JPH10107377A - 波長可変レーザ光発生方法およびその装置 - Google Patents

波長可変レーザ光発生方法およびその装置

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JPH10107377A
JPH10107377A JP25517996A JP25517996A JPH10107377A JP H10107377 A JPH10107377 A JP H10107377A JP 25517996 A JP25517996 A JP 25517996A JP 25517996 A JP25517996 A JP 25517996A JP H10107377 A JPH10107377 A JP H10107377A
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琢弥 名雪
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隆 藤井
Koshichi Nemoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同位体分離、大気環境計測及び分光計測等で
使われる波長可変レーザ装置を小型で低コストにする。 【解決手段】 波長可変レーザ装置は、レーザ光を発振
するレーザダイオード3と、可動回折格子53を含む外
部共振器5とを備えるとともに、回折格子53の回転角
Δθを設定できる第1のアクチュエータ71と、回折格
子53の並進移動量ΔL2 を設定できる第2のアクチュ
エータ72と、レーザダイオード3の駆動電流値を設定
制御できる制御電源73と、第1のアクチュエータ7
1、第2のアクチュエータ72、及び制御電源73をそ
れぞれ駆動制御できる制御手段9を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同位体分離、大気
環境計測、及び分光計測等に使用して好適な波長可変レ
ーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体レーザは、小型で、しか
も発振効率が極めて高く、光通信や光情報処理のための
光源としてよく使用されており、レーザダイオード(L
aserDiode;LD)とも呼ばれている。
【0003】このレーザダイオードは、当該ダイオード
単体のみで、シングルモード発振が可能であるととも
に、連続波長掃引が可能である。このような特徴をもつ
レーザダイオードを応用した精密な波長可変レーザ装置
は、光通信の分野において広く使用されている。このよ
うな光通信の分野で使用されているレーザダイオード
は、長波長域(1.3μm〜1.5μm)のレーザ光を
発振するものである。そして、このようなレーザダイオ
ードとしては、共振器方向に対して周期構造をもつ分布
帰還型(Distributed Feed-Back ;DFB)レーザと、
同様な周期構造をもつ分布ブラッグ反射器型(Distribu
ted Bragg Reflector ;DBR )レーザとがある。そし
て、前述した構造を有するレーザダイオードは波長制御
に直接使用できる。また、レーザダイオードは容易に入
手可能である。
【0004】ところで、同位体分離、大気環境計測及び
分光計測等のレーザ光応用技術分野においても、上述同
様に精密な波長可変レーザ装置が必要となる。そして、
かかる波長可変レーザ装置に対しても、小型、低コスト
化の観点より上記レーザダイオードの応用が望ましい。
【0005】しかしながら、上記レーザ光応用技術分野
で使用できるレーザダイオードは、短波長域(〜0.6
μm)のレーザ光を発振するものである。このようなレ
ーザ光を発振できるレーザダイオードとしては、通常の
ファブリペロー構造をもつ素子に限られているのが現状
である。このような共振器構造をもつレーザダイオード
単体の発振スペクトルは、周期構造をもつDFB型レー
ザあるいはDBR型レーザと比較すると、一般に線幅が
大きくマルチモード発振をしている。
【0006】これに対して、レーザダイオードに外部共
振器構造を付加して構成したレーザ装置が提供されてい
る。このレーザ装置では、外部共振器構造を用いてスペ
クトル狭窄化とシングルモード発振を行わせている。レ
ーザ装置において、外部共振器構造を用いてスペクトル
狭窄化とシングルモード発振させることは、最も一般的
なレーザダイオードの波長制御方法として以前から知ら
れている。このような波長制御方法のうち、回折格子
(以下、「グレーティング」という)の回折光を利用し
た波長制御方法を採用したレーザ装置について図6及び
図7を参照して説明する。
【0007】図6に、リトロ型外部共振器を備えた従来
の波長可変レーザ装置を示す。波長可変レーザ装置11
0は、レーザダイオード130と、リトロ型外部共振器
