JPH10109369A - 繊維補強合成樹脂製構造部材 - Google Patents

繊維補強合成樹脂製構造部材

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JPH10109369A
JPH10109369A JP8284736A JP28473696A JPH10109369A JP H10109369 A JPH10109369 A JP H10109369A JP 8284736 A JP8284736 A JP 8284736A JP 28473696 A JP28473696 A JP 28473696A JP H10109369 A JPH10109369 A JP H10109369A
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synthetic resin
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reinforced synthetic
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Yoshiaki Sugiyama
兆旦 杉山
Toshiyuki Ono
利之 小野
Naoharu Sato
直治 佐藤
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Arisawa Mfg Co Ltd
Railway Technical Research Institute
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Arisawa Mfg Co Ltd
Railway Technical Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断面剛性の大きいFRP製構造部材を提供す
る。 【解決手段】 繊維補強合成樹脂材料からなり一又は複
数の空洞又は凹部を有する形状に形成された被覆材11
と、空洞又は凹部の一部又は全部に充填されるモルタル
系又はコンクリート系の充填材12を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維補強合成樹脂
材料からなる被覆材中にモルタル系又はコンクリート系
の充填材を充填させた繊維補強合成樹脂製構造部材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス繊維等の繊維を合成樹脂内
に配置した繊維補強合成樹脂(以下、「FRP」とい
う。FRP:Fiber Reinforced Plastics )からなる繊
維補強合成樹脂製構造部材が知られている。この繊維補
強合成樹脂製構造部材は、FRPによりT型断面等を有
する中空筒状に成形されており、構造物中において梁等
として使用されていた。このようなFRP製の中空構造
部材は、軽量である上、腐食に対して強く、これらの機
能が要求される海浜地区等において用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のFRP製の中空構造部材においては、強度は十
分確保でき特に問題はなかったが、断面の剛性はあまり
大きくできなかった。このため、例えば梁として使用し
た場合には、たわみ変形量が大きく、構造物に要求され
る機能を果たせない場合があった。これは、断面内での
変形拘束が小さく、変形に対して断面の隅角部が弱点と
なるためと考えられる。
【0004】上記の問題を解決するため、断面の大きな
大型構造部材では、空洞部分に補強リブを設けるという
対策がとられるが、このような対策を行った場合でも、
断面内での変形拘束は完全ではなく、変形に対する断面
剛性を大きくすることは困難である。
【0005】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、断
面剛性の大きいFRP製構造部材を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る繊維補強合成樹脂製構造部材は、繊維
補強合成樹脂材料からなり一又は複数の空洞又は凹部を
有する形状に形成された被覆材と、前記空洞又は凹部の
一部又は全部に充填されるモルタル系又はコンクリート
系の充填材とを備えたことを特徴とする。
【0007】上記において、好ましくは、前記被覆材
は、ガラス又は炭素若しくは合成樹脂からなる長繊維、
又はガラス又は炭素若しくは合成樹脂からなる平板状補
強材のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合わせによ
