JPH10115458A - ヒートポンプを用いた温水生成装置 - Google Patents

ヒートポンプを用いた温水生成装置

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JPH10115458A
JPH10115458A JP27029596A JP27029596A JPH10115458A JP H10115458 A JPH10115458 A JP H10115458A JP 27029596 A JP27029596 A JP 27029596A JP 27029596 A JP27029596 A JP 27029596A JP H10115458 A JPH10115458 A JP H10115458A
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野尻  元己
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートポンプの性能を発揮させるべく圧縮機
を短時間で暖める。 【解決手段】 圧縮機24の高圧側と低圧側との間が、
容量調整弁52を介設したバイパス管51で接続され
る。圧縮機24には温度検知用のサーモスタット62が
設けられ、冷媒配管には液冷媒の流通を停止する冷媒電
磁弁60が設けられる。初期給湯が終了したら、冷媒電
磁弁60を閉弁して液冷媒の流通を停止する一方、圧縮
機24は継続して運転する。これにより、高圧側の冷媒
ガスが容量調整弁52を開弁しつつバイパス管51を通
って低圧側に循環供給されるショートサーキット運転が
なされる。この間、圧縮機24で生成された熱エネルギ
が発散されることがないので、圧縮機24全体が短時間
で昇温される。圧縮機24が昇温されたらショートサー
キット運転は停止する。運転の立上りからヒートポンプ
21本来の性能が十分に発揮され、良好に温水が生成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートポンプを用
いて温水を生成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば食器洗浄機で使用するすすぎ用の
温水を得る場合に、冷凍サイクルを構成したヒートポン
プで温水を生成して供給するものが実用化に向けて開発
されつつある。これは、ヒートポンプにおける蒸発器
を、食器洗浄機からの排湯を貯留する回収タンク内に熱
交換可能な状態に配設する一方、凝縮器を、給水管に給
送される原水と熱交換可能な状態に配設した構造であっ
て、蒸発器で排熱を回収して圧縮機の発生熱と併せて凝
縮器に送り、その熱で原水を昇温して温水を生成すると
いうものである。したがってヒートポンプの性能は、蒸
発器により熱源(排湯)から回収する熱量と、圧縮機か
ら発生する熱量の大きさに依っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、食器洗浄機
に初めに温水を供給する初期給湯をヒートポンプで行う
場合は、排湯すなわち熱源が無いままに圧縮機を運転す
ることになるため、圧縮機の温度は低いままに留められ
る。また、洗浄中で排湯が回収されつつ運転される場合
であっても、低温雰囲気で長時間運転停止状態に放置さ
れたままだと、同様に圧縮機の温度が低くなる。このよ
うな状態から運転が開始されると、電力がほとんど圧縮
機自身の温度を上げることに使用されて、温水を生成す
るための熱量が減少することになり、ヒートポンプの性
能が十分に発揮できない。特に冬期のように低温雰囲気
下にある場合は顕著であって、立上り特性がきわめて悪
いという結果となっていた。なお本願出願人は、特開平
8−82448号公報に記載されているように、圧縮機
の温度を上げるべくヒータを付設したものを提案してい
るが、圧縮機全体を昇温するまでには少なからず時間を
要し、さらなる改良が切望されていた。本発明は上記の
ような事情に基づいて完成されたものであって、その目
的は、ヒートポンプの本来の性能を発揮させるべく圧縮
機を短時間で暖めることができるようにするところにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、圧縮機、凝縮器、
