JPH10122287A - ロータリダンパ - Google Patents

ロータリダンパ

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JPH10122287A
JPH10122287A JP29782696A JP29782696A JPH10122287A JP H10122287 A JPH10122287 A JP H10122287A JP 29782696 A JP29782696 A JP 29782696A JP 29782696 A JP29782696 A JP 29782696A JP H10122287 A JPH10122287 A JP H10122287A
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damping
oil
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Nobumichi Hanawa
伸道 塙
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリダンパにおいて、特別の部品管理を
行うことなく簡単な構成で減衰特性の異なる二つの減衰
力発生機構の組込みミスを防止する。 【解決手段】 作動に際し交互に収縮と拡張を繰り返す
二組の作動油室を連絡流路44で相互に連通し、この連
絡流路44の内部に減衰特性を異にする減衰バルブ3
3,34と戻りバルブ35,36を備えた二つの減衰力
発生機構27,28をそれぞれの減衰バルブ33,34
を向かい合わせにして配置するに当り、上記連絡流路4
4を大径と小径の異なった内径をもつ段付穴で形成し、
この段付穴の各内径に合わせてそれぞれの部分に納める
減衰力発生機構27,28の外径を設定すると共に、外
径の小さい減衰力発生機構27を納める連絡流路44の
基端側の部分を拡径して大径部71とし、この大径部7
1を通して上記連絡流路44の基端側の部分を油路によ
り一方の組の作動油室に連通してやる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回動運動を利用
して減衰作用を行うロータリダンパに関し、例えば、自
動車のサスペンションや自動二輪車における後輪用のサ
スペンション或いはその他の機器への使用に適するロー
タリダンパの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のロータリダンパとして
は、例えば、昭和63年6月17日付で出願公開された
特開昭63−145833号公報にみられるようなもの
が知られている。
【0003】すなわち、このものは、ケーシングの内壁
に設けたセパレートブロックとロータの外周に設けたベ
ーンとで両者の間に二組の作動油室を区画し、これらケ
ーシングとロータの相対的な回動運動に伴って上記二組
の作動油室を交互に収縮および拡張させる。
【0004】そして、これら二組の作動油室をハウジン
グとサイドパネルに亙って設けた連絡流路で相互に連通
し、この連絡流路中に両効き用の減衰力発生機構を介装
してロータリダンパの作動方向に応じそれぞれに適応し
た減衰力を発生させるようにしている。
【0005】しかし、この種のロータリダンパにあって
は、温度変化に伴う作動油の膨張および収縮によって生
じる体積変化を補償するために連絡流路から分岐して温
度補償機構を設けてやるのが一般である。
【0006】そうとは言っても、単に連絡流路から分岐
して温度補償機構を設けてやったのでは、ロータリダン
パの通常の作動時において、連絡流路から拡張側の作動
油室へと向かって流れる作動油の一部が温度補償機構へ
と流れ込む。
【0007】その結果、収縮側の作動油室から拡張側の
作動油室へと補給される作動油量がその分だけ不足して
当該拡張側の作動油室にバキュームを生じ、次のロータ
リダンパの反転時における減衰力の立ち上がり特性に悪
影響を与える。
【0008】これを防止するには、連絡流路から分岐し
て温度補償機構へと通じる流路中に絞りを介装してやれ
ばよいが、その反面、このようにすると、ロータリダン
パへの作動油の注入作業時に当該絞りが邪魔になって作
動油注入作業に長時間を要することになる。
【0009】そこで、特許出願人は、特願平5−339
576号(特開平7−158680号公報)および特願
平8−87654号として先にその対策案を提案した。