り補強される。
【0008】また、上記において、好ましくは、前記充
填材は、無収縮性を有するように配合されたモルタル又
はコンクリート若しくは軽量コンクリートである。
【0009】また、上記において、好ましくは、前記充
填材は、短繊維又は筋状補強材若しくは鉄骨のうちのい
ずれか又はこれらの適宜の組合わせにより補強される。
【0010】また、上記において、好ましくは、前記短
繊維は、鋼繊維又はガラス繊維又は炭素繊維若しくは合
成樹脂繊維のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合わ
せを含む。
【0011】また、上記において、好ましくは、前記筋
状補強材は、鉄筋又は繊維補強合成樹脂筋のうちのいず
れか又はこれらの適宜の組合わせを含む。
【0012】また、上記において、好ましくは、前記被
覆材中における前記長繊維又は前記平板状補強材と前記
充填材との間、又は前記被覆材中における前記長繊維又
は前記平板状補強材と前記被覆材の外表面との間には、
前記長繊維又は前記平板状補強材の変質又は腐食を防止
する防護材が配置される。
【0013】また、上記において、好ましくは、前記防
護材は、合成樹脂材料からなる不織布により形成され
る。
【0014】また、上記において、好ましくは、前記被
覆材は引抜き成形法又は押出し成形法により製造され
る。
【0015】また、上記において、好ましくは、前記被
覆材は、中空の筒状に形成される。
【0016】また、上記において、好ましくは、前記被
覆材は、前記空洞又は凹部は、隔壁により複数の室又は
部分に区画される。
【0017】また、上記において、好ましくは、前記被
覆材は一端が開放されるとともに他端が閉塞された中空
筒状に形成され、未固化の前記充填材を前記開放端から
充填したのちに固化させる。
【0018】また、上記において、好ましくは、前記被
覆材は両端が閉塞された中空筒状に形成されるとともに
充填孔を有し、未固化の前記充填材を前記充填孔から充
填したのちに固化させる。
【0019】また、上記において、好ましくは、磁気浮
上式鉄道のガイドウェイを構成する案内車輪走行路に用
いられる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明に係る繊維補強合成樹脂製構造部材の第1実施形態で
ある梁部材の構成を示す図であり、図1(A)は全体構
成を示す斜視図を、図1(B)は被覆材の構成を示す一
部拡大斜視図を、それぞれ示している。図1(A)に示
すように、この梁部材101は、被覆材11と充填材1
2を備えて構成されている。
【0021】被覆材11は、略「T」字形状の中空筒状
に形成された繊維補強合成樹脂製の部材である。被覆材
11は、図1(B)に示すように、合成樹脂からなる母
材11a中に、長繊維11bと、マット11c及び11
dが配置されて補強されている。マット11cは、母材
11a中において長繊維11bの充填材側に配置され、
マット11dは、母材11a中において長繊維11bの
外表面側に配置される。また、母材11a中には、マッ
ト11cの充填材側に防護材11eが配置され、マット
11dの外表面側に防護材11fが配置されている。
【0022】母材11aとしては、熱硬化性樹脂、熱可
塑性樹脂、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチックス
等が使用可能である。例えば、不飽和ポリエステル、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ポリアセタ
ール、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0023】長繊維11bとしては、ガラス繊維、炭素
繊維、合成樹脂繊維等が使用可能である。合成樹脂繊維
としては、例えば、芳香族ポリアミド樹脂(アラミド樹
脂)繊維等が挙げられる。
【0024】また、マット11c及び11dとしては、
ガラス繊維、炭素繊維、合成樹脂繊維等からなる織布
(クロス)又は不織布等が使用可能である。合成樹脂繊
維としては、例えば、芳香族ポリアミド樹脂繊維等が挙
げられる。このマット11c及び11dは、平板状部材
に相当している。
【0025】なお、被覆材11中における長繊維とマッ
トの配置は、上記とは逆であってもよく、例えば、マッ
トを挟むようにマットの上下両側に長繊維を配置しても
よい。また、マットは、長繊維の充填材側、又は長繊維
の外表面側のいずれかの片側のみに配置されるようにし
てもよい。あるいは、長繊維とマットのいずれか一方、
又は両方はそれぞれ複数段重ねて配置してもよい。
【0026】防護材11eは、被覆材11中において、
