JPH10120701A - 水酸化ナトリウムの回収を含む、水溶性セルロースエーテルの製造方法 - Google Patents

水酸化ナトリウムの回収を含む、水溶性セルロースエーテルの製造方法

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JPH10120701A
JPH10120701A JP9225191A JP22519197A JPH10120701A JP H10120701 A JPH10120701 A JP H10120701A JP 9225191 A JP9225191 A JP 9225191A JP 22519197 A JP22519197 A JP 22519197A JP H10120701 A JPH10120701 A JP H10120701A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロキシアルキル化段階から、この段階で
再利用可能なほどの品質で水酸化ナトリウム溶液を回収
することを含む、ヒドロキシアルキル基含有のセルロー
スエーテルの簡単で経済的な方法を提供すること。 【解決手段】 ヒドロキシアルキル基を含む水溶性セル
ロースエーテルを製造する方法であって、セルロース
を、無水グルコース単位1モル当たり少なくとも1.0 モ
ルの水酸化ナトリウムの存在下に水含有有機懸濁媒体中
でアルキレンオキシドでエーテル化し、このエーテル化
反応の完了後にこの水含有有機懸濁媒体を分別し、得ら
れた粗製セルロースエーテルを適当な溶剤混合物で抽出
し、抽出後、この溶剤混合物から低沸点有機成分を留去
し、この溶剤混合物の蒸留残留物に、分離した水含有有
機懸濁媒体を添加して多相混合物を形成し、この多相混
合物の底部相を分離しそしてこの底部相中に存在する水
酸化ナトリウムを再利用することを特徴とする上記方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水酸化ナトリウム
溶液によるセルロースのアルカリ化、このアルカリ金属
セルロースと一種またはそれ以上のアルキレンオキシド
との反応、生ずる液相の分離、得られた粗製ヒドロキシ
アルキルセルロースの水酸化ナトリウムのための溶剤に
よる洗浄、それに次ぐ生ずる液相からの水性水酸化ナト
リウムの回収という反応段階からなる水溶性ヒドロキシ
アルキルセルロースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースの水溶性誘導体は水性系に溶
解された際に粘度の増大をもたらす。毒性上の有利な性
質及び再生可能な資源群から選ばれるセルロース資源
は、この部類の物質を、例えば石油、建築、染料、化粧
品及び食品工業において環境的及び経済的に重要なコン
システンシー制御剤としてきた。
【0003】水溶性ヒドロキシアルキルセルロースを製
造するためには、通常、セルロースを水性溶剤中に懸濁
させ、アルカリ、好ましくは水酸化ナトリウム溶液でア
ルカリ化し、そして対応するアルキレンオキシドと反応
させる。この反応の完了後、水酸化ナトリウム溶液を鉱
酸または酢酸で中和する。生じた塩を、適当な水性溶剤
で繰り返し洗い流しすることで、アルキレンオキシドの
加水分解物、グリコール類及びポリグリコール類と共に
粗生成物から除去する。通常、このグリコール類は上記
塩と一緒に、廃水処理プラントに導入される。
【0004】原則的には、アルキレンオキシドのエステ
ル化は、ウイリアムソンエーテル合成とは対照的に、ア
ルカリが消費されることなく、つまりアルカリは触媒と
してだけ機能して起こるので、セルロースのアルキレン
オキシドによるエーテル化には少量のアルカリしか必要
とされない。しかし、このセルロースのダイジェスショ
ン(digestion) には、均一なエーテル化を達成するため
に無水グルコース単位1モル当たり約1.0 〜約1.4 モル
のアルカリが必要とされる。中和の後には、除去しなけ
ればならない不所望な塩の負荷がこのアルカリから必ず
