JPH10113485A - ミシンの垂直全回転かま - Google Patents

ミシンの垂直全回転かま

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JPH10113485A
JPH10113485A JP27118996A JP27118996A JPH10113485A JP H10113485 A JPH10113485 A JP H10113485A JP 27118996 A JP27118996 A JP 27118996A JP 27118996 A JP27118996 A JP 27118996A JP H10113485 A JPH10113485 A JP H10113485A
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稔 和田
Hitoshi Ito
等 伊藤
Shizuo Kawashima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明の目的は、外かまの回転に伴う内か
まの振動を減少すべく、幅広の内かまレース部を備えた
内かまを、ガタを大きくせずに外かまに組み付け可能な
ミシンの垂直全回転釜を提供することである。 【解決手段】 内かま2と、回転軸線を中心に回転する
外かま1と、外かま1に接合されて内かま2を保持する
内かま押え3とを備えたミシンの垂直全回転かま10で
ある。そして、内かま2の外周部に設けられたレース部
6と、外かま1の内周部の一方側C1に設けられると共
に、該外かま1の内周部の他方側において、外かま1と
前記内かま押え3との接合部に設けられたレース溝7と
を有し、前記外かま1と内かま押え3との継目が前記レ
ース溝7の前記回転軸線方向ほぼ中央から外かま1の釜
底よりに位置するように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば本縫いミシ
ン等で用いられる、ミシンの垂直全回転かまに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の一般的なミシンの垂直
全回転かまを示す側面図である。図11は、給油機構を
有する従来の垂直全回転かまを示す部分断面図である。
図10および図11に示す様に、一般的なミシンの垂直
全回転かまは、外かまP1、内かまP2、内かま押えP
3、糸案内ばねP4、外かま止めネジP10、内かま押
え締めネジP11、糸案内ばね締めネジP12により構
成される。また、給油機構を有するものは、図11に図
示された、給油路P9を備えている。
【0003】内かまP2の外周面には、回転軸方向のほ
ぼ中央付近に内かまレース部P6が設けられ、それに対
応して、外かまP1の内周面には外かまレース溝P7が
設けられている。そして、この外かまレース溝P7に内
かまレース部P6が嵌合して、外かまP1に内かまP2
が遊嵌保持されている。内かまレース部P6は、一般
に、内かまP2の回転軸方向のほぼ中央付近に設けら
れ、その幅は1.6mm程度のものが多い。
【0004】また、外かまP1に形成された外かまレー
ス溝P7は、図11および図12に示すように、その半
周以上が、溝の側方が開放されて形成され(側方が開放
された側Jと開放されてない側Cに分けられる。)、内
かま押えP3がこの溝の側方を構成している。内かまP
2を外かまP1に組み付ける場合、先ず、内かまレース
部P6の半周部を外かまレース溝P7の開放されてない
側Cに挿入し、その挿入した部分を中心に内かまレース
部P6を回動させて、内かまレース部P6の残りの部分
を、外かまレース溝P7の開放された側Jに挿入する。
そして、内かま押えP3を外かまP1にネジ止着する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の垂直全回転かまは、内かまレース部P6の幅が1.
