JPH10101413A - Ptcセラミック、その製造法およびヒータ - Google Patents
Ptcセラミック、その製造法およびヒータInfo
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- JPH10101413A JPH10101413A JP8255970A JP25597096A JPH10101413A JP H10101413 A JPH10101413 A JP H10101413A JP 8255970 A JP8255970 A JP 8255970A JP 25597096 A JP25597096 A JP 25597096A JP H10101413 A JPH10101413 A JP H10101413A
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Landscapes
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- Thermistors And Varistors (AREA)
- Resistance Heating (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】温度に対する電気抵抗の変化が多段に変化する
特性を有するPTCセラミックおよび耐電圧の高いPT
Cセラミックヒータを提供する。 【解決手段】本発明のPTCセラミックは、それぞれ異
なったPTC特性を示す2種以上のPTCセラミック成
分の領域が、無秩序に分布したランダム構造を持つか、
または相互に積層された層状構造を持つ。それらの領域
が互いに直列、並列または直並列に接続した状態にあ
り、温度に対する電気抵抗の変化が多段に変化する。中
間層1をキュリー温度の高いPTCセラミックとし、両
側の層2をキュリー温度が低い層とすることにより耐電
圧の高いヒーターとなる。
特性を有するPTCセラミックおよび耐電圧の高いPT
Cセラミックヒータを提供する。 【解決手段】本発明のPTCセラミックは、それぞれ異
なったPTC特性を示す2種以上のPTCセラミック成
分の領域が、無秩序に分布したランダム構造を持つか、
または相互に積層された層状構造を持つ。それらの領域
が互いに直列、並列または直並列に接続した状態にあ
り、温度に対する電気抵抗の変化が多段に変化する。中
間層1をキュリー温度の高いPTCセラミックとし、両
側の層2をキュリー温度が低い層とすることにより耐電
圧の高いヒーターとなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二つ以上のPTC
特性を有するPTCセラミック、その製造方法およびヒ
ータに関する。
特性を有するPTCセラミック、その製造方法およびヒ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】温度変化により電気抵抗が急峻に変わる
セラミックスは、一般にサーミスタの名称で知られてい
る。PTCセラミックスはサーミスタの一種で、温度上
昇するにつれて電気抵抗が増加する。このPTCセラミ
ックスは、例えば強誘電体として知られるチタン酸バリ
ュウム(BaTiO3)の粉末に、原子価制御成分であ
る微量の希土類酸化物などを添加混合し、必要ならばこ
れに焼結促進剤を加えて焼結すれば得られる。
セラミックスは、一般にサーミスタの名称で知られてい
る。PTCセラミックスはサーミスタの一種で、温度上
昇するにつれて電気抵抗が増加する。このPTCセラミ
ックスは、例えば強誘電体として知られるチタン酸バリ
ュウム(BaTiO3)の粉末に、原子価制御成分であ
る微量の希土類酸化物などを添加混合し、必要ならばこ
れに焼結促進剤を加えて焼結すれば得られる。
【0003】PTCセラミックスの特徴はキュリー点を
越えると電気抵抗が急峻に増加し、キュリー点以下の抵
抗値の100〜100,000倍にも達する。この抵抗
値の変化率は、CuやMnなどの酸化物または塩を添加
することにより、変えることが出来る。また、キュリー
点はチタン酸バリュウム中のBaの一部をSrやPbで
置換したり、Tiの一部をSnやZrで置換することに
より変えることができる。
越えると電気抵抗が急峻に増加し、キュリー点以下の抵
