JPH10106058A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH10106058A
JPH10106058A JP8280399A JP28039996A JPH10106058A JP H10106058 A JPH10106058 A JP H10106058A JP 8280399 A JP8280399 A JP 8280399A JP 28039996 A JP28039996 A JP 28039996A JP H10106058 A JPH10106058 A JP H10106058A
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Japan
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magnetic
thin film
film
magnetic thin
rare earth
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JP8280399A
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English (en)
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Masahiro Tabata
正浩 田畑
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 媒体の作成が容易でしかも、光変調ダイレク
トオーバーライトの記録特性が向上した光磁気記録媒体
を提供する。 【解決手段】 少なくとも、磁性薄膜4〜6が三層に積
層された光磁気記録媒体であって、磁性薄膜4,6は垂
直磁気異方性又は室温で面内磁気異方性を有する希土類
−3d遷移金属から成るアモルファス膜から構成され、
かつ磁性薄膜5を介して磁気的に結合しており、磁性薄
膜5は、希土類−3d遷移金属との交換エネルギーが小
さくかつ面内方向に磁気異方性を有する希土類金属優勢
膜から構成され、かつ磁性薄膜4,6の磁気的な結合状
態を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光等の光
を照射することにより情報の記録再生を行う光磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気相互作用によって情報マーク(磁
区)の読み出しを行う記録媒体に対する情報の記録方法
においては、垂直磁化膜の磁性薄膜を有する記録媒体に
対し、その磁化の方向を膜面に垂直な一方向に予め揃え
るいわゆる初期化を施しておき、この磁化方向と反対向
きの垂直磁化を有する磁区を、レーザー光照射等の局部
加熱により形成することによって、2値化された情報マ
ークとして情報を記録保存している。かかる記録方法に
おいては、情報の書き換えに先立って、記録された情報
の消去(あるいは初期化)の過程、即ちイニシャライズ
のための時間を要し、情報の高転送レートでの記録を実
現できない。
【0003】そこでこの問題に対処すべく、このような
独立のイニシャライズ過程の時間が不要となる重ね書
き、いわゆるオーバーライト方式による記録方法が種々
提案され、実現されている。これら種々のオーバーライ
ト方式による記録方法の中で将来の高密度化のための磁
気超解像技術との融合技術として有望視されているもの
に光変調ダイレクトオーバーライト技術がある。これ
は、レーザー光等による媒体の加熱温度を切替制御する
のみで容易に書き換え、即ちオーバーライトが可能とな
る。この光変調ダイレクトオーバーライトを実現するた
めの記録媒体基本技術として、特開昭62−17594
8号公報に開示されているものがある。
【0004】即ち、この出願で開示されている光磁気記
録方法は、第1及び第2の希土類−遷移金属磁性薄膜の
積層構造による記録媒体を用い、所要の第1の外部磁界
印加の下に第2の磁性薄膜の副格子磁化の反転が生じな