150とから構成されている。リトロ型外部共振器15
0は、レーザダイオード130から出射されたレーザ光
を平行ビームにするコリメートレンズ151と、このコ
リメートレンズ151からの平行ビームの通路に挿入さ
れるエタロン152と、このエタロン152を通過した
平行ビームを受光して出力レーザ光にする可動グレーテ
ィング153とから構成されてる。ここで、可動グレー
ティング153には、一定周期で溝154が形成されて
いる。また、リトロ型外部共振器150を用いた従来の
波長可変レーザ装置110では、レーザダイオード13
0の単体をレーザ媒質としてのみ扱う設計思想から連続
波長の掃引のために、レーザダイオード130のレーザ
光出射端面131に無反射コート(アンチリフレクショ
ンコート:以下ARコートと呼ぶ)132を施してあ
る。
【0008】このようなリトロ型外部共振器150を備
えた波長可変レーザ装置110の動作特性を、図7を参
照して説明する。この図において、横軸には周波数、縦
軸にはゲイン等が取られている。レーザダイオード13
0は、所定の波長域(〜20nm)において、連続的に
広いゲインカーブ170を呈している。また、波長可変
レーザ装置110は、所定の周波数間隔でリトロ型外部
共振器150の縦モード171が発生している。また、
符号172は可動グレーティング153の分解能を示し
ており、リトロ型外部共振器150の縦モードを7つを
含んでしまっている。そこで、シングルモードの発振を
得るために、波長選択素子としてエタロン152を挿入
している。このエタロン152の分解能は、外部共振器
縦モードを1つを含むのみとなり、シングルモード発振
となる。
【0009】このように上記リトロ型外部共振器150
を備えた従来の波長可変レーザ装置110によれば、可
動グレーティング153と、エタロン152を挿入する
ことにより、レーザ光のスペクトル狭窄化とシングルモ
ード発振を行わせている。
【0010】一方、上記リトロ型外部共振器の形を基本
的に備えた波長可変レーザ装置であって、レーザダイオ
ード130のレーザ光出射端面にARコートを施さず、
かつエタロン152の挿入を必要としない波長可変レー
ザ装置も提案されている。このレーザ装置では、次の不
都合な点を下記のように解消して提案されたものであ
る。
【0011】すなわち、一般に、この種のリトロ型外部
共振器150を備えたレーザ装置において、レーザダイ
オード130のレーザ光出射端面にARコートを施さな
いで外部共振器150の長さや可動グレーティング15
3の角度を変化させると、通常は、レーザ光出力が不安
定になってモードホップが発生してしまう不都合があ
る。このレーザ装置では、レーザ光出力をモニターして
レーザ光出力値が最大になるようにレーザダイオードの
駆動電流を制御することにより連続波長掃引をできるよ
うに構成したものであり、具体的には、レーザ光出力を
検出するセンサ、局部発振器、ロックインアンプ、アナ
ログ制御回路等の複雑な装置により、レーザダイオード
の駆動電流を制御して連続波長掃引をしている。
【0012】図8に、リットマン型外部共振器を備えた
従来の波長可変レーザ装置を示す。波長可変レーザ装置
210は、レーザダイオード230と、リットマン型外
部共振器250とから構成されている。リットマン型外
部共振器250は、レーザダイオード230から出射さ
れたレーザー光を平行ビームにするコリメートレンズ2
51と、このコリメートレンズ251からの平行ビーム
を受光して反射したり出力レーザー光にする固定グレー
ティング253と、固定グレーティング253から反射
されたレーザー光を反射して再び固定グレーティング2
53に与える可動ミラー252とから構成されてる。こ
こで、固定グレーティング253には、一定周期で溝2
54が形成されている。また、リットマン型外部共振器
250を用いた従来の波長可変レーザ装置210では、
レーザダイオード230の単体をレーザ媒質としてのみ
扱う設計思想から連続波長掃引のために、レーザダイオ
ード230のレーザー光出射端面231にARコート2
32を施してある。
【0013】この波長可変レーザ装置210によれば、
図7におけるカーブ173は固定グレーティング253
によって得られることになり、レーザー光のスペクトル
狭窄化とシングルモード発振を行わせている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
(1)しかしながら、これら外部共振器150、250
を用いた従来の波長可変レーザ装置110、210にお
いては、上述した理由により、レーザダイオード13
0、230のレーザー光出射端面にARコート132、
232を施す必要がある。 (1−a)したがって、ARコートをレーザダイオード
130、230のレーザー光出射端面に施すために、特
