JPH10110371A - 吸音材 - Google Patents

吸音材

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JPH10110371A
JPH10110371A JP8263059A JP26305996A JPH10110371A JP H10110371 A JPH10110371 A JP H10110371A JP 8263059 A JP8263059 A JP 8263059A JP 26305996 A JP26305996 A JP 26305996A JP H10110371 A JPH10110371 A JP H10110371A
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JP
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absorbing material
sound
fiber
fibers
sound absorbing
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JP8263059A
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Masumi Fujimoto
倍已 藤本
Tomoshige Sugino
知重 杉野
Noriyoshi Shintaku
知徳 新宅
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リサイクルが可能で、可聴周波数帯吸音性に優
れ、防虫性を有する繊維集合体構造の車両用や住宅用あ
るいは高速道路の遮音壁等に使用される吸音材を提供す
ること。 【解決手段】同一系のポリマからなる繊維で構成された
吸音材であって、融点が他の繊維の融点より低い熱可塑
性重合体R1を含有する繊維Aおよび防虫繊維Bを少な
くとも含み、繊維A相互間および繊維Aと他の繊維との
接触点の一部で実質的に接着し、かつ、構成繊維が吸音
材の表面と平行な面内でランダムな方向に配しているこ
とを特徴とする吸音材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リサイクル可能な
吸音材に関するものであり、さらに詳しくは防虫性を有
する繊維集合体構造の吸音材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の環境保護と資源の効率的利
用の2つのニーズから、産業廃棄物や一般家庭廃棄物の
処理、再利用の問題は益々その重要性が高まってきてお
り、多くの分野、多くの人々が関心を示している。しか
し、一般の使用済み吸音材はこれまでほとんど焼却や埋
め立て処分されており、リサイクル技術はいまだ開発段
階にあった。
【0003】従来、繊維製品の提案されているリサイク
ル技術を大別すると次の3つになる。第1はサーマルリ
サイクルである。製品を適当な形態に切断し、燃焼さ
せ、自家発電や各種の熱エネルギーとして再利用する方
法である。しかし、この方法は資源の再利用の観点から
は好ましくない。
【0004】第2はマテリアルリサイクルである。この
方法は次のケミカルリサイクルと異なり、物理的、機械
的にペレット化する。この再生ペレットを再利用する場
合、2つのケースに分けられる。1つは多種の素材が混
合していることを是として新規素材として商品開発する
ケースで、花壇や盆栽用の鉢、歩道の装飾用杭などがあ
る。もう1つは、特開平5−211935号公報、特開
平6−123052号公報に記載されているように10
0%同一素材で構成して、回収、ペレット化、溶融して
再利用するケースである。
【0005】第3はケミカルリサイクルである。リサイ
クルの基本概念に最も合致しているのは、商品を回収
し、分解して元の素原料に戻すケミカルリサイクルであ
る。しかし、繊維製品は一般に単一素材で製品化されて
いるものは少なく、その素材構成が多種多様であるた
め、経済的な解重合システムはいまだ開発されていなか
った。この課題を解決するための手段が、例えばカーペ
ット商品の場合、特開平5−117441号公報に記載
されている。解重合の効率を向上するための補助手段と
して、カーペットを小片化し、セパレーターでパイル素
材である6−ナイロンを含む小片とそれ以外の小片に分
離し、6−ナイロンを含む小片を解重合システムへ供給