【0010】これらの対策案では、減衰力発生機構をそ
れぞれ減衰バルブと戻りバルブをもつ同径の二つの減衰
力発生機構に分けて構成している。
【0011】そして、特願平5−339576号にあっ
ては、互の減衰バルブを向かい合わせ状態にしてこれら
減衰力発生機構を二つの並行したボアーからなる連絡流
路中にそれぞれ介装し、かつ、減衰バルブの出口側にお
ける連絡流路の部分を相互に温度補償機構の油室を通し
て連通している。
【0012】また、特願平8−87654号のもので
は、同じく、互いの減衰バルブを向かい合わせにして二
つの減衰力発生機構を一連のボアーからなる連絡流路の
両端に対向して介装し、これら減衰バルブの間の連絡流
路の部分を油路で温度補償機構の油室へと連通してい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】これらの対策案によれ
ば、ロータリダンパの作動方向に関係なく何れの場合に
あっても、温度補償機構の油室へと通じる連絡流路の部
分へと流れてくる作動油は、減衰力発生機構の減衰バル
ブを押し開いて流れてきた低圧の作動油であるために、
温度補償機構の油室の入口側に絞りを設けなくても当該
油室へと流れ込むことはない。
【0014】これにより、拡張側の作動油室に生じるバ
キュームを防いで次のロータリダンパの反転時における
減衰力の立ち上がり特性の低下を防止し得るばかりか、
ロータリダンパへの作動油注入作業時における作動油の
流れをも容易にして短時間での注油作業を可能にする。
【0015】しかし、その反面、ロータリダンパとして
の減衰特性を正確に確保するするためには、連絡流路に
対して減衰特性の異なる二つの減衰力発生機構を正規の
位置に正しく組み込んでやらなければならい。
【0016】そうとは言っても、これら減衰特性の異な
る二つの減衰力発生機構は、同径であるがために連絡流
路の何れの側にも組み込むことが可能である。
【0017】そのために、これら減衰特性の異なる二つ
の減衰力発生機構を反対に組み込んでロータリダンパの
作動方向に対する減衰特性が逆になってしまったり、同
一減衰特性の減衰力発生機構を組み込んでしまってロー
タリダンパの一方向への減衰特性が所望の状態にならな
かったりする組立ミスの生じる恐れがある。
【0018】しかも、誤って組み立てられてしまったロ
ータリダンパは、性能測定を行わない限り組立ミスを発
見することができず、その結果、減衰特性の異なる二つ
の減衰力発生機構にそれらを区別するための識別マーク
を付けておく等の特別の部品管理を必要とし、ロータリ
ダンパの組立に当って非常な手数を要するという問題が
あった。
【0019】したがって、この発明の目的は、特別の部
品管理を行うことなく簡単な構成で減衰特性の異なる二
つの減衰力発生機構の組込みミスを防止することのでき
る新規の構成を備えたロータリダンパを提供することで
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、ケーシングとロータの回動変位に伴って交互に収縮
および拡張を繰り返す二組の作動油室を連絡流路で相互
に連通し、この連絡流路の内部に減衰特性の異なる減衰
バルブと戻りバルブをもつ二つの減衰力発生機構を、互
にそれぞれの減衰バルブを向かい合わせ状態にして配置
したロータリダンパにおいて、上記二つの減衰力発生機
構を納める連絡流路の部分を大径と小径の異なった内径
として形成し、これら大径と小径部分の内径に合わせて
それぞれの部分に納める減衰力発生機構の外径を設定し
ておくことにより達成される。
【0021】また、好ましくは、上記二つの減衰力発生
機構を納める連絡流路を大径と小径の異なった内径をも
つ段付穴として形成し、この段付穴の各内径に合わせて
それぞれの部分に納める減衰力発生機構の外径を設定
し、かつ、外径の小さい減衰力発生機構を納める連絡流
路の基端側の部分を拡径して油路により一方の組の作動
油室に連通してやる。
【0022】このように構成することによって、小径の
連絡流路の部分に対しては外径の大きい減衰力発生機構
を組み込むことができず、また、外径の小さい減衰力発
生機構を大径の連絡流路の部分に組み込んだ場合には、
減衰力発生機構と連絡流路との間にできる隙間によって
当該減衰力発生機構がガタ付くことからその時点でそれ
に気付く。
【0023】これによって、減衰特性の異なった二つの
減衰力発生機構を反対に組み込んでロータリダンパの作
動方向に対する減衰特性が逆になってしまったり、同一
