JPH10101471A - 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ - Google Patents
単結晶引き上げ用黒鉛ルツボInfo
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- JPH10101471A JPH10101471A JP8277472A JP27747296A JPH10101471A JP H10101471 A JPH10101471 A JP H10101471A JP 8277472 A JP8277472 A JP 8277472A JP 27747296 A JP27747296 A JP 27747296A JP H10101471 A JPH10101471 A JP H10101471A
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- graphite crucible
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フィラメントワインディング法による黒鉛ル
ツボの製造の際、炭素繊維のヘリカル巻きのみにより成
形体を作製すると、炭化工程においてルツボが半径方向
に収縮し、ルツボの直径が小さくなってしまう。上記現
象を防止するため、ヘリカル巻のみでなく、巻き付け角
度θが90°より小さくなる巻き付け法を併用したり、
パラレル巻を併用する方法もあるが、ひび割れや繊維層
間での剥離が発生し、単結晶の引き上げを重ねると割れ
等が発生する。 【解決手段】 炭素繊維と気孔とを除く部材中に平均粒
径が30μm以下の収縮抑制用粉末を5〜40体積%の
割合で含有している単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10を
使用して単結晶を引き上げる。
ツボの製造の際、炭素繊維のヘリカル巻きのみにより成
形体を作製すると、炭化工程においてルツボが半径方向
に収縮し、ルツボの直径が小さくなってしまう。上記現
象を防止するため、ヘリカル巻のみでなく、巻き付け角
度θが90°より小さくなる巻き付け法を併用したり、
パラレル巻を併用する方法もあるが、ひび割れや繊維層
間での剥離が発生し、単結晶の引き上げを重ねると割れ
等が発生する。 【解決手段】 炭素繊維と気孔とを除く部材中に平均粒
径が30μm以下の収縮抑制用粉末を5〜40体積%の
割合で含有している単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10を
使用して単結晶を引き上げる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶引き上げ用黒
鉛ルツボに関し、より詳細にはチョクラルスキー法(以
下、CZ法と記す)等により単結晶を引き上げる際、石
英ルツボを支持するために用いられる単結晶引き上げ用
黒鉛ルツボに関する。
鉛ルツボに関し、より詳細にはチョクラルスキー法(以
下、CZ法と記す)等により単結晶を引き上げる際、石
英ルツボを支持するために用いられる単結晶引き上げ用
黒鉛ルツボに関する。
【0002】
【従来の技術】結晶成長法には種々の方法があるが、そ
の一つに、例えばCZ法に代表される回転引き上げ法が
ある。
の一つに、例えばCZ法に代表される回転引き上げ法が
ある。
【0003】図3は、CZ法に用いられる従来の単結晶
引き上げ装置を模式的に示した断面図であり、図中、3
1はチャンバ42内に配置された単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボを示している。
引き上げ装置を模式的に示した断面図であり、図中、3
1はチャンバ42内に配置された単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボを示している。
【0004】単結晶引き上げ用ルツボ31は、ルツボ受
け台32a上に設置された有底円筒形状の黒鉛ルツボ3
2とこの黒鉛ルツボ32の内側に嵌合された石英ルツボ
33とにより構成されており、ルツボ受け台32aは所
定の速度で回転する支持軸34に支持されている。単結
晶引き上げ用ルツボ31の外側には抵抗加熱式のヒータ
35が、さらにその外側には黒鉛製の保温筒36が同心
円状に配設されており、石英ルツボ33の内部には所定
量の結晶用原料をヒータ35により溶融させた溶融液3
7が充填されるようになっている。黒鉛ルツボ32の中
心軸上には、図中矢印方向に所定速度で回転する引き上
げ棒又はワイヤーからなる引き上げ軸38が吊設されて
おり、この引き上げ軸38の先端にシードチャック39
を介して種結晶40が取り付けられるようになってい
る。
け台32a上に設置された有底円筒形状の黒鉛ルツボ3
2とこの黒鉛ルツボ32の内側に嵌合された石英ルツボ
33とにより構成されており、ルツボ受け台32aは所
定の速度で回転する支持軸34に支持されている。単結
晶引き上げ用ルツボ31の外側には抵抗加熱式のヒータ
35が、さらにその外側には黒鉛製の保温筒36が同心
円状に配設されており、石英ルツボ33の内部には所定
量の結晶用原料をヒータ35により溶融させた溶融液3
7が充填されるようになっている。黒鉛ルツボ32の中
心軸上には、図中矢印方向に所定速度で回転する引き上
げ棒又はワイヤーからなる引き上げ軸38が吊設されて
おり、この引き上げ軸38の先端にシードチャック39
を介して種結晶40が取り付けられるようになってい
る。
【0005】単結晶41を引き上げる際には、引き上げ
軸38の先に取り付けられた種結晶40を溶融液37の
表面に接触させ、支持軸34と同一軸心で逆方向あるい
は同方向に所定の速度で回転させながら引き上げ軸38
を引き上げることにより、溶融液37を凝固させて単結
晶41を成長させてゆく。
軸38の先に取り付けられた種結晶40を溶融液37の
表面に接触させ、支持軸34と同一軸心で逆方向あるい
は同方向に所定の速度で回転させながら引き上げ軸38
を引き上げることにより、溶融液37を凝固させて単結
晶41を成長させてゆく。
【0006】上記単結晶引き上げ装置において、黒鉛ル
ツボ32内に嵌合された石英ルツボ33は、単結晶41
の引き上げ途中において高温に加熱されるため軟化し、
黒鉛ルツボ32と密着する。黒鉛の熱膨張係数は石英の
熱膨張係数の約10倍あるため、冷却時における半径方
向への収縮は石英ルツボ33よりも黒鉛ルツボ32の方
がはるかに大きい。この両者の収縮量の差に起因し、冷
却時に黒鉛ルツボ32は収縮量の少ない石英ルツボ33
より内圧を受け、黒鉛ルツボ32に引っ張り応力が作用
する。
ツボ32内に嵌合された石英ルツボ33は、単結晶41
の引き上げ途中において高温に加熱されるため軟化し、
黒鉛ルツボ32と密着する。黒鉛の熱膨張係数は石英の
熱膨張係数の約10倍あるため、冷却時における半径方
向への収縮は石英ルツボ33よりも黒鉛ルツボ32の方
がはるかに大きい。この両者の収縮量の差に起因し、冷
却時に黒鉛ルツボ32は収縮量の少ない石英ルツボ33
より内圧を受け、黒鉛ルツボ32に引っ張り応力が作用
する。
【0007】近年、半導体単結晶製造の効率化のために
単結晶41の直径は大きくなってきており、それに伴い
石英ルツボ33や黒鉛ルツボ32の大型化が進んでい
る。この黒鉛ルツボ32等の大型化により、単結晶41
引き上げ後の冷却時における石英ルツボ33と黒鉛ルツ
ボ32との半径方向の収縮量の差が大きくなり、黒鉛ル
ツボ32に作用する引っ張り応力が増大し、変形、割れ
又は欠損等(以下、破損とも記す)が発生し易くなり、
同一の黒鉛ルツボ32を繰り返して使用し得る回数が減
少してきている。
単結晶41の直径は大きくなってきており、それに伴い
石英ルツボ33や黒鉛ルツボ32の大型化が進んでい
る。この黒鉛ルツボ32等の大型化により、単結晶41
引き上げ後の冷却時における石英ルツボ33と黒鉛ルツ
ボ32との半径方向の収縮量の差が大きくなり、黒鉛ル
ツボ32に作用する引っ張り応力が増大し、変形、割れ
又は欠損等(以下、破損とも記す)が発生し易くなり、
同一の黒鉛ルツボ32を繰り返して使用し得る回数が減
少してきている。
【0008】上記問題に対処するため、最近では縦割り
に2分割あるいはそれ以上に分割された黒鉛ルツボで種
々の形状を有するものが使用されている。
に2分割あるいはそれ以上に分割された黒鉛ルツボで種
々の形状を有するものが使用されている。
【0009】また、上記問題に対処するための別の構成
のルツボとして、一部に炭素繊維強化炭素複合材が使用
された単結晶引き上げ用黒鉛ルツボが開示されている
(実公平3−43250号公報、登録実用新案第301
2299号公報)。図4は前記実公平3−43250号
公報に開示された単結晶引き上げ用黒鉛ルツボを模式的
に示した断面図である。
のルツボとして、一部に炭素繊維強化炭素複合材が使用
された単結晶引き上げ用黒鉛ルツボが開示されている
(実公平3−43250号公報、登録実用新案第301
2299号公報)。図4は前記実公平3−43250号
公報に開示された単結晶引き上げ用黒鉛ルツボを模式的
に示した断面図である。
【0010】この単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ50は、