抗値の100〜100,000倍にも達する。この抵抗
値の変化率は、CuやMnなどの酸化物または塩を添加
することにより、変えることが出来る。また、キュリー
点はチタン酸バリュウム中のBaの一部をSrやPbで
置換したり、Tiの一部をSnやZrで置換することに
より変えることができる。
【0004】しかし、従来のPTCセラミックは、一つ
の素子についてただ一つのキュリー点しか持たない。こ
の結果、キュリー点を越えたときの温度−抵抗特性も定
まった関係しか持たないという問題がある。これらの問
題を解決するために、異なったPTC特性を持つ複数個
の領域を一つのセラミック素子中に生成させる試みがあ
るが、予め目的とする特性を持つように配合された粉体
をそれぞれの領域として焼結すると、各領域の成分が相
互に拡散して目的とした特性のPTCセラミックスは得
られないという製造上の問題がある。
の素子についてただ一つのキュリー点しか持たない。こ
の結果、キュリー点を越えたときの温度−抵抗特性も定
まった関係しか持たないという問題がある。これらの問
題を解決するために、異なったPTC特性を持つ複数個
の領域を一つのセラミック素子中に生成させる試みがあ
るが、予め目的とする特性を持つように配合された粉体
をそれぞれの領域として焼結すると、各領域の成分が相
互に拡散して目的とした特性のPTCセラミックスは得
られないという製造上の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一つの素子
の温度に対する電気抵抗の変化が多段に変化する特性を
有するPTCセラミックおよびその製造方法ならびにヒ
ータを提供することを課題とする。さらに、耐電圧の高
いPTCセラミックおよびヒータを提供することを課題
とする。
の温度に対する電気抵抗の変化が多段に変化する特性を
有するPTCセラミックおよびその製造方法ならびにヒ
ータを提供することを課題とする。さらに、耐電圧の高
いPTCセラミックおよびヒータを提供することを課題
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、まず、電気抵
抗の合成回路について検討した。そして一個のPTCセ
ラミックス素子の温度に対する電気抵抗変化が図1の
(C)ような特性を持つためには、一つの素子に図1の
(A)と(B)のような温度に対する抵抗変化特性を持
つ微少領域が無秩序に混在する組織とするか、相互に層
状に存在する組織とすればよいことを考えるに至った。
なお、図1の電気抵抗変化(C)は電気抵抗変化(A)
と(B)の成分が電気的にほぼ並列のときの模式図であ
って、複合体の実際の電気抵抗変化は相互の成分の混合
構造により異なるものである。
抗の合成回路について検討した。そして一個のPTCセ
ラミックス素子の温度に対する電気抵抗変化が図1の
(C)ような特性を持つためには、一つの素子に図1の
(A)と(B)のような温度に対する抵抗変化特性を持
つ微少領域が無秩序に混在する組織とするか、相互に層
状に存在する組織とすればよいことを考えるに至った。
なお、図1の電気抵抗変化(C)は電気抵抗変化(A)
と(B)の成分が電気的にほぼ並列のときの模式図であ
って、複合体の実際の電気抵抗変化は相互の成分の混合
構造により異なるものである。
【0007】また、キュリー点の高い板状のPTCセラ
ミックの両側面をキュリー点の低いPTCセラミックで
挟んだ構造とすれば、素子の耐電圧が上がることも見出
した。そして、このような組織を持つPTCセラミック
スを得る製造法として、2種以上のキュリー点の異なる
PTCセラミック成分の少なくとも一方が塊状となって
無秩序に分布したランダム構造として、あるいは各該P
TCセラミック成分が相互に積層された層状構造として
成形したのち、短時間に焼結すれば、添加成分の相互拡
散は防げることも可能であることに思い至り、本発明を
完成したものである。
ミックの両側面をキュリー点の低いPTCセラミックで
挟んだ構造とすれば、素子の耐電圧が上がることも見出
した。そして、このような組織を持つPTCセラミック
スを得る製造法として、2種以上のキュリー点の異なる
PTCセラミック成分の少なくとも一方が塊状となって
無秩序に分布したランダム構造として、あるいは各該P
