JPH10102247A - スパッタリング装置及び方法 - Google Patents

スパッタリング装置及び方法

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JPH10102247A
JPH10102247A JP8261643A JP26164396A JPH10102247A JP H10102247 A JPH10102247 A JP H10102247A JP 8261643 A JP8261643 A JP 8261643A JP 26164396 A JP26164396 A JP 26164396A JP H10102247 A JPH10102247 A JP H10102247A
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target
magnet
sputtering
sputtering apparatus
magnets
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JP8261643A
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Isamu Aokura
勇 青倉
Hitoshi Yamanishi
斉 山西
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲットの侵食が大略均一に進行させるこ
とができるターゲットを保有するスパッタリング装置及
び方法を提供する。 【解決手段】 磁石10はターゲット6の一つの縁に沿
うように配置しており、ターゲット6を挟んで対向する
磁石10の極性が同じになるように定めている。また、
ターゲット6の裏面側に配置した磁石14は、上記磁石
10のターゲット6を挟んで対向する極性と逆の極性が
タ−ゲット6の表面方向を向くように定めるとともに、
ターゲット6の上記一つの縁と直交する方向91に移動
しかつ往復運動するように構成することにより、ターゲ
ット6の侵食の進行がターゲット面内で大略均一にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜形成技術の一
つであるマグネトロンスパッタリング装置及び方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング法とは、一般に低真空雰
囲気で気体放電を起こすことによりプラズマを発生さ
せ、プラズマの陽イオンをカソードと呼ばれる負極に設
置されたターゲットに衝突させ、衝突によりスパッタさ
れた粒子が基板に付着して薄膜を生成する方法である。
このスパッタリング法は、組成の制御や装置の操作が比
較的簡単であることから、広く成膜過程に使用されてい
る。しかし、従来スパッタリング法は、真空蒸着法など
に比べ、薄膜生成速度が遅いという欠点を有していた。
このため、永久磁石や電磁石を磁気回路として用いてタ
ーゲット付近に磁場を形成するマグネトロンスパッタリ
ング法が考案され、薄膜の形成速度が向上し、半導体部
品や電子部品等の製造工程においてスパッタリング法に
よる薄膜形成の量産化を可能にした。
【0003】上記マグネトロンスパッタリング法には、
ターゲットの局所的な侵食による膜厚や膜質の不均一性
があるという問題点があり、この問題解決のため、電場
に直交する一様な磁場を形成する装置が考案されてい
る。図20は従来のスパッタリング装置の装置構成を示
すものである。図20において、1はチャンバ、2は真
空ポンプによって排気されるチャンバ1の真空排気口、
3はチャンバ1へのガス導入管、4はガス導入管3に取
り付けられたガス流量制御器である。5はガス導入管3
からチャンバ1内に導入される放電ガスで、通常アルゴ
ンガスを用いる。6はターゲット、7はスパッタリング
電極、8は放電用電源、9はマグネットホルダ、10は
磁石、11は基板ホルダである。12は基板で、この上
に薄膜を形成する。
【0004】以上のように構成された上記スパッタリン
グ装置について、以下その動作について説明する。ま
ず、チャンバ1内を真空排気口2から真空ポンプで10
−7Torr程度にまで排気する。次に上記チャンバ1
の一端に接続されたガス導入管3を介してチャンバ1内
に放電ガス5を導入し、チャンバ1内の圧力を10−3
〜10−2Torr程度に保つ。ターゲット6を取りつ
けたスパッタリング電極7に直流あるいは高周波のスパ
ッタリング用電源8により負の電圧または高周波電圧を
印加すると、上記電源8による電場とマグネットホルダ
9内に収納された磁石10による磁場との作用でターゲ
ット6の表面近傍に放電によるプラズマが発生し、スパ
