JPH10101925A - 摺動部材用樹脂組成物および摺動部材 - Google Patents

摺動部材用樹脂組成物および摺動部材

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JPH10101925A
JPH10101925A JP27558896A JP27558896A JPH10101925A JP H10101925 A JPH10101925 A JP H10101925A JP 27558896 A JP27558896 A JP 27558896A JP 27558896 A JP27558896 A JP 27558896A JP H10101925 A JPH10101925 A JP H10101925A
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sliding
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Jinsuke Komiyama
仁介 児見山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】裏金との充分な結合力を得ることが出来、苛酷
な摩擦条件下でも溶融流動したり、裏金から剥離したり
することがなく、摺動部材の製造が簡略化できる、摺動
部材用樹脂組成物およびこれを使用した摺動部材を提供
する。 【解決手段】複合金属酸化物を0.1〜3重量%、フッ
化カルシウムを0.5〜8重量%、二硫化タングステン
を0.5〜8重量%含有し、残部がナイロン11又はナ
イロン12である摺動部材用樹脂組成物、および、金属
裏金部材の表面に接着層を介して樹脂組成物から成る滑
り層を形成して成る摺動部材であって、前記樹脂組成物
が、複合金属酸化物を0.1〜3重量%、フッ化カルシ
ウムを0.5〜8重量%、二硫化タングステンを0.5
〜8重量%含有し、残部がナイロン11又はナイロン1
2である摺動部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動部材用樹脂組
成物および摺動部材に関するものであり、詳しくは、摩
擦摩耗特性、特に低速高荷重条件下における摩擦摩耗特
性に優れた摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用した
摺動部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成樹脂より成る摺動部材の
耐摩耗性、耐荷重性を改善するため、(a)マトリック
スを形成する合成樹脂にグラファイト、二硫化モリブデ
ン等の固体潤滑材および/またはガラス繊維、炭素繊維
などの補強材を配合したり、(b)鋼裏金上に多孔質焼
結金属層を形成し、当該多孔質焼結金属層に合成樹脂を
含浸被覆させたり、(c)鋼裏金上に接着層を形成し、
当該接着層に合成樹脂を被着させたりしている。
【0003】上記(a)の態様の摺動部材は、摺動部材
自体の強度に限界があり高荷重条件下では使用できな
い。これに対して、上記(b)、(c)の態様の摺動部
材においては、比較的軟質の合成樹脂であっても、それ
が鋼などの裏金上に薄層として被着されていると、樹脂
自体の撓みやヘタリを生じることがないため、結果とし
て、摺動部材としての耐摩耗性や耐荷重性が向上する。
また、摺動面において生じた摩擦熱が薄い樹脂層を介し
て裏金に容易に伝わり、そして摺動部材から放熱される
ため、温度上昇を低く抑えることが出来、上述した性能
が一層助長される。この他、樹脂の膨張、収縮あるいは
経年変化も受け難いため、摺動部材としての寸法安定性
が著しく向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(b)、(c)の態様の摺動部材には次の様な問題が残
されている。すなわち、(b)の態様の摺動部材の場
合、鋼裏金上に合成樹脂を被着させて合成樹脂から成る
滑り層を形成するための多孔質焼結金属層を設ける必要
があり、製造上手間や時間を要する他、コスト面におい
ても高価となるという欠点がある。また、円筒状の摺動
部材を得る場合、平板状の摺動部材に丸曲げ加工を施さ
なければならないため、裏金の厚さが制限される。その
結果、厚い裏金が必要とされる場合には、薄い裏金を使
用した摺動部材を円筒状に捲回した後、更に円筒状のハ
ウジングに圧入しなければならないという製造上の煩雑
さがある。また、円筒状の摺動部材においては、突き合
わせ部が生じるため、すなわち、摺動面に不連続部分が
生じるため、この部分に荷重点が作用すると、そこから
滑り層にヘタリ等の損傷を生じる恐れがある。
【0005】(c)の態様の摺動部材は、例えば特開昭
55−139429号公報などにおいて公知である。こ
の公報には、鋼板上に接着層を形成し、当該接着層にポ
リアセタール、ポリアミド等の合成樹脂、熱硬化性ポリ
イミド、四フッ化エチレン樹脂および潤滑油剤から成る
組成物を被着させた摺動部材が開示されている。当該摺
動部材は、(b)の態様の摺動部材の様に多孔質焼結金
属層を形成する必要がなく製造を簡略化できるが、苛酷
な摩擦条件下では樹脂層が摺動面において溶融流動した
り、裏金から剥離するという問題を生じる。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、裏金との充分な結合力を得ることが
出来、苛酷な摩擦条件下でも溶融流動したり、裏金から
剥離したりすることがなく、摺動部材の製造が簡略化で
きる、摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用した摺動
部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ベース樹脂として
ナイロン11又はナイロン12を使用し、これに複合金
属酸化物、フッ化カルシウム及び二硫化タングステンを
添加した樹脂組成物は、粉末塗装性に優れ、そして、こ
の樹脂組成物を裏金部材の表面に接着層を介して被着さ
せた摺動部材は、低速高荷重条件下において優れた摩擦
摩耗特性を発揮し得るとの知見を得た。
【0008】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その第1の要旨は、複合金属酸化物を0.
