JPH0996702A - 光学的材料 - Google Patents

光学的材料

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JPH0996702A
JPH0996702A JP8193722A JP19372296A JPH0996702A JP H0996702 A JPH0996702 A JP H0996702A JP 8193722 A JP8193722 A JP 8193722A JP 19372296 A JP19372296 A JP 19372296A JP H0996702 A JPH0996702 A JP H0996702A
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JP
Japan
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refractive index
optical material
index layer
film
high refractive
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JP8193722A
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English (en)
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Munetake Tajima
宗丈 田嶋
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディッピング等によるコート法で、透明プラ
スチック板に少なくとも二層の多層膜をコートすること
により得られ、耐擦傷性、表面硬度、密着強度、及び膜
の外観に優れた光学的機能性薄膜、特に反射防止膜或い
はハーフミラー膜を提供するにある。 【解決手段】 透光性を有するプラスチック基板、該基
板上にコートされたハードコート層、及び該ハードコー
ト層上にコートされた金属アルコキシドを主成分とする
高屈折率層、及び該高屈折率層上にコートされた有機ケ
イ素化合物とコロイド状酸化物を主成分とする低屈折率
コート層から成り、三層の総膜厚が0.5μm〜10μ
mの範囲にあることを特徴とする耐擦傷性、表面硬度、
密着硬度、及び膜の外観に優れた反射防止膜として有用
な光学的材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反射防止膜或いはハーフ
ミラー膜として有用な光学的材料に関するもので、より
詳細にはディッピング等のコート法により、従来の真空
蒸着法による薄膜に匹敵するハードコート性能を備え、
反射防止性能又はミラー性能に優れた光学的材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】透光性を有するプラスチ
ック材料は、光学フィルターや光学レンズ等にも使用さ
れているが、屈折率が1.45〜1.60の範囲にある
ため、全くの透明といっても7〜10%程度の光線反射
をおこすことが問題となっている。
【0003】この光線反射は、光線透過率の低下をきた
し、反射によるゴースト現象の発生また透過して物を見
る際の見づらさの原因ともなる。
【0004】この反射を除去もしくは低減させる方法と
しては、真空蒸着法で低屈折率物質のフッ化マグネシウ
ム、シリカ等の1/4λ膜又は高屈折率物質の酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム等の1/4λ膜との組みあわせに
よる多層コートが使用されてきた。
【0005】光学レンズの様な小さな物へのコートにつ
いては、膜品質、生産性共に良好な方法ではあるが、C
RTディスプレイの全面パネルの様な大きな板について
は、蒸着釜への一回の投入数が極端に少なくなってしま
い、コストの高いものとなるという問題がある。
【0006】一方、別の方法として、低屈折率の有機材
料を適当な溶媒に溶解し透明プラスチック板にディッピ
ング法で製膜し、反射防止膜を得る方法も知られてい
る。この方法は大きな板へのコートも比較的容易である
が、コートの耐久性が十分でなくまた反射防止性能も未
だ十分満足しうるものでなかった。
【0007】また、金属アルコキシドを用いるゾルゲル
法の反射防止膜への応用も考えられているが、膜の外