ッタリング現象が起こり、ターゲット6から放出された
スパッタ粒子により基板ホルダ11に設置された基板1
2上に薄膜が形成される。しかしながら、上記スパッタ
リング装置ではターゲット6が強磁性材料の場合、磁石
10から発生する磁束の大部分がターゲット6内を通過
し、プラズマ形成に寄与する磁束がきわめて少なくな
る。その結果、成膜速度が低下してしまうという問題を
有している。そこで、特開昭61−124567号公報
に記載のようにターゲット表面に配置する磁石に加え
て、ターゲット裏面にも磁石を配置することによって強
磁性材料のターゲットにおいても成膜速度を低下させな
い取り組みがなされている。図21はターゲット6の表
面および裏面に磁石10、13を配置したときのスパッ
タリング電極構成を示したもので、13はターゲット6
の裏面に配置された磁石である。この構成によって、タ
ーゲット6の裏面に配置された磁石13から発生する磁
束が強磁性材料のターゲット6内を満たし、ターゲット
表面に配置された磁石10から発生する磁束がターゲッ
ト6内を通過することを防ぐようにしている。この効果
によって、強磁性材料のターゲット6における成膜速度
の低下を防ぐようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、強磁性材料のターゲットにおける成膜速
度の向上は達成できるが、磁束がターゲット全面に渡っ
て同じ方向を向いているので、プラズマ中の電子はター
ゲット全面に渡って同じ方向の力を受けることになる。
したがって、プラズマ中の電子の密度がターゲット面内
で不均一になる。この結果、電子の受ける力の方向での
ターゲットの侵食が速く進行し、逆方向では侵食の進行
が遅くなり、侵食が進行するにしたがって、侵食が均一
に進行しないという問題点がある。これにより、ターゲ
ット材料の材料利用効率がきわめて悪いだけでなく、基
板面に生成される薄膜の膜厚均一性が確保できないとい
う問題点が発生する。本発明は、上記の問題点を解決
し、磁性材料に関係なく、ターゲットの侵食を大略均一
に進行させることができるスパッタリング装置及び方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下のように構成している。本発明の第1
態様にかかるスパッタリング装置によれば、矩形ターゲ
ットを用いてスパッタリングを行うスパッタリング装置
において、上記ターゲットの一対の縁に沿うように棒状
の第1磁石をそれぞれ配置するとともに、上記ターゲッ
トの裏面側に棒状の第2磁石を移動可能に配置するよう
に構成している。本発明の第2態様によれば、第1態様
において、上記第1磁石の極性が同極どうしが向き合う
ように定め、上記第2磁石は、上記第1磁石の互いに向
き合う磁極と異なる極が上記ターゲットの裏面に対向す
ように設定されるように構成することもできる。本発明
の第3態様によれば、第1又は2態様において、上記第
2磁石が、ターゲット裏面側において、上記第1磁石間
に相当する範囲を往復運動するように構成することもで
きる。本発明の第4態様によれば、第1〜3のいずれか
の態様において、上記第2磁石は複数の棒状の磁石より
構成されるようにすることもできる。
【0007】本発明の第5態様にかかるスパッタリング
装置によれば、丸型ターゲットを用いてスパッタリング
を行うスパッタリング装置において、上記ターゲットの
縁に対向する第3磁石を配置するとともに、上記ターゲ
ットの裏面側に第4磁石を大略円運動可能に配置するよ
うに構成している。本発明の第6態様によれば、第5態
様において、上記第3磁石の極性が、同極どうしが上記
ターゲットの中心を向くように定め、上記第4磁石は、
上記第3磁石の上記ターゲット中心を向く極と異なる極
が上記ターゲットの裏面に向き合うように設定されるよ
うに構成することもできる。本発明の第7態様によれ
ば、第5又は6態様において、上記第4磁石が複数であ
るように構成することもできる。本発明の第8態様によ
れば、第5〜7のいずれかの態様において、上記第4磁
石が螺旋運動をするように構成することもできる。
【0008】本発明の第9態様にかかるスパッタリング
装置によれば、丸型ターゲットを用いてスパッタリング
を行うスパッタリング装置において、上記ターゲットの
縁に対向した複数の電磁石を配置し、該電磁石の磁極は
時間的に変化するように構成している。本発明の第10
態様によれば、第9態様において、上記電磁石は、上記
ターゲットの内側に向く極をそれぞれ独立に制御できる
ように構成することもできる。本発明の第11態様によ
れば、第9又は10態様において、上記電磁石の数は4
個以上の偶数個であるように構成することもできる。本
