JPH10101573A - ヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン活性を低減する方法 - Google Patents

ヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン活性を低減する方法

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JPH10101573A
JPH10101573A JP8278723A JP27872396A JPH10101573A JP H10101573 A JPH10101573 A JP H10101573A JP 8278723 A JP8278723 A JP 8278723A JP 27872396 A JP27872396 A JP 27872396A JP H10101573 A JPH10101573 A JP H10101573A
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JP
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helicobacter pylori
extract
reducing
adhesin
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JP8278723A
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Takehiko Ikeda
建比古 池田
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Morinaga and Co Ltd
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Morinaga and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 嗜好飲料植物の抽出物がヘリコバクター ピ
ロリ菌の胃粘膜上皮細胞などへ接着し、増殖するのを防
ぐのでそれを利用して、ヘリコバクター ピロリ菌のア
ドヘジン活性を測定し、それから胃粘膜上皮細胞への接
着、ひいてはそこで繁殖する力を推定したり、胃や十二
指腸などの消化器系の障害を防止する製剤の成分として
利用する。 【構成】 テオブロマ カカオの種実(ココア)やカメ
リア シネンシスの葉(緑茶、ウーロン茶、紅茶)など
の嗜好飲料用の植物の抽出物をヘリコバクターピロリ菌
の成育環境に投与することによりヘリコバクター ピロ
リ菌の胃粘膜上皮細胞などの細胞へ接着するときのアド
ヘジンの活性を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【001】
【発明の属する技術分野】この発明は、嗜好飲料の原料
となる植物体の抽出物をヘリコバクター ピロリ(Helic
obacter pylori)菌の成育環境に投与してヘリコバクタ
ー ピロリ菌のアドヘジン(細胞接着因子)の活性を低
減する方法に関するものである。
【002】すなわち、この発明は、ヘリコバクター ピ
ロリ菌が、胃粘膜上皮細胞などの細胞に接着し、そこで
増殖するのを防ぐ方法に関するものであり、in vivo又
はin vitroの実験系に利用することができる。これによ
り、ヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン活性を測定
してその胃粘膜上皮細胞への接着、ひいてはそこで繁殖
する力を推定したり、人体へ直接使用して胃や十二指腸
などの消化器系の障害を防止する製剤の一成分として用
いることなどが期待できる。
【003】
【発明が解決しようとする課題】ヘリコバクター ピロ
リ菌は、ヒトの胃粘膜上皮細胞に定着し、難治性の急性
胃炎をおこすのみならず、慢性胃炎、胃潰瘍、さらに胃
癌へと移行することや十二指腸潰瘍に関係することが多
くの文献により示唆されている。また、一度胃内に侵入