マット11cの充填材側に配置される。この防護材11
eは、充填材12がセメントモルタル又はセメントコン
クリート等のセメント系物質の場合はアルカリ性を示す
ことから、マット11cを化学的に変質させたり腐食さ
せたりすることを防止するために配置されるものであ
る。なお、被覆材11中において、充填材の近傍に長繊
維11bが配置される場合には、防護材11eを長繊維
11bの充填材側に配置してもよい。
【0027】また、防護材11fは、被覆材11中にお
いて、マット11dの外表面側に配置される。この防護
材11fは、紫外線等の環境条件がマット11dを化学
的に変質させたり腐食させたりすることを防止するため
に配置されるものである。なお、被覆材11中におい
て、外表面の近傍に長繊維11bが配置される場合に
は、防護材11fを長繊維11bの外表面側に配置して
もよい。
【0028】これらの防護材11e,11fとしては、
ポリエステル等の合成樹脂材料からなる不織布等が使用
可能である。なお、これらの防護材11e,11fは、
充填材の材質、被覆材の外部の環境条件によっては設置
しなくてもよい。
【0029】上記した被覆材11は、例えば、「引抜き
成形法」により製造される。この引抜き成形法では、母
材11aとして熱硬化性樹脂を用い、長繊維11bとマ
ット11c及び11dと防護材11e,11fを重ねて
液状の母材11aを含浸し、金型(図示せず)に引き込
み、加熱することにより母材11aを硬化させる。硬化
状態でプーラー(図示せず)により金型内の被覆材11
を連続的に引く抜くことにより、中空筒状の被覆材11
を成形する。
【0030】また、被覆材11は、母材11aとして熱
可塑性樹脂を用いる「押出し成形法」によっても製造可
能である。
【0031】充填材12は、被覆材11内の略「T」字
形状の空洞に充填されている。充填材12としては、無
収縮性を有するように配合されたセメントモルタル、無
収縮性を有するように配合されたセメントコンクリー
ト、無収縮性を有するように配合された軽量コンクリー
ト等のモルタル系又はコンクリート系の充填材が使用可
能である。
【0032】無収縮性のセメントモルタルは、セメント
と水と砂に加え、膨張材、混和材及び混和剤等を配合し
て練混ぜることにより生成することができる。また、無
収縮性のセメントコンクリートは、セメントと水と細骨
材(砂)と粗骨材(砂利)に加え、膨張材、混和材及び
混和剤等を配合して練混ぜることにより生成することが
できる。また、無収縮性の軽量コンクリートは、無収縮
性コンクリートにおいて、粗骨材として多孔質の人工軽
量骨材等を用いることにより生成することができる。
【0033】また、上記の無収縮モルタル、無収縮コン
クリート、無収縮軽量コンクリートにおいては、上記の
配合に加え、スチレンブタジエンゴムラテックス、エチ
レン酢酸ビニルとポリアクリル酸エステルのエマルジョ
ン等のポリマー混和剤をさらに混合することにより、セ
メントとポリマーの両方を結合材とするポリマーセメン
トモルタルやポリマーセメントコンクリートとしてもよ
い。あるいは、結合材としてセメントを全く用いず、熱
硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を結合材としこれらにより
骨材を結合するポリマーモルタル、ポリマーコンクリー
トとしてもよい。さらに、硬化後のセメントモルタル、
又はセメントコンクリート中にモノマーなどを含浸させ
ポリマーと一体化させたポリマー含浸モルタル、ポリマ
ー含浸コンクリートとしてもよい。
【0034】充填材12は、材料を混合して練り混ぜ、
未固化の流動状態で被覆材11の空洞部分に充填し、固
化させることにより形成する。
【0035】この充填材12は、短繊維の混合によって
補強されてもよい。充填材12がセメントコンクリート
の場合には、繊維補強コンクリート(FRC:Fiber Re
inforced Concrete )となる。この短繊維としては、
鋼、ガラス、炭素、合成樹脂からなる短繊維等が使用可
能である。合成樹脂繊維としては、例えば、芳香族ポリ
アミド樹脂繊維等が挙げられる。また、これらの短繊維
単独だけでなく、これら短繊維の適宜の組合わせも使用
可能である。
【0036】充填材12は、内部に筋状補強材を埋設す
ることによって補強されてもよい。この筋状補強材とし
ては、鉄筋、繊維補強合成樹脂を鉄筋状に形成した部材
(以下、「FRP筋」という。)等が使用可能である。
FRP筋は、芳香族ポリアミド樹脂等の合成樹脂からな
る筋状の母材(図示せず)の内部に、長繊維(図示せ
ず)が長手方向に配置され補強されたものである。合成
樹脂としては11aと同様のものが、長繊維としては、
11bと同様のものが、それぞれ使用可能である。充填
