JPH10120452A - 水硬性組成物 - Google Patents

水硬性組成物

Info

Publication number
JPH10120452A
JPH10120452A JP28924596A JP28924596A JPH10120452A JP H10120452 A JPH10120452 A JP H10120452A JP 28924596 A JP28924596 A JP 28924596A JP 28924596 A JP28924596 A JP 28924596A JP H10120452 A JPH10120452 A JP H10120452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
hydraulic composition
hydraulic
fiber
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28924596A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Isozaki
幸男 磯崎
Yoichi Mizushima
洋一 水島
Saburo Hoshino
三郎 星野
Kenji Matsumoto
健次 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIZUSHIMAGUMI KK
Tokiwa Chemical Industries Co Ltd
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
MIZUSHIMAGUMI KK
Tokiwa Chemical Industries Co Ltd
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIZUSHIMAGUMI KK, Tokiwa Chemical Industries Co Ltd, Kuraray Co Ltd filed Critical MIZUSHIMAGUMI KK
Priority to JP28924596A priority Critical patent/JPH10120452A/ja
Publication of JPH10120452A publication Critical patent/JPH10120452A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度なコンシステンシー(流動抵抗性)と小
さなブリージング率を有し作業時の取り扱い性に優れ、
且つ作業時などにおける水の分離が少なく、乾燥時の収
縮が小さくてクラックが発生しにくく、養生及び乾燥に
よって吸水率及び透水率が低くて防水性及び防湿性に優
れ且つ機械的特性にも優れる水硬化物及び水硬化成形物
を得ることのできる水硬性組成物、並びにそれを用いる
防水工法及び水硬化成形物の製造法を提供すること。 【解決手段】 (a)水硬性物質、(b)防水性樹脂、(c)
引張強度が50kg/mm2以上で且つヤング率が20
00kg/mm2以上である繊維、及び場合により骨材
などの他の成分を含有する本発明の水硬性組成物、並び
にそれを用いる本発明の防水工法および水硬化成形物の
製法により、上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント、石膏、
水滓スラグなどの水硬性物質と共に防水性樹脂および特
定の繊維を含む水硬性組成物、並びにその水硬性組成物
を用いる防水工法および水硬化成形物の製造方法に関す
るものである。そして本発明の水硬性組成物は、適度な
コンシステンシー(流動抵抗性)と小さなブリージング
率を有していて作業時の取り扱い性に優れ且つ保存時や
作業時における水の分離が少なく、乾燥時の収縮が小さ
くてクラックが発生しにくく、しかも養生および乾燥し
たときに吸水率および透水率が低くて防水性および防湿
性に優れ、機械的特性にも優れる水硬化物および水硬化
成形物を形成することができる。
【0002】
【従来の技術】セメント、石膏、水滓スラグなどの水硬
性物質を含む水硬性組成物を水和硬化(以下「水硬化」
ということがある)することによって形成される水硬化
物は、一般に引張強度が低く、しかも乾燥収縮時にクラ
ックが発生し易く、また防水性や防湿性が低いという欠
点を有している。特に、最上階(屋上)や地下壁などの
ような雨水や地下水などに直接曝される箇所に設けたコ
ンクリートでは、クラックが発生すると漏水の原因とな
るばかりでなく、コンクリート中に配設されている鉄筋
や鉄骨などの補強材の発錆を進行してコンクリートの強
度が低下して、はなはだしい場合にはコンクリート構造
物の崩壊が生ずるというような重大な事故につながりか
ねない。
【0003】コンクリート等の水硬化物から形成された
構造物、地盤、壁面などにおける防水性、防湿性、耐ク
ラック性を向上させるための対策としては、従来、コン
クリート等の水硬化物の表面、水硬化物と基盤との界面
などに、雨水や地下水などを遮断するための塗膜層、ア
スファルト層、樹脂やゴムのシート層などの防水層を設
ける遮断工法が一般的に採用されている。しかしなが
ら、防水層を設ける従来の遮断工法による場合は、コン
クリートの形成作業以外に、防水層を設けるための作業
が別途必要であり、そのため工事が繁雑になるという欠
点がある。しかも、施工業者の優劣によって防水層の形
成状態に優劣を生じ易く、工事内容の均一化が図りにく
いという問題があり、さらに防水層の長期耐久性が未だ
充分ではない。
【0004】また、上記した遮断工法を採用して構築さ
れた構造物、特にコンクリート製大型建造物において
は、地盤に最も近い最下階の土間床部分にクラックが多
発しているが、それは次のような理由によるものと考え
られている。すなわち、地盤および地中の湿気や水分を
床上に上げないようにするためにコンクリート打設面と
地盤との界面に敷設された防水シートなどの防水層は、
地盤や地中の湿気や水分が床上に浸入してくるのを遮断
するが、その一方で、水硬性組成物を水和硬化させてコ
ンクリートなどを形成する際に水硬性組成物から排出さ
れてくる余剰水をも防水層で遮断してしまうために、そ