観、表面硬度及び特に膜の密着強度について、未だ充分
なものが得られておらず、プラスチック品への実用化は
なされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ディッピング等によるコート法で、透明プラスチッ
ク板に少なくとも二層の多層膜をコートすることにより
得られ、耐擦傷性、表面硬度、密着強度、及び膜の外観
に優れた光学的機能性薄膜、特に反射防止膜或いはハー
フミラー膜を提供するにある。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明によれば、透光性を
有するプラスチック基板、該基板上にコートされたハー
ドコート層、及び該ハードコート層上にコートされた金
属アルコキシドを主成分とする高屈折率層、及び該高屈
折率層上にコートされた有機ケイ素化合物とコロイド状
酸化物を主成分とする低屈折率コート層から成り、三層
の総膜厚が0.5μm〜10μmの範囲にあることを特
徴とする耐擦傷性、表面硬度、密着硬度、及び膜の外観
に優れた反射防止膜として有用な光学的材料が提供され
る。
【0010】本発明によればまた、透光性を有するプラ
スチック基板、該基板上にコートされたハードコート層
及び該ハードコート層上にコートされた金属アルコキシ
ドを主成分とする高屈折率層から成り、二層の総膜厚が
0.5μm〜10μmの範囲にあることを特徴とする耐
擦傷性、表面硬度、密着強度、及び膜の外観に優れたハ
ーフミラー膜として有用な光学的材料が提供される。
【0011】
【作用】本発明では、ハードコート層と低屈折率層との
間に、或いはハードコート層上に設ける高屈折率層に金
属アルコキシドを主成分として使用した。その為、今ま
で有機物又は樹脂でえられなかった高屈折率化が可能と
なった(nD=1.77以上)。
【0012】金属アルコキシドを主成分とする高屈折率
層ができたことにより、その上に低屈折率のコートをの
せると、直接透明プラスチックに低屈折率のコートをの
せる場合に比して、反射防止効果が大きくなり、OA機
器のCRTフィルター等に使用した場合、画面の文字が
非常に見やすくなる。
【0013】高屈折率層の高屈折率化が可能となったた
め、その上に設ける低屈折率層の屈折率の選択が比較的
容易となり、そのため、低屈折率層の耐擦傷性、表面硬
度等を高めることが可能となった。
【0014】従来は、無機物を使用し、蒸着等による高
屈折率化は可能であったが、この方法では、大きな板に
コーティングすると生産性コストに問題があった。これ
に対して、本発明では、反射防止膜の作成を全てディッ
ピング等のコート法で行うことが可能となり、これによ
り生産性を向上させうると共に低コストで処理できると
いう利点もある。
【0015】反射防止膜から低屈折率層を除くことによ
り、反射膜を作成することができ、ハーフミラー等に利
用することもできる。金属アルコキシドを主成分とする
高屈折率層ができたことにより、今まで有機物や樹脂で
えられなかった高屈折率化が可能となり、ミラー性能が
格段に上がった。
【0016】
【発明の好適態様】本発明による光学的機能性薄膜の断
面構造を図1、図2において示す。
【0017】図1において、反射防止膜1は、透明プラ
スチック基板2、その表面に施されたハードコート層
3、ハードコート層上に施された高屈折率層4及び高屈
折率層に施された低屈折率層5から成っている。
【0018】図2において、ハーフミラー膜6は、透明
プラスチック基板2、その表面に施されたハードコート
層3、ハードコート層上に施された高屈折率層4から成
っている。
【0019】本発明では、ハードコート層3を有機ケイ
素化合物とコロイド状酸化物を主成分として成る組成物
から形成させることが望ましい。
【0020】ここで、有機ケイ素化合物としては、下記
一般式(1) Xab SiZ(4-a-b) ‥‥(1) 式中、Xは炭素数1〜12の有機基であり、Yは炭素数
1〜3の炭化水素基であり、Zはハロゲン原子又はアル
コキシ基であり、a及びbの各々は0〜1の数である、
で表されるものであるものが好ましく、上記アルコキシ
基としては、OCH3 ,OC25 ,OC3 7 等を挙
げることができる。
【0021】具体例としては、メチルシリケート、エチ
ルシリケート等のテトラアルコキシシラン類、メチルト
リメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン等のトリアルコキシシラン
