JPH10106468A - 電子顕微鏡の運転方法及び電子顕微鏡 - Google Patents

電子顕微鏡の運転方法及び電子顕微鏡

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Publication number
JPH10106468A
JPH10106468A JP9211614A JP21161497A JPH10106468A JP H10106468 A JPH10106468 A JP H10106468A JP 9211614 A JP9211614 A JP 9211614A JP 21161497 A JP21161497 A JP 21161497A JP H10106468 A JPH10106468 A JP H10106468A
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JP
Japan
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heater
heating
electron microscope
observed
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Application number
JP9211614A
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English (en)
Inventor
Kishio Hidaka
貴志夫 日▲高▼
Takeo Ueno
武夫 上野
Norie Yaguchi
紀恵 矢口
Katsuhisa Usami
勝久 宇佐美
Takashi Aoyama
青山  隆
Shigeyoshi Nakamura
重義 中村
Makoto Hiraga
平賀  良
Masahiro Tomita
正弘 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱材料の開発において要求される相変態およ
び相転移などの高温物性について、試料を安定に設定で
き、効率よく加熱できる電子顕微鏡の高温での運転方法
とその電子顕微鏡を提供する。 【解決手段】観察対象の試料を二重渦巻き平面状のフィ
ラメントの中心孔に位置するように設定し、着脱式の加
熱ステージはピボットのねじによって加熱ホルダに固定
され、加熱ステージはクランク型アームの上下移動によ
り傾斜する。加熱ステージとアームとは絶縁体によって
互いに絶縁され、電源からの電流は導電ワイヤによって
伝えられ、フィラメントを加熱する電子顕微鏡の運転方
法及び電子顕微鏡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な電子顕微鏡と
その運転方法及び加熱ホルダとその加熱ヒータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、観察対象の試料形状を直径3mmの
ディスクに加工し、その中央付近に穴を開け、その穴の
付近で電子線の透過可能な厚さの部分を観察する方法が
採られていたが、穴の位置を厳密に制御することは不可
能であった。加熱方式は、そのディスクの外周部に沿っ
て円周状に置かれたヒータによって加熱する。この問題
は加熱部と観察部の距離が離れており、試料温度を保証
出来ない点である。また、加熱温度の上昇に伴う熱漏れ
防止が困難であった。この熱漏れ防止対策として加熱部
全体を覆う方法もあるが、加熱ステージの寸法が大きく
なり過ぎて二軸傾斜機能および元素分析に対して不都合
が生じてしまい、電子顕微鏡の特徴を制限している。し
かも、試料の過熱による溶融で生じるヒータへの溶着に
たいしての対策が十分でなく、場合によっては加熱ホル
ダ本体を取り替えなくてはならない。
【0003】また、高温で高分解能の像観察を可能にす
る手段として、微粉末を試料としてタングステンフィラ
メント上にふりかけ、タングステンフィラメントに直接
通電して加熱する方式もあるが、微粉末であるためバル
ク本来の性質を保証していない。
【0004】電子顕微鏡用試料ホルダとして、特開平6
−44936号(USP5296669),特開平6−68828号(USP5367
171)が知られている。
【0005】特開平6−44936号公報には、加熱ヒータと
してコイル状に巻回してそれを横にしたもので、試料を
そのコイル内に設置することが開示されている。
【0006】また、特開平6−68828号公報には、加熱ヒ
ータとして平板形のセラミックヒータが開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの公報に記載の
加熱ヒータではいずれも試料を安定に設置でき、かつ効
率良く加熱することが出来ない。
【0008】本発明が解決しようとする問題点は上記従
来技術では解決出来ないバルク材料の1800℃までの
高温での高分解能像観察を可能にし、しかも高温での観
察により、試料の加熱ステージへの溶着等による加熱ス