材12がセメントコンクリートで筋状補強材が鉄筋の場
合には、鉄筋コンクリート(RC:Reinforced Concret
e )となる。なお、上記した筋状補強材としては、芳香
族ポリアミド樹脂等の合成樹脂からなる長繊維状の部材
も含まれる。
【0037】また、充填材12は、内部に鉄骨を埋設す
ることによって補強されてもよい。鉄骨としては、例え
ば、H型鋼、山型鋼等の型鋼、あるいはこれらの型鋼を
溶接等によって組み合わせた部材が使用可能である。充
填材12がセメントコンクリートの場合には、鉄骨コン
クリート(SRC:Steel Reinforced Concrete )とな
る。また、短繊維、筋状補強材、あるいは鉄骨単独だけ
でなく、これらの適宜の組合わせによって補強を行って
もよい。
【0038】次に、図1に示す梁部材101に荷重を載
荷した試験の結果を図2に示す。図2(A)は梁部材1
01に荷重Pを加えた場合の荷重−変位曲線図を、図2
(B)は荷重Pの載荷条件を、それぞれ示している。図
2(B)に示すように、載荷試験に使用した梁部材10
1は、全長1760mmで単純支持されており、両支点
から587mmの点にP/2の荷重が作用するようにな
っている。また、変位は梁部材の中央の点cにおいて計
測した。
【0039】載荷試験の結果は、図2(A)においてa
で示す曲線(白色四角点を結んだ曲線)のようになっ
た。比較のため、梁部材101から充填材12を除き被
覆材11のみとした部材(以下、「無充填梁部材」とい
う。)について全く同一の載荷を行った結果、図2
(A)においてbで示す曲線(黒色三角点を結んだ曲
線)のようになった。
【0040】この結果からわかるように、無充填梁部材
の場合は、荷重Pが4t程度になると変位が急激に増大
する。一方、本実施形態の梁部材101の場合は、荷重
が18t程度まで荷重に対する変位の増加率はほぼ一定
であり、無充填梁部材の変位増加率よりも小さい。ま
た、図2(A)の無充填梁部材の荷重−変位曲線におい
て急激な変化が生じる直前の点(屈曲点)の変位は、荷
重約4.0tのときに約7.5mmとなるが、本実施形
態の梁部材101で変位が約7.5mmとなるのは荷重
が約10.5tのときである。このように、本実施形態
の梁部材101は、無充填の被覆材のみの場合に比べ、
荷重に対するたわみ変形量が小さく、梁の断面剛性が増
大していることがわかる。
【0041】次に、本発明に係る繊維補強合成樹脂製構
造部材の第2実施形態について説明する。図3は、本発
明の第2実施形態である床版部材と、上記した梁部材1
01とを用いて構成した土木構造物を示す斜視図であ
る。図3に示すように、この床版部材102は、被覆材
21と充填材22を備えて構成されている。
【0042】被覆材21は、扁平な略「ロ」字形状の中
空筒状に形成された繊維補強合成樹脂製の部材である。
被覆材21は、梁部材101における被覆材11と同様
の構成を有しており、同様の方法で製造される。充填材
22は、被覆材21内の略「ロ」字形状の空洞に充填さ
れるモルタル系又はコンクリート系充填材であり、その
構成や配合は梁部材101の場合と同様である。
【0043】図3においては、受台コンクリート203
の上に梁部材101を所定間隔で並べ、梁部材101に
あらかじめ設けたボルト用孔(図5,6における15参
照)に梁固定ボルト202Aを挿通したのち梁固定ナッ
ト202Bを締結し、梁部材101を受台コンクリート
203に固定する。また、各梁部材101にはあらかじ
め床版固定ボルト201Aを取り付けておき、各床版部
材102の対応する位置にあらかじめ設けたボルト用孔
(図示せず)に床版固定ボルト201Aを挿通したのち
床版固定ナット201Bを締結し、床版部材102を梁
部材101に固定する。このようにして床版構造を構成
することができる。このような構造物は、例えば海浜地
区等の腐食しやすい環境に好適である。
【0044】次に、上記の梁部材101を磁気浮上式鉄
道ガイドウェイの案内車輪走行路に用いる例を図4に示
す。図4(A)は磁気浮上式鉄道ガイドウェイの高速用
トラバーサ分岐装置における断面図であり、図の左側と
右側はそれぞれ異なる断面を示している。また、図4
(B)は案内車輪走行路の一般部の断面を、図4(C)
は案内車輪走行路の支持装置部分における断面を、それ
ぞれ示している。
【0045】図4(A)の左側に示すように、ガイドウ
ェイ204Aは、磁気浮上式車両の浮上・推進用のコイ
ル205Aと、支持装置206Aと、案内車輪走行路で
ある梁部材101と、支持ピン207Aを有している。
支持装置206Aに対応する梁部材101の位置には、
ピン孔13が設けられており、このピン孔13に支持ピ