生ずる。
【0005】この中和処理に関して、鉱酸を使用するこ
とには多くの欠点がある。その塩を水含有溶剤で洗去す
ることは容易ではない。この洗浄媒体中での水の濃度を
高めれば、この洗去プロセスの効率は高まるが、ヒドロ
キシアルキルセルロースも同様に或る程度可溶化され、
同時に洗去されてしまう。ドイツ特許第12 12 058 号に
おいて、硝酸ナトリウムが水含有アセトン中に十分に可
溶であり、そしてヒドロキシアルキルセルロースが高い
置換度までそれに実質的に不溶であるために、中和処理
中での硝酸とセルロースエーテルの洗浄中での水含有ア
セトンとの組み合せが有効であることが示された。しか
し、通常この方法では、無水グルコース単位1モル当た
り硝酸ナトリウム約1.0 〜1.4 モルを処理する必要があ
る。
【0006】酢酸または他の有機酸の使用には、洗去が
より容易に進行するという利点があるが、COD [Chemica
l oxygen demand (化学的酸素要求量)] で表される廃
水中の有機炭素負荷量を増大させるために、廃水処理プ
ラントに追加的な負荷を負わせる。それゆえ、ドイツ特
許出願公開第16 68 347 号は、水性メタノールまたはメ
タノール含有溶剤を用いて中和段階の前にセルロースエ
ーテルから水酸化ナトリウム溶液をほどんと除去し、こ
れに次いで鉱酸での中和のみを行うことを提案してい
る。溶剤を留去した後に、その塩をCOD を増大させるこ
となく処分できる。対照的に、セルロースエーテル中の
残留アルカリの中和はあらゆる酸を用いて行うことがで
きる。セルロースエーテル中で少量の塩は許容されるの
で、その残留塩はその生成物中に残っていてもよい。
【0007】ドイツ特許出願公開第11 77 127 号では、
アルカリ化の後に、0.05〜0.8 ヒドロキシアルキル単位
の低いモル置換度(MS)まで部分的なエーテル化を行うこ
とによって、この洗去問題が解決されている。その低い
置換度のために水不溶性であるこのヒドロキシアルキル
セルロースから、水酸化ナトリウム溶液を直接洗去でき
るか、あるいは中和の後に対応する塩を簡単に洗去する
ことができる。第二のエーテル化段階において、ヒドロ
キシアルキル化を、セルロースエーテル中に残る残留水
酸化ナトリウムの存在下に目的の置換度(MS)にまで続
け、その際必要に応じて少量のアルカリを添加する。中
和の後、残留塩はセルロースエーテル中に残存する。
【0008】ドイツ特許出願公開第32 16 786 号は、ヒ
ドログルコース単位1モル当たり>1.2 モルのアルカリ
によるセルロースのダイジェスションの後に、そのアル
カリセルロースを或る溶剤混合物で洗浄して無水グルコ
ース単位1モル当たり 0.3〜0.8 モルのアルカリが存在
するようにし、次いでこれをアルキレンオキシドでエー
テル化する方法を開示している。この方法の利点は、そ
の低いアルカリ濃度のために、副反応が抑制され、より
少量の中和剤しか必要とされずそしてより少量の塩しか
洗去する必要のないことである。
【0009】これら全ての文献はどのように水酸化ナト
リウムを、粗製ヒドロキシアルキルセルロースから洗去
できるかということを詳述している。ドイツ特許出願公
開第32 16 786 号も、水酸化ナトリウム溶液を再利用で
きることを開示している。しかし、グリコール類及び他
の副生成物を除去するためにどのようにそれを処理でき
るかについては記載されていない。しかし、グリコール
による水酸化ナトリウム溶液の汚染は、それが僅かであ
っても、グリコール類はアルキレンオキシドを消費して
ポリグリコール類を形成するので、ヒドロキシアルキル
化における再生使用の邪魔になる恐れがある。これは、
収率の低下及び廃水汚染の増大を招く。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】それゆえ、本発明の課
題は、ヒドロキシアルキル化段階から、この段階で再利
用可能なほどの品質で水酸化ナトリウム溶液を回収する
ことを含む、ヒドロキシアルキル基含有のセルロースエ