1〜3重量%、フッ化カルシウムを0.5〜8重量%、
二硫化タングステンを0.5〜8重量%含有し、残部が
ナイロン11又はナイロン12であることを特徴とする
摺動部材用樹脂組成物に存する。
【0009】そして、本発明の第2の要旨は、金属裏金
部材の表面に接着層を介して樹脂組成物から成る滑り層
を形成して成る摺動部材であって、前記樹脂組成物が、
複合金属酸化物を0.1〜3重量%、フッ化カルシウム
を0.5〜8重量%、二硫化タングステンを0.5〜8
重量%含有し、残部がナイロン11又はナイロン12で
あることを特徴とする摺動部材に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の摺動部材用樹脂組成物について説明す
る。本発明において、樹脂組成物の主成分をなす樹脂と
しては、ナイロン11又はナイロン12が使用される。
これらの樹脂は、他のポリアミド樹脂に比べ吸水率が小
さく、粉末塗装性に優れるという特徴を有する。具体的
には、日本リルサン社製ナイロン11「リルサン(商品
名)」、ダイセル・ヒュルス社製ナイロン12「ダイア
ミド(商品名)」等が挙げられる。
【0011】本発明においては、ナイロン11又はナイ
ロン12(ベース樹脂)に複合金属酸化物を配合する
が、当該複合金属酸化物に含まれる金属元素としては、
Ti、Zn、Ni、Co、Al、Li、Cr、Ca、B
a、Sb、Fe、Cu、Mn、Zr、Mg、Sn、Pb
の群から選択される少なくとも2種以上の金属元素が好
ましい。
【0012】上記の複合金属酸化物の具体例としては、
TiO2 −BaO−NiO、TiO2 −NiO−Sb2
3 、TiO2 −Sb2 3 −Cr2 3 、ZnO−F
23 、Cr2 3 −ZnO−Fe2 3 、NiO−
Fe2 3 −Al2 3 、TiO2 −NiO−ZnO−
CoO、Cr2 3 −Al2 3 −CoO、Al2 3
−CoO、Cr2 3 −CuO、Fe2 3 −CuO−
Mn2 3 、Cr2 3 −Fe2 3 −CoO、TiO
2 −NiO−ZnO−CoO−Al2 3 、TiO2
CoO−CaO、TiO2 −NiO−CoO−Li
2 O、ZrO2 −SiO2 、BaO−ZrO2 、CaO
−ZrO2 、BaO−SnO2 、CaO−SnO2 、M
gO−Al2 3 、MgO−TiO2 等が挙げられる。
【0013】複合金属酸化物は、ベース樹脂であるナイ
ロン樹脂の耐摩耗性を向上させる作用を有する。その配
合割合は、通常0.1〜3重量%、好ましくは0.2〜
2重量%、更に好ましくは0.3〜1重量%である。配
合割合が0.1重量%未満の場合は耐摩耗性の向上の効
果が現われず、また、3重量%を超える場合は却って耐
摩耗性を低下させることになる。なお、複合金属酸化物
は2種以上を混合して使用してもよい。
【0014】本発明においては、前記複合金属酸化物に
加えて、ベース樹脂にフッ化カルシウム及び二硫化タン
グステンを配合するが、これらは、従来使用されている
ものを使用できる。
【0015】フッ化カルシウムは、複合金属酸化物と同
様に耐摩耗性を向上させる効果を有する。また、フッ化
カルシウムは、吸湿性がないため、湿度による摺動特性
への悪影響を防止する働きも有する。フッ化カルシウム
の配合割合は、通常0.5〜8重量%、好ましくは0.