い温度で、かつ第1の磁性薄膜のキュリー温度Tc 以上
の温度T1 に加熱する第1の昇温状態と、温度T1 以上
でかつ第2の磁性薄膜の副格子磁化を反転させるに充分
な第2の温度T2 に加熱する第2の昇温状態とを、記録
する情報”0”,”1”に対応させて変調し、冷却過程
で、第1及び第2の磁性薄膜の交換相互作用による交換
結合力により、第1の磁性薄膜の副格子磁化の向きを第
2の磁性薄膜の副格子磁化の向きに揃えて、情報”
0”,”1”の記録マーク(磁区)を第1の磁性薄膜に
形成すると共に、第2の外部磁界によって、室温で第2
の磁性薄膜の副格子磁化のみ一方向に反転するようにし
て、ダイレクトオーバーライトが可能となるようにする
もので、それに使用される光磁気記録媒体は、上記の状
態を実現し得るように作成された垂直磁気二層膜によっ
て提供されるものである。図10は室温から記録温度に
おける光磁気記録媒体の磁化状態を説明するための図で
ある。
【0005】この光磁気記録媒体において、その積層さ
れた第1の磁性薄膜と第2の磁性薄膜の界面には、交換
エネルギーが働いており、このため室温(例えば300
K)の状態B(図10)では、界面磁壁が生成する。こ
のときの界面磁壁エネルギーσw は、 Hwi=σw /2Msii ・・・・・・・・・・・・・・(1) 但し、Hwi: i層が隣接した磁性層から受ける実効的バ
イアス磁界 Msi: i番目の磁性層の飽和磁化 hi : i番目の磁性層の膜厚 とあらわされ、 σw =約2{(A1 1 1/2 +(A2 2 1/2 } ・・(2) 但し、A1 :第1の磁性薄膜の交換スティフネス定数 A2 :第2の磁性薄膜の交換スティフネス定数 K1 :第1の磁性薄膜の実効的異方性定数 K2 :第2の磁性薄膜の実効的異方性定数 であると考えられる。
【0006】そして、オーバーライトのための条件は、
室温において状態Bから状態Aへの移行が生じないよう
にするために、次の条件を満たすことが必要である。 Hc1>Hw1=σw /2Ms11 ・・・・・・・・・・・(3) 但し、Hc1:第1の磁性薄膜の保磁力 Hw1:第1の磁性薄膜が隣接した磁性層から受ける実効
的バイアス磁界 Ms1:第1の磁性薄膜の飽和磁化 h1 :第1の磁性薄膜の膜厚
【0007】また、室温において状態Bから状態Eへの
移行が生じないようにするためには、次の条件を満たす
ことが必要である。 Hc2>Hw2=σw /2Ms22 ・・・・・・・・・・・(4) 但し、Hc2:第2の磁性薄膜の保磁力 Hw2:第2の磁性薄膜が隣接した磁性層から受ける実効
的バイアス磁界 Ms2:第2の磁性薄膜の飽和磁化 h2 :第2の磁性薄膜の膜厚
【0008】さらにまた、状態Eにおいて、第1の磁性
薄膜が外部初期化補助磁界Hini によって反転してしま
うことがないようにするためには、次の条件を満たすこ
とが必要である。 Hc1±Hw1>Hini ・・・・・・・・・・・・・・・・(5) ここで左辺の”±”は、第1の磁性薄膜が希土類優勢膜
であり、第2の磁性薄膜が遷移金属優勢薄膜である(ま
たは、その逆の)場合(即ちアンチパラレル結合である
場合)は、”+”となり、第1及び第2の磁性薄膜が共
に遷移金属(あるいは、共に希土類金属)優勢膜である
場合(即ちパラレル結合である場合)は、”−”とな
る。
【0009】他方、状態Eから状態Bへの移行を可能と
するためには、次の条件を満たすことが必要である。 Hc2+Hw2<Hini ・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
【0010】さらに、昇温状態が第1の磁性薄膜のキュ
リー温度Tc1近傍において、状態Cから状態Aへの移
行、即ち第1の磁性薄膜の磁化の向きが第2の磁性薄膜
の磁化の向きに揃えられるためには、次の条件を満たす
ことが必要である。 Hw1>Hc1+Hex ・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) 但し、Hex:記録外部磁界
【0011】さらにまた、状態Cから状態Eへの移行が