別な設備が必要となる欠点がある。 (1−b)また、ARコートの材料が必要となるほか、
ARコートを施す工程も必要となることから、レーザダ
イオードの価格がコストアップするという欠点がある。 (1−c)さらに、上記ARコートを施す工程におい
て、レーザダイオードが大気中に曝されることになり、
光学的損傷をうける危険性が伴うという欠点もある。
【0015】(2)また、図6に示すリトロ型外部共振
器150の場合、レーザダイオード130は、図7に示
すように、所定の波長域(〜20nm)において連続的
に広いゲインカーブ170を有することと、可動グレー
ティング153の分解能172が広いことから、高い分
解能173を有する波長選択素子としてのエタロン15
2を挿入することによりシングルモード発振を得てい
た。したがって、上記リトロ型外部共振器150を備え
た従来の波長可変レーザ装置110によれば、光学系の
部品点数が増加し、調整を複雑にするという欠点があっ
た。
【0016】(3)さらに、波長制御する際に、従来ま
では外部共振器長と可動グレーティング153の回折角
を適当に連動させる必要から、可動グレーティング15
3(あるいはリットマン型外部共振器250では可動ミ
ラー252)の回転角と並進移動量が機械的に連動する
特殊な機構を工夫しなければならず、また、精密な光軸
調整を行う機構についても配慮しなければならなかっ
た。
【0017】(4)一方、レーザダイオード130のレ
ーザー光出射端面にARコートを施さず、かつまた、エ
タロン152の挿入を必要としない波長可変レーザ装置
の場合、レーザダイオード駆動電流を制御するために、
局部発振器、ロックインアンプ、アナログ制御回路等、
複雑な装置が必要であり、実用化のためにはより低コス
トを達成できるようにする必要がある。
【0018】そこで、本発明の目的は、同位体分離、大
気環境計測及び分光計測等において、小型で低コストな
波長可変レーザ光発生方法及びその装置を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明に係る波長可変レーザ光発生
方法では、レーザ光を発振するレーザダイオードと、可
動回折格子を含む外部共振器とを備えたレーザ装置によ
って波長可変レーザ光を発生する方法において、外部共
振器長さに対する可動回折格子の並進移動量及び可動回
折格子の回転角を、外部共振器長、レーザダイオードを
駆動する駆動電流変化量、レーザ発振波長、可動回折格
子の溝間隔との間で数式3を満足するように設定するこ
とにより波長可変レーザ光を発生できるようにしてい
る。
【0020】
【数3】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0 Δθ=sin-1〔(λ0 +β・ΔI)/2d〕−sin-1(λ
0 /2d) 但し、λ0 はレーザー発振波長、L2 は外部共振器長、
ΔL2 は外部共振器長L2 に対する並進移動量、Δθは
回折格子の回転角、ΔIはレーザダイオードの駆動電流
の変化量、βはレーザダイオードの駆動電流に対する波
長の変化分を決めるレーザダイオード素子固有の比例定
数、dは回折格子の溝間隔である。
【0021】したがって、請求項1記載の発明によれ
ば、ARコートをレーザダイオードの出射端面に施さな
いリトロ型外部共振器の構造は、エタロンの挿入も必要
なく、コリメートレンズと可動グレーティングのみで光
学系が構成されることから、最も簡単かつ小型で、しか
も低コストな波長可変レーザ光が得られる。
【0022】また、請求項2記載の発明に係る波長可変
レーザ装置によれば、レーザ光を発振するレーザダイオ
ードと、可動回折格子を含む外部共振器とを備えたレー
ザ装置において、回折格子の回転角を設定できる第1の
アクチュエータと、回折格子の並進移動量を設定できる
第2のアクチュエータと、レーザダイオードの駆動電流
値を設定制御できる制御電源と、第1のアクチュエー
タ、第2のアクチュエータ及び制御電源をそれぞれ駆動
制御できる制御手段とを備えるようにしている。
【0023】したがって、請求項2記載の発明では、A
Rコートをレーザダイオードの出射端面に施さないリト
ロ型外部共振器の構造は、エタロンの挿入も必要なく、
コリメートレンズと可動グレーティングのみで光学系が
構成されることから、最も簡単かつ小型で、しかも低コ
ストで波長可変レーザ装置を得ることができる。
【0024】また、請求項3記載の発明では、外部共振
器は、レーザダイオードの光を平行ビームにして出射す
るコリメートレンズ及びコリメートレンズからの平行ビ
ームを受光して出力光とする可動回折格子のみから構成
している。
【0025】また、請求項4記載の発明では、制御手段
は、レーザー発振波長をλ0 、外部共振器長L2 に対す
る並進移動量をΔL2 、回折格子の回転角をΔθ、レー
ザダイオードの駆動電流の変化量をΔI、レーザダイオ