し、胃粘膜上皮細胞に接着し、定着したヘリコバクター
ピロリ菌は、胃粘膜の襞の中に入り込むため簡単に殺
菌、除去することができず、これを取り除くことは大変
困難である。従って、ヘリコバクター ピロリ菌が胃粘
膜上皮細胞へ接着する能力を測定したり、ヘリコバクタ
ー ピロリ菌が胃粘膜上皮細胞へ接着することを阻害す
ることは、胃などの障害を防止する上で重要である。
【004】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
嗜好飲料植物の抽出物がヘリコバクター ピロリ菌のア
ドヘジン活性を低減することを見いだし、この発明を完
成させた。すなわち、本発明の発明者らの得た知見によ
ると、テオブロマ カカオ (Theobroma cacao)の種実や
カメリア シネンシス (Camellia sinensis)の葉などの
嗜好飲料の原料となる植物の抽出物がヘリコバクター
ピロリ菌の細胞への接着を阻害し、アドヘジン活性を低
減することが知れた。
【005】[原料の嗜好飲料植物]この発明に用いる原
料の嗜好飲料植物としてテオブロマ カカオの種実やカ
メリア シネンシスの葉が利用されるが、テオブロマ
カカオの種実として胚乳部、特に脱脂した胚乳部である
ココアに好ましい効果がみられた。また、カメリアシネ
ンシスの葉として、緑茶、紅茶、ウーロン茶などに効果
がみられた。
【006】[抽出物の調製法]原料であるココア、緑
茶、ウーロン茶、紅茶などの嗜好飲料植物を水又はアル
コールなどに浸漬して抽出した後、濾過、遠心分離、フ
ィルタープレスなどの公知の方法により抽出残渣と分離
して抽出液とする。水にて抽出する場合、酢酸、クエン
酸、乳酸、酢酸などの酸を加えた酸性溶液やアンモニ
ア、炭酸アルカリ塩、有機酸アルカリ塩などを加えたア
ルカリ性溶液として抽出してもよい。すなわち、抽出す
るときpH2〜12の範囲で行うことが可能である。ま
た、アルコールとして、水を加えたアルコール溶液を用
いることも可能である。
【007】抽出は、常温、常圧にて行ってもよいが、好
ましい濃度とするには時間がかかるので加熱して行うの
がよい。加熱は、80℃以上とするのがよく、加圧して
100℃以上で行うのが望ましい。このようにして得た
抽出液は、そのまま、又は濃縮液として用いる。濃縮
は、加熱濃縮、減圧濃縮、凍結濃縮などの公知の方法が
用いられる。また、抽出液又は濃縮液を加熱乾燥、噴霧
乾燥、泡沫乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などにより乾燥し
て乾燥物として用いることもできる。
【008】このようにして得た嗜好飲料植物の抽出物
は、ヘリコバクター ピロリ菌が胃粘膜上皮細胞などの
細胞へ接着するのを阻害した。すなわち、細胞を培養し
たマイクロウエルプレートに蛍光ラベルしたヘリコバク
ター ピロリ菌と嗜好飲料植物の抽出物を加え、所定時
間培養後各ウエル内のヘリコバクター ピロリ菌の数を
蛍光顕微鏡を用いて数えた結果、嗜好飲料植物抽出物を
加えずに同様に処理したときの数に比べ、細胞に接着し
たヘリコバクター ピロリ菌の数が極端に少なかった。
【009】ヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン活性
の低減率は、次のようにして測定した。ヘリコバクター
ピロリ菌は、微好気性細菌で、5〜10%の酸素の存
在下又は10%の炭酸ガスの存在により発育するが、好
気条件では発育しない。また、培養のための培地として
HP培地(栄研化学製)、M−BHMピロリ培地(日研
生物医学研究所製)、カンピロバクタースキロー寒天培
地(日研生物医学研究所製)、ピロリアガー(日本ピオ
メリューバイテック製)などが市販されている。
【010】◎FITC(fluorein isothiocyanate)に
より蛍光ラベルしたヘリコバクターピロリ菌の作成法 FITCにより蛍光ラベルしたヘリコバクター ピロリ
菌は、Falk,P., Roth,K.A., Boren,T., Westblom,T.U.,
Gordon,J.I. and Normark,S.;Proc. Natl. Acad. Sci.
