依存性を無視してもさしつかえないからである。
【0010】1.第1の実施の形態 透明基板11を石英(屈折率1.48)で構成し、第1
の層13をフッ化マグネシウム(屈折率1.38)の層
で構成し、第2の層15をデュポン社製のAF2400
と称されるフッ素樹脂であって屈折率が1.25のもの
の層で構成することにより、第1の実施の形態の反射防
止膜を構成出来る。ただし、第1の層13および第2の
層15の膜厚は、それらの光学的膜厚が波長500nm
の光のλ/4に相当する膜厚となるようにする(以下の
他の実施の形態および比較例において同じ。)。なお、
第1の層13を構成するフッ化マグネシウムの層は例え
ば真空蒸着法により形成できる。また、第2の層15を
構成する屈折率が1.25であるAF2400の層は、
文献I「SPIE Vol.2253(1994)の第515頁
のFig.3に記載されているように、例えば蒸着速度
をおおよそ4.5〜22Å/secとし、かつ、基板加
熱温度を加熱なしからおおよそ85℃までの範囲のうち
のいずれかとした蒸着条件により形成できる。
の層13をフッ化マグネシウム(屈折率1.38)の層
で構成し、第2の層15をデュポン社製のAF2400
と称されるフッ素樹脂であって屈折率が1.25のもの
の層で構成することにより、第1の実施の形態の反射防
止膜を構成出来る。ただし、第1の層13および第2の
層15の膜厚は、それらの光学的膜厚が波長500nm
の光のλ/4に相当する膜厚となるようにする(以下の
他の実施の形態および比較例において同じ。)。なお、
第1の層13を構成するフッ化マグネシウムの層は例え
ば真空蒸着法により形成できる。また、第2の層15を
構成する屈折率が1.25であるAF2400の層は、
文献I「SPIE Vol.2253(1994)の第515頁
のFig.3に記載されているように、例えば蒸着速度
をおおよそ4.5〜22Å/secとし、かつ、基板加
熱温度を加熱なしからおおよそ85℃までの範囲のうち
のいずれかとした蒸着条件により形成できる。
【0011】この第1の実施の形態における反射防止膜
で得られる分光反射率特性を図2に示した。なお、図2
において横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)をそ
れぞれ示す(以下の図3〜図6において同じ。)。この
図2から分かるように、第1の実施の形態の反射防止膜
は、波長約330nmから約1000nmの範囲にわた
って反射率が1%以下という反射特性を示す反射防止膜
になることが分かる。すなわち、反射率が1%以下とな
る帯域幅が約670nmにもなる反射防止膜になること
が分かる。第1の層の屈折率が基板のそれより高かった
従来技術の場合は反射率が1%以下を示す帯域幅はせい
ぜい200nm程度であったことを考えると、本願発明
の優位さが理解できる。
で得られる分光反射率特性を図2に示した。なお、図2
において横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)をそ
れぞれ示す(以下の図3〜図6において同じ。)。この
図2から分かるように、第1の実施の形態の反射防止膜
は、波長約330nmから約1000nmの範囲にわた
って反射率が1%以下という反射特性を示す反射防止膜
になることが分かる。すなわち、反射率が1%以下とな
る帯域幅が約670nmにもなる反射防止膜になること
が分かる。第1の層の屈折率が基板のそれより高かった
従来技術の場合は反射率が1%以下を示す帯域幅はせい
ぜい200nm程度であったことを考えると、本願発明
の優位さが理解できる。
【0012】2.第2の実施の形態 第1の実施の形態における構成に対し第2の層15をデ
ュポン社製のAF2400と称されるフッ素樹脂であっ
て屈折率が1.20のものの層で構成する。それ以外は
第1の実施の形態と同様にすることで第2の実施の形態
の反射防止膜を構成できる。なお、屈折率が1.20で
あるAF2400の層は、上記文献Iの第515頁のF
ig.3に記載されているように、蒸着速度をおおよそ
10〜22Å/secとし、かつ、基板加熱温度を加熱
なしからおおよそ50℃までの範囲のうちのいずれかと
した蒸着条件により形成できる。
ュポン社製のAF2400と称されるフッ素樹脂であっ
て屈折率が1.20のものの層で構成する。それ以外は
第1の実施の形態と同様にすることで第2の実施の形態
の反射防止膜を構成できる。なお、屈折率が1.20で
あるAF2400の層は、上記文献Iの第515頁のF