生じないようにするために、次の条件を満たすことが必
要である。 Hc2−Hw2>Hex ・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上より明らかなよう
に、室温においては、上記(3)及び(4)式を満足す
るために界面磁壁エネルギーσw は、小さいほうが望ま
しく、第1の磁性薄膜の磁化の向きが第2の磁性薄膜の
磁化の向きに揃う温度近傍では、交換相互作用を強く働
かせるために、界面磁壁エネルギーσw は、上記(7)
及び(8)式を満たす状態で、ある程度の大きさ、即ち
室温でのσw の大きさが変化しないか、あるいは、変化
したとしても、その減少度合いが少ない状態を保持して
いる必要がある。しかしながら、これらを全てを満足す
る状態を、第1及び第2の磁性薄膜の保磁力、飽和磁
化、膜厚の制御のみで実現することは極めて困難であっ
た。
【0013】本発明は、前記した第1及び第2の磁性薄
膜間の交換相互作用による交換結合力によって発生する
磁気特性を制御する希土類金属優勢膜である第3の磁性
薄膜を、第1及び第2の磁性薄膜の中間に設け、かつ、
その磁性膜の組成制御又は他の金属元素の添加を行うこ
とにより、特性の優れた媒体作成を容易ならしめるのみ
ならず、記録特性の向上、さらには、交換結合多層膜全
般における有効な制御層を備えた光磁気記録媒体を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は下記する(1)〜(3)の構成の光磁
気記録媒体を提供する。
【0015】(1) 図1に示すように、少なくとも、
第1、第2、第3の磁性薄膜4〜6が順次積層された光
磁気記録媒体1であって、前記第1及び第3の磁性薄膜
4,6は,垂直磁気異方性又は室温で面内磁気異方性を
有する希土類金属−3d遷移金属から成るアモルファス
薄膜から構成され,かつ前記第2の磁性薄膜5を介して
磁気的に結合しており,前記第2の磁性薄膜5は,前記
希土類金属−3d遷移金属との交換エネルギーが小さく
かつ面内方向に磁気異方性を有する希土類金属優勢(R
E−rich)膜から構成されることを特徴とする光磁
気記録媒体1。
【0016】(2) 前記第2の磁性薄膜5は、面内方
向に磁気異方性をもつアモルファス薄膜で、希土類にE
r(エルピウム)又はHo(ホルミウム)を、3d遷移
金属にFe(鉄)又はFeCo(鉄・コバルト合金)を
用いた膜であることを特徴とする上記した(1)記載の
光磁気記録媒体。
【0017】(3) 前記第2の磁性薄膜5は、面内方
向に磁気異方性をもつアモルファス薄膜で、HoFe
(ホルミウム・鉄合金)、HoFeCo(ホルミウム・
鉄・コバルト合金)、ErFe(エルピウム・鉄合金)
又はErFeCo(エルピウム・鉄・コバルト合金)の
いずれかをベースとして、さらに他の金属としてBi
(ビスマス)、Sn(スズ)又はLu(ルテチウム)の
いずれかを添加した膜であることを特徴とする上記した
(1)記載の光磁気記録媒体。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、本発明の光磁気記録媒体を
[実施例1]、[実施例2]の順に、図1〜図9に沿っ
て説明する。
【0019】[実施例1]本発明の光磁気記録媒体1
は、図1に示すように、ガラス板またはポリカーボネイ
ト等の光透過性基板2上(同図中ではその下面)に、保
護膜または多重干渉膜となる透明な誘電体膜3を介して
第1から第3の磁性薄膜を、真空中で例えば連続スパッ
タリング等により順次積層した三層磁性膜(第1、第
2、第3の磁性薄膜)4,5,6を形成し、さらにこの
第3の磁性薄膜6上(同図中ではその下面)に非磁性金
属膜あるいは誘電体膜より成る保護膜7を形成してなる
ものである。レーザー光等の照射は光透過性基板2側か
ら行われる。第1及び第3の磁性薄膜4,6は垂直磁気
異方性又は室温で面内磁気異方性を有する希土類−3d
遷移金属から成るアモルファス薄膜で構成されている。
第2の磁性薄膜5は希土類−3d遷移金属との交換エネ