TCセラミック成分が相互に積層された層状構造として
成形したのち、短時間に焼結すれば、添加成分の相互拡
散は防げることも可能であることに思い至り、本発明を
完成したものである。
【0008】すなわち、本発明のPTCセラミックは、
それぞれ異なったPTC特性を示す2種以上のPTCセ
ラミック成分の領域が、無秩序に分布したランダム構造
を持つか、または相互に積層された層状構造を持つ、こ
とを特徴とする。また、本発明のセラミック製造法は、
それぞれ異なったPTC特性を示す2種以上のPTCセ
ラミック成分の少なくとも一方が塊状となって無秩序に
分布したランダム構造として、あるいは各該PTCセラ
ミック成分が相互に積層された層状構造として成形した
のち、短時間に焼結すること特徴とするものである。
それぞれ異なったPTC特性を示す2種以上のPTCセ
ラミック成分の領域が、無秩序に分布したランダム構造
を持つか、または相互に積層された層状構造を持つ、こ
とを特徴とする。また、本発明のセラミック製造法は、
それぞれ異なったPTC特性を示す2種以上のPTCセ
ラミック成分の少なくとも一方が塊状となって無秩序に
分布したランダム構造として、あるいは各該PTCセラ
ミック成分が相互に積層された層状構造として成形した
のち、短時間に焼結すること特徴とするものである。
【0009】さらに本発明のPTCセラミックヒータ
は、キュリー温度の高いPTCセラミック成分からなる
中央部と該中央部の両側に一体的に形成されたキュリー
温度の低いPTCセラミック成分からなる両側部と該両
側部の外側に一体的に形成された一対の電極からなる。
は、キュリー温度の高いPTCセラミック成分からなる
中央部と該中央部の両側に一体的に形成されたキュリー
温度の低いPTCセラミック成分からなる両側部と該両
側部の外側に一体的に形成された一対の電極からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のPTCセラミックは、キ
ュリー点が異なる2種類以上の微少領域が、無秩序に分
布するか、または積層された組織から構成されることを
特徴とする。この組織を模式的に示したものが図2
(a)、(b)および図3(a)、(b)である。
ュリー点が異なる2種類以上の微少領域が、無秩序に分
布するか、または積層された組織から構成されることを
特徴とする。この組織を模式的に示したものが図2
(a)、(b)および図3(a)、(b)である。
【0011】図2中の白色の領域と黒色の領域はそれぞ
れ異なったPTC特性をもつ成分で構成されていること
を示しており、図2(a)ではそれぞれの領域が不連続
であるが、図2(b)では黒色の領域が連続相をなす場
合である。図3はそれぞれ異なったPTC特性を持つ成
分が層状に積層されているものを示しており、図3
(a)ではそれぞれの領域が電気的に直列であり、図3
(b)では並列である。
れ異なったPTC特性をもつ成分で構成されていること
を示しており、図2(a)ではそれぞれの領域が不連続
であるが、図2(b)では黒色の領域が連続相をなす場
合である。図3はそれぞれ異なったPTC特性を持つ成
分が層状に積層されているものを示しており、図3
(a)ではそれぞれの領域が電気的に直列であり、図3
(b)では並列である。
【0012】このような異なったPTC特性を持つ成分
は、従来から知られた知見によって得ることが出来る。
すなわち、チタン酸バリュウムの組成を主体とし、チタ
ン酸バリュウムを半導体化する元素であるLaまたはY
等の酸化物を添加し、これにキュリー温度が目的の値と
なるようにSrやPbまたはZrやSnの酸化物の所要
量と、抵抗の変化率が目的の値となるようにMnやCu
の酸化物の所要量とをそれぞれ添加して、焼結すればP
TCセラミックが得られる。
は、従来から知られた知見によって得ることが出来る。
すなわち、チタン酸バリュウムの組成を主体とし、チタ
ン酸バリュウムを半導体化する元素であるLaまたはY
等の酸化物を添加し、これにキュリー温度が目的の値と
なるようにSrやPbまたはZrやSnの酸化物の所要
量と、抵抗の変化率が目的の値となるようにMnやCu
の酸化物の所要量とをそれぞれ添加して、焼結すればP
TCセラミックが得られる。
【0013】異なるPTC特性をもつ成分で形成される
領域は、それぞれの領域が、予め目的としたPTC特性