ーテルの簡単で経済的な方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題は、セルロース
のヒドロキシアルキル化を水含有有機懸濁媒体中で行
い、この反応の完了後、中和することなく上記懸濁媒体
から反応バッチを分離し、その粗製セルロースエーテル
を、所望量の残留アルカリに達するまで或る種の溶剤混
合物で洗浄し、この溶剤混合物を蒸留しそしてこの溶剤
混合物の蒸留残留物を、前に分離した懸濁媒体と一緒に
し、そしてこれによって、セルロースのヒドロキシアル
キル化で使用するのに適したほぼ純粋な濃厚水酸化ナト
リウム溶液からなる底部相を有する相分離を生じさせる
ことによって達成された。
【0012】それゆえ、本発明は、ヒドロキシアルキル
基を含む水溶性セルロースエーテルの製造方法であっ
て、セルロースを、無水グルコース単位1モル当たり少
なくとも 1.0モルの水酸化ナトリウムの存在下に水含有
有機懸濁媒体中でアルキレンオキシドでエーテル化し、
このエーテル化反応の完了後に水含有有機懸濁媒体を分
別し、粗製セルロースエーテルを適当な溶剤混合物で抽
出し、この抽出後にこの溶剤混合物から低沸点有機成分
を留去し、分別した上記水含有有機懸濁媒体を、この溶
剤混合物の蒸留残留物に添加して多相混合物を形成し、
この多相混合物の底部相を分離しそしてこの底部相中に
存在する水酸化ナトリウムを再利用しそして場合によっ
ては上記溶剤混合物の留出物を再利用することを特徴と
する上記方法に関する。
【0013】本発明の方法は、使用される水酸化ナトリ
ウムの少なくとも一部は消費されず、しかしこれは触媒
機能だけを有する、セルロースエーテルを製造するため
の全ての方法と使用できる。例えば、エチレンオキシド
とセルロースからのヒドロキシエチルセルロースの製
造、プロピレンオキシドとセルロースからのヒドロキシ
プロピルセルロースの製造または上記セルロースエーテ
ル種からの混合エーテルの製造においては水酸化ナトリ
ウムは消費されない。以後、これらのエーテルはまとめ
てヒドロキシアルキルセルロールと呼ぶ。
【0014】ヒドロキシアルキルセルロースはいわゆる
懸濁法によって製造される。このためには、先ずセルロ
ースを、無水グルコース単位1モル当たり好ましくは1.
0 〜1.5 モルの水酸化ナトリウム溶液でダイジェストす
る。このようにしてダイジェストされたセルロースを、
好ましくは40〜120 ℃の温度で、無水グルコース単位1
モル当たり好ましくは 2.0〜6.0 モルのアルキレンオキ
シドと反応させる。この反応全域にわたり、セルロース
エーテルは懸濁媒体中の固形物の形である。好ましい懸
濁媒体は2〜4個の炭素原子を有する一価アルコール、
及びこれらと3〜5個の炭素原子を有するケトンとの混
合物である。特に好適なものはイソプロパノール及びt-
ブタノール、及びこれらの混合物である。この懸濁液
は、使用するセルロース1重量部当たり特に0.5 〜3.0
重量部の水を更に含む。
【0015】以下の記載は、水酸化ナトリウム溶液がほ
とんど回収される本発明の方法においてセルロースエー
テルがどのように処理されるかを説明する。従来の方法
では通例である、セルロースのエステル化の直後の鉱酸
及び/ または有機酸を用いた過剰の水酸化ナトリウム全
ての中和は、該新規方法では省略される。先ず最初に、
アルカリ含有セルロースエーテル懸濁液を、不活性ガス
雰囲気下に、固体フラクションと懸濁媒体フラクション
に分ける。このために適した装置は濾過装置または遠心
分離機である。使用した懸濁媒体及びそれに加えてエー
テル化反応で生じる副生成物から主になるこの懸濁媒体
相は、グリコール類及び若干の水酸化ナトリウム溶液を
含む。しかし、水酸化ナトリウム溶液のほどんどは固体
フラクション中に存在する。
【0016】分離された固体フラクションからは、グリ
コール類、ヘミセルロース類及び水酸化ナトリウム溶液
からなる副生成物を抽出する。この抽出に適した溶剤の
例は、上記の懸濁媒体、例えば2〜4個の炭素原子を有