の余剰水を地盤を通して建造物の外に逃がすことができ
なくなる。その結果、その余剰水は床面の上の部分のみ
から発散されざるを得なくなり、水硬性組成物の硬化
(養生)、乾燥、収縮時などに、その上部の弱い所に余
剰水が集まって、余剰水の通り路がいわゆる“水径”と
呼ばれるクラックを形成する。
【0005】例えば、セメントスラリーを水和硬化させ
てコンクリートを形成させる際には、一般にセメント重
量の約30〜40重量%の水が水和反応水として必要で
あることが知られている。一方、打設や塗工時などにお
ける作業性を良好にするためにはセメントスラリーが適
度なコンシステンシー(流動抵抗性)を有することが必
要であり、それにはセメントスラリーにおける水分含量
を一般にセメント重量に基づいて約45〜60重量%程
度にしておくのが望ましいとされている。その結果、セ
メントスラリーを水和硬化してコンクリートを形成させ
た場合に、セメントスラリー中に含まれている水(約4
5〜60重量%)と水和に用いられる反応水(約30〜
40重量%)の差に相当する分の水が、水和硬化に伴っ
て余剰水としてコンクリートから排出されてくるので、
クラックの発生のない構造物を得るためには、その余剰
水を水和硬化時に構造物の外に速やかに排出させて除去
する必要がある。しかし、構造物の最下部と地盤の界面
に防水シートなどの防水層を敷設する従来の遮断工法に
よる場合は、その余剰水を地盤を通して排除することが
できず、コンクリート構造物に水径を生じ、ひいてはク
ラックを発生させる。
【0006】また、セメントスラリーなどの水硬性組成
物中に補強繊維を配合して、機械的強度の向上やクラッ
ク発生の防止を図ることが従来から行われている。しか
しながら、水硬性組成物中に補強繊維を配合しても、防
水性や防湿性はさして向上しないので、防水層を設ける
上記した従来の遮断工法を採らざるを得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、適度
なコンシステンシー(流動抵抗性)と小さなブリージン
グ率を有していて、打設作業や塗工作業などの施工時、
水硬化成形物を製造する際の取り扱い性に優れ且つ作業
時における水の分離が少なく、乾燥時の収縮が小さくて
クラックが発生しにくく、しかも水和硬化して得られる
水硬化物における吸水率および透水性が低く防水性およ
び防湿性に優れていて、防水シートなどの防水層を設け
なくてもそれ自体で防水性および防湿性に優れる水硬化
物や水硬化成形物を形成させることができ、その上機械
的特性にも優れる水硬化物や水硬化成形物を形成させる
ことのできる、セメントスラリーなどの水硬性組成物を
提供することである。そして、本発明の目的は、前記し
た水硬性組成物を用いて水硬化物を形成させる防水工
法、および水硬化成形物の製造方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが種々検討を
重ねた結果、水硬性組成物中に防水性樹脂および特定の
引張強度およびヤング率を有する繊維を配合すると、水
硬性組成物のコンシステンシー(流動抵抗性)が適当な
ものとなり、且つブリージング率が小さくなって、打設
作業や塗工作業などの施工時および水硬化成形物の製造
時における取り扱い性および作業性が良好になり、しか
も打設作業時における水の分離が少なくなること、さら
にその水硬性組成物の乾燥時における収縮が小さくなっ
てクラックが発生しにくくなること、その上水和硬化し
て得られる水硬化物や水硬化成形物の吸水率および透水
性が低くなり防水性および防湿性が向上しており、機械
的特性にも優れていることを見出して本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、(a)水硬性物質、
(b)防水性樹脂、および(c)引張強度が50kg/
mm2以上で且つヤング率が2000kg/mm2以上で
ある繊維を含有することを特徴とする水硬性組成物であ
る。
【0010】そして、本発明は、上記の水硬性組成物を
用いて、打設、塗工および/または吹付を行うことを特
徴とする防水工法である。さらに、本発明は、上記の水
硬性組成物を用いて成形を行うことを特徴とする水硬化
成形物の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の水硬性組成物では、水硬性物質(a)と
して、水と反応して硬化する無機物質のいずれもが使用
でき特に制限されない。水硬性物質の好ましい例として
は、各種ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミ
ナセメント、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シ
リカなどを混合した混合セメント、石膏、水滓スラグ、
水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウ
ムなどを挙げることができ、それらの水硬性物質の1種
類のみを使用してもまたは2種以上を併用してもよい。
そのうちでも、本発明では水硬性物質(a)としてセメ
ントを用いるのが好ましい。
【0012】次に、本発明の水硬性組成物は、(b)成
分として防水性樹脂[以下「防水性樹脂(b)」とい
う]を含有する。防水性樹脂(b)としては、水に溶解
・膨潤せず耐水性に優れていて、水硬性組成物中に良好
に分散して防水性を付与できる熱軟化性の樹脂が好まし
い。そのうちでも、本発明の水硬性組成物では、防水性
樹脂(b)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−塩化ビニル共重合体、スチレン系樹脂などの熱可塑
性樹脂;石油系樹脂がより好ましく用いられ、これらの
樹脂は単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよ
い。石油系樹脂を用いる場合は、アスファルトやシクロ
ペンタジエンを主原料とするもの、および高級オレフィ
ン系炭化水素を主原料とするもの(アルキルスチレンイ
ンデン樹脂)のいずれもが使用でき、そのうちでもアス
ファルトが好ましく用いられる。防水性樹脂(b)とし
ては、作業性などの点から一般に軟化点が170℃以下