発明の第12態様によれば、第9〜11のいずれかの態
様において、上記電磁石のコイルが真空チャンバの大気
側にあるように構成することもできる。
【0009】本発明の第13態様にかかるスパッタリン
グ方法よれば、矩形ターゲットを用いて、上記ターゲッ
トの一対の縁に沿うように棒状の第1磁石をそれぞれ配
置するとともに、上記ターゲットの裏面側に棒状の第2
磁石を移動可能に配置した状態でスパッタリングを行う
スパッタリング方法において、上記第2磁石を上記ター
ゲットの裏面側で移動させながらスパッタリングを行
い、磁束の向きを時間的に変化させ、ターゲット面上で
のプラズマ密度が時間的に大略平均化されるように構成
している。本発明の第14態様によれば、第13態様に
おいて、上記第1磁石の極性が同極どうしが向き合うよ
うに定め、上記第2磁石は、上記第1磁石の互いに向き
合う磁極と異なる極が上記ターゲットの裏面に対向すよ
うに設定されるように構成することもできる。本発明の
第15態様によれば、第13又は14態様において、上
記第2磁石が、ターゲット裏面側において、上記第1磁
石間に相当する範囲を往復運動するように構成すること
もできる。
【0010】本発明の第16態様にかかるスパッタリン
グ方法によれば、丸型ターゲットを用いて、上記ターゲ
ットの縁に対向する第3磁石を配置するとともに、上記
ターゲットの裏面側に第4磁石を移動可能に配置した状
態でスパッタリングを行うスパッタリング方法におい
て、上記第4磁石を上記ターゲットの裏面側で大略円運
動させながらスパッタリングを行い、磁束の向きを時間
的に変化させ、ターゲット面上でのプラズマ密度が時間
的に大略平均化されるように構成している。本発明の第
17態様によれば、第16態様において、上記第3磁石
の極性が、同極どうしが上記ターゲットの中心を向くよ
うに定め、上記第4磁石は、上記第3磁石の上記ターゲ
ット中心を向く極と異なる極が上記ターゲットの裏面に
向き合うように設定されるように構成することもでき
る。本発明の第18態様によれば、第16又は17態様
において、上記第4磁石が螺旋運動をするように構成す
ることもできる。
【0011】本発明の第19態様にかかるスパッタリン
グ方法によれば、丸型ターゲットを用いて、上記ターゲ
ットの縁に対向した複数の電磁石を配置した状態でスパ
ッタリングを行うスパッタリング方法において、上記電
磁石の磁極は時間的に変化させて、磁束の向きを変化さ
せ、プラズマ中の電子が力を受ける方向が変化して、タ
ーゲット面上でのプラズマ密度が時間平均的に大略均一
化するように構成している。本発明の第20態様によれ
ば、第19態様において、上記電磁石の磁極を時間的に
変化させることにより、磁束の向きを変化させ、プラズ
マ中の電子が力を受ける方向が360°回転させて、タ
ーゲット面上でのプラズマ密度が時間平均的に大略均一
化するように構成することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1から図19を用いて説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態にかか
る、スパッタリング方法を実施するためのスパッタリン
グ装置の構成を示すものである。図1において、1は真
空チャンバ、2はチャンバ1に備えられかつ真空ポンプ
に通じた真空排気口、3はチャンバ1に備えられたガス
導入管、4はガス導入管3に取り付けられたガス流量制
御器である。5はガス導入管3からチャンバ1内に導入
される放電ガスで、通常はアルゴンガスが用いられる。
6はチャンバ1内に配置された矩形のターゲット、7は
チャンバ1に絶縁体80を介して取り付けられかつター
ゲット6を支持するスパッタリング電極、8はスパッタ
リング電極7に負の電圧又は高周波電圧を印加する放電
用の直流又は高周波放電源、9はチャンバ1内に配置さ
れかつターゲット6の長手方向沿いの一対の縁に沿うよ
うに配置された一対のマグネットホルダ、10は一対の
マグネットホルダ9内に保持されかつターゲット6の一
対の縁に沿って配置された一対の棒状の磁石である。1
1はチャンバ1内のターゲット6に対向する位置に配置
された基板ホルダである。12は基板ホルダ11により
保持される基板で、この上に薄膜を形成する。14はス
パッタリング電極7の内側でかつターゲット裏面側に配
置されかつターゲット6の長手方向沿いに配置された棒
状の磁石で、この磁石14は、ターゲット6の裏面側で
ターゲット6の長手方向と直交する方向に移動する移動
機構を備えている。
【0013】図2は図1で示したスパッタリング装置の
うち、スパッタリング電極7の部分の平面図を示したも
のである。また、図3は図2のA−A’断面を示したも