類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアル
コキシシラン類より選ばれる。
【0022】特に硬度を必要とする場合、又は硬度を得
る為にある程度の膜厚を必要とする場合にはエポキシ
基、メタクリロイル基を含む有機ケイ素化合物が適して
いる。
【0023】又、これらの有機ケイ素化合物は、低温で
硬化を促進させるために、加水分解をして用いることが
できる。加水分解を行うものとして、塩酸、硝酸、硫酸
等の鉱酸又は酢酸、しゅう酸等の有機酸を水溶液として
使用するのが望ましい。
【0024】コロイド状酸化物としては、例えばシリカ
ゾル、チタニアゾル、アルミナゾル、酸化ジルコニウム
ゾル、酸化アンチモンゾル等が挙げられるが、屈折率調
整の点や有機溶媒に分散されている点で、また高屈折率
層との濡れや密着性の点から言うとシリカゾルが好まし
い。
【0025】このコーティング組成物では、より低温で
硬化を促進させるために、またより硬度を高めるため
に、触媒又は硬化剤が使用可能である。
【0026】具体例としては、金属アルコキシド、有機
カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する
有機ケイ素化合物等があるが、これらの触媒又は硬化剤
の中で特に好ましいのはアルミキレート化合物である。
【0027】ここで好ましいアルミキレート化合物とし
ては、 エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト アルミニウムトリスエチルアセトアセテート アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレ
ート アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセ
トアセテート アルミニウムトリスアセチルアセトネート 等である。
【0028】これらは、コーティング組成物の固形分の
0.01重量%〜10重量%、特に0.1重量%〜2重
量%で使用することが、高硬度を得る点で望ましい。
【0029】このハードコートのコーティング組成物の
溶媒としては、溶媒を添加した時に内容物が透明性を損
なうことや沈殿が発生するなどの不都合を生じなけれ
ば、それほどの制約はうけないが、好ましい溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチ
ルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶
媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等をあげる
ことができるが、特に好ましいのはアルコール系溶媒で
ある。
【0030】ハードコート層のコーティング組成物の固
形分濃度は、特に制限はないが、一般に作業性や生産
性、ハードコートの膜厚の点で全固形分が5〜50重量
%、特に15〜30重量%となる様に希釈して用いるこ
とが好ましい。
【0031】ハードコート層形成用のコーティング組成
物において、有機ケイ素化合物とシリカゾルの固形分の
比は、有機ケイ素化合物90〜10重量%及びシリカゾ
ル10〜90重量%の量比であることが好ましいが、特
に、有機ケイ素化合物30〜65重量%及びシリカゾル
70〜35重量%の量比で用いることが好ましい。シリ
カゾルが多過ぎると膜強度が弱くなり、反射防止膜の膜
強度が低下することになるし、有機ケイ素化合物が多過
ぎると、高屈折率層との密着の悪さ、ぬれの悪さが目立
ち、又、反射防止膜の反射防止性能にも悪影響を及ぼす
ことになる。
【0032】ハードコート層の膜厚としては、充分な硬
度を得られる膜厚であれば何ら問題はない。しかし、厚
すぎると塗膜に、クラックが入ることがある為適さな
い。好ましい膜厚は0.5μm〜10μm、より好まし
くは1μm〜5μmである。
【0033】また、基板とハードコート層の密着性が悪
い場合には、前処理として、コロナ処理、オゾン処理、
火炎処理、クロム酸酸化処理等の表面処理を行うことが
できる。更に、プライマー処理も行うことができる。そ
の際の膜厚は反射防止性能を妨げない厚さ、つまり10
0nm以下が好ましい。
【0034】また、ハードコート層は、アクリル樹脂
系、多官能アクリル樹脂であっても問題なく、市販のハ
ードコート処理を施したポリメチルメタクリレート板
や、ポリカーボネート板上に高屈折率層4、低屈折率層