を発現できる大きさ以上の領域から成り、またそれぞれ
の領域は相互に電気的に接続し、それらの領域が互いに
直列、並列または直並列に接続した状態にある。したが
って、このような組織を持つPTCセラミック体の両端
に電極を付け、抵抗体とすればその温度に対する電気抵
抗の特性は図1の(C)のようになる。
領域は、それぞれの領域が、予め目的としたPTC特性
を発現できる大きさ以上の領域から成り、またそれぞれ
の領域は相互に電気的に接続し、それらの領域が互いに
直列、並列または直並列に接続した状態にある。したが
って、このような組織を持つPTCセラミック体の両端
に電極を付け、抵抗体とすればその温度に対する電気抵
抗の特性は図1の(C)のようになる。
【0014】前記の特性を持つ領域は図3(a)、
(b)に示すように二層以上が相互に層状となった構造
でもよい。この場合は、いうまでもなく、異なったPT
C特性をもつ成分が電気的に直列または並列になってい
るので、温度に対する電気抵抗の変化が二段に変化する
特性となる。中間層をキュリー温度の高いPTCセラミ
ックとし、それを挟む両側の面を、キュリー温度が低い
層とした、三層構造のPTCセラミックの両外側面に電
極を付けてヒーター素子とすれば、耐電圧の高いヒータ
ーとすることが出来る。通常、PTCヒーターに電圧を
印加すれば、キュリー点に至るまで抵抗に見合った電流
が流れ、キュリー点を越えると抵抗が急増するので電流
は減少し、温度上昇は抑えられる。しかし、ここでさら
に電圧を高くし温度を上昇させるとPTC素子はブレー
クダウン現象を起こし素子が破壊されるに至る。
(b)に示すように二層以上が相互に層状となった構造
でもよい。この場合は、いうまでもなく、異なったPT
C特性をもつ成分が電気的に直列または並列になってい
るので、温度に対する電気抵抗の変化が二段に変化する
特性となる。中間層をキュリー温度の高いPTCセラミ
ックとし、それを挟む両側の面を、キュリー温度が低い
層とした、三層構造のPTCセラミックの両外側面に電
極を付けてヒーター素子とすれば、耐電圧の高いヒータ
ーとすることが出来る。通常、PTCヒーターに電圧を
印加すれば、キュリー点に至るまで抵抗に見合った電流
が流れ、キュリー点を越えると抵抗が急増するので電流
は減少し、温度上昇は抑えられる。しかし、ここでさら
に電圧を高くし温度を上昇させるとPTC素子はブレー
クダウン現象を起こし素子が破壊されるに至る。
【0015】一般にヒーターなど発熱体では表面ほど温
度が低く、内部ほど温度が高いので、一層のPTCヒー
ターでは内部の高温部分のみの抵抗の高い部分に全電圧
が集中しブレークダウンしやすい。本発明の三層構造の
ヒーター素子では、両側面のPTCセラミックのキュリ
ー点を低くしてあるので、表面温度が内部に対し相対的
に低くても、その抵抗は内部と同程度になり、電圧がヒ
ーターの厚み全体で分担されるので、ブレークダウンし
にくくなる。したがって一層のみのPTCセラミックよ
り耐電圧を高くすることができる。
度が低く、内部ほど温度が高いので、一層のPTCヒー
ターでは内部の高温部分のみの抵抗の高い部分に全電圧
が集中しブレークダウンしやすい。本発明の三層構造の
ヒーター素子では、両側面のPTCセラミックのキュリ
ー点を低くしてあるので、表面温度が内部に対し相対的
に低くても、その抵抗は内部と同程度になり、電圧がヒ
ーターの厚み全体で分担されるので、ブレークダウンし
にくくなる。したがって一層のみのPTCセラミックよ
り耐電圧を高くすることができる。
【0016】上記特性を有するPTCセラミックの製造
は次の工程から成る。第1は、それぞれ異なったPTC
特性を示す2種以上のPTCセラミック成分を調製す
る。各成分はそれぞれの配合粉末を仮焼して粉末の成分
同士を反応させることによって得られる。得られた仮焼
体はボールミル等で粉砕して粉末にされ、あるいはさら
にこの粉末をスプレードライヤーなどを用いて数十μm
〜百μmの顆粒とされる。
は次の工程から成る。第1は、それぞれ異なったPTC
特性を示す2種以上のPTCセラミック成分を調製す
る。各成分はそれぞれの配合粉末を仮焼して粉末の成分
同士を反応させることによって得られる。得られた仮焼
体はボールミル等で粉砕して粉末にされ、あるいはさら
にこの粉末をスプレードライヤーなどを用いて数十μm