テージの損傷に対して、容易に加熱ステージを着脱し
て、常にクリーンな環境での試料の加熱を可能にするも
のである。
【0009】本発明の目的は、試料を高温に加熱しても
動かずに安定に設置でき、効率良く加熱できる加熱ヒー
タを備えた高温でのその場観察及びその録画ができる電
子顕微鏡の運転方法,電子顕微鏡,その加熱ステージ及
び試料ホルダを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、観察対象の試
料に電子線を照射し、前記試料の高温での観察又は測定
を行う電子顕微鏡の運転方法において、前記試料の上面
と下面とをリング状ヒータによって加熱しながら前記観
察又は測定を行うことを特徴とする。
【0011】本発明は、観察対象の試料に電子線を照射
し、前記試料を好ましくは上下両面に設けられたヒータ
で加熱しながら高温での観察又は測定を行う電子顕微鏡
の運転方法において、前記試料を300℃以上、好まし
くは500℃以上に加熱しながら前記観察又は測定を行
うことを特徴とする。
【0012】本発明は、観察対象の試料に電子線を照射
し、前記試料をヒータで加熱しながら高温での観察又は
測定を行う電子顕微鏡の運転方法において、前記試料を
前記ヒータ上に直接載して加熱することを特徴とする。
【0013】本発明は、観察対象の試料に電子線を照射
し、前記試料をヒータで加熱しながら高温での観察又は
測定を行う電子顕微鏡において、前記ヒータは前記試料
の上面と下面とに前記電子線が当らないように設けられ
ていることを特徴とする。
【0014】本発明は、電子ビームを発生する電子銃
と、前記電子ビームを観察対象の試料に照射する電子レ
ンズ系と、前記試料を保持する試料ホルダと、前記試料
の状態を観測する光学系とを備えた電子顕微鏡におい
て、前記試料ホルダは前記試料を加熱するヒータを備え
た加熱ステージを有し、該加熱ステージは前後左右に軸
傾斜機能を有し、前記試料を前記ヒータに直接載置させ
る構造を有することを特徴とする。
【0015】前記ヒータは一平面だけでも可能である
が、前記試料の上面と下面とを同時に加熱できるように
所定の間隔で一体に2段に巻回された2重渦巻きフィラ
メントとすることによりより正確な温度設定ができるも
のが好ましい。
【0016】本発明は、観察対象の試料を高温に加熱す
るヒータを備え、前記試料を前記ヒータに直接載置する
ようにしたことを特徴とする電子顕微鏡用加熱ステージ
にある。
【0017】本発明は、観察対象の試料を高温に加熱す
るヒータを着脱自在に設置させ、前記試料を前記ヒータ
に直接載置させる加熱ステージを備え、該加熱ステージ
を前後左右に二軸傾斜機能を有することを特徴とする電
子顕微鏡用試料ホルダにある。
【0018】本発明は、高融点金属線外表面に絶縁性セ
ラミックスコーテングを有し、所望の間隔で2段以上の
渦巻き状の平面形成を有することを特徴とする加熱ヒー
タにある。
【0019】バルク材料の高温組織変化を評価するため
に、ヒータの加熱温度と試料温度との差を小さくする目
的で試料を出来る限り小型化する。また、試料の加熱温
度を保証するために、試料の上下を発熱体で覆い防熱
し、試料の観察部の寸法をFIB加工することで厳密に制
御出来る。
【0020】試料の過熱による溶融で生じるヒータへの
溶着に対しては、使い捨ての出来る着脱可能なカセット
式の加熱ステージにする。加熱ヒータを加熱ステージの
中にセットし、加熱ステージの片端から二重渦巻き状加
熱ヒータの間に試料を挿入させることにする。
【0021】高温での結晶性材料の高分解能像観察を可
能にするため、ドリフト防止の目的で加熱ステージ自身
を加熱ヒータへの導電体とし、さらに加熱ヒータにセラ
ミックス薄膜コーティングおよび炭素蒸着を施す。ま
た、結晶性材料の結晶方位を電子線の入射方位とあわせ
るために、高温での二軸傾斜機能を付加する。加熱ホル
ダの回転による傾斜は、加熱ホルダ本体の外周にあるゴ
ニオメータによって回転させ、加熱ステージの回転によ
る傾斜は、加熱ステージに凹面の加工をし、それに接触
するアームの先端を凸面に加工し、アームの上下移動に
よって回転させることにする。
【0022】長さ2mm×幅0.5mm×厚さ0.05mm以下
の短冊形に加工された試料が、観察部をFIB加工によ
って透過電子線の原子像が結像出来る程度に十分に薄く
加工され、加工された試料が元素分析用ノイズ低減と高
温像のドリフト対策の為された二重渦巻き状加熱ヒータ
の間に挿入され、二重渦巻き状加熱ヒータが防熱対策さ
れた加熱ステージに挿着され、着脱可能な加熱ステージ
が二軸傾斜可能な加熱ホルダ組み込まれる。加熱は外部
に設置した直流または整流電源から供給され、加熱ホル
ダの二軸傾斜機能と絶縁している加熱ステージを通じて
二重渦巻き状加熱ヒータに通電する。加熱された試料の
高分解能像を観察するためには、試料の結晶方位が重要
となるため、加熱ホルダの二軸傾斜機能により最適の方
位が得られるよう二軸で試料を施し高分解能像を得るこ
とが出来る。
【0023】外枠を形成する材料の熱膨張係数が、5.