ig.3に記載されているように、蒸着速度をおおよそ
10〜22Å/secとし、かつ、基板加熱温度を加熱
なしからおおよそ50℃までの範囲のうちのいずれかと
した蒸着条件により形成できる。
【0013】この第2の実施の形態における反射防止膜
で得られる分光反射率特性を図3に示した。この図3か
ら分かるように、第2の実施の形態の反射防止膜は、波
長340nmから980nmの範囲にわたって反射率が
1%以下という反射特性を示す反射防止膜になることが
分かる。さらに、波長約360nmから約820nm強
の範囲にわたって反射率が0.5%以下という反射特性
を示す反射防止膜になることが分かる。すなわち、反射
率が1%以下となる帯域幅が640nm強にもなり、か
つ、反射率が0.5%以下となる帯域幅が約460nm
にもなる反射防止膜になることが分かる。第1の層の屈
折率が基板のそれより高かった従来技術の場合は反射率
が1%以下を示す帯域幅はせいぜい200nm程度であ
ったことを考えると、本願発明の優位さが理解できる。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態各々で
の分光反射率特性を比較することで分かるように、第2
の層を形成する際の蒸着条件を変えると第2の層の屈折
率を変化させることが出来、その結果、反射防止膜の分
光反射率特性を制御できることが分かる。
で得られる分光反射率特性を図3に示した。この図3か
ら分かるように、第2の実施の形態の反射防止膜は、波
長340nmから980nmの範囲にわたって反射率が
1%以下という反射特性を示す反射防止膜になることが
分かる。さらに、波長約360nmから約820nm強
の範囲にわたって反射率が0.5%以下という反射特性
を示す反射防止膜になることが分かる。すなわち、反射
率が1%以下となる帯域幅が640nm強にもなり、か
つ、反射率が0.5%以下となる帯域幅が約460nm
にもなる反射防止膜になることが分かる。第1の層の屈
折率が基板のそれより高かった従来技術の場合は反射率
が1%以下を示す帯域幅はせいぜい200nm程度であ
ったことを考えると、本願発明の優位さが理解できる。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態各々で
の分光反射率特性を比較することで分かるように、第2
の層を形成する際の蒸着条件を変えると第2の層の屈折
率を変化させることが出来、その結果、反射防止膜の分
光反射率特性を制御できることが分かる。
【0014】3.第3の実施の形態 透明基板11を屈折率が1.60のガラス基板(例えば
ショット製のF15と称される光学ガラス)で構成し、
第1の層13をSiO2 (屈折率1.47)の層で構成
したこと以外は、第1の実施の形態と同様にすること
で、第3の実施の形態の反射防止膜を構成できる。
ショット製のF15と称される光学ガラス)で構成し、
第1の層13をSiO2 (屈折率1.47)の層で構成
したこと以外は、第1の実施の形態と同様にすること
で、第3の実施の形態の反射防止膜を構成できる。
【0015】この第3の実施の形態における反射防止膜
で得られる分光反射率特性を図4に示した。この図4か
ら分かるように、第3の実施の形態の反射防止膜は、波
長約330nmから約1000nm強の範囲にわたって
反射率が1%以下という反射特性を示す反射防止膜にな
ることが分かる。さらに、波長約360nmから約82
0nm強の範囲にわたって反射率が0.5%以下で然も
第2の実施の形態に比べ低反射率帯域が広いという反射
特性を示す反射防止膜になることが分かる。すなわち、
反射率が1%以下となる帯域幅が670nm強にもな
り、かつ、反射率が0.5%以下となる帯域幅が約46
0nmにもなる反射防止膜になることが分かる。第1の
層の屈折率が基板のそれより高かった従来技術の場合は
反射率が1%以下を示す帯域幅はせいぜい200nm程
度であったことを考えると、本願発明の優位さが理解で
きる。
で得られる分光反射率特性を図4に示した。この図4か
ら分かるように、第3の実施の形態の反射防止膜は、波
長約330nmから約1000nm強の範囲にわたって
反射率が1%以下という反射特性を示す反射防止膜にな
ることが分かる。さらに、波長約360nmから約82
0nm強の範囲にわたって反射率が0.5%以下で然も
第2の実施の形態に比べ低反射率帯域が広いという反射
特性を示す反射防止膜になることが分かる。すなわち、
反射率が1%以下となる帯域幅が670nm強にもな