ものが用いられるが、軟化点が170℃よりも高いもの
を使用しても何ら差し支えない。なお、本明細書でいう
軟化点とは、JIS K7206に準じて測定したビカ
ット軟化点をいう。
【0013】水硬性組成物における防水性樹脂(b)の
含有量は、水硬化物や水硬化成形物の用途やそれらに要
求される物性などにより選択し得るが、一般に水硬性物
質(a)(例えばセメント)の重量に基づいて、0.5
〜7重量%であるのが好ましく、0.7〜3.5重量%
であるのがより好ましく、1〜3重量%であるのがさら
に好ましい。防水性樹脂(b)の配合量が水硬性物質
(a)の重量に基づいて0.5重量%よりも少ないと、
水硬性組成物の乾燥時の収縮が大きくなり易く、また水
硬性組成物を水和硬化して得られるコンクリートなどの
水硬化物や水硬化成形物の吸水率や透水性が大きくなっ
て防水性や防湿性が低下し易くなる。一方、防水性樹脂
(b)の含有量が水硬性物質(a)の重量に基づいて7
重量%よりも多いと、水硬性組成物中への連行空気量が
増えて、水硬性組成物の初期硬化速度の遅延、水硬化物
や水硬化成形物の圧縮強度の低下などを生じ易くなり、
しかも防水性樹脂(b)を多量に配合しているにも拘わ
らず水硬化物や水硬化成形物の防水性や防湿性がそれほ
ど向上せず、さらに乾燥時の収縮が大きくなり易い。
【0014】水硬性組成物中の防水性樹脂(b)を含有
させるに当たっては、防水性樹脂(b)をそのまま直接
セメントなどの水硬性物質(a)などと直接混合しても
よいが、防水性樹脂(b)を水性分散液の形態にして混
合すると、防水性樹脂(b)を水硬性組成物中に均一に
混合分散させることができるので好ましい。その場合の
分散剤としては、防水性樹脂(b)を水中に安定に分散
させることができ且つ水硬性組成物に対して悪影響を及
ぼさない分散剤であればいずれも使用することができ
る。そのうちでも、重合度が300〜3000でケン化
度が70〜98%の部分ケン化ポリビニルアルコール、
特に水で予め膨潤させておいたポリビニルアルコールを
分散剤として用いて水硬化物の水性分散液を調製し、そ
れを水硬性組成物中に混合すると、それから得られる水
硬化物および水硬化成形物の機械的特性が一層良好なも
のとなるので好ましい。
【0015】そして、前記した部分ケン化ポリビニルア
ルコールを分散剤として用いる場合は、例えば、防水性
樹脂(b)と分散剤を97:3〜70:30(重量比)
の割合で用いて固形分濃度が約40〜60重量%程度の
水性分散液をつくり、それを水硬性物質(a)や他の成
分に混合して水硬性組成物を調製するとよい。特に、防
水性樹脂(b)としてアスファルトを用いて、かつ前記
した部分ケン化ポリビニルアルコールを分散剤として用
いて、粘度が約500〜1000cps程度の水性分散
液を調製し、それを水硬性組成物中に混合すると水硬性
組成物中への分散性や親和性が良好になって、乾燥時の
収縮がより小さく、しかも防水性および防湿性に優れる
水硬化物および水硬化成形物を得ることができる。
【0016】更に本発明の水硬性組成物は、成分(c)
として引張強度が50kg/mm2以上でヤング率が2
000kg/mm2以上である繊維を含有する。繊維
(c)の引張強度が50kg/mm2未満であったり、
ヤング率が2000kg/mm2未満であると、繊維の
強伸度が不足して、水硬性組成物の硬化初期におけるク
ラックの発生抑制効果が充分でなくなりクラックを発生
し易くなる。繊維(c)としては、引張強度が80g/
mm2以上で且つヤング率が2300kg/mm2以上の
ものがより好ましく用いられる。ここで、本発明でいう
繊維の引張強度およびヤング率は、下記の実施例の項に
記載した方法で測定した値をいう。
【0017】繊維(c)の太さは特に制限されないが、
一般には、単繊維繊度が約1000〜7000デニール
であるのが硬化初期に生じるプラスチックひび割れの抑
制効果の点から好ましく、約1500〜5000デニー
ルであるのがより好ましい。 繊維(c)の単繊維繊度が1000デニールよりも小さ
いと、所定の効果を達成し得る配合量で水硬性組成物中
に繊維を配合したときに、繊維本数が多くなって水硬性
組成物の粘度が高くなり、取り扱い性や作業性が悪くな
る場合がある。 一方、繊維(c)の単繊維繊度が7000デニールを超
えると、繊維の表面積が小さくなって水硬性組成物との
接着面積が低減してクラックの発生防止、補強効果が小
さくなり易い。
【0018】また、繊維(c)の長さ(繊維長)は、一
般に20〜75mmであるのが、水硬性組成物中への分
散性、水硬化物に対する補強効果、クラック発生防止効
果などの点から好ましく、25〜50mmであるのがよ
り好ましい。さらに、繊維(c)における繊維長(L)
に対する繊維直径(d)の比(L/d)が25〜150
程度であるのが好ましく、30〜70程度であるのがよ
り好ましい。なお、上記の繊維直径(d)は、繊維横断
面面積と同面積を有する円の直径をいう。
【0019】繊維(c)の配合量は、水硬性組成物の全
体積に基づいて0.3〜3.0体積%であるのが好まし
く、0.45〜1.5体積%であるのがより好ましい。
繊維(c)の配合量が上記した0.3体積%未満である
と、クラックの発生を防止できにくくなり、一方3.0
体積%を超えると水硬性組成物中に繊維(c)を均一に
分散させにくくなって、ファイバーボールが発生して、
施工性の低下、水硬化物や水硬化成形物の品質の不均一
化などが生じ易くなる。なお、ここでいう「水硬性組成
物の全体積」とは、水を含有する、施工や成形にそのま
ま用いられる水硬性組成物の全体積をいう。また、繊維
(c)の体積は、繊維間空隙を含まない繊維自体の占め
る体積をいう。
【0020】繊維(c)としては、引張強度が50kg
/mm2以上で且つヤング率が2000kg/mm2以上
である繊維のいずれもが使用でき特に制限されず、例え
ば、鋼繊維、ガラス繊維、ロックウール、石綿、炭素繊
維などの無機繊維;ポリビニルアルコール系繊維、アク
リル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、
ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維などの有機
繊維;麻、木材パルプなどの天然繊維などを挙げること