ードの駆動電流に対する波長の変化分を決めるレーザダ
イオード素子固有の比例定数をβ、回折格子の溝間隔を
dとしたとき、数式4の関係が成立するように第1のア
クチュエータ、第2のアクチュエータ及び制御電源をそ
れぞれ駆動制御させる処理手段を備えるようにしてい
る。
【0026】
【数4】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0 Δθ=sin-1〔(λ0 +β・ΔI)/2d〕−sin-1(λ
0 /2d) 更に、請求項5記載の発明では、レーザダイオードに温
度センサーを設け、この温度センサーからの検出信号を
レーザダイオードの温度調節器にフィードバックし、第
1のアクチュエータ、第2のアクチュエータ及び制御電
源の制御手段によってレーザダイオードの温度制御を行
うようにしている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る波長可変レー
ザ装置の実施の形態を説明する。
【0028】〔第1の実施の形態〕図1に、本発明に係
る波長可変レーザ装置の第1の実施の形態を示す。この
図において、波長可変レーザ装置1は、レーザ光を発振
するレーザダイオード3と、レーザダイオード3に付加
される外部共振器5と、レーザダイオード3の駆動電流
及び外部共振器5の共振状態を制御する被制御手段7
と、被制御手段7を駆動制御する制御手段9とから構成
されている。レーザダイオード3は温度センサー95か
らの出力によってペルチェ素子21を駆動する温度調節
器2により一定温度に保たれている。尚、符号22は放
熱板である。
【0029】ここで、外部共振器5は、レーザダイオー
ド3から出射されるレーザ光を平行ビームにするコリメ
ートレンズ51と、コリメートレンズ51からの平行ビ
ームを受光して出力光とする可動回折格子(可動グレー
ティング)53とからなる。また、可動グレーティング
53には、一定の間隔dで溝54が設けられている。
【0030】被制御手段7は、第1のアクチュエータ7
1と、第2のアクチュエータ72と、制御電源73とか
ら構成されている。
【0031】第1のアクチュエータ71は、可動グレー
ティング53の回転角Δθを設定できる。この第1のア
クチュエータ71は、図示しないが、例えば圧電素子と
機械系とで構成されており、この圧電素子は印加電圧に
よって定められた位置だけ正確に変位して止まることに
より、機械系の作用と相まって可動グレーティング53
を正確な回転角Δθに設定できる。
【0032】また、第2のアクチュエータ72は、可動
グレーティング53の並進移動量ΔL2 を設定できる。
この第2のアクチュエータ72は、図示しないが、例え
ば圧電素子と機械系とで構成されている。この機械系の
上に第1のアクチュエータ71が固定されている。した
がって、第2のアクチュエータ72の圧電素子が印加電
圧によって定められた位置だけ正確に変位して止まるこ
とにより、機械系の作用と相まって第1のアクチュエー
タ71を含む可動グレーティング53を正確な並進移動
量ΔL2 に設定できる。
【0033】また、レーザダイオード3は、制御電源7
3に接続されている。この制御電源73は、制御信号に
応じてレーザダイオード3に流す駆動電流IN を設定で
きる。上記制御手段9は、第1のアクチュエータ71、
第2のアクチュエータ72、及び制御電源73に電気的
に接続されており、各制御信号を第1のアクチュエータ
71、第2のアクチュエータ72、及び制御電源73に
出力できる。
【0034】この制御手段9は、処理装置本体91と、
定数や処理方式等を指定する入力手段としてのキーボー
ド92と、処理結果を表示するディスプレイ93とを備
えている。処理装置本体91は、図示しないが、例え
ば、各種演算処理を実行する演算処理部と、この装置で
処理する一連の処理プログラムを記憶する読出専用メモ
リと、処理を実行する上で各種のデータ等を記憶する読
書き可能なメモリと、外部へ制御信号等を出力し、ある
いは外部からのデータを取り込むためのインターフェー
スとを備えている。また、読出専用メモリには、処理装
置本体91の第1のアクチュエータ71、第2のアクチ
ュエータ72に出力した制御信号に対する可動グレーテ
ィング53の実際の回転角度、移動距離の関係が記憶さ
れている。また、同様に、読出専用メモリには、処理装
置本体91が制御電源73に出力した制御信号に対して
制御電源73がレーザダイオード3に供給した駆動電流
の関係が記憶されている。処理装置本体91は、その出
力した制御信号を基に、実際のグレーティングの回転角
度、移動量、あるいは駆動電流のデータを読出専用メモ
リから読み出して、制御に使用できるようになってい
る。
【0035】図2に、上記構成の波長可変レーザ装置1
の動作原理図を示す。この図において、符号31、32