り、かつ、反射率が0.5%以下となる帯域幅が約46
0nmにもなる反射防止膜になることが分かる。第1の
層の屈折率が基板のそれより高かった従来技術の場合は
反射率が1%以下を示す帯域幅はせいぜい200nm程
度であったことを考えると、本願発明の優位さが理解で
きる。
【0016】4.比較例 4−1.比較例1 透明基板11の屈折率を1.48に固定し、かつ、第2
の層15の屈折率を1.25に固定した状態において、
第1の層13の屈折率を透明基板11の屈折率と等しい
場合を含みそれより大きくなる方向に種々に変える。こ
のように行なう比較例1の種々の水準のうち第1の層1
3の屈折率が1.58、1.53、1.48(基板の屈
折率と等しい場合)の3つの水準での反射防止膜で得ら
れる分光反射率特性を図5にそれぞれ示した。ただしこ
の図5には、この比較例1と本願発明との関係を明確に
するために、本願発明の範囲のいくつかの例、すなわち
第1の層13の屈折率を基板のそれより小さい1.4
3、1、38とした例の反射防止膜の分光反射率特性も
併せて示してある。
の層15の屈折率を1.25に固定した状態において、
第1の層13の屈折率を透明基板11の屈折率と等しい
場合を含みそれより大きくなる方向に種々に変える。こ
のように行なう比較例1の種々の水準のうち第1の層1
3の屈折率が1.58、1.53、1.48(基板の屈
折率と等しい場合)の3つの水準での反射防止膜で得ら
れる分光反射率特性を図5にそれぞれ示した。ただしこ
の図5には、この比較例1と本願発明との関係を明確に
するために、本願発明の範囲のいくつかの例、すなわち
第1の層13の屈折率を基板のそれより小さい1.4
3、1、38とした例の反射防止膜の分光反射率特性も
併せて示してある。
【0017】この図5から分かるように、第1の層13
の屈折率を透明基板11のそれより大きくしてしまう
と、反射率が例えば1%以下となる帯域幅は最大でも3
00nm程度にしかできない。このことからして、第1
の層13を透明基板11より屈折率が低い物質の層で構
成するのが良いと考える。
の屈折率を透明基板11のそれより大きくしてしまう
と、反射率が例えば1%以下となる帯域幅は最大でも3
00nm程度にしかできない。このことからして、第1
の層13を透明基板11より屈折率が低い物質の層で構
成するのが良いと考える。
【0018】4−2.比較例2 また、比較例2として、透明基板を石英(屈折率1.4
8)で構成し、第1の層13をデュポン社製AF240
0であって屈折率が1.25のものの層で構成し、第2
の層をフッ化マグネシウム(屈折率1.38)の層で構
成した反射防止膜を考える。すなわち、本願発明の第1
の実施の形態に対し第1および第2の層の構成材料を交
換した構成を考える。この比較例2の反射防止膜で得ら
れる分光反射率特性を図6に示した。この図6から分か
るように比較例2の構成の場合、反射率1%以下の帯域
は得られなくなり、好ましい反射防止膜が構成出来ない
ことが分かる。このことからして、第2の層15を第1
の層13より屈折率が低い物質で構成するのが良いと考
える。そして、フッ素樹脂は低屈折率の層の形成が可能
であるので、この発明では第2の層15の構成材料とし
てフッ素樹脂を用いている。
8)で構成し、第1の層13をデュポン社製AF240
0であって屈折率が1.25のものの層で構成し、第2
の層をフッ化マグネシウム(屈折率1.38)の層で構
成した反射防止膜を考える。すなわち、本願発明の第1
の実施の形態に対し第1および第2の層の構成材料を交
換した構成を考える。この比較例2の反射防止膜で得ら
れる分光反射率特性を図6に示した。この図6から分か
るように比較例2の構成の場合、反射率1%以下の帯域
は得られなくなり、好ましい反射防止膜が構成出来ない
ことが分かる。このことからして、第2の層15を第1
の層13より屈折率が低い物質で構成するのが良いと考
える。そして、フッ素樹脂は低屈折率の層の形成が可能
であるので、この発明では第2の層15の構成材料とし
てフッ素樹脂を用いている。
【0019】また、図5および図6に示した各分光反射
率特性から次のようなことがいえると考えられる。第1
の層の屈折率を透明基板のそれより小さくする際にある
範囲までは第1の層の屈折率の低下に伴いその反射防止
膜での低反射率帯域が広くなってゆく(図5のn1 =
1.58〜1.43の各例)。そして、第1の層の屈折
率がある値以下になると、それまでは下に凸となってい
た特性図部分が、上に凸に反転する(図5のn1 =1.