ルギーが小さくかつ面内方向に磁気異方性を有する希土
類金属優勢(RE−rich)膜から成る。
【0020】第1の磁性薄膜4は、例えばTbFe(テ
ルビウム・鉄合金)またはTbFeCo(テルビウム・
鉄・コバルト合金)によって構成する。第3の磁性薄膜
6は、例えばDyFeCo(ディスプロシウム・鉄・コ
バルト合金)によって構成する。
【0021】中間層である第2の磁性薄膜5は、希土類
金属優勢の例えばHoFe(ホルミウム・鉄合金)また
はHoFeCo(ホルミウム・鉄・コバルト合金)、E
rFe(エルピウム・鉄合金)、ErFeCo(エルピ
ウム・鉄・コバルト合金)のいずれかの薄膜によって構
成する。具体的には、Erx (Fe1-y Coy 1-x
おいて、 0.26≦x ≦0.50, 0≦y ≦0.3 (x ,y
は原子含有量比) の組成で、HoFeまたはHoFeCo、ErFe、E
rFeCoのいずれかをベースに、他の金属としてBi
(ビスマス)、Sn(スズ)又はLu(ルテチウム)と
いった元素を添加することにより、希土類金属と3d遷
移金属との交換エネルギーを小さくしたものによって構
成する。
【0022】以下、本発明で重要となる界面磁壁エネル
ギーの温度特性とその有効な制御方法について述べる。
【0023】図2は光磁気記録媒体1を構成する各層
(第1の磁性薄膜4〜第3の磁性薄膜6)の磁化の温度
特性、実効的異方性(Ku−2πMs2 )の温度特性を
それぞれ実測して分子場理論のパラメータを決定し計算
した界面磁壁エネルギーの温度依存性を、第2の磁性層
5に希土類金属優勢(RE−rich)膜を用いた場合
と遷移金属優勢(TM−rich)膜を用いた場合とで
比較したグラフである。
【0024】図2中、「Interface wall
energy」(単位:erg/cm2 )は界面磁壁
エネルギー、「Temperature」(単位:K)
は絶対温度をそれぞれ示している。
【0025】また、図2中、細線で示す「σB of 3
rd Layer(DyfeCo)」はDyFeCo膜
を用いた第3の磁性薄膜6のブロッホ磁壁エネルギーの
温度依存性、細線で示す「σB of 1st Laye
r(TbFe)」はTbFe膜を用いた第1の磁性薄膜
4のブロッホ磁壁エネルギーの温度依存性、太線で示す
「RE−rich 2nd Layer」は希土類金属
優勢(RE−rich)膜を第2の磁性薄膜5として用
いた場合の界面磁壁エネルギーの温度依存性、そして、
太線で示す「TM−rich 2nd Layer」は
遷移金属優勢(TM−rich)膜を第2の磁性薄膜5
として用いた場合の界面磁壁エネルギーの温度依存性を
それぞれ示している。
【0026】図2中、室温における、「RE−rich
2nd Layer」、「TM−rich 2nd
Layer」の各界面磁壁エネルギーは、上述した
(5),(6)式を考慮した値で、どちらの場合も約
1.2erg/cm2 であるが、温度上昇に伴って、そ
の減少度合いに差が生じているのが分かる。
【0027】図3は光磁気記録媒体1を構成する第2の
磁性層5の磁化の温度依存性を、希土類金優勢(RE−
rich)膜と遷移金属優勢(TM−rich)膜とを
用いた場合とで比較したグラフである。
【0028】図3中、「Magnetization」
(単位:emu/cm3 )は磁化、「TM−rich」
は遷移金属優勢膜の磁化の温度依存性、「RE−ric
h」は希土類金属優勢膜の磁化の温度依存性をそれぞれ
示している。
【0029】図4は光磁気記録媒体1を構成する第2の
磁性層5の実効的異方性(Ku−2πMs2 )の温度依
存性を、希土類金属優勢(RE−rich)膜と遷移金
属優勢(TM−rich)膜とで比較したグラフであ
る。
【0030】図4中、「Ku」(単位:105 erg/
cm3 )は真の異方性、「Ku−2πMs2 」(単位:
105 erg/cm3 )は実効的異方性、「Ku (R
E−rich)」は希土類金属優勢(RE−rich)
の真の異方性の温度依存性、「Ku (TM−ric
h)」は遷移金属優勢(TM−rich)膜の真の異方