6mm程度と細く、図12に示すように、外かまP1の
外かまレース溝P7と内かまP2の内かまレース部P6
とのガタA1を受ける面積が狭い為、内かまP2の倒れ
が生じ易く、この倒れが外かまP1の回転に伴う内かま
P2の振動を増幅させて、内かま2内に装着される不図
示のボビンケースおよびボビンに影響を与え、縫製中の
ボビンに巻かれた下糸の張力が不安定となってしまう問
題点があった。
【0006】上記の問題点を解決するには、内かまレー
ス部の幅と外かまレース溝の幅を広げて、ガタA1を受
ける面積を広げれば良いのだが、上記従来の内かまP2
と外かまP1との組付け構造では、次に挙げるような問
題があった。すなわち、内かまレース部P6を回動させ
て外かまレース溝P7の側方の開放された側Jに挿入す
る際、内かまレース部P6の幅が広いと、内かまレース
部P6の角部Qが外かまレース溝P7の前で引っかかっ
て挿入できない。挿入させるために、内かまレース部の
径(かまの回転軸線を中心とした径)を小さくすると、
外かまレース溝P7と内かまレース部P6とのガタA1
が大きくなってしまい、外かまP1の回転に伴う内かま
P2の振動を増幅させてしまう。
【0007】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、外かまの回転に伴う内かまの振動を減
少すべく、幅広の内かまレース部を備えた内かまを、ガ
タを大きくせずに外かまに組み付け可能なミシンの垂直
全回転釜を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、内かまと、回転軸線を中心
に回転する外かまと、外かまに支持されて内かまを保持
する内かま押えと、を備えたミシンの垂直全回転かまに
おいて、内かまの外周部に設けられたレース部と、外か
まの内周部の一方側に設けられると共に、該外かまの内
周部の他方側において、外かまと前記内かま押えとの支
持部に設けられたレース溝とを有し、前記外かまと内か
ま押えとの継目が前記レース溝の前記回転軸線方向ほぼ
中央から外かまの釜底よりに位置し、前記レース溝に前
記レース部が遊嵌されて内かまが保持されている構成と
した。
【0009】この請求項1記載の発明によれば、内かま
を外かまに組み付ける場合、先ず、レース部の一方側
を、外かまのみにレース溝が形成されている側に挿入
し、その挿入した部分を中心に内かまを回動させて、内
かまレース部の残りの部分を、内かま押えとの接合部に
レース溝が形成されている側に挿入する。そして、内か
ま押えを例えばネジ止着により外かまに接合させて、内
かまのレース部を外かまと内かま押えとに設けられたレ
ース溝に遊嵌保持する。上記の内かまを回動させて、内
かまのレース部を外かまのレース溝に挿入する際、従来
の構造では、レース部を幅広にすると該レース部の角が
外かまに引っ掛かってしまうのに対して、この発明で
は、外かまと内かま押えとの継目が、レース溝のほぼ中
央から釜底よりに位置するように形成されているので、
レース部の幅に拘ることなく、レース部の引っ掛かかり
が回避され、レース溝とレース部のガタを増すことな
く、良好に内かまを外かまに挿入および抜き出しするこ
とが出来る。従って、レース部を幅広にすることも可能
となる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のミ
シンの垂直全回転かまにおいて、前記レース部が2.4
mm〜4.0mmの幅で形成された構成とした。
【0011】この請求項2記載の発明によれば、幅広の
レース部により、レース溝とレース部とのガタを受ける
面積が広くなって、内かまの倒れが減少し、これにより
外かまの回転中に発生する内かまの振動が少なくなり、
下糸張力が安定する。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載のミシンの垂直全回転かまにおいて、前記レース部
が、内かまの外周部における前記回転軸線方向ほぼ中央
に設けられている構成とした。
【0013】この請求項3記載の発明によれば、特に、
レース部が内かまの中央付近に位置しているため、内か
まが内かまの重心を通る面上で支持されることとなっ
て、更に、内かまの振動を少なくでき、且つ、レース部
が内かまの底よりに位置するものに比べて、糸の供給さ
れる側での振動(変位)が減少され、下糸張力が安定す
る。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のミシンの垂直全回転かまにおいて、
外かまの釜底を下に向けたときの前記内かま押さえの上
面部に、かまの糸取出し量が最大に達したときに上糸が
渡る部位より外かまの回転方向に向かって後方にある点