直胴部51と直胴部51から連続するR部52とが一体
となった炭素繊維強化炭素複合材(以下、C/C材とも
記す)により形成されており、等方性黒鉛材からなる底
部53がR部52に嵌合されている。
直胴部51と直胴部51から連続するR部52とが一体
となった炭素繊維強化炭素複合材(以下、C/C材とも
記す)により形成されており、等方性黒鉛材からなる底
部53がR部52に嵌合されている。
【0011】しかし、図4に示した単結晶引き上げ用黒
鉛ルツボ50においては、繰り返し使用するうちにR部
52付近の石英ルツボ(図示せず)との嵌合面52aで
表面層に剥離が発生するという問題があった。この剥離
の発生は嵌合面52aでC/C材と石英とが反応してS
iOが発生し、このSiOにより内表面のC/C材がS
iC化することに起因する。すなわち、SiCの熱膨張
係数はC/C材の熱膨張係数の約10倍あるため、R部
52付近の嵌合面52aでSiC化が進行すると、単結
晶引き上げ後の冷却時にSiC転化層と該SiC転化層
の外側に位置するC/C材層との間に熱歪が発生する。
C/C材は繊維方向への強度は大きいが、繊維層間方向
すなわち単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ50の半径方向の
強度は小さく、熱歪が生じると繊維層間で剥離が発生し
てしまうのである。
鉛ルツボ50においては、繰り返し使用するうちにR部
52付近の石英ルツボ(図示せず)との嵌合面52aで
表面層に剥離が発生するという問題があった。この剥離
の発生は嵌合面52aでC/C材と石英とが反応してS
iOが発生し、このSiOにより内表面のC/C材がS
iC化することに起因する。すなわち、SiCの熱膨張
係数はC/C材の熱膨張係数の約10倍あるため、R部
52付近の嵌合面52aでSiC化が進行すると、単結
晶引き上げ後の冷却時にSiC転化層と該SiC転化層
の外側に位置するC/C材層との間に熱歪が発生する。
C/C材は繊維方向への強度は大きいが、繊維層間方向
すなわち単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ50の半径方向の
強度は小さく、熱歪が生じると繊維層間で剥離が発生し
てしまうのである。
【0012】また、この単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ5
0はR部52と底部53との間に嵌合面53aを有する
ため、炭素材と石英ルツボとの反応により発生したSi
Oが嵌合面53aに入り込んで底部53の黒鉛と反応
し、嵌合面53a付近において底部53が局部的に減耗
するという問題があった。
0はR部52と底部53との間に嵌合面53aを有する
ため、炭素材と石英ルツボとの反応により発生したSi
Oが嵌合面53aに入り込んで底部53の黒鉛と反応
し、嵌合面53a付近において底部53が局部的に減耗
するという問題があった。
【0013】また、単結晶引上げ後に石英ルツボの底部
に残留した溶融液37は、冷却時に固化して膨張し、そ
れに伴い石英ルツボも膨張するため、単結晶引き上げ用
黒鉛ルツボ50の底部53に大きな圧力が作用する。こ
のため、底部53が強度の小さい黒鉛で構成されている
と破損が発生し易くなる。
に残留した溶融液37は、冷却時に固化して膨張し、そ
れに伴い石英ルツボも膨張するため、単結晶引き上げ用
黒鉛ルツボ50の底部53に大きな圧力が作用する。こ
のため、底部53が強度の小さい黒鉛で構成されている
と破損が発生し易くなる。
【0014】以上のように、単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ50をC/C材と黒鉛とを組み合わせた構成とする
と、上記した種々の問題が生じる。これらの問題を解決
する方法として、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの全体を
C/C材で構成することが考えられる。しかし、その場
合にも以下のような問題が生ずる。
ボ50をC/C材と黒鉛とを組み合わせた構成とする
と、上記した種々の問題が生じる。これらの問題を解決
する方法として、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの全体を
C/C材で構成することが考えられる。しかし、その場
合にも以下のような問題が生ずる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ルツボ全体をC/C材
で構成した単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製造方法とし
て、下記の二つの方法が挙げられる。第1の方法は以下
の通りである。まず、連続炭素繊維を数百本〜数千本束
ねたストランド(以下、単に連続炭素繊維と記す)を、
熱硬化性樹脂に代表される樹脂を溶剤で溶かした低粘度
の結合材に浸漬した後、ルツボ形状のマンドレルに巻き
付け、その後熱硬化させる。次に、この硬化体に切削加
工等を施してルツボ形状の成形体を作製する(フィラメ
ントワインディング法)。次に、この成形体を一度不活
性ガス中、1000℃程度に加熱して炭化し、さらに必
要によりコールタールピッチ等を含浸させた後、200
0℃以上の高温で加熱処理して全体を炭化(黒鉛化)さ
せる。次に、炭化したルツボに高純度化処理等を施すこ
とにより単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製造を完了す
る。上記高温による炭化(黒鉛化)処理は必要により複
数回行う。
で構成した単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製造方法とし
て、下記の二つの方法が挙げられる。第1の方法は以下
の通りである。まず、連続炭素繊維を数百本〜数千本束
ねたストランド(以下、単に連続炭素繊維と記す)を、
熱硬化性樹脂に代表される樹脂を溶剤で溶かした低粘度
の結合材に浸漬した後、ルツボ形状のマンドレルに巻き
付け、その後熱硬化させる。次に、この硬化体に切削加
工等を施してルツボ形状の成形体を作製する(フィラメ
ントワインディング法)。次に、この成形体を一度不活
性ガス中、1000℃程度に加熱して炭化し、さらに必
要によりコールタールピッチ等を含浸させた後、200
0℃以上の高温で加熱処理して全体を炭化(黒鉛化)さ
せる。次に、炭化したルツボに高純度化処理等を施すこ
とにより単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製造を完了す
る。上記高温による炭化(黒鉛化)処理は必要により複
数回行う。
【0016】また第2の方法は、樹脂等の結合材を含浸
させた炭素繊維クロスをルツボ型に張り付けて成形体を
作製し、その後第1の方法と同様にしてルツボを製造す
る方法である。
させた炭素繊維クロスをルツボ型に張り付けて成形体を
作製し、その後第1の方法と同様にしてルツボを製造す
る方法である。
【0017】しかし、上記第2の方法は、炭素繊維クロ
ス自体が高価であること、及び成形工程を自動化するこ
とが困難であること等の理由から、単結晶引き上げ用黒
鉛ルツボのコストが非常に高くなるという問題があっ
た。
ス自体が高価であること、及び成形工程を自動化するこ
とが困難であること等の理由から、単結晶引き上げ用黒
鉛ルツボのコストが非常に高くなるという問題があっ
た。
【0018】上記第1の方法は、連続炭素繊維クロスと
比較して安価な連続炭素繊維を用い、かつ自動巻き付け
により成形体を作製することができるため、効率よく安
価なC/C材製の単結晶引き上げ用黒鉛ルツボを製造す
ることができる。
比較して安価な連続炭素繊維を用い、かつ自動巻き付け
により成形体を作製することができるため、効率よく安
価なC/C材製の単結晶引き上げ用黒鉛ルツボを製造す
ることができる。
【0019】図5は、フィラメントワインディング法に
よりマンドレルに連続炭素繊維の巻き付けを行っている
状態を模式的に示した正面図であり、ルツボの水平方向
と連続炭素繊維フィラメントの巻き付け方向とのなす角
度(以下、単に巻き付け角度とも記す)をθとしてい
る。
よりマンドレルに連続炭素繊維の巻き付けを行っている
状態を模式的に示した正面図であり、ルツボの水平方向
と連続炭素繊維フィラメントの巻き付け方向とのなす角
度(以下、単に巻き付け角度とも記す)をθとしてい
る。
【0020】マンドレル60は中央部61が単結晶引き
上げルツボの直胴部の内壁と同様の形状となっており、
その右端部62は底部の内壁とほぼ同様の形状となって
いる。また、左端部63の中央にマンドレル60の回転
を支持するための回転棒64が取り付けられている。連
続炭素繊維13を巻き付ける際には、この回転棒64を
回転チャック(図示せず)でつかみ、片持ちはりの形で
回転させながら、結合材が付着した連続炭素繊維13を
その位置を少しずつ変えながら送り出し、マンドレル6
0に巻き付ける。
上げルツボの直胴部の内壁と同様の形状となっており、
その右端部62は底部の内壁とほぼ同様の形状となって
いる。また、左端部63の中央にマンドレル60の回転