〜百μmの顆粒とされる。
【0017】このようにして得られた各成分の仮焼体粉
末あるいは顆粒を用いて、一方が塊状となって無秩序に
分布したランダム構造、あるいは、各PTCセラミック
成分が相互に積層された層状構造に成形される。ランダ
ム構造とするためには少なくとも一方のPTCセラミッ
ク成分が顆粒状にするのが好ましい。そしてランダム構
造あるいは層状構造にしてプレス等で成形する。層状構
造に成形する場合は、層の厚さが数十μm以上であれ
ば、仮焼前の粉体をそのまま使っても容易に成形でき
る。
末あるいは顆粒を用いて、一方が塊状となって無秩序に
分布したランダム構造、あるいは、各PTCセラミック
成分が相互に積層された層状構造に成形される。ランダ
ム構造とするためには少なくとも一方のPTCセラミッ
ク成分が顆粒状にするのが好ましい。そしてランダム構
造あるいは層状構造にしてプレス等で成形する。層状構
造に成形する場合は、層の厚さが数十μm以上であれ
ば、仮焼前の粉体をそのまま使っても容易に成形でき
る。
【0018】焼成は塊状または層中の成分が相互に完全
には拡散しないように、特に短時間で行う必要がある。
所定温度までの昇温時間と昇温後の焼成時間とを数分以
内とすることが好ましい。このため、予め所定の温度に
昇温された焼成炉に、前記成形体を直接挿入するか、パ
ルス焼結法や直接通電法を用いる。得られた焼結体をP
TCサーミスタ素子として用いるための電極は、従来用
いられているように、セラミックとオーム性接触をする
Agを主成分とする焼き付けペースト、無電解Niメッ
キ、Ni−Cr合金の蒸着などを用いることが出来る。
には拡散しないように、特に短時間で行う必要がある。
所定温度までの昇温時間と昇温後の焼成時間とを数分以
内とすることが好ましい。このため、予め所定の温度に
昇温された焼成炉に、前記成形体を直接挿入するか、パ
ルス焼結法や直接通電法を用いる。得られた焼結体をP
TCサーミスタ素子として用いるための電極は、従来用
いられているように、セラミックとオーム性接触をする
Agを主成分とする焼き付けペースト、無電解Niメッ
キ、Ni−Cr合金の蒸着などを用いることが出来る。
【0019】
【作用】本発明のPTCセラミックは、それぞれ異なっ
たPTC特性を示す二種以上のPTCセラミック成分の
領域が、無秩序に分布したランダム構造を持つか、また
は相互に積層された層状構造を持つ。そしてそれぞれの
領域は相互に電気的に接続し、それらの領域が互いに直
列、並列または直並列に接続した状態にある。したがっ
て、このような組織を持つ本発明のPTCセラミックは
二種以上のPTC特性を複合した特性を持ち、従来の一
種類のPTC特性をもつものでは得られない温度に対す
る電気抵抗変化の特性を持つものとなる。
たPTC特性を示す二種以上のPTCセラミック成分の
領域が、無秩序に分布したランダム構造を持つか、また
は相互に積層された層状構造を持つ。そしてそれぞれの
領域は相互に電気的に接続し、それらの領域が互いに直
列、並列または直並列に接続した状態にある。したがっ
て、このような組織を持つ本発明のPTCセラミックは
二種以上のPTC特性を複合した特性を持ち、従来の一
種類のPTC特性をもつものでは得られない温度に対す
る電気抵抗変化の特性を持つものとなる。
【0020】
(実施例1)Ba:La:Tiのモル比が0.997:
0.003:1.0になるよにBaCO3、La2O3、T
iO2、を配合し、その全体に対して2wt%の高純度
カオリンを焼結助剤として添加した組成の(A)(キュ
リー温度が約120℃のPTCセラミック組成)を調製
した。さらに、Ba:Pb:La:Tiのモル比が0.
797、0.2、0.003、1.0となるようにBaC
O3、SrCO3、La2O 3およびTiO2を配合し、そ
の全体に対して配合(A)と同様に2wt%の高純度カ
オリンを焼結助剤として添加した組成の配合(B)(キ
ュリー温度が約200℃のPTCセラミック組成)とを
それぞれ乾燥混合して調整した。
0.003:1.0になるよにBaCO3、La2O3、T
iO2、を配合し、その全体に対して2wt%の高純度
カオリンを焼結助剤として添加した組成の(A)(キュ
リー温度が約120℃のPTCセラミック組成)を調製
した。さらに、Ba:Pb:La:Tiのモル比が0.