5の順に塗膜を構成しても何ら問題はない。
【0035】本発明では、高屈折率層4を、金属アルコ
キシドを主成分として成る組成物から形成させる。
【0036】ここで、金属アルコキシドとしては、下記
式(2) M(OR)m ‥‥(2) 式中、Mは金属であり、Rは炭素数1〜5の炭化水素基
であり、mは金属Mの原子価であって、3または4の数
である、で表される金属アルコキシドが使用される。金
属としては、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ス
ズ等が適している。
【0037】金属アルコキシドの具体例としては、アル
ミニウムエトキサイド、アルミニウムイソプロポキサイ
ド、アルミニウムブトキサイド、アルミニウムt−ブト
キサイド、スズt−ブトキサイド、チタンメトキサイ
ド、チタンエトキサイド、チタンn−プロポキサイド、
チタンイソプロポキサイド、チタンn−ブトキサイド、
チタンイソブトキサイド、ジルコニウムエトキサイド、
ジルコニウムn−プロポキサイド、ジルコニウムイソプ
ロポキサイド、ジルコニウムn−ブトキサイド等であ
る。
【0038】これらの金属アルコキシドは水分と急速に
反応して沈殿物を生成する特徴があり、非常に不安定な
物質である。これらをβ−ジケトンと反応させてキレー
ト化合物にすることにより、安定なコーティング組成物
として使用できる。
【0039】ここでβ−ジケトンの具体例として、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロ
ピル、アセト酢酸i−プロピル、アセチルアセトン等が
あげられるが、最も好ましいβ−ジケトンとしてアセト
酢酸エチルがあげられる。
【0040】β−ジケトンは、金属アルコキシドに対し
て、0.5〜2molのmol比で用いられるが、より
好ましくは、0.8〜1.2molである。
【0041】又、金属アルコキシドをキレート化した化
合物を加水分解して用いてもよい。
【0042】加水分解を行うものとして塩酸、硝酸、硫
酸等の鉱酸又は酢酸、しゅう酸等の有機酸を水溶液とし
て用いてもよい。
【0043】加水分解に際して、使用される酸性水溶液
は、金属アルコキシドのキレート化合物1molに対し
て0.5mol〜2molが好ましい。より好ましいの
は、0.5mol〜1molである。
【0044】水分量が多いと、コーティング組成物の安
定性が悪くなる。
【0045】金属アルコキシドのキレート化合物のみで
形成される高屈折率層は、膜強度が弱いために、それ単
独で反射膜として利用するにはやや困難な面がある。ま
た、金属アルコキシドのキレート化合物だけでは膜厚を
厚くすることが難しく、その欠点を補うため、樹脂やコ
ロイド状酸化物を添加することができる。高屈折率膜中
の金属アルコキシドは30〜100重量%の量で含有さ
せることができる。
【0046】高屈折率膜中に使用できる樹脂は、エポキ
シ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フルオレン
環を骨格にもつ樹脂等があるが、特に好ましいのはエポ
キシ樹脂、フルオレン環を骨格にもつ樹脂である。これ
らの樹脂は屈折率が高いこと、金属アルコキシドと相溶
性のあること、膜強度を高め得ること、ハードコート層
と密着性が上がること、膜厚を厚くできること等の利点
がある。
【0047】また使用できるコロイド状酸化物として
は、有機溶媒に分散されたシリカゾル、ジルコニアゾ
ル、酸化すずゾル等があげられるが、特に好ましいの
は、ジルコニアゾル、酸化すずゾルであり、これらは、
屈折率が高いこと、膜厚を厚くできること、膜強度を高
め得ること、等の利点がある。これらは、いずれも水分
はほとんど入っていないため、コーティング組成物の安
定性を保つこともできる。
【0048】また、ハードコート層と高屈折率層との密
着性、或いは更に高屈折率層と低屈折率層との密着性を
向上させるため、高屈折率層のコート液にシランカップ
リング剤を添加することが特に望ましい。シラン系カッ
プリング剤の中でも、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランや、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング
剤が好適である。
【0049】高屈折率層用コーティング組成物における
シランカップリング剤の添加量は、固形分に対して0.