減衰特性の減衰力発生機構を組み合わせてそれぞれ組み
込み、ロータリダンパの一方向への減衰特性が所望の状
態にならなかったりするなどの組立ミスを特別の部品管
理を行うことなく容易にかつ確実に防止することができ
る。
【0024】しかも、小径側の減衰力発生機構を納める
連絡流路の基端側の部分を拡径して大径部としてやるこ
とにより、この拡径した大径部を利用して減衰力発生機
構を納めた連絡流路の一方端をハウジングに設けた油路
でサイドパネルを通すことなく所定の側の作動油室に連
通することが可能になる。
【0025】その結果、当該油路の加工が容易になって
製作コストの低減を図り得るばかりか、その側のサイド
パネルの肉厚をも薄くしてロータリダンパとしての重量
の軽減を図ることもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。
【0027】図1と図2(図1におけるV−V線からの
断面)において、ロータリダンパのケーシング1を形作
るハウジング2は、軸方向に貫通して形成したボアー3
を有する。
【0028】ボアー3の両端は、ハウジング2の両側面
にボルト4で取り付けた左右のサイドパネル5,6によ
りシール7,8を介して閉じられており、これらハウジ
ング2とサイドパネル5,6とでロータリダンパのケー
シング1を構成している。
【0029】ボアー3の中心部には、左右のサイドパネ
ル5,6を貫通してロータ9が挿通してあり、ロータ9
の一端は、左方のサイドパネル5から外部へと突出して
例えば図示しない車体のばね下側にリンク等を介して取
り付けられる取付部9aを形作っている。
【0030】また、ケーシング1には、もう一方の取付
部である取付穴10a,10bが形成してあり、ケーシ
ング1は、これら取付穴10a,10bを通して例えば
図示しない車体のばね上側に取り付けられる。
【0031】上記ロータ9は、サイドパネル5,6に設
けたベアリング11a,11bにより回動自在に両持ち
支持されており、かつ、オイルシール12a,12bと
ダストシール13a,13bとで密封してある。
【0032】ロータ9のボアー3内に位置する部分の外
周面には、軸方向に沿い180度の位相をもって二枚の
ベーン14a,14bがそれぞれ形成してある。
【0033】これらベーン14a,14bは、先端面と
両側面に亙って介装したそれぞれのベーンシール15
a,15bを介してボアー3の内壁面とサイドパネル
5,6のそれぞれの内壁面とに接し、それらの接触部分
を油密状態に保って摺接するようにしてある。
【0034】上記ロータ9のベーン14a,14bと対
向してハウジング2のボアー3の内壁には、同じく、軸
方向に沿い180度の位相をもって二個のセパレートブ
ロック16a,16bがそれぞれ形成してある。
【0035】これらボアー3側のセパレートブロック1
6a,16bもまた、先端面から両側面へと亙って先に
述べたベーン14a,14bのベーンシール15a,1
5bと同一のシール15a,15bを備えており、これ
らシール15a,15bを介してロータ9の外周面とサ
イドパネル5,6の内壁面とに接し、それらの部分を油
密状態に保っている。
【0036】かくして、ケーシング1におけるボアー3
の内部をベーン14a,14bとセパレートブロック1
6a,16bとにより、ケーシング1とロータ9の相対
回動運動に伴って交互に収縮および拡張を繰り返す二組
の作動油室17a,17bと作動油室18a,18bと
に区画している。
【0037】なお、これら作動油室17a,17bと作
動油室18a,18bは、それぞれロータ9に設けた油
孔19,20(図2と図3参照)を通して各組毎にそれ
ぞれ連通している。
【0038】上記作動油室17b,18bの下方には、
ハウジング2を横方向に貫通して二本のボアー21,2
2が水平方向に並べて形成してある。
【0039】図1におけるY−Y線からの拡大断面であ
る図5から分かるように、これらボアー21,22の左
右の開口端は、ハウジング2との間にシール23,24
およびシール25,26を挟み込んだ状態でサイドパネ
ル5,6により油密に閉じられている。
【0040】この場合、ボアー22は、同一の内径をも
つストレートの穴として形成してあるのに対し、ボアー
21は、大径と小径の異なった内径を有する段付穴とし
て形成してある。
【0041】左右のサイドパネル5,6からは、これら
ボアー21の小径部分と大径部分に亙ってそれぞれ減衰
特性の異なる二種類の減衰力発生機構27,28が互に