を頂点として、外かまの回転方向に向かって下る勾配が
設けられている構成とした。
【0015】この請求項4記載の発明によれば、ミシン
の上糸が垂直全回転かまを渡る際、外かまの回転に伴っ
て、かまの底側を渡る糸が内かま押えの上面部に沿って
相対移動することになる。この相対移動の際、糸は、か
まの底側から伸び、内かま押えの上面部の角で屈折し、
内かま押えの上面部に沿って縫製箇所まで伸びた状態に
なる。そして、内かまのレース部が中央から幅広に形成
されている分、内かま押えの厚みを一定にすると、内か
ま押えの上面部が高くなるが、該内かま押えの上面部に
上記の勾配が設けられているので、かまの糸取り量がほ
ぼ最大となる範囲では、上面部の高さが低められること
となって、かまの糸取り量が低く抑えられる。また、上
記の範囲で上面部の高さが低められているので、内かま
押えの上面部に渡る上糸の屈折抵抗(上糸の屈折した部
分の抵抗)が減少し、上糸の張力変動が少なくなり、安
定した縫い品質が実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図9の図面を参照しながら説明する。始め
に、この実施の形態の説明中で使用する方向についての
定義づけを行う。この実施の形態の説明において、
「上」「下」とは、かま10の底を下に向けたときの上
下を表し、「高」「低」とは、かま10の底を基準とし
て外かま1の回転軸線に沿った高低を表し、例えば、後
述する内かまレース部6の先端部6aおよび後端部6b
や、外かま押え3や糸案内ばね4の先端や後端で使用さ
れる、「前(先)」「後」とは、かま10の周方向に沿
って外かま1の回転方向に向いたときの前(先)後を表
す。図1は、本発明の実施の形態の一例を示すミシンの
垂直全回転かま10を側面から眺めた部分断面図、図2
は、内かまレース部の糸抜け側の形状および上糸の渡り
を説明する内かまの斜視図、図3は、内かまレース部の
糸分け側の形状を示す側面図、図4は、外かまレース溝
と内かま押えレース溝の合わせ位置を示す部分拡大図、
図5はかまの正面図、図6は、図5の矢印U方向から見
たかまの部分拡大図である。
【0017】この実施の形態の垂直全回転かま10は、
給油を必要とせず高速回転可能な本縫いミシン用の垂直
全回転かまであり、従来と同様、外かま1、内かま2、
内かま押え3、糸案内ばね4により構成されている。内
かま押え3および糸案内ばね4は、外かま1にネジ止着
されている。内かま2の外周面には内かまレース(軌
条)部6が設けられ、それに対応して、外かま1と内か
ま押え3の内周面にはレース溝7が設けられている。内
かま2は、この内かまレース部6がレース溝7に嵌合し
て、外かま1に遊嵌保持されている。
【0018】内かまレース部6は、給油を不要とするた
め工業用プラスチックから形成され、且つ、レース溝7
とのガタを広い面積で受けるため、幅広に形成されてい
る。その幅Wは、従来(一般的に1.6mm程度で図中
二点鎖線で示す。)に比べて1.5倍〜2.5倍、すな
わち、2.4mm〜4.0mm程度のものである。そし
て、幅が2.4mm以下であるとレース溝7とレース部
6とのガタに対するレース部の幅の割合が大きくなり、
ボビンに釜の回転による振動が伝わり、ボビンが空転し
て、ボビンケースの中で下糸が絡みつき糸切れが生じ
る。又、幅が4.0mm以上であると、釜の底からの傾
斜面Bまでの距離が必然的に長くなり、これによって、
釜の糸取り曲線が変化するため糸締りも変化し、薄い布
を縫う際の糸の締りに対応できなくなるという欠点があ
る。このため、レース幅は上記の範囲に設定されてい
る。内かまレース部6は、かま10の回転軸線方向のほ
ぼ中央に設けられ、従来の細いものに比べて、中央付近
から両方向に、ほぼ均等に幅が拡大されている。
【0019】図2に示すように、内かまレース部6のレ
ース糸ぬけ部(先端部)6aには、内かまレース部6の
幅Wのほぼ1/2の半径でアールが形成されている。図
中二点鎖線で示す従来の細い内かまレース部と比べる
と、内かまレース部6が幅広になった分、アールが大き
くなっている。
【0020】図3に示すように、内かまレース部6のレ
ース糸分け部(後端部)6bは、上糸を中かま2の底側
と上側とに分ける頂点を有し、且つ、この頂点(特に頂
点から内かま2の底側にかけて)にはアールが形成され
ている。図中二点鎖線で示す従来の細い内かまレース部
と比べると、頂点の位置を変えることなく、大きなアー
ルが形成されている。
【0021】図4に示すように、レース溝7は、糸案内
ばね4側の一部分が外かま1のみに形成され、糸案内ば
ね4に対向する半周以上の部分が、外かま1と内かま押
え3とに渡って形成されている。外かま1側に形成され
た部分を外かまレース溝1a、内かま押え3側に形成さ