5〜5重量%、更に好ましくは1〜3重量%である。配
合割合が0.5重量%未満の場合は耐摩耗性の向上に効
果が認められず、8重量%を超えるとフッ化カルシウム
の偏在が多くなり、滑り層の機械的強度が損なわれる。
【0016】二硫化タングステンも、耐摩耗性を向上さ
せる効果を有する。しかも、二硫化タングステンは、樹
脂中での分散性が良好であるため、前記フッ化カルシウ
ムと同時に使用することにより、分散性の余り良くない
フッ化カルシウムの分散性を改善し、フッ化カルシウム
の効果を充分に発揮させる働きを有する。また、複合金
属酸化物およびフッ化カルシウムを配合すると、前記の
様に耐摩耗性を向上させるが、低摩擦性が若干損なわれ
る。しかしながら、二硫化タングステンを配合すること
によりナイロン樹脂が本来有する低摩擦特性が維持され
る。
【0017】二硫化タングステンの配合割合は、通常
0.5〜8重量%、好ましくは0.5〜5重量%、更に
好ましくは1〜3重量%である。配合割合が0.5重量
%未満の場合は二硫化タングステンの前記の効果が充分
発揮されず、また、8重量%を超える場合は、金属裏金
部材の表面に形成された接着層との結合力が不充分とな
る。
【0018】ベース樹脂に配合される上記の各充填材の
配合量の合計が10重量%を超えると接着層との結合力
に悪影響を及ぼす傾向があるため、前記3種類の充填材
の配合量の合計は、通常10重量%以下、好ましくは2
〜8重量%とされる。
【0019】本発明においては、上記の樹脂組成物に対
し、ナイロン樹脂の補強を目的として、カーボンブラッ
ク、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィス
カ、アラミド繊維などの補強材を5重量%以下の割合で
配合してもよい。
【0020】次に、本発明の摺動部材およびその製造方
法について説明する。金属裏金部材としては、一般構造
用圧延鋼材の鋼板・鋼帯、機械構造用炭素鋼鋼材の鋼板
・鋼帯、冷間圧延鋼板・鋼帯、一般構造用炭素鋼鋼管、
機械構造用炭素鋼鋼管などが好適であるが、目的、用途
によっては、アルミニウム合金、銅合金などの板、管
(継目無管など)も使用することが出来る。また、金属
板を丸曲げ加工した円筒体であって、その接合部を強固
に噛み合わせたものも使用することが出来る。
【0021】接着層を形成するプライマーとしては、フ
ェノール変性アルキッド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、
エポキシ樹脂、フラン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂などを使用することが出来る。
【0022】本発明の板状の摺動部材は次の様にして製
造される。先ず、所定寸法の板状の金属裏金部材を用意
する。当該金属裏金部材を溶剤洗浄、アルカリ洗浄等に
より脱脂処理した後、酸処理、ブラスト処理などによ
り、金属裏金部材表面の金属酸化物などを除去すると共
に粗面化処理をする。
【0023】次に、金属裏金部材の表面にスプレー塗布
または浸漬法によりプライマー皮膜を形成し、当該プラ
イマー皮膜に含まれる溶剤を充分に蒸発させる。
【0024】次に、金属裏金部材を300〜400℃に
設定された加熱炉に入れ、表面温度が250〜300℃
になるまで加熱処理し(数分〜数十分)、裏金部材の表
面に厚さ5〜30μmのプライマーから成る接着層を形
成する。
【0025】次に、表面温度が250〜300℃に保持
されている金属裏金部材の表面に前記の樹脂組成物の粉
末を散布すると共に樹脂組成物を溶融付着させる。その
後、冷却し、機械加工を施し、厚さが0.3〜0.5m
mの滑り層を有する板状の摺動部材を得る。
【0026】本発明の円筒状の摺動部材は次の様にして
製造される。先ず、所定寸法の円筒状の金属裏金部材を
用意し、上記と同様にして金属裏金部材表面の金属酸化
物などを除去すると共に粗面化処理をする。次に、金属
裏金部材の内周面に上記と同様にしてプライマー皮膜を
形成した後、裏金部材の内周面に厚さ5〜30μmのプ
ライマーから成る接着層を形成する。
【0027】次に、表面温度が250〜300℃に保持
されている裏金部材を軸中心に回転させながら、接着層
が形成された裏金部材の内周面に樹脂組成物の粉末を散
布すると共に樹脂組成物を溶融付着させる。その後、冷