のである。各磁石10は、図2に示すように、長方形の
ターゲット6の長手方向沿いの各縁に沿うようにターゲ
ット6の外側に配置しており、ターゲット6を挟んで対
向する、一対の磁石10の極性が同じなるよう定めてい
る。この図2では一対の磁石10においてそのN極同士
が対向するようにしている。また、ターゲット6の裏面
側に配置した磁石14は上記磁石10のターゲットを挟
んで対向する極性と逆の極性がターゲットの裏面に対向
するように定める。図2では、磁石10がN極同士対向
しているため、ターゲット裏面側の磁石14はS極がタ
ーゲット6の裏面に対向するようにしている。また、タ
ーゲット裏面側の磁石14は、上記移動機構により、タ
ーゲット6の長手方向と直交する方向すなわち91の方
向に移動しかつ往復運動できるように構成されており、
時間とともに図4(A)から(B)を経て(C)に、そ
して、(C)から(B)を経て(A)に示すような移動
をする。すなわち、ターゲット6の裏面側で一対の磁石
10の間に相当する範囲において、一方の磁石10の近
傍から徐々に遠ざかり他方の磁石10に接近し、次い
で、他方の磁石10の近傍位置まで位置すると、逆に、
他方の磁石10の近傍から徐々に遠ざかり一方の磁石1
0に接近し、次いで、一方の磁石10の近傍位置まで位
置するようにしている。この間の磁石14の移動速度は
等速度とすることが、プラズマ密度を時間的に大略平均
化するためには好ましい。
【0014】上記構成により、ターゲット6上のあらゆ
る点で磁場は、その強さと方向が時間的に変化する。図
5は、一例として、ターゲット6の中心位置での、およ
びターゲット6の中心から図2のA−A’線上50mm
離れた位置での、ターゲット裏面側に配置した磁石14
の移動速度を50mm/sとしたときのターゲット表面
から2mm離れたところのA−A’方向での磁束密度の
時間変化を、それぞれ、実線と点線で示したものであ
る。図3中の磁石14の右向きの移動を正として示して
いる。図5からわかるように、ターゲット上各点で、磁
場の強さと方向が時間的に変化する。
【0015】図2において、磁束が右に向いているとき
はプラズマ中の電子は図2の下側に向かう力を受ける。
また磁束が左を向いているときはプラズマ中の電子は上
側に向かう力を受ける。したがって、磁束の向きが時間
的に変化することによりターゲット面上のプラズマを閉
じこめプラズマの密度を高めることが可能となり、侵食
速度が増加し、基板上への膜の生成速度が上昇する。さ
らに、ターゲット面上でのプラズマ密度が時間的に平均
化され、図6に示すようにターゲット6の侵食部分6a
が大略均一となり、材料の利用効率が増大する。
【0016】(第2実施形態)図7は、本発明の第2実
施形態にかかる、スパッタリング方法を実施するための
スパッタリング装置を示している。大略構成は第1実施
形態と同一であるが、異なる点は、ターゲット6の裏面
側の棒状の磁石14が複数個、例えば2個配置されてい
ることである。よって、図7に示すように、所定間隔離
れた2つの磁石14が、第1実施形態の移動機構と同様
な機構でもって図6に示すような移動を行う。すなわ
ち、ターゲット6の裏面側で一対の磁石10の間に相当
する範囲において、図7においてターゲット裏面側の左
側の磁石14がターゲット表側の左側の磁石10の近傍
から徐々に遠ざかるように、ターゲット6の裏面側の右
側の磁石14と一体的に右方向に移動し、この右側の磁
石14がターゲット6の表側の右側の磁石10に接近
し、次いで、その磁石10の近傍位置まで位置すると、
逆に、右側の磁石10の近傍から徐々に遠ざかるように
右側の磁石14が左側の磁石14と一体的に左方向に移
動し、左側の磁石14が左側の磁石10に接近し、その
磁石10の近傍位置まで位置するようにしている。この
間の2つの磁石14の移動速度は等速度とすることが、
プラズマ密度を時間的に大略平均化するためには好まし
い。この第2実施形態では、第1実施形態と同様な効果
を奏することができるとともに、特にターゲットが大き
いとき、すなわち磁石10同士の間隔が広いとき、磁石
14を複数個設置することによって、ターゲット面上で
の磁束の低下を防ぎ、成膜速度の低下を抑えることがで
きる。
【0017】(第3実施形態)図8は、本発明の第3実
施形態にかかる、スパッタリング方法を実施するための
スパッタリング装置のスパッタリング電極部分を示して
いる。この図8は、第1実施形態において図1に示した
スパッタリング装置のスパッタリング電極部分の平面図
である図2と同様なものである。また、図9は図8のB
−B’断面を示したものである。この第3実施形態が第
2実施形態と異なる点は、矩形のターゲット6を対象と