を支持するための回転棒64が取り付けられている。連
続炭素繊維13を巻き付ける際には、この回転棒64を
回転チャック(図示せず)でつかみ、片持ちはりの形で
回転させながら、結合材が付着した連続炭素繊維13を
その位置を少しずつ変えながら送り出し、マンドレル6
0に巻き付ける。
【0021】単結晶引き上げ用黒鉛ルツボは、通常短い
直胴部と鏡板状の平坦な底部とにより構成されているた
め、連続炭素繊維13をルツボ形状のマンドレル60の
全体に巻き付けるためには、図5に示したように巻き付
け角度θが約90°になるように巻き付ける、いわゆる
ヘリカル巻きを入れる必要がある。しかし、単純に前記
ヘリカル巻きのみにより成形体を作製したルツボでは、
炭化工程においてルツボが半径方向に収縮し、ルツボの
直径が小さくなってしまうという課題があった。これは
炭化工程において連続炭素繊維13の繊維方向への収縮
は殆ど発生しないが、連続炭素繊維13と垂直方向(円
周方向)には樹脂等のマトリックスの収縮の影響を受
け、ルツボが半径方向に大きく収縮するためである。上
記収縮により、製造されたルツボの直径が設定した寸法
より小さくなると、石英ルツボを挿入することができな
くなってしまう。
直胴部と鏡板状の平坦な底部とにより構成されているた
め、連続炭素繊維13をルツボ形状のマンドレル60の
全体に巻き付けるためには、図5に示したように巻き付
け角度θが約90°になるように巻き付ける、いわゆる
ヘリカル巻きを入れる必要がある。しかし、単純に前記
ヘリカル巻きのみにより成形体を作製したルツボでは、
炭化工程においてルツボが半径方向に収縮し、ルツボの
直径が小さくなってしまうという課題があった。これは
炭化工程において連続炭素繊維13の繊維方向への収縮
は殆ど発生しないが、連続炭素繊維13と垂直方向(円
周方向)には樹脂等のマトリックスの収縮の影響を受
け、ルツボが半径方向に大きく収縮するためである。上
記収縮により、製造されたルツボの直径が設定した寸法
より小さくなると、石英ルツボを挿入することができな
くなってしまう。
【0022】上記収縮現象を防止するため、前記ヘリカ
ル巻のみでなく、巻き付け角度θが90°より小さくな
るような連続炭素繊維13の巻き付けを採用した成形体
を使用する。また、巻き付け角度θがほぼ0°なるよう
に連続炭素繊維13を巻き付ける、いわゆるパラレル巻
を併用した成形体を使用する場合もある。しかし、この
場合にも巻き付け角度θにより炭化工程における収縮量
が異なるため、炭素繊維間にひび割れが発生したり、繊
維層間で剥離が発生する。ひび割れや剥離が小さい場合
には、コールタールピッチ等の含浸、炭化を繰り返すこ
とにより、ひび割れ部分や剥離部分に炭素が充填される
が、ひび割れや剥離部分が大きいとそのまま欠陥として
残ってしまい、単結晶引き上げ工程における前記欠陥部
分でのSiC化が進行すると、割れ等が発生する原因と
なるという課題があった。
ル巻のみでなく、巻き付け角度θが90°より小さくな
るような連続炭素繊維13の巻き付けを採用した成形体
を使用する。また、巻き付け角度θがほぼ0°なるよう
に連続炭素繊維13を巻き付ける、いわゆるパラレル巻
を併用した成形体を使用する場合もある。しかし、この
場合にも巻き付け角度θにより炭化工程における収縮量
が異なるため、炭素繊維間にひび割れが発生したり、繊
維層間で剥離が発生する。ひび割れや剥離が小さい場合
には、コールタールピッチ等の含浸、炭化を繰り返すこ
とにより、ひび割れ部分や剥離部分に炭素が充填される
が、ひび割れや剥離部分が大きいとそのまま欠陥として
残ってしまい、単結晶引き上げ工程における前記欠陥部
分でのSiC化が進行すると、割れ等が発生する原因と
なるという課題があった。
【0023】
【課題を解決するための手段及びその効果】本発明者は
上記課題に鑑み、フィラメントワインディング法を用い
て製造された、繊維層間で剥離等が発生しにくい単結晶
引き上げ用黒鉛ルツボとして、先に、炭素繊維強化炭素
材よりなる単結晶引き上げ用黒鉛ルツボにおいて、少な
くとも直胴部の内周部に水平方向に対して−45〜+4
5°の角度を有する連続炭素繊維が配され、その他の部
分に水平方向に対して−45°以下、又は+45°以上
の角度を有する連続炭素繊維が配されている単結晶引き
上げ用黒鉛ルツボ、及びその製造方法として、少なくと
もルツボ直胴部の内周部に相当する部分に水平方向に対
して−45〜+45°の角度に連続炭素繊維を巻き付け
た後、その他の部分に水平方向に対して−45°以下、
又は+45°以上の角度に連続炭素繊維を巻き付ける単
結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製造方法を提案した。
上記課題に鑑み、フィラメントワインディング法を用い
て製造された、繊維層間で剥離等が発生しにくい単結晶
引き上げ用黒鉛ルツボとして、先に、炭素繊維強化炭素
材よりなる単結晶引き上げ用黒鉛ルツボにおいて、少な
くとも直胴部の内周部に水平方向に対して−45〜+4
5°の角度を有する連続炭素繊維が配され、その他の部
分に水平方向に対して−45°以下、又は+45°以上
の角度を有する連続炭素繊維が配されている単結晶引き
上げ用黒鉛ルツボ、及びその製造方法として、少なくと
もルツボ直胴部の内周部に相当する部分に水平方向に対
して−45〜+45°の角度に連続炭素繊維を巻き付け
た後、その他の部分に水平方向に対して−45°以下、
又は+45°以上の角度に連続炭素繊維を巻き付ける単
結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製造方法を提案した。
【0024】本発明者は、その後検討を重ね、連続炭素
繊維を巻き付ける際に該連続炭素繊維に付着させる結合
剤中に炭素粉末やセラミックス粉末等の収縮抑制用粉末
を添加しておくことにより、炭化工程における結合剤の
収縮が抑制され、その結果、連続炭素繊維と垂直方向の
過度の収縮が抑制され、炭化工程における炭素繊維間の
ひび割れや繊維層間の剥離を一層確実に防止することが
できることを見い出し本発明を完成させるに至った。
繊維を巻き付ける際に該連続炭素繊維に付着させる結合
剤中に炭素粉末やセラミックス粉末等の収縮抑制用粉末
を添加しておくことにより、炭化工程における結合剤の
収縮が抑制され、その結果、連続炭素繊維と垂直方向の
過度の収縮が抑制され、炭化工程における炭素繊維間の
ひび割れや繊維層間の剥離を一層確実に防止することが
できることを見い出し本発明を完成させるに至った。
【0025】すなわち本発明に係る単結晶引き上げ用黒
鉛ルツボ(1)は、フィラメントワインディング法を用
いて製造された、炭素繊維強化炭素材よりなる単結晶引
き上げ用黒鉛ルツボにおいて、炭素繊維と気孔とを除く
部材中に平均粒径が30μm以下の収縮抑制用粉末を5
〜40体積%の割合で含有していることを特徴としてい
る。
鉛ルツボ(1)は、フィラメントワインディング法を用
いて製造された、炭素繊維強化炭素材よりなる単結晶引
き上げ用黒鉛ルツボにおいて、炭素繊維と気孔とを除く
部材中に平均粒径が30μm以下の収縮抑制用粉末を5
〜40体積%の割合で含有していることを特徴としてい
る。
【0026】上記単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ(1)に
よれば、結合材中に収縮抑制用粉末が配合されているた
め、従来の場合と比べて炭化工程における結合材の過度
の収縮を抑制することができ、炭素繊維間のひび割れや
繊維層間の剥離が発生せず、安価で寸法精度が高く、耐
久性に優れた単結晶引き上げ用黒鉛ルツボとすることが
できる。
よれば、結合材中に収縮抑制用粉末が配合されているた
め、従来の場合と比べて炭化工程における結合材の過度
の収縮を抑制することができ、炭素繊維間のひび割れや
繊維層間の剥離が発生せず、安価で寸法精度が高く、耐
久性に優れた単結晶引き上げ用黒鉛ルツボとすることが
できる。
【0027】また本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛ル
ツボ(2)は、上記単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ(1)
において、少なくとも直胴部の内周部に水平方向に対し
て−45〜+45°の角度を有する連続炭素繊維が配さ
れ、その他の部分に水平方向に対して−45°以下、又
は+45°以上の角度を有する連続炭素繊維が配されて
いることを特徴としている。
ツボ(2)は、上記単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ(1)
において、少なくとも直胴部の内周部に水平方向に対し
て−45〜+45°の角度を有する連続炭素繊維が配さ
れ、その他の部分に水平方向に対して−45°以下、又
は+45°以上の角度を有する連続炭素繊維が配されて
いることを特徴としている。
【0028】上記単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ(2)に
よれば、少なくとも直胴部の内周部に水平方向に対して
−45〜+45°の角度を有する連続炭素繊維が配され
ているので、殆ど収縮による変形がなく、外周部には水
平方向に対して−45°以下、又は+45°以上の角度