ができ、これらの繊維の1種または2種以上を用いるこ
とができる。そのうちでも、繊維(c)としてはポリビ
ニルアルコール系繊維が好ましく用いられる。ポリビニ
ルアルコール系繊維は耐アルカリ性に優れていて、しか
も繊維全体に親水性の水酸基を多数有しているために水
硬性組成物中での接着性に優れていて、硬化初期の段階
における乾燥収縮・クラックの発生防止に有効に作用す
る。
【0021】本発明の水硬性組成物は、上記した成分の
他に、水硬性組成物に通常用いられている他の成分の1
種または2種以上を必要に応じて含有していてもよい。
そのような他の成分の例としては、ガラスバルーン、シ
ラスバルーン、フライアッシュ、砂、砂利、パーライ
ト、ポリスチレンビーズなどの無機充填剤や軽量骨材、
水溶性セルロース系樹脂やその他の増粘剤などを挙げる
ことができる。水硬性組成物中に上記したような無機充
填材や軽量骨材を配合する場合は、それらの種類、水硬
性物質の用途などに応じてその配合量を適宜選択するこ
とができるが、一般に水硬性組成物の全固形分重量に基
づいて0.5〜10重量%の割合で配合するのが好まし
く、3〜5重量%の割合で配合するのがより好ましい。
また、増粘剤を配合する場合は、水硬性組成物の全重量
に基づいて、約0.2〜10重量%程度の割合とするの
が好ましい。
【0022】そして、上記した水硬性物質(a)、防水
性樹脂(b)、繊維(c)、および必要に応じて骨材や
他の成分を水と共に混合して、水分を含有する水硬性組
成物を調製する。その際に、水硬性組成物における水分
含量は特に制限されず、従来既知の水硬性組成物におけ
るのと同様の水分含量とすることができる。一般には、
水硬性組成物における水分含量が水硬性物質(a)の重
量に基づいて40〜70重量%であるのが好ましく、4
5〜65重量%であるのがより好ましい。ところで、上
記したように防水性樹脂(b)は好ましくは水性分散液
の形態にして配合されるが、防水性樹脂(b)を水性分
散液の形態で水硬性組成物に配合する場合は、防水性樹
脂(b)の水性分散液に含まれている水の量を考慮し
て、該水性分散液の配合後における水硬性組成物中の水
分含量を上記した割合になるように調整するのがよい。
【0023】水硬性物質(a)、防水性樹脂(b)、繊
維(c)、水および必要に応じて骨材や他の成分を混合
して水硬性組成物を調製するに当たっては、各成分の混
合方法や混合順序などは特に制限されず、それらの成分
が均一に混合され得る方法であればいずれも採用でき、
例えば全成分を同時に混合する方法、各成分を逐次に混
合する方法、前記の成分のうちの幾つかを予め混合して
おきそれに残りの成分を混合する方法などを挙げること
ができる。そのうちでも、水硬性物質(a)、水および
骨材を使用する場合はこれらの3者を予め混合してお
き、これに防水性樹脂(b)を好ましくは水性分散液の
形態で添加して混合してスラリーを形成し、これに繊維
(c)を混合する方法を採用すると、全成分が均一に混
合した水硬性組成物を得ることができる。また、水硬性
組成物を調製する際の混合装置は特に限定されず、水硬
性組成物の用途、施工方法、使用態様などに応じて、従
来から既知の混合装置を使用することができ、例えばコ
ンクリートミキサー、スクリュー型混練装置、ペラー型
混練装置などによって混合することができる。
【0024】そして、上記により調製した水硬性組成物
を用いて、それぞれの現場で、打設、塗工、吹付などの
工法のうちの1種または2種以上を採用して水硬化物を
形成させることができる。その際の水硬性組成物の打
設、塗工および/または吹付は従来既知の水硬性組成物
の施工法と同様に行うことができ特に制限されない。次
いで、現場に施工した水硬性組成物を、従来既知の方法
と同様にして養生し、乾燥させて水硬化物を形成させ
る。本発明の水硬性組成物から得られる水硬化物は、吸
水性および透水性が小さくて、それ自体で防水性および
防湿性に優れているので、本発明の水硬性組成物を用い
て現場施工を行う場合は、上記した従来の遮断工法、す
なわち雨水や地下水などを遮断するための塗膜層、アス
ファルト層、樹脂やゴムシート層などの防水層を水と直
接接触する箇所(例えば建造物の最上部、最下部の地盤
との境界面など)に設ける方法を採用することなく、水
硬性組成物をそのまま直接地盤などに接して施すことが
できる。そして、その場合には水硬性組成物の水和硬化
に伴って生ずる余剰水をそれが接する地盤などを通して
速やかに且つ直接水硬化物から排出させることができる
ので、水硬化物におけるクラックの発生などを一層円滑
に防止できる。しかしながら、場合によっては本発明の
水硬性組成物を用いて、従来の遮断工法と同様の方法に
より構築物の製造や、防水工事などを行ってもよい。そ
して、本発明の水硬性組成物を用いて、例えば、現場で
の建造物の製造、建造物における床面、壁面、屋根の形
成、道路舗装、トンネルライニング、法面保護などを円
滑に行うことができる。
【0025】また、本発明の水硬性組成物は、現場に直
接施工する代わりに、水硬化成形物の製造に用いてもよ
い。その場合の成形法は特に制限されず、水硬化成形物
の製造に当たって従来から用いられているいずれの方法
も採用でき、例えば型枠成形法、押出成形法、抄造成形
法、フローオン法、乾式法などを挙げることができる。
そして、それにより得られる成形物を養生することによ
って最終的な水硬化成形物を製造する。その際の養生法
も特に制限されず、従来の既知の養生法のいずれもが採
用でき例えばオートクレーブ養生、スチーム養生、自然
養生、それらの組み合わせなどを挙げることができる。
上記により得られる水硬化成形物は、建築、土木、船舶
などの種々の分野で広く使用することができ、特にその
優れた防水性、防湿性、耐クラック性、機械的特性など
のを活かして、屋根、外壁、内壁、床材、門扉、道路用
ブロック、護岸用ブロックなどの建材として極めて有効
に使用できる。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
中、防水性樹脂の軟化点、繊維の引張強度およびヤング
率、水硬性組成物のスランプ値およびブリージング率、
初期硬化時のクラック発生状況、水硬化物における乾燥
収縮割合、水硬化物の圧縮強度、引張強度、吸水率、透