するものではなく円形のターゲット46を対象とするこ
とである。円形のターゲット46の円周状の縁に沿うよ
うに配置した円環状の磁石15は、ターゲット46の円
周に沿って、ターゲット46の中心に向かって同じ極が
向き合うように配置されている。図8では、例えば、タ
ーゲット46の中心にN極が向かうように配置されてい
る。ターゲット46の裏面側に配置される円柱状の磁石
16は120°おきに3個配置され、かつ、この3個の
磁石16は120°の間隔を保持した状態で、大略円運
動可能に、具体的には、ターゲット6の中心から半径の
異なる同心円上を、それぞれ、好ましくは等角速度で同
一方向に移動できるように配置されており、かつ上記磁
石15の中心に向かう極性と逆の極性がターゲットの表
面方向を向くように定めている。よって、図8では、S
極がターゲット46の裏面に対向するようにしている。
【0018】図8において、磁束は、ターゲット中心に
向いているため、プラズマ中の電子は、ターゲット裏面
側に配置した3個の磁石16の移動に伴い、ターゲット
46の円周方向に移動する力を受ける。このとき3個の
磁石16はターゲット46の中心から半径の異なる周上
をそれぞれ移動するため、ターゲット面上の各点ではプ
ラズマ密度が時間平均的に大略均一化し、図10に示す
ようにターゲット46の侵食部分46aは大略均一化す
る。なお、47は円形のスパッタリング電極で図1のス
パッタリング電極7に対応するものである。なお、以上
の説明では、ターゲット裏面側に配置した3個の磁石1
6は120°おきに3個配置した例で説明したが、複数
個であれば効果は同様である。ただし、その間隔は、等
角度おきである方が望ましい。また、ターゲット裏面側
に配置した磁石16の形状は、その表面形状が、円形の
みならず、円環状磁石15に対応する円弧周面を有する
扇形などでもよい。また、3個の磁石16は常に同一方
向に一体的に移動するものに限らず、所定時間間隔毎
に、3個の磁石16が一体的に移動する方向が変化する
ようにしてもよい。
【0019】(第4実施形態)図11は、本発明の第4
実施形態にかかる、スパッタリング方法を実施するため
のスパッタリング装置のスパッタリング電極部分を示し
ている。この図11は、第1実施形態において図1に示
したスパッタリング装置のスパッタリング電極部分の平
面図である図2と同様なものである。この第4実施形態
が第3実施形態と異なる点は、ターゲット46の裏面側
で移動する磁石16が3個配置されて同心円の大略円運
動する代わりに、1個の円柱状の磁石16が同心円では
なく螺旋状の大略円運動でかつ往復運動することであ
る。磁石15は、図8と同様に、ターゲット46の円周
に沿って、ターゲット46の中心に向かって同じ極が向
き合うように配置されている。ターゲット46の裏面側
に配置される磁石16は、ターゲット46の中心側から
最外周側に向かう螺旋運動を描きながら移動する。ま
た、最外周側の所定の位置に至ると、逆に、ターゲット
46の最外周側から中心側に向かうように螺旋運動を描
きながら移動する。この移動は、プラズマ密度を時間的
に大略平均化するためには等角速度とするのが好まし
い。磁石16は、第3実施形態と同様に、上記磁石15
の中心に向かう極性と逆の極性がターゲット46の表面
方向を向くように定めている。このような構成によれ
ば、ターゲット裏面側に配置した磁石16の螺旋運動の
移動に伴い、ターゲット面上の各点でのプラズマ密度が
時間平均的に大略均一化し、ターゲット46の材料の利
用効率が向上する。なお、以上の説明では、ターゲット
裏面側に配置した磁石16は1個配置した例で説明した
が、複数個配置して、一体的に同一方向に螺旋運動を行
わせるようにしてもよい。
【0020】(第5実施形態)図12は、本発明の第5
実施形態にかかる、スパッタリング方法を実施するため
のスパッタリング装置のスパッタリング電極部分を示し
ている。この図12は、第1実施形態において図1に示
したスパッタリング装置のスパッタリング電極部分の平
面図である図2と同様なものである。また、図13は図
12のC−C’断面を示したものである。この第5実施
形態では、第4実施形態と異なり、ターゲット46の裏
面側に磁石を配置するのではなく、ターゲット46の表
側の円環状に配置された8個の円弧状の電磁石17の極
性を時間毎に変化させるようにしたものである。電磁石
17はターゲット46の円周に沿って等間隔に8個配置
されており、互いに同一形状のものとなっている。電磁
石17は、それぞれ、磁化するための磁性体17a、磁
性体17aに巻き付けられたコイル17b、およびコイ
ル17bに電流を流すための電源17cから構成されて
おり、かつ、8個の電源17cを制御する制御17dを