対向して向かい合わせに配置してある。
【0042】これら減衰力発生機構27,28は、図6
において示した部分拡大図にみられるように、ハウジン
グ2と左右のサイドパネル5,6とでそれぞれ挟んで保
持したガイドロッド29,30を備えている。
【0043】ガイドロッド29,30には、予め、隔壁
体31,32を挟んで先端側に減衰バルブ33,34
を、また、基端側には戻りバルブ35,36をそれぞれ
重ねて当て、しかも、隔壁体31,32がボアー21の
小径部分と大径部分に位置するようにしてこれらをナッ
ト37,38で締め上げてガイドロッド29,30に取
り付けてある。
【0044】隔壁体31,32は、それぞれが位置する
ボアー21の小径部分と大径部分の内径に適合した外径
を有し、かつ、外周面に介装したシール39,40によ
ってボアー21の内部を三つの油室41,42,43に
区画し、これら三つに区画した油室41,42,43で
一連の連絡流路44を形成している。
【0045】このようにして、減衰バルブ33,34
は、それぞれの隔壁体31,32に設けた一方の組のポ
ート45,46の出口部分を油室43の側から塞ぎ、連
絡流路44の油室43から油室41,42に向かう作動
油の流れを阻止している。
【0046】同様にして、戻りバルブ35,36もま
た、隔壁体31,32に設けたもう一方の組のポート4
7,48の出口部分を油室41と油室42の側からそれ
ぞれ塞ぎ、これら油室41,42から油室43へと向か
って流れる作動油を阻止するようにしている。
【0047】また、ガイドロッド29,30には、それ
ぞれの隔壁体31,32を迂回して油室41,42を油
室43へと連通するバイパス油路49,50がそれぞれ
穿設して設けてある。
【0048】上記バイパス油路49,50の途中には、
ガイドロッド29,30との間に送りねじ51,52を
介して螺装した絞りバルブ53,54の先端部分が臨
み、かつ、これら絞りバルブ53,54の基端は、左右
のサイドパネル5,6との間にシール55,56を介装
して外部へと露呈している。
【0049】これにより、絞りバルブ53,54を外部
から選択的に回動操作して送りねじ51,52により進
退させ、これら絞りバルブ53,54の先端でバイパス
油路49,50の通路面積を変えつつ、そこを流れる作
動油の流動抵抗を可変制御する減衰力調整機構57,5
8を構成している。
【0050】なお、ガイドロッド29,30と絞りバル
ブ53,54との間に介装したボール機構は、当該絞り
バルブ53,54の調整位置を確保しておくためのディ
テント機構59,60である。
【0051】図5に戻って、もう一方のボアー22の内
部には、外周にシール61を備えたフリーピストン62
が摺動自在に挿入してあり、当該フリーピストン62に
よってボアー22の内部をガス室63と貯油室64に区
画している。
【0052】上記貯油室64は、左方のサイドパネル5
に設けた注油ポート65を通して外部に通じると共に、
ハウジング2に設けた油路66でボアー21における連
絡流路44の中央の油室43に通じ、かつ、注油ポート
65をプラグ67によって塞いでいる。
【0053】また、右方のサイドパネル6には、ガス室
63に向かってガス給排バルブ68が設けてあり、これ
らによって、ボアー22の内部を温度補償機構69とし
て構成している。
【0054】このようにして、温度補償機構69におけ
る貯油室64は、連絡流路44の内部に設けた減衰力発
生機構27,28における減衰バルブ33,34の背面
側の油室43に通じると共に、プラグ67を取り外すこ
とによって注油ポート65から外部にも通じることにな
る。
【0055】一方、油孔19で相互に連通した一方の組
の作動油室17a,17bは、図2に示すように、作動
油室17bの収縮側のストロークエンドからハウジング
2に縦方向に向かって形成した油路70を通してボアー
21における連絡流路44の油室41に通じている。
【0056】なお、この場合において、ボアー21にお
ける小径側の基端にある油室41の部分を拡径して大径
部71とし、この拡径した大径部71へと向かって図2
に示す油路70を連通している。
【0057】また、油孔20で相互に連通された他方の
組の作動油室18a,18bは、図3と図4で示すよう
に、作動油室18aの収縮側のストロークエンドに開口
して右方のサイドパネル6に設けた横孔72から、同じ
く、サイドパネル6に設けた縦孔73を通して図6にお
けるサイドパネル6の油室74に通じ、ここから減衰力