797、0.2、0.003、1.0となるようにBaC
O3、SrCO3、La2O 3およびTiO2を配合し、そ
の全体に対して配合(A)と同様に2wt%の高純度カ
オリンを焼結助剤として添加した組成の配合(B)(キ
ュリー温度が約200℃のPTCセラミック組成)とを
それぞれ乾燥混合して調整した。
【0021】その後、配合(A)は1150℃で、配合
(B)は1050℃でそれぞれ2時間仮焼した。仮焼し
た粉末をそれぞれボールミルで、水を溶媒として粉砕
し、これらの泥漿をスプレードライヤーで乾燥、造粒し
た。造粒粉の大きさは平均で120μmであった。次
に、配合(A)の造粒粉末20wt%と配合(B)の造
粒粉末80wt%とを造粒粉末が潰れないように混合し
た。この混合粉末を直径20mmの金型で約10MPa
の圧力で成形した。この成形体を黒鉛製の加熱容器に入
れ、パルス通電焼結法で、約5分間で1400℃まで昇
温し、この温度で2分間保持したのち、自然冷却した。
この実施例の組織は図2(a)に示す配合(A)および
配合(B)よりなる2種類の成分からなる領域がランダ
ムに分布する組織を持つものである。
(B)は1050℃でそれぞれ2時間仮焼した。仮焼し
た粉末をそれぞれボールミルで、水を溶媒として粉砕
し、これらの泥漿をスプレードライヤーで乾燥、造粒し
た。造粒粉の大きさは平均で120μmであった。次
に、配合(A)の造粒粉末20wt%と配合(B)の造
粒粉末80wt%とを造粒粉末が潰れないように混合し
た。この混合粉末を直径20mmの金型で約10MPa
の圧力で成形した。この成形体を黒鉛製の加熱容器に入
れ、パルス通電焼結法で、約5分間で1400℃まで昇
温し、この温度で2分間保持したのち、自然冷却した。
この実施例の組織は図2(a)に示す配合(A)および
配合(B)よりなる2種類の成分からなる領域がランダ
ムに分布する組織を持つものである。
【0022】得られた焼結体は黒青色で、導電性であっ
たがPTC特性は極く僅かしか認められなかった。この
焼結体を大気炉中で1150℃で1時間加熱したとこ
ろ、第2図(C)に示すような、抵抗が温度に対して二
段に変化する特性となった。 (実施例2)実施例1と同じ配合(A)、配合(B)の
仮焼した粉末を等量、混じり合わないように金型に層状
に充填し、加圧力20MPaで成形したのち、静水圧プ
レスで加圧力300MPaで成形した。この成形体を9
00℃に加熱しておき、次いで予め1450℃に保持し
た炉内に一気に挿入し、15分間保持したのち取り出し
た。この実施例の組織は図3(a)に示す配合(A)お
よび配合(B)よりなる2種類の成分からなる領域が層
状に積層された組織を持つものである。
たがPTC特性は極く僅かしか認められなかった。この
焼結体を大気炉中で1150℃で1時間加熱したとこ
ろ、第2図(C)に示すような、抵抗が温度に対して二
段に変化する特性となった。 (実施例2)実施例1と同じ配合(A)、配合(B)の
仮焼した粉末を等量、混じり合わないように金型に層状
に充填し、加圧力20MPaで成形したのち、静水圧プ
レスで加圧力300MPaで成形した。この成形体を9
00℃に加熱しておき、次いで予め1450℃に保持し
た炉内に一気に挿入し、15分間保持したのち取り出し
た。この実施例の組織は図3(a)に示す配合(A)お
よび配合(B)よりなる2種類の成分からなる領域が層
状に積層された組織を持つものである。
【0023】得られた焼結体を1150℃の大気炉中で
1時間加熱し、PTC特性を発現させた。この素子の積
層方向と平行な両外面にZnを含むAgペーストを塗
布、焼き付けしてオーム性電極を形成した。この積層素
子の電気抵抗は120℃付近と200℃付近とで二段に
増加した。 (実施例3)Ba:La:Ti:Snのモル比が0.9
97、0.003、0.92、0.08になるようにB
aCO3、La2CO3、TiO2およびSnO2を配合
し、その全体に対して2wt%の高純度カオリンを焼結
助剤として添加した配合(C)(キュリー温度が約60
℃のPTCセラミック組成)を乾燥混合して調整し、さ
らに1100℃で2時間仮焼した。仮焼した粉末をボー
ルミルで湿式粉砕し、この泥漿をスプレードライヤーで
乾燥して造粒した。
1時間加熱し、PTC特性を発現させた。この素子の積
層方向と平行な両外面にZnを含むAgペーストを塗
布、焼き付けしてオーム性電極を形成した。この積層素
子の電気抵抗は120℃付近と200℃付近とで二段に
増加した。 (実施例3)Ba:La:Ti:Snのモル比が0.9
97、0.003、0.92、0.08になるようにB
aCO3、La2CO3、TiO2およびSnO2を配合
し、その全体に対して2wt%の高純度カオリンを焼結
助剤として添加した配合(C)(キュリー温度が約60
℃のPTCセラミック組成)を乾燥混合して調整し、さ
らに1100℃で2時間仮焼した。仮焼した粉末をボー
ルミルで湿式粉砕し、この泥漿をスプレードライヤーで
乾燥して造粒した。