ン207Aが挿通され、ガイドウェイ204Aの側壁上
部に設置された支持装置206Aにより梁部材101が
支持されるようになっている。ピン孔13の周辺には、
図4(C)に示すように、補強板208が取り付けられ
ている。
【0046】図4(A)の右側に示すガイドウェイ20
4Bもガイドウェイ204Aと同様の構成を有してお
り、磁気浮上式車両の浮上・推進用のコイル205B
と、支持装置206Bと、案内車輪走行路である梁部材
101と、支持ピン207Bを有して構成されている。
【0047】梁部材101を上記のような磁気浮上式鉄
道ガイドウェイの案内車輪走行路に用いる場合には、コ
イルによる磁気浮上力や磁気推進力を妨害しないよう
に、充填材内部に設ける補強用の短繊維や筋状補強材は
合成樹脂や低磁性鋼等の低磁性材料によって形成するこ
とが望ましい。
【0048】次に、上記した梁部材101を作成する方
法について説明する。図5は、梁部材101をプレキャ
スト方式で作成する場合の作成方法を示す斜視図であ
る。この作成方法では、被覆材11は、図の右端が開放
されるとともに図の左端(図示せず)が閉塞された中空
筒状に形成されている。また、被覆材11は、高さの異
なる受台209Aと209Bの上に渡された受梁210
の上に右端が高く左端が低くなるような傾斜状態で載置
されている。被覆材11の左側には空気抜き用の孔14
が設けられている。この状態で、開放された右端から内
部の空洞へ未固化の充填材12を充填し、固化させるこ
とにより梁部材101を作成する。図5において、15
は、図3における受台コンクリート203等に固定する
ためのボルトを挿通するための孔である。また、201
Aは、図3における床版部材102等を固定するための
ボルトである。
【0049】また、図6は、梁部材101を現場施工で
作成する場合の作成方法を示す斜視図である。この作成
方法では、被覆材11は、中空筒状で両端が蓋17で閉
塞されている。また、被覆材11は、鉄筋コンクリート
構造等の支持構造物によって支持されている。この被覆
材11の右側には充填用の孔16が設けられている。こ
の状態で、充填孔16から内部の空洞へ未固化の充填材
12を充填し、固化させることにより梁部材101を作
成する。図6において、15は、図3における受台コン
クリート203等に固定するためのボルトを挿通するた
めの孔である。また、201Aは、図3における床版部
材102等を固定するためのボルトである。
【0050】次に、本発明に係る繊維補強合成樹脂製構
造部材の第3実施形態について説明する。図7は、本発
明の第3実施形態である梁部材の構成を示す斜視図であ
る。図に示すように、この梁部材103は、被覆材31
と充填材32を備えて構成されている。
【0051】被覆材31は、上板31Aと、I型桁31
B,31Cと、下板31Dを有しており、全体として略
「ロ」字形状の中空筒状となるように組み合わされ、接
着、又はボルト,ナット等の結合具により固定されてい
る。上板31Aと、I型桁31B,31Cと、下板31
Dは、繊維補強合成樹脂製の部材であり、梁部材101
における被覆材11と同様の構成を有しており、同様の
方法で製造される。充填材32は、被覆材31内の略
「ロ」字形状の空洞に充填されるモルタル系又はコンク
リート系充填材であり、その構成や配合は梁部材101
の場合と同様である。
【0052】この第3実施形態のように、一体成形の被
覆材ではなく、複数の部材を組み合わせて被覆材を構成
することによっても、本発明を実現することができる。
【0053】次に、本発明に係る繊維補強合成樹脂製構
造部材の第4実施形態について説明する。図8は、本発
明の第4実施形態である梁部材の構成を示す斜視図であ
る。図に示すように、この梁部材104は、被覆材41
と、充填材42と、連結材43を備えて構成されてい
る。
【0054】被覆材41は、上部が開放された略「T」
字形状の溝型部材の垂直部分に隔壁45が設けられてお
り、略「T」字形状の凹部と、略「ロ」字形状の空洞を
有している。被覆材41は、繊維補強合成樹脂製の部材
であり、梁部材101における被覆材11と同様の構成
を有しており、同様の方法で製造される。
【0055】充填材42は、被覆材41の略「T」字形
状の凹部と略「ロ」字形状の空洞内に充填されるモルタ
ル系又はコンクリート系充填材であり、その構成や配合
は梁部材101の場合と同様である。このように、隔壁
45を設けることにより被覆材41の内部の空洞を複数
の室に区画する構成とすると、隔壁45が補強リブとし
て働き、梁部材104全体の剛性を高めることができ
る。また、図に示すように、内部に鉄筋44等を埋設す
ることにより充填材42を補強するようにしてもよい。
【0056】また、連結材43は、被覆材41の上部開