れた部分を内かま押えレース溝3aとする。詳細には、
内かま押え3がある部分において、レース溝7の一方の
側壁部が外かま1により構成され、他方の側壁部が内か
ま押え3により構成され、レース溝7の底面部が外かま
1と内かま押え3にわたって構成されている。外かま1
の外かまレース溝1aと内かま押え3の内かま押えレー
ス溝3aとの合わせ位置M1は、レース溝7のほぼ中央
に位置した構成となっている。
【0022】図6に示すように、内かま押え3の上面E
は、点Gより後方側において、図中二点鎖線で示す従来
の上面より高くなっている。この上面Eの上昇は、内か
まレース部6の幅が上側に拡大された為に生じたもので
ある。また、内かま押え3の上面Eには、点Gを頂点と
して先端に掛けてなだらかに下る傾斜面Bが形成されて
いる。点Gは、かま10の糸取り量が最大を過ぎて、糸
の張力が低くなる点である。この傾斜面Bにより、内か
ま押え3の上面Eの高さが、糸案内ばね4の後端部4a
の高さと連続的につながるようになっている。また、内
かま押え3の上面Eの高さ、および、糸案内ばね4の後
端部4aの高さは、範囲Hにおいて、従来の釜のもの
と、ほぼ同じ高さに形成されている。範囲Hは、かま1
0の糸取り量がほぼ最大となるときに、外かま1の上側
を渡る上糸が通過する範囲である。
【0023】この実施の形態のミシンの垂直全回転かま
10は、上記のような構成により、次に示すような作用
を効する。すなわち、内かまレース部6とレース溝7と
のガタA2の説明図である図7にも示すように、内かま
レース部6を従来に比べて幅広(1.5倍〜2.5倍)
に形成する事により、外かま1のレース溝7と内かま2
の内かまレース部のガタA2を受ける面積が広くなり、
内かま2の倒れが減少し、これにより外かま1の回転中
に発生する内かま2の振動が少なくなる。
【0024】また、図1に示したように、内かまレース
部6が内かま2の中央付近に位置しているため、内かま
2は内かま2の重心位置とほぼ同じ高さで支持されるこ
ととなって、内かま2の振動が少なくなる。また、内か
まレース部6が内かま2の底よりに位置するものに比べ
て、糸の供給される側(図中F側)での振動(変位)が
減少され、下糸張力が安定化する。
【0025】図2に示したように、内かまレース部6の
レース糸抜け部(先端部)6aの曲率が緩やかになって
いることにより、縫製中、内かまレース部6のレース糸
抜け部6aに接触する上糸のしごき(上糸の釜渡り時の
撚り移動)が軽減され、ルーピングや糸切れなどが低減
され、安定した縫目が形成できる。
【0026】図3に示したように、内かまレース部6の
レース糸分け部(後端部)6bの曲率が緩やかになって
いることにより、縫製中、内かまレース部6のレース糸
分け部6bに接触する上糸のしごき(上糸の釜渡り時の
撚り移動)が軽減され、ルーピングや糸切れなどが低減
され、安定した縫目が形成できる。また、レース糸分け
部6bの頂点の位置が従来のものと変わっていないの
で、上糸をかまの底側と上側とに分ける、外かま1の剣
や糸案内ばね4の構成配置を従来と同様にすることが出
来る。それにより、かま10の糸取り量が従来どおりと
なって、天秤の運動等を調整し直す必要がない。
【0027】内かま2を外かま1に組み付ける際には、
先ず、内かまレース部6の半周側を、外かま1のみにレ
ース溝7が形成されている部分C1(図1)に挿入し、
その挿入した部分を中心に内かま2を回動させて、内か
まレース部6の残りの部分を外かま1に挿入する。
【0028】図4および図7に示したように、外かまレ
ース溝1aと内かま押えレース溝3aとの合わせ位置M
1が、レース溝7のほぼ中央に位置しているので、上記
の内かま2を回動させて外かま1に挿入する際、内かま
レース部6の角部Dが外かま1に引っ掛かってしまうこ
とが回避され、外かま1と内かま2のガタを増すことな
く、良好な挿入および抜き出し性(挿抜性)が確保され
る。
【0029】縫製中において、かま10の底側を渡る上
糸は、糸案内ばね4に沿って移動した(実際は外かま1
の方が回転移動している。)後、かま10の糸取り量が
ほぼ最大となる範囲Hにおいて、糸案内ばね4から内か
ま押え3の上面Eの傾斜面Bに渡り、そして、上糸が点
Gに達する前に、かま10の糸取り量が最大を過ぎて、
糸の張力が低くなる。
【0030】図8には、かま10の底側を渡る上糸が、
範囲Hにおいて、内かま押え3の上面Eに沿って移動す
る状態を説明する部分断面図を示す。図6に示したよう
に、内かまレース部6の幅の拡大に伴い、内かま押え3
の上面Eが高くなっており、そのままでは縫製中E面に
沿って移動する上糸Sの屈折抵抗(上糸Sの屈折部分S
1の抵抗:図8参照)が増してしまうが、内かま押え3