膨張弁及び蒸発器を配管接続して冷媒を封入することで
冷凍サイクルを構成したヒートポンプを備え、このヒー
トポンプの蒸発器により排熱を回収しつつ、前記凝縮器
により給水管に給送される原水を昇温して温水を生成す
るようにした温水生成装置において、前記ヒートポンプ
における圧縮機の高圧側と低圧側の間に、高圧側の冷媒
ガスを低圧側にバイパス可能とするバイパス路を設ける
とともに、配管内の冷媒が圧縮機の低圧側に流通するこ
とを停止する流通停止手段を設け、この流通停止手段に
より冷媒の正規の流通を阻止しつつ前記圧縮機を運転す
ることにより、冷媒ガスをバイパス路を通して循環させ
るショートサーキット運転を可能とした構成としたとこ
ろに特徴を有する。
【0005】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記バイパス路には、圧縮機の低圧側の圧力が所定
値以下となったときに開放する調整弁が設けられている
構成としたところに特徴を有する。請求項3の発明は、
請求項1または請求項2の発明において、前記ショート
サーキット運転の開始と停止時期の少なくともいずれか
一方を制御すべく、前記圧縮機にはその温度を検知する
温度センサが設けられている構成としたところに特徴を
有する。請求項4の発明は、請求項1、請求項2または
請求項3の発明において、前記ショートサーキット運転
の停止時期を制御すべくタイマ手段を備えている構成と
したところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>流通停止手段により冷媒が正規の配
管を通って圧縮機の低圧側に流入することを停止する
と、低圧側の圧力が低下した状態となり、その状態で圧
縮機を駆動すると、高圧側の冷媒ガスがバイパス路を通
って低圧側に循環供給されるショートサーキット運転が
なされる。このような閉ループでは圧縮機で生成された
熱エネルギが発散されることがないので、圧縮機全体が
短時間で昇温される。これにより、運転の立上りからヒ
ートポンプ本来の性能が十分に発揮され、良好に温水を
生成することができる。
【0007】<請求項2の発明>圧縮機の低圧側の圧力
が所定値以上に維持されて所定の高低圧差ができるか
ら、圧縮機自体の仕事量が大きくなって発熱量も大きく
なるので、圧縮機をより効果的に昇温することが可能と
なる。 <請求項3の発明>圧縮機にはその温度を検知する温度
センサが設けられていて、圧縮機の温度が所定温度を下
回っていたらショートサーキット運転を開始し、所定温
度を超えたらショートサーキット運転を停止するといっ
たように制御することができる。 <請求項4の発明>ショートサーキット運転が開始され
たのちタイマ手段のタイムアップを待ってその運転を停
止するといった制御を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を食器洗浄機で使用
する温水の生成装置に適用した一実施形態を図1ないし
図10に基づいて説明する。図1において、符号1は食
器洗浄機であって、その側方に、ヒートポンプ21を装
備した温水生成装置20が設置される。まず食器洗浄機
1の構造について説明すると、その内部の上方側には、
図示しないラックを介して食器が出し入れ可能に収納さ
れる洗浄室2が形成されており、この洗浄室2の上面側
と下面側に、洗浄ノズル3とすすぎノズル4とが一対ず
つ配設されている。洗浄室2の底面の一側には、アルカ
リ洗剤の混入された洗浄水を貯留する洗浄タンク6が形
成され、そこに貯められた洗浄水は、洗浄ポンプ7によ
り汲み上げられて上記した洗浄ノズル3から食器に向け
て噴射され、そののち洗浄タンク6内に回収されるとい
ったように循環供給される。
【0009】洗浄タンク6の下方には、すすぎ用の温水
を貯留する貯湯タンク8が装備されている。この貯湯タ
ンク8内には、詳しくは後記するように温水生成装置2
0で生成された温水が、給湯弁9の介設された給水管1
0により供給されて貯留される。貯められた温水は、す
すぎポンプ11により汲み上げられてすすぎノズル4か
ら食器に向けて噴射され、上記の洗浄タンク6内に回収
される。洗浄タンク6にはオーバーフローパイプ13が
装備されており、このオーバーフローパイプ13は、洗
浄タンク6からオーバーフローした排湯を取り込んで、