性の温度依存性、「Ku−2πMs2 (RE−ric
h)」は希土類金属優勢(RE−rich)膜の実効的
異方性の温度依存性、そして、「Ku−2πMs2 (T
M−rich)」は遷移金属優勢(TM−rich)膜
の実効的異方性の温度依存性をそれぞれ示している。
【0031】さて、図2には、「TM−rich 2n
d Layer」の界面磁壁エネルギーは「RE−ri
ch 2nd Layer」の界面磁壁エネルギーに比
べ、温度上昇に伴って急激に低下していることが示され
ている。
【0032】また、図3には、「RE−rich」の磁
化の温度変化は「TM−rich」の磁化の温度変化よ
りも急激に減少することが示されている(「TM−ri
ch」の方が上に凸)。
【0033】さらに、図4には、「Ku−2πMs
2 (RE−rich)」の実効的異方性の温度変化は
「Ku−2πMs2 (TM−rich)」の実効的異方
性の温度変化よりも急激に増加することが示されている
(「Ku−2πMs2 (TM−rich)」の方が下に
凸)。
【0034】一方、第1の磁性薄膜4から第2の磁性薄
膜5への磁気転写は、上述した(7),(8)式より、
温度上昇に伴って界面磁壁エネルギーの減少度合いがよ
り少ないことが望ましいわけである。この条件に好適な
ものとしては、図2に示す「RE−rich 2nd
Layer」の特性である。従って、希土類金属優勢
(RE−rich)膜の第2の磁性薄膜5として用いた
場合の磁気転写は、遷移金属優勢(TM−rich)膜
を第2の磁性薄膜5として用いた場合の磁気転写よりも
良好に行うことができると言える。
【0035】他方、磁壁エネルギーσw は、上述した
(2)式の如くに、 σw =約2{(A1 1 1/2 +(A2 2 1/2 } ・・(2) 但し、A1 :第1の磁性薄膜の交換スティフネス定数 A2 :第2の磁性薄膜の交換スティフネス定数 K1 :第1の磁性薄膜の実効的異方性定数 K2 :第2の磁性薄膜の実効的異方性定数 で表すことができるため、AK積の値が小さい側に界面
磁壁はシフトすると考えられる。中間層である第2の磁
性層5の垂直磁気異方性エネルギーを下げることで、界
面磁壁の大部分は第2の磁性層5内に存在することとな
り、記録された磁区は安定に存在することになる。従っ
て、室温から記録の行われる温度(T2 近傍)までの全
温度領域において第2の磁性層5の垂直磁気異方性エネ
ルギーを下げることが望ましく、そのためには、室温か
ら記録の行われる温度までの全温度領域において第2の
磁性層5は面内磁気異方性を有することが良いと言え
る。
【0036】以上より、希土類−3d遷移金属から成る
アモルファス薄膜で,垂直(または室温で面内)磁気異
方性を有する第1及び第3の薄膜が、第2の磁性薄膜を
挟んで成膜された記録薄膜媒体において、第1及び第3
の磁性層が第2の磁性層を介して、順次磁気的に結合し
て積層されており、その結合状態を制御することを目的
とした第2の磁性薄膜が希土類金属優勢(RE−ric
h)膜であって,希土類と3d遷移金属の交換エネルギ
ーが小さく、面内方向に磁気異方性を有する膜となって
いることが記録特性改善に有効であると言える。
【0037】[実施例2]上述した本発明の実施例1の
如く、界面磁壁エネルギーの温度特性は、中間層(第2
の磁性層5)の磁化の温度特性及び実効的異方性の温度
特性に大きく依存するものである。従って、これら磁化
及び実効的異方性を制御することで、界面磁壁エネルギ
ーの温度特性をさらに向上させることが可能となる。
【0038】分子場理論における希土類金属(Re)と
3d遷移金属の間に働く交換エネルギーを制御すること
が、上記温度特性の向上に対して有効である。中間層に
Bi,Snといった元素を添加すると補償温度が下が
り、希土類金属金属と3d遷移金属の間に働く交換エネ
ルギーを下げることが可能である。
【0039】図5は第2の磁性層5における磁化の温度
依存性を、希土類金属と3d遷移金属の間に働く交換エ
ネルギーを変化させた2種類の希土類金属優勢膜で比較
したグラフである。