発生機構28のガイドロッド30に設けた油孔75を通
して連絡流路44の油室42に通じている。
【0058】かくして、ケーシング1とロータ9の相対
的な回動運動に伴い交互に収縮および拡張される二組の
作動油室17a,17bと作動油室18a,18bは、
油路70と連絡流路44並びに横孔72と縦孔73によ
り減衰力発生機構27,28と減衰力調整機構57,5
8を通して相互に連通されることになる。
【0059】なお、図4において示すピン76は、ハウ
ジング2と右方のサイドパネル6との間に亙って介装さ
れる位置合わせ用のダウェルピンであり、特に、図示は
してないが、ハウジング2とサイドパネル5との間にも
同様のダウェルピンが設けられていることは言うまでも
ない。
【0060】次に、以上のように構成したこの発明によ
る実施の形態であるロータリダンパの作用について説明
する。
【0061】先づ、ロータリダンパの組立に際しては、
ハウジング2に設けたボアー3とボアー21,22の内
部にロータ9と減衰力発生機構27,28およびフリー
ピストン62をそれぞれ挿入し、しかる後、ハウジング
2の両側にボルト4で左右のサイドパネル5,6を取り
付ける。
【0062】その際に、ボアー21の両側から挿入する
減衰力発生機構27,28は、当該ボアー21が大径と
小径の異なった内径をもつ段付穴として形成してあり、
しかも、これらボアー21の大径と小径部分の内径に合
わせてそれぞれの部分に納める減衰力発生機構27,2
8の隔壁体31,32の外径が設定してある。
【0063】そのために、ボアー21の小径の部分に対
しては外径の大きい隔壁体32をもつ減衰力発生機構2
8を組み込むことができず、また、ボアー21の大径の
部分に外径の小さい隔壁体31をもつ減衰力発生機構2
7を組み込んだ場合には、ボアー21と隔壁体31との
間に隙間ができて減衰力発生機構27がガタ付き、その
時点で減衰力発生機構27,28の組み込みミスに気付
く。
【0064】これによって、減衰力発生機構27,28
は、それらに対して特別の部品管理を施すことなくボア
ー21の正しい位置に容易にかつ確実に組み込まれるこ
とになる。
【0065】しかも、減衰力発生機構27を納めるボア
ー21の小径側の基端部分即ち油室41の部分を拡径し
て大径部71とし、この拡径した大径部71を利用して
減衰力発生機構27の背面側の部分をハウジング2に設
けた油路70で抵抗なく一方の作動油室17a,17b
に連通することが可能になる。
【0066】その結果、当該油路70の加工が容易にな
って製作コストの低減を図り得るばかりか、左方のサイ
ドパネル5の肉厚をも薄くしてロータリダンパとしての
重量の軽減をも図ることができる。
【0067】続いて、組立の終わったロータリダンパの
内部に作動油を注入する際には、外部からプラグ67を
取り外して注油ポート65を開き、この注油ポート65
から注油ノズルを挿し込んで温度補償機構69のフリー
ピストン62を抑え、当該フリーピストン62を注油ノ
ズルの先端で位置決めしながらロータリダンパ内のエア
ーを抜く。
【0068】しかる後に、注油ノズルを通してロータリ
ダンパの内部へと作動油を供給してやると、当該作動油
が注油ノズルを通して温度補償機構69の貯油室64へ
と直に供給されることになる。
【0069】しかも、この貯油室64から油路66と連
絡流路44の油室43を通して減衰力発生機構27,2
8の戻りバルブ35,36を開きつつ、かつ、連絡流路
44の油室41,42と油路70,縦孔73,横孔72
を通して油孔19,20により連通された各組の作動油
室17a,17b,18a,18bへと流入し、ロータ
リダンパの各部分に作動油が供給される。
【0070】かくして、ロータリダンパ内が作動油で満
たされたところで注油ポート65から注油ノズルを抜
き、当該注油ポート65をプラグ67で閉じてやる。
【0071】このようにして、注油作業の際には、注油
ノズルから供給された作動油が油路66と減衰力発生機
構27,29の戻りバルブ35,36を通して殆ど流動
抵抗を受けることなくロータリダンパ内の各部分に行き
渡り、短時間でしかも確実に注油作業が終了する。
【0072】一方、ロータリダンパの使用に際して外力
によりケーシング1とロータ9との間に相対的な回動運
動が生じ、一方の組みの作動油室17a,17bが収縮
しつつ他方の組みの作動油室18a,18bが拡張した
とする。
【0073】すると、収縮した組みの作動油室17a,
17b内の作動油が油路70を通して連絡流路44の油