の上面Eが高くなる範囲は、上糸Sの張力が低くなる点
G以降なので、上糸の渡りおよび糸取り量に影響を与え
ない。
【0031】更に、図6に示すように、内かま押え3の
上面Eには、点Gを頂点として先端に掛けてなだらかに
下る傾斜面Bが形成されて、かま10の糸取り量がほぼ
最大となる範囲Hで、上面Eの高さが低められているの
で、内かま押え3の上糸渡り時の糸繰出しを最小限に抑
えられる。また、上記の範囲Hにおいて、内かま押え3
の上面Eに沿って渡る上糸Sの屈折抵抗(上糸Sの屈折
部分S1の抵抗)が減少し、上糸の張力変動が少なくな
り、安定した縫い品質となる。
【0032】また、上記のなだらかな傾斜面Bにより、
内かま押え3の上面Eの高さと糸案内ばね4の後端部4
aの高さとが連続的につながっているので、糸案内ばね
4と内かま押え3との結節点において上糸の引っ掛かり
がなく、上糸を糸案内ばね4から内かま押え3の上面E
にスムーズに移動させることが出来る。すなわち、釜の
糸越しがスムーズになる。
【0033】また、範囲Hにおいて、糸案内ばね4と内
かま押え3の上面Eの高さが、従来とほぼ同一の高さに
調整されているので、かま10の糸取り量が従来とほぼ
同じとなって、天秤の運動を調整し直す必要がない。
【0034】以上のように、この実施の形態のミシンの
垂直全回転かま10によれば、上述した作用に従って、
次の(1)〜(6)に挙げるような効果を奏する。
【0035】(1)内かま2の倒れおよび内かま2の振
動を少なくする事ができ、縫製中の下糸張力が安定し、
縫い品質が向上し、縫製中のかま10から発生する騒音
も減少される。 (2)内かまレース部6の先端部6aおよび後端部6b
の曲率を緩やかにする事ができ、縫製中の上糸のしごき
が緩和され、ルーピングや糸切れなどが低減され、低張
力で安定した縫い品質を提供することができる。
【0036】(3)外かま1と内かま2の径方向および
回転軸線方向のガタを増す事なく、内かま2の挿抜性が
良好となり、ユーザーレベルでの内かま2の交換作業性
も良好で、ランニングコストを抑制することが出来る。 (4)内かま押え3の上面Eの先端側をなだらかな傾斜
面Bで形成する事により、内かま押え3の糸渡り時の糸
繰出しを最小限に抑えられ、糸渡り時の上糸の張力変動
を少なくし、縫目の安定化を計ることが出来る。
【0037】(5)従来のかまの製造工程を大きく変更
する事なく、縫い品質の良い安価なかまを提供する事が
できる。 (6)かま10の糸繰出し量および糸張力を、従来のも
のとほぼ同じにすることができるので、天秤の運動など
かま以外のミシンの構成を変更する事なく、縫い品質の
良いかまを適用させる事ができる。
【0038】なお、本発明は、この実施の形態のミシン
の垂直全回転かま10に限られるものではなく、発明の
趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、
外かまレース溝1aと内かま押えレース溝3aとの合わ
せ位置は、レース溝7のほぼ中央に限定されず、中央よ
り底側に位置すれば同様の効果が得られる。
【0039】図9には、本発明のその他の実施の形態と
して、外かまレース溝と内かま押えレース溝との合わせ
位置のその他の例を示す断面図である。同図に示すよう
に、レース溝7Aの一方の側壁部を外かま1Aにより構
成し、他方の側壁部を内かま押え3Aにより構成し、レ
ース溝7Aの底面部を内かま押え3Aのみで構成して
も、即ち、外かま1Aと内かま押え3Aの合わせ位置M
2をレース溝7Aの下端にしても、内かまの挿抜性は良
好となる。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、レース部
の幅に拘らず、内かまを、外かま1と内かま2の径方向
および回転軸線方向のガタを増す事なく、良好に外かま
に組み付けることが出来る。すなわち、ユーザーレベル
での内かまの交換作業性も良好で、ランニングコストを
抑制することが出来る。
【0041】請求項2記載の発明によれば、幅広のレー
ス部により、レース溝とレース部とのガタを受ける面積
が広くなって、内かまの倒れが減少し、これにより外か
まの回転中に発生する内かまの振動が少なくなり、下糸
張力が安定する。
【0042】請求項3記載の発明によれば、特に、レー
ス部が内かまの中央付近に設けられているため、内かま
が内かまの重心を通る面上で支持されることとなって、
更に、内かまの振動を少なくでき、下糸張力を安定させ
ることが出来る。また、縫製中のかまから発生する騒音
も減少される。
【0043】請求項4記載の発明によれば、内かまのレ
ース部が中央から幅広に形成されている分、内かま押え
の厚みを一定にすると、内かま押えの上面部が高くなる
が、該内かま押えの上面部に上記の勾配が設けられてい