【0040】図5中、「J ReFe =−1.7×10-15
erg」は第2の磁性層5のRe−Fe間の交換エネルギ
ーが−1.7×10-15 ergである場合の磁化の温度
依存性、「J ReFe =−1.2×10-15 erg」は第2
の磁性層5のRe−Fe間の交換エネルギーが−1.2
×10-15 ergである場合の磁化の温度依存性をそれ
ぞれ示している。
【0041】図6は第2の磁性層5における異方性の温
度依存性を、希土類金属と3d遷移金属の間に働く交換
エネルギーを変化させた2種類の希土類金属優勢膜で比
較したグラフである。
【0042】図6中、「Ku(JReFe =−1.7×1
-15 erg)」は第2の磁性薄膜5のRe−Fe間の交
換エネルギーが−1.7×10-15 ergである場合の
真の異方性の温度依存性、「Ku(JReFe =−1.2
×10-15 erg)」は第2の磁性薄膜5 のRe−Fe間
の交換エネルギーが−1.2×10-15 ergである場
合の真の異方性の温度依存性、「Ku−2πMs2 (J
ReFe =−1.2×10-15 erg)」は第2の磁性薄膜5
のRe−Fe間の交換エネルギーが−1.2×10-15
ergである場合の実効的異方性の温度依存性、そし
て、「Ku−2πMs2 (JReFe =−1.7×10
-15 erg)」は第2の磁性薄膜5のRe−Fe間の交換エ
ネルギーが−1.7×10-15 ergである場合の実効
的異方性の温度依存性それぞれ示している。
【0043】図5、図6は、希土類金属と3d遷移金属
間の交換エネルギーを−1.7×10-15 ergから−
1.2×10-15 ergに下げた場合の磁化及び異方性
の温度特性を示したものであり、上述した図3及び図4
と比較すると分かるように、磁化及び実効的異方性が大
きく変動している。Re−Fe間の交換エネルギーJ
ReFe を下げた場合では、磁化が温度上昇に対してほぼ
直線的に減少し、その結果、実効的異方性が上に凸なカ
ーブを描き、急激に増大している。
【0044】図7は界面磁壁エネルギーの温度依存性
を、図2の比較で用いた第2磁性層5に希土類金属優勢
(RE−rich)膜を用いた場合と、第2の磁層5に
希土類金属と3d遷移金属間(Re−Fe)に働く交換
エネルギーを下げた希土類金属優勢(RE−rich)
膜とを用いた場合とで比較したグラフである。
【0045】図7中、「2nd Layer(JReFe
=−1.7×10-15 erg)」は希土類金属優勢(RE−
rich)膜を用いた第2の磁性薄膜5のRe−Fe間
の交換エネルギーが−1.7×10-15 ergである場
合の界面磁壁エネルギーの温度依存性、「2nd La
yer(JReFe=−1.2×10-15 erg)」は希土類優
勢(RE−rich)膜を用いた第2の磁性薄膜5のR
e−Fe間の交換エネルギーが−1.2×10-15 er
gである場合の界面磁壁エネルギーの温度依存性をそれ
ぞれ示している。
【0046】図7から明らかなように、希土類金属と3
d遷移金属の間に働く交換エネルギーを下げた中間層
(第2の磁性薄膜5)を用いた媒体では、温度上昇に伴
う界面磁壁エネルギーの減少度合いが、さらに緩やかに
なることが分かる。その結果、磁化の転写性は、さらに
向上することになる。
【0047】磁化の転写性の差は、上述した(7)式よ
り、(Hc1−Hw1c1:第1の磁性薄膜の保磁力、
w1:第1の磁性薄膜が隣接した磁性層から受ける実効
的バイアス磁界)により判断できるといえるが、(Hc1
−Hw1)が負でかつその絶対値が大きい方が転写性が良
いことになる。
【0048】磁化の転写性の差は上述した(7)式よる
(Hc1−Hw1)により判断できるといえるが、(Hc1
w1)が負でかつその絶対値が大きい方が転写性が良い
ことになる。
【0049】上述した図2の比較で用いた2種類の媒体
の(Hc1−Hw1)と希土類金属と3d遷移金属の間に働
く交換エネルギーを下げた希土類金属優勢(RE−ri
ch)膜を第2の磁性層5に用いた媒体の(Hc1
w1)の温度変化を比較したグラフが図8である。