するアルコール並びにアセトン、メタノールまたはエタ
ノール、好ましくはメタノール及び/ またはエタノール
を含む混合物、特に水との混合物である。
【0017】メタノール含有抽出媒体を使用する場合
は、この溶剤混合物中のメタノールの重量割合は好まし
くは少なくとも20wt%であるべきである。この濃度がこ
れより低いと、水酸化ナトリウムが十分な程度で固体か
ら溶出されない。メタノールの割合は好ましくは80wt%
を超えるべきではない。より高い濃度は、セルロースエ
ーテルの不所望の可溶化を導く。抽出媒体中の水の割合
は0と10wt%との間であるべきである。より高い濃度は
セルロースエーテルを膨潤させる。特に、20〜50wt%の
メタノール濃度及び2〜7wt%の水濃度が選択される。
この際、抽出媒体の残りの部分は、反応域で使用した懸
濁媒体からなるのが好都合である。
【0018】エタノール含有抽出媒体を使用する場合
は、溶剤混合物中のエタノールの重量割合は好ましくは
少なくとも30wt%であるべきである。この濃度がこれよ
りも低いと、水酸化ナトリウムが十分な程度で固体から
溶出されない。エタノールの割合は好ましくは90wt%を
超えるべきではない。この抽出媒体中の水の割合は、好
ましくは0と10wt%の間であるのがよい。特に、40〜80
wt%のエタノール濃度及び2〜7wt%の水濃度が選択さ
れる。この際、この抽出媒体の残りの部分は、反応域で
使用した懸濁媒体からなることが好都合である。
【0019】抽出は、抽出媒体中で粗製セルロースエー
テルを繰り返しスラリー化することによって行うことが
でき、この際、固体と抽出媒体との重量比は 1:5〜1:20
に維持されるのが好ましい。場合によっては、抽出媒体
で溶離 (elution)することにより固定床において抽出を
行うこともできる。抽出の進行度は、導電率測定によっ
て決定することができる。必要とされる抽出媒体の量
は、好ましくは、純粋なセルロースエーテル1重量部当
たり溶剤12〜25重量部である。
【0020】抽出後は、セルロースエーテルを抽出媒体
中に再スラリー化し、そしてそこに残るアルカリを慣用
の方法で鉱酸または酢酸を用いて中和する。適当な鉱酸
の例は、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸または二酸化炭素であ
る。吸引または遠心分離による再生濾過 (renewed filt
ration) の後は、その湿った材料を慣用の乾燥処理に付
す。この方法で得られるセルロースエーテルは、通常、
12wt%未満のナトリウム塩を含む。
【0021】次いで、上記抽出処理から生ずる、メタノ
ールまたはエタノールを含む好ましい溶剤混合物を、そ
れに含まれる水酸化ナトリウム溶液が次のバッチで使用
できるように後処理する。より揮発性の有機溶剤フラク
ションは簡単な蒸留操作、例えば回転式蒸発器を用いて
除去する。分析と適当な強化の後に、その凝縮液を上記
抽出処理の溶剤混合物として再び使用することができ
る。水性の蒸留残留物は、水酸化ナトリウム溶液の他
に、セルロースエーテルの製造から生ずる副生成物とし
てグリコール類及びヘミセルロース誘導体も含む。この
蒸留残留物を上記懸濁媒体相と一緒にし、そして20〜70
℃、好ましくは40〜60℃の温度を設定する。これにより
相の分離が生じ、この際、その底部相は、15〜30wt%濃
度の実質的に純粋な水性水酸化ナトリウムからなる。こ
れは更に後処理することなく、場合によっては水酸化ナ
トリウムで強化した後に、再利用することができる。そ
れゆえ、使用した水酸化ナトリウム溶液の50〜80%をプ
ロセスにリサイクルすることができる。
【0022】存在するあらゆる中間相は、グリコール類
を含む上部有機相と一緒に分離される。この有機相は蒸
留する。その凝縮液は懸濁媒体として再び使用すること
ができる。その蒸留残留物は、主として、グリコール類
及び少量のヘミセルロース類からなる。これは、通常の
方法で廃水処理プラントに導入し得るか、または幾つか