90, 2035-2039(1993) に記載の方法に準じ、次のよう
にして作成した。 日研生物医学研究所製のカンピロバ
クタースキロー寒天培地で微好気条件下で5日間培養し
たヘリコバクター ピロリ菌を25μl取り、0.15M
NaCl/0.1M Sodium Carbonate 1mlに懸濁さ
せ、100μlのFITC溶液(dimethyl sulfoxideで
10mg/mlに調製)を加え遮光し、室温で1時間反応さ
せた。3,000×g、5分間遠心し、未反応のFIT
Cを吸引除去し菌体はPBS(Phosphate buffered s
aline)1mlに懸濁させた後、3,000×g遠心して上
清を吸引除去して残余の未反応のFITCを洗浄除去し
た。このPBSでの洗浄をさらに2回行った。洗浄した
菌体をPBS1mlに懸濁し、100μlずつに分けて測
定に使用した。
【011】◎ヘリコバクター ピロリ菌の細胞接着数の
測定とアドヘジン活性の低減率の求め方 細胞としてヒト胃癌細胞株、GHC−27細胞株、MT
3TKB細胞株、MKN−74細胞株、KatoIII
細胞株、ヒト正常鼻粘膜上皮細胞株、ヒト正常包皮表皮
角化細胞株、マウス胃粘膜上皮細胞株などの細胞を96
マイクロウエルプレートの各ウエルに2〜3×104cel
ls/50μl撒き、炭酸ガスインキュベーターで37℃
にて18〜24時間培養して各ウエルに細胞を増殖させ
た。次いで、所定の濃度に希釈した嗜好飲料植物抽出物
を50μl加え5分間、炭酸ガスインキュベーター内で
反応させた後、FITCで蛍光ラベルしたヘリコバクタ
ーピロリ菌の懸濁液を2μL加え、1時間反応させた。
反応後、細胞に接着しなかった蛍光ラベルしたヘリコバ
クター ピロリ菌を培地と共に吸引除去し、PBSを2
00μlずつ用いて3回洗浄してから蛍光顕微鏡下で細
胞に接着したヘリコバクター ピロリ菌の数を測定し、
更に写真に撮影して、写真に写った菌(蛍光)の数を数
えて菌体数(抽出物添加区の数)とした。また、嗜好飲
料植物抽出物を加えずに同様に処理したときの細胞に接
着したヘリコバクター ピロリ菌の数(対象区の数)を
求め、次の式によりアドヘジン活性の低減率を計算し
た。
【012】
【数1】
【013】なお、細胞の培養には、2〜10%の牛胎児
血清を加えたDULBECCO'S MODIFIED EAGLE'S MEDIUM、DU
LBECCO'S MODIFIED EAGLE'S MEDIUM NUTRIENT MIXTURE
F-12 HAM BASE、MINIMUM ESSENTIAL MEDIUM EAGLE、RPM
I-1640 MEDIUM、MCDB 153MEDIUM COMPLETE WITH TRACE
ELEMENTS、MEDIUM 199などの市販の培地が利用可能であ
るが、ここでは、牛胎児血清を5%加えたDULBECCO'S M
ODIFIED EAGLE'SMEDIUM培地を用いて試験を行った。
【014】
【実施例】
実施例1 ソックスレー抽出器を用いてn−ヘキサンで脱脂したコ
コア13gを1回当たり200mlのn−ヘキサンを用い
て2回洗浄して、更に脱脂処理した。この脱脂処理した
ココアに80%エチルアルコールを1回に200ml用い
て3回抽出処理して各回の抽出液を合わせてアルコール
抽出液とした。
【015】次いで、アルコール抽出したときの残渣に
1.0%酢酸水溶液100mlを加え抽出処理して酸抽出
液とした。
【016】更に、酢酸抽出処理した残渣に1.4%アン
モニア水溶液150mlを加え抽出処理してアルカリ抽出
液とした。
【017】各抽出液は、減圧濃縮により10mlに濃縮し
た後、0.2μmフィルターで滅菌濾過してヘリコバクタ
ー ピロリ菌のアドヘジン活性を低減する抽出物とし
た。
【018】実施例2 実施例1と同様にして脱脂処理したココア、緑茶、ウー
ロン茶、紅茶などの嗜好飲料植物の各5gにそれぞれ1
00mlずつの水を加え、オートクレーブに入れ、121
℃で15分間加熱した後濾過してそれぞれの抽出液を得
た。なお、各々の抽出液は、抽出処理のときの加熱によ
り滅菌されており、このままヘリコバクター ピロリ菌
のアドヘジン活性を低減する物質として利用できた。
【019】実施例3 市販のココア5gを炭酸水素ナトリウムでpH12とし
た溶液100mlに加え、オートクレーブに入れ、121
℃で15分間加熱した後濾過して抽出液を得た。この抽
出液を減圧濃縮して10mlのヘリコバクター ピロリ菌
のアドヘジン活性を低減する抽出物とした。また、同様
に処理して得た濃縮液10mlを減圧乾燥して、0.7g