室41に押し出され、当該油室41から減衰力発生機構
27のバイパス油路49を通して油室43へと流れ込
む。
【0074】このとき、バイパス流路49を通る作動油
は、減衰力調整機構57の絞りバルブ53により流動抵
抗を受けて当該流動抵抗に応じた減衰力を発生し、か
つ、油室43から減衰力発生機構28の戻りバルブ36
を開いて抵抗なく油室42へと流れる。
【0075】そして、この油室42から減衰力発生機構
28のガイドロッド30に設けた油孔75および油室7
4並びに右方のサイドパネル6の縦孔73と横孔72を
通して拡張する組みの作動油室18a,18bへと流れ
込み、当該作動油で作動油室18a,18b内に生じた
作動油の不足分を補う。
【0076】また、上記において、連絡流路44の油室
41に押し出されてきた作動油の圧力が減衰力発生機構
27における減衰バルブ33のクラッキング圧力を越え
たとすると、上記作動油の流れと並行して油室41から
減衰力発生機構27の減衰バルブ33をも押し開いて油
室43へと向かう作動油の流れが生じる。
【0077】これにより、今度は、減衰バルブ33で所
定の減衰力を発生しつつ油室43でバイパス油路49か
らの作動油と一緒になり、ここから拡張する組みの作動
油室18a,18bへと向かう作動油の流れが生じ、こ
のバイパス流路49からの作動油と減衰バルブ33を押
し開いて流れてくる作動油とによって拡張した作動油室
18a,18b内の作動油の不足分を補う。
【0078】その結果、上記した方向へのロータリダン
パの作動時における減衰特性は、作動油が減衰力調整機
構57の絞りバルブ53と減衰力発生機構27の減衰バ
ルブ33を通して流れるときの流動抵抗によって決まる
ことになる。
【0079】また、上記とは逆に、一方の組みの作動油
室17a,17bが拡張して他方の組みの作動油室18
a,18bが収縮する方向にケーシング1とロータ9が
相対回動運動を起したとする。
【0080】この場合には、収縮した組みの作動油室1
8a,18b内の作動油が、サイドパネル6設けた横孔
72から縦孔73および油室74並びに減衰力発生機構
28のガイドロッド30に設けた油孔75を通して連絡
流路44の油室42に押し出されてくる。
【0081】上記油室42に押し出されてきた作動油
は、減衰力発生機構28のバイパス油路50から油室4
3へと流れ、このとき、減衰力調整機構58の絞りバル
ブ54により流動抵抗を受けて当該流動抵抗に応じた減
衰力を発生しつつ油室43へと流れる。
【0082】そして、この油室43から減衰力発生機構
27の戻りバルブ35を開いて抵抗なく油室41とハウ
ジング2に設けた油路70を通して拡張する組みの作動
油室17a,17bへと流れ込み、当該作動油で作動油
室17a,17b内に生じた作動油の不足分を補う。
【0083】また、上記においても、連絡流路44の油
室42に押し出されてきた作動油の圧力が減衰力発生機
構28における減衰バルブ34のクラッキング圧力を越
えたととすると、油室42から減衰力発生機構28の減
衰バルブ34を押し開いて油室43へと向かう作動油の
流れが生じる。
【0084】これにより、当該減衰バルブ34で所定の
減衰力を発生しつつ上記バイパス油路50からの作動油
と一緒になって拡張する組みの作動油室17a,17b
へと流れ、バイパス流路50からの作動油と併せて拡張
した作動油室17a,17b内の作動油の不足分を補
う。
【0085】したがって、上記したロータリダンパの作
動時における減衰特性もまた、作動油が減衰力調整機構
58の絞りバルブ54と減衰力発生機構28における減
衰バルブ50を通して流れるときの流動抵抗によって決
まることになる。
【0086】以上により、ロータリダンパの作動方向に
応じて減衰力発生機構27,28における減衰バルブ3
3,34の特性を使い分けることにより、ロータリダン
パの作動方向に応じてそれぞれの減衰特性を個々にかつ
適宜に設定し得る。
【0087】しかも、そればかりでなく、これら何れの
場合にあっても、外部から減衰力調整機構57,58を
操作して絞りバルブ53,54を通る作動油の流動抵抗
を調整し、減衰力発生機構27,28の減衰バルブ3
3,34で設定された減衰特性を調整することで、上記
ロータリダンパの作動方向に応じた減衰特性をそれぞれ
独立して調整することもできる。
【0088】しかし、そうとは言っても、上記した作動
油の流れにおいて、当該作動油の一部が温度補償機構6
9の貯油室64へと流れ込むような事態が生じると、拡