排湯管14を通して温水生成装置20に設けられた排湯
回収タンク30内に排出するようになっている。なお、
洗浄タンク6と貯湯タンク8内にはそれぞれヒータ1
5,16と図示しないサーモスタットが装備されてい
て、洗浄水は約60℃に、すすぎ用の温水は約80℃に
保温されるようになっている。
【0010】すなわち食器が洗浄室2に収納されると、
洗浄ノズル3から洗浄水が噴射されて食器が洗浄され、
続いてすすぎノズル4から温水が噴射されてすすぎが行
われる。そして、洗浄タンク6に回収し切れずにオーバ
ーフローした排湯が温水生成装置20側に排出されて排
熱が回収され、その回収した熱が、給水管10に給送さ
れる水道水等の原水と熱交換されることで温水が生成さ
れて、上記した貯湯タンク8に供給されるようになって
いる。
【0011】続いて温水生成装置20について詳細に説
明する。この温水生成装置20はヒートポンプ21を備
えており、箱状をなす本体22内に収納されるようにな
っている。ヒートポンプ21は、図6にも示すように、
圧縮機24、凝縮器25、膨張弁26及び蒸発器27が
循環接続され、その中に冷媒であるフロンガス(R−2
2)が流通可能に封入されることで冷凍サイクルを構成
している。
【0012】圧縮機24は比較的大型のものであって、
図2,3に示すように、本体22内の底面上に設置され
ている。その圧縮機24の側方には蓋板31付きの排湯
回収タンク30が設置されている。この排湯回収タンク
30には、図4,5に示すように、上記の冷凍サイクル
の構成部品であるパイプ状の蒸発器27が、その内周面
に沿って螺旋状に巻装されており、その入り口27aと
出口27bとが蓋板31の上面に突出されて冷媒配管2
1aと接続されている。排湯回収タンク30の上部の一
側には排湯の導入口32が設けられ、食器洗浄機1にお
ける洗浄タンク6のオーバーフローパイプ13から引き
出された排湯管14と接続されており、洗浄タンク6か
らオーバーフローした排湯を導入し得るようになってい
る。他側には、排湯回収タンク30自身のオーバーフロ
ー水を排出する排出口33が設けられ、排水管34が接
続されている。
【0013】排湯回収タンク30内には、プロペラ状の
攪拌具36が備えられており、蓋板31上に設けられた
駆動モータ37によりシャフト38を介して回転駆動さ
れるようになっている。また、排湯回収タンク30の底
面には排水弁40が設けられている。この排水弁40は
常開式のものであって、蓋板31を貫通して上下動自由
に装備されたロッド41の先端に、底面に開口された弁
口42の上面側に接離して開閉する弁体43が設けら
れ、常にはロッド41がばね部材44により上動付勢さ
れて、図5の鎖線に示すように弁体43が引き上げられ
ることで弁口42が開いており、蓋板31上にブラケッ
ト45を介して取り付けられたソレノイド46の励磁力
により、同図の実線に示すようにロッド41並びに弁体
43を付勢力に抗して押し下げることで弁口42が閉じ
られるようになっている。この排水弁40は上記した排
水管34に合流して接続されている。また、排湯回収タ
ンク30の蓋板31には、蒸発器27に向けて温水を散
水することでそれを洗浄するための2個の散水ノズル4
8が設けられている。
【0014】凝縮器25は大径のパイプ状に形成されて
おり、その中に、すすぎ水の原水を給送する給水管10
の途中部分が挿通され、熱交換を可能とした二重管部2
8が形成されている。この二重管部28が、図2,3に
示すように、本体22の2つの側面の内側にわたって回
曲しつつ張り巡らされている。給水管10の出口側は、
上記のように食器洗浄機1の貯湯タンク8に接続されて
いる。また膨張弁26は、感温筒26aが付設された温
度式のものである(図6参照)。なお、本体22内に
は、ヒートポンプ21の冷凍サイクルや給排水等を制御
するための装置を収納した制御ボックス49が備えられ
ている。
【0015】さらに図6によって冷凍サイクルについて
言及する。圧縮機24の高圧側と低圧側との間にはバイ
パス管51が設けられ、そこに容量調整弁52が設けら
れている。この容量調整弁52は低圧側の圧力が設定値
より小さくなると開放して、高圧側のホットガスを低圧
側にバイパスするように機能する。この実施形態では、
低圧側の圧力設定値が4Kgf/cm2程度となるようにされ