して素原料のε−カプロラクタムを回収する方法であ
る。しかし、繊維製品を小片化し機械的手段で、例えば
サイクロンによる比重差などで分離しても、効率よくリ
サイクルすることは困難であった。
【0006】一方、車両用や住宅用あるいは高速道路の
遮音壁用吸音材としては、グラスウール、ロックウー
ル、アルミ繊維、軽量発泡コンクリート、多孔質セラミ
ックなどが使用されてきた。これら吸音材は、施工性や
人体への影響といった点で改善すべきものであった。さ
らに、可聴周波数帯吸音性の向上が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リサ
イクルが可能で、可聴周波数帯吸音性に優れ、防虫性を
有する車両用や住宅用あるいは高速道路の遮音壁等に使
用される吸音材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の吸音材は、前記
の課題を解決するために、次の構成を有する。
【0009】すなわち、同一系のポリマからなる繊維で
構成された吸音材であって、融点が他の繊維の融点より
低い熱可塑性重合体R1を含有する繊維Aおよび防虫繊
維Bを少なくとも含み、繊維A相互間および繊維Aと他
の繊維との接触点の一部で実質的に接着し、かつ、構成
繊維が吸音材の表面と平行な面内でランダムな方向に配
していることを特徴とする吸音材である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音材について図
面を参照しつつ、実施例を用いながら詳細に説明する。
【0011】本発明は吸音材であり、リサイクルが可能
な吸音材である。一般的な吸音材は各種の構造形成素
材、接着剤で構成されている。これら種々の素材から構
成された吸音材のリサイクルは容易ではないが、本発明
は吸音材本来の要求品質を保持しながら、リサイクル可
能な吸音材を得ようとするものである。
【0012】本発明の吸音材は、すべて同一系のポリマ
からなる繊維で構成するものである。従って、本発明の
吸音材は、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル
およびサーマルリサイクルのいずれのリサイクル方法も
利用することができる。また、構成繊維の同一系のポリ
マからなる繊維をポリエステル系繊維とすると、熱接着
固定性に優れ、燃焼ガスの毒性が低く、回収吸音材を裁
断、開繊し、溶融ペレット化して再利用するマテリアル
リサイクルが容易となるため好ましい。さらに好ましく
は、構成繊維の同一系のポリマからなる繊維をナイロン
6系繊維とすると、回収吸音材を裁断、開繊し、例えば
特公昭42−18476号公報、特願平6−12746
8号公報等に開示されている方法で解重合、精製し、ε
−カプロラクタムとして回収して、再び6−ナイロンの
素原料として再利用することができる。
【0013】図1は、本発明の吸音材の繊維配列の一例
をモデル的に示す概略斜視図である。
【0014】前記吸音材は、少なくとも2種以上の繊維
で構成された繊維集合体であって、構成繊維の1種は融
点が他の繊維の融点より低い熱可塑性重合体R1を含有
する繊維Aを含み、繊維A相互間および繊維Aと他の繊
維との接触点の一部で実質的に接着して固定されたもの
である。吸音材の形態保持性や耐久性などの面から繊維
Aの含有量は10重量%以上とするのが好ましい。特に
15〜60重量%の範囲が好ましい。前記繊維Aは、前
記熱可塑性重合体R1および熱可塑性重合体R2の2成
分からなるものが好ましく、吸音材を使用する際に、摩
擦作用などによる形態安定性や発塵が少ない点で、熱可
塑性重合体R2成分を芯部とし、熱可塑性重合体R1成
分を鞘部とする芯鞘型の複合繊維が特に好ましい。熱可
塑性重合体R1としては、例えばポリエステル系の場
合、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレ
ン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のポリオレフィンあるいはオレフィン共
重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキ
サメチレンブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレ
ンテレフタレートイソフタレート等のポリエステルある