を有する連続炭素繊維が配されているので、外周部の半
径方向への適度の収縮により繊維層間が密着し易く、炭
素繊維間のひび割れや繊維層間の剥離を一層確実に防止
することができる。
よれば、少なくとも直胴部の内周部に水平方向に対して
−45〜+45°の角度を有する連続炭素繊維が配され
ているので、殆ど収縮による変形がなく、外周部には水
平方向に対して−45°以下、又は+45°以上の角度
を有する連続炭素繊維が配されているので、外周部の半
径方向への適度の収縮により繊維層間が密着し易く、炭
素繊維間のひび割れや繊維層間の剥離を一層確実に防止
することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用黒鉛ルツボの実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
げ用黒鉛ルツボの実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
【0030】図1(a)は望ましい実施の形態に係る単
結晶引き上げ用黒鉛ルツボを模式的に示した平面図であ
り、(b)は一部切欠き正面図であり、左側の部分が断
面となっている。
結晶引き上げ用黒鉛ルツボを模式的に示した平面図であ
り、(b)は一部切欠き正面図であり、左側の部分が断
面となっている。
【0031】この単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の直
胴部11の内周部11aには巻き付け角度θが−45≦
θ≦+45°になるように連続炭素繊維13が配されて
いる。また、直胴部11の外周部11b及び底部12に
は巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ≧45°にな
るように連続炭素繊維13が配されている。ただし、直
胴部11の外周部11bの一部に、巻き付け角度θが−
45≦θ≦+45°になるように連続炭素繊維13が配
されていてもよい。また、連続炭素繊維13以外の部分
は、樹脂等の結合材が加熱処理により炭化して生成した
炭素(黒鉛)により構成されており、前記炭素中には、
粒径が30μm以下の収縮抑制用粉末が5〜40体積%
含まれている。前記収縮抑制用粉末の機能については、
以下の単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の製造方法にお
いて説明する。
胴部11の内周部11aには巻き付け角度θが−45≦
θ≦+45°になるように連続炭素繊維13が配されて
いる。また、直胴部11の外周部11b及び底部12に
は巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ≧45°にな
るように連続炭素繊維13が配されている。ただし、直
胴部11の外周部11bの一部に、巻き付け角度θが−
45≦θ≦+45°になるように連続炭素繊維13が配
されていてもよい。また、連続炭素繊維13以外の部分
は、樹脂等の結合材が加熱処理により炭化して生成した
炭素(黒鉛)により構成されており、前記炭素中には、
粒径が30μm以下の収縮抑制用粉末が5〜40体積%
含まれている。前記収縮抑制用粉末の機能については、
以下の単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の製造方法にお
いて説明する。
【0032】上記構成の単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ1
0を製造する場合、まず、粒径が30μm以下の収縮抑
制用粉末が所定の体積%配合された結合材中に浸漬した
連続炭素繊維13をマンドレルに巻き付けるが、最初に
直胴部11の内周部11aに相当する部分に、巻き付け
角度θが−45≦θ≦+45°になるように連続炭素繊
維13を巻き付ける。この巻き付けが終了した後、外周
部11bに相当する部分、及び底部12に相当する部分
に巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ≧45°にな
るように連続炭素繊維13を巻き付ける。この場合、直
胴部11の外周部11bの一部に、巻き付け角度θが−
45≦θ≦+45°になるように連続炭素繊維13を巻
き付けてもよい。巻き付け角度θが約−10°≦θ≦約
+10°の場合には、連続炭素繊維13が直胴部11と
底部12との境界部分ですべってしまうため、前記境界
部分に多数のピンを立て、連続炭素繊維13のすべりを
防止する。次に、連続炭素繊維13が巻き付けられたマ
ンドレルを加熱して硬化体を作製し、ピンを除去した
後、切削加工等を行ってルツボ形状の成形体を作製す
る。次に、この成形体を一度不活性ガス中、1000℃
程度に加熱して炭化し、さらに必要により収縮抑制用粉
末を含有するコールタールピッチ等の結合材を含浸させ
た後、2000℃以上の高温で加熱処理して全体を炭化
(黒鉛化)させる。上記高温による炭化(黒鉛化)処理
は必要により複数回行う。次に、炭化工程が終了したル
ツボに高純度化処理等を施すことにより単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ10の製造を完了する。上記炭化工程によ
り、結合材の一部が炭化(黒鉛化)するが、収縮抑制用
粉末はそのままの状態で結合材中に残留する。
0を製造する場合、まず、粒径が30μm以下の収縮抑
制用粉末が所定の体積%配合された結合材中に浸漬した
連続炭素繊維13をマンドレルに巻き付けるが、最初に
直胴部11の内周部11aに相当する部分に、巻き付け
角度θが−45≦θ≦+45°になるように連続炭素繊
維13を巻き付ける。この巻き付けが終了した後、外周
部11bに相当する部分、及び底部12に相当する部分
に巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ≧45°にな
るように連続炭素繊維13を巻き付ける。この場合、直
胴部11の外周部11bの一部に、巻き付け角度θが−
45≦θ≦+45°になるように連続炭素繊維13を巻
き付けてもよい。巻き付け角度θが約−10°≦θ≦約
+10°の場合には、連続炭素繊維13が直胴部11と
底部12との境界部分ですべってしまうため、前記境界
部分に多数のピンを立て、連続炭素繊維13のすべりを
防止する。次に、連続炭素繊維13が巻き付けられたマ
ンドレルを加熱して硬化体を作製し、ピンを除去した
後、切削加工等を行ってルツボ形状の成形体を作製す
る。次に、この成形体を一度不活性ガス中、1000℃
程度に加熱して炭化し、さらに必要により収縮抑制用粉
末を含有するコールタールピッチ等の結合材を含浸させ
た後、2000℃以上の高温で加熱処理して全体を炭化
(黒鉛化)させる。上記高温による炭化(黒鉛化)処理
は必要により複数回行う。次に、炭化工程が終了したル
ツボに高純度化処理等を施すことにより単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ10の製造を完了する。上記炭化工程によ
り、結合材の一部が炭化(黒鉛化)するが、収縮抑制用
粉末はそのままの状態で結合材中に残留する。
【0033】上記単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10を製
造において使用する連続炭素繊維の種類は特に限定され
るものでなく、PAN系、ピッチ系等の種々の炭素繊維
を使用することができる。前記結合材としては、例えば
フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂、コール
タールピッチ等が挙げられる。前記結合材に含まれる収
縮抑制用粉末としては、炭化工程において収縮がなく、
かつ結合材と反応することがないものが好ましく、前記
収縮抑制用粉末としては、例えば黒鉛を粉砕することに
より製造した黒鉛微粉末、カーボンブラック等の炭素粉
末、炭化ケイ素粉末、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウ
ム粉末等のセラミック粉末が挙げられる。
造において使用する連続炭素繊維の種類は特に限定され
るものでなく、PAN系、ピッチ系等の種々の炭素繊維
を使用することができる。前記結合材としては、例えば
フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂、コール
タールピッチ等が挙げられる。前記結合材に含まれる収
縮抑制用粉末としては、炭化工程において収縮がなく、
かつ結合材と反応することがないものが好ましく、前記
収縮抑制用粉末としては、例えば黒鉛を粉砕することに
より製造した黒鉛微粉末、カーボンブラック等の炭素粉
末、炭化ケイ素粉末、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウ
ム粉末等のセラミック粉末が挙げられる。
【0034】前記収縮抑制用粉末を含んだ結合材を使用
すると、炭化工程における結合材の過度の収縮を抑制す
ることができ、前記結合材の過度の収縮に起因する巻き
付け角度が異なる炭素繊維間のひび割れや繊維層間での
剥離を防止することができ、特に炭素繊維間のひび割れ