るので、かまの糸取り量がほぼ最大となる範囲では、上
面部の高さが低められることとなって、かまの糸取り量
が低く抑えられる。また、上記の範囲で上面部の高さが
低められているので、内かま押えの上面部に渡る上糸の
屈折抵抗が減少し、上糸の張力変動が少なくなり、安定
した縫い品質を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すミシンの垂直
全回転かまを側面から眺めた部分断面図である。
【図2】同垂直全回転かまにおいて、内かまレース部の
糸抜け側の形状および上糸の渡りを説明する内かまの斜
視図である。
【図3】同垂直全回転かまにおいて、内かまレース部の
糸分け側の形状を示す内かまの側面図である。
【図4】同垂直全回転かまにおいて、外かまレース溝と
内かま押えレース溝の合わせ位置を示す部分拡大図であ
る。
【図5】同垂直全回転かまの正面図である。
【図6】図5の矢印U方向から見た垂直全回転かまの部
分拡大図である。
【図7】同垂直全回転かまにおいて、内かまレース部と
レース溝とのガタを示す拡大断面図である。
【図8】同垂直全回転かまにおいて、かまの底側を渡る
上糸が、内かま押えの上面に沿って移動する状態を示す
部分断面図である。
【図9】本発明のその他の実施の形態として、外かまレ
ース溝と内かま押えレース溝との合わせ位置のその他の
例を示す拡大断面図である。
【図10】従来の一般的なミシンの垂直全回転かまを示
す側面図である。
【図11】給油機構を有する従来の垂直全回転かまを示
す部分断面図である。
【図12】従来の一般的な垂直全回転かまにおいて、内
かまレース部とレース溝とのガタを示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1,1A 外かま 1a 外かまレース溝 2 内かま 3,3A 内かま押え 3a 内かま押えレース溝 4 糸案内ばね 6 内かまレース部 7,7A レース溝 B 内かま押えの上面の傾斜面 E 内かま押えの上面 M1,M2 レース溝における外かまと内かま押えとの
合わせ位置(継目)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内かまと、回転軸線を中心に回転する外
    かまと、 外かまに支持されて内かまを保持する内かま押えと、 を備えたミシンの垂直全回転かまにおいて、 内かまの外周部に設けられたレース部と、 外かまの内周部の一方側に設けられると共に、該外かま
    の内周部の他方側において、外かまと前記内かま押えと
    の支持部に設けられたレース溝とを有し、 前記外かまと内かま押えとの継目が前記レース溝のほぼ
    中央から前記回転軸線方向に沿って外かまの釜底よりに
    位置し、 前記レース溝に前記レース部が遊嵌されて、内かまが保
    持されていることを特徴とするミシンの垂直全回転か
    ま。
  2. 【請求項2】 前記レース部は2.4mm〜4.0mm
    の幅で形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    ミシンの垂直全回転かま。
  3. 【請求項3】 前記レース部の幅は、レース部の円周方
    向に沿う中心線に対して均等な幅で形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの垂直全回
    転かま。
  4. 【請求項4】 外かまの釜底を下に向けたときの前記内
    かま押さえの上面部には、 かまの糸取出し量が最大を超えたときに上糸が渡る部位
    より外かまの回転方向に向かって後方にある点を頂点と
    して、外かまの回転方向に向かって下る勾配が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のミシンの垂直全回転かま。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2301110A (en) * 1995-05-20 1996-11-27 Rolls Royce Plc Abrasive medium comprising silicon carbide coated with a barrier material
WO2005087998A1 (en) * 2004-03-15 2005-09-22 Kobest Co., Ltd. Rotary shuttle device augmented under thread capacity for sewing machine

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