ており、これは、使用冷媒であるフロンガス(R−2
2)の0℃での飽和圧力を意識して定められている。ま
た、圧縮機24の底部には、そこの温度が設定された温
度以上になると切れるサーモスタット62が設けられて
いる。
【0016】給水管10における二重管部28から出た
ところには、自動給水弁53が設けられている。この自
動給水弁53は、高圧側の圧力を検知してそれに応じて
給水量を調節し、高圧側の圧力を一定に保つように機能
する。それに伴い、略一定温度の温水を取り出すことが
できる。給水管10における自動給水弁53の上流側に
は、分流弁54を介設した散水ホース55が分岐して接
続され、この散水ホース55が、前記した排湯回収タン
ク30の蓋板31に設けられた散水ノズル48に接続さ
れている。この分流弁54は、運転の停止時に開弁する
ことで、二重管部28内に残っている温水を排出し、蒸
発器27の洗浄に利用するとともに、運転立上り時の過
渡的な凝縮能力不足を防止するように機能する。
【0017】凝縮器25の出口側の冷媒配管21aと、
原水の給水管10における二重管部28に入る手前側の
部分とが密着状に並列配管されることにより、第1の補
助熱交換部57が構成されている。この第1補助熱交換
部57は、凝縮器25から出た液冷媒とすすぎ水の原水
との間で熱交換させることによって、原水を予熱するよ
うに機能する。また、上記の第1補助熱交換部57を構
成する部分の下流側の冷媒配管21aと、蒸発器27の
出口側の冷媒配管21aとが同じく密着状に並列配管さ
れることで、第2の補助熱交換部58が構成されてい
る。この第2補助熱交換部58は、蒸発器27を経た低
温冷媒を凝縮器25から出た高温液冷媒で加熱すること
により、特に運転後半において圧縮機24側への液戻り
現象が起きるのを抑制し、併せて熱利用効率を高めるよ
うに機能する。
【0018】上記の第2補助熱交換部58を構成する部
分と、膨張弁26との間における冷媒配管21aにはレ
シーバ59が介設されている。このレシーバ59は、例
えば冷媒を過充填したときや、内部のバランスが崩れて
液冷媒が過剰となった場合にそれを溜め、凝縮器25に
液冷媒が滞留するのを防止するように機能する。レシー
バ59と膨張弁26との間には冷媒電磁弁60が介設さ
れている。この冷媒電磁弁60は、それを閉じること
で、膨張弁26並びに蒸発器27を介して冷媒が圧縮機
24の低圧側に流通することを阻止するようになってい
る。
【0019】またこの実施形態では、図7,8に示すよ
うな制御回路を備えている。同図において、SWは給湯
開始用の押しボタンスイッチ、FMは、温水生成装置2
0の本体22内に装備されたファンの駆動モータ、CM
はヒートポンプ21の圧縮機24である。SVは冷媒電
磁弁60、Mは攪拌具36の駆動モータ37、Sは排水
弁40のソレノイド46である。Th1は、圧縮機24
の高圧側吐出口に設けられた保護用のサーモスタット、
Th2は、圧縮機24内に設けられた同じく保護用のサ
ーモスタットである。OCRは、圧縮機24の運転電流
が過電流となったときに開放する過負荷継電器、PdS
Wは、圧縮機24の高圧側の圧力が異常上昇した際に開
放する圧力スイッチである。また、図8に示されたTh
3は、既述した圧縮機24に備えられた温度検知用のサ
ーモスタット62である。
【0020】本実施形態は上記のような構造であって、
続いてその作動を説明する。まず説明の便宜上、食器洗
浄機1の洗浄タンク6と貯湯タンク8とが満水であっ
て、洗浄可能な状態にある場合からの作動について図9
のタイミングチャートを参照して説明する。初めに洗浄
すべき食器をラックに収めて洗浄室2内に収容する(ラ
ック作業)。ラック作業が完了すると洗浄サイクルが開
始され、洗浄タンク6内の洗浄水が洗浄ポンプ7で汲み
上げられて洗浄ノズル3から噴出されるといった洗浄作
業が数十秒間にわたって行われる。5秒程度の停止時間
(水切り時間)があったのち、引き続いてすすぎサイク
ルが開始され、貯湯タンク8内の温水がすすぎポンプ1
1で汲み上げられてすすぎノズル4から噴出されるとい
ったすすぎ作業が7秒程度行われる。そののち5秒程度
の停止時間(同じく水切り時間)が設定され、それによ
り1回の洗浄工程が完了する。
【0021】上記において、すすぎサイクルが開始され