水性(水拡散係数)および長さ変化率の測定または評価
は次のようにして行った。
【0027】(i)防水性樹脂の軟化点:JIS K7
206に準じてビカット軟化点を測定した。
【0028】(ii)繊維の引張強度:JIS L−10
13に準じて測定した。
【0029】(iii)繊維のヤング率:JIS L−1
013に準じて測定した。
【0030】(iv)水硬性組成物のスランプ値:水硬性
組成物を、高さ30cm、下端内径20cmおよび上端
内径10cmのスランプコーンに、1/3容ずつに分け
て標準棒でそれぞれ25回ずつ突きながら詰めた後、ス
ランプコーンを垂直上方に引上げて抜き、そのときの水
硬性組成物の底部から頂面までの高さを測定してスラン
プ値(cm)とした。
【0031】(v)水硬性組成物のブリージング率:J
IS A 1122に準じて測定した。
【0032】(vi)初期硬化時のクラック発生状況:水
硬性組成物を、4つの側壁で包囲されている、上面が開
放している平板上の空間(縦×横×深さ=900mm×
600mm×62.5mm)内に打設し、その表面を平
坦に仕上げた後、それから200cm離れた位置に設置
した送風機により斜め上方向から4m/秒の風速で風を
30分間吹き付けて、その時のクラックの発生状況を目
視により観察して、下記の表1に示す評価基準にしたが
って評価した。
【0033】
【表1】 [初期硬化時のクラック発生状況の評価基準] ○ :クラックが全く発生しておらず、良好。 △ :表面のみに細い筋状(毛髪状)のクラックが発生した。 × :裂け目幅が0.04mm以下の底部に到達するクラックが発生した。 ××:裂け目幅が0.04mmを超える底部に到達するクラックが発生した。
【0034】(vii)水硬化物における乾燥収縮割合
「繊維補強コンクリートの試験方法に関する基準」第1
〜2頁(社団法人日本コンクリート工学協会編;昭和5
9年2月発行)に記載されている方法にしたがって、水
硬性組成物(セメントスラリー)を10cm×10cm
×40cmの鋼製型枠中に流し込み、1日放置した後脱
型して縦×横×長さ=10cm×10cm×40cmの
角柱体を形成し、それを20℃の水中で7日間養生した
後、水中より取り出して、コンタクトゲージによってそ
の角柱体の側面部の所定の(印を付した)2点間の距離
(L0)を測定した。次いで、養生後の角柱体を、温度
20±3℃、湿度60±5%の恒温室中に放置して乾燥
させ、26週間後における上記の印を付した2点間の距
離(L1)を測定し、下記の数式にしたがって、その乾
燥収縮割合を求めた。
【0035】
【数1】 水硬化物における乾燥収縮割合=(L0−L1)/L0
【0036】(viii)水硬化物の圧縮強度:水硬性組
成物(セメントスラリー)を直径×高さ=10cm×2
0cmの鋼製型枠中に流し込み、1日放置した後脱型
し、それを20℃の水中で7日間養生した。養生後、水
中より取り出して、熱風乾燥機(熱風温度80℃)に入
れて2日間乾燥した後、取り出して室温まで放冷し、そ
れにより得られた水硬化物の圧縮強度を、社団法人日本
コンクリート工学協会編「圧縮強度試験方法」に示され
ている方法に準じて測定した。
【0037】(ix)水硬化物の引張強度:図1に示す形
状および寸法を有する鋼製型枠中に混練した水硬性組成
物(セメントスラリー)を流し込み、28日間水中養生
して水硬化物(供試体)をつくり、それにより得られた
水硬化物(供試体)について、島津製作所の万能試験機
(ヘッドスピード0.1mm/min、チャートスピー
ド25m/min)を用いて、そのくびれ部分にかかる
応力を測定し、単位面積あたりの応力を算出して引張強
度とした。
【0038】(x)水硬化物の吸水率: 上記の(vii)と同様にして水硬性組成物(セメン
トスラリー)を10cm×10cm×40cmの鋼製型
枠中に流し込み、1日放置した後脱型して縦×横×長さ
=10cm×10cm×40cmの角柱体を形成し、そ
れを20℃の水中で7日間養生した。養生後、水中より
取り出して、熱風乾燥機(熱風温度80℃)に入れて2
日間乾燥した後、取り出して室温まで放冷して、その時
の角柱体の重量(W2)を測定した。 上記で重量を測定した角柱体を、20℃の水中に
48時間浸漬した後水中より取り出して、その表面に付
着している水を素早くティシュペーパーで拭き取った
後、直ちにその重量(W3)を測定し、下記の数式にし
たがって水硬化物の吸水率を求めた。
【0039】
【数2】水硬化物における吸水率(%)={(W3
2)/W2}×100
【0040】(xi)水硬化物の透水性: インプット法により行った。すなわち、水硬性組成
物(セメントスラリー)を鋼製型枠中に流し込んで、直
径2cmの中心孔を有する直径×高さ=15cm×30
cmの円筒状の供試体をつくり、それを材令7日まで2
0℃の水中で養生し、その後7日間空気中に放置して乾
燥させた。 上記で得られた円筒状供試体にその側面より10
kgf/cm2の圧力で60分間水を浸透させ、その後
供試体を割裂し、側面からの水の浸透深さを測定し、下
記の数式により拡散係数を求めて浸透性を評価した。
【0041】
【数3】 拡散係数(βi)=α×{Dm/(4×t×ξ)} 式中、 α=加圧時間による係数 Dm=平均浸透深さ(cm) t=加圧時間(秒) ▲▼ξ=浸透圧力による係数
【0042】なお、拡散係数を求める上記の数式におい
て、Dmは割裂断面の供試体中央部1/3の変色部分面
積をプラニメーターを用いて測定して、その平均浸透深
さを求めたときの値である。また、αおよびξは参考文
献[国分正胤編「土木材料実験」第370頁(技報
堂)]に示されている数値を実験条件で内挿法により仮
定して求めたものである。
【0043】(xii)水硬化物の長さ変化率: 上記の(vii)と同様にして水硬性組成物(セメン
トスラリー)を10cm×10cm×40cmの鋼製型
枠中に流し込み、1日放置した後脱型して縦×横×長さ
=10cm×10cm×40cmの角柱体を形成し、そ
れを20℃の水中で7日間養生した。養生後、水中より
取り出して、熱風乾燥機(熱風温度80℃)に入れて2
日間乾燥した後、取り出して室温まで放冷して、その時
の角柱体の長さ(L4)を測定した。 上記の角柱体を20℃での水中に一昼夜浸漬した