いは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリマーから選ば
れる、少なくとも一種類のポリマーを用いることができ
る。R2は特に限定されないが、例えば、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはそれらの
エステルを主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリ
コールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,6−
ナフタレートなどのポリエステルを用い得る。
【0015】また、繊維Aがナイロン系の場合は、例え
ば、熱可塑性重合体R2成分がナイロン6で熱可塑性重
合体R1成分がナイロン6にナイロン66を共重合して
融点を低くしたものなども使用可能である。
【0016】熱可塑性重合体R1の選択においては、前
記繊維A以外の繊維の融点および熱可塑性重合体R2の
うち融点が最も低いものより融点を低くするのが好まし
く、熱接着性の観点から20℃以上低いのが好ましく、
50℃以上低いのがより好ましい。
【0017】また、接着の効果や熱劣化を防止する観点
からR1の融点は80〜170℃の範囲に含まれるのが
好ましく、100〜170℃の範囲に含まれるのはより
好ましい。
【0018】前記繊維AにおけるR1/R2で表される
熱可塑性重合体の重量比は、吸音材の形態保持性や耐久
性あるいはコストなどの面から20/80〜60/40
の範囲にあることが好ましい。繊維Aには、この他必要
に応じてR1、R2以外の酸化チタン、カーボンブラッ
ク等の顔料のほか各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光
剤、帯電防止剤などが添加されていてももちろんよい。
このような繊維Aは通常の複合紡糸法によって製造する
ことができる。
【0019】次に、本発明の吸音材の吸音性を向上させ
るため、繊維Aは機械捲縮等を有するのが好ましい。こ
の捲縮数は3〜10山/25mmの範囲が好ましく、捲
縮度は5〜30%の範囲が好ましい。さらに、吸音性を
向上させるため、繊維Aの繊度は細いものが好ましい
が、吸音材の製造工程での加工安定性の面から0.2〜
30デニール、繊維長は10〜100mmの短繊維が好
ましく用いられる。
【0020】本発明の吸音材を構成するその他の繊維と
しては前記繊維Aの熱可塑性重合体R1および熱可塑性
重合体R2と同一系のポリマであって、少なくとも防虫
性を有する繊維Bを含むものである。防虫繊維Bは、例
えば、防虫成分としてピレスロイド系化合物を付与した
ものが好ましい。そのピレスロイド系化合物とは、フェ
ノトリン(d−シス菊酸の3−フェノキシベンジルエス
テルとの2:8混合物)、合成ピレトリン、アレクトリ
ン、フラルトリン、バルトリン、ジメトリン、および天
然ピレトリンを用いることができる。これらのピレスロ
イド系化合物の中でも、150℃以上の高温処理を施し
ても、揮発性が低く、また、後述するアミノシリコンと
の相溶性がよく、ダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果の洗
濯による低下が低く、安全性に優れるなどの観点から、
下記一般式に示すフェノトリンが好ましい。
【0021】
【化1】 なお、本発明において、ピレスロイド系化合物の共力剤
として、一般に知られているピペロニルブトキサイド、
ピペロニルサイクロネン、プロピルアイソーム、スルホ
キサイド(イソサフロールのオクチルスルホキシド)、
サフロキサン、トロピタル、セゾキサン、サイネピリン
類などを併用することにより、防ダニ効果をより高める
ことが可能であり好ましい。
【0022】本発明の防虫繊維B中のピレスロイド系化
合物付着量は、0.01重量%以上1.0重量%以下が
好ましい。より好ましくは0.02〜0.5重量%であ
る。繊維中の付着量が0.01重量%未満の場合は、良
好なダニ忌避効果やダニ増殖抑制効果が得られないこと
がある。一方、1.0重量%を越えると、高価な薬剤を
多量に使用することになり、コスト面で不利になる傾向
がある。
【0023】次に、本発明に用いるアミノシリコンと
は、シリコンポリマの分子中にアミノ基を有するもの
で、アミノ基以外にエポキシ基などの他の置換基を有し
ているもののことをいう。
【0024】なお、アミノシリコンのアミノ当量は4.