ると、貯湯タンク8内に備えられたフロートスイッチが
オフとなることで給湯弁9が開弁されるとともに、圧縮
機24がオンしてヒートポンプ21が稼働し始める。同
時に冷媒電磁弁60も開弁される。また、排湯回収タン
ク30に設けられたソレノイド46が励磁されて常開式
の排水弁40が閉弁されるとともに、攪拌具36が回転
駆動される。すすぎサイクルの開始後に洗浄タンク6か
らオーバーフローしてくる排湯は、少し遅れて排湯回収
タンク30に流入し、実際に蒸発器27が吸熱を始める
のは数秒後となる。
【0022】さて排湯回収タンク30では、食器洗浄機
1の洗浄タンク6からオーバーフローした排湯が少しず
つ(数十秒をかけて)取り込まれる。排湯の取り込みの
最中からヒートポンプ21はフル運転して蒸発器27に
液冷媒を供給し、攪拌具36により排湯が攪拌されて熱
交換が促進されつつ吸熱を始める。実際に吸熱に掛ける
ことのできる時間は数十秒であるため、膨張弁26は比
較的大きな流量(冷凍能力)のものが使用され、立上り
からすぐに多くの冷媒が供給される。その吸熱の最中
に、まず洗浄タンク6からのオーバーフローが終わり、
排湯回収タンク30が満水となる。吸熱はさらに継続さ
れるが、蒸発器27に冷媒が十分に行き届くと、感温筒
26aで検知される温度が低下することで膨張弁26が
閉じ始める。しかしながら、膨張弁26の流量制御のタ
イミングがどうしても遅れるので少し液戻りぎみにな
る。そのため、第2補助熱交換部58で加熱されること
で液戻りの抑制が図られ、それと併せて熱利用効率の向
上が図られる。
【0023】この間、給水管10に送給されたすすぎ水
の原水は、第1補助熱交換部57で予熱されたのち、二
重管部28において冷媒と熱交換されて昇温され、温水
となって給湯弁9を介して食器洗浄機1の貯湯タンク8
に次第に供給される。貯湯タンク8に所定量温水が溜ま
ってフロートスイッチがオンすると、圧縮機24がオフ
となるとともに、冷媒電磁弁60が閉弁してヒートポン
プ21の運転が停止される。また排湯回収タンク30の
排水弁40が開弁されるとともに、攪拌具36が停止さ
れる。これにより、排湯回収タンク30内の排湯が排出
されるが、排湯は慣性力により渦流となって排出される
ので、例えば排湯中に食材の細片等の異物が混じってい
たとしても、渦流とともにすべて排出され、タンク30
内が汚れるおそれがない。また上記のフロートスイッチ
がオンすることに伴って分流弁54が10〜15秒間開
弁され、二重管部28内に残った温水が散水ホース55
側に分流される。その温水は、排湯回収タンク30の散
水ノズル48から蒸発器27に向けて散水され、蒸発器
27の表面が洗浄される。そののち、排湯回収タンク3
0の排湯が完全に排出され、食器洗浄機1がすすぎ可能
な状態とされる。以上のようにして、洗浄作業と温水の
生成とが繰り返し行われる。
【0024】一方、食器洗浄機1は汚れを扱うものであ
るため、毎日業務終了時には洗浄タンク6を全部排水す
るようにしている。したがって毎朝業務を開始する際に
は、温水を新たに洗浄タンク6に供給する必要がある。
この給湯を初期給湯と称しており、以下これについて図
10のタイミングチャートを参照して説明する。この初
期給湯では、容量の大きい洗浄タンク6に温水を貯めね
ばならず、また一度に大容量の温水を供給することが難
しいことから、基本的には以下のような手順で給湯が行
われる。それは、温水生成装置20で生成された温水が
貯湯タンク8に一旦取り込まれ、貯湯タンク8内のフロ
ートスイッチがオンにしたところで、給湯弁9が閉弁さ
れてすすぎサイクルが行われ、すすぎポンプ11が温水
を汲み上げてすすぎノズル4から噴射させて洗浄タンク
6に貯められる。この給湯のサイクルが、洗浄タンク6
内に設けられた図示しない水位センサが検知するまで継
続される。その後、上記の給湯サイクルが予め設定され
た回数だけ実行されて、初期給湯が完了する。
【0025】この初期給湯における温水も同様にヒート
ポンプ21を運転することで生成されるが、初期給湯時
では洗浄タンク6からオーバーフローされる排湯、すな
わち熱源が無いため、そのままでは低圧側が極端に低圧
となった運転か、異常運転(真空運転あるいは液バック
運転)を行ってしまう。低圧側の圧力が小さいと、圧縮