【0024】この配合(C)の仮焼粉末と実施例1の配
合(A)の仮焼粉末を用い、実施例2と同じ方法で、配
合(A)の仮焼粉末を中央に、配合(C)の仮焼粉末を
その上下に積層した三層構造に成形した。そして実施例
1と同様のパルス通電法で焼結し、大気中で熱処理し
た。その後その上下にニッケル無電解メッキ法により電
極3、3を形成した。このようにしてPTCセラミック
ヒータを製造した。
合(A)の仮焼粉末を用い、実施例2と同じ方法で、配
合(A)の仮焼粉末を中央に、配合(C)の仮焼粉末を
その上下に積層した三層構造に成形した。そして実施例
1と同様のパルス通電法で焼結し、大気中で熱処理し
た。その後その上下にニッケル無電解メッキ法により電
極3、3を形成した。このようにしてPTCセラミック
ヒータを製造した。
【0025】このPTCセラミックヒータの断面を図4
に示す。このPTCセラミックヒータは直径15mmの
円盤状で、中央のキュリー温度が約120℃のPTCセ
ラミックを持つ配合(A)の仮焼粉末から形成された部
分の中央層1は厚さ1.5mm、両側側のキュリー温度
が約60℃のPTCセラミック組成を持つ配合(C)の
仮焼粉末から形成された部分の外側層2、3はそれぞれ
0.5mmである。このPTCセラミックヒータのブレ
ークダウン電圧は450Vであった。
に示す。このPTCセラミックヒータは直径15mmの
円盤状で、中央のキュリー温度が約120℃のPTCセ
ラミックを持つ配合(A)の仮焼粉末から形成された部
分の中央層1は厚さ1.5mm、両側側のキュリー温度
が約60℃のPTCセラミック組成を持つ配合(C)の
仮焼粉末から形成された部分の外側層2、3はそれぞれ
0.5mmである。このPTCセラミックヒータのブレ
ークダウン電圧は450Vであった。
【0026】なお、配合(A)の仮焼粉末のみで形成さ
れた同じ大きさ形状のPTCセラミックヒータのブレー
クダウン電圧は280Vであった。
れた同じ大きさ形状のPTCセラミックヒータのブレー
クダウン電圧は280Vであった。
【0027】
【発明の効果】本発明のPTCセラミックの製造法によ
れば、一つの素子の温度に対する電気抵抗の変化が多段
で急峻なもの、または緩やかなもの、さらには耐電圧の
高いPTC発熱体が得られる。したがって、近年、益々
微細化する電子回路の素子として組み込む場合、幾何学
的制約が少なくなるので、小型化、低コスト化に寄与す
るところが大である。
れば、一つの素子の温度に対する電気抵抗の変化が多段
で急峻なもの、または緩やかなもの、さらには耐電圧の
高いPTC発熱体が得られる。したがって、近年、益々
微細化する電子回路の素子として組み込む場合、幾何学
的制約が少なくなるので、小型化、低コスト化に寄与す
るところが大である。
【図1】特性の異なる領域から成るPTCセラミックの
温度と電気抵抗との関係を示す線図。
温度と電気抵抗との関係を示す線図。
【図2】特性の異なる二つの成分のそれぞれの領域がラ
ンダムに分布した組織組織を示す模式断面図。
ンダムに分布した組織組織を示す模式断面図。
【図3】特性の異なる二つの成分のそれぞれの領域が層
状に積層された組織を示す模式断面図。
状に積層された組織を示す模式断面図。
【図4】実施例3に示すPTCセラミックヒータの断面
図。
図。
1:中央層 2:外側層 3:電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 3/14 C04B 35/00 J
Claims (3)
- 【請求項1】それぞれ異なったPTC特性を示す2種以
上の領域が、無秩序に分布したランダム構造を持つか、
または相互に積層された層状構造を持つ、ことを特徴と
するPTCセラミック。 - 【請求項2】それぞれ異なったPTC特性を示す2種以
上のPTCセラミック成分の少なくとも一方が塊状とな
って無秩序に分布したランダム構造として、あるいは各
該PTCセラミック成分が相互に積層された層状構造と
して成形したのち、短時間に焼結すること特徴とするP
TCセラミックの製造法。 - 【請求項3】キュリー温度の高いPTCセラミック成分
からなる中央部と、該中央部の両側に一体的に形成され
たキュリー温度の低いPTCセラミック成分からなる両
側部と、該両側部の外側に一体的に形成された一対の電
極とからなるPTCセラミックヒータ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8255970A JPH10101413A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | Ptcセラミック、その製造法およびヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8255970A JPH10101413A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | Ptcセラミック、その製造法およびヒータ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10101413A true JPH10101413A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17286111
