JPH10116569A - 陰極線管の偏向収差補正方法 - Google Patents

陰極線管の偏向収差補正方法

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JPH10116569A
JPH10116569A JP8270950A JP27095096A JPH10116569A JP H10116569 A JPH10116569 A JP H10116569A JP 8270950 A JP8270950 A JP 8270950A JP 27095096 A JP27095096 A JP 27095096A JP H10116569 A JPH10116569 A JP H10116569A
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Japan
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deflection
magnetic field
electron beam
cathode ray
ray tube
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Masayoshi Misono
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    • H01J29/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the ray or beam, e.g. electron-optical arrangement
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    • H01J2229/00Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
    • H01J2229/58Electron beam control inside the vessel
    • H01J2229/581Electron beam control inside the vessel by magnetic means

Abstract

(57)【要約】 【課題】特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行う
ことなく画面全域で、しかも電子ビーム全電流域におい
てフォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得る陰極
線管の偏向収差補正方法を提供する。 【解決手段】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
法において、前記偏向装置により形成される偏向磁界6
1中に磁性片を設置することで管軸方向に領域分布を持
つ均一磁界を形成し、電子ビームの偏向収差を補正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管に係り、特
に蛍光面の全域でしかも電子ビームの全電流域において
フォーカス特性を向上させて良好な解像度を得ることの
できる電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像管やディスプレイ管等
の陰極線管は、複数の電極から成る電子銃と蛍光面(蛍
光膜を有する画面、以下蛍光膜あるいは単に画面ともい
う)を少なくとも有し、電子銃から出射する電子ビーム
を蛍光面上に走査するための偏向装置を備えている。
【0003】このような陰極線管において、蛍光面の中
心部から周辺部にわたって良好な再生画像を得るための
手段としては従来から次のような技術が知られている。
【0004】例えば、インライン配列された3電子ビー
ムを用いる電子銃のシールドカップの底面にインライン
配列方向と平行に3電子ビームの径路を挟んで上下2枚
の平行平板電極を主レンズ方向に向けて設置したもの
(特公平4−52586号公報)。
【0005】インライン配列された3電子ビームを用い
る電子銃で、インライン配列方向と平行に3電子ビーム
の径路を挟んで上下2枚の平行平板電極を主レンズ対向
部から蛍光面方向に向けて設置することにより、電子ビ
ームが偏向磁界に入る前に電子ビームを整形するもの
(米国特許第4086513号明細書、特公昭60−7
345号公報)。
【0006】電子銃の一部の電極間に静電4重極レンズ
を形成し、電子ビームの偏向に対応して静電4重極レン
ズの強度をダイナミックに変化させて画面全体で画像の
均一化を図ったもの(特開昭51−61766号公
報)。
【0007】予備集束レンズを形成する電極(第2電極
と第3電極)の領域内に非点収差レンズを設けたもの
(特開昭53−18866号公報)。
【0008】インライン配列の3電子ビーム電子銃の第
1電極と第2電極の電子ビーム通過孔を縦長とし、それ
ら各電極形状を異ならせたり、センター電子銃の電子ビ
ーム通過孔の縦横比をサイド電子銃のそれより小さくし
たもの(特開昭51−64368号公報)。
【0009】インライン配列電子銃の第3電極の陰極側
に形成したスリットにより非回転対称レンズを形成し、
スリットの電子銃軸方向の深さをセンタービームの方が
サイドビームよりも深くした少なくとも1個所の非回転
対称レンズを介して蛍光面に電子ビームを射突させるも
の(特開昭60−81736号公報)。
【0010】インライン配列電子銃を用いたカラー陰極
線管で、偏向磁界の漏れ磁界中に軟磁性材を配置して各
電子ビームのインライン配列方向と直角方向に偏向する
ピンクッション磁界を形成することにより、偏向磁界に
よるインラインと直角方向のハローを抑制するもの(特
開昭54−139372号公報)などがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】陰極線管におけるフォ
ーカス特性の要求は、画面の全域でしかも電子ビームの
全電流域での解像度が良好で、かつ低電流域ではモアレ
の発生がなく、さらに全電流域での画面全体の解像度の
均一さである。このような複数の特性を同時に満足させ
る電子銃の設計は高度な技術を要する。
【0012】本発明者等の研究によれば、陰極線管に上
記諸特性を兼備させるためには、非点収差付のレンズと
大口径主レンズの組み合わせをもった電子銃を設けるこ
とが不可欠であることが分かった。
【0013】しかし、上記従来技術においては、電子銃
に非点収差レンズや非回転対称レンズを発生させる電極
を用いて画面全域にわたって良好な解像度を得るために
は電子銃の集束電極にダイナミックなフォーカス電圧を
印加する等の必要があり、偏向磁界中に磁性片を設置し
て均一な磁界を形成することによって偏向収差を補正す
るすることについては考慮されていなかった。
【0014】図24は陰極線管に用いられる電子銃の一
例を説明する一部断面した側面図であって、陰極K、第
1電極(G1)1、第2電極(G2)2、第3電極(G
3)3、第4電極(G4)4、第5電極(G5)5、第
6電極(G6)6および第6電極(G6)6に一体化し
たシールドカップ30とを含む複数の電極から構成され
る。なお、第5電極(G5)5は2つの電極51,52
で構成されている。
【0015】そして、第3電極3と第5電極5にフォー
カス電圧を与え、第6電極6のみに陽極電圧を与えて、
陰極Kと第1電極1および第2電極2からなる所謂3極
部で生成された電子ビームを第3電極3〜第6電極6で
形成される電子レンズで加速、集束して図示しない蛍光
面方向に出射する。
【0016】この電子銃を構成する上記した各電極の長
さ、電子ビーム通過孔の口径等による電界の電子ビーム
に与える影響は全て異なる。例えば、陰極Kに近い第1
電極1の電子ビーム通過孔の形状は小電流域の電子ビー
ムのスポット形状を左右するが、第2電極2の電子ビー
ム通過孔の形状は小電流域から大電流域までの電子ビー
ムのスポット形状を左右する。
【0017】更に、第6電極6に陽極電圧を供給して第
5電極5と第6電極6の間に主レンズを形成するものに
おいては、主レンズを構成する第5電極5と第6電極6
の電子ビーム通過孔の形状は大電流域での電子ビームス
ポット形状には大きな影響を与えるが、小電流域での電
子ビームスポット形状に与える影響は上記大電流域に比
較して小さい。
【0018】さらに、上記電子銃の第4電極4の管軸方
向の長さは最適フォーカス電圧の大きさに影響し、かつ
小電流時と大電流時での各々の最適フォーカス電圧の差
に著しい影響を与えるが、第5電極5の管軸方向の長さ
変化による影響は第4電極4に比較して著しく小さい。
【0019】したがって、電子ビームのもつ各々の特性
値を最適化するためには、各々の特性に最も効果的に作
用する電極の構造を適正化する必要がある。
【0020】また、陰極線管の電子ビーム走査方向と直
角方向の解像度を増すため、電子ビーム走査方向と直角
方向のシャドウマスクピッチを小さくしたり、電子ビー
ム走査線の密度を大きくした場合、特に電子ビームの小
電流域では電子ビームとシャドウマスクとの間で光学的
な干渉が生じるため、モアレコントラストを適正化する
必要がある。しかし、従来の技術では、上記した様々な
問題点を克服することができなかった。
【0021】例えば、図25はフォーカス電圧の与え方
による電子銃の構造比較のための要部断面模式図であっ
て、(a)はフォーカス電圧固定方式、(b)はダイナ
ミックフォーカス電圧方式を示す。
【0022】同図(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃の電極構成は前記図24に示したものと同じであり同
一作用部分は同一符号を付してある。
【0023】同図(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃では、その第5電極5を構成する電極51と52には
同一電位のフォーカス電圧Vf1が印加される。
【0024】一方、同図(b)のダイナミックフォーカ
ス電圧方式の電子銃では、2つの電極51,52で構成
されている第5電極5の上記電極51,52のそれぞれ
に異なるフォーカス電圧が供給される。特に、片方の電
極52にはダイナミックフォーカス電圧dVfが供給さ
れる。
【0025】さらに、このダイナミックフォーカス電圧
方式の電子銃では、同図(b)に示したように他の電極
51内に入り組んだ部分43もあり、同図(a)に示し
た電子銃に比べて構造が複雑で部品のコストが高く、か
つ電子銃として組み立てる場合の作業性が劣るという欠
点がある。
【0026】図26は図25に示した各電子銃に供給す
るフォーカス電圧の説明図であって、(a)はフォーカ
ス電圧固定方式の電子銃におけるフォーカス電圧、
(b)はダイナミックフォーカス電圧方式の電子銃にお
けるフォーカス電圧である。
【0027】すなわち、同図(a)では固定のフォーカ
ス電圧Vf1 が第3電極3と第5電極5(51,52)
に印加され、同図(b)では固定のフォーカス電圧Vf
1 が第3電極3と第5電極5の一方の電極51に印加さ
れると共に、さらに別の固定のフォーカス電圧Vf2
ダイナミックフォーカス電圧dVfを重畳した波形の電
圧を第5電極5の他方の電極52に印加している。
【0028】このため、図25の(b)に示したダイナ
ミックフォーカス電圧方式の電子銃では陰極線管のステ
ムのフォーカス電圧供給用のステムピンが2本必要にな
り、他のステムピンからの絶縁に同図(a)のフォーカ
ス電圧固定方式の電子銃以上の配慮が必要になる。
【0029】したがって、テレビジョン受像機や端末装
置に組み込むためのソケットにも特別な構造を施す必要
があると共に、2系統の固定のフォーカス電源に加え
て、更にダイナミックフォーカス電圧発生回路を必要と
し、テレビジョン受像機や端末装置の組み立てラインで
のフォーカス電圧調整に時間を要するなどの問題があ
る。
【0030】陰極線管では電子ビームの最大の偏向角度
(以下、単に偏向角あるいは偏向量ともいう)はほぼ決
まっているので、蛍光面のサイズが大形化するほど蛍光
面と電子銃の主集束レンズ間の距離が伸び此の領域で作
用する電子ビ−ムの空間電荷反発によるフォーカス特性
低下を助長する。
【0031】従って、空間電荷反発によるフォーカス特
性低下を軽減する手段があれば蛍光面のサイズを縮小し
たような細い電子ビームを得られるので陰極線管の解像
度は向上する。
【0032】偏向角を広げた場合も陰極線管の全長を短
縮できる。現行のテレビジョン受像機(以下、テレビセ
ットと言う)の奥行き寸法は陰極線管の全長に依存して
いるがテレビセットを家具と考えるとその奥行きは短い
のが好ましい。更に、テレビセットメーカなどが沢山の
テレビセットを搬送する場合セットの奥行きの短いのは
輸送効率上好ましい。
【0033】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行う
ことなく画面全域でしかも電子ビーム全電流域において
フォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ることが
できると共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を
有する電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法を提
供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の第1の発明は、複数の電極から成
る電子銃と偏向装置および蛍光面を少なくとも備える陰
極線管の偏向収差補正方法において、前記偏向装置によ
り形成される偏向磁界中に磁性片を設置することで管軸