の他の方法、例えば焼却することによって処分すること
ができる。必要に応じて、この蒸留残留物を蒸留するこ
とによって例えばエチレングリコール及びアルキルモノ
グリコールを得ることができる。
【0023】
【実施例】該新規方法で得られる生成物は以下のように
特徴付けされる:2wt %水性溶液の粘度はHoeppler粘度
計中で測定した。セルロースエーテルの水不溶性フラク
ションは、溶解とデカントを繰り返し、それに次いでそ
の残留物を乾燥することによって測定した。モル置換度
(MS)は、セルロースエーテルのサンプルをヨウ化水素で
分解し、次いで生じるヨウ化アルキルをガスクロマトグ
ラフィーで計測することによって測定した (Zeisel met
hod)。
【0024】以下の実施例において部及び百分率は、特
に断りがないかぎり重量に基づく。 実施例1 ヒドロキシエチルセルロースの製造 (HEC) 2Lガラス反応器中で、リンターパルプ85.0g を、t-ブ
タノール/ メタノール/ 水(重量比: 87/1/12)800g中に
懸濁させた。これを3回不活性化し、次いで50%濃度水
酸化ナトリウム溶液56gを添加した。室温で45分間攪拌
した後、エチレンオキシド 125mlを添加し、次いで1時
間40℃に、次いで更に 1.5時間80℃に加熱した。次いで
この混合物を30℃未満に冷却した。 懸濁媒体相の分離 上記反応バッチを冷却した後、これを、中和することな
く、窒素で加圧したガラスフィルターノッチェに入れ
た。このバッチを吸引濾過した。懸濁媒体相は、主とし
て、t-ブタノール、グリコール類及び少量の水酸化ナト
リウム溶液から構成されていた。この懸濁媒体相は別の
容器に集めた。 粗製HEC の洗浄 上記のフィルターケークを、t-ブタノール/ メタノール
/ 水 (65/30/5)の溶剤混合物1L中に懸濁させ、上記ノ
ッチェに再び移した。このフィルターケークを更に同じ
溶剤混合物で溶離した。この溶離液の導電率は最初は約
1300μS であり、そして3500μS に上昇した。2440g の
溶剤混合物を導通させた後、最終の溶離液の導電率は 7
80μS であった。全部で、HEC 1kg当たり、約16kgの溶
剤が消費された。 中和 上記 HECをもう一度同じ溶剤混合物中でスラリー化しそ
してこの懸濁液に濃塩酸を添加することにより中和し
た。強吸引によって濾過を行い、そしてその濾液を上記
抽出媒体と一緒に後処理した。 乾燥 得られた湿った生成物(1103g 、16.5%固形物、5.9 %
水)を75℃で乾燥した。これにより、その固体物を基準
として、93.4%の乾質含量及び5.6 %の塩化ナトリウム
を含むHEC 170gが得られた。その粘度は 60,000 mPa.s
であった。モル置換度(MS)は3.1 であった。 溶離液の蒸留 上記抽出処理から生ずる溶剤混合物を回転式蒸発器で簡
単な蒸留処理に付した(200mbar, 65 ℃)。その留出物
は、t-ブタノール60.4%、メタノール34.0%及び水 5.6
%からなり、それゆえ、t-ブタノールで強化した後に、
抽出処理にもう一度使用するのに適したものであった。 水酸化ナトリウム溶液の分離 生ずる水性蒸留残留物(70g) を、上記エーテル化プロセ
スから分離された懸濁相と一緒にし、60℃に加熱しそし
て分離器に移した。明確に別れた二つの相が生じた。こ
の二つの相の間に、更にもう一つの相が生じ、これはヘ
ミセルロース類、グリコール類、溶解したHEC 及び水酸
化ナトリウム溶液からなるエマルションであった。その
底部相を分別した。これにより、グリコール類 5.1%、
メタノール1%及びt-ブタノール 1.3%をなお含む25.6
%濃度水酸化ナトリウム溶液58gが得られた。中間相
は、上部の有機相と一緒に蒸留した。
【0025】この分離した水酸化ナトリウム溶液は、更
に後処理しなくとも再利用するのに適していた。この例
では、使用した水酸化ナトリウム溶液の53%がリサイク
ルされた。 懸濁媒体の蒸留 分離した上記上部相を回転式蒸発器で蒸留した (200mba
