JPH10123469A - 累進多焦点レンズ - Google Patents

累進多焦点レンズ

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JPH10123469A
JPH10123469A JP8297658A JP29765896A JPH10123469A JP H10123469 A JPH10123469 A JP H10123469A JP 8297658 A JP8297658 A JP 8297658A JP 29765896 A JP29765896 A JP 29765896A JP H10123469 A JPH10123469 A JP H10123469A
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distance
lens
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光弘 矢成
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目の調節力の衰退が大きい人でも長い時間に
亘って快適に近方視を継続することのできる累進多焦点
レンズ。 【解決手段】 主子午線曲線MM’に沿って、近用部N
と、特定視部Fと、中間部Pとを備えている。近用中心
Bは、近用アイポイントEから主子午線曲線に沿って下
方に2mmから8mmだけ間隔を隔てている。そして、
近用部N、特定視部Fおよび中間部Pにおいて屈折表面
の縦断面形状は非円形形状であり、縦方向曲率の値が横
断面曲線に沿って主子午線曲線との交点から遠ざかるに
つれて所定の性状にしたがって変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼の調節力の補助
として使用する累進多焦点レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】老視の矯正には、単焦点レンズや、バイ
フォーカルレンズや、累進多焦点レンズなどが用いられ
ている。これらのレンズの中でも特に累進多焦点レンズ
は、遠方視時と近方視時とで眼鏡の掛け替えや掛け外し
を必要としない。また、累進多焦点レンズは、外観的に
もバイフォーカルレンズのような境目がない。したがっ
て、累進多焦点レンズに対する需要がかなり高まってい
る。
【0003】累進多焦点レンズは、眼の調節力が衰退し
て近方視が困難になった場合の調節力の補助用眼鏡レン
ズである。一般に、累進多焦点レンズでは、装用時にお
いて上方に位置する遠用視矯正領域(以下、「遠用部」
という)と、下方の近用視矯正領域(以下、「近用部」
という)と、双方の領域の間において連続的に屈折力が
変化する累進領域(以下、「中間部」という)とを備え
ている。なお、本発明において「上方」、「下方」、
「水平」および「鉛直」等は、装用時のレンズにおける
位置関係を示すものである。また、近用度数と遠用度数
との差を加入度と呼ぶ。
【0004】一般に、累進多焦点レンズにおいて、遠用
部および近用部において明視域(非点隔差が0.5ディ
オプター以下の範囲)を広く確保し、その間を累進領域
(累進帯)で結ぶと、その累進帯の側方領域にレンズ収
差が集中するようになる。その結果、特に累進帯の側方
領域において結像不良(像のボケ)および像の歪みが発
生し、このような領域で視線を振る(移動させる)と装
用者には像の歪みが像の揺れとして知覚され、装用感の
悪い不快な感じを抱くことになる。
【0005】このような視覚特性の課題を解決するため
に、公知の累進多焦点レンズにおいては様々な観点に基
づく設計および評価がなされている。レンズ面の形状に
関しては、レンズ面のほぼ中央を上方から下方にかけて
鉛直に走る子午線に沿った断面と物体側レンズ面との交
線(主子午線曲線)がレンズの加入度などの仕様を表す
ための基準線として用いられ、レンズの設計においても
重要な基準線として用いられている。
【0006】また、レンズの装用状態において近用部が
中央からわずかに鼻側に寄ることを考慮して、近用部を
非対称な配置とした累進多焦点レンズ(以下、「非対称
累進多焦点レンズ」という)が提案されている。このよ
うな非対称累進多焦点レンズにおいても、遠用中心と近
用中心とを通る断面と物体側レンズ面との交線からなる
中心線が基準線として用いられる。本発明においては、
これらの基準線を総称して「主子午線曲線」という。
【0007】以上のような技術背景の中で、特開昭62
−10617号公報に開示された中近両用の累進多焦点
レンズが注目されている。この中近両用累進多焦点レン
ズは、中間視から近方視を重視する設計に基づく累進多
焦点レンズであり、遠近両用累進多焦点レンズと比較し
て像の揺れや歪みが少なく且つ手元から中間距離までの
視野が比較的広く、特に室内では比較的使い易い眼鏡レ
ンズであるといわれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、目の調節力
の衰退の度合いが大きくなるにつれて、加入度の大きな
レンズを装用しなければならなくなる。一般に、加入度
が大きくなればなるほど、上述のような累進多焦点レン
ズの欠点が顕著になる。すなわち、加入度が大きくなれ