却し、機械加工を施し、厚さが0.3〜0.5mmの滑
り層を有する円筒状の摺動部材を得る。
【0028】以上説明した製造方法においては粉末散布
による方法を示したが、流動浸漬法または静電塗装法に
より樹脂組成物の粉末を溶融付着させてもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。
【0030】実施例1〜5及び比較例1〜2 金属裏金部材として、厚さ8mmの一般構造用圧延鋼鋼
板を使用した。脱脂洗浄した金属裏金部材の表面にブラ
スト処理を施し、エアブローにより処理表面を清浄にし
た。このときの処理表面の平均粗さは19μmであっ
た。
【0031】次に、金属裏金部材の表面にエポキシ樹脂
プライマーをスプレー塗布し、400℃に設定された加
熱炉で12分間処理し(表面温度270〜290℃)、
厚さ0.02mmの接着層を形成した。
【0032】次に、金属裏金部材を加熱炉から取り出
し、接着層が形成された表面に表2〜3に示す組成より
成る樹脂組成物の粉末を散布して溶融付着させた。そし
て、冷却後、機械加工を施し、接着層表面に0.4mm
の厚さの滑り層を有する板状の摺動部材を得た。
【0033】上述した実施例および比較例で得た板状の
摺動部材の摺動特性について下記表1に示すスラスト試
験により耐荷重性を評価した。
【0034】
【表1】 スラスト試験 試験条件 面圧:100kgf/cm2 を60分毎に累積負荷 最大700kgf/cm2 速度:1m/min 潤滑:試験開始前に摺動面にリチウム系グリースを塗布 相手材:調質後高周波焼入れした高炭素クロム軸受鋼
【0035】試験結果は表2〜3の通りである。なお、
表中の複合金属酸化物の種類は複合金属酸化物に含まれ
る金属元素で表示し、配合割合は重量%で示す。
【0036】
【表2】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 ナイロン樹脂 96.5 96.5 95 ナイロン樹脂(種類) 11 12 11 複合金属酸化物 0.5 0.5 1 複合金属酸化物(種類) Ti-Zn-Ni-Co Co-Al-Cr Ti-Zn-Ni-Co-Al (以下Aという)(以下Bという)(以下Cという) フッ化カルシウム 1.5 1.5 2二硫化タングステン 1.5 1.5 2 摩擦係数 0.05 0.05 0.06 摩耗量(μm) 60 60 80 ────────────────────────────────────
【0037】
【表3】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 4 5 1 2 ナイロン樹脂 96 95 99 98 ナイロン樹脂(種類) 12 11 11 11 複合金属酸化物 1 1 1 − 複合金属酸化物(種類) Ti-Co-Ca C C − (以下Dという) フッ化カルシウム 1 1 − 2二硫化タングステン 2 3 − − 摩擦係数 0.05 0.05 0.06 0.07 摩耗量(μm) 70 80 200 − ────────────────────────────────────
【0038】以上の試験結果から明らかな様に、実施例
1〜5の摺動部材は、スラスト試験において、累積荷重
700kgf/cm2 という荷重条件においても低い摩
擦係数で安定した性能を発揮し、累積荷重700kgf
/cm2 時の摩耗量は80μm以下と極めて低い値をし
た。これに対し、比較例1の摺動部材は、低い摩擦係数
を示すものの摩耗量が多かった。また、比較例2の摺動
部材は、累積荷重400kgf/cm2 の時点で滑り層
と裏金との間に剥離を生じたため、試験を中止した。比
較例2における摩擦係数は累積荷重100〜300kg
f/cm2 時点での値を示し、また、摩耗量は測定出来
なかった。
【0039】実施例6〜30及び比較例3〜9 金属裏金部材として、内径が60mm、外径が75m
m、長さが50mmの機械構造用炭素鋼鋼管を使用し
た。脱脂洗浄した円筒状金属裏金部材の内周面にブラス
ト処理により粗面化処理を施し、エアブローにより処理
表面を清浄にした。このときの処理表面の平均粗さは1
9μmであった。
【0040】次に、円筒状金属裏金部材の内周面にエポ
キシ樹脂プライマーをスプレー塗布し、400℃に設定
された加熱炉で12分処理し(表面温度270〜290
℃)、厚さ0.02mmの接着層を形成した。