放部付近に配置され、略「T」字形状の水平部分の被覆
材41及び充填材42が変形することを防止する。
【0057】この第4実施形態のように、被覆材内部の
空洞ではなく、被覆材によって形成される凹部に充填材
を充填するようにしても、本発明を実現することができ
る。この場合には、必要に応じて、充填材が被覆材から
離脱することを防止するジベル等の離脱防止具を設けて
もよい。
【0058】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発
明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に
同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、い
かなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0059】例えば、上記各実施形態においては、繊維
補強合成樹脂製構造部材の例として梁部材と床版部材に
ついて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の
繊維補強合成樹脂製構造部材、例えば柱部材、壁部材、
その他の補強用部材又は補剛用部材として使用してもよ
い。また、繊維補強合成樹脂製構造部材が支持する外力
としては、引張力、圧縮力、曲げ、せん断、ねじりの各
力のほか、これらの適宜の組合わせの力が作用するもの
であってもよい。
【0060】また、上記各実施形態においては、被覆材
を引抜き成形法(又は押出し成形法)により製造する例
について説明したが、本発明はこれには限定されず、他
の方法を用いて製造してもよい。例えば、合成樹脂を含
浸させたガラスマットやガラスクロス等を型の上に置き
人間の手加工によって型とおりの形状に成形する「手加
工法(ハンドレイアップ法)」、合成樹脂を含浸させた
ガラスマットやガラスクロス等を型の上に置き真空ポン
プ等を用いた吸着によって型に密着させて型とおりの形
状に成形する「バキュームモールディング法」、合成樹
脂を含浸させたガラスマットやガラスクロス等を型の上
に置き圧縮空気を吹き込んで型に密着させて型とおりの
形状に成形する「プレッシャーバッグモールディング
法」、合成樹脂を含浸させたガラスマットやガラスクロ
ス等を下型の上に置いて上型を押し付けて型とおりの形
状に成形する「マッチドダイモールド法」、ガラスマッ
トやガラスクロス等を型上に置いて表面に合成樹脂と硬
化剤の混合物を吹き付けて型とおりの形状に成形する
「スプレーアップ成形法」等が挙げられる。
【0061】また、上記各実施形態においては、被覆材
の内部の空洞あるいは被覆材に設けられる凹部の形状と
して、略「T」字形状の断面と略「ロ」字形状の断面を
例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、
他の断面形状、例えば略「I」字形状断面、略「L」字
形状断面、略「H」字形状断面、略「コ」字形状断面、
円形断面、多角形断面等であってもよい。
【0062】また、上記した第4実施形態においては、
被覆材の内部の空洞を隔壁によって複数の室に区画する
例について説明したが、本発明はこれには限定されず、
被覆材に設けられる凹部を隔壁によって複数の部分に区
画するようにしてもよい。
【0063】また、上記各実施形態においては、被覆材
の内部に形成される空洞、あるいは被覆材に設けられる
凹部の個数が一つの場合を例に挙げて説明したが、本発
明はこれには限定されず、一又は複数の隔壁等を適宜設
けて空洞あるいは凹部を複数形成してもよい。また、こ
れら一又は複数の空洞又は凹部のうち、全部を充填材で
充填してもよいし、それらの一部、すなわち一つの空洞
又は凹部の一部分、あるいは複数の空洞又は凹部のうち
のいくつかを充填材で充填するようにしてもよい。この
ように空洞又は凹部の一部のみの充填を行えば、繊維補
強合成樹脂製構造部材をさらに軽量化することが可能と
なる。また、充填材で充填された空洞又は凹部のうちの
一部又は全部を、短繊維、筋状補強材、鉄骨、あるいは
これらの適宜の組合わせによって補強するようにしても
よい。
【0064】また、図5に示した実施形態においては、
被覆材の一端が開放され他端が閉塞された例を、また図
6に示した実施形態においては、被覆材の両端が閉塞さ
れた例を、それぞれ示したが、本発明はこれには限定さ
れず、被覆材の両端が開放され、充填材の充填時にのみ
被覆材の一端又は両端を仮の蓋等で閉塞するようにし、
充填材の固化後に蓋を取り外すようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繊維補強合成樹脂材料からなり一又は複数の空洞又は凹