1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%であ
る。
【0050】さらに、このコーティング組成物には、有
機溶剤を溶媒として用いることができる。有機溶剤は、
金属アルコキシドや樹脂またはコロイド状酸化物と相溶
性があるものでよく、特に制限されない。溶剤として、
アルコール類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素
類等があげられ、具体例としては、イソプロパノール、
メチルイソブチルケトン、酢酸イソブチル、トルエン等
があげられ、固形分が全重量の1〜30重量%になる様
に濃度調整する。
【0051】高屈折率層の膜厚は、薄いものでよく、一
般に10nm〜200nmの範囲にあることが好まし
い。より好ましくは50〜200nmである。
【0052】反射防止膜における低屈折率層5は、有機
ケイ素化合物とコロイド状酸化物を主成分とする組成物
から形成される。
【0053】低屈折率層用コーティング組成物の組成や
製法は、ハードコート層のそれと同じであるが、反射防
止性能をもたせるために、低屈折率層の膜厚はハードコ
ート層と比べて薄いものでよく、一般に100nm〜4
00nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは
100〜200nmである。また、コーティング組成物
の固形分濃度は1重量%〜10重量%、より好ましくは
2重量%〜6重量%である。
【0054】また、低屈折率層では、100nm〜40
0nmという薄膜において耐擦傷性を賦与しなければな
らない。この目的を達成するために好ましい有機ケイ素
化合物はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
である。
【0055】低屈折率層用コーティング組成物中のγ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランとシリカゾル
の固形分比は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン90〜10重量%及びシリカゾル10〜90重量
%の量比にあるのが好ましいが、特に好ましくは、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30〜65重
量%及びシリカゾル70〜35重量%の量比である。シ
リカゾルが多過ぎると、膜強度が弱くなるし、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランが多過ぎると、低
屈折率層の高屈折率化をまねき、反射防止性能が悪くな
る。
【0056】また、このコーティング組成物には、塗布
時に表面平滑性を付与し、また濡れ性を高めるため、界
面活性剤を添加することもできる。好ましい界面活性剤
は、ポリエーテル変性シリコーンオイルやフッ素化アル
キルエステル系の界面活性剤である。
【0057】しかし、界面活性剤の添加は反射防止膜の
耐擦傷性を悪化させることにもなるので、充分注意して
使用する必要がある。
【0058】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0059】[実施例1] ハードコート層コーティング組成物の作製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン38.9
gを攪拌しながら、0.05N硝酸水溶液8.9gを徐
々に滴下して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン加水分解物を得た。前記の加水分解物に、メタノ
ールシリカゾル(固形分30%、日産化学製)160g
を添加し、充分攪拌した後、メタノール92.2g、エ
チルセロソルブ100gを添加し、更に、アルミニウム
トリスアセチルアセトネート(川研ファインケミカル
(株)製、商品名、アルミキレートA)を添加し、完全
に溶解させ、充分攪拌したのち、ハードコート層コーテ
ィング組成物(A)とした。
【0060】高屈折率層コーティング組成物の作製 シクロヘキサン929.8gを攪拌しながら、チタンテ
トラブトキシド50gを加え、その後、アセト酢酸エチ
ル19.2gを滴下し、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン1gを加え、充分攪拌したのち、高屈折率層コ
ーティング組成物(B−1)とした。。
【0061】低屈折率層コーティング組成物の作製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7.8g
を攪拌しながら、0.05N硝酸水溶液1.8gを徐々
に滴下して、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン加水分解物をえた。前述の加水分解物にメタノール
シリカゾル32gを添加し、イソプロパノール358.