方向に領域分布を持つ均一磁界を形成し、電子ビームの
偏向収差を補正することを特徴とする。
【0035】また、請求項2に記載の第2の発明は、複
数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光面を少な
くとも備える陰極線管の偏向収差補正方法において、前
記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片を設置
することで管軸方向に偏向量と対応した領域分布を持つ
均一磁界を形成し、電子ビームの偏向量に対応した偏向
収差を補正することを特徴とする。
【0036】さらに、請求項3に記載の第3の発明は、
複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光面を少
なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法において、
前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片を設
置することで偏向磁界の変化に伴い変化する管軸方向の
偏向磁界の変化に伴う領域分布を持つ均一磁界を形成
し、電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補正する
ことを特徴とする。
【0037】そして、請求項4に記載の第4の発明は、
複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光面を少
なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法において、
前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性片を設置すること
で、偏向磁界に対応して管軸方向の領域分布を持つ均一
磁界を各一つ以上形成し、電子ビームの偏向量に対応し
た偏向収差を補正することを特徴とする。
【0038】さらに、請求項5に記載の第5の発明は、
複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光面を少
なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法において、
前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる複数の
磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
にインライン方向と直角方向で電子ビームの上下の位置
に前記磁性材に張り出し部分を設けて非斉一磁界を形成
することにより電子ビームを上下に発散させ、前記平行
に対向する部分で水平偏向磁界をシールドして水平偏向
磁界を極端なバレル状として電子ビームの偏向量に対応
した偏向収差を補正することを特徴とする。
【0039】さらに、請求項6に記載の第6の発明は、
複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光面を少
なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法において、
前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる複数の
磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
にインライン方向と直角方向で電子ビームの上下の位置
に前記磁性材に張り出し部分を設けて非斉一磁界を形成
し、かつ前記磁性材の外側に切り起こしを設けてサイド
ビームのインライン方向左右偏向時のビームスポット形
状のアンバランスを抑制すると共に偏向磁界のコマ収差
補正を行うことを特徴とする。
【0040】さらに、請求項7に記載の第7の発明は、
複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光面を少
なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法において、
前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる複数の
磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
にインライン方向と直角方向で電子ビームの上下の位置
に前記磁性材に張り出し部分を設けて非斉一磁界を形成
し、かつ前記磁性材の外側に切り起こしを設け、前記平
行に対向する部分のサイドビームのセンタービーム寄り
の上下の間隔を短くしてサイドビームのインライン方向
左右偏向時のビームスポット形状のアンバランスを抑制
すると共に偏向磁界のコマ収差補正を行うことを特徴と
する。
【0041】さらに、請求項8に記載の第8の発明は、
複数の電極から成る単一電子銃と偏向装置および蛍光面
を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向
時の電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる一
対の磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分
と共に電子ビームの上下の位置に前記磁性材に張り出し
部分を設けて非斉一磁界を形成することにより電子ビー
ムを上下に発散させ、前記平行に対向する部分で水平偏
向磁界をシールドして水平偏向磁界を極端なバレル状と
して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補正する
ことを特徴とする。
【0042】なお、本発明は、以下の構成とした発明も
含む。
【0043】すなわち、(1)第4の発明における前記
均一磁界が電子ビームを発散する作用をもつことを特徴
とする陰極線管の偏向収差補正方法。
【0044】(2)第4の発明における前記均一磁界が
電子ビームを発散する作用をもち、電子ビームの走査線
と直角方向の偏向量および/または電子ビームの走査線
方向の偏向量に対応した偏向収差を補正することを特徴
とする陰極線管の偏向収差補正方法。
【0045】(3)複数の電極から成る電子銃と偏向装
置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差
補正方法において、前記偏向装置により形成される偏向
磁界中に無偏向時の電子ビーム軌道を挟んで略対称の位
置に磁性片を設置することで、偏向磁界に対応して管軸
方向の領域分布を持つ均一磁界を無偏向時の電子ビーム
の中心軌道を略中心となるように形成し、電子ビームの
偏向量に対応した偏向収差を補正することを特徴とする
陰極線管の偏向収差補正方法。
【0046】(4)(3)における前記均一磁界の領域
分布が電子ビームを収束する作用を持つことを特徴とす
る陰極線管の偏向収差補正方法。
【0047】(5)(3)における前記均一磁界の領域
分布が電子ビームを集束する作用をもち、電子ビームの
走査線と直角方向の偏向量および/または電子ビームの
走査線方向の偏向量に対応した偏向収差を補正すること
を特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
【0048】(6)インライン配列された3電子ビーム
を用いる複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍
光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法に
おいて、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁
性片を設置することで、前記インライン配列方向と直角
方向の無偏向時の各電子ビームの中心軌道を挟んだ位置
に偏向量に対応して電子ビームが発散する作用を持つ均
一磁界を各一つ以上設置することを特徴とする陰極線管
の偏向収差補正方法。
【0049】(7)インライン配列された3電子ビーム
を用いる複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍
光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法に
おいて、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁
性片を設置することで、前記インライン配列方向と直角
方向の無偏向時の各電子ビームの中心軌道を挟んだ位置
に偏向量に対応して電子ビームが発散する作用を持つ均
一磁界分布を各一つ以上設置し、前記インライン配列方
向の無偏向時の各電子ビームの中心軌道を略中心とする
偏向量に対応した電子ビームが集束する作用を持つ均一
磁界を各一つ以上設置することを特徴とする陰極線管の
偏向収差補正方法。 (8)複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光
面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方法にお
いて、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性
片を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道
を挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領
域長さに分布を持つ均一磁界を形成し、電子ビームの偏
向量に対応した偏向収差を補正するとき、上記均一磁界
分布中で電子ビームの鎖交する磁束の最大値と最小値の
差が、偏向磁界中を通過するとき鎖交する磁束の1%か
ら30%の範囲にあることを特徴とする陰極線管の偏向
収差補正方法。
【0050】(9)第1〜第4の何れかの発明、または
上記(5)〜(8)の発明の何れかにおける前記管軸方
向領域分布を持つ均一磁界を形成する磁性片が、偏向磁
界内に軟磁化特性を持つ磁性材料であることを特徴とす
る陰極線管の偏向収差補正方法。
【0051】(10)第1〜第4の何れかの発明、また
は上記(5)〜(8)の発明の何れかにおける前記均一
磁界を形成する磁性片が、偏向磁界内に室温での透磁率
が50以上の軟磁化特性を持つ磁性材料であることを特
長とする陰極線管の偏向収差補正方法。
【0052】(11)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するの磁性片を、管軸上に
おける偏向磁界の最大磁束密度の5%以上の磁界分布に
相当する領域に設置したことを特徴とする陰極線管。
【0053】(12)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記磁性片を、
偏向磁界を発生させるための磁極から50mm以内の位
置に設置したことを特徴とする陰極線管。
【0054】(13)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記磁性片を、
陽極電圧1kVの平方根当たりの偏向磁束密度が0.0
2mT以上の磁界分布に相当する領域に設置したことを
特徴とする陰極線管。
【0055】(14)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正する上記均一磁界が管軸上
における偏向磁界の最大磁束密度の5%以上の磁界をも
つことを特徴とする陰極線管。
【0056】(15)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記均一磁界
が、陽極電圧1kVの平方根当り0.001mT以上の
磁界をもつことを特徴とする陰極線管。
【0057】(16)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記均一磁界を
発生させる磁極の間隔を、上記電子銃の陽極の主レンズ
対向部の走査線と直角方向の開口径の10%以上とした
ことを特徴とする陰極線管。
【0058】(17)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記均一磁界を
発生させる磁極を設置する部分の電極の開口形状を走査
線と直角方向の径が走査線方向の径よりも大としたこと
を特徴とする陰極線管。
【0059】(18)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記均一磁界を
発生させる磁極を設置する部分の電極を、走査線と直角
方向に切欠きを持つ開口形状としたことを特徴とする陰
極線管。
【0060】(19)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記均一磁界を
発生させる磁極を設置する部分の電極を、単一開口形状
としたインライン配列の3電子ビームを用いたことを特
徴とする陰極線管。
【0061】(20)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
挟んだ位置にそれぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域
長さに分布を持つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向
量に対応した偏向収差を補正するための上記均一磁界の
中心部間の距離が、上記電子銃の陽極の主レンズ対向部
の走査線と直角方向の開口径の10%以上としたことを
特徴とする陰極線管。