備えて、8個の電磁石17のコイル17bに電流が流れ
る方向を制御装置17dにより制御することによって、
ターゲット46の表面へ発生させる各電磁石17の極を
独立に制御することができる。
【0021】図14(A)〜(C)は、ターゲット46
の表面へ発生させる各電磁石17の磁極の時間的変化を
示したものである。磁極を変化させることによって、9
2で示した磁束の向きは図14の(A)から(B)を経
て(C)に変化し、そして、(C)から(B)を経て
(A)に変化する。そして、この(A)〜(C)及び
(C)から(A)の変化を任意回数だけ繰り返す。その
結果、磁極の変化に伴い、93で示したプラズマ中の電
子が力を受ける方向が変化する。プラズマ中の電子が力
を受ける方向93が時間的に変化することによってター
ゲット面上でのプラズマ密度が時間平均的に大略均一化
され、図15に示すような全面かつ大略均一なターゲッ
ト46の侵食部分46bが得られる。なお、以上の説明
ではターゲットの円周に沿って配置した電磁石17は8
個配置した例で説明したが、4以上の偶数個であれば、
何等問題はない。第5実施形態が意図する電子が力を受
ける方向の時間的変化を実現するためには、3個以上の
磁石が必要である。また、ターゲット面内での電子の対
称性から偶数個の磁石が好適である。従って、4個以上
の偶数個であることが望ましい。
【0022】(第6実施形態)図16は、本発明の第6
実施形態にかかる、スパッタリング方法を実施するため
のスパッタリング装置を示しており、図17と同様、タ
ーゲット46表面へ発生させる磁極の時間的変化を示し
たものである。この第6実施形態では、第5実施形態と
同様に、ターゲット46の円周に沿って、等間隔に電磁
石17を8個配置している。第6実施形態が第5実施形
態と異なる点は、制御装置17dの制御により、連続す
る4個の電磁石17が同じ極、それらに向かい合う4個
の電磁石17がそれらと異なる極を発生するように定め
ており、時間とともに連続する4個の電磁石17が1個
ずつずれていくように定めている。ある瞬間、プラズマ
中の電子はターゲット表面に平行にある定まった方向の
力を受けるが、この第6実施形態ではその方向が360
°回転することになるので、ターゲット46の面上での
プラズマ密度は時間平均的に大略均一化する。したがっ
て、図17に示すようにターゲット46の侵食部分46
cは全面かつ大略均一に進行し、材料の利用効率が向上
する。またこのとき、基板上に生成する膜の生成速度お
よびその分布は図18に示すようにきわめて高速かつ大
略均一である。
【0023】また、この第6実施形態では、ターゲット
46を挟んで対向する電磁石17は必ず異なる極である
ので、図19に示すように2つの磁極を1つの電磁石5
7とする構成をとることによって、電磁石57を4個に
減少させることができて、装置を簡略化することができ
る。この電磁石57は、磁性体57aにコイル57bを
巻き付けて、該コイル57aに電源57cから電流を流
すようにし、かつ、4個の電源57cは制御装置57d
により、上記制御装置17dと同様に制御するようにす
ればよい。なお、電磁石17,57のコイル部分がチャ
ンバ1の大気側にあれば、なお好適である。なお、以上
の説明ではターゲット46の円周に沿って配置した電磁
石17は8個配置した例で説明したが、4個以上であれ
ば何等問題はない。ただし、対称性から電磁石17は偶
数個であればなお好適である。
【0024】上記各実施形態において、磁石の移動の回
数及び磁極の変化の回数やそれらの動作時間は、所望に
応じて決定すればよい。また、第1,2実施形態におい
て、ターゲット表側の磁石10及びターゲット裏面側の
磁石14の配置方向は、長方形のターゲット6の長手方
向沿いに限らず、長手方向と直交する短手方向沿いに配
置してもよい。また、第1,2実施形態において、ター
ゲット裏面側の磁石14の本数は任意の数でよい。ま
た、第4実施形態において、ターゲット裏面側の磁石1
6の数は1個に限らず任意の数でもよい。また、第5,
6実施形態において、電磁石17,57の磁極を変化さ
せる方法としては、プラズマ密度を時間的に大略平均化
するためには同一時間間隔で変化させるのが好ましい。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ターゲ
ット面上でのプラズマ密度が大略均一化し、ターゲット
の侵食が大略均一化し、ターゲット材料の利用効率が向
上するとともに基板上に生成される薄膜の生成速度が向
上し、膜厚の均一性が確保できるという有利な効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態におけるスパッタリン
グ方法を実施するためのスパッタリング装置を示す断面