後取り出して、その時の長さ(L5)を測定して、下記
の数式にしたがって水硬化物の長さ変化率を求めた。
【0044】
【数4】水硬化物の長さ変化率(%)={(L5−L4
/L4}×100
【0045】《実施例1》 (1) 傾動式ミキサー(50リットル用)に、ポルト
ランドセメント(小野田社製)290重量部、川砂(平
均粒径2mm、粗粒率2.73%)746重量部、砂利
(最大粒径15mm)1040重量部および水168重
量部を一括投入して30秒間稼働混合した。 (2) 次に、上記(1)の混合物中に、防水性樹脂
(アスファルト石油系樹脂;軟化点160℃)の水性分
散液[固形分濃度50重量%;(株)トキワケミカル社
製「ブラジックC」]6重量部を添加してさらに30秒
間撹拌混合した。 (3) 上記(2)の混合物中に、ポリビニルアルコー
ル繊維(単繊維繊度4000デニール、繊維長30m
m、引張強度80kg/cm、ヤング率2900kg
/m)を0.5体積%の割合で加えて1分間混合して
水硬性組成物(セメントスラリー)を調製した。 (4) 上記(3)で得られた水硬性組成物を用いて、
水硬性組成物のスランプ値およびブリージング値、初期
硬化時のクラック発生状況、水硬化物における乾燥収縮
割合、並びに水硬化物の圧縮強度、引張強度、吸水率、
透水性(水拡散係数)および長さ変化率の測定または評
価を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すと
おりであった。
【0046】《比較例1》 (1) 実施例1で使用したのと同じ傾動式ミキサー
に、実施例1で使用したのと同じポルトランドセメント
290重量部、同川砂746重量部、同砂利1040重
量部および水174重量部を一括投入して30秒間稼働
混合して、水硬性組成物(セメントスラリー)を調製し
た。 (2) 上記(1)で得られた水硬性組成物を用いて、
水硬性組成物のスランプ値およびブリージング値、初期
硬化時のクラック発生状況、水硬化物における乾燥収縮
割合、並びに水硬化物の圧縮強度、引張強度、吸水率、
透水性(水拡散係数)および長さ変化率の測定または評
価を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すと
おりであった。
【0047】《比較例2〜4》 (1) 実施例1で使用したのと同じ傾動式ミキサー
に、実施例1で使用したのと同じポルトランドセメント
290重量部、同川砂746重量部、同砂利1040重
量部、および水をそれぞれ172重量部(比較例2)、
168重量部(比較例3)または151重量部(比較例
4)を一括投入して30秒間稼働混合した。 (2) 次に、上記(1)の混合物中に、実施例1で使
用したのと同じ防水性樹脂の水性分散液をそれぞれ2重
量部(比較例2)、6重量部(比較例3)または23重
量部(比較例3)を添加してさらに30秒間撹拌混合し
て、水硬性組成物(セメントスラリー)をそれぞれ調製
した。 (3) 上記(2)で得られたそれぞれの水硬性組成物
を用いて、水硬性組成物のスランプ値およびブリージン
グ値、初期硬化時のクラック発生状況、水硬化物におけ
る乾燥収縮割合、並びに水硬化物の圧縮強度、引張強
度、吸水率、透水性(水拡散係数)および長さ変化率の
測定または評価を上記した方法で行ったところ、下記の
表2に示すとおりであった。
【0048】《比較例5》 (1) 実施例1で使用したのと同じ傾動式ミキサー
に、実施例1で使用したのと同じポルトランドセメント
290重量部、同川砂746重量部、同砂利1040重
量部および水174重量部を一括投入して30秒間稼働
混合した。 (2) 次に、上記(1)の混合物中に、実施例1で使
用したのと同じポリビニルアルコール繊維を0.5体積
%の割合で添加して1分間混合して、水硬性組成物(セ
メントスラリー)を調製した。 (3) 上記(2)で得られた水硬性組成物を用いて、
水硬性組成物のスランプ値およびブリージング値、初期
硬化時のクラック発生状況、水硬化物における乾燥収縮
割合、並びに水硬化物の圧縮強度、引張強度、吸水率、
透水性(水拡散係数)および長さ変化率の測定または評
価を上記した方法で行ったところ、下記の表2に示すと
おりであった。
【0049】
【表2】
【0050】上記表2の実施例1の結果から、防水性樹
脂と共に、引張強度が50kg/mm以上で且つヤン
グ率が2000kg/mm以上であるポリビニルアル
コール繊維を含有する実施例1の水硬性組成物を用いた
場合は、水硬性組成物のスランプ値が大きくて水硬性組
成物のコンシステンシーが高く施工時の取り扱い性に優
れていること、また水硬性組成物のブリージング値が小
さくて水硬性組成物に含まれる水分の分離が少ないこ
と、しかも水硬化物における乾燥収縮割合が極めて小さ
く、初期硬化時にクラックが生じないこと、その上養生
および乾燥して得られる水硬化物(コンクリート)は、
圧縮強度および引張強度が大きくて機械的特性に優れ、
吸水率および透水性(水拡散係数)が小さくて防水性お
よび防湿性に優れ、しかも長さ変化率が小さくて寸法安
定性に優れていて、極めて高品質であることがわかる。
【0051】それに対して上記表2の比較例1の結果か
ら、防水性樹脂およびポリビニルアルコール繊維のいず
れをも含有しない比較例1の水硬性組成物の場合は、ブ
リージング値が大きくて放置しておくと水硬性組成物に
含まれる水分の分離が生じてしまうこと、水硬化物にお
ける乾燥収縮割合が極めて大きく、初期硬化時に大きな
クラックが生ずること、しかもその水硬性組成物を養生
および乾燥して得られる水硬化物(コンクリート)は引張
強度が小さくて機械的特性に劣っており、その上吸水率
および透水性(水拡散係数)が大きくて防水性および防
湿性に劣り、長さ変化率が大きくて寸法安定性に劣って
おり、品質が不良であることがわかる。
【0052】また、上記表2の比較例2〜4の結果か
ら、防水性樹脂を含有するがポリビニルアルコール繊維
を含有しない比較例2〜4の水硬性組成物の場合は、水
硬性組成物のスランプ値が小さくてコンシステンシーが
低くて取り扱い性に劣っているか(比較例2)またはブ
リージング値が大きくて放置しておくと水硬性組成物に
含まれる水分の分離が生じてしまうこと(比較例4)、
また水硬化物における乾燥収縮割合が大きく、初期硬化