はレーザダイオード3の端面である。符号L1 はレーザ
ダイオード3の端面31、32間の長さであって、端面
31、32の間で構成される共振器長である。なお、L
1 はレーザダイオード3の端面間の機械的な寸法ではな
く媒質の屈折率を考慮した光学的な長さを表している。
また、端面31,32の間に存在する縦モードの数はN
1 とする。次に、符号L2 は、レーザダイオード3の出
射端面31から可動グレーティング53までの距離であ
って、レーザダイオード3の出射端面31と可動グレー
ティング53の間で構成される共振器長である。そし
て、出射端面31と可動グレーテッイング53の間の縦
モードの数をN2 、レーザダイオード3のレーザ発振波
長をλ0 とする。また、符号dは可動グレーティング5
3の溝54の間隔であり、符号θは可動グレーティング
53へのレーザ光の入射角度である。
【0036】ここで、モードホップを起こさないでレー
ザ発振波長λ0 をΔλだけシフトさせるためには、波長
がシフトする間、2つの共振器の縦モード数N1 、N2
が常に一定であればよい。そこで、可動グレーティング
53の一次回折光がレーザダイオード3に戻る条件を含
めて、以下に設立する式をまとめてみる。
【0037】(i) λ0 のとき レーザダイオード3の端面31、32の間では、数式5
が成立している。
【0038】
【数5】L1 =N1 ・λ0 /2 また、レーザダイオード3の出射端面31と可動グレー
ティング53との間では、数式6が成立している。
【0039】
【数6】L2 =N2 ・λ0 /2 さらに、可動グレーティング53へのレーザ光の入射角
度θと、可動グレーティング53の溝間隔dと、レーザ
発振波長λ0 との間では、数式7が成立している。
【0040】
【数7】2dsinθ=λ0 (ii)そして、λ0 +Δλとなったとき レーザダイオード3の端面31、32の間では、共振器
長L1 の変化分をΔL 1 とすると、数式8が成立する。
【0041】
【数8】L1 +ΔL1 =N1 ・(λ0 +Δλ)/2 また、レーザダイオード3の出射端面31と可動グレー
ティング53との間では、共振器長L2 の変化分をΔL
2 とすると、数式9が成立する。
【0042】
【数9】L2 +ΔL2=N2 ・(λ0 +Δλ)/2 さらに、可動グレーティング53の角度(θ+Δθ)
と、可動グレーティング53の溝間隔dと、波長(λ0
+Δλ)との間には、数式10が成立している。
【0043】
【数10】2dsin(θ+Δθ)=(λ0 +Δλ) 以上のことから、2つの共振器長L1 、L2 の変化分Δ
1 、ΔL2 の関係を求めると、数式11のようにな
る。
【0044】
【数11】ΔL2 =ΔL1 ×L2 /L1 一方、レーザ発振波長の変化分Δλとレーザダイオード
3の駆動電流の変化分ΔIとの関係は、数式12のよう
になる。
【0045】
【数12】Δλ=β・ΔI 符号βは、レーザダイオード駆動電流に対する波長の変
化分を決めるレーザダイオード3の固有の比例定数であ
る。レーザダイオード3の駆動電流の変化分ΔIは、数
式12、数式8を介してΔL1 と連動し、さらに、数式
11を介してΔL 2 と連動している。また、ΔIは、数
式12、数式10を介してΔλ、Δθとも連動してい
る。
【0046】そこで、レーザ発振波長λ0 をΔλシフト
させるために必要な可動グレーティング53の回転角Δ
θと、可動グレーティング53の並進移動量ΔL2 をΔ
Iを用いて表現すると、数式13及び数式14のように
なる。
【0047】
【数13】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0
【0048】
【数14】Δθ=sin-1{(λ0 +β・ΔI)/2d}
−sin-1(λ0 /2d) したがって、キーボード92から上記定数β、上記可動
グレーティング53の溝間隔d、レーザダイオード3の
もともとの発振波長λ0、外部共振器長L2 を制御手段
9の処理装置本体91に与えておき、ついで処理装置本
体91において、上記数式13及び数式14を満足させ
るように、第1のアクチュエータ71、第2のアクチュ
エータ72及び制御電源73を制御する。
【0049】上記波長可変レーザ装置1では、電気的に
制御を行うものであるから、従来のレーザ装置のように
機械的に連動する構造上の制約から解放された設計、製
作が可能になる。
【0050】〔第2の実施の形態〕図3に、同波長可変
レーザ装置の第2の実施の形態を示す。この図におい
て、第2の実施の形態では、波長可変レーザ装置1’内
のレーザダイオード3の温度を検出して電気信号に変換
する温度センサー95を設け、かつ処理装置本体91か
らの出力を温度調節器2に入力し、レーザダイオード3
の動作温度をも考慮して、上記数式13及び数式14を
満足させるように第1のアクチュエータ71、第2のア