【0062】(21)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生するための磁極を、管
軸上における偏向磁界の最大磁束密度の0.05%以上
の磁界分布に相当する領域に設置したことを特徴とする
陰極線管。
【0063】(22)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生するための磁極を、偏
向磁界を発生させるための磁極から50mm以内の位置
に設置したことを特徴とする陰極線管。
【0064】(23)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成し、電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生するための磁極を、陽
極電圧1kVの平方根当たりの管軸上における偏向磁界
密度が0.003mT以上の磁界分布に相当する領域に
設置したことを特徴とする陰極線管。
【0065】(24)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界が管軸上における偏向磁界の
最大磁束密度の1%以上の磁界をもつことを特徴とする
陰極線管。
【0066】(25)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための陽極電圧1kVの平方根当たりの上記均一
磁界が0.005mT以上の磁界をもつことを特徴とす
る陰極線管。
【0067】(26)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生させる磁極の間隔が上
記電子銃の陽極の主レンズ対向部の走査線と直角方向の
開口径の10%以上としたことを特徴とする陰極線管。
【0068】(27)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生させる磁極を設置する
部分の電極の開口形状を、走査線と直角方向の径が走査
線方向の径よりも長く設定したことを特徴とする陰極線
管。
【0069】(28)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生させる磁極を設置する
部分の電極を、走査線と直角方向に切欠きを持つ開口形
状としたことを特徴とする陰極線管。
【0070】(29)複数の電極から成る電子銃と偏向
装置および蛍光面を少なくとも備える陰極線管におい
て、前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片
を設置することで、無偏向時の電子ビームの中心軌道を
略中心とする管軸方向の領域長さに分布を持つ均一磁界
を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補
正するための上記均一磁界を発生させる磁極を設置する
部分の電極が単一開口形状であることを特徴とするイン
ライン配列の3電子ビームを用いる陰極線管。
【0071】(30)インライン配列の3電子ビームを
用いる複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光
面を少なくとも備える陰極線管において、前記偏向装置
により形成される偏向磁界中に磁性片を設置すること
で、無偏向時の電子ビームの中心軌道を挟んだ位置にそ
れぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域長さに分布を持
つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏
向収差を補正するための上記インライン配列の電子ビー
ムのうち中央の電子ビームに対する上記均一磁界が脇の
電子ビームに対する上記均一磁界と強度が異なることを
特徴とする陰極線管。
【0072】(31)インライン配列の3電子ビームを
用いる複数の電極から成る電子銃と偏向装置および蛍光
面を少なくとも備える陰極線管において、前記偏向装置
により形成される偏向磁界中に磁性片を設置すること
で、無偏向時の電子ビームの中心軌道を挟んだ位置にそ
れぞれに各1箇所以上の管軸方向の領域長さに分布を持
つ均一磁界を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏
向収差を補正するための上記インライン配列の電子ビー
ムのうち脇の電子ビームに対する上記均一磁界が中央の
電子ビーム寄り側と中央の電子ビームから離れている側
とで分布が異なることを特徴とする陰極線管。
【0073】(32)(11)〜(31)の何れかにお
ける前記均一磁界を形成する磁路を設置する手段として
偏向磁界内に軟磁化特性を持つ磁性材料からなる磁性片
を設置したことを特長とする陰極線管。
【0074】(33)(11)〜(31)の何れかにお
ける前記均一磁界を形成する磁路を設置する手段として
偏向磁界内に室温での透磁率が50以上の軟磁化特性を
持つ磁性材料からなる磁性片を設置したことを特長とす
る陰極線管。
【0075】(34)(11)〜(33)の何れかに記
載の陰極線管を用いたことを特徴とする画像表示装置。
【0076】上記本発明の各発明の構成によれば、以下
に記載したような作用効果が得られる。
【0077】(1)一般に陰極線管では偏向量が増すに
従い偏向収差量が急激に増大する。本発明では偏向磁界
中に位置して電子ビームが偏向されてその軌道が変化す
るとき、電子ビームの集束又は発散作用が変化する管軸
方向領域分布を持つ均一な磁界を磁性片の設置により形
成することで、偏向収差補正が可能になる。
【0078】(2)電子ビームは偏向角度の増加に応じ
てその偏向収差量が増大する。本発明では偏向磁界中に
位置して電子ビームが偏向されてその軌道が変化すると
き、偏向量に応じて偏向収差補正量が増加する管軸方向
に領域分布を持つ均一な磁界を形成することにより、偏
向量に応じて急激に増大する偏向収差の補正が可能にな
る。
【0079】(3)偏向磁界中に位置して電子ビ−ムが
偏向されてその軌道が変化するとき、偏向量に応じて適
切に電子ビームの集束又は発散作用が加速される管軸方
向に領域分布を持つ均一な磁界の一つとして、非偏向時
の電子ビームの軌道を挟んだ位置への対称に分布する管
軸方向に領域分布を持つ均一な磁界設置または偏向の方
向により非対称に分布する均一な磁界設置が有効であ
る。
【0080】非偏向時の電子ビームの軌道から離れるに
従い電子ビームの集束又は発散の作用量が増す。
【0081】なお、本発明で言う管軸方向に領域分布を
持つ均一な磁界とは磁束密度が管軸と直交する方向で均
一でかつ管軸方向に沿って磁束密度の分布が異なる磁界
を意味する。
【0082】非偏向時の電子ビームと、非偏向時の電子
ビームの軌道を挟んで設置されている偏向磁界に対応し
た発散作用を持つ磁界を通過する偏向された電子ビーム
の状態とを比較すると、非偏向時の電子ビームの軌道か
ら離れた部分を通過する電子ビームは磁界中を進行する
に伴い発散し、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビームの
軌道から離れていく。
【0083】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ームの軌道から離れている部分の側が大きい。これは、
非偏向時の電子ビームの軌道からはなれるに従い鎖交す
る磁束の量が管軸に沿って進行するに伴って増すからで
ある。鎖交する磁束の量が増すのは磁力線の間隔が狭く
なる(磁束密度が上がる)か又は並びに磁界の範囲が広
くなるからである。
【0084】一般的に、陰極線管では、電子銃の主レン
ズから蛍光面までの距離は蛍光面中央よりは蛍光面周辺
の方が長いので、偏向磁界に集束又は発散作用が無い場
合には蛍光面中央で電子ビームを最適集束させると蛍光
面周辺では過集束となる。
【0085】本発明では、管軸方向に領域分布を持つ均
一磁界を偏向磁界中に形成することにより、偏向量が増
すと該均一磁界の管軸方向領域分布による発散作用が増
加して電子ビームの蛍光面周辺での過集束を軽減出来る
ことにより、偏向量に対応して偏向収差補正が可能にな
る。
【0086】本発明では、偏向磁界が電子ビームの集束
作用を持つ場合には、更に強度を増した傾向をもつ管軸
方向に領域分布を持つ均一磁界を偏向磁界内に形成する
ことにより、偏向量が増すときの該均一磁界の領域分布
による発散作用の増加が偏向磁界による集束作用の増加
を上回ることが可能になり、前記陰極線管の構造に起因
する蛍光面周辺の電子ビームの過集束現象も含めた偏向
収差の補正を可能にする。
【0087】(4)図27は電子ビームの蛍光膜上の集
束状態の説明図であって、5は第5電極、6は第6電
極、13は蛍光膜、38は主レンズを示す。
【0088】また、図28は陰極線管の蛍光面(スクリ
ーン)を構成するパネル部に形成される走査線の説明図
であって、14はパネル部、60は走査軌跡を示す。
【0089】陰極線管の偏向は同図に示したように電子
ビームを直線状に走査させる方法が多い。直線状の走査
軌跡60を走査線と呼んでいる。
【0090】偏向磁界は走査線の方向(X−X)と走査
線と直角な方向(Y−Y)とでは異なる場合が多い。ま
た、上記偏向磁界中に形成する管軸方向に領域分布を持
つ均一磁界の作用を大きく受ける前に、前記複数の電子
銃電極の少なくとも一つの作用により、電子ビームは、
その走査線方向と走査線と直角方向の集束作用とが異な
る場合も多い。
【0091】更に又、陰極線管の使途によって走査線方
向の偏向収差補正を重視するか、走査線と直角方向の偏
向収差補正を重視するかは重み付けが異なる。偏向収差
の走査線との方向対応、補正の内容、補正の量にそれぞ
れ対応する技術的手段は必ずしも同一でなく、要する価
格も異なるので、それぞれに適切に対応する手段は異な
る場合が多く、本発明ではそれらに適合する。
【0092】(5)非偏向時の電子ビームの軌道を略中
心とする偏向磁界に対応した集束作用を持つ管軸方向に
領域分布を持つ均一磁界を持つ場合、非偏向時の電子ビ
ームと偏向されて非偏向時の電子ビーム軌道から離れた
部分を通過する電子ビームとを比較すると、非偏向時の
電子ビーム軌道から離れた部分を通過する電子ビームが
進行するに伴い偏向されない電子ビームに比べて集束量
が大きく、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビームの軌道
から離れていく。
【0093】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ームの軌道から離れている側が小さい。これは非偏向時
の電子ビームの軌道からはなれるに従い鎖交する磁束の
量が減るからである。鎖交する磁束の量が減るのは、磁
力線の間隔が広くなる(磁束密度が下がる)又は並びに
磁界の領域が狭くなるからである。
【0094】偏向磁界が電子ビームの発散作用をもつ場
合、偏向量が増すと集束作用が増加して電子ビームの蛍
光面周辺での過集束を軽減出来るような上記均一な磁界
を偏向磁界内に形成することにより、偏向量に対応して
前記図26で説明したような偏向収差補正が可能にな
る。
【0095】偏向収差の走査線との方向対応、補正の内
容、補正の量にそれぞれ対応する技術的手段は必ずしも
同一でなく、要する価格も異なるのでそれぞれに適切に
対応する手段は異なる場合が多く、本発明ではそれらに
適合する。
【0096】(6)3電子ビームを水平方向にインライ
ン配列したカラー陰極線管では、蛍光面上での3電子ビ
ームの集中を制御する回路の簡便化を図るため、後述す
る図23に示したように垂直偏向磁界にはバレル形の磁
力線分布、水平偏向磁界にはピンクッション形の磁力線
分布をそれぞれ用いている。
【0097】インライン配列の3電子ビームのうち、両
脇電子ビームが垂直偏向磁界により受ける偏向収差の量
は垂直偏向磁界の強さと水平偏向の方向により異なる。
例えば、蛍光面側から陰極線管を見て、インラインの右
側電子ビームが蛍光面の左に偏向する場合と右に偏向す
る場合では通過する偏向磁界の磁束分布が違うので偏向
収差量が異なり、蛍光面上での左右端で画質が変る。
【0098】これを抑制するには、脇電子ビームでは電
子銃の中心から右側と左側の電子軌道を通る場合の電子
ビームの集束又は発散作用の量が異なる状態が必要であ
る。本発明の如く、インラインの脇電子ビームでは電子
銃の中心から右側と左側の磁界の分布の異なる管軸方向
に領域分布を持つ均一磁界を偏向磁界中に形成すること
が有効である。
【0099】非偏向時の電子ビーム軌道の位置を挟んで
異なった強度を持つ偏向磁界に対応した発散作用を持つ
上記均一磁界を持つ場合、偏向された電子ビームは磁界
中を進行するに伴い非偏向時の電子ビームに比べて発散
量が大きく、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビーム軌道
から離れていく。
【0100】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ーム軌道から離れている側が大きい。これは、非偏向時
の電子ビーム軌道から離れるに従い鎖交する磁束の量が
増すからである。鎖交する磁束の量が増すのは磁力線の
間隔が狭くなるか又は並びに磁界の範囲が広くなるから
である。磁力線の間隔の狭くなり方が急激な程又は並び
に磁界の範囲の広がり方が急激な程、顕著である。
【0101】これに対して、非偏向時の電子ビーム軌道
から離れるに従い、磁力線の間隔の狭くなり方の少ない
方の又は並びに磁界の範囲の広がり方の少ない方の磁界
側では、偏向された電子ビームは磁界中を進行するに伴
い偏向されない電子ビームに比べて発散量が大きく、か
つ全体軌道も非偏向時の電子ビーム軌道から離れてい