5×102 〜6.5×103 グラム当量/モルの範囲が
好ましい。アミノ当量が4.5×102 グラム当量/モ
ル未満の場合には、ピレスロイド系化合物ならびに防錆
剤との相溶性がよく、洗濯耐久性は良好であるが、ダニ
忌避効果が低くなることがある。これはシリコンポリマ
によって強固にピレスロイド系化合物が被覆されるため
と考えられる。一方、アミノ当量が6.5×103 グラ
ム当量/モルを越える場合は、初期のダニ忌避効果は優
れているが、ドライクリーニング等の洗濯により忌避性
能が低下することがある。
【0025】本発明の吸音材に防虫繊維Bを使用する場
合、詰め物の製綿工程で混綿機や開繊機、梳綿機、製綿
成形機等の機械を錆びさせることがあり、防錆剤を繊維
に付与することが好ましい。本発明において防錆剤とし
ては、前記一般式で示されるアミノ系の化合物を用いる
ことができる。かかる構造のアミノ系化合物以外の防錆
剤では、本発明において用いるピレスロイド系化合物の
ダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果が阻害されることがあ
る。かかるアミノ系化合物の具体例としては、次の化合
物が使用できる。
【0026】
【化2】 (ここで、XはNaまたはKなどのアルカリ金属を示
す。)
【化3】 (ここで、R1 はC4〜18のアルキル基、R2 はC2〜4
のアルキレン基、XはNaまたはKなどのアルカリ金属
を示す。) なお、かかる一般式で示される防錆剤に、さらにオクチ
ルホスフェートカリ塩などのアルキルホスフェート系化
合物や、亜硫酸ナトリウム等を併用すると、該一般式で
示される化合物の防錆効果はさらに向上するので好まし
い。
【0027】本発明において、ピレスロイド系化合物に
対するアミノシリコンの重量比は1:1〜1:20が好
ましい。ピレスロイド系化合物に対するアミノシリコン
の重量比が1:1に満たないと、防ダニ性の洗濯耐久性
が著しく低下することがある。一方、重量比が1:20
を越えると、防虫効果が低く、本発明の目的を達成し得
なくなることがある。これは、ピレスロイド系化合物が
アミノシリコン被膜で覆われてしまい、ピレスロイド系
化合物が表面に現れにくくなるためと考えられる。本発
明において、ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の重
量比は1:0.5〜1:10が好ましい。ピレスロイド
系化合物に対する防錆剤の重量比が1:0.5に満たな
いと、防錆効果が低く、一方、重量比が1:10を越え
ると、防虫効果が低下するとともに、防虫効果の洗濯耐
久性が低下することがある。これは、一般に防錆剤の無
機性が強いため、アミノシリコンの造膜性に悪影響を及
ぼしたり、繊維との親和性が低下することによるものと
考えられる。
【0028】本発明に用いる防虫繊維Bの製造方法とし
ては、例えば、上記したピレスロイド系化合物、アミノ
シリコンおよび防錆剤を非イオン系界面活性剤もしくは
アニオン系界面活性剤またはこれらの併用物で乳化分散
した水エマルジョン組成物とし、繊維に対し目標付与量
になるように混合したものをスプレー方式、浸漬、遠心
脱水方式で付与した後、必要に応じ80〜120℃で予
備乾燥後、150〜200℃で熱処理することによって
製造することができる。
【0029】さらに、防虫繊維Bの断面形状は丸形断面
であってもよく、多角、多葉、楕円などの異形断面やそ
れらの中空断面でもよい。
【0030】本発明の吸音材に用いる防虫繊維Bは吸音
性や製造時の工程安定性の面から捲縮を有するのが好ま
しい。この捲縮数は3〜10山/25mmの範囲が好ま
しく、捲縮度は5〜30%の範囲が好ましい。この捲縮
は紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲縮で
あることは好ましい。
【0031】吸音材を構成する防虫繊維Bとしては、吸
音性や製造時の工程安定性の面から、繊度が0.2〜3
0デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維が好ま
しく用いられる。
【0032】防虫繊維Bには、このほか必要に応じて酸
化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか各種の抗酸
化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤などが添加され
ていてももちろんよい。
【0033】本発明の吸音材に含まれる防虫繊維Bは、
防虫性の観点から40重量%以上が好ましい。40重量
%未満では目標の防虫性が得られないことがある。
【0034】前記繊維A、防虫繊維Bあるいはその他の
繊維の吸音材の中での繊維配列は、吸音性を向上させる
ため、例えば、図1のように吸音材の表面イロハニと平
行な面内でランダムな方向に配している必要がある。さ
らに、吸音材の表面イロハニと平行な面内でランダムな
方向に配し、かつ吸音材の表面イロハニに対し繊維軸方
向を略平行に配しているものがより好ましい。一般に繊
維を用いて吸音材とする場合、吸音材の密度は高く、厚
さは厚く、構成繊維の繊度は細くするほど良好な吸音性
を示す。しかし、吸音材の密度、厚さおよび構成繊維の
繊度は製造工程での加工安定性、コストあるいは使用場
所によって自ずと限界がある。同じ密度、厚さおよび構
成繊維の繊度の吸音材では、前記のように繊維配列を吸
音材表面と平行な面内でランダムな方向に配することに
よって、例えば繊維をカードに掛けてウエッブ化し、こ
のウエッブを積層して得られるように、ある一方向に繊
維が配したものに比べて優れた吸音性を発揮する。
【0035】吸音率は、人間の可聴周波数帯域で高くす
る(100%)ことが好ましいが、後記した方法で測定
する可聴周波数の中で低音の代表値として400ヘルツ
の吸音率で30%以上、高音の代表値として1000ヘ
ルツの吸音率で70%以上とするのが好ましい。400
ヘルツの吸音率が30%未満では低音の吸音性が低く、
十分な低音の吸音効果が得られにくいし、1000ヘル
ツの吸音率が70%未満では高音の吸音性が低く、十分
な高音の吸音効果が得られにくい。
【0036】次に、本発明の吸音材の製造方法について
説明する。図2は、本発明の吸音材の製造方法の一例に
用いられる装置の金型の一例をモデル的に示す概略縦断
面図である。
【0037】少なくとも繊維Aおよび防虫繊維Bを含む
2種以上の同一系のポリマからなる繊維を通常の紡績工
程で使用する給綿機、混綿機、開繊機によって、目的の
混綿率に混綿、開繊し、目的に応じた形状の通気性型枠
に送綿ファンによる空気流などの気体と共に吹き込んで
充填する。
【0038】吹き込んで充填するためには、型枠が適度
の通気性を有するのが好ましい。例えば、JIS L
1079−1966フラジール型通気性試験機により測
定した際においては、通気性は5〜200cc/cm2
・secの範囲が好ましい。
【0039】このような型枠としては、例えば、図2に
示すパンチング金属板を用いた上金型2および下金型1
を用いることができる。
【0040】通気性下金型1内に吹き込む方法は、ま
ず、少くとも繊維Aおよび防虫繊維Bを含む2種以上の
繊維を混綿、開繊し、吹き込み口3から吹き込む。次い
で、通気性上金型2で充填繊維を圧縮し、目的の密度で
通気性上金型2を圧縮固定する。さらに、前記の圧縮固
定された繊維を通気性金型ごと熱処理して、繊維A相互
間及び繊維Aと防虫繊維Bあるいはその他の繊維との接
触点の一部を実質的に接着して形態を固定する。熱処理
の温度は繊維Aの熱可塑性重合体R1が溶融接着する温
度であればよく、一般的には、熱可塑性重合体R1の融
点以上で、200℃以下が好ましい。充填密度は、吸音
材の吸音性目標に応じて適当に定めればよいが、一般的
には、0.01〜0.1g/cm3 の範囲が好ましい。
密度が0.01g/cm3 未満では吸音材がソフトすぎ
て形態安定性が悪くなり、0.1g/cm3 を越えると