クチュエータ72及び制御電源73を制御するようにし
たものである。したがって、他の構成は、図1の波長可
変レーザ装置1と全く同一であるため、同一の符号を付
して構成作用の説明を省略する。
【0051】第2の実施の形態によれば、レーザダイオ
ード3の動作温度を制御パラメータに取り込んで制御す
るために、より広い波長域をカバーできる。
【0052】〔第3の実施の形態〕図4に、同波長可変
レーザ装置の第3の実施の形態を示す。この図における
波長可変レーザ装置1”の制御系はセルフチューニング
制御方式を採用したものであり、図1及び図3の波長可
変レーザ装置のようなオープンループ制御方式とは異な
る構成となっている。すなわち、この第3の実施の形態
における波長可変レーザ装置1”では、制御電源73か
らレーザダイオード3に供給される電流を検出して電気
信号に変換する電流検出センサ81を制御電源73とレ
ーザダイオード3との間に設けた点、可動グレーティン
グ53の回転角を検出して電気信号に変換する回転角検
出センサ82を可動グレーティング53の回転軸に設け
た点、及び可動グレーティング53の並進移動量を検出
する並進移動量検出センサ83を可動グレーティング5
3に設けた点にまず特徴がある。これらセンサ81、8
2、83からの検出信号は制御手段9の処理装置本体9
1に入力されるようにしてある。また、処理装置本体9
1では、取り込んだ検出信号を基に、上記数式13、数
式14を満足するように、第1のアクチュエータ71、
第2のアクチュエータ72及び制御電源73を制御して
いる。これによっても、波長可変レーザ光を発生でき
る。
【0053】第3の実施の形態によれば、制御信号に対
する回転角度、移動量あるいは駆動電流の関係から内部
変数である圧電素子の変位特性及びレーザダイオードの
比例定数βを推定できる。そして、推定誤差を最小にす
るように最小2乗法に基づく逐次式を用いてこれら内部
変数が調整でき、ハードウェアの持つ微細な個体差をも
吸収できる。
【0054】〔第4の実施の形態〕次に、簡易な例とし
て第4の実施の形態を検討してみる。第4の実施の形態
では、Δθ〜0の場合には、数式15が成立する。
【0055】
【数15】ΔL2 /Δθ=L2 /tanθ=一定 したがって、適当な支点を定めることにより、可動グレ
ーティングの回転角と並進移動量を一つのアクチュエー
タで制御することができることになる。この時の△I
は、数式13、数式15より△I=(λ0 /βtanθ )
△θと書ける。
【0056】この数式15を用いた実験を行った結果、
発振波長λ0 =628〔nm〕を中心として20〔GH
z〕以上の連続波長掃引を確認できた。このとき、設定
したパラメータは、L2 =26〔mm〕、β=5×10
-3〔nm/mA〕、ΔI=7.5〔mA〕、d=1/1
800〔mm〕である。また、当該レーザ装置の動作温
度は25.00〔℃〕である。実験に際しては、FSR
=2[GHz]、フィネス=300の光スペクトラムア
ナライザを測定器として使用した。
【0057】上記第4の実施の形態では、上記数式15
を用いた場合は以下に示す通り構造上の制約を受けてい
るため、連続掃引幅には上限がある。これについては図
5を用いて説明する。
【0058】初期状態としてレーザダイオードが波長λ
0 でシングルモードで発振しており、L2 /tan θ=r
(一定)が成立していると仮定する。すなわち、L2
線分AC、θは∠ABC、rは線分BCであることか
ら、これは三角形ABCで作られる幾何学構造を表して
いる。
【0059】次に、θ→θ+Δθ、L2 →L2 +Δ
2 、λ0 →λ0 +Δλになった場合を考える。
【0060】このとき、ΔL2 /Δθ=r(一定)であ
り、ΔL2 は線分ONであり、Δθは∠OA’Nであ
り、rは線分A’Oであることから、可動グレーティン
グのA点はA’点に移動したと考えることができる。
【0061】一方、(L2 +ΔL2 ’)/tan(θ+Δ
θ)=r(一定)が成立し、これよりΔL2 ’/Δθ=
r/ cos2θが成立する。ここで、(θ+Δθ)は∠
A”B’C”であり、rは線分B’C”に相当するの
で、定式が成立するためにはA点がA”点に移動したと
考える必要がある。
【0062】以上により、Δθ〜0の場合の近似式で
は、A点の移動点の解釈については、数式16のδ(Δ
2 )だけ曖昧さが生じることになる。
【0063】
【数16】δ(ΔL2 )=ΔL2’−ΔL2=r・Δθ/
cos2θ−r・Δθ なお、δ(ΔL2 )は、線分NMで表すことができる。
【0064】しかしながら、実際には、可動グレーティ
ングの離散的構造を考えると、数式17で表わされる曖
昧さは可動グレーティングの溝間隔以下の場合には意味
を持たなくなる。すなわち、可動グレーティングが溝間
隔dの周期的構造を持つならば、連続波長掃引幅の条件
として、