く。
【0102】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ーム軌道から離れている側が大きいが、変化の仕方は、
前記非偏向時の電子ビーム軌道から離れるに従い、磁力
線の間隔の狭くなり方が多い又は並びに磁界の範囲の広
がり方が大きい方向の軌道変化に比べて少ない。これ
は、非偏向時の電子ビーム軌道から離れるときの鎖交す
る磁束の量の増し方が少ないからである。鎖交する磁束
の量の増し方が少ないのは、磁力線の間隔の狭くなり方
が少ない又は並びに磁界の範囲の増し方が少ないからで
ある。
【0103】したがって、偏向量が増すと該磁界による
発散作用が偏向の方向により異なりながら増加するよう
な磁界を偏向磁界内に形成することにより、偏向収差補
正が可能になる。
【0104】偏向磁界が電子ビームの発散作用を持ち偏
向の方向により偏向収差が異なる場合の電子ビームは、
後述する図4に示したような傾向をもつ磁界を偏向磁界
内に形成することにより、偏向量が増すとき該磁界によ
る集束作用が偏向の方向により異なりながら増加して偏
向収差補正が可能になる。
【0105】(7)管軸方向に領域分布を持つ均一な磁
界を偏向磁界中に形成することにより蛍光面全体での解
像度の均一性向上を図るためには、該磁界中でも電子ビ
ームの軌道が偏向方向に必要量の分布を持つ磁界の領域
を通過するように偏向される必要がある。従って上記均
一な磁界は偏向磁界との位置関係に制約される。
【0106】同時に、偏向収差を補正する効果は偏向磁
界中に形成する上記均一な磁界の磁束の量に依存する。
磁束の量は磁束密度と磁界の範囲に依存する。前記磁界
は磁性片で構成される少なくとも二つの磁極間で発生さ
せる。前記磁束密度並びに範囲は前記少なくとも二つの
磁極の構造、位置、並びに磁極内の磁束密度の組合せに
より決まるので一意的ではないが、上記磁界中を通過す
るときの実用的な電子ビームの太さ、実用的な前記磁束
密度などの制約を受ける。
【0107】前記磁界は磁性片で構成される少なくとも
二つの磁極間で発生させるが、前記偏向量に対応して偏
向収差を補正する磁極、すなわち前記均一磁界を形成す
る磁極を偏向収差補正磁極と呼ぶ。この偏向収差補正磁
極は複数あってもよく、数量の制限はなく、また他の電
極の一部に作用を持たせてもよい。
【0108】周知のように、偏向に必要な磁束の量は蛍
光面の電圧に依存し、蛍光面電圧の平方根で除すること
により正規化できる。この値を用いると前記均一の磁界
中での電子ビームの軌道が明確になり磁界設定の精度が
向上し、適切な偏向収差補正を可能にする。
【0109】必要な磁束は前記均一な磁界の範囲と磁束
密度とに依存し、前記磁界の範囲が広いほど必要な磁束
密度は少なくてもよい。管軸方向に領域分布を持つ均一
な磁界の磁束密度は隣接する磁極対の位置関係、磁極中
での磁束密度並びに上記均一な磁界を形成する偏向収差
補正磁極自体の構造にも依存する。前記隣接する磁極対
との位置関係が接近するほど電子ビーム近傍の磁界は強
くなるが、距離はゼロにはできない。
【0110】前記隣接する磁極中の磁束密度を増すこと
で磁界は強くできる。しかし、該磁界の大幅な増加は電
子ビームが偏向をあまり受けない軌道、すなわち電子ビ
ームが該陰極線管の蛍光面の中央近傍に射突する場合に
も管軸方向に領域分布を持つ均一な磁界の影響で多量に
歪んでしまい、蛍光面中央近傍の解像度低下を無視でき
なくなる。従って隣接する磁極中の磁束密度には制限が
ある。
【0111】上記均一な磁界を形成する偏向収差補正磁
極対の間隔を狭めれば僅かな軌道の変化でも電子ビーム
の集束又は発散が生ずるという期待もあるが、電子ビー
ムの太さまで考えると、実用的には上記均一な磁界を形
成する磁性片の磁極対の間隔は0.5ミリメートル程度
が限界である。これらを考慮して、本発明では、該陰極
線管の最大偏向角が100度以上の場合は、前記正規化
した磁束密度が蛍光面電圧の1キロボルトの平方根あた
り0.02ミリテスラ(mT)以上にすれば効果を発揮
できる。
【0112】前記磁極の蛍光面側が陰極線管の管軸方向
に入り組んでいる場合は前記距離は最も長い部分であ
る。
【0113】(8)該陰極線管の偏向磁界の分布は偏向
装置の構造に制約される。最大偏向角が決まれば前記蛍
光面電圧の平方根で正規化された磁束のうち、管軸上の
最大の磁束密度の値もほぼ決まる。前記管軸方向に領域
分布を持つ不均一な磁界を偏向磁界中に形成する位置の
設定としては、最大磁束密度の所定のレベル以上の領域
という設定方法がある。
【0114】この方法は前記磁束密度の絶対値で設定す
る場合に比べ磁束密度の測定を著しく簡便化できる。即
ち、最大磁束密度との相対値比較で十分であり、実用上
大変有為である。但し、磁束密度の最大値は前記磁性材
料の形状によって変わるのでこの部分は誤差となるが実
用上支障ない。
【0115】本発明では、該陰極線管の最大偏向角が1
00度以上の場合は、前記(7)で述べた磁性片で構成
される磁極並びに磁極対の位置関係の制限を考慮して、
前記磁束密度のレベルは上記均一な磁界を形成する磁極
の蛍光面側の端部で管軸上の最大磁束密度の5%以上に
すれば実用上支障ない範囲で効果を発揮できる。
【0116】(9)磁束密度は磁路の透磁率に依存する
ため、偏向磁界を発生させるコイルのコアを形成する磁
性材料からの位置と密接に対応する。必要磁束密度の領
域を示す方法の一つは、前記均一な磁界を形成する磁性
片の磁極と前記磁性材料間の距離がある。この方法は、
偏向磁界を発生させるコイルのコア位置さえ分かれば磁
束密度の測定を省略できるので、実用上大変有為であ
る。
【0117】但し、磁束密度の分布は前記磁性材料の形
状によって変わるのでこの部分は誤差となるが実用上支
障ない。
【0118】本発明では、該陰極線管の最大偏向角が1
00度以上の場合は、前記(7)で述べた磁性片で構成
される磁極並びに磁極対の位置関係の制限を考慮して、
前記磁性材料の蛍光面から離れる側の端から前記均一な
磁界を形成する磁極の蛍光面側の端部までの距離は50
ミリメートル以内にすれば実用上支障ない範囲で効果を
発揮できる。
【0119】前記偏向収差補正磁極の蛍光面側が陰極線
管の管軸方向に入り組んでいる場合は前記距離は最も長
い部分である。
【0120】(10)同様にして、本発明では該陰極線
管の最大偏向角が100度未満の場合は、前記(7)に
相当する正規化された磁束密度は蛍光面電圧1キロボル
トの平方根あたり0.004ミリテスラ以上が効果を発
揮できる。前記(8)に相当する磁束密度は10%以上
が実用上支障ない範囲で効果を発揮できる。前記(9)
に相当する距離は35ミリメートル以内が実用上支障な
い範囲で効果を発揮できる。
【0121】(11)陰極線管では、陰極線管全体や使
用する電子銃の、構造、作り易さ並びに使い勝手などの
実用的なことを考えると、前記均一な磁界はその強度を
無制限に増すことはできない。
【0122】本発明では、使い易さも考えて比較的強度
の低い磁界でも効果を発揮するためには電子ビームは該
領域で適度な太さが必要である。一般的に陰極線管のう
ちで電子ビームの径が大きいのは主レンズ近傍である。
従って、前記均一な磁界を形成する偏向収差補正磁極の
位置は主レンズからの距離に制約される。
【0123】更に、これを主レンズ部より極端に陰極側
に設置すると主レンズの集束作用で非点収差が相殺され
易く、又電子銃電極の一部に電子ビームの一部が射突す
る不具合が生じやすくなる。
【0124】該陰極線管の最大偏向角の85度未満のも
のや電子ビームが単一なもの、更には磁界による電子ビ
ームの集束をも利用するものなどの条件を考えあわせる
と、本発明では前記均一な磁界を形成する磁極の蛍光面
に近い側端部と該陰極線管の該電子銃陽極の主レンズ対
向面間の距離は、前記端部が前記電子銃陽極の主レンズ
対向面間よりも蛍光面側に向けて前記電子銃陽極の集束
電極対向部の走査線と直角方向の開孔径の5倍以下か又
は180ミリメートル以下、陰極側に向けて前記開口径
の3倍以下又は108ミリ以下の範囲が効果を発揮でき
る。
【0125】(12)本発明では、前記均一な磁界領域
で効果を発揮するためには偏向磁界の磁束密度が必要量
存在することが条件である。前記偏向収差補正磁極を形
成する磁性片は軟磁性材料で構成すればよいが、前記偏
向収差補正磁極の少なくとも一部を高透磁率の磁性材料
で構成すれば該磁界領域の磁束密度をより高める手段と
なり更に偏向収差の補正が良好になる。
【0126】(13)本発明では、前記偏向収差補正磁
極の構造は電子ビーム径路への近接配置が必要である。
そのための一つの手段としては、電子ビームの径路の一
部を挟む構造の設置である。前記(3)で述べたよう
に、非偏向時の電子ビームの軌道を挟む位置への対称に
分布する偏向磁界に対応した前記均一な磁界設置または
偏向の方向により非対称に分布する不均一な磁界設置が
ある。
【0127】前記2種類の均一磁界の形成は前記磁性片
の磁極の構造により可能である。一般的に陰極線管の電
子銃電極部品は金属板をプレス加工して製作する。
【0128】近年陰極線管のフォーカス特性が著しく向
上し、前記電極部品に要求される精度は高く、前記偏向
収差補正磁極も例外ではない。大量生産の場合、前記偏
向収差補正磁極をプレス部品にすることにより、加工精
度が高くコストの低い部品を製作できる。
【0129】陰極線管の偏向では前記のように走査線を
形成するものが多い。走査線方式の偏向を行う陰極線管
では蛍光面の形状が略矩形の場合が多く、走査も前記矩
形の辺に略平行の場合が一般的で、該陰極線管では対応
する画像表示装置ヘの組込易さもあって蛍光面を設置す
る真空外囲部の外形も蛍光面に合わせた略矩形である。
【0130】従って本発明では、前記2種類の均一磁界
は走査線に対応する構造、蛍光面の形状に対応する構造
が画像形成には都合がよい。前記均一磁界は走査線と同
じ方向か走査線と直角の2方向が考えられるが、該陰極
線管の使われ方にも関係し一意的に決まるものではな
い。
【0131】(14)本発明では、前記磁極の間隔は、
形成する磁界強度と当該箇所の電子ビームの軌道に密接
に関係し、間隔が極端に大きいと効果が低減する。
【0132】陰極線管を画像表示装置に用いる場合の装
置の奥行きは、該陰極線管の管軸の長さに制約されて自
由に短くすることはできない。
【0133】その一つの対応手段は該陰極線管の最大偏
向角の増量である。現時点で実用化されている最大偏向
角は、単電子ビームの陰極線管の場合114度、インラ
イン3電子ビームの陰極線管でも同程度である。
【0134】今後更に増加の傾向にあるが、最大偏向角
の増量は偏向磁界の最大磁束密度を加速度的に増加させ
る。実用的には陰極線管のネック部の径に制約される。
【0135】前記ネック部の径は偏向磁界を発生させる
電力を節約させる点、前記偏向磁界を発生させる機構部
の材料を節約させる点などで外径が最大40ミリメート
ル程度が使いやすい。
【0136】一般に、電子銃の電極の最大径は該陰極線
管のネック部の内径より小さく、かつネック部の肉厚は
機械的強度、絶縁性、及びX線の漏洩防止などのため数
ミリメートルの厚さが必要である。
【0137】本発明では、前記(7)で述べた電極並び
に電界関係の制限をも考慮して、偏向磁界中に偏向磁界
に対応して管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を形成す
ることにより偏向収差を補正するための磁性片の磁極に
おける前記間隔の走査線方向又は走査線と直角方向の最
も狭い部分の最適距離は、該電子銃の陽極の集束電極と
対向する部分の前記走査線と直角方向の開口径の1.5
倍以下か、0.5から30ミリメートルの間にすること
によりコストメリットが良くかつ特性効果を発揮でき
る。
【0138】(15)本発明では、電子ビームの径路を
挟んで対向する磁極構造によっても上記の均一な磁界の
形成は可能である。
【0139】特に、該陰極線管が多品種少量生産の場
合、高価なプレス金型を各仕様に合わせて作るのはコス
ト高となる。磁極はプレス加工で整形するよりは、やや
精度が劣るが薄い板状材料を切断またはエッチングする
ことで容易に製作できる。これにより、高価なプレス金
型が不要なので多品種少量生産でもコストの低い部品を
製作できる。
【0140】本発明では、前記磁性片の磁極の対向部の
最適寸法範囲は前記(14)の磁極の間隔とほぼ同様で
あるが、対向する構造なので二つの磁極間の距離がゼロ
は含まれない。更に、対向する方向は前記(14)と同
様に走査線方式の偏向を行う陰極線管では走査線方向又
は並びに走査線と直角方向に対応すれば具合が良い。 (16)前記偏向磁界に対応して変化する管軸方向に領
域分布を持つ均一な磁界を形成する偏向収差補正磁極が
偏向量の増加に対応して発散作用を増して偏向収差補正
する場合は、前記磁極の対向部間の磁界はその近傍の集
束作用を持つ偏向磁界よりも高磁束密度にする必要があ
る。
【0141】本発明では、前記磁性片の磁極の形状によ
り対向部間の磁界をその近傍の偏向磁界より強くするこ
とにより達成する。この場合磁極の対向部間には導電体
で形成された電極がなくともよい。
【0142】前記磁極を十分な磁束密度をもつ偏向磁界
内に設置し、磁極の構造、対向部間の距離を選ぶことに
より磁路を形成して、前記磁極の対向部間に偏向磁界の
変化に対応した管軸方向に領域分布を持つ強い均一な磁
界を形成することができる。前記偏向磁界に対応した上
記均一な磁界を形成する手段の一つとして本発明では、
陰極線管内部又は並びに外部に軟磁化特性をもつ強磁性
体からなる磁路を形成する。
【0143】前記偏向磁界に対応した上記均一な磁界は
該陰極線管の外部から調整可能にすると偏向収差の補正
はより精度を向上できる。
【0144】(17)前記(11)で述べたように、偏