【0050】図8中、「Hc1−Hw1」(単位:kOe)
は第1の磁性薄膜の保磁力Hc1から第1の磁性薄膜が隣
接した磁性層から受ける実効的バイアス磁界Hw1を減算
した値、「TM−rich 2nd Layer(J
ReFe=−1.7×10-15 erg)」は遷移金属優勢(TM
−rich)膜を第2の磁性薄膜5に用いた媒体におい
てRe−Fe間の交換エネルギーが−1.7×10-15
ergである場合の(Hc1−Hw1)、「RE−rich
2nd Layer(JReFe=−1.7×10-15 er
g)」は希土類金属優勢(RE−rich)膜を第2の磁
性薄膜5に用いた媒体においてRe−Fe間の交換エネ
ルギーが−1.7×10-15 ergである場合の(Hc1
−Hw1)、そして、「RE−rich 2nd Lay
er(JReFe=−1.2×10-15 erg)」は希土類金属
優勢(RE−rich)膜を第2の磁性薄膜5に用いた
媒体においてRe−Fe間の交換エネルギーが−1.2
×10-15 ergである場合の(Hc1−Hw1)をそれぞ
れ示している。
【0051】図8から明らかなように、中間層である第
2の磁性層5に遷移金属優勢(TM−rich)膜を用
いた場合より希土類金属優勢(RE−rich)膜を用
いた場合、さらに希土類金属と3d遷移金属の間に働く
交換エネルギーを下げた希土類金属優勢(RE−ric
h)とを中間層に用いた媒体の順で(Hc1−Hw1)の負
の絶対値の最大値が増大しているので、この順で、磁化
の転写性が向上すると言える。
【0052】上述の如く、これら特性改善は、中間層
(第2の磁性層5)の磁化の温度特性の変化によるもの
であるが、その特性を有効に変化させる方法として、E
r,Hoといった希土類元素を中間層に用いることが考
えられる。
【0053】図9は異なった5種類の希土類元素(Gd
(ガドリニウム),Tb(テルビウム),Dy(ディス
プロシウム),Ho(ホルミウム),Er(エルピウ
ム))とFe(鉄)の合金薄膜の磁化の温度特性をそれ
ぞれ比較したグラフである。
【0054】制御層としての特性改善、即ち界面磁壁エ
ネルギーの温度特性を改善するには、温度上昇に対して
磁化がより急激に減少することが望ましいと言えるわけ
であるが、図9より、ErFe,HoFeを用いること
で,より良好な特性改善が行うことが可能であると言え
る。また、これらの合金薄膜に対しても、Bi,Sn,
あるいはLuといった元素の添加により、希土類金属と
3d遷移金属の間に働く交換エネルギーを下げることは
可能であり、それにより、更に特性を改善することがで
きると言える。
【0055】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、界面磁壁
エネルギーを制御する第2の磁性薄膜を第1と第3の磁
性薄膜の中間に設け、その第2の磁性薄膜を室温から高
温領域で面内磁気異方性を有する希土類金属優勢組成と
し、HoFe又はHoFeCo、ErFe、ErFeC
oをベースとして、Bi,Snといった金属を添加し、
ある程度の膜厚を有する膜とすることで、室温近傍での
界面磁壁エネルギーを抑え、温度T1 近傍での磁壁エネ
ルギーを大きく保つ効果を得ることができる。これによ
って、室温での磁壁の安定化をはかり,かつ,温度T1
近傍で記録磁区の転写の安定性を高めることが可能とな
る。また、本発明は、情報の重ね書きダイレクトオーバ
ーライトの特性向上を実現することのできる媒体を提供
するものにとどまらず、将来の高密度化のための磁気超
解像磁性多層膜技術に於ける交換結合制御磁性層を改良
・制御する上でも利用可能で、交換結合多層膜による磁
気記録・再生機能の多様化・改良に必須な技術を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の構造を示す図であ
る。
【図2】光磁気記録媒体を構成する第1の磁性薄膜〜第
3の磁性薄膜の磁化の温度特性、実効的異方性の温度特
性をそれぞれ実測して分子場理論のパラメータを決定し
計算した界面磁壁エネルギーの温度依存性を、第2の磁