張する側の作動油室に補給される作動油量が不足してバ
キュームが生じ、次にロータリダンパが反転したときの
初期の減衰力特性を乱すことになる。
【0089】その点、当該ロータリダンパにあっては、
連絡流路44における油室43の部分を流れる作動油
は、ロータリダンパの何れの方向への作動時にあって
も、減衰力発生機構27,28における減衰バルブ3
3,34の何れかを通った後の作動油が流れてくる。
【0090】そのために、油室43における作動油圧力
は、常に低圧の状態に保たれることから、油路66で絞
りを介装することなく油室43を直に温度補償機構69
の貯油室64に連通したとしても、油室43内の作動油
が温度補償機構69の貯油室64へと流れ込むことはな
い。
【0091】その結果、温度補償機構69の本来の機能
を損なうことなくロータリダンパとしての減衰力発生機
構27,28による減衰特性と温度特性の両方の安定化
とが図れる。
【0092】また、ロータリダンパへの注油作業の際に
は、前記したように、油路66を通して殆ど抵抗なくロ
ータリダンパ内の各部分に作動油が入り込み、容易にか
つ短時間で作動油の注油作業が行われることにもなる。
【0093】なお、これまで述べてきたロータリダンパ
の実施の形態にあっては、段付穴で形成したボアー21
の両側から向かい合わせにして減衰力発生機構27,2
8を納めるようにしたが、ボアー21を異径の二つのボ
アーに分けてそれぞれの内部に減衰力発生機構27,2
8を別設して納めるようにしてもよい。
【0094】すなわち、図7に示す実施の形態のロータ
リダンパにあっては、温度補償機構69を間に挟んで減
衰力調整機構57,58を備えた減衰力発生機構27,
28を納めるための小径と大径からなる異径の二つのボ
アー21a,21bを配設している。
【0095】これらボアー21a,21bの内部には、
それぞれの内径に適合する外径の隔壁体31,32をも
った減衰力発生機構27,28を、ハウジング2と右方
のサイドパネル6とでガイドロッド29,30を挟んで
配置し、各隔壁体31,32でボアー21a,21bの
内部を油室41と油室43a、および、油室42と油室
43bにそれぞれ区画している。
【0096】なお、上記において、それぞれの減衰力発
生機構27,28に配設する減衰バルブ33,34と戻
りバルブ35,36の配置、および、温度補償機構69
におけるガス室63と貯油室64の配置は、先の実施の
形態の場合とは逆に入れ換えて組み付けてやる。
【0097】そして、各減衰バルブ33,34の背面側
に位置する油室43a,43bをハウジング2に設けた
油路66a,66bで温度補償機構69の貯油室64に
連通すると共に、油室41,42をハウジング2に設け
た各油路(図示省略)で二組の作動油室17b,18b
とに連通したのである。
【0098】かくして、油室41,42,43a,43
bと油路66a,66bおよび貯油室64とは、互に協
同して作動油室17a,17bと作動油室18a,18
bを相互に連通する連絡流路44を形成し、かつ、この
連絡流路44中に減衰力発生機構27,28がそれぞれ
の減衰バルブ33,34の背面側を温度補償機構69の
貯油室64に連通した状態で直列に配置されることにな
る。
【0099】したがって、このものにあっても、小径の
ボアー21aに対しては外径の大きい隔壁体32をもつ
減衰力発生機構28を組み込むことができず、また、大
径のボアー21bに対して外径の小さい隔壁体31をも
つ減衰力発生機構27を組み込んだ場合には、ボアー2
1bと隔壁体31との間に隙間ができて減衰力発生機構
27がガタ付くので組み込みミスに気付く。
【0100】これによって、減衰力発生機構27,28
は、先きの実施の形態の場合と同様に特別の部品管理を
行うことなく、常にハウジング2のボアー21a,21
bに対して確実に正しい位置に組み込まれることにな
る。
【0101】また、ロータリダンパの作動に際しては、
連絡流路44を通して流れる作動油に対して減衰力発生
機構27,28と減衰力調整機構57,58が先の実施
の形態の場合と同様に作用し、かつ、温度補償機構69
における油室64には、減衰バルブ33,34の何れか
を通った後の低圧の作動油が流れてくる。
【0102】その結果、先の実施の形態と同様に温度補
償機構69の本来の機能を損なうことなくロータリダン
パとしての減衰特性と温度特性の両方の安定して発揮す
ることができる。
【0103】しかも、温度補償機構69の貯油室64を