向磁界内に偏向磁界に対応した管軸方向に領域分布を持
つ不均一磁界を形成して偏向収差を補正する場合、実用
性から上記の均一磁界は比較的強度の低い磁界でも効果
を発揮するのが好ましく、そのために電子ビームは該領
域で適度な太さが必要である。
【0145】一般的に、陰極線管のうちで電子ビームの
径が大きいのは主レンズ近傍である。前記偏向収差補正
磁極の位置は主レンズからの距離に制約されるが、適用
偏向磁界、電子銃の構造、広い電子ビーム電流範囲への
対応と特定電子ビーム電流域への対応では自ずと磁極構
造も異なるため上記主レンズからの距離は一意的ではな
い。
【0146】陰極線管において、特にインライン型カラ
−受像管やカラー表示管などでは、一般にコンバーゼン
ス調整の簡便化から電子ビームの偏向磁界は非斉一であ
る。このような場合、偏向磁界による電子ビームの歪み
を抑制するために主レンズは可能な限り偏向磁界発生部
より離した方が良いため、通常、偏向磁界発生部は電子
銃の主レンズよりも蛍光面に近い位置に設置する。
【0147】(18)本発明では、偏向磁界中に偏向磁
界に対応した管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を形成
して偏向収差補正をするとき、上記非斉一の偏向磁界に
よる電子ビームの歪みを予め見込んで上記均一磁界を形
成することにより偏向磁界発生部と主レンズの接近を可
能にする。
【0148】本発明では、該陰極線管の最大偏向角が1
00度以上の場合は、前記偏向磁界を発生させるコイル
のコアを成す磁性材の蛍光面から離れる側の端部と電子
銃陽極の集束電極対向面との最適距離は60ミリメート
ル以内である。
【0149】(19)一方、電子銃の陰極から主レンズ
間の長さは、電子銃の像倍率を縮小して蛍光面上のビー
ムスポット径を小さくするためには、長い方が良い。
【0150】従ってこれらの2つの作用に対応した解像
度の良い陰極線管は必然的に管軸長が長くなる。
【0151】しかし、本発明により、電子銃の陰極から
主レンズまでの間の長さを変化させない状態で主集束レ
ンズの位置を蛍光面に近付けることで、電子銃の像倍率
は更に縮小して蛍光面上の電子ビームスポット径を更に
小さく出来、同時に管軸長も短縮できる。
【0152】(20)主レンズの位置が蛍光面に近付く
ことにより、電子ビーム中の空間電荷の反発の持続する
時間が短縮されるので、蛍光面上のビームスポット径を
更に小さく出来る。
【0153】(21)上記(18)から(20)と同様
な内容を更に高精度で実施するために本発明では、該陰
極線管の最大偏向角が100度以上の場合での前記偏向
磁界と前記主レンズ間の最適距離は、前記偏向磁界のう
ち走査線方向又は並びに走査線と直角方向に偏向する磁
界の管軸上における最大磁束密度の10%以上の磁界中
に前記電子銃の主レンズ対向部が含まれる部分があるこ
とである。
【0154】(22)上記(18)から(21)と同様
な内容を更に又高精度で実施するために本発明では、該
陰極線管の最大偏向角が100度以上の場合での偏向磁
界と前記主レンズ間の最適距離は、前記陰極線管の蛍光
面電圧をEボルト、電子銃陽極の主レンズ対向部で前記
偏向磁界のうち走査線方向または走査線と直角方向に偏
向する磁界の磁束密度をBテスラとするとき、BをEの
平方根で除した値が陽極電圧1キロボルトあたり0.0
04ミリテスラ以上の部分を含むことである。 (23)上記(18)から(22)と同様な内容で該陰
極線管の最大偏向角が85度以上で100度未満の場合
での本発明における偏向磁界と該電子銃の主レンズ間の
最適距離は、上記(18)から(20)に相当する部分
が40ミリメートル以内、上記(21)に相当する部分
が15%以上、上記(22)に相当する部分が0.00
3ミリテスラ以上である。
【0155】(24)上記(18)から(22)と同様
な内容で該陰極線管の最大偏向角が85度未満の場合で
の本発明における偏向磁界と該電子銃の主レンズ間の最
適距離は、上記(18)から(20)に相当する部分が
170ミリメートル以内、上記(21)に相当する部分
が5%以上、上記(22)に相当する部分が0.000
5ミリテスラ以上である。
【0156】(25)上記(18)から(24)で見ら
れるように、従来技術と異なり本発明では偏向磁界と該
電子銃の主レンズ間の最適距離を短縮出来る。
【0157】本発明での該陰極線管のネック部と前記電
子銃の主レンズとの最適位置は、前記電子銃陽極の主レ
ンズ対向面の位置が前記ネック部の蛍光面側端部を基準
として蛍光面と反対側15ミリメートルよりも蛍光面側
である。
【0158】従来技術では電子銃主レンズの位置を偏向
磁界から離していたため、電子銃陽極への電圧供給は該
陰極線管のネック部内壁から行っている。
【0159】本発明では、電子銃主レンズの位置を偏向
磁界から離す必要がなくなり蛍光面に近付けて設置でき
るため、該陰極線管のネック部内壁以外から電子銃陽極
への電圧供給が可能になる。
【0160】陰極線管においては、狭い空間に高電界を
形成するため品質を安定させるためには耐電圧特性の安
定化が重要技術の一つである。最大の電界強度は電子銃
主レンズ近傍である。付近の電界は電子銃陽極への電圧
を供給する該陰極線管のネック部内壁に塗布された黒鉛
膜や、陰極線管内に残留する異物のネック部内壁への付
着にも依存する。
【0161】本発明では、電子銃主レンズをネック部よ
り蛍光面側に設定することも可能であり耐電圧特性を著
しく安定化出来る。
【0162】(26)電子ビームスポットが蛍光面の中
央に位置する時は偏向磁界の影響を受けないので、偏向
磁界による歪み対策は不要になるため電子銃のレンズ作
用は回転対称の集束系となり、蛍光面上での電子ビーム
スポット径をより小さくすることが出来る。
【0163】(27)本発明では、前記偏向磁界内に偏
向磁界に対応した管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を
形成して偏向収差を補正するのに加え、電子銃の一部の
電極に偏向に対応したダイナミックな電圧を印加するこ
とでより一層螢光面の全域で適正な電子ビームの集束作
用が可能になり螢光面の全域で解像度が良好な特性を得
られる。更に必要な前記ダイナミック電圧を低くするこ
とも可能になる。
【0164】(28)本発明では、前記偏向磁界内に偏
向磁界に対応した管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を
形成して偏向収差を補正するのに加え、電子銃を構成す
る複数の電極で構成される複数の静電レンズの作る電界
の少なくとも一つを非回転対称電界とすることにより、
螢光面の画面中央部の大電流域での電子ビームスポット
の形状を略円形または略矩形とし、かつ電子ビーム走査
方向に作用する適正フォーカス電圧が走査方向と直角方
向に作用する適正フォーカス電圧より高いフォーカス特
性を有する静電レンズと、上記螢光面中央部での小電流
域の電子ビームスポットの走査方向径より走査方向と直
角方向の径を走査方向と直角方向のシャドウマスクピッ
チや走査線密度に適合させ、かつ走査方向に作用する適
正フォーカス電圧が走査方向と直角方向に作用する適正
フォーカス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レ
ンズが形成され、これらの非回転対称電界によるレンズ
は電子ビームを螢光面の画面上の全域でしかも全電流域
においてモアレのない良好なフォーカス特性をもたら
す。
【0165】(29)なお、本発明において使用してい
る「非回転対称」とは、円の如く回転中心から等距離の
点の軌跡で表されるもの以外を意味する。たとえば「非
回転対称」のビームスポットとは非円形のビームスポッ
トのことである。
【0166】(30)前記(25)で述べたように、本
発明では前記偏向磁界内に偏向磁界に対応した管軸方向
に領域分布を持つ均一磁界を形成して偏向収差を補正す
るため従来技術に比べて電子銃の主レンズを該陰極線管
に用いる偏向磁界に近接して使用出来る。
【0167】前記電子銃の主レンズにも前記偏向磁界が
浸透するので、前記主レンズよりも蛍光面に近い電極で
は電子ビームが射突しない構造が不可欠である。複数の
電極を持つインライン配列された3電子ビームを用いる
前記電子銃の場合における本発明の最適設計は、シール
ドカップの3電子ビームが通過する孔の仕切りのない前
記3電子ビーム共通の単一孔である。
【0168】同時に、前記偏向磁界内に偏向磁界に対応
した管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を形成して偏向
収差を補正する磁極を前記シールドカップの底面にある
電子ビームが通過孔よりも蛍光面側に設置する場合は、
前記磁極の対向部に相当する部分が空間であることが偏
向時の電子ビームの軌道が前記管軸方向に領域分布を持
つ均一磁界の中により入って行っても前記磁極を取り付
けてある電極に電子ビームが射突するポテンシャルが下
がり、前記偏向磁界に対応した上記の均一磁界の効果を
助長して蛍光面全域での解像度の均一性向上を可能にす
る。
【0169】(31)本発明では、複数の電極を持つ電
子銃としてインライン配列された3電子ビームを用いて
前記偏向磁界内に偏向磁界に対応した管軸方向に領域分
布を持つ均一磁界を形成して偏向収差を補正するため
に、前記偏向磁界に対応した上記の均一磁界を形成する
磁極の前記3電子ビームのうち中央電子ビームに対応す
る部分と脇電子ビームに対応する部分とを異なる構造に
することにより蛍光面上での前記3電子ビーム間の解像
度のバランス調整が出来る。
【0170】さらに、前記偏向磁界に対応した管軸方向
に領域分布を持つ均一磁界を形成する磁極の前記3電子
ビームのうち前記脇電子ビームに対応する部分をインラ
イン方向の中央電子ビーム側と逆側では異なった構造に
することにより、偏向磁界によるコマ収差を低減出来
る。
【0171】以上、本発明の個々の技術の効果について
述べたが、前記技術を二つ以上組み合わせることによ
り、該陰極線管では更に蛍光面全域での解像度の均一化
向上、および蛍光面中央での全電流域で解像度の向上、
並びに陰極線管の管軸短縮が可能になる。
【0172】更に、上記陰極線管を用いることで、蛍光
面全域での解像度の均一化向上、および蛍光面中央での
全電流域で解像度の向上、並びに奥行きの短い画像標示
装置が可能になる。
【0173】次に、本発明による電子銃を用いたことに
よる陰極線管のフォーカス特性と解像度が向上されるメ
カニズムを説明する。
【0174】図21はインライン型電子銃を備えたシャ
ドウマスク方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図
であって、7はネック、8はファンネル、9はネック7
に収納した電子銃、10は電子ビーム、11は偏向ヨー
ク、12はシャドウマスク、13は蛍光面を構成する螢
光膜、14はパネル(画面)である。
【0175】同図において、この種の陰極線管は、電子
銃9から発射された電子ビーム10を偏向ヨーク11で
水平と垂直の方向に偏向させながらシャドウマスク12
を通過させて螢光膜13を発光させ、この発光によるパ
ターンをパネル14側から画像として観察するものであ
る。
【0176】また、図22は画面の中央部で円形となる
電子ビームスポットで画面の周囲を発光させた場合の電
子ビームスポットの説明図であって、14は画面、15
は画面中央部でのビームスポット、16は画面の水平方
向(X−X方向)端でのビームスポット、17はハロ
ー、18は画面垂直方向(Y−Y方向)端でのビームス
ポット、19は画面対角方向(コーナ部)端でのビーム
スポットを示す。
【0177】また、図23は陰極線管の偏向磁界分布の
説明図であって、Hは水平偏向磁界分布、Vは垂直偏向
磁界分布を示す。
【0178】最近のカラー陰極線管では、コンバーゼン
ス調整を簡略化するために図23に示したように水平偏
向磁界Hをピンクッション形、垂直偏向磁界Vをバレル
形の非斉一磁界分布を用いている。
【0179】このような磁界分布のためと、螢光面(画
面)中央部とその周囲とでは電子ビーム10の電子銃の
主レンズから蛍光面に至る軌道長が異なることのため
と、かつ画面周辺部では電子ビーム10は螢光膜13に
対して斜めに射突するために、画面の周辺部では電子ビ
ーム10による発光スポットの形状は円形ではなくな
る。
【0180】前記図22に示したように、水平方向端に
おけるビームスポット16は中央部でのスポット15が
円形であるのに対し横長となり、かつハロー17が発生
する。このため、水平方向端のビームスポット16の大
きさが大となり、かつハロ−17の発生でスポット16
の輪郭が不明瞭となって解像度が劣化し画像品質を著し
く低下させてしまう。
【0181】さらに、電子ビーム10の電流が少ない場
合は、電子ビーム10の垂直方向の径が過剰に縮小して
シャドウマスク12の垂直方向のピッチと光学的に干渉
を起こし、モアレ現象を呈すると共に、画質の低下をも
たらす。
【0182】また、画面垂直方向端におけるスポット1
8は、垂直方向の偏向磁界によって電子ビーム10が上
下方向(垂直方向)に集束されて横つぶれの形状となる
と共にハロー17が発生して画質の低下をもたらす。
【0183】画面のコーナ部での電子ビームスポット1
9は、上記スポット16のように横長となるのと、上記
スポット18のように横つぶれになるのとが相乗的に作
用するのに加え、電子ビーム10の回転が生じ、ハロー
17の発生はもとより、発光スポット径自身も大きくな
って、著しく画質の低下をもたらす。
【0184】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例の図面を参照して詳細に説明する。陰極線管