部を有する形状に形成された被覆材の空洞又は凹部の一
部又は全部にモルタル系又はコンクリート系の充填材を
充填するようにしたので、軽量かつ腐食に対して強く、
かつ繊維補強合成樹脂製構造部材の断面剛性を増大させ
ることができる。これにより、断面内での変形拘束を大
きくすることができ、梁として使用した場合には、たわ
み変形量を小さくすることができ、構造物に要求される
機能を十分発揮することができる、という利点がある。
また、これにより、低磁性を必要とする構造部材や腐食
しやすい環境への適用部材として有効であるとともに、
繊維補強合成樹脂製構造部材をコンクリート打設時の型
枠として利用できる、という利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である梁部材の構成を示
す図であり、図1(A)は全体構成を示す斜視図を、図
1(B)は被覆材の構成を示す一部拡大斜視図を、それ
ぞれ示している。
【図2】図1に示す梁部材の載荷試験の結果を示す図で
あり、図2(A)は図1に示す梁部材に荷重を加えた場
合の荷重−変位曲線図を、図2(B)は荷重Pの載荷条
件を、それぞれ示している。
【図3】本発明の第2実施形態である床版部材と図1に
示す梁部材とを用いて構成した土木構造物を示す斜視図
である。
【図4】図1に示す梁部材を磁気浮上式鉄道ガイドウェ
イの案内車輪走行路に用いた例を示す図であり、図4
(A)は磁気浮上式鉄道ガイドウェイの構成を示す断面
図を、図4(B)は案内車輪走行路の一般部の断面を、
図4(C)は案内車輪走行路の支持装置部分における断
面を、それぞれ示している。
【図5】図1に示す梁部材をプレキャスト方式で作成す
る場合の作成方法を示す斜視図である。
【図6】図1に示す梁部材を現場施工で作成する場合の
作成方法を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態である梁部材の構成を示
す斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態である梁部材の構成を示
す斜視図である。
【符号の説明】
11 被覆材 11a 母材 11b 長繊維 11c,11d マット 11e,11f 防護材 12 充填材 13 ピン孔 14 空気抜孔 15 ボルト用孔 16 充填孔 17 蓋 21 被覆材 22 充填材 31 被覆材 31A 上板 31B,31C I型桁 31D 下板 32 充填材 41 被覆材 42 充填材 43 連結材 44 鉄筋 45 隔壁 101,103,104 梁部材 102 床版部材 201A 床版固定ボルト 201B 床版固定ナット 202A 梁固定ボルト 202B 梁固定ナット 203 受台コンクリート 204A,204B ガイドウェイ 205A,205B コイル 206A,206B 支持装置 207A,207B 支持ピン 208 補強板 209A,209B 受台 210 受梁 211 支持構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直治 新潟県上越市南本町一丁目5番5号 株式 会社有沢製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維補強合成樹脂材料からなり一又は複
    数の空洞又は凹部を有する形状に形成された被覆材と、 前記空洞又は凹部の一部又は全部に充填されるモルタル
    系又はコンクリート系の充填材とを備えたことを特徴と
    する繊維補強合成樹脂製構造部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された繊維補強合成樹脂
    製構造部材において、 前記被覆材は、ガラス又は炭素若しくは合成樹脂からな
    る長繊維、又はガラス又は炭素若しくは合成樹脂からな
    る平板状補強材のうちのいずれか又はこれらの適宜の組
    合わせにより補強されることを特徴とする繊維補強合成
    樹脂製構造部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載された繊維
    補強合成樹脂製構造部材において、 前記充填材は、無収縮性を有するように配合されたモル
    タル又はコンクリート若しくは軽量コンクリートである
    ことを特徴とする繊維補強合成樹脂製構造部材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載された繊維補強合成樹脂製構造部材におい
    て、 前記充填材は、短繊維又は筋状補強材若しくは鉄骨のう
    ちのいずれか又はこれらの適宜の組合わせにより補強さ