含む二つのボアー21a,21bによって連絡流路44
を形成することにより、当該連絡流路44の両端部分で
ある油室41,42を広くとれることができ、したがっ
て、これら油室41,42の両方を油路で直に作動油室
17b,18bに連通することも可能になる。
【0104】その結果、連絡流路44の加工が容易にな
って製作コストの低減を図り得るばかりか、左右のサイ
ドパネル5,6の肉厚をも薄くしてロータリダンパとし
ての重量の軽減をより一層図ることができる。
【0105】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、減衰特性の異なる二つの減衰力発生機構を納める連
絡流路の部分を大径と小径の異なった内径として形成
し、これら大径と小径部分の内径に合わせてそれぞれの
部分に納める減衰力発生機構の外径を設定したことによ
り、ロータリダンパの組立に際して特別の部品管理を行
うことなく、簡単な構成を用いて減衰特性の異なる二つ
の減衰力発生機構の組込みミスを防止することのでき
る。
【0106】しかも、これら二つの減衰力発生機構の組
込みミスを、ロータリダンパへの注油作業の容易化とロ
ータリダンパとしての減衰特性と温度特性の両方の安定
化を図りつつ防止することができる。
【0107】請求項2の発明によれば、上記の効果に加
えて、大径と小径の異なった内径をもつ連絡流路を段付
穴として形成し、この連絡流路の小径側の基端部分を拡
径して広げてやるだけで、ロータリダンパの小型化を図
りつつ減衰特性の異なる二つの減衰力発生機構の組込み
ミスをも防止することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を
示す縦断正面図である。
【図2】同上、図1におけるV−V線からの縦断側面図
である。
【図3】同じく、図1におけるW−W線からの縦断側面
図である。
【図4】図1におけるX−X線からの切断図で、右方の
サイドパネルを内壁面側からみた側面図である。
【図5】同じく、図1におけるY−Y線からの拡大横断
平面図である。
【図6】図5における減衰力発生機構の部分を取り出し
て、これをさらに拡大して示す横断平面図である。
【図7】同上、この発明の他の実施の形態を示す図5と
同等の部分の拡大横断平面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 ハウジング 5,6 サイドパネル 9 ロータ 17a,17b,18a,18b 作動油室 19,20 油孔 27,28 減衰力発生機構 31,32 隔壁体 33,34 減衰バルブ 35,36 戻りバルブ 44 連絡流路 70 油路 71 大径部 72 横孔 73 縦孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングとロータの回動変位に伴って
    交互に収縮および拡張を繰り返す二組の作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の内部に減衰特性の
    異なる減衰バルブと戻りバルブをもつ二つの減衰力発生
    機構を、互にそれぞれの減衰バルブを向かい合わせ状態
    にして配置したロータリダンパにおいて、上記二つの減
    衰力発生機構を納める連絡流路の部分を大径と小径の異
    なった内径として形成し、これら大径と小径部分の内径
    に合わせてそれぞれの部分に納める減衰力発生機構の外
    径を設定したことを特徴とするロータリダンパ。
  2. 【請求項2】 ケーシングとロータの回動変位に伴って
    交互に収縮および拡張を繰り返す二組の作動油室を連絡
    流路で相互に連通し、この連絡流路の内部に減衰特性の
    異なる減衰バルブと戻りバルブをもつ二つの減衰力発生
    機構を、互にそれぞれの減衰バルブを向かい合わせて配
    置したロータリダンパにおいて、上記二つの減衰力発生
    機構を納める連絡流路を大径と小径の異なった内径をも
    つ段付穴として形成し、この段付穴の各内径に合わせて
    それぞれの部分に納める減衰力発生機構の外径を設定
    し、かつ、外径の小さい減衰力発生機構を納める連絡流
    路の基端側の部分を拡径して油路により一方の組の作動
    油室に連通したことを特徴とするロータリダンパ。
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