では偏向量が増すに従い前記図したように、偏向収差量
が急激に増大する。
【0185】本発明は、偏向磁界中に位置して電子ビ−
ムが偏向されてその軌道が変化するとき、電子ビ−ムの
集束又は発散作用が変化する管軸方向に領域分布を持つ
均一な磁界を形成することにより、適正な電子ビームの
集束作用を可能にして螢光面上での解像度の均一性を向
上させるものである。
【0186】また、本発明では、偏向磁界中に位置して
電子ビ−ムが偏向されてその軌道が変化するとき、偏向
量に応じて偏向収差補正量が加速される管軸方向に領域
分布を持つ均一な磁界を形成することにより、偏向量に
応じて急激に増大する偏向収差の補正を行い、螢光面の
全域で適正な電子ビームの集束作用を可能としたもので
ある。その結果、螢光面の全域で解像度の均一性の向上
が可能になる。
【0187】偏向磁界中に位置して、偏向された電子ビ
−ムがその軌道を変化するとき偏向量に応じて適切に電
子ビームの発散作用が加速される管軸方向に領域分布を
持つ均一な磁界の一つとして、非偏向時の電子ビーム軌
道位置を挟んで略対称な位置に各々不均一な磁界を形成
するのが有効である。
【0188】非偏向時の電子ビーム軌道を挟んで略対称
な位置に各々偏向磁界に対応する管軸方向に領域分布を
持つ均一な磁界を形成することで、偏向量が増すに従い
電子ビームの発散の作用量が増す。
【0189】図1は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第1実施例を説明する模式図であって、電子ビ
ームが偏向磁界に対応する発散作用を持つ管軸方向(電
子ビーム中心軌道Z−Z方向)に領域分布を持つ均一磁
界を非偏向時の電子ビーム中心軌道Z−Zから離れた位
置に対称にそれぞれ設置したときの断面での例を示す。
【0190】同図において、61は磁力線、62は偏向
されて非偏向時の電子ビーム中心軌道から離れた部分を
通過する電子ビームである。63は非偏向時の電子ビー
ム軌道であり、この場合は偏向磁界に対応する発散作用
を持つ管軸方向に領域分布を持つ均一磁界は存在しない
ので62との状態が異なり、誤解を避けるため破線で示
してある。
【0191】偏向されて非偏向時の電子ビーム中心軌道
から離れた部分を通過する電子ビーム62は磁界中を進
行する間に非偏向時の電子ビーム63に比べて発散量が
大きく、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビーム中心軌道
から離れていく。更に、軌道の変わり方も非偏向時の電
子ビーム中心軌道から離れている側が大きい。磁力線6
1の管軸方向の領域長さが電子ビームの通過する範囲内
では非偏向時の電子ビーム中心軌道から離れるに従い長
くなるからである。
【0192】このような偏向量に対応する管軸方向に領
域分布を持つ均一磁界を偏向磁界中に形成することによ
り、電子ビームが偏向されてその軌道が変化するとき偏
向量に応じて電子ビームの発散作用が加速され、偏向収
差が電子ビームの集束を強める場合の偏向収差補正を可
能にする。
【0193】例えば、前記図15に示したように、陰極
線管では一般的に電子銃の主レンズから蛍光面までの距
離は蛍光面中央よりは蛍光面周辺の方が長いので、偏向
磁界に集束作用が無い場合でも蛍光面中央で電子ビーム
を最適集束させると蛍光面周辺では過集束となる。
【0194】本実施例では、図1に示したような偏向量
に対応した管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を偏向磁
界内に形成することにより、偏向量の増加に応じて発散
作用が増加し、偏向収差補正が可能になる。
【0195】偏向磁界中に位置して、偏向された電子ビ
−ムがその軌道を変化するとき、偏向量に応じて適切に
電子ビームの集束作用が加速される管軸方向に領域分布
を持つ均一な磁界の一つとして、非偏向時の電子ビーム
の中心軌道を中心とする偏向量に対応した管軸方向に領
域分布を持つ均一な磁界を形成するのが有効である。非
偏向時の電子ビームの中心軌道を中心とする偏向磁界に
対応する管軸方向に領域分布を持つ均一な磁界を形成す
ることで、偏向量が増すに従い電子ビームの集束の作用
量が増す。
【0196】図2は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第2実施例を説明する模式図であって、電子ビ
ームが集束作用を持つ管軸方向に領域分布を持つ均一磁
界を非偏向時の電子ビームの中心軌道Z−Zを中心に設
置したときの断面での例を示す。
【0197】同図においては、61は偏向磁界に対応す
る管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を形成する磁力
線、62は偏向されて非偏向時の電子ビームの中心軌道
Z−Zから離れた位置を通過する電子ビームである。な
お、図1と同様に非偏向時の電子ビーム63は破線で示
してある。
【0198】非偏向時の電子ビームの中心軌道から離れ
た部分を通過する電子ビーム62は磁界中を進行するに
伴い、非偏向時の電子ビーム63に比べて集束量が大き
く、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビーム中心軌道から
離れていく。更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ーム中心軌道から離れている側が小さい。磁力線61の
管軸方向の領域長さが電子ビームの通過する範囲では非
偏向時の電子ビーム中心軌道Z−Zから離れるに従い短
くなるからである。
【0199】このような管軸方向に領域分布を持つ均一
磁界を偏向磁界中に形成することにより、電子ビ−ムが
偏向されてその軌道が変化するとき偏向量に応じて電子
ビームの集束作用が加速され、偏向収差が電子ビームの
発散を強める場合の偏向収差補正を可能にする。
【0200】陰極線管の偏向は前記図16に示したよう
に、電子ビームを直線状に走査させる方法が多い。直線
状の走査軌跡60を走査線と呼んでいる。偏向磁界は走
査線の方向と走査線とは直角な方向とでは異なる場合が
多い。
【0201】また、上記偏向磁界中に形成する偏向磁界
に対応した管軸方向に領域分布を持つ均一磁界の作用を
大きく受ける前に、前記複数の電子銃電極の少なくとも
一つの作用により、電子ビームは走査線方向と走査線と
は直角方向の集束作用で異なる場合も多い。
【0202】更に又、陰極線管の使途によって走査線方
向の偏向収差補正を重視するか、走査線と直角方向の偏
向収差補正を重視するかは重み付けが異なる。
【0203】従って、偏向収差を補正して蛍光面全体で
の解像度の均一性を向上させるための上記偏向磁界中に
形成する偏向磁界に対応した管軸方向に領域分布を持つ
均一磁界の内容は一意的ではない。
【0204】走査線の方向と対応する偏向収差補正の方
向、補正の内容、補正の量により対応する技術内容並び
に必要価格は必ずしも同一ではなく、それぞれ状況に応
じて偏向収差補正する内容を明確にして対応するのが画
像表示装置として特性向上並びに低価格を実現する上で
重要である。
【0205】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法
の第3実施例は、図1,図2に示したような均一磁界を
偏向磁界中に形成し、走査線方向又は並びに走査線とは
直角方向の偏向収差補正をするものである。
【0206】3電子ビームを水平方向にインライン配列
したカラー陰極線管では、蛍光面上での3電子ビームの
集中を制御する回路の簡便化を図るため、前記図11に
示したように垂直偏向磁界にはバレル形の磁界分布、水
平偏向磁界にはピンクッション形の磁界分布をそれぞれ
用いている。
【0207】インライン配列の3電子ビームのうち、両
脇電子ビームは垂直偏向磁界により受ける偏向収差の量
が垂直偏向磁界の強さと水平偏向の方向により異なる。
例えば、蛍光面側から陰極線管を見て、インラインの右
側電子ビームが蛍光面の左に偏向する場合と右に偏向す
る場合では、通過する偏向磁界の磁界分布が違うので偏
向収差量が異なる。蛍光面上での左右コーナで画質が変
る。
【0208】このような場合の脇電子ビームの偏向収差
補正には、偏向磁界中に脇電子ビーム用電子銃の中心軸
を挟んで水平偏向方向に非対称な偏向磁界に対応した管
軸方向に領域分布を持つ均一磁界の設置が有効である。
【0209】図3は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第4実施例を説明する模式図であって、電子銃
の中心軸を挟んで磁界分布の異なる電子ビームの発散作
用を持つ管軸方向に領域分布を持つ均一磁界をそれぞれ
設置した例である。
【0210】同図(a)(b)は磁力線の管軸方向の領
域長さが長い側での電子ビームの発散を説明する模式図
で、磁力線61の密度の高い側で電子銃の中心軸Z−Z
から離れた部分を通過する電子ビーム62−2では、磁
界中を進行するに伴い発散し、かつ全体軌道も中心軸Z
−Zから離れていく。更に、軌道の変わり方も中心軸Z
−Zから離れた側が大きい。これは、磁力線61の管軸
方向の領域長さが電子ビームの通過する範囲では中心軸
Z−Zから離れるに従い長くなるからである。また、
(c)(d)は磁力線の管軸方向の領域長さが短い側で
の電子ビームの発散を説明する模式図で、中心軸Z−Z
から離れた部分を通過する電子ビーム62−3はやはり
電子ビーム62−2のように磁界中を進行するに伴い発
散し、全体軌道も中心軸Z−Zから離れていき、かつ軌
道の変わり方も中心軸Z−Zから離れた側が大きいが、
変わり方が電子ビーム62−2に比較して小さい。これ
は、磁力線61の管軸方向の領域長さが電子ビームの通
過する範囲では中心軸Z−Zから離れてもあまり長くな
らないからである。
【0211】このような偏向量に対応する管軸方向に領
域分布を持つ均一磁界を偏向磁界中に形成して電子ビー
ムが偏向されてその軌道が変化するとき、偏向量に伴う
電子ビームの発散作用の加速のされ方が偏向の方向によ
り異なるので、偏向収差量が偏向の方向により異なる集
束作用の場合の偏向収差補正をする。
【0212】実際には、適用する最大偏向角を含む陰極
線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、上記
均一な磁界を形成する磁極、上記均一な磁界を形成する
部分以外の電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管
の使途などに依存するので一意的ではない。
【0213】図4は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第5実施例を説明する模式図であって、電子銃
の中心軸近傍に非対称な電子ビームの集束作用を持つ管
軸方向に領域分布を持つ均一磁界を設置した例である。
偏向されて磁力線61で形成される磁界の内で磁束密度
の高い側の中心軸Z−Zから離れた部分を通過する電子
ビーム62−4と、やはり偏向されて磁力線61で形成
される磁界の内で磁束の管軸方向の領域長さが短い側の
中心軸Z−Zから離れた部分を通過する電子ビーム62
−5の状態比較である。
【0214】磁束密度の高い側の電子ビーム62−4は
磁界中を進行するに伴い集束しながら、かつ全体軌道も
中心軸Z−Zから離れていく。更に、軌道の変わり方も
中心軸Z−Zに近い側が大きい。これは、磁力線61の
管軸方向の領域長さが電子ビームの通過する範囲では中
心軸Z−Zから離れるに従い短くなるからである。
【0215】磁束密度の低い側の中心軸Z−Zから離れ
た部分を通過する電子ビーム62−5もやはり電子ビー
ム62−4のように磁界中を進行するに伴い集束してい
き、かつ全体軌道も中心軸Z−Zから離れていく。かつ
軌道の変わり方も中心軸Z−Zに近い側が大きいが、変
わり方が電子ビーム62−4に比較して小さい。これ
は、磁力線61の管軸方向の領域長さの変化が中心軸Z
−Zから離れてもあまり変わらないからである。
【0216】このような偏向量に対応する管軸方向に領
域分布を持つ均一磁界を偏向磁界中に形成して電子ビー
ムが偏向されてその軌道が変化するとき、偏向量に伴う
電子ビ−ムの集束作用の加速のされ方が偏向の方向によ
り異なるので、偏向収差量が偏向の方向により異なる発
散作用の場合の偏向収差補正する。
【0217】実際には、適用する最大偏向角を含む陰極
線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、上記
均一な磁界を形成する磁極、上記均一な磁界を形成する
個所以外の電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管
の使途などに依存するので一意的ではない。
【0218】3電子ビームを水平方向にインライン配列
したカラー陰極線管では、蛍光面上での3電子ビームの
集中を制御する回路の簡便化を図るため、前記図11の
様に垂直偏向磁界にはバレル形の磁界分布、水平偏向磁
界にはピンクッション形の磁界分布をそれぞれ用いてい
る。
【0219】このようなカラー陰極線管ではインライン
配列の方向、つまり上記水平方向が走査線方向である。
インライン配列の3電子ビームのうち、両脇電子ビーム
は垂直偏向磁界により受ける偏向収差の量が垂直偏向磁
界の強さと水平偏向の方向により異なる。
【0220】例えば、蛍光面側から陰極線管を見て、イ
ンラインの右側電子ビームが蛍光面の左に偏向する場合
と右に偏向する場合では、通過する偏向磁界の磁界分布
が違うので偏向収差量が異なる。
【0221】本発明の別の実施例では、インライン配列
の3電子ビームのうち、両脇電子ビームに対応する偏向
磁界中に偏向磁界に対応した管軸方向に領域分布を持つ
均一磁界として上記走査線方向に図3または図4のよう