r, 60 ℃) 。留出物(557g)は、t-ブタノール 90.8 %、
水 5.4%及びメタノール1%(残りは、t-ブチルグリコ
ール、メチルグリコール)からなり、それゆえ、t-ブタ
ノールを補った後に、懸濁媒体として再利用可能であっ
た。 実施例2 回収した水酸化ナトリウム溶液の使用この実験は実施例
1に記載のように行った。
【0026】しかし、使用した水酸化ナトリウム溶液
は、前の実験からリサイクルすることによって回収され
た25%濃度水酸化ナトリウム溶液112gからなるものであ
った。得られる生成物のモル置換度(MS)は3.0 であり、
2%濃度水溶液の粘度は55,000mPa.sであった。 実施例3 抽出媒体中に懸濁させることによる洗浄 この実験は実施例1に記載のように行った。しかし、粗
製生成物の抽出は、各々の場合に780gの溶剤混合物中に
4回粗製生成物を懸濁させ、それに次いでそれぞれヌッ
チェ中で吸引濾過することによって行った。最後の溶離
液の導電率は 580μS であった。溶剤消費量は、HEC 1
kg当たり約20kgであった。
【0027】この実験では、水酸化ナトリウム溶液の65
%を回収することができた。 実施例4 ヒドロキシエチルセルロース (HEC)の製造 ガラス反応器中で、ハリモミパルプ 85.0gを、t-ブタノ
ール/ エタノール/ 水(重量比: 85/5/10) 800g 中に懸
濁させた。これを三回不活性化し、次いで50%濃度水酸
化ナトリウム溶液56gを添加した。室温で45分間攪拌し
た後、エチレンオキシド 110mlを添加し、それに次いで
40℃に1時間、80℃に更に 1.5時間加熱した。次いでこ
の混合物を30℃未満に冷却した。 懸濁媒体相の分離 この反応バッチを冷却した後、フィルターヌッチェで吸
引濾過を行った。これにより、懸濁媒体相 700g が得ら
れた。 粗製HEC の洗浄 得られたフィルターケークを、t-ブタノール/ エタノー
ル/ 水(重量比: 20/75/5)の溶剤混合物1L中に懸濁さ
せ、再び上記ヌッチェに移した。このフィルターケーク
を更に同じ溶剤混合物で溶離した。溶離液の導電率は最
初は約1200μSであり、そして3200μS に上昇した。246
0g の洗浄媒体を導通した後、最後の溶離液の導電率は
390μS であった。溶剤消費量は全部で HEC1kg当たり
約16kgであった。 中和 このHEC を同じ溶剤混合物中でもう一度スラリー化しそ
して酢酸を添加することにより中和した。強吸引により
濾過を行い、そしてその濾液を上記抽出媒体と一緒に後
処理した。 乾燥 得られた湿った生成物を70℃で乾燥した。これにより、
その固体物を基準として、97.8%の乾質含量及び8.2%の
酢酸ナトリウムを含む HEC 172g が得られた。2%濃度
水溶液の粘度は 180mPa.s であった。この生成物のモル
置換度(MS)は 3.1であった。この生成物は室温で99.5%
まで水中に可溶であった。 溶離液の蒸留 上記抽出処理から生ずる溶剤混合物を回転式蒸発器で蒸
留した(200mbar, 65℃) 。その留出物は、t-ブタノー
ル21.6%、エタノール72.9%及び水 5.6%からなり、そ
れゆえ、エタノールで強化した後に、抽出処理に再び使
用するのに好適なものであった。 水酸化ナトリウム溶液の分離 得られた水性蒸留残留物(43g) を、上記エーテル化プロ
セスから分離した懸濁媒体と一緒にし、60℃に加熱しそ
して分離器に移した。二つの相が生じた。その底部相を
分別した。これにより、グリコール類 1.6%及びt-ブタ
ノール 0.4%をなお含む23%濃度水酸化ナトリウム溶液
64g が得られた。中間相は、上部の有機相と一緒に蒸留
した。
【0028】分離した水酸化ナトリウム溶液は、更に後
処理しなくとも、再利用に好適なものであった。この例
では、使用した水酸化ナトリウム溶液の53%がリサイク
ルされた。 懸濁媒体の蒸留 上記分離した上部相を回転式蒸発器で蒸留した(200mba
r, 60 ℃) 。その留出物 (620g) は、t-ブタノール 87.