【0041】次に、円筒状金属裏金部材を加熱炉から取
り出し、軸中心に回転させながら、接着層を形成した内
周面上に表5〜10に示す組成より成る樹脂組成物の粉
末を散布して溶融付着させた。そして、冷却した後、内
周面に機械加工を施し、接着層の表面に0.4mmの厚
さの滑り層を有する円筒状摺動部材を得た。
【0042】上述した実施例および比較例で得た円筒状
摺動部材の摺動特性について行なった試験およびその結
果について述べる。摺動特性については、表4に示すジ
ャーナル揺動試験によって耐久性を評価した。
【0043】
【表4】 ジャーナル揺動試験 試験条件 面圧:500kgf/cm2 揺動角度:±45° 揺動サイクル:5cpm サイクル数:100,000サイクル 潤滑:試験開始前に摺動面にリチウム系グリースを塗布 相手材:調質後高周波焼入れした高炭素クロム軸受鋼
【0044】上記試験条件により行なった試験結果は表
5〜10の通りである。なお、表中の配合割合は重量%
で示す。
【0045】
【表5】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 6 7 8 9 10 11 ナイロン樹脂 97.9 97.2 96.5 96 98 98 ナイロン樹脂(種類) 11 12 11 11 12 12 複合金属酸化物 0.1 0.3 0.5 1 1 0.5 複合金属酸化物(種類) A B C C D D フッ化カルシウム 1 1.5 1.5 1 0.5 0.5 二硫化タングステン 1 1 1.5 2 0.5 1 摩擦係数 0.05 0.05 0.05 0.05 0.06 0.05 摩耗量(μm) 58 42 35 40 55 50 ────────────────────────────────────
【0046】
【表6】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 12 13 14 15 16 17 ナイロン樹脂 96 94 91 97.5 97.5 95.5 ナイロン樹脂(種類) 12 11 12 12 11 11 複合金属酸化物 0.5 0.5 0.5 1 0.5 0.5 複合金属酸化物(種類) C C C B B C フッ化カルシウム 0.5 0.5 0.5 1 1 1二硫化タングステン 3 5 8 0.5 1 3 摩擦係数 0.05 0.05 0.05 0.06 0.06 0.05 摩耗量(μm) 47 55 65 45 43 45 ────────────────────────────────────
【0047】
【表7】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 18 19 20 21 22 23 ナイロン樹脂 93.5 97 96 95 95.5 94.5 ナイロン樹脂(種類) 11 11 11 11 11 11 複合金属酸化物 0.5 0.5 1 0.5 0.5 0.5 複合金属酸化物(種類) C C C C C A フッ化カルシウム 1 1.5 1.5 1.5 3 3二硫化タングステン 5 1 1.5 3 1 2 摩擦係数 0.05 0.06 0.05 0.05 0.06 0.06 摩耗量(μm) 50 38 35 43 45 45 ────────────────────────────────────
【0048】
【表8】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 24 25 26 27 28 29 ナイロン樹脂 91.5 93.5 92.5 90.5 95.5 95 ナイロン樹脂(種類) 11 12 11 12 11 11 複合金属酸化物 0.5 0.5 0.5 0.5 1.5 2 複合金属酸化物(種類) A C C C C C フッ化カルシウム 3 5 5 8 1.5 1.5 二硫化タングステン 5 1 2 1 1.5 1.5 摩擦係数 0.05 0.06 0.06 0.07 0.05 0.05 摩耗量(μm) 60 58 60 65 45 50 ────────────────────────────────────
【0049】