38の例及び図6)。このことから、もし反射率がある
値以下で帯域幅をなるべく広くしたい場合は、上記凸部
分が反転する前後のある程度の範囲に第1の層の屈折率
を設定するのが良いのではないかと考えられる。上述の
実施の形態の場合でいえば、基板の屈折率1.48に対
し上記凸部分が反転するのは第1の層の屈折率が1.4
3より小さくなった後から1.38までの範囲のどこか
であると考えられるので、第1の層の屈折率を1.43
〜1.38の範囲のどこかにすると、反射率がより広帯
域で低くなる特性が得られると考えられる。
率特性から次のようなことがいえると考えられる。第1
の層の屈折率を透明基板のそれより小さくする際にある
範囲までは第1の層の屈折率の低下に伴いその反射防止
膜での低反射率帯域が広くなってゆく(図5のn1 =
1.58〜1.43の各例)。そして、第1の層の屈折
率がある値以下になると、それまでは下に凸となってい
た特性図部分が、上に凸に反転する(図5のn1 =1.
38の例及び図6)。このことから、もし反射率がある
値以下で帯域幅をなるべく広くしたい場合は、上記凸部
分が反転する前後のある程度の範囲に第1の層の屈折率
を設定するのが良いのではないかと考えられる。上述の
実施の形態の場合でいえば、基板の屈折率1.48に対
し上記凸部分が反転するのは第1の層の屈折率が1.4
3より小さくなった後から1.38までの範囲のどこか
であると考えられるので、第1の層の屈折率を1.43
〜1.38の範囲のどこかにすると、反射率がより広帯
域で低くなる特性が得られると考えられる。
【0020】上述の実施の形態の説明においては、透明
基板、第1の層および第2の層それぞれの屈折率につい
ていくつかの例を示したが、これら例はこの発明の範囲
内の一例にすぎない。したがって、この発明が上記実施
の形態における屈折率の組み合わせ例に限られるもので
ないことは理解されたい。
基板、第1の層および第2の層それぞれの屈折率につい
ていくつかの例を示したが、これら例はこの発明の範囲
内の一例にすぎない。したがって、この発明が上記実施
の形態における屈折率の組み合わせ例に限られるもので
ないことは理解されたい。
【0021】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
出願の第一発明によれば、透明基板上に順に設けられた
第1の層および該第1の層より屈折率が低くかつフッ素
樹脂で構成された第2の層から成る、2層構成の反射防
止膜において、前記第1の層を前記透明基板より屈折率
が低い物質の層で構成している。このため、所望の反射
率を示し、かつ、この反射率を示す帯域幅が従来に比べ
広い反射防止膜を提供できる。
出願の第一発明によれば、透明基板上に順に設けられた
第1の層および該第1の層より屈折率が低くかつフッ素
樹脂で構成された第2の層から成る、2層構成の反射防
止膜において、前記第1の層を前記透明基板より屈折率
が低い物質の層で構成している。このため、所望の反射
率を示し、かつ、この反射率を示す帯域幅が従来に比べ
広い反射防止膜を提供できる。
【0022】また、この出願の第二発明によれば、透明
基板上に屈折率が前記透明基板より低い物質の層で構成
された第1の層を形成し、この第1の層上に屈折率が該
第1の層より低くかつフッ素樹脂で構成された第2の層
を真空蒸着法により形成すると共に、該蒸着時の蒸着速
度および基板加熱温度の少なくとも一方を制御して当該
反射防止膜の特性を制御して、2層構成の反射防止膜を
製造する。このため、所望の反射率を示し、かつ、この
反射率を示す帯域幅が従来に比べ広い反射防止膜であっ
て任意の所望の分光反射率特性を示す反射防止膜を容易
に製造できる。また、真空蒸着法によるため、例えばデ
ィップコート法に比べ、膜厚制御が容易、膜強度に優れ
た膜が形成出来るなどの効果も得られる。
基板上に屈折率が前記透明基板より低い物質の層で構成
された第1の層を形成し、この第1の層上に屈折率が該
第1の層より低くかつフッ素樹脂で構成された第2の層
を真空蒸着法により形成すると共に、該蒸着時の蒸着速
度および基板加熱温度の少なくとも一方を制御して当該
反射防止膜の特性を制御して、2層構成の反射防止膜を
製造する。このため、所望の反射率を示し、かつ、この
反射率を示す帯域幅が従来に比べ広い反射防止膜であっ
て任意の所望の分光反射率特性を示す反射防止膜を容易
に製造できる。また、真空蒸着法によるため、例えばデ
ィップコート法に比べ、膜厚制御が容易、膜強度に優れ
た膜が形成出来るなどの効果も得られる。
【図1】発明の実施の形態および比較例の説明図であ
り、透明基板、第1の層および第2の層の積層関係を示
した断面図である。
り、透明基板、第1の層および第2の層の積層関係を示
した断面図である。
【図2】発明の第1の実施の形態で得られる特性の説明
図である。
図である。
【図3】発明の第2の実施の形態で得られる特性の説明
図である。
図である。
【図4】発明の第3の実施の形態で得られる特性の説明
図である。
図である。
【図5】比較例1の説明に供する図である。
【図6】比較例2の説明に供する図である。
11:透明基板 13:第1の層 15:第2の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/06 C23C 14/06 R