の粉末状のヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン活性
を低減する抽出物とした。
【020】[測定結果1]細胞としてヒト胃ガン細胞で
あるHGC−27株を用いヘリコバクター ピロリ菌の
細胞接着数の測定に記載の方法で実施例1のアルコール
溶液、酸性溶液、アルカリ性溶液で抽出して得たそれぞ
れの嗜好飲料植物の抽出物を培地の20,000分の1
の量となる量を加え、細胞接着数を測定し、またその数
からアドヘジン活性の低減率を計算した結果を表1にに
示す。なお、対象区は、同じ時に処理して得た蛍光ラベ
ルをしたヘリコバクター ピロリ菌を用い、嗜好飲料植
物の抽出物を加えないで同様に処理したときの細胞に接
着した菌の数である。
【021】
【表1】
【022】[測定結果2]実施例2で得た脱脂ココア、
緑茶、ウーロン茶、紅茶などの嗜好飲料植物から抽出し
た抽出物を用い、細胞としてHGC−27株を用い、測
定結果1と同様にして細胞へのヘリコバクター ピロリ
菌の接着数及びアドヘジン活性の低減率を求めた結果を
表2に示す。なお、このとき用いた蛍光ラベルしたヘリ
コバクターピロリ菌は、みな同じときに作成したものを
用いた、また、対象区の接着数は、同じ蛍光ラベルをし
たヘリコバクター ピロリ菌を用い、抽出物を加えない
で同様に処理したときの細胞に接着した菌の数である。
なお、アドヘジン活性の低減率は、各嗜好飲料植物の接
着数を抽出物添加区の数、対象区の接着数を対象区の数
として求めた。
【023】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嗜好飲料植物の抽出物をヘリコバクター
    ピロリ(Helicobacter pylori)菌の成育環境に投与す
    ることを特徴とするヘリコバクター ピロリ菌のアドヘ
    ジン活性を低減する方法。
  2. 【請求項2】 嗜好飲料植物がテオブロマ カカオ(The
    obroma cacao)の種実又はカメリア シネンシス(Camell
    ia sinensis)の葉である1に記載のヘリコバクター ピ
    ロリ菌のアドヘジン活性を低減する方法。
  3. 【請求項3】 テオブロマ カカオの種実が脱脂した胚
    乳部である2に記載のヘリコバクター ピロリ菌のアド
    ヘジン活性を低減する方法。
  4. 【請求項4】 カメリア シネンシスの葉が、緑茶、紅
    茶、ウーロン茶から選択したものである2に記載のヘリ
    コバクター ピロリ菌のアドヘジン活性を低減する方
    法。
  5. 【請求項5】 抽出物が水、酸溶液、アルカリ溶液又は
    アルコール溶液を用いて抽出したものである1に記載の
    ヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン活性を低減する
    方法。
  6. 【請求項6】 抽出物が抽出液又はその濃縮液である1
    又は5に記載のヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン
    活性を低減する方法。
  7. 【請求項7】 抽出物が抽出液を乾燥したものである1
    又は5に記載のヘリコバクター ピロリ菌のアドヘジン
    活性を低減する方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000054792A1 (en) * 1999-03-17 2000-09-21 Morinaga & Co., Ltd. Drugs, foods, drinks and feeds containing cocoa component
WO2009008569A1 (en) * 2007-07-11 2009-01-15 Korea University Industry and Academy Cooperation Foundation Production methods of green tea extracts for preventing adhesion of pathogenic bacteria to human cell

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US6488969B1 (en) 1999-03-17 2002-12-03 Morinaga & Co., Ltd. Method for reducing blood ammonia concentration
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