0×10-7〜1.2×10-5/Kであることが好まし
い。また、加熱ステージを銅合金,チタン,ステンレス
で、前記外枠をサイアロン,コージェライト又はチタン
で形成することが好ましい。
【0024】また、本発明の電子顕微鏡用試料ホルダ
は、外枠内と、外枠内に設置される試料台と、試料台を
傾斜させる傾斜用軸とを有するものであって、加熱ステ
ージを形成する材料の熱伝導率が外枠を形成する材料の
熱伝導率よりも大きく、傾斜用軸を形成する材料の熱膨
張係数が5.0×10-7〜1.2×10-5であることが好
ましい。
【0025】更に、本発明の電子顕微鏡用加熱試料ホル
ダは、試料ホルダと軸受ロッドとを有するものであっ
て、軸受ロッドを形成する材料の熱伝導率が、試料ホル
ダの本体を形成する材料の熱伝導率よりも小さいことが
好ましい。特に、前記軸受ロッドの熱伝導率が15〜2
0W/mKであることが好ましい。
【0026】更に、本発明の電子顕微鏡用加熱試料ホル
ダは、試料を支持する試料ホルダと試料の位置を微動制
御する軸受ロッドとを有するものであって、試料ホルダ
が燐青銅からなり、軸受ロッドがSUS304からなるものが
好ましい。
【0027】本発明は観察対象の試料の300℃以上の
高温での状況を電子顕微鏡によって観察される情報を録
画することを特徴とする録画方法にある。
【0028】本発明は、観察対象の試料の300℃以上
の高温での状況を電子顕微鏡によって観察される情報が
録画された前記情報を再生することを特徴とする再生方
法にある。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は試料ホルダ8を電子顕微鏡
に取付けたときの試料駆動部の全体構成を示す断面図で
ある。試料ホルダ8を電子顕微鏡の鏡体13内に挿入す
ると、連結棒(軸受ロッド)9を介して微動装置と接触
して止まる。微動装置は、軸受ロッド10,テコ11,
ねじ棒12などから構成されている。図1のように試料
ホルダ8の試料台部分の外枠5に電子線14が通過して
試料の形状等を計測するシステムとなっている。
【0030】図2は試料ホルダ8の試料台(傾斜台)の
詳細の平面図である。
【0031】図2において、試料ホルダ8は加熱ステー
ジ1,試料2,加熱ステージ1の傾斜を調整するアーム
3,加熱ステージ1を外枠5から支持するピボット4,
アーム3と加熱ステージ1との接触部に球状絶縁体7を
有する。球状絶縁体7はルビー,サファイア等のセラミ
ックスボールが望ましい。
【0032】一方、外枠部分5はコージェライト製であ
り、その熱伝導率は1.7W/m°Kであり、加熱ステー
ジ1から外枠5への熱伝導は低く抑えられる。その結
果、試料2を500℃以上、好ましくは1000℃以上
に加熱する場合、試料2の温度ドリフトは約±1℃であ
るが、外枠5自体の温度は約110℃までの上昇に留ま
り、温度ドリフトは約±0.02℃ 以下に抑えられる。
このため、熱膨張による水平方向の位置の変動はほとん
ど無視できる。
【0033】加熱ステージ1は、熱良導体の銅合金又は
チタンを用いているため、温度分布は均一になってい
る。外枠5の部分は断熱材料(コージェライトアルミ
ナ,サイアロン)を用いているため、加熱ステージ1の
部分に比べ、温度上昇が抑えられている。従って、加熱
ステージ1の部分で温度ドリフトが生じても、外枠(ホ
ルダ部分)の温度ドリフトはきわめて小さい。従って、
試料部の水平位置、及び試料台の傾斜角に与える影響も
きわめて小さく、電子顕微鏡による精密な観察,測定が
可能となった。表1に本発明の実施例における熱伝導率
を示す。
【0034】
【表1】
【0035】また、図1において、試料ホルダ8を電子
顕微鏡に挿入すると、微動装置の軸受ロッド10と接触
して止まる。微動装置は、軸受ロッド10,テコ11,
ねじ棒12,軸受ロッド9などから構成されている。試
料ホルダ8の試料部の先端部を除き、本実施例では燐青