時にクラックを生じ易く、しかも養生および乾燥して得
られる水硬化物(コンクリート)の引張強度が小さくて
機械的特性に劣っており、その上吸水率および透水性
(水拡散係数)が実施例1に比べて大きくて防水性およ
び防湿性が十分ではなく、さらに長さ変化率が大きくて
寸法安定性に劣っており、品質が不良であることがわか
る。
【0053】さらに、上記表2の比較例5の結果から、
ポリビニルアルコール繊維を含有するが防水性樹脂を含
有しない比較例5の水硬性組成物の場合は、水硬性組成
物のスランプ値が小さくてコンシステンシーが低く取り
扱い性に劣っており、水硬性組成物のブリージング値が
大きくて放置しておくと水硬性組成物に含まれる水分の
分離が生じてしまうこと、水硬化物における乾燥収縮割
合が大きく、初期硬化時の多少ではあってもクラックが
生じてしまい、しかも養生および乾燥して得られる水硬
化物(コンクリート)の吸水率および透水性(水拡散係
数)が大きくて防水性および防湿性に劣っており、また
長さ変化率が大きくて寸法安定性に劣っており、低品質
であることがわかる。
【0054】《比較例6〜8》 (1) 実施例1で使用したのと同じ傾動式ミキサー
に、実施例1で使用したのと同じポルトランドセメント
290重量部、同川砂746重量部、同砂利1040重
量部および水174重量部を一括投入して30秒間稼働
混合した。 (2) 次に、上記(1)の混合物中に、実施例1で使
用したのと同じポリビニルアルコール繊維(単繊維繊度
4000デニール、繊維長30mm、引張強度80kg
/cm、ヤング率2900kg/m)をそれぞれ
0.2体積%(比較例6)、0.5体積%(比較例7)
または4.0体積%(比較例8)の割合で添加して1分
間混合して、水硬性組成物(セメントスラリー)を調製
した。 (3) 上記(2)で得られたそれぞれの水硬性組成物
を用いて、水硬性組成物のスランプ値の測定、および初
期硬化時のクラック発生状況の評価を上記した方法で行
ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0055】《比較例9〜10》 (1) 実施例1で使用したのと同じ傾動式ミキサー
に、実施例1で使用したのと同じポルトランドセメント
290重量部、同川砂746重量部、同砂利1040重
量部および水174重量部を一括投入して30秒間稼働
混合した。 (2) 次に、上記(1)の混合物中に、ポリプロピレ
ン繊維(単繊維繊度7500デニール、繊維長30m
m、引張強度45kg/cm、ヤング率1500kg
/m;テザック社製「タフライト」)0.5体積%を
添加するか(比較例9)、またはアクリル繊維(単繊維
繊度100デニール、繊維長10mm、引張強度68k
g/cm、ヤング率2500kg/m;ヘキスト社
製「ドランF11」)0.5体積%を添加して(比較例
10)、1分間混合して水硬性組成物(セメントスラリ
ー)をそれぞれ調製した。 (3) 上記(2)で得られたそれぞれの水硬性組成物
を用いて、水硬性組成物のスランプ値の測定、および初
期硬化時のクラック発生状況の評価を上記した方法で行
ったところ、下記の表3に示すとおりであった。なお、
下記の表3には、参考のために上記の実施例1で得られ
た結果を併記する。
【0056】
【表3】
【0057】上記表3の結果から、防水性樹脂を含有せ
ずに繊維のみを含有している比較例6〜10の水硬性組
成物の場合は、水硬性組成物の初期硬化時にクラックが
発生すること、またものによっては水硬性組成物のスラ
ンプ値が小さくて水硬性組成物のコンシステンシーが低
く施工時の取り扱い性に劣っている(比較例8および比
較例10)ことがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の水硬性組成物は、適度なコンシ
ステンシー(流動抵抗性)を有しているため、打設作業
や塗工作業などの施工時や、水硬化成形物を製造する際
の取り扱い性および作業性に優れている。また、本発明
の水硬性組成物は、ブリージング率が小さいので、保存
時や作業時に水の分離が少なく、取り扱い性に優れ、良
好な品質を有する水硬化物および水硬化成形物を形成さ
せることができる。さらに、本発明の水硬性組成物は、
乾燥時の収縮が小さく、クラックが発生しない。
【0059】しかも、本発明の水硬性組成物を水和硬化
して得られる水硬化物および水硬化成形物は、吸水率お
よび透水性が低くて防水性および防湿性に優れているの
で、防水シートなどの防水層を設けなくてもそれ自体で
防水性および防湿性に優れる水硬化物や水硬化成形物を
形成させることができ、また雨水や地下水などの水に長
期間曝されても、漏水や浸水の発生が極めて少ない。そ
の上、本発明の水硬性組成物を水和硬化して得られる水
硬化物および水硬化成形物は、引張強度や圧縮強度に代
表される機械的特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本明細書中の実施例および比較例において、水
硬化物の引張強度の測定に用いる供試体の製造に使用し
た鋼製型枠の形状および寸法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水島 洋一 福井県福井市田原1丁目12番9号 株式会 社水島組内 (72)発明者 星野 三郎 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 松本 健次 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水硬性物質、(b)防水性樹脂、
    および(c)引張強度が50kg/mm2以上で且つヤ
    ング率が2000kg/mm2以上である繊維を含有す
    ることを特徴とする水硬性組成物。
  2. 【請求項2】 水硬性物質(a)の重量に基づいて防水
    性樹脂(b)を0.5〜7重量%の割合で含有し、且つ水
    硬性組成物の全体積に基づいて繊維(c)を0.3〜
    3.0体積%の割合で含有する請求項1の水硬性組成
    物。
  3. 【請求項3】 防水性樹脂(b)を水性分散体の形態で
    添加してなる請求項1または2の水硬性組成物。
  4. 【請求項4】 水硬性物質(a)がセメントであり、骨