4g、アルミキレートA 0.16gを添加して低屈折
率層コーティング組成物(C)とした。
【0062】コーティング組成物A、B−1、Cの順に
ポリカーボネートに塗布し、100℃で4時間の熱処理
を行い、反射防止性能を有する基板を得た。この反射防
止膜の性能は次の通りであった。 表面反射率 0.4%(550nm時) 鉛筆硬度 3H 耐擦傷性 傷つかず (スチールウール#0000にてテスト) 密着性 100/100 異常なし (被膜表面にカッターナイフで1mm×1mmのゴバン
目を100個入れて、セロハンテープ(ニチバン社製)
を強くはりつけて急速にはがし塗膜の状態を調べた)
【0063】[実施例2] 高屈折率層コーティング組成物の作成 イソプロピルアルコール876.9gを攪拌しながらチ
タンテトラブトキシド88gを加える。その後アセト酢
酸エチル33.7gを滴下し、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン1.6gを加
え、充分攪拌したのち、高屈折率層コーティング組成物
(B−2)とした。
【0064】コーティング組成物A、B−2、Cの順に
アクリル板に塗布し、100℃で4時間の熱処理を行
い、反射防止性能を有する基板を得た。この反射防止膜
の性能は次の通りであった。 表面反射率 0.6%(550nm時) 鉛筆硬度 6H 耐擦傷性 傷つかず 密着性 異常なし 100/100
【0065】[実施例3] 高屈折率層コーティング組成物の作製 シクロヘキサン83gを攪拌しながら、アセト酢酸エチ
ル4.7g、チタンテトラブトキシド12.3gを徐々
に滴下して充分攪拌を行った。チタンテトラブトキシド
のキレート化合物を得た。前記のキレート化合物溶液
に、メタノール19.3gに0.05N硝酸水溶液0.
7gをたした溶液を徐々に滴下して、キレート化合物の
加水分解物を得た。前述のキレート化合物の加水分解物
溶液にトルエン28.2gにビスフェノールA型エポキ
シ樹脂1.8g(大日本インキ化学工業(株)製、商品
名、エピクロン850)を溶解させた溶液を徐々に滴下
して充分攪拌を行った。前述の溶液にアルミキレートA
を0.3g添加し、溶解するまで充分攪拌し、高屈折率
層コーティング組成物(B−3)とした。
【0066】コーティング組成物A、B−3、Cの順に
ポリカーボネート板に塗布し、100℃4時間の熱処理
を行い、反射防止性能を有する基板を得た。この反射防
止膜の性能は次の通りであった。 表面反射率 0.4% 鉛筆硬度 3H 耐擦傷性 傷つかず 密着性 異常あり 30/100 即ち、密着性以外の点では、十分満足できるものであっ
た。
【0067】[実施例4]基板をポリメチルメタクリレ
ート板に変えた以外は実施例1と同様にして、反射防止
膜を製造した。性能は次の通りであった。 表面反射率 0.6%(550nm時) 鉛筆硬度 6H 耐擦傷性 傷つかず 密着性 異常なし 100/100
【0068】[実施例5]γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン100gに、ビス(4−t−ブチル
シクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート(化薬アク
ゾ(株)製、商品名、パーカドックス16)を80℃1
時間攪拌させて粘稠なシラップを得た。このシラップ4
0.9gを、ハードコート層コーティング組成物(A)
のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン38.