性層に希土類金属優勢膜を用いた場合と遷移金属優勢膜
を用いた場合とで比較したグラフである。
【図3】光磁気記録媒体を構成する第2の磁性層におけ
る磁化の温度依存性を、希土類金属優勢膜と遷移金属優
勢膜とで比較したグラフである。
【図4】光磁気記録媒体を構成する第2の磁性層の実効
的異方性の温度依存性を、希土類金属優勢膜と遷移金属
優勢膜とで比較したグラフである。
【図5】第2の磁性層における磁化の温度依存性を、希
土類金属と3d遷移金属の間に働く交換エネルギーを変
化させた2種類の希土類金属優勢膜で比較したグラフで
ある。
【図6】第2の磁性層5における異方性の温度依存性
を、希土類金属と3d遷移金属の間に働く交換エネルギ
ーを変化させた2種類の希土類金属優勢膜で比較したグ
ラフである。
【図7】界面磁壁エネルギーの温度依存性を、図2の比
較で用いた第2磁性層5に希土類金属優勢膜を用いた場
合と、第2の磁性層5に希土類金属と3d遷移金属間に
働く交換エネルギーを下げた希土類金属優勢膜とを用い
た場合とで比較したグラフである。
【図8】図2の比較で用いた2種類の媒体の(Hc1−H
w1)と希土類金属と3d遷移金属の間に働く交換エネル
ギーを下げた希土類金属優勢膜を第2の磁性層に用いた
媒体の(Hc1−Hw1)の温度変化を比較したグラフであ
る。
【図9】5種類の希土類元素と3d遷移金属の合金薄膜
の磁化の温度特性を比較したグラフである。
【図10】室温から記録温度における光磁気記録媒体の
磁化状態(パラレル結合の場合)を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1 光磁気記録媒体 2 透明基板 3 誘電体膜 4〜6 第1の磁性薄膜〜第3の磁性薄膜 7 保護膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、第1、第2、第3の磁性薄膜
    が順次積層された光磁気記録媒体であって、 前記第1及び第3の磁性薄膜は、 垂直磁気異方性又は室温で面内磁気異方性を有する希土
    類金属−3d遷移金属から成るアモルファス薄膜から構
    成され、かつ前記第2の磁性薄膜を介して磁気的に結合
    しており、 前記第2の磁性薄膜は、前記希土類金属−3d遷移金属
    との交換エネルギーが小さくかつ面内方向に磁気異方性
    を有する希土類金属優勢(RE−rich)膜から構成
    されることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記第2の磁性薄膜は、面内方向に磁気異
    方性をもつアモルファス薄膜で、希土類にEr(エルピ
    ウム)又はHo(ホルミウム)を、3d遷移金属にFe
    (鉄)又はFeCo(鉄・コバルト合金)を用いた膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記第2の磁性薄膜は、面内方向に磁気異
    方性をもつアモルファス薄膜で、HoFe(ホルミウム
    ・鉄合金)、HoFeCo(ホルミウム・鉄・コバルト
    合金)、ErFe(エルピウム・鉄合金)又はErFe
    Co(エルピウム・鉄・コバルト合金)のいずれかをベ
    ースとして、さらに他の金属としてBi(ビスマス)、
    Sn(スズ)又はLu(ルテチウム)のいずれかを添加
    した膜であることを特徴とする請求項1記載の光磁気記
    録媒体。
JP8280399A 1996-09-20 1996-09-30 光磁気記録媒体 Pending JPH10106058A (ja)

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DE69727874T DE69727874T2 (de) 1996-09-20 1997-09-18 Magnetooptisches Auzeichnungsmedium
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