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8255970A Pending JPH10101413A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | Ptcセラミック、その製造法およびヒータ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10101413A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010501988A (ja) * | 2006-09-01 | 2010-01-21 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 発熱体 |
| CN102113407A (zh) * | 2008-08-07 | 2011-06-29 | 埃普科斯股份有限公司 | 加热装置和用于制造加热装置的方法 |
| JP2013516775A (ja) * | 2010-01-05 | 2013-05-13 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 成形体、加熱装置、及び成形体の製造方法 |
| US9321689B2 (en) | 2008-08-07 | 2016-04-26 | Epcos Ag | Molded object, heating device and method for producing a molded object |
| CN109449901A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-03-08 | 丹东国通电子元件有限公司 | 陶瓷ptc高脉冲功率负载保护器 |
| JPWO2024090131A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP8255970A patent/JPH10101413A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010501988A (ja) * | 2006-09-01 | 2010-01-21 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 発熱体 |
| US8373100B2 (en) | 2006-09-01 | 2013-02-12 | Epcos Ag | Heating element |
| CN102113407A (zh) * | 2008-08-07 | 2011-06-29 | 埃普科斯股份有限公司 | 加热装置和用于制造加热装置的方法 |
| JP2011530150A (ja) * | 2008-08-07 | 2011-12-15 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 加熱装置およびその製造方法 |
| US9321689B2 (en) | 2008-08-07 | 2016-04-26 | Epcos Ag | Molded object, heating device and method for producing a molded object |
| US9363851B2 (en) | 2008-08-07 | 2016-06-07 | Epcos Ag | Heating device and method for manufacturing the heating device |
| JP2013516775A (ja) * | 2010-01-05 | 2013-05-13 | エプコス アクチエンゲゼルシャフト | 成形体、加熱装置、及び成形体の製造方法 |
| CN109449901A (zh) * | 2018-12-05 | 2019-03-08 | 丹东国通电子元件有限公司 | 陶瓷ptc高脉冲功率负载保护器 |
| JPWO2024090131A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | ||
| WO2024090131A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 日本碍子株式会社 | 除湿デバイス、除湿デバイス用ヒーターエレメント及び車室除湿システム |
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