9 %、水 6.4%及びエタノール 5.7%(残りは、t-ブチ
ルグリコール、エチルグリコール)からなり、それゆ
え、エタノールを補った後に、懸濁媒体として再利用可
能であった。 実施例5 ヒドロキシエチルセルロース (HEC)の製造 ガラス反応器中で、ハリモミパルプ 85.0gを、85%濃度
水性イソプロパノール800g中に懸濁させた。これを三回
不活性化し、次いで50%濃度水酸化ナトリウム溶液56g
を添加した。室温で45分間攪拌した後、エチレンオキシ
ド 153mlを添加し、これに次いで40℃に1時間、そして
80℃に更に 1.5時間加熱した。次いでこの混合物を30℃
未満に冷却した。 懸濁媒体相の分離 上記反応バッチを冷却した後、フィルターノッチェで吸
引濾過を行った。 粗製HEC の洗浄 得られたフィルターケークを、イソプロパノール/ メタ
ノール/ 水(重量比:69/25/6) の溶剤混合物1L中に懸
濁させ、そして上記ノッチェに再び移した。このフィル
ターケークを同じ溶剤混合物で更に溶離した。その溶離
液の導電率は最初は約1480μS であり、そして3300μS
に上昇した。3280g の洗浄媒体を導通した後、最後の溶
離液の導電率は 540μS であった。 中和 得られたHEC を同じ溶剤混合物中でもう一度スラリー化
しそして酢酸 11.6gを添加することにより中和した。強
吸引により濾過を行い、そしてその濾液を上記抽出媒体
と一緒に後処理した。 乾燥 生じた湿った生成物を70℃で乾燥した。これにより、そ
の固体物を基準として、97.8%の乾質含量及び10.2%の
酢酸ナトリウムを有するヒドロキシエチルセルロース 1
54g が得られた。2%濃度水性溶液の粘度は73,000 mP
a.sであった。モル置換度(MS)は2.8 であった。この生
成物は97%まで室温で水中に可溶であった。 溶離液の蒸留 上記抽出処理から生ずる溶剤混合物3688g を回転式蒸発
器で蒸留した(250mbar, 65 ℃)。その留出物 (3570g)
は、イソプロパノール70.2%、メタノール22.6%及び水
7.3 %からなり、抽出処理にもう一度使用するのに適し
たものであった。 水酸化ナトリウム溶液の分離 得られた水性蒸留残留物(113g)を、上記エーテル化プロ
セスから分離した懸濁媒体と一緒にし、60℃に加熱しそ
して分離器に移した。二つの相が生じた。その底部相を
分別した。これにより、グリコール類 1.3%及びイソプ
ロパノール 2.5%をなお含む22%濃度水酸化ナトリウム
溶液67g が得られた。
【0029】分離したこの水酸化ナトリウム溶液は、純
粋な水酸化ナトリウムを補った後に、更に後処理するこ
となく再利用に好適なものであった。この例では、使用
した水酸化ナトリウム溶液の57%がリサイクルされた。 懸濁媒体の蒸留 上記分離された上部相を回転式蒸発器で蒸留した(200m
bar, 60 ℃)。イソプロパノール85.8%、水13.4%及び
メタノール 0.8%の組成を有するその留出物(794g)は、
使用した混合物にほぼ一致し、それゆえ、懸濁媒体とし
て再利用可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、セルロースエーテルの製造から溶剤及
び水酸化ナトリウム溶液の回収までの上記方法の工程を
図式で示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシアルキル基を含む水溶性セル
    ロースエーテルを製造する方法であって、セルロース
    を、無水グルコース単位1モル当たり少なくとも1.0 モ
    ルの水酸化ナトリウムの存在下に水含有有機懸濁媒体中
    でアルキレンオキシドでエーテル化し、このエーテル化
    反応の完了後にこの水含有有機懸濁媒体を分別し、得ら
    れた粗製セルロースエーテルを適当な溶剤混合物で抽出
    し、抽出後、この溶剤混合物から低沸点有機成分を留去
    し、この溶剤混合物の蒸留残留物に、分離した水含有有
    機懸濁媒体を添加して多相混合物を形成し、この多相混
    合物の底部相を分離しそしてこの底部相中に存在する水
    酸化ナトリウムを再利用することを特徴とする上記方
    法。
  2. 【請求項2】 多相混合物の底部相を、ヒドロキシアル
    キル基を含むセルロースエーテルの製造に使用する請求
    項1の方法。
  3. 【請求項3】 溶剤混合物の留出物を、粗製セルロース
    エーテルの抽出に溶剤混合物として使用する請求項1の
    方法。
  4. 【請求項4】 使用する懸濁媒体とセルロースとの重量
    比が 3:1〜20:1である請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 水含有有機懸濁媒体が、2〜4個の炭素
    原子を有する一価アルコールを含む請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 抽出に使用する溶剤混合物の少なくとも
    一つの成分が、懸濁媒体の一成分でもある請求項1の方
    法。
  7. 【請求項7】 使用する溶剤混合物が、懸濁媒体20〜80
    重量部、メタノール20〜80重量部及び水0〜10重量部か
    らなる請求項1の方法。
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