防止に顕著な効果を奏する。前記収縮抑制用粉末の平均
粒径は30μm以下が好ましい。前記収縮抑制用粉末の
平均粒径が30μmを超えると、炭化工程において、前
記収縮抑制用粉末とマトリックスである炭素材との間に
微細なき裂が生じ易くなり、単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ10の強度が低下する傾向が生ずる。また、製造され
た単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の連続炭素繊維13
以外の炭素材中の前記収縮抑制用粉末の含有量が5体積
%未満であると、収縮抑制の効果が上がらず、単結晶引
き上げ用黒鉛ルツボ10にひび割れや繊維層間の剥離が
発生し易くなり、他方、前記炭素材中の前記収縮抑制用
粉末の含有量が40体積%を超えると、相対的に結合材
の量が少なくなるため、結合材が連続炭素繊維13同士
を結合させる機能を発揮しにくくなり、強度が低下する
傾向が生ずる。炭化工程において炭素となる割合は、結
合材の種類、又は結合材を溶かす溶剤の量により異なる
が、例えばフェノール樹脂の場合には溶剤を除いた樹脂
の炭化収率は約60%である。このような結合材の炭化
収率を考慮して、炭化工程の後において、連続炭素繊維
13以外の炭素材料中の収縮抑制用粉末の含有量が5〜
40体積%となるように、前記結合材中に前記収縮抑制
材を添加する必要がある。
すると、炭化工程における結合材の過度の収縮を抑制す
ることができ、前記結合材の過度の収縮に起因する巻き
付け角度が異なる炭素繊維間のひび割れや繊維層間での
剥離を防止することができ、特に炭素繊維間のひび割れ
防止に顕著な効果を奏する。前記収縮抑制用粉末の平均
粒径は30μm以下が好ましい。前記収縮抑制用粉末の
平均粒径が30μmを超えると、炭化工程において、前
記収縮抑制用粉末とマトリックスである炭素材との間に
微細なき裂が生じ易くなり、単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ10の強度が低下する傾向が生ずる。また、製造され
た単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の連続炭素繊維13
以外の炭素材中の前記収縮抑制用粉末の含有量が5体積
%未満であると、収縮抑制の効果が上がらず、単結晶引
き上げ用黒鉛ルツボ10にひび割れや繊維層間の剥離が
発生し易くなり、他方、前記炭素材中の前記収縮抑制用
粉末の含有量が40体積%を超えると、相対的に結合材
の量が少なくなるため、結合材が連続炭素繊維13同士
を結合させる機能を発揮しにくくなり、強度が低下する
傾向が生ずる。炭化工程において炭素となる割合は、結
合材の種類、又は結合材を溶かす溶剤の量により異なる
が、例えばフェノール樹脂の場合には溶剤を除いた樹脂
の炭化収率は約60%である。このような結合材の炭化
収率を考慮して、炭化工程の後において、連続炭素繊維
13以外の炭素材料中の収縮抑制用粉末の含有量が5〜
40体積%となるように、前記結合材中に前記収縮抑制
材を添加する必要がある。
【0035】上記単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の製
造において、内周部11aにおける連続炭素繊維13の
巻き付け角度θは小さい程、炭化工程において変形しに
くく、外周部11bの収縮による変形を防止する効果が
高い。従って、連続炭素繊維13の巻き付け角度θは−
45〜+45°の範囲が好ましく、−15〜+15°の
範囲がより好ましい。さらに、連続炭素繊維13の巻き
付け角度θが0°、すなわち水平方向にパラレルに連続
炭素繊維13を巻き付けたものが、連続炭素繊維13を
巻き付ける容易さから最も好ましい。しかし、底部12
に巻き付け角度θが0°又はそれに近い角度で連続炭素
繊維13を巻き付けようとしても、連続炭素繊維13が
すべってしまうため巻き付けが困難である。そこで、底
部12に相当する部分には、外周部11bに相当する部
分に巻き付ける場合と同様に、巻き付け角度θがθ≦−
45°、又はθ≧45°になるように連続炭素繊維13
を巻き付ける。
造において、内周部11aにおける連続炭素繊維13の
巻き付け角度θは小さい程、炭化工程において変形しに
くく、外周部11bの収縮による変形を防止する効果が
高い。従って、連続炭素繊維13の巻き付け角度θは−
45〜+45°の範囲が好ましく、−15〜+15°の
範囲がより好ましい。さらに、連続炭素繊維13の巻き
付け角度θが0°、すなわち水平方向にパラレルに連続
炭素繊維13を巻き付けたものが、連続炭素繊維13を
巻き付ける容易さから最も好ましい。しかし、底部12
に巻き付け角度θが0°又はそれに近い角度で連続炭素
繊維13を巻き付けようとしても、連続炭素繊維13が
すべってしまうため巻き付けが困難である。そこで、底
部12に相当する部分には、外周部11bに相当する部
分に巻き付ける場合と同様に、巻き付け角度θがθ≦−
45°、又はθ≧45°になるように連続炭素繊維13
を巻き付ける。
【0036】外周部11bについては、すべての連続炭
素繊維13を巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ≧
45°になるように巻き付ける必要はなく、内周部11
aの場合と同様に、巻き付け角度θが−45〜45°の
範囲の連続炭素繊維13層を複数層、巻き付け角度θが
θ≦−45°、又はθ≧45°になるように巻き付けた
層の間に配してもよい。
素繊維13を巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ≧
45°になるように巻き付ける必要はなく、内周部11
aの場合と同様に、巻き付け角度θが−45〜45°の
範囲の連続炭素繊維13層を複数層、巻き付け角度θが
θ≦−45°、又はθ≧45°になるように巻き付けた
層の間に配してもよい。
【0037】図2は別の実施の形態に係る単結晶引き上
げ用黒鉛ルツボを模式的に示した断面図である。
げ用黒鉛ルツボを模式的に示した断面図である。
【0038】本実施の形態においては、単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ20の直胴部21の内周部21aには巻き
付け角度θが0°、すなわち水平になるように連続炭素
繊維13が配されており、直胴部21の外周部21b及
び底部22には巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ
≧45°になるように連続炭素繊維13が配されてい
る。
用黒鉛ルツボ20の直胴部21の内周部21aには巻き
付け角度θが0°、すなわち水平になるように連続炭素
繊維13が配されており、直胴部21の外周部21b及
び底部22には巻き付け角度θがθ≦−45°、又はθ
≧45°になるように連続炭素繊維13が配されてい
る。
【0039】単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ20の製造
は、直胴部21の内周部21aに相当する部分に、巻き
付け角度θが0°になるように連続炭素繊維13を巻き
付ける他は、図1に示した単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
10を製造する場合と同様に行う。上記単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ20の製造方法においては、内周部21a
に水平に連続炭素繊維13を巻き付けるので、炭化工程
において半径方向に収縮が生じない。また、図1に示し
た単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの場合と同様に、繊維層
間が密着し易い。
は、直胴部21の内周部21aに相当する部分に、巻き
付け角度θが0°になるように連続炭素繊維13を巻き
付ける他は、図1に示した単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
10を製造する場合と同様に行う。上記単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ20の製造方法においては、内周部21a
に水平に連続炭素繊維13を巻き付けるので、炭化工程
において半径方向に収縮が生じない。また、図1に示し
た単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの場合と同様に、繊維層
間が密着し易い。
【0040】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用黒鉛ルツボの実施例を説明する。また、比較例とし
て 連続炭素繊維13に付着させる結合材に収縮抑制用
粉末を添加していない場合、前記収縮抑制用粉末の粒径
が大きすぎる場合、前記収縮抑制用粉末の配合量が適切
な範囲にない場合についても説明する。
げ用黒鉛ルツボの実施例を説明する。また、比較例とし
て 連続炭素繊維13に付着させる結合材に収縮抑制用
粉末を添加していない場合、前記収縮抑制用粉末の粒径
が大きすぎる場合、前記収縮抑制用粉末の配合量が適切