銅製とした。燐青銅は熱伝導率が大きく(62.9W/
mK)、試料の温度分布は均一になる。
【0036】一方、軸受ロッド9部分はSUS304製であ
り、熱伝導率は小さい(15.1W/mK)。
【0037】その結果、試料を500℃以上に加熱する
場合であっても、試料のドリフトは3時間後に±0.1
nmsec以下になった。以上の結果表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】図3は加熱ヒータ15を有する加熱ステー
ジ1の斜視図である。この加熱ヒータ15を有する加熱
ステージ1は二軸傾斜機能を有する。加熱ヒータ15は
二重渦巻き状の加熱ヒータ構造を有し、そのリード線を
加熱ステージ1に回転ねじ16を用いて固定される。観
察用の試料2を固定した段階で二重渦巻き状の加熱ヒー
タ15の間に挿入し、ピボット4に設けられた加熱ホル
ダ側の回転ねじ16によって、熱膨張を加味した緩い締
め付けを行う。ピボット4の締め付け時に、アーム3先
端の絶縁体と加熱ステージ1の凹面との接触部の位置を
合わせる。導線ワイヤ34はアーム3に付属している回
転ねじ36を用いて一端を固定する。さらに、もう一端
を加熱ステージ1の回転ねじ17を用いて固定する。ア
ーム3は図に示すようにまんじの片方の字のように屈曲
している。アーム3の回転によってピボット4を軸に前
後に回転する。
【0040】図4に二軸傾斜機能のうち、加熱ステージ
1の前後回転に関する傾斜機能の原理を示す。加熱ステ
ージ1の前後回転に関する傾斜機能は、アーム3の軸が
試料ホルダ8内に設置したモータに接続し、モータの回
転によってトルクが負荷される。アーム3の先端が球状
絶縁体7を介してモータの回転によって円弧を描けるよ
うにアーム3の途中をクランク形に加工する。アーム3
先端の球状絶縁体7は試料ホルダ本体の動力によって回
転する軸に従って、加熱ステージの凹面に沿って上下す
る。アーム3の先端の球状絶縁体7はルビーもしくはサ
ファイアにすることによって、燐青銅の銅合金で作製し
た加熱ステージ1の凹面の耐摩耗性を著しく向上させる
ことが出来る。また、試料ホルダ8を軸方向に回転する
ことによって試料2を左右に回転できる。
【0041】図5は二重渦巻き状の加熱ヒータの構造を
示す斜視図である。加熱ヒータ15は一本のフィラメン
トの中央部の長さを0.1〜2mm ほど残し、残部を折曲
げて図5に示す形状に加工する。図5に示すように、中
央部を軸芯にして渦巻き状に巻上げて図5に示すような
同一方向に2段の上下間のギャップを0.1mm (最大
0.5mm とすることが好ましい)を設けて二重渦巻き状
に加工する。本実施例では外径3mm,内径1mm,半(好
ましくは5回巻以下),ヒータの直径0.08mmとし
た。加工した加熱ヒータ15はタングステン線にセラミ
ックスのコーティングを施し、コイル間を絶縁する。さ
らに、その上に炭素を蒸着して加熱ヒータ15とする。
本実施例に示すように試料2は上下の2段の渦巻き状の
加熱ヒータ15の間に挿入されるので、試料の温度が全
体として一定の温度に保たれる。試料は後述の様にきわ
めて小さいものであるが、下部だけのヒータだけでは全
体を均一に保つことができない。
【0042】また、本実施例では試料は下部の渦巻き状
加熱ヒータに直接載置され、上部の渦巻き状の加熱ヒー
タは試料に接しても接しなくてもよいが、近接している
のが良い。
【0043】本実施例において、ピボット4で固定され
るが、取り外し可能な加熱ステージ1を有するものであ
る。
【0044】前記加熱ステージ1に組み込まれる加熱ヒ
ータ15は一本のフィラメントの中央部の幅0.1〜2m
m ほど残し、残部を二つ折にして、同一方向に上下2段
にした二重渦巻き状に巻いた構造を有している。二重渦
巻き状フィラメントはAl2O3,Si34,ZrO2,Si
2等のセラミックスにより薄膜コーティングが施さ