な中心軸に対して非対称な磁界を形成して偏向収差補正
する。
【0222】実際には適用する最大偏向角を含む陰極線
管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、上記均
一な磁界を形成する磁極、上記均一な磁界を形成する個
所以外の電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管の
使途などに依存するので一意的ではない。
【0223】図5は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法に用いる偏向収差補正磁極装置の一例の説明図で
あって、(a)は陰極側からみた正面図、(b)は
(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断
面図である。
【0224】同図において、39は偏向収差補正磁極装
置、39−1R,39−1G,39−1Bは各電子ビー
ムBR , G , B を上下方向から挟んで設置した垂直
方向補正磁性片、39−2R,39−2G,39−2B
は各電子ビームBR , G ,B を左右方向から挟んで
設置した水平方向補正磁性片である。
【0225】なお、40はステンレス等の非磁性薄板か
らなる基板で、上記各磁性片を保持する基板である。
【0226】図示した形状の磁性片を用いることによ
り、電子ビームに対して、その管軸方向に沿った領域に
偏向磁界の密度分布を持たせることができる。
【0227】なお、図示した磁性片の形状は一例に過ぎ
ず、偏向磁界に対して管軸方向に領域分布を持たせる形
状を備えた磁性片であればよい。
【0228】図6は図5に示した偏向収差補正磁極装置
の電子銃への設置例を説明する要部断面図であって、6
は第6電極(陽極)、7はシールドカップである。
【0229】図示したように、偏向収差補正磁極装置3
9はシールドカップの内部に設置され、電子ビームに対
して管軸方向に沿った磁束密度に領域分布を持たせるこ
とができ、前記した偏向収差補正がなされる。
【0230】図7は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法に用いる偏向収差補正磁極装置の他例の説明図で
あって、(a)は蛍光面側からみた正面図、(b)は
(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断
面図である。同図中、図5と同一符号は同一機能部分に
対応する。
【0231】この例では、偏向収差補正磁極装置39は
インライン方向に互いに平行で各電子ビームの両側で対
の磁性片を構成する磁性材39R,39G,39Bを設
置し、垂直磁界に対応する斉一磁界を形成する。この磁
性材39R,39G,39Bは、垂直偏向収差補正磁界
がインライン方向中心軸から離れるに従い管軸方向に長
くなる形状を有する如く磁性板材を折り曲げて製作す
る。
【0232】この偏向収差補正磁極装置39により、垂
直方向(インラインと直角な方向)上下に発散する磁界
が形成され、電子ビームが画面のコーナー部に偏向され
る時には垂直方向上下に電子ビームを発散させ、インラ
イン方向左右に収束させる。これにより、所要の偏向収
差補正が実行される。
【0233】図8は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説
明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0234】この偏向収差補正磁極装置39は磁性片を
磁性材のブロックで構成した点を除いて上記図7で説明
したものと同様である。
【0235】図9は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説
明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0236】この偏向収差補正磁極装置39は基本的に
は図7と同様の作用を奏するが、磁性片を構成する磁性
材39R,39G,39Bの形状を図示した内側に凹と
なる曲線状としたことで、偏向量の増加に対応する補正
磁界が急激に増加する特性を有する。
【0237】図10は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の
説明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0238】この偏向収差補正磁極装置39は図7にお
ける磁性片を構成する磁性材39R,39G,39Bを
センタービームとサイドビームとで異ならせたものであ
り、センタービームBG についてはインライン方向と直
角方向上下の長さHC を長くし、サイドビームBR ,
B についてはその長さHS を短くし、かつ管軸方向の長
さもセンタービームBG についてはその長さZC を長
く、サイドビームBR ,B についてはその長さZS
短くしたもので、偏向量の増加に対応する補正磁界の増
加がセンタービームについて大きくなるような特性を持
つ。
【0239】図11は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の
説明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0240】この偏向収差補正磁極装置39は、インラ
イン方向に互いに平行な磁性片として磁性材39R,3
9G,39Bを設置したもので、垂直偏向に対応する斉
一磁界を形成すると共に、インライン方向中心から離れ
るに従って管軸方向の長さが短くなるような形状(図で
は台形)としたものであり、コーナー部の偏向時は垂
直、水平共に収束する。
【0241】図12は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の
説明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0242】この偏向収差補正磁極装置39は、図11
の例の変形であり、垂直偏向に対応する斉一磁界を形成
すると共に、インライン方向中心から離れるに従って管
軸方向の長さが短くなるような形状(図では半円形)と
したものであり、コーナー部の偏向時は垂直、水平共に
収束する。
【0243】図13は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の
説明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0244】この偏向収差補正磁極装置39は、図11
における磁性材39R,39G,39Bの平行に対向す
る部分(台形部分)と共に、インライン方向と直角方向
で電子ビームの上下の位置に磁性材を張り出すことで非
斉一磁界を形成して電子ビームを上下に発散させ、平行
に対向する部分で水平偏向磁界をシールドして水平偏向
磁界を極端なバレル状にする。
【0245】この構成により、水平方向偏向時のビーム
スポット横径を短くすることができる。
【0246】図14は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の
説明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0247】この偏向収差補正磁極装置39では、図1
1の内容に加えてサイドビームの外側に切り起こし39
R’と39B’を設けたもので、サイドビームのインラ
イン方向左右偏向時のビームスポット形状のアンバラン
スを抑制すると共に偏向磁界のコマ収差補正を行うこと
ができる。
【0248】図15は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の
説明図であって、(a)は蛍光面側からみた正面図、
(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB
−B線断面図である。同図中、図7と同一符号は同一機
能部分に対応する。
【0249】この偏向収差補正磁極装置39では、図1
4の内容に加えてサイドビームのセンタービーム寄りの
AFCの上下の対向部の間隔を短くしたもので、図14
の構成の効果をさらに向上させたものである。
【0250】図16は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置を投射型陰極線
管等の単一電子銃をもつ陰極線管に適用した本発明のさ
らに他例の説明図であって、(a)は蛍光面側からみた
正面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は
(a)のB−B線断面図である。
【0251】同図の偏向収差補正磁極装置390は前記
図7に示した三電子銃型陰極線管に適用するものを単一
電子銃をもつ陰極線管に適用したもので、その効果は図
7での説明と同様である。
【0252】図17は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置を投射型陰極線
管等の単一電子銃をもつ陰極線管に適用した本発明のさ
らに他例の説明図であって、(a)は蛍光面側からみた
正面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は
(a)のB−B線断面図である。
【0253】同図の偏向収差補正磁極装置390は前記
図11に示した三電子銃型陰極線管に適用するものを単
一電子銃をもつ陰極線管に適用したもので、その効果は
図11での説明と同様である。
【0254】図18は本発明による陰極線管の偏向収差
補正方法に用いる偏向収差補正磁極装置を投射型陰極線
管等の単一電子銃をもつ陰極線管に適用した本発明のさ
らに他例の説明図であって、(a)は蛍光面側からみた
正面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は
(a)のB−B線断面図である。
【0255】同図の偏向収差補正磁極装置390は前記
図13に示した三電子銃型陰極線管に適用するものを単
一電子銃をもつ陰極線管に適用したもので、その効果は
図13での説明と同様である。
【0256】以上の結果、本実施例によれば、該電子銃
の一部の電極に電子ビームの偏向角に同期させてダイナ
ミックに電圧供給しなくても蛍光膜(画面)上で偏向角
に同期したフォーカス状態の制御が可能となり、安価で
かつ画面全体での表示の均一な陰極線管が提供可能とな
る。これ等の条件は、実際には適用する最大偏向角を含
む該陰極線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構
造、前記均一な磁界を形成する偏向収差補正磁極装置、
偏向収差補正磁極装置以外の部分の電子銃構造、陰極線
管の駆動条件、陰極線管の使途などに依存するので一意
的ではない。
【0257】偏向磁界に対応した管軸方向に領域分布を
持つ均一な磁界を偏向磁界中に形成することによって蛍
光面全体での解像度の均一性向上を図るためには、該均
一磁界中でも電子ビームの軌道が管軸方向の領域長さが
異なった磁界領域を通過するように偏向される必要があ
る。従って前記均一な磁界は偏向磁界との位置関係に制
約される。
【0258】図19は偏向磁界分布の説明図であって、
(a)は偏向角度が100度以上の陰極線管における偏
向磁界の管軸上での分布例の説明図、(b)は(a)に
示した偏向磁界分布と偏向磁界発生機構の位置関係の説
明図である。
【0259】なお、同図において、向かって右側が蛍光
面に近い側、左側が蛍光面に遠い側である。
【0260】同図(a)および(b)において、Aは磁
界測定時に基準とした位置、BHは走査線方向に偏向す
る磁界の磁束密度64の最大値をもつ位置、BVは走査
線と直角方向に偏向する磁界の磁束密度65の最大値を
もつ位置、Cは偏向磁界を発生させるコイルのコアを形
成する磁性材料の陰極線管の蛍光面から離れる側の端部
である。
【0261】前記磁極の蛍光面側が陰極線管の管軸方向
に入り組んでいる場合は前記距離は最も長い部分であ
る。
【0262】図20は偏向磁界分布の説明図であって、
(a)は偏向角度が100度未満の陰極線管における偏
向磁界の管軸上での分布例の説明図、(b)は(a)に
示した偏向磁界分布と偏向磁界発生機構の位置関係の説
明図である。
【0263】なお、同図において、向かって右側が蛍光
面に近い側、左側が蛍光面に遠い側である。
【0264】同図(a)および(b)において、Aは磁
界測定時に基準とした位置、BHは走査線方向に偏向す
る磁界の磁束密度64の最大値をもつ位置、BVは走査
線と直角方向に偏向する磁界の磁束密度65の最大値を
もつ位置、Cは偏向磁界を発生させるコイルのコアを形
成する磁性材料の陰極線管の蛍光面から離れる側の端部
である。
【0265】偏向収差補正磁極39はネック部外径29
ミリメートル、最大偏向角112度で蛍光面サイズが6
8センチメートルのカラー陰極線管に実際に封止した。
【0266】この陰極線管に図19の(a)に示した偏
向磁界を組合せ、管軸位置96ミリメートルの位置に設
定して、陽極電圧30キロボルトを用いて好結果を得
た。
【0267】偏向収差補正磁極装置の偏向磁界中での設
置位置は、適用する最大偏向角を含む陰極線管の構造、
組み合わせる偏向磁界発生部の構造、偏向収差補正磁
極、偏向収差補正磁極以外の部分の電子銃構造、陰極線
管の駆動条件、陰極線管の使途などに依存するので一意
的ではない。
【0268】また、偏向磁界中に偏向磁界に対応した管
軸方向に領域分布を持つ均一な磁界を形成する偏向収差
補正磁極を前記と同様の陰極線管に用い、電子銃の陽極
に取付けて、ネック部外径29ミリメートル、最大偏向
角90度で蛍光面サイズが48センチメートルのカラー