【0065】
【数17】|δ(ΔL2 )|<d・sin θ が条件となる。連続波長掃引幅の上限値をΔνMAX 、そ
のときの可動グレーティング角度変化量をΔθMAX とす
ると、以下の数式18のように計算できる。
【0066】
【数18】 ΔνMAX =(c・r/λ0 ・L2 )・ΔθMAX =(c・r/λ0 ・L2 )(2d・cos2θ/r・sin θ) =c/(L2 ・tan2θ) ≒24〔GHz〕 この値は、実験結果をよく説明でき、1つのアクチュエ
ータを用いた簡易な第4の実施の形態では、波長制御に
限界があることがわかる。しかしながら、アクチュエー
タが一つで済むことから、特定の用途には当該波長可変
レーザ装置を使用することが望ましい。
【0067】なお、本発明は、上記各実施の形態に限ら
ず、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない
範囲内において種々の変形や変更をすることができる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明に係る波長可変レーザ光発生方法によれば、外部共振
器長さに対する可動回折格子の並進移動量及び可動回折
格子の回転角を、外部共振器長、レーザダイオードを駆
動する駆動電流変化量、レーザ発振波長、可動回折格子
の溝間隔との間で数式19を満足するように設定できる
ので、ARコートをレーザダイオードの出射端面に施さ
ないリトロ型外部共振器の構造とすることができ、しか
もエタロンを挿入する必要もなく、コリメートレンズと
可動グレーティングのみで光学系が構成されることか
ら、最も簡単かつ小型で、しかも低コストで波長可変レ
ーザ光を得ることができる。
【0069】
【数19】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0 Δθ=sin-1〔(λ0 +β・ΔI)/2d〕−sin-1(λ
0 /2d) 但し、λ0 はレーザー発振波長、L2 は外部共振器長、
ΔL2 は外部共振器長L2 に対する並進移動量、Δθは
回折格子の回転角、ΔIはレーザダイオードの駆動電流
の変化量、βはレーザダイオードの駆動電流に対する波
長の変化分を決めるレーザダイオード素子固有の比例定
数、dは回折格子の溝間隔である。
【0070】また、請求項2記載の発明に係る波長可変
レーザ装置によれば、回折格子の回転角を設定できる第
1のアクチュエータと、回折格子の並進移動量を設定で
きる第2のアクチュエータと、レーザダイオードの駆動
電流値を設定制御できる制御電源と、第1のアクチュエ
ータ、第2のアクチュエータ及び制御電源をそれぞれ駆
動制御できる制御手段とを備えたので、ARコートをレ
ーザダイオードの出射端面に施さないリトロ型外部共振
器の構造とすることができ、しかもエタロンを挿入する
必要もなく、コリメートレンズと可動グレーティングの
みで光学系を構成することができることから、最も簡単
かつ小型で、しかも低コストの波長可変レーザ装置を得
ることができる。
【0071】請求項3記載の発明では、外部共振器がコ
リメートレンズと可動回折格子のみから構成されている
ので、外部共振器の構造が簡単になり、低コスト化が図
れる。
【0072】請求項4記載の発明では、制御手段は、レ
ーザー発振波長をλ0 、外部共振器長L2 に対する並進
移動量をΔL2 、回折格子の回転角をΔθ、レーザダイ
オードの駆動電流の変化量をΔI、レーザダイオードの
駆動電流に対する波長の変化分を決めるレーザダイオー
ド素子固有の比例定数をβ、回折格子の溝間隔をdとし
たとき、数式20の関係が成立するように前記第1のア
クチュエータ、前記第2のアクチュエータ及び制御電源
をそれぞれ駆動制御させる処理手段を備えているので、
波長制御の自動化等、より実用的な設計を行う上でも改
良項目をソフトウエアにて吸収できる余地があるため、
応用面にも柔軟に対応できる。
【0073】
【数20】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0 Δθ=sin-1〔(λ0 +β・ΔI)/2d〕−sin-1(λ
0 /2d) 請求項5記載の発明では、レーザダイオードに温度セン
サを設け、この温度センサからの検出信号をレーザダイ
オードの温度調節器にフィードバックし、第1のアクチ
ュエータ、第2のアクチュエータ及び制御電源の制御手
段によってレーザダイオードの温度制御を行うようにし
たので、波長制御をする上でより精密な制御が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波長可変レーザ装置の第1の実施
の形態を示すブロック図である。
【図2】同第1の実施の形態の動作原理を説明するため
の図である。