【表9】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比 較 例 30 3 4 5 6 ナイロン樹脂 95 99 97 97 97 ナイロン樹脂(種類) 11 11 11 11 11 複合金属酸化物 3 1 − − − 複合金属酸化物(種類) C C − − − フッ化カルシウム 1 − 3 − 1.5 二硫化タングステン 1 − − 3 1.5 摩擦係数 0.06 0.05 0.07 0.05 0.07 摩耗量(μm) 57 250 − − − ────────────────────────────────────
【0050】
【表10】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 7 8 9 ナイロン樹脂 96.5 96.5 100 ナイロン樹脂(種類) 11 11 11 複合金属酸化物 0.5 0.5 − 複合金属酸化物(種類) C C − フッ化カルシウム 3 − −二硫化タングステン − 3 − 摩擦係数 0.06 0.05 0.04 摩耗量(μm) 160 180 300 ────────────────────────────────────
【0051】以上の試験結果から明らかな様に、実施例
6〜30の摺動部材は、ジャーナル揺動試験において、
面圧500kgf/cm2 という極めて厳しい荷重条件
下においても低い摩擦係数で安定した性能を発揮し、摩
耗量においても65μm以下と極めて低い値を示した。
これに対し、比較例4〜6の摺動部材は、試験途中で滑
り層と裏金との間に剥離を生じたため試験を中止した。
比較例4、5および6における摩擦係数は剥離前の安定
しているときの摩擦係数を示し、摩耗量は測定出来なか
った。また、比較例3及び7〜9の摺動部材は、摩擦係
数は低いものの摩耗量が多かった。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した様に、本発明の樹脂組成物
によれば、裏金との充分な結合力を得ることが出来、過
酷な摩擦条件下でも溶融流動したり裏金から剥離したり
することがなく、更に、粉末塗装性にも優れるために過
酷な摩擦条件下においても優れた摩擦摩耗特性を発揮す
る摺動部材が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 103/06 C10M 103/06 B 107/40 107/40 F16C 33/24 F16C 33/24 Z // C10N 40:02 50:08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複合金属酸化物を0.1〜3重量%、フ
    ッ化カルシウムを0.5〜8重量%、二硫化タングステ
    ンを0.5〜8重量%含有し、残部がナイロン11又は
    ナイロン12であることを特徴とする摺動部材用樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 複合金属酸化物に含まれる金属元素が、
    Ti、Zn、Ni、Co、Al、Li、Cr、Ca、B
    a、Sb、Fe、Cu、Mn、Zr、Mg、Sn、Pb
    の群から選択される少なくとも2種以上である請求項1
    に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 金属裏金部材の表面に接着層を介して樹
    脂組成物から成る滑り層を形成して成る摺動部材であっ
    て、前記樹脂組成物が、複合金属酸化物を0.1〜3重
    量%、フッ化カルシウムを0.5〜8重量%、二硫化タ
    ングステンを0.5〜8重量%含有し、残部がナイロン
    11又はナイロン12であることを特徴とする摺動部
    材。
  4. 【請求項4】 金属裏金部材が板状体である請求項3に
    記載の摺動部材。
  5. 【請求項5】 金属裏金部材が円筒状体であって、当該
    円筒状体の内周面に、接着層を介して樹脂組成物から成
    る滑り層が形成されている請求項3に記載の摺動部材。
  6. 【請求項6】 複合金属酸化物に含まれる金属元素が、
    Ti、Zn、Ni、Co、Al、Li、Cr、Ca、B
    a、Sb、Fe、Cu、Mn、Zr、Mg、Sn、Pb
    の群から選択される少なくとも2種以上である請求項3
    乃至5の何れかに記載の摺動部材。
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