コスト的に不利になることがある。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
【0042】(1)吸音率 JIS A 1495 垂直入射吸音測定法(管内法)
に準じて測定した。ただし、吸音材の厚さが30mmを
越える場合は、厚さが30mmにスライスして測定し
た。
【0043】(2)繊度 JIS L 1015−7−51Aの方法に準じて測定
した。
【0044】(3)平均繊維長(カット長) JIS L 1015A法(ステープルダイヤグラム
法)に準じて測定した。 (4)捲縮数および捲縮度 捲縮数および捲縮度はJIS L 1015−7−12
−1およびJIS L1015−7−12−2の方法に
準じて測定した。
【0045】(5)密度 吸音材(タテ:20cm、ヨコ:20cm、厚さ:1c
m)を20℃×65%RHの雰囲気中に24時間放置し
た後の重量(w)を測定し、次式で求めた。
【0046】密度(g/cm3 )=w/400 (6)防虫性(ダニ忌避率) 直径200mm、高さ30mmのシャーレにダニ繁殖中
の粉末飼料(日本クレア(株)CF−2)を出来るだけ
均一に拡げ、この上に1gの吸音材を開繊して8×8c
mのほぼ正方形に拡げ、これとは別に防虫加工されてい
ない通常のポリエステルの綿1gを前記と同様に8×8
cmのほぼ正方形に拡げ、それぞれ左右対称に1枚ずつ
置いた。この綿上の中央の高さ1.4cmのところに、
ダニの全く入っていない粉末飼料(水分15%)1gを
入れた直径2.8cmの容器を置き、室温25±2℃、
湿度70〜80%RHの範囲に調節したふ卵器に入れ4
0時間放置した後、容器の中の飼料中に侵入したダニ数
を食塩水浮遊法で数え、次式でダニ忌避率を求めた。
【0047】 ダニ忌避率(%)={(A−B)/A}×100 ここで、Aは通常のポリエステルの綿のダニ数、Bは吸
音材の開繊綿のダニ数。
【0048】[実施例1]熱可塑性重合体R2として融
点が255℃の通常ポリエチレンテレフタレート、熱可
塑性重合体R1としてイソフタル酸40モル%共重合し
た融点が110℃のポリエチレンテレフタレート系ポリ
エステルを用いて、紡糸温度285℃、引取り速度13
50m/分、R1/R2で表される重量比が50/50
の熱可塑性重合体R2を芯部とし、熱可塑性重合体R1
を鞘部とした同心円状の複合繊維の未延伸糸を紡糸し、
この未延伸糸を延伸倍率3倍、延伸浴温度80℃で延伸
し、クリンパで機械捲縮を付与した。さらに、70℃の
熱セッターで乾燥した後、仕上げ油剤を付与して、カッ
ト長32mmに切断して、繊度約1デニール、表面層の
融点が約110℃の繊維Aを製造した。
【0049】これとは別に、融点が255℃の通常ポリ
エチレンテレフタレートを紡糸温度280℃、引取り速
度1350m/分で未延伸糸を紡糸し、この未延伸糸を
延伸倍率3倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで
機械捲縮を付与した後、ピレスロイド系化合物としてフ
ェノトリンをノニルフェノールのエチレンオキサイド9
モル添加物で乳化し、ピレスロイド系化合物が0.1重
量%になるように、また、バインダーとして、アミノ当
量が3.5×103 グラム当量/モルであるアミノシリ
コーン(TKシリコーンAS65、高松油脂(株)製)
を固形分換算で0.5重量%になるように、さらに防錆
剤としてエチレンジアミン4酢酸の2ナトリウム塩を固
形分換算で0.15重量%になるように調整した水エマ
ルジョン組成物を噴霧器で均一に付着させ、カット長3
2mmに切断して175℃の熱処理をして繊度約1デニ
ール、捲縮数4.7山/25mm、捲縮度24.5%の
防虫繊維Bを製造した。この防虫繊維Bのフェノトリン
付着量は0.15重量%、アミノシリコーン付着量は
0.5重量%、防錆剤付着量は0.15重量%であっ
た。このステープル100%の防錆性は、塩酸でメッ
キ、油分を落とした鉄の針金を、前記綿の中にくるみ2
5℃、75%RHの恒温恒湿槽で72時間放置後でもほ
とんど錆が発生せず良好で、ダニ忌避率は洗濯前99.