機24自体の仕事量が小さくなり発熱量も小さくなるの
で、満足に温水を生成することが難しく、低圧側の圧力
はある程度の値を維持する必要がある。そのため初期給
湯時には、圧縮機24に付設された容量調整弁52の作
用により、高圧側の冷媒ガスを低圧側にバイパスさせる
ショートサーキット運転を行って、低圧側を昇圧するよ
うにしている。これにより、圧縮機24の仕事量が増大
でき、結果、良好な温水生成能力が得られる。
【0026】温水の生成に話を戻すと、すすぎサイクル
が行われるごとにヒートポンプ21により温水が生成さ
れる。通常そのためには、ヒートポンプ21の運転と停
止とに対応して圧縮機24を断続運転させることになる
が、短周期での運転と停止とを嫌う圧縮機24に対し
て、頻繁な断続運転が予測されるにも拘らずそのままに
しておくのは、品質、信頼性の上から問題がある。そこ
で、初期給湯の際には圧縮機24を運転し続けるように
している。ただし、食器洗浄機1の給湯弁9が間欠的に
閉弁されるとき、ヒートポンプ21の冷凍サイクル側で
は凝縮器25への水流が断たれるから、圧縮機24が連
続運転されていると、僅かな時間でも高圧側の圧力の異
常上昇を招くこととなる。そのため、図10のタイミン
グチャートに示されるように、給湯弁9の閉弁動作に同
期して冷媒電磁弁60を閉弁制御し、その間は、容量調
整弁52によるバイパス冷媒だけで運転する。冷媒電磁
弁60が閉じられると、圧縮機24の低圧側への冷媒の
供給量が減少するため、高圧側の圧力は逆に下がり気味
となり、よって高圧側の圧力の異常上昇が防止される。
【0027】初期給湯は上記のようにして行われるが、
初期給湯では既述したように排湯すなわち熱源が無いま
まに圧縮機24を稼働することになるため、圧縮機24
には液冷媒が戻り気味であり、圧縮機24の温度は低い
ままに留められる。この傾向は冬期等の周囲が低温雰囲
気にある場合により顕著となる。このような状態から、
前述した洗浄作業時において温水を生成すべくヒートポ
ンプ21(圧縮機24)が運転されたとしても、圧縮機
24で生成された熱エネルギがほとんど圧縮機24自身
の温度を上げることに使用されて、温水を生成するため
の熱量が減少することになり、いわゆる立上り特性がき
わめて悪いという結果を招く。
【0028】そこでこの実施形態では、初期給湯の終了
後に連続したショートサーキット運転を行うようにして
いる。すなわち初期給湯が終了した時点では、圧縮機2
4の温度が低く、図8に示すように圧縮機24に設けら
れたサーモスタット62(Th3)が未だ閉じていて引
き続きリレーXAが励磁状態にあるため、図10に示す
ように圧縮機24の運転がさらに継続される。一方、冷
媒電磁弁60は閉弁状態とされる。これにより、冷媒が
正規の配管を通って圧縮機24の低圧側に流入すること
が停止されて、低圧側の圧力が低下した状態となり、そ
の状態で圧縮機24が運転されることになる。そうする
と、圧縮機24の高圧側に吐出された冷媒ガスは、容量
調整弁52を開弁しつつバイパス管51を通って低圧側
に吸引されるといった循環流通を呈し、すなわち連続し
たショートサーキット運転がなされる。このように冷媒
が閉ループで流通される間は圧縮機24で生成される熱
エネルギが発散されることがないので、圧縮機24全体
が短時間で昇温されることになる。例えば圧縮機24
は、2分程度で15℃から50℃まで昇温される。圧縮
機24が設定温度まで昇温されると、サーモスタット6
2(Th3)が開放することで、圧縮機24の運転が停
止され、ショートサーキット運転が停止される。圧縮機
24が昇温された状態にあるので、引き続いて洗浄作業
に入って温水を生成すべくヒートポンプ21が稼働され
た場合に、立上りからヒートポンプ21の性能が十分に
発揮される。
【0029】以上説明したように本実施形態によれば、
初期給湯に続いて、圧縮機24の高圧側の冷媒ガスがバ
イパス管51を通って低圧側に循環供給されるショート
サーキット運転を行うようにしたことにより、短時間で
圧縮機24を昇温することができ、次にヒートポンプ2
1が運転された場合に、その立上りからヒートポンプ2
1の性能が十分に発揮され、温水を良好に生成すること
ができる。なお、ショートサーキット運転の終了の制御
は、上記実施形態の温度検知方式に代えて、タイマを利