な範囲にない場合についても説明する。
【0041】(1)製造する単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ、及びその寸法 製造する単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10、20:表
1に示す 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10、20の寸法(図2
に部材の寸法を記号で記載、図1に示したものは図2に
示したものと同様の寸法を有する) 内径(D):309mm、深さ(H):220mm、 底部22内側の半径(R):309mm、 直胴部21の厚さ(d1 ):10mm、 内周部21aの厚さ:1mm 直胴部21下の底部22の厚さ(d2 ):約8mm、 底部22中央の厚さ(d3 ):15mm ルツボ受け台 ルツボ受け台25の直径:260mm (2)原料及び製造条件 連続炭素繊維 PAN系高強度連続炭素繊維のストランド(フィラメン
ト数:6000本) 結合材 高純度フェノール樹脂 収縮抑制用粉末 黒鉛粉砕粉末(平均粒径:8〜40μm):平均粒径を
表1に示す カーボンブラック(平均粒径:0.2μm) SiC粉末(平均粒径:0.3μm) 配合量(炭化後の炭素繊維以外の炭素材中の割合):表
1に示す 結合材の硬化温度:200℃ 炭化条件 炭化炉:コークスを詰めた焼成炉 雰囲気:窒素雰囲気 第1回目、2回目の加熱温度:1000℃ 第3回目の加熱温度:1000℃加熱後、Ar雰囲気下
で2000℃処理 なお、第2回目と第3回目の加熱前に、減圧雰囲気でル
ツボ成形体及びコールタールピッチを200℃に加熱
し、ルツボ成形体をコールタールピッチに浸漬した後、
加圧してルツボ成形体の内部にコールタールピッチを含
浸させた。
ボ、及びその寸法 製造する単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10、20:表
1に示す 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10、20の寸法(図2
に部材の寸法を記号で記載、図1に示したものは図2に
示したものと同様の寸法を有する) 内径(D):309mm、深さ(H):220mm、 底部22内側の半径(R):309mm、 直胴部21の厚さ(d1 ):10mm、 内周部21aの厚さ:1mm 直胴部21下の底部22の厚さ(d2 ):約8mm、 底部22中央の厚さ(d3 ):15mm ルツボ受け台 ルツボ受け台25の直径:260mm (2)原料及び製造条件 連続炭素繊維 PAN系高強度連続炭素繊維のストランド(フィラメン
ト数:6000本) 結合材 高純度フェノール樹脂 収縮抑制用粉末 黒鉛粉砕粉末(平均粒径:8〜40μm):平均粒径を
表1に示す カーボンブラック(平均粒径:0.2μm) SiC粉末(平均粒径:0.3μm) 配合量(炭化後の炭素繊維以外の炭素材中の割合):表
1に示す 結合材の硬化温度:200℃ 炭化条件 炭化炉:コークスを詰めた焼成炉 雰囲気:窒素雰囲気 第1回目、2回目の加熱温度:1000℃ 第3回目の加熱温度:1000℃加熱後、Ar雰囲気下
で2000℃処理 なお、第2回目と第3回目の加熱前に、減圧雰囲気でル
ツボ成形体及びコールタールピッチを200℃に加熱
し、ルツボ成形体をコールタールピッチに浸漬した後、
加圧してルツボ成形体の内部にコールタールピッチを含
浸させた。
【0042】高純度化処理:高温ハロゲンガス (3)製造した単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの評価方
法、及び評価結果 炭素繊維及び収縮抑制用粉末の含有率 (i) 測定方法:まず、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製
造前、炭素繊維及び収縮抑制用粉末の真密度をJIS
R 7222の方法に準じて測定する。前記測定により
得られた炭素繊維の真密度をρ1 、収縮抑制用粉末の真
密度をρ3 とする。また、結合材を調製する際、結合材
中に添加した収縮抑制用粉末の重量を測定しておく。樹
脂と収縮抑制用粉末とをよく混合した結合材を用いるの
で、実際に前記ルツボの製造に使用した結合材の量を測
定すれば、結合材使用量と混合率とから、前記黒鉛ルツ
ボの製造時に使用した収縮抑制用粉末の重量W3 を求め
ることができる。
法、及び評価結果 炭素繊維及び収縮抑制用粉末の含有率 (i) 測定方法:まず、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの製
造前、炭素繊維及び収縮抑制用粉末の真密度をJIS
R 7222の方法に準じて測定する。前記測定により
得られた炭素繊維の真密度をρ1 、収縮抑制用粉末の真
密度をρ3 とする。また、結合材を調製する際、結合材
中に添加した収縮抑制用粉末の重量を測定しておく。樹
脂と収縮抑制用粉末とをよく混合した結合材を用いるの
で、実際に前記ルツボの製造に使用した結合材の量を測
定すれば、結合材使用量と混合率とから、前記黒鉛ルツ
ボの製造時に使用した収縮抑制用粉末の重量W3 を求め
ることができる。
【0043】使用した炭素繊維の重量をW1 とすると、
前記黒鉛ルツボ中の炭素繊維の体積V1 及び収縮抑制用
粉末の体積V3 を下記の数1式及び数2式より求めるこ
とができる。なお、炭素繊維及び収縮抑制用粉末は、予
め熱処理されているため、炭化から黒鉛化までの重量及
び密度の変化は小さく、下記の数1式及び数2式より、
炭素繊維及び収縮抑制用粉末の体積を誤差が殆どない状
態で求めることができる。炭素繊維及び収縮抑制用粉末
の体積をより正確に求める場合には、これらを黒鉛化
し、黒鉛化による重量、真密度の変化を測定し、補正す
ることが望ましい。
前記黒鉛ルツボ中の炭素繊維の体積V1 及び収縮抑制用
粉末の体積V3 を下記の数1式及び数2式より求めるこ
とができる。なお、炭素繊維及び収縮抑制用粉末は、予
め熱処理されているため、炭化から黒鉛化までの重量及
び密度の変化は小さく、下記の数1式及び数2式より、
炭素繊維及び収縮抑制用粉末の体積を誤差が殆どない状
態で求めることができる。炭素繊維及び収縮抑制用粉末
の体積をより正確に求める場合には、これらを黒鉛化
し、黒鉛化による重量、真密度の変化を測定し、補正す
ることが望ましい。
【0044】
【数1】V1 =W1 /ρ1
【0045】
【数2】V3 =W3 /ρ3 一方、3次元測定機等で求めた前記黒鉛ルツボの断面形
状を積分することにより、前記黒鉛ルツボの体積Vを求
めれば、下記の数3式より炭素繊維の含有率を求めるこ
とができる。
状を積分することにより、前記黒鉛ルツボの体積Vを求
めれば、下記の数3式より炭素繊維の含有率を求めるこ
とができる。
【0046】
【数3】 炭素繊維含有率=(V1 /V)×100 (%) 収縮抑制用粉末の含有率を求めるためには、結合材(黒
鉛化後)の体積V2 を求める必要があるが、この結合材
の体積V2 は下記の数4式より求めることができる。
鉛化後)の体積V2 を求める必要があるが、この結合材
の体積V2 は下記の数4式より求めることができる。
【0047】
【数4】V2 =V123 −(V1 +V3 ) ここで、V123 は黒鉛ルツボの体積Vから気孔の体積を
除いたものであり、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの乾燥
重量Wと水中重量W’とがわかれば、下記の数5式より
求められる。
除いたものであり、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボの乾燥
重量Wと水中重量W’とがわかれば、下記の数5式より
求められる。
【0048】
【数5】V123 =W−W’ なお、水中重量W’は、水を入れた容器中に前記黒鉛ル
ツボを入れ、徐々に排気して、2.0〜2.7kPa程
度とし、この圧力を20分間保持して前記黒鉛ルツボの
気孔中に水を十分に侵入させた後常圧に戻し、前記黒鉛
ルツボを容器に触れないように水中でつるし、つるした
前記黒鉛ルツボの水中重量を精密バネ秤等で測定するこ
とにより得られる。前記黒鉛ルツボ中に存在する気孔は
殆ど開気孔とみなせるため、上記の手法でV123 を求め
ても問題ない。なお、前記黒鉛ルツボの気孔率は収縮抑
制用粉末の量とは余り関係せず、全て約14%であっ
た。
ツボを入れ、徐々に排気して、2.0〜2.7kPa程
度とし、この圧力を20分間保持して前記黒鉛ルツボの
気孔中に水を十分に侵入させた後常圧に戻し、前記黒鉛
ルツボを容器に触れないように水中でつるし、つるした
前記黒鉛ルツボの水中重量を精密バネ秤等で測定するこ
とにより得られる。前記黒鉛ルツボ中に存在する気孔は
殆ど開気孔とみなせるため、上記の手法でV123 を求め
ても問題ない。なお、前記黒鉛ルツボの気孔率は収縮抑
制用粉末の量とは余り関係せず、全て約14%であっ
た。
【0049】上記データより、前記黒鉛ルツボにおける
炭素繊維と気孔とを除く部材中の収縮抑制用粉末の含有
率は、下記の数6式を用いて計算することができる。
炭素繊維と気孔とを除く部材中の収縮抑制用粉末の含有