れ、セラミックス薄膜コーティング上にさらに炭素蒸着
が施されている。
【0045】加熱ステージ1は試料ホルダ8に組み込ま
れたとき、試料ホルダ8中を通る導電線に加熱ステージ
1が直接接続され、加熱ステージ1を通じて加熱ヒータ
15が直接通電される。また、加熱ステージ1は試料の
加熱中に二軸傾斜が可能である。
【0046】二軸傾斜はそれぞれ独立した、試料ホルダ
8の回転による傾斜および、加熱ステージ1の回転によ
る傾斜の二つの傾斜機能を同時に稼働させることができ
る。加熱ステージ1の傾斜機能は加熱ステージ1の一側
面を凹面に加工し、その凹面に接するように、試料ホル
ダ8中のアーム3をセットし、前記アーム3が前記加熱
ステージ1の凹面に沿って上下に移動することで可能に
なるものである。
【0047】前記加熱ステージ1の回転は、前記加熱ス
テージ1の両側中央にネジ方式のピボット4を設け、ネ
ジの締め付け加減で加熱時の熱応力が前記加熱ステージ
1の回転を拘束することを緩和するものである。
【0048】前記二軸傾斜に用いられるアーム3はその
先端部にルビーもしくはサファイアボールからなる球状
絶縁体7が組み込まれ、前記アーム3と前記加熱ステー
ジ1の凹形の面とがお互いに密着して絶縁されている。
【0049】前記加熱ステージ1に挿入される試料2
は、長さ2mm×幅0.5mm×厚さ0.05mm以下の短冊形に
加工され、観察前に前記試料2の観察部分がフォーカス
ド イオン ビーム(Focused Ion Beam)加工を施され
るものである。
【0050】前記試料2が前記加熱ステージ1にセット
される時、前記試料2は前記二重渦巻き状フィラメント
からなる加熱ヒータ15に生じる幅0.1〜2mm などの
隙間に挿入される。
【0051】前記試料2が前記加熱ステージ1に挿入さ
れる以前に、前記試料2は少なくとも一辺の一部を、広
くても幅5μm×長さ5μmの面積で、厚さ50nm以
下に加工し、その場所を観察位置とするものである。
【0052】前記試料2の観察部が前述の加熱ヒータ1
5の中心部の穴の位置に来るように調節され、加速され
た電子線が前述の加熱ヒータ15によって遮蔽されずに
前記試料2の観察部のみを透過ないしは反射するもので
ある。
【0053】前記試料2が前記加熱ステージ1にセット
され、過熱による前記試料の溶融等によって前記加熱ス
テージ1が汚染された場合、汚染された前記加熱ステー
ジ1を取り外し、新しい加熱ステージ1を別途にセット
することで、常にクリーンな環境で加熱試験を行うこと
ができる。
【0054】前記加熱ステージ1の加熱ヒータ15への
電流の供給を、整流型電源およびバッテリー型直流電源
を二方式で行うものである。
【0055】前記整流型電源を用いて、前記試料2に対
する一定長時間加熱および複雑な熱履歴に供することが
可能である。
【0056】前記バッテリー型直流電源を用いて、前記
試料2に対する高温高分解能像観察が可能である。
【0057】前記加熱ヒータ15表面を前記炭素蒸着す
ることで、高温加熱時の前記試料2観察部分の元素分析
の際に前記セラミックス薄膜コーティングから発生する
バックグラウンドのノイズ上昇を防止することができ
る。
【0058】前記加熱ヒータ15表面を前記炭素蒸着す
ることで、前記試料2に対する高温高分解能像観察中の
熱膨張によるドリフトを軽減することができる。
【0059】前記加熱ステージ1に電流を直接通電する
ことで、前記試料2に対する高温高分解能像観察中の熱
膨張によるドリフトを軽減することができる。
【0060】前記加熱ステージ1と前記試料ホルダ8と
を電気的かつ熱的に絶縁することで、前記加熱ステージ
1から前記試料ホルダ8の軸部への熱漏れを防止するこ
とができる。
【0061】前記アーム3の上下の移動による前記加熱
ステージ1の傾斜機能は、ピボット4を介して前記加熱
ステージ1の反対側に設けられるスプリング等の押さえ
をなくすことができる。