【図3】同第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】同第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】同第4の実施の形態を説明するための図であ
る。
【図6】従来のレーザ装置を示すブロック図である。
【図7】同レーザ装置の動作を説明するための図であ
る。
【図8】従来の他のレーザ装置を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1,1’,1” 波長可変レーザ装置 2 温度調整器 3 レーザダイオード 31 出射端面 32 端面 5 外部共振器 51 コリメートレンズ 53 可動グレーティング 54 溝 7 被制御手段 71 第1のアクチュエータ 72 第2のアクチュエータ 73 制御電源 81 電流検出センサ 82 回転角検出センサ 83 並進移動量検出センサ 9 制御手段 91 処理装置本体 92 キーボード 93 ディスプレイ 95 温度センサー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発振するレーザダイオード
    と、可動回折格子を含む外部共振器とを備えたレーザ装
    置によって波長可変レーザ光を発生する方法において、
    前記外部共振器長さに対する前記可動回折格子の並進移
    動量及び前記可動回折格子の回転角を、前記外部共振器
    長、前記レーザダイオードを駆動する駆動電流変化量、
    レーザ発振波長、前記可動回折格子の溝間隔との間で数
    式1を満足するように設定することにより波長可変レー
    ザ光を発生できることを特徴とする波長可変レーザ光発
    生方法。 【数1】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0 Δθ=sin-1〔(λ0 +β・ΔI)/2d〕−sin-1(λ
    0 /2d) 但し、λ0 はレーザー発振波長、L2 は外部共振器長、
    ΔL2 は外部共振器長L2 に対する並進移動量、Δθは
    回折格子の回転角、ΔIはレーザダイオードの駆動電流
    の変化量、βはレーザダイオードの駆動電流に対する波
    長の変化分を決めるレーザダイオード素子固有の比例定
    数、dは回折格子の溝間隔である。
  2. 【請求項2】 レーザ光を発振するレーザダイオード
    と、可動回折格子を含む外部共振器とを備えたレーザ装
    置において、前記回折格子の回転角を設定できる第1の
    アクチュエータと、前記回折格子の並進移動量を設定で
    きる第2のアクチュエータと、前記レーザダイオードの
    駆動電流値を設定制御できる制御電源と、前記第1のア
    クチュエータ、前記第2のアクチュエータ及び前記制御
    電源をそれぞれ駆動制御できる制御手段とを備えたこと
    を特徴とする波長可変レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記外部共振器は、前記レーザダイオー
    ドの光を平行ビームにして出射するコリメートレンズ、
    及び前記コリメートレンズからの平行ビームを受光して
    出力光とする可動回折格子のみから構成したことを特徴
    とする請求項2記載の波長可変レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、レーザー発振波長をλ
    0 、外部共振器長L 2 に対する並進移動量をΔL2 、回
    折格子の回転角をΔθ、レーザダイオードの駆動電流の
    変化量をΔI、レーザダイオードの駆動電流に対する波
    長の変化分を決めるレーザダイオード素子固有の比例定
    数をβ、回折格子の溝間隔をdとしたとき、数式2の関
    係が成立するように前記第1のアクチュエータ、前記第
    2のアクチュエータ及び制御電源をそれぞれ駆動制御さ
    せる処理手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の
    波長可変レーザ装置。 【数2】ΔL2 =L2 ・β・ΔI/λ0 Δθ=sin-1〔(λ0 +β・ΔI)/2d〕−sin-1(λ
    0 /2d)
  5. 【請求項5】 前記レーザダイオードに温度センサーを
    設け、この温度センサーからの検出信号を前記レーザダ
    イオードの温度調節器にフィードバックし、前記第1の
    アクチュエータ、第2のアクチュエータ及び制御電源の
    制御手段によって前記レーザダイオードの温度制御を行
    うことを特徴とする請求項2記載の波長可変レーザ装
    置。
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