陰極線管に封止した。
【0269】該陰極線管に図20の(a)の偏向磁界を
組合せ、管軸位置58ミリメートルの位置に設定して、
陽極電圧30キロボルトを用いて好結果を得た。
【0270】偏向収差補正磁極装置の偏向磁界中での設
置位置は、適用する最大偏向角を含む陰極線管の構造、
組み合わせる偏向磁界発生部の構造、偏向収差補正磁
極、偏向収差補正磁極以外の部分の電子銃構造、陰極線
管の駆動条件、陰極線管の使途などに依存するので一意
的ではない。
【0271】ところで、主レンズと蛍光膜間の距離と蛍
光膜上の電子ビームスポツトの大きさの関係の説明図で
あって、上記した作用は陰極線管を同一条件で駆動する
場合に主レンズと蛍光膜間の距離に依存し、この距離が
増加するにつれてビームスポット径も増加する。
【0272】カラーテレビ等に使用する陰極線管を例に
とれば、最大偏向角が決まれば主レンズと蛍光膜間の距
離は陰極線管の画面サイズが増すにつれて増加する。し
たがって、陰極線管の画面サイズが増すと蛍光膜上の電
子ビームのスポツト径が増して、画面サイズの増加にも
かかわらず解像度はそれほど増さない。
【0273】上記本発明の実施例によれば、陰極線管の
主レンズと蛍光膜間の距離を従来技術による陰極線管の
それよりも短縮可能となり、大口径化主レンズへの適合
性も相まって陰極線管の画面サイズが増しても空間電荷
の反発作用の影響を低減して蛍光膜上での電子ビームの
スポツト径を縮小し、高解像度の陰極線管を提供でき
る。
【0274】このように、いままで、電子銃のフォーカ
ス特性の低下を抑制して電子銃の長さを短縮することは
難しいため、陰極線管の全長L4 を短縮することに制約
があり、困難であったが、上記したように、本発明によ
れば主レンズと蛍光膜間の距離短縮により、陰極線管の
全長を電子銃の陰極から主レンズに至る部分の偏向なし
で従来例に比較して大幅に短縮することができる。
【0275】一般に、カラーテレビセットやコンピュー
タ端末のディスプレイ装置では、キャビネットの奥行き
は陰極線管の全長L4 に依存している。特に、最近のカ
ラーテレビセットでは陰極線管の画面サイズが増す傾向
に有り、一般家庭の住居に設置する場合にキャビネット
の奥行き寸法は無視出来ない状態である。特に他の家具
と並べて設置する場合数十ミリの奥行き寸法が問題にな
るケースも有り、キャビネットの奥行き寸法の短縮は設
置効率,使い勝手の観点からみても極めて大きな効果で
あるということができる。
【0276】このように、本発明の上記実施例によれ
ば、陰極線管の全長短縮によりフォーカス特性を損なわ
ずにキャビネットの奥行き寸法が従来製品より格段に短
くなったカラーテレビセットやコンピュータ端末のディ
スプレイ装置を提供でき、大きなセールスポイントに成
りうる。
【0277】一般に、カラーテレビセットや完成した陰
極線管,並びにファンネルのような陰極線管の部品材料
は、半導体素子のような電子部品に比べて体積が著しく
大きいので単位個数当りの輸送費は高価である。特に、
海外向けなど輸送経路が長大な場合この点は無視出来な
くなる。本発明の上記実施例では、陰極線管の全長が短
く、かつキャビネットの奥行き寸法の短いカラーテレビ
セットを提供できるので輸送費の節約が可能である。
【0278】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行うことなく
画面全域でしかも電子ビーム全電流域においてフォーカ
ス特性を向上させ、良好な解像度を得ることができると
共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を有する電
子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法を提供するこ
とができる。
【0279】また、本発明によれば、上記フォーカス特
性を向上させると同時に、陰極線管の全長を短縮できる
電子銃を備えた陰極線管およびその陰極線管並びにこの
陰極線管を用いた画像表示装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
1実施例を説明する模式図である。
【図2】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
2実施例を説明する模式図である。
【図3】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
4実施例を説明する模式図である。
【図4】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
5実施例を説明する模式図である。
【図5】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に用
いる偏向収差補正磁極装置の一例の説明図である。
【図6】図5に示した偏向収差補正磁極装置の電子銃へ
の設置例を説明する要部断面図である。
【図7】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に用
いる偏向収差補正磁極装置の他例の説明図である。
【図8】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に用
いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図9】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に用
いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図10】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図11】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図12】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図13】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図14】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図15】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図16】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図17】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図18】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法に
用いる偏向収差補正磁極装置のさらに他例の説明図であ
る。
【図19】偏向磁界分布の説明図である。
【図20】偏向磁界分布の説明図である。
【図21】インライン型電子銃を備えたシャドウマスク
方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図である。
【図22】画面の中央部で円形となる電子ビームスポッ
トで画面の周囲を発光させた場合の電子ビームスポット
の説明図である。
【図23】陰極線管の偏向磁界分布の説明図である。
【図24】陰極線管に用いられる電子銃の一例を説明す
る一部断面した側面図である。
【図25】フォーカス電圧の与え方による電子銃の構造
比較のための要部断面模式図である。
【図26】図13に示した各電子銃に供給するフォーカ
ス電圧の説明図である。
【図27】電子ビームの蛍光膜上の集束状態の説明図で
ある。
【図28】陰極線管の蛍光面(スクリーン)を構成する
パネル部に形成される走査線の説明図である。
【符号の説明】
K 陰極 1 第1電極 2 第2電極 3 第3電極 4 第4電極 5 第5電極 6 第6電極 7 シールドカップ 39 偏向収差補正磁極装置 39−1,39−2 磁性片。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片を設
    置することで管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を形成
    し、電子ビームの偏向収差を補正することを特徴とする
    陰極線管の偏向収差補正方法。
  2. 【請求項2】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片を設
    置することで管軸方向に領域分布を持つ均一磁界を形成
    し、電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補正する
    ことを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  3. 【請求項3】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に磁性片を設
    置することで偏向磁界の変化に伴い変化する管軸方向の
    領域分布を持つ均一磁界を形成し、電子ビームの偏向量
    に対応した偏向収差を補正することを特徴とする陰極線
    管の偏向収差補正方法。
  4. 【請求項4】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
    電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性片を設置すること
    で、偏向磁界に対応して管軸方向の領域に分布を持つ均
    一磁界を各一つ以上形成し、電子ビームの偏向量に対応
    した偏向収差を補正することを特徴とする陰極線管の偏
    向収差補正方法。
  5. 【請求項5】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
    電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる複数の
    磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
    にインライン方向と直角方向で電子ビームの上下の位置
    に前記磁性材に張り出し部分を設けて非斉一磁界を形成
    することにより電子ビームを上下に発散させ、前記平行
    に対向する部分で水平偏向磁界をシールドして水平偏向
    磁界を極端なバレル状として電子ビームの偏向量に対応
    した偏向収差を補正することを特徴とする陰極線管の偏
    向収差補正方法。
  6. 【請求項6】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
    電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる複数の
    磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
    にインライン方向と直角方向で電子ビームの上下の位置
    に前記磁性材に張り出し部分を設けて非斉一磁界を形成
    し、かつ前記磁性材の外側に切り起こしを設けてサイド
    ビームのインライン方向左右偏向時のビームスポット形
    状のアンバランスを抑制すると共に偏向磁界のコマ収差
    補正を行うことを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方
    法。
  7. 【請求項7】複数の電極から成る電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
    電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる複数の
    磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
    にインライン方向と直角方向で電子ビームの上下の位置
    に前記磁性材に張り出し部分を設けて非斉一磁界を形成
    し、かつ前記磁性材の外側に切り起こしを設け、前記平
    行に対向する部分のサイドビームのセンタービーム寄り
    の上下の間隔を短くしてサイドビームのインライン方向
    左右偏向時のビームスポット形状のアンバランスを抑制
    すると共に偏向磁界のコマ収差補正を行うことを特徴と
    する陰極線管の偏向収差補正方法。
  8. 【請求項8】複数の電極から成る単一電子銃と偏向装置
    および蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補
    正方法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に無偏向時の
    電子ビーム軌道を挟む対称位置に磁性材からなる一対の
    磁性片を設置し、前記磁性材の平行に対向する部分と共
    に電子ビームの上下の位置に前記磁性材に張り出し部分
    を設けて非斉一磁界を形成することにより電子ビームを
    上下に発散させ、前記平行に対向する部分で水平偏向磁
    界をシールドして水平偏向磁界を極端なバレル状として
    電子ビームの偏向量に対応した偏向収差を補正すること
    を特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
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