率は、下記の数6式を用いて計算することができる。
【0050】
【数6】収縮抑制用粉末の含有率={V3 /(V2 +V
3 )}×100 (%) (ii)測定結果 炭素繊維含有率:約55体積%、 収縮抑制用粉末の含有率:表1に示す 表面状態(ひび割れ、剥離)の観察 観察方法:目視、及び走査型電子顕微鏡(SEM)によ
り観察 観察結果:表1に示す かさ密度の測定 測定方法:(ルツボ乾燥重量W/ルツボ体積V) 測定結果:表1に示す 曲げ強度の測定 測定方法:内壁を含むように直胴部11、21から、厚
さ3mm、幅15mm、長さ100mmの試験片を切り
出し、スパン80mmの3点曲げ試験から求めた。な
お、試験片の長さ方向は、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
10、20の高さ方向と一致するように試験片を切り出
した。測定結果を表1に示す。
3 )}×100 (%) (ii)測定結果 炭素繊維含有率:約55体積%、 収縮抑制用粉末の含有率:表1に示す 表面状態(ひび割れ、剥離)の観察 観察方法:目視、及び走査型電子顕微鏡(SEM)によ
り観察 観察結果:表1に示す かさ密度の測定 測定方法:(ルツボ乾燥重量W/ルツボ体積V) 測定結果:表1に示す 曲げ強度の測定 測定方法:内壁を含むように直胴部11、21から、厚
さ3mm、幅15mm、長さ100mmの試験片を切り
出し、スパン80mmの3点曲げ試験から求めた。な
お、試験片の長さ方向は、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
10、20の高さ方向と一致するように試験片を切り出
した。測定結果を表1に示す。
【0051】 耐久性試験 図3に示した単結晶引き上げ装置を用い、実施例1〜1
1、及び比較例1〜4に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ10、20を単結晶引き上げ装置内のルツボ受け台2
5に設置し、石英ルツボ33を嵌合させた後、高純度の
Si塊からなる結晶用原料を充填し、さらに、直径が数
mmの石英粒子を1kg充填した。Si塊に石英粒子を
加えることにより、Si溶液と石英との接触面積を増大
させ、発生するSiOガスの量を増加させた。従って、
単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ表面のSiC化は加速され
ることになる。
1、及び比較例1〜4に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ10、20を単結晶引き上げ装置内のルツボ受け台2
5に設置し、石英ルツボ33を嵌合させた後、高純度の
Si塊からなる結晶用原料を充填し、さらに、直径が数
mmの石英粒子を1kg充填した。Si塊に石英粒子を
加えることにより、Si溶液と石英との接触面積を増大
させ、発生するSiOガスの量を増加させた。従って、
単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ表面のSiC化は加速され
ることになる。
【0052】次に、結晶用原料を高温に加熱して溶融液
37とした。
37とした。
【0053】結晶用原料の量は溶融液37とした時、液
面が石英ルツボ33の深さの1/3となる量とした。そ
して、単結晶41の引き上げは行わず、単結晶引き上げ
に要する時間と同じ時間保持する試験を5回繰り返し
た。また、溶融液37の温度は、単結晶引き上げのとき
よりも約50℃高い約1470℃とし、単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ10、20の表面のSiC化を加速するこ
ととし、試験後にルツボの表面状態を再び観察した。観
察結果を表1に示す。
面が石英ルツボ33の深さの1/3となる量とした。そ
して、単結晶41の引き上げは行わず、単結晶引き上げ
に要する時間と同じ時間保持する試験を5回繰り返し
た。また、溶融液37の温度は、単結晶引き上げのとき
よりも約50℃高い約1470℃とし、単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボ10、20の表面のSiC化を加速するこ
ととし、試験後にルツボの表面状態を再び観察した。観
察結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】上記表1に示した結果より明らかなよう
に、炭化後における連続炭素繊維13及び気孔以外の炭
素材に対して、5〜40体積%になるように平均粒径が
30μm以下の収縮抑制用粉末を配合して製造した単結
晶引き上げ用黒鉛ルツボ10、20は、耐久性試験の前
後においてもひび割れや剥離が発生しておらず、かさ密
度や曲げ強度も大きく、十分に耐久性に優れた単結晶引
き上げ用黒鉛ルツボ10、20となっている。
に、炭化後における連続炭素繊維13及び気孔以外の炭
素材に対して、5〜40体積%になるように平均粒径が
30μm以下の収縮抑制用粉末を配合して製造した単結
晶引き上げ用黒鉛ルツボ10、20は、耐久性試験の前
後においてもひび割れや剥離が発生しておらず、かさ密
度や曲げ強度も大きく、十分に耐久性に優れた単結晶引
き上げ用黒鉛ルツボ10、20となっている。
【0056】一方、収縮抑制用粉末を配合せず、かつ内
周部を同じ角度でフィラメントワインディングした比較
例1に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボでは、炭化時に
直径が収縮したことにより、耐久試験前に目視で確認で
きる表面の微細な剥離が発生した。また、耐久性試験で
は、1回で表面に剥離が発生した。
周部を同じ角度でフィラメントワインディングした比較
例1に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボでは、炭化時に
直径が収縮したことにより、耐久試験前に目視で確認で
きる表面の微細な剥離が発生した。また、耐久性試験で
は、1回で表面に剥離が発生した。
【0057】また、収縮抑制用粉末を配合しなかった比
較例2に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ、及び収縮抑
制用粉末含有量が5体積%未満の比較例3に係る単結晶
引き上げ用黒鉛ルツボでは、かさ密度、曲げ強度とも低
く、ルツボ表面をルーペで拡大して観察すると、ルツボ
表面には炭素繊維方向にひび割れが残り、低密度なため
に耐久性試験においてSiCが表面から500μm以上
浸透し、特に内表面で表面炭素繊維層が浮き上がるよう
な剥離が発生していた。これは、炭素がSiCに転化す
る反応は体積膨張を伴うので、繊維層間にひずみが発生
し、接着強度の低い炭素繊維層間で剥離が発生したと考
えられる。
較例2に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ、及び収縮抑
制用粉末含有量が5体積%未満の比較例3に係る単結晶
引き上げ用黒鉛ルツボでは、かさ密度、曲げ強度とも低
く、ルツボ表面をルーペで拡大して観察すると、ルツボ
表面には炭素繊維方向にひび割れが残り、低密度なため
に耐久性試験においてSiCが表面から500μm以上
浸透し、特に内表面で表面炭素繊維層が浮き上がるよう
な剥離が発生していた。これは、炭素がSiCに転化す
る反応は体積膨張を伴うので、繊維層間にひずみが発生
し、接着強度の低い炭素繊維層間で剥離が発生したと考
えられる。
【0058】また、収縮抑制用粉末の含有量が40体積
%を超えた比較例4に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ、及び収縮抑制用粉末の平均粒径が30μmを超えた
比較例5に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボでは、耐久
性試験前にひび割れは観察されなかったが、耐久性試験
後に表面に微細な剥離が観察された。これは比較例4の
場合には、収縮抑制用粉末の配合量が多いため結合材の
量が相対的に少なくなり、かさ密度や曲げ強度が低下
し、また繊維層間の強度が低下したため、表面のSiC
化による剥離が発生しやすくなった結果と考えられる。
比較例5の場合には、配合した収縮抑制用粉末の粒径が
大きすぎるため、炭素化工程での焼結を阻害する結果と
なり、比較例4の場合と同様の結果が生じたと考えられ
る。
%を超えた比較例4に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツ
ボ、及び収縮抑制用粉末の平均粒径が30μmを超えた
比較例5に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボでは、耐久
性試験前にひび割れは観察されなかったが、耐久性試験
後に表面に微細な剥離が観察された。これは比較例4の
場合には、収縮抑制用粉末の配合量が多いため結合材の
量が相対的に少なくなり、かさ密度や曲げ強度が低下
し、また繊維層間の強度が低下したため、表面のSiC
化による剥離が発生しやすくなった結果と考えられる。
比較例5の場合には、配合した収縮抑制用粉末の粒径が
大きすぎるため、炭素化工程での焼結を阻害する結果と