    材をさらに含有する請求項1〜3のいずれか1項の水硬
    性組成物。
  5. 【請求項5】 防水性樹脂(b)が、熱可塑性樹脂およ
    び石油系樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1〜4のいずれか1項の水硬性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項の水硬性組
    成物を用いて、打設、塗工および/または吹付を行うこ
    とを特徴とする防水工法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項の水硬性組
    成物を用いて成形を行うことを特徴とする水硬化成形物
    の製造方法。
JP28924596A 1996-10-11 1996-10-11 水硬性組成物 Pending JPH10120452A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28924596A JPH10120452A (ja) 1996-10-11 1996-10-11 水硬性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28924596A JPH10120452A (ja) 1996-10-11 1996-10-11 水硬性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10120452A true JPH10120452A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17740664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28924596A Pending JPH10120452A (ja) 1996-10-11 1996-10-11 水硬性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10120452A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014198760A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 日本化学塗料株式会社 水膨潤性樹脂組成物被覆骨材、及び、その製造方法、並びに、継手接合部閉塞方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014198760A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 日本化学塗料株式会社 水膨潤性樹脂組成物被覆骨材、及び、その製造方法、並びに、継手接合部閉塞方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU605509B2 (en) Cementitious compositions and products
CN102159774B (zh) 用于外墙外保温应用的复合结构体
EP0286112B1 (en) Synthetic fiber suited for use in reinforcing cement mortar or concrete and cement composition containing same
JP3009059B2 (ja) 発泡結合性組成物及びその製造方法
KR101352903B1 (ko) 유동성 및 시공성이 우수한 시멘트 모르타르 조성물, 이를 이용한 콘크리트 구조물의 보수공법, 콘크리트 구조물에 대한 주입 보수공법, 콘크리트 구조물의 표면처리 공법 및 콘크리트 구조물의 표면보호처리 공법
CA2417711C (en) Method for producing concrete or mortar using a vegetal aggregate
WO1995021050A1 (en) Extruded fiber-reinforced cement matrix composites
DE2835423A1 (de) Beton- und moertelzusatzmittel und dessen verwendung
WO2019216851A2 (en) Cement-based light precast mortar with expanded perlite aggregate
WO2009004049A1 (de) Wärme- und trittschalldämmstoff mit geringem gehalt an hydraulischen bindemittel und hohem anteil an geschäumten polystyrol
JP2009096657A (ja) 左官用セメントモルタル
CN112159184A (zh) 一种内墙多功能基材及其制备方法
US4398957A (en) Mortar latex mix
CN119930239A (zh) 一种适用于混凝土接缝水下修补用的水泥基韧性止水砂浆及其快速施工工艺
JP2001316157A (ja) 水硬性材料組成物及び繊維補強水硬性硬化体
JPH08268775A (ja) 軽量コンクリートブロック及びその製造方法
JP4983111B2 (ja) セメント組成物
JPH10120452A (ja) 水硬性組成物
WO2006038225A2 (en) A reinforcing fiber for concrete, a flexible concrete and a method to prepare the concrete
JPH1171157A (ja) 水硬性組成物
KR100823986B1 (ko) 알칼리 골재 반응 억제용 저탄성 폴리머 콘크리트 혼화재제조방법
CN1091485C (zh) 高强度纤维石膏平板
KR900002297B1 (ko) 미장재료
JP2000203916A (ja) 弾塑性を有するセメント系成形板材
JP3359388B2 (ja) 遮音壁の施工法