【0062】図6は本発明の2軸傾斜可能の試料ホルダ
8を組み込んだ透過型電子顕微鏡の全体構成図及び図7
は試料ホルダ8の斜視図である。図6のように電子ビー
ムを発生する電子銃18と、ガンバルブ19,収束レン
ズ部21と前記収束レンズ用絞り20とが、試料ホルダ
部22の上側に配置され、試料ホルダ部22の下側には
対物レンズ部31,制限視野用絞り30,結像レンズ部
23,観察室29,カメラ室27等が配置されている。
この他、ルーペ25やモニタ装置33にて試料の状態を
観察し、試料移動用つまみ24を操作して試料観察位置
を調整したり、左右に設置された操作盤26,28やコ
ントローラ32によって試料位置の調整や撮影等を行う
ことができるものである。試料ホルダ8は加熱ステージ
1を設置する先端部35をそれを支持する支持部36と
を有し、前述の材料が用いられる。
【0063】図8は、図6の透過型電子顕微鏡の電子線
14の照射系路図である。図において、電子銃18から
出た電子線14は照射レンズ系51a,51bによって
収束され、試料2を照射する。試料2を透過した電子線
は、結像レンズ系52a〜52eによって拡大され、蛍
光板53上に結像する。試料ホルダ8は、2段の照射レ
ンズ系51a,51bと5段の結像レンズ系52a〜5
2eとの間に配置され、鏡筒13に取付けられた駆動装
置46,47にて保持される。
【0064】本装置を用いて、本発明の透過型電子顕微
鏡を用いて実際に試料を観察した。試料として変化珪素
焼結体を用いた。
【0065】実施例では、α−Si34からβ−Si3
4に相変態したところを、室温でのα−Si34およ
び1800℃でのβ−Si34として観察するとともに
ビデオでの録画を行った。試料の温度は放射温度計に
て、予め温度と電流,電圧との関係に基づいて得られた
データによって設定した。長さ2mm×幅0.5mm×厚さ
0.05mm 以下の短冊形に加工された試料が、観察部
をFIB加工によって透過電子線の高分解能像が結像出
来る程度に十分に薄く加工され、その観察部が図9に示
すように二重渦巻き状加熱ヒータに挿入された。室温で
のα−Si34の原子像及び1800℃でのβ−Si3
4の高分解能像を観察した結果、1800℃でのβ−
Si34の像からその分解能は、0.18nm であるこ
とが判明した。β−Si34の像はコンピュータ・シミ
ュレーションによる画像とも一致している。α−Si3
4からβ−Si34に相変態する温度は1600℃を
超えており、1800℃までの連続的な高分解能像観察
が可能となるとともに映像としてビデオに記録できるも
のである。そして、映像においては時間短縮して観察で
きるとともにコマ送り、微速度での観察ができるもので
ある。
【0066】渦巻き状加熱ヒータ内径は電子線が透過す
る大きさを有し、試料が載置される大きさとするのが好
ましい。
【0067】更に、本実施例においては、加熱ステージ
の加熱ヒータ15に観察する試料2をセットし、試料ホ
ルダ8先端部の矩形の空隙に加熱ステージ1を設置し、
加熱ステージ1のピボット4と試料ホルダ8のピボット
4の位置を合わせてネジ止めする。加熱ステージ1の凹
型面をアーム3の先端に接触させて加熱ステージ1を水
平に保持する。加熱ステージ内に設けた導線と加熱ヒー
タを接続させる。
【0068】上記の方法に従って加熱ステージ1を試料
ホルダ8に装着させた後、試料ホルダ8を電子顕微鏡に
挿入する。試料ホルダ8は2種類の切り替え可能な電源
に接続される。直流電源は高分解能像の撮影可能な熱振
動の少ない電源であり、電流量を調節することで加熱温
度を変化させることができる。整流電源は希望する熱履
歴をプログラムすることが可能であり、長時間加熱およ
び/もしくは複雑な熱サイクルを設定し、加熱中に観察
することが出来る。観察は透過電子線の蛍光板53上の
発光による明るさのコントラストを用いて行う。その原
理は、電子銃18から放出される電子線14を加速し