5%、パークレン液で40℃、10分間洗浄する工程を
3回繰り返した後94.7%であった。
【0050】さらに、前記防虫繊維Bの製造時に防虫加
工剤噴霧のみをしないで通常のポリエステル繊維を製造
した。
【0051】前記繊維Aを25重量%、前記防虫繊維B
を60重量%および通常のポリエステル繊維を15重量
%混綿し、カードでさらに混綿、開繊し、図2のような
金型の吹込口3から、各面にパンチングが施された内面
が1000×1000×1000mmの下金型1に空気
流と共に吹き込んで、各面にパングが施された上金型2
で圧縮し、充填密度0.05g/cm3 、厚さ25mm
で固定した。前記繊維を充填圧縮した金型ごと紡績糸の
セットに使用するヒートセッターを用いて、蒸熱130
℃×25分間熱セットして吸音材を製造した。該吸音材
は形態が安定し、防虫性は洗濯前61.3%、洗濯後5
3.4%と良好で、かつ吸音材の表面と平行な面内でラ
ンダムな方向に構成繊維が配しているため400ヘルツ
吸音率は41.2%、1000ヘルツ吸音率は82.9
%の優れた吸音性を有するものであった。
【0052】前記吸音材を50cm×50cmのタイル
状とし、夏場の室温が時には約40℃に上昇する暗室の
壁に装着し、モデル的にカセットテープ編集作業を実施
したところ、反響音等による音の歪みが少ない良好なカ
セットテープ編集ができた。吸音材を暗室の壁に装着し
た状態で1年間放置した後、吸音材を壁からはぎとり、
反毛機にかけて開繊し、この開繊繊維を溶融ペレット化
し、再度溶融紡糸、延伸して、6デニール、51mmの
ポリエステルステープルとした。得られたステープルは
市販のポリエステルステープルに比べてやや強度が低い
ものの、詰め綿として十分使用可能なものであった。
【0053】[比較例1]実施例1と同一の繊維Aを2
5重量%と実施例1と同一の通常ポリエステル繊維を7
5重量%を混綿する他は実施例1と同様にして吸音材を
製造した。得られた吸音材は400ヘルツ吸音率は4
1.5%、1000ヘルツ吸音率は82.6%の優れた
吸音性を有するものであるが、防虫繊維Bを含まないた
め、防虫性に劣るものであった。
【0054】[比較例2]実施例1と同一の繊維A、防
虫繊維Bおよび通常ポリエステル繊維を同一重量比で混
綿し、カードでさらに混綿、開繊した後、引き続いて製
綿成形でカードウエッブを積層し、乾熱セッターおよび
熱ロールを通して充填密度0.05g/cm3 、厚さ2
5mmの吸音材を製造した。該吸音材体は形態は安定
し、防虫繊維Bを含むため防虫性も良好なものである
が、吸音材の表面と平行な面内で構成繊維が並列に整然
と配しているため400ヘルツ吸音率は29.0%、1
000ヘルツ吸音率は61.9%で、実施例1に比べて
吸音性の劣るものであった。
【0055】[実施例2]通常のナイロン6チップ(融
点215℃)を芯部に50重量%、ナイロン6にナイロ
ン66を共重合した融点100℃のチップを鞘部に50
重量%複合した繊度2デニール、カット長32mmの円
形断面の低融点複合繊維Aを製造した。
【0056】これとは別に、通常のナイロン6チップ
(融点215℃)を溶融紡糸、延伸して得られた繊度約
1デニール、カット長32mmの通常ナイロン6ステー
プルとした。
【0057】さらに、前記通常ナイロン6ステープル製
造時に実施例1の防虫加工剤を噴霧器で均一に付着させ
防虫繊維Bを製造した 前記複合繊維Aを25重量%、防虫繊維Bを60重量%
および通常ナイロン6繊維を15重量%混綿し、カード
でさらに混綿、開繊し、図2のような金型の吹込口3か
ら、各面にパンチングが施された内面が1000×10
00×1000mmの下金型1に空気流と共に吹き込ん
で充填した後、充填繊維を上金型2で充填密度0.05
g/cm3 、厚さ25mmで固定した。充填圧縮した繊
維を金型ごと紡績糸のセットに使用するヒートセッター
を用いて、蒸熱110℃×30分間熱セットし吸音材を
製造した。該吸音材は形態が安定し、吸音材の表面と平
行な面内でランダムな方向に構成繊維が配しているため
400ヘルツ吸音率は41.0%、1000ヘルツ吸音
率は81.3の優れた吸音性を有するものであった。ま
た、洗濯前防虫性は61.3%と良好であった。
【0058】前記吸音材を50cm×50cmのタイル