9gの代わりに用いる以外は、実施例4と同様にして、
反射防止膜を製造した。性能は次の通りであった。 表面反射率 0.7%(550nm時) 鉛筆硬度 6H 耐擦傷性 傷つかず 密着性 異常なし 100/100
【0069】[実施例6]前述したコーティング組成物
A,及びB−1の順で、ポリカーボネート基板に塗布
し、100℃、4時間の熱処理を行い、ハーフミラー性
能を有する基板を得た。性能は次の通りであった。 表面反射率 31.6%(500nm時) 鉛筆硬度 3H 耐擦傷性 傷つかず 密着性 異常なし 100/100
【0070】[比較例1]ポリカーボネート基板に、コ
ーティング組成物(C)のみを塗布し、100℃、4時
間の熱処理を行った。結果は次の通りであった。 表面反射率 5.3%(550nm時) 鉛筆硬度 B 耐擦傷性 傷つく 密着性 異常あり 0/100
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック基体に、
ハードコート層を介して金属アルコキシドを主成分とす
る高屈折率層を設け、或いは更にこの上に特定の低屈折
率コート層を設けたことにより、優れたミラー性能或い
は反射防止性能を有する光学材料が得られ、形成される
薄膜は、表面硬度、耐擦傷性、密着強度及び外観に優れ
ている。また、高屈折率層のコーティング層にシランカ
ップリング剤を添加することにより、ハードコート層と
高屈折率層との密着性、或いは更に高屈折率層と低屈折
率層との密着性を更に向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜の断面構造を示す断面図で
ある。
【図2】本発明のハーフミラー膜の断面構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 反射防止膜 2 透明プラスチック基板 3 ハードコート層 4 高屈折率層 5 低屈折率層 6 ハーフミラー膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有するプラスチック基板、該基
    板上にコートされたハードコート層、及び該ハードコー
    ト層上にコートされた金属アルコキシドを主成分とする
    高屈折率層、及び該高屈折率層上にコートされた有機ケ
    イ素化合物とコロイド状酸化物を主成分とする低屈折率
    コート層から成り、三層の総膜厚が0.5μm〜10μ
    mの範囲にあることを特徴とする耐擦傷性、表面硬度、
    密着硬度、及び膜の外観に優れた反射防止膜として有用
    な光学的材料。
  2. 【請求項2】 透光性を有するプラスチック基板、該基
    板上にコートされたハードコート層及び該ハードコート
    層上にコートされた金属アルコキシドを主成分とする高
    屈折率層から成り、二層の総膜厚が0.5μm〜10μ
    mの範囲にあることを特徴とする耐擦傷性、表面硬度、
    密着強度、及び膜の外観に優れたハーフミラー膜として
    有用な光学的材料。
  3. 【請求項3】 ハードコート層がアクリル系樹脂又は有
    機ケイ素化合物とコロイド状酸化物を主成分とするもの
    から成る請求項1または2記載の光学的材料。
  4. 【請求項4】 有機ケイ素化合物が下記式(1) Xab SiZ(4-a-b) ‥‥(1) 式中、Xは炭素数1〜12の有機基であり、 Yは炭素数1〜3の炭化水素基であり、 Zはハロゲン原子又はアルコキシ基であり、 a及びbの各々は0〜1の数である、で表されるもので
    ある請求項3記載の光学的材料。
  5. 【請求項5】 ハードコート層中のコロイド状酸化物が
    10重量%〜90重量%含まれることを特徴とする請求
    項3または4記載の光学的材料。
  6. 【請求項6】 高屈折率層中の金属アルコキシドが下記
    式(2) M(OR)m ‥‥(2) 式中、Mは金属であり、 Rは炭素数1〜5の炭化水素基であり、 mは金属Mの原子価であって、3または4の数である、
    で表されるものである請求項1乃至5の何れかに記載の
    光学的材料。
  7. 【請求項7】 金属アルコキシドは高屈折率層の被膜中
    に30〜100重量%含まれることを特徴とする請求項
    1乃至6の何れかに記載の光学的材料。
  8. 【請求項8】 高屈折率層中に屈折率1.56以上の樹
    脂又はコロイド状酸化物が0〜70重量%含まれること
    を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の光学的材
    料。
  9. 【請求項9】 高屈折率層中にシランカップリング剤が
    0.1〜10重量%含まれることを特徴とする請求項1
    乃至8の何れかに記載の光学的材料。
  10. 【請求項10】 高屈折率層の膜厚は10nm〜200
    nmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至9の何
    れかに記載の光学的材料。
  11. 【請求項11】 低屈折率層のコロイド状酸化物が10
    〜90重量%含まれることを特徴とする請求項1記載の
    光学的材料。
  12. 【請求項12】 低屈折率層の膜厚が100nm〜40
    0nmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の光
    学的材料。
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