て、加熱ホルダ1に設置した観察用試料2を透過させ、
その透過電子線を電界レンズによって拡大し、その透過
電子の蛍光板53上への衝突による発光によって生じる
明るさのコントラストである。
【0069】電子の加速電圧は200kV、10〜10
0万倍の倍率で観察した。図1に示すねじ棒12を回転
することにより、軸受ロッド10を動かして水平面の一
方向(X軸)の観察位置を決める。
【0070】また、図1において、試料ホルダ8を電子
顕微鏡に挿入すると、微動装置の軸受ロッド10と接触
して止まる。微動装置は、軸受ロッド10,テコ11,
ねじ棒12,軸受ロッド9などから構成されている。
【0071】本発明においては、試料ホルダ8内に試料
2を加熱するための加熱ヒータ15に対して加熱用の電
源を設けることが出来る。その電源は電池によって行う
ことが出来、電池を内蔵できるようにする。
【0072】図10は加熱ステージ1の別の例を示す組
立図である。加熱ステージ1は外枠5のピボット用穴4
0を通してピボット4によって加熱ステージ1に設けら
れた凹み37に固定される。加熱ヒータ15は図9と同
様の2段のうず巻き状に形成され、加熱ステージ1に設
けられた空洞40内に設置される。加熱ステージ1には
試料2を挿入する試料挿入口38より挿入され、更に加
熱ヒータ15の2段のうず巻き状の間に挿入され、下の
加熱ヒータ15に載置される。また、加熱ステージ1は
アーム3の回転によってピボット4を軸に前後に回転で
きる。アーム3は加熱ステージ1に設けられた凹みに挿
入され、回転可能となる。
【0073】他の例として、SUS304ステンレス鋼のマル
テンサイト変態した冷間加工材について室温から500
℃に昇温する過程を観察し、500℃で逆変態によって
結晶粒が微細になる状況をビデオで録画しながら観察す
ることが出来た。ビデオの観察においては前述と同様に
色々の速度での観察を行うことが出来た。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば耐熱材料の高温での相転
移などの物理的特性を原子レベルで評価でき、金属又は
セラミックス等の高温での組織変化,物性変化を直接観
察又は測定し、録画することが出来る顕著な効果を有す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子顕微鏡試料駆動部の全体構造を示す断面
図。
【図2】試料ホルダの平面図。
【図3】加熱ステージの斜視図。
【図4】加熱ステージの傾斜機能の原理図。
【図5】二重渦巻き状の加熱ヒータの斜視図。
【図6】透過型電子顕微鏡の全体構成図。
【図7】試料ホルダの斜視図。
【図8】透過型電子顕微鏡の電子線の照射系路図。
【図9】試料を加熱ヒータに配置した構成図。
【図10】加熱ステージの組立図。
【符号の説明】
1…加熱ステージ、2…試料、3…アーム、4…ピボッ
ト、5…外枠、7…球状絶縁体、8…試料ホルダ、9,
10…軸受ロッド、11…テコ、12…ねじ棒、15…
加熱ヒータ、18…電子銃、21…収束レンズ、23…
結像レンズ、31…対物レンズ部。
フロントページの続き (72)発明者 宇佐美 勝久 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 青山 隆 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中村 重義 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 平賀 良 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 富田 正弘 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】観察対象の試料に電子線を照射し、前記試
    料の高温での状況を観察又は測定する電子顕微鏡の運転