状とし、夏場の室温が時には約40℃に上昇する暗室の
壁に装着し、モデル的にカセットテープ編集作業を実施
したところ、反響音等による音の歪みが少ない良好なカ
セットテープ編集ができた。吸音材を暗室内に1年間放
置した後取り出し、反毛機にかけて開繊した後、解繊繊
維を特公昭42−18476号公報に記載の方法で解重
合・精製してε−カプロラクタムに回収したところ、特
に問題はなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、リサイクルが可能で、
可聴周波数帯吸音性に優れ、防虫性を有する繊維集合体
構造の車両用や住宅用あるいは高速道路の遮音壁等に使
用される吸音材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音材の一例をモデル的に示す概略斜
視図である。
【図2】本発明の吸音材の製造に用いられる装置の一例
をモデル的に示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
1:下金型 2:上金型 3:気体の吹き込み口 4:繊維

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一系のポリマからなる繊維で構成された
    吸音材であって、融点が他の繊維の融点より低い熱可塑
    性重合体R1を含有する繊維Aおよび防虫繊維Bを少な
    くとも含み、繊維A相互間および繊維Aと他の繊維との
    接触点の一部で実質的に接着し、かつ、構成繊維が吸音
    材の表面と平行な面内でランダムな方向に配しているこ
    とを特徴とする吸音材。
  2. 【請求項2】同一系のポリマがポリエステル系ポリマで
    あることを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  3. 【請求項3】同一系のポリマがナイロン6系ポリマであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  4. 【請求項4】本文中に記載する方法で測定した吸音率が
    400ヘルツで30%以上、1000ヘルツで70%以
    上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の吸音材。
  5. 【請求項5】繊維Aが芯鞘型複合繊維であり、熱可塑性
    重合体R1を鞘部とし、熱可塑性重合体R1の融点より
    融点が高い熱可塑性重合体R2を芯部とすることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材。
  6. 【請求項6】R1/R2で表わされる熱可塑性重合体の
    重量比が20/80〜60/40の範囲にあることを特
    徴とする請求項5に記載の吸音材。
  7. 【請求項7】熱可塑性重合体R1の融点が他の繊維の融
    点より低く、かつ、80〜170℃の範囲であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸音材。
  8. 【請求項8】構成繊維の繊度が0.2〜30デニールの
    範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の吸音材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7428803B2 (en) 2005-05-17 2008-09-30 Milliken & Company Ceiling panel system with non-woven panels having barrier skins
US7521386B2 (en) 2004-02-07 2009-04-21 Milliken & Company Moldable heat shield
US7605097B2 (en) 2006-05-26 2009-10-20 Milliken & Company Fiber-containing composite and method for making the same

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