Claims (3)
- 【請求項1】 透明基板上に順に設けられた第1の層お
よび該第1の層より屈折率が低くかつフッ素樹脂で構成
された第2の層から成る、2層構成の反射防止膜におい
て、 前記第1の層を前記透明基板より屈折率が低い物質の層
で構成したことを特徴とする反射防止膜。 - 【請求項2】 透明基板上に順に設けられた第1の層お
よび第2の層から成る2層構成の反射防止膜を製造する
に当たり、 透明基板上に屈折率が該透明基板より低い物質の層で構
成された第1の層を形成し、 該形成した第1の層上に屈折率が該第1の層より低くか
つフッ素樹脂で構成された第2の層を真空蒸着法により
形成すると共に、該蒸着時の蒸着速度および基板加熱温
度の少なくとも一方を制御して当該反射防止膜の特性を
制御することを特徴とする反射防止膜の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の反射防止膜の製造方法
において、 前記フッ素樹脂として、テトラフルオロエチレンと、
2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ
−1,3−ジオキソルとの共重合体を用いることを特徴
とする反射防止膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7256157A JPH0996701A (ja) | 1995-10-03 | 1995-10-03 | 反射防止膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7256157A JPH0996701A (ja) | 1995-10-03 | 1995-10-03 | 反射防止膜およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0996701A true JPH0996701A (ja) | 1997-04-08 |
Family
ID=17288704
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7256157A Pending JPH0996701A (ja) | 1995-10-03 | 1995-10-03 | 反射防止膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0996701A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000055130A3 (en) * | 1999-03-16 | 2001-04-12 | Du Pont | Fluoropolymer low reflecting layers for plastic lenses and devices |
| JP2002544115A (ja) * | 1999-05-15 | 2002-12-24 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング | フッ化物層の上に疎水性層を製造するための方法および組成物 |
| JP2006171332A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 反射防止膜 |
| JP2019059986A (ja) * | 2017-09-27 | 2019-04-18 | 吉田 國雄 | 薄膜の形成方法及び光学素子 |
-
1995
- 1995-10-03 JP JP7256157A patent/JPH0996701A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000055130A3 (en) * | 1999-03-16 | 2001-04-12 | Du Pont | Fluoropolymer low reflecting layers for plastic lenses and devices |
| JP2002544115A (ja) * | 1999-05-15 | 2002-12-24 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング | フッ化物層の上に疎水性層を製造するための方法および組成物 |
| JP4896297B2 (ja) * | 1999-05-15 | 2012-03-14 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | フッ化物層の上に疎水性層を製造するための多孔質モールド |
| JP2006171332A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 反射防止膜 |
| JP2019059986A (ja) * | 2017-09-27 | 2019-04-18 | 吉田 國雄 | 薄膜の形成方法及び光学素子 |
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