    方法において、前記試料の上面と下面とをヒータによっ
    て加熱しながら前記観察又は測定を行うことを特徴とす
    る電子顕微鏡の運転方法。
  2. 【請求項2】観察対象の試料に電子線を照射し、前記試
    料をヒータで加熱しながら高温での状況を観察又は測定
    する電子顕微鏡の運転方法において、前記試料を300
    ℃以上に加熱しながら前記観察又は測定を行うことを特
    徴とする電子顕微鏡の運転方法。
  3. 【請求項3】観察対象の試料に電子線を照射し、前記試
    料をヒータで加熱しながら高温での状況を観察又は測定
    する電子顕微鏡の運転方法において、前記試料を前記ヒ
    ータ上に直接載して加熱することを特徴とする電子顕微
    鏡の運転方法。
  4. 【請求項4】観察対象の試料に電子線を照射し、前記試
    料をヒータで加熱しながら高温での状況を観察又は測定
    する電子顕微鏡において、前記ヒータは前記試料の上面
    と下面とに照射もしくは透過する電子線が当らないよう
    に設けられていることを特徴とする電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】電子ビームを発生する電子銃と、前記電子
    ビームを観察対象の試料に照射する電子レンズ系と、前
    記試料を保持する試料ホルダと、前記試料の状態を観測
    する光学系とを備えた電子顕微鏡において、前記試料ホ
    ルダは前記試料を加熱するヒータを備えた加熱ステージ
    を有し、該加熱ステージは前後左右に二軸傾斜機能を有
    し、前記試料を前記ヒータに直接載置させる構造を有す
    ることを特徴とする電子顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記ヒータは前記試料の上面と下面とを同
    時に加熱できるように所定の間隔で一体に2段に巻回さ
    れた2重渦巻きフィラメントからなる請求項4又は5記
    載の電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】観察対象の試料を高温に加熱するヒータを
    備え、前記試料を前記ヒータに直接載置するようにした
    ことを特徴とする電子顕微鏡用加熱ステージ。
  8. 【請求項8】観察対象の試料を高温に加熱するヒータを
    着脱自在に設置させ、前記試料を前記ヒータに直接載置
    させる加熱ステージを備え、該加熱ステージを前後左右
    に二軸傾斜機能を有することを特徴とする電子顕微鏡用
    試料ホルダ。
  9. 【請求項9】高融点金属線外表面に絶縁性セラミックス
    コーテングを有し、所望の間隔で2段以上の渦巻き状の
    平面形成を有することを特徴とする加熱ヒータ。
  10. 【請求項10】観察対象の試料の300℃以上の高温で
    の状況を電子顕微鏡によって観察される情報を録画する
    ことを特徴とする録画方法。
  11. 【請求項11】観察対象の試料の300℃以上の高温で
    の状況を電子顕微鏡によって観察される情報が録画され
    た前記情報を再生することを特徴とする再生方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013041823A (ja) * 2011-08-03 2013-02-28 Fei Co Etemにおけるサンプルを評価研究する方法
KR20190048741A (ko) * 2017-10-31 2019-05-09 한국기초과학지원연구원 냉각 스테이션
JP2023058813A (ja) * 2021-10-14 2023-04-26 株式会社メルビル ステージ

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