    れることを特徴とする繊維補強合成樹脂製構造部材。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された繊維補強合成樹脂
    製構造部材において、 前記短繊維は、鋼繊維又はガラス繊維又は炭素繊維若し
    くは合成樹脂繊維のうちのいずれか又はこれらの適宜の
    組合わせを含むことを特徴とする繊維補強合成樹脂製構
    造部材。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載された繊維補強合成樹脂
    製構造部材において、 前記筋状補強材は、鉄筋又は繊維補強合成樹脂筋のうち
    のいずれか又はこれらの適宜の組合わせを含むことを特
    徴とする繊維補強合成樹脂製構造部材。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載された繊維補強合成樹脂
    製構造部材において、 前記被覆材中における前記長繊維又は前記平板状補強材
    と前記充填材との間、又は前記被覆材中における前記長
    繊維又は前記平板状補強材と前記被覆材の外表面との間
    には、前記長繊維又は前記平板状補強材の変質又は腐食
    を防止する防護材が配置されることを特徴とする繊維補
    強合成樹脂製構造部材。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された繊維補強合成樹脂
    製構造部材において、 前記防護材は、合成樹脂材料からなる不織布により形成
    されることを特徴とする繊維補強合成樹脂製構造部材。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8に記載された繊
    維補強合成樹脂製構造部材において、 前記被覆材は引抜き成形法又は押出し成形法により製造
    されることを特徴とする繊維補強合成樹脂製構造部材。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9に記載された
    繊維補強合成樹脂製構造部材において、 前記被覆材は、中空の筒状に形成されることを特徴とす
    る繊維補強合成樹脂製構造部材。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10に記載され
    た繊維補強合成樹脂製構造部材において、 前記空洞又は凹部は、隔壁により複数の室又は部分に区
    画されることを特徴とする繊維補強合成樹脂製構造部
    材。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載された繊維補強合成
    樹脂製構造部材において、 前記被覆材は一端が開放されるとともに他端が閉塞され
    た中空筒状に形成され、未固化の前記充填材を前記開放
    端から充填したのちに固化させることを特徴とする繊維
    補強合成樹脂製構造部材。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載された繊維補強合成
    樹脂製構造部材において、 前記被覆材は両端が閉塞された中空筒状に形成されると
    ともに充填孔を有し、未固化の前記充填材を前記充填孔
    から充填したのちに固化させることを特徴とする繊維補
    強合成樹脂製構造部材。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13に記載され
    た繊維補強合成樹脂製構造部材において、 磁気浮上式鉄道のガイドウェイを構成する案内車輪走行
    路に用いられることを特徴とする繊維補強合成樹脂製構
    造部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000141527A (ja) * 1998-11-11 2000-05-23 Sekisui Chem Co Ltd 合成樹脂積層体およびこの合成樹脂積層体を用いた枕木
KR20020083597A (ko) * 2001-04-27 2002-11-04 이혜자 복층구조를 갖는 화이버 글라스 판넬

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JP2000141527A (ja) * 1998-11-11 2000-05-23 Sekisui Chem Co Ltd 合成樹脂積層体およびこの合成樹脂積層体を用いた枕木
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