用して行うようにしてもよい。また、ショートサーキッ
ト運転を、初期給湯を始める前に行うようにしてもよ
い。
【0030】また立上り時でなくても、ヒートポンプ2
1が長時間運転停止状態に放置されると、放熱により圧
縮機24の温度が低下するため、次にヒートポンプ21
を運転したときには同様に性能が落ちるおそれがある。
そのため、適宜にショートサーキット運転をすることで
圧縮機24を昇温すれば、ヒートポンプ21を常に一定
以上の性能で稼働させることができる。具体的には、圧
縮機24の温度を常時検知していて、圧縮機24の温度
が一定以下になったらショートサーキット運転を行うよ
うにしたり、あるいは、圧縮機24が停止している時間
を計測して、停止時間が一定以上になったらショートサ
ーキット運転を行うようにすればよい。
【0031】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記実施形態では、フロンガスを冷媒として用い
たものを例示したが、他の冷媒を用いて冷凍サイクルを
構成したヒートポンプを使用することも可能である。 (2)また本発明は、食器洗浄機に温水を供給する場合
に限らず、ヒートポンプを用いて温水を生成する装置全
般に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の全体構造を示す概略図
である。
【図2】 温水生成装置の上面から見た断面図である。
【図3】 その正面から見た断面図である。
【図4】 排湯回収タンクの上面から見た断面図であ
る。
【図5】 その正面から見た断面図である。
【図6】 ヒートポンプの冷凍サイクル図である。
【図7】 温水生成装置の制御回路図である。
【図8】 食器洗浄機の制御回路図である。
【図9】 洗浄運転時のタイミングチャートである。
【図10】 初期給湯並びにショートサーキット運転を
示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…食器洗浄機 10…給水管 20…温水生成装置
21…ヒートポンプ 21a…冷媒配管 24…圧縮機 25…凝縮器 26
…膨張弁 27…蒸発器 30…排湯回収タンク 51…バイパス管 52…容量
調整弁 60…冷媒電磁弁 62…サーモスタット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を配
    管接続して冷媒を封入することで冷凍サイクルを構成し
    たヒートポンプを備え、このヒートポンプの蒸発器によ
    り排熱を回収しつつ、前記凝縮器により給水管に給送さ
    れる原水を昇温して温水を生成するようにした温水生成
    装置において、 前記ヒートポンプにおける圧縮機の高圧側と低圧側の間
    に、高圧側の冷媒ガスを低圧側にバイパス可能とするバ
    イパス路を設けるとともに、配管内の冷媒が圧縮機の低
    圧側に流通することを停止する流通停止手段を設け、こ
    の流通停止手段により冷媒の正規の流通を阻止しつつ前
    記圧縮機を運転することにより、冷媒ガスをバイパス路
    を通して循環させるショートサーキット運転を可能とし
    たことを特徴とするヒートポンプを用いた温水生成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス路には、圧縮機の低圧側の
    圧力が所定値以下となったときに開放する調整弁が設け
    られていることを特徴とする請求項1記載のヒートポン
    プを用いた温水生成装置。
  3. 【請求項3】 前記ショートサーキット運転の開始と停
    止時期の少なくともいずれか一方を制御すべく、前記圧
    縮機にはその温度を検知する温度センサが設けられてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のヒー
    トポンプを用いた温水生成装置。
  4. 【請求項4】 前記ショートサーキット運転の停止時期
    を制御すべくタイマ手段を備えていることを特徴とする
    請求項1、請求項2または請求項3記載のヒートポンプ
    を用いた温水生成装置。
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