図である。
【図2】 第1実施形態におけるスパッタリング装置の
スパッタリング電極付近の構造を示す平面図である。
【図3】 図2のA−A’断面図である。
【図4】 (A)〜(C)はそれぞれ第1実施形態にお
けるスパッタリング装置のターゲット裏面側に配置した
磁石の移動の様子を示す図である。
【図5】 第1実施形態におけるスパッタリング装置の
ターゲット表面での磁束密度の時間的変化を示す図であ
る。
【図6】 第1実施形態におけるスパッタリング装置の
ターゲットの侵食形状を示す断面図である。
【図7】 (A)〜(C)はそれぞれ本発明の第2実施
形態におけるスパッタリング方法を実施するためのスパ
ッタリング装置のターゲット裏面側に配置した磁石の移
動の様子を示す図である。
【図8】 本発明の第3実施形態におけるスパッタリン
グ方法を実施するためのスパッタリング装置のスパッタ
リング電極付近の構造を示す図である。
【図9】 図8のB−B’断面図である。
【図10】 第3実施形態におけるスパッタリング装置
のターゲットの侵食形状を示す断面図である。
【図11】 本発明の第4実施形態におけるスパッタリ
ング方法を実施するためのスパッタリング装置のスパッ
タリング電極付近の構造を示す平面図である。
【図12】 本発明の第5実施形態におけるスパッタリ
ング方法を実施するためのスパッタリング装置のスパッ
タリング電極付近の構造を示す平面図である。
【図13】 図12のC−C’断面図である。
【図14】 (A)〜(C)はそれぞれ第5実施形態に
おけるスパッタリング装置の磁極、磁束およびプラズマ
中の電子が力を受ける方向の時間変化を示す図である。
【図15】 第5実施形態におけるスパッタリング装置
のターゲットの侵食形状を示す断面図である。
【図16】 (A)〜(H)はそれぞれ本発明の第6実
施形態におけるスパッタリング方法を実施するためのス
パッタリング装置の磁極の時間変化を示す図である。
【図17】 第6実施形態におけるスパッタリング装置
のターゲットの侵食形状を示す断面図である。
【図18】 第6実施形態におけるスパッタリング装置
の薄膜の生成速度を示す図である。
【図19】 第6実施形態におけるスパッタリング装置
の他の電磁石の構造を示す断面図である。
【図20】 従来のスパッタリング装置を示す概略断面
図である。
【図21】 従来のターゲット表面と裏面に磁石を有す
るスパッタリング電極の図である。
【符号の説明】
1 チャンバ 6、46 ターゲット 7、47 スパッタリング電極 10 ターゲットの一対の縁に沿って配置された磁石 12 基板 14 移動機構を持ったターゲットの裏面側に配置され
た磁石 15 ターゲットの縁に沿うように配置された磁石 16 移動機構を持ったターゲットの裏面側に配置され
た磁石 17、57 ターゲットの縁に沿うように配置された電
磁石

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形ターゲット(6)を用いてスパッタ
    リングを行うスパッタリング装置において、 上記ターゲット(6)の一対の縁に沿うように棒状の第
    1磁石(10)をそれぞれ配置するとともに、上記ター
    ゲットの裏面側に棒状の第2磁石(14)を移動可能に
    配置したことを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 上記第1磁石(10)の極性が同極どう
    しが向き合うように定め、上記第2磁石(14)は、上
    記第1磁石の互いに向き合う磁極と異なる極が上記ター
    ゲットの裏面に対向すように設定された請求項1に記載
    のスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 上記第2磁石(14)が、ターゲット裏
    面側において、上記第1磁石(10)間に相当する範囲
    を往復運動するようにした請求項1又は2に記載のスパ
    ッタリング装置。
  4. 【請求項4】 上記第2磁石(14)は複数の棒状の磁
    石より構成されるようにした請求項1〜3のいずれかに
    記載のスパッタリング装置。
  5. 【請求項5】 丸型ターゲット(46)を用いてスパッ
    タリングを行うスパッタリング装置において、 上記ターゲットの縁に対向する第3磁石(15)を配置
    するとともに、上記ターゲットの裏面側に第4磁石(1
    6)を大略円運動可能に配置したことを特徴とするスパ
    ッタリング装置。
  6. 【請求項6】 上記第3磁石(15)の極性が、同極ど
    うしが上記ターゲットの中心を向くように定め、上記第