なり、比較例4の場合と同様の結果が生じたと考えられ
る。
【0059】なお、内周部の巻き付け角度θを±50°
とした実施例11では、ルツボを黒鉛化した後に、内径
がやや小さくなり、表面に微細なひび割れが発生した。
しかし、耐久試験後には表面SiC化による剥離は発生
しておらず、続けて使用可能な状態であり、収縮抑制用
粉末を20%配合した効果が認められた。
とした実施例11では、ルツボを黒鉛化した後に、内径
がやや小さくなり、表面に微細なひび割れが発生した。
しかし、耐久試験後には表面SiC化による剥離は発生
しておらず、続けて使用可能な状態であり、収縮抑制用
粉末を20%配合した効果が認められた。
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る単結晶引き
上げ用黒鉛ルツボを模式的に示した平面図であり、
(b)は一部切欠き正面図である。
上げ用黒鉛ルツボを模式的に示した平面図であり、
(b)は一部切欠き正面図である。
【図2】別の実施の形態に係る単結晶引き上げ用黒鉛ル
ツボを模式的に示した断面図である。
ツボを模式的に示した断面図である。
【図3】CZ法に用いられる従来の単結晶引上げ装置を
模式的に示した断面図である。
模式的に示した断面図である。
【図4】従来の単結晶引き上げ用黒鉛ルツボを模式的に
示した断面図である。
示した断面図である。
【図5】フィラメントワインディング法によりマンドレ
ルに連続炭素繊維の巻き付けを行っている状態を模式的
に示した正面図である。
ルに連続炭素繊維の巻き付けを行っている状態を模式的
に示した正面図である。
10、20 単結晶引上げ用黒鉛ルツボ 11、21 直胴部 11a、21a 内周部 11b、21b 外周部 12、22 底部 13 連続炭素繊維
Claims (2)
- 【請求項1】 フィラメントワインディング法を用いて
製造された、炭素繊維強化炭素材よりなる単結晶引き上
げ用黒鉛ルツボにおいて、炭素繊維と気孔とを除く部材
中に平均粒径が30μm以下の収縮抑制用粉末を5〜4
0体積%の割合で含有していることを特徴とする単結晶
引き上げ用黒鉛ルツボ。 - 【請求項2】 少なくとも直胴部の内周部に水平方向に
対して−45〜+45°の角度を有する連続炭素繊維が
配され、その他の部分に水平方向に対して−45°以
下、又は+45°以上の角度を有する連続炭素繊維が配
されていることを特徴とする請求項1記載の単結晶引き
上げ用黒鉛ルツボ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8277472A JPH10101471A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8277472A JPH10101471A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10101471A true JPH10101471A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17584076
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8277472A Pending JPH10101471A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10101471A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6755911B2 (en) * | 2001-05-02 | 2004-06-29 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Crucible made of carbon fiber-reinforced carbon composite material for single crystal pulling apparatus |
| JP2006045442A (ja) * | 2004-08-09 | 2006-02-16 | Toho Tenax Co Ltd | 耐熱炭素繊維強化複合材料用プリフォーム及び耐熱炭素繊維強化複合材料の製造方法 |
| JP2009203091A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Ibiden Co Ltd | ルツボ保持部材 |
| JP2009203092A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Ibiden Co Ltd | 容器保持部材 |
| JP2009203093A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Ibiden Co Ltd | ルツボ保持部材 |
| JP2009269777A (ja) * | 2008-05-01 | 2009-11-19 | Ibiden Co Ltd | ルツボ保持部材およびその製造方法 |
| JP2009280434A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Ibiden Co Ltd | ルツボ保持部材及びその製造方法 |
| US20090308306A1 (en) * | 2008-06-17 | 2009-12-17 | Ibiden Co., Ltd. | Crucible holding member and method for producing the same |
| WO2013113445A1 (de) * | 2012-02-03 | 2013-08-08 | Sgl Carbon Se | Hitzeschild mit äusserer faserwicklung |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP8277472A patent/JPH10101471A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6755911B2 (en) * | 2001-05-02 | 2004-06-29 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Crucible made of carbon fiber-reinforced carbon composite material for single crystal pulling apparatus |
| DE10219387B4 (de) * | 2001-05-02 | 2011-04-21 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Aus Kohlenfaser-verstärktem Kohlenstoffkompositmaterial hergestellter Schmelztiegel für ein Einkristallziehgerät |
| JP2006045442A (ja) * | 2004-08-09 | 2006-02-16 | Toho Tenax Co Ltd | 耐熱炭素繊維強化複合材料用プリフォーム及び耐熱炭素繊維強化複合材料の製造方法 |
| JP2009203092A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Ibiden Co Ltd | 容器保持部材 |
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| US20090308306A1 (en) * | 2008-06-17 | 2009-12-17 | Ibiden Co., Ltd. | Crucible holding member and method for producing the same |
| JP2009298681A (ja) * | 2008-06-17 | 2009-12-24 | Ibiden Co Ltd | ルツボ保持部材及びその製造方法 |
| US8257495B2 (en) * | 2008-06-17 | 2012-09-04 | Ibiden Co., Ltd. | Crucible holding member and method for producing the same |
| WO2013113445A1 (de) * | 2012-02-03 | 2013-08-08 | Sgl Carbon Se | Hitzeschild mit äusserer faserwicklung |
| US11333290B2 (en) | 2012-02-03 | 2022-05-17 | Sgl Carbon Se | Heat shield with outer fiber winding and high-temperature furnace and gas converter having a heat shield |
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