    4磁石(16)は、上記第3磁石の上記ターゲット中心
    を向く極と異なる極が上記ターゲットの裏面に向き合う
    ように設定された請求項5に記載のスパッタリング装
    置。
  7. 【請求項7】 上記第4磁石(16)が複数であるよう
    にした請求項5又は6に記載のスパッタリング装置。
  8. 【請求項8】 上記第4磁石(16)が螺旋運動をする
    ようにした請求項5〜7のいずれかに記載のスパッタリ
    ング装置。
  9. 【請求項9】 丸型ターゲット(46)を用いてスパッ
    タリングを行うスパッタリング装置において、 上記ターゲットの縁に対向した複数の電磁石(17,5
    7)を配置し、該電磁石の磁極は時間的に変化するよう
    にしたことを特徴とするスパッタリング装置。
  10. 【請求項10】 上記電磁石は、上記ターゲットの内側
    に向く極をそれぞれ独立に制御できるようにした請求項
    9に記載のスパッタリング装置。
  11. 【請求項11】 上記電磁石の数は4個以上の偶数個で
    あるようにした請求項9又は10に記載のスパッタリン
    グ装置。
  12. 【請求項12】 上記電磁石のコイルが真空チャンバの
    大気側にあるようにした請求項9〜11のいずれかに記
    載のスパッタリング装置。
  13. 【請求項13】 矩形ターゲット(6)を用いて、上記
    ターゲット(6)の一対の縁に沿うように棒状の第1磁
    石(10)をそれぞれ配置するとともに、上記ターゲッ
    トの裏面側に棒状の第2磁石(14)を移動可能に配置
    した状態でスパッタリングを行うスパッタリング方法に
    おいて、 上記第2磁石を上記ターゲットの裏面側で移動させなが
    らスパッタリングを行い、磁束の向きを時間的に変化さ
    せ、ターゲット面上でのプラズマ密度が時間的に大略平
    均化されるようにしたことを特徴とするスパッタリング
    方法。
  14. 【請求項14】 上記第1磁石(10)の極性が同極ど
    うしが向き合うように定め、上記第2磁石(14)は、
    上記第1磁石の互いに向き合う磁極と異なる極が上記タ
    ーゲットの裏面に対向すように設定された請求項13に
    記載のスパッタリング方法。
  15. 【請求項15】 上記第2磁石(14)が、ターゲット
    裏面側において、上記第1磁石(10)間に相当する範
    囲を往復運動するようにした請求項13又は14に記載
    のスパッタリング方法。
  16. 【請求項16】 丸型ターゲット(46)を用いて、上
    記ターゲットの縁に対向する第3磁石(15)を配置す
    るとともに、上記ターゲットの裏面側に第4磁石(1
    6)を移動可能に配置した状態でスパッタリングを行う
    スパッタリング方法において、 上記第4磁石を上記ターゲットの裏面側で大略円運動さ
    せながらスパッタリングを行い、磁束の向きを時間的に
    変化させ、ターゲット面上でのプラズマ密度が時間的に
    大略平均化されるようにしたことを特徴とするスパッタ
    リング方法。
  17. 【請求項17】 上記第3磁石(15)の極性が、同極
    どうしが上記ターゲットの中心を向くように定め、上記
    第4磁石(16)は、上記第3磁石の上記ターゲット中
    心を向く極と異なる極が上記ターゲットの裏面に向き合
    うように設定された請求項16に記載のスパッタリング
    方法。
  18. 【請求項18】 上記第4磁石(16)が螺旋運動をす
    るようにした請求項16又は17に記載のスパッタリン
    グ方法。
  19. 【請求項19】 丸型ターゲット(46)を用いて、上
    記ターゲットの縁に対向した複数の電磁石(17,5
    7)を配置した状態でスパッタリングを行うスパッタリ
    ング方法において、 上記電磁石の磁極は時間的に変化させて、磁束の向きを
    変化させ、プラズマ中の電子が力を受ける方向(93)
    が変化して、ターゲット面上でのプラズマ密度が時間平
    均的に大略均一化するようにしたことを特徴とするスパ
    ッタリング方法。
  20. 【請求項20】 上記電磁石の磁極を時間的に変化させ
    ることにより、磁束の向きを変化させ、プラズマ中の電
    子が力を受ける方向(93)が360°回転させて、タ
    ーゲット面上でのプラズマ密度が時間平均的に大略均一
    化するようにした請求項19に記載のスパッタリング方
    法。
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