ばなるほど、遠用部および近用部における明視域が狭く
なる。その結果、遠用部および近用部において視線を振
って快適な側方視をすることができず、顔全体を振って
側方視をしなければならなくなる。また、加入度が大き
くなればなるほど、遠用部と近用部とを結ぶ累進帯の側
方領域におけるレンズ収差が増大する。その結果、累進
帯の側方領域で視線を振ると、像の揺れや歪みが増大す
るとともに装用感がさらに悪化し、装用が困難になって
しまうことがある。
【0009】また、従来の累進多焦点レンズでは、目の
調節力の衰退の度合いに関わらず遠方から近方まで良好
に見えるように設定しているため、累進帯が比較的長
い。したがって、レンズを眼鏡フレームに枠入れした状
態では、近用視領域がフレームの最下部に位置すること
になり、近方視する場合には視線を大きく下げなければ
ならない。その結果、見づらいばかりでなく、視線を大
きく下げることによる眼精疲労を引き起こすことにな
る。したがって、従来の累進多焦点レンズでは、たとえ
ばデスクワークのような近方作業をある程度長い時間に
亘って継続することが困難であった。
【0010】ところで、特開昭62−10617号公報
に開示された従来の中近両用累進多焦点レンズでは、累
進帯が比較的長いため、一般の累進多焦点レンズに見ら
れる像の揺れや歪みのような欠点はある程度解消されて
いる。しかしながら、上述したように、累進帯が長いた
め近方視する場合には視線を大きく下げなければならな
いので、見づらいばかりでなく眼精疲労を引き起こすと
いう不都合があった。
【0011】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、目の調節力の衰退が大きい人でも長い時間に
亘って快適に近方視を継続することのできる累進多焦点
レンズを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、レンズ屈折面を鼻側領域と耳側
領域とに分割する主子午線曲線に沿って、近景に対応す
る面屈折力を有する近用視矯正領域と、近景よりも実質
的に離れた特定距離に対応する面屈折力を有する特定視
距離矯正領域と、前記近用視矯正領域と前記特定視距離
矯正領域との間において両領域の面屈折力を連続的に接
続する累進領域とを備え、前記近用視矯正領域の中心
は、近用アイポイントから前記主子午線曲線に沿って下
方に2mmから8mmだけ間隔を隔て、前記特定視距離
矯正領域の下部から上部において屈折表面の縦断面形状
は、横断面曲線に沿って前記主子午線曲線との交点から
遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が増加する非円形
形状であり、前記累進領域の上部において屈折表面の縦
断面形状は、横断面曲線に沿って前記主子午線曲線との
交点から遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が増加す
る非円形形状であり、前記累進領域の下部において屈折
表面の縦断面形状は、横断面曲線に沿って前記主子午線
曲線との交点から遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値
が減少した後に増加する非円形形状であり、前記近用視
矯正領域の上部から下部において屈折表面の縦断面形状
は、横断面曲線に沿って前記主子午線曲線との交点から
遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が減少する非円形
形状であることを特徴とする累進多焦点レンズを提供す
る。
【0013】本発明の好ましい態様によれば、前記特定
視距離矯正領域の下部から上部において、縦方向曲率の
値の増加率は下部から上部に向かって減少する。また、
前記累進領域の下部において縦方向曲率の値が減少から
増加に転ずる位置は、前記累進多焦点レンズの半径をW
としたとき、前記主子午線曲線との交点から横方向にW
/3から2W/3だけ離れていることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図3は、従来の遠近重視の累進多
焦点レンズの主子午線曲線上の屈折力分布を示す図であ
る。まず、図3を参照して、従来の遠近重視の累進多焦
点レンズの欠点について説明する。図3に示すように、
従来の遠近重視の累進多焦点レンズでは、眼鏡レンズと
しての装用基準となる遠用アイポイントEから遠用部F
の下方Aまでの主子午線曲線に沿った距離が小さい。す
なわち、従来の遠近重視の累進多焦点レンズの設計手法
では、遠用部Fの下方Aを基準とした遠用アイポイント
Eでの屈折力増加量が加入度の約5%である。このた
め、発生する収差が比較的小さく、良好な視覚特性が得
られ、遠用部Fの明視域をある程度広くすることが可能
になっている。なお、遠用アイポイントとは、眼鏡の装
用者が自然の姿勢で遠方を見ているときの視線のレンズ
上での通過点であり、遠用フィッティングポイントと呼
ばれることもある。
【0015】また、従来の遠近重視の累進多焦点レンズ
では、遠用アイポイントEから近用部Nの上方Bにかけ
て主子午線曲線上での屈折力を加入度の約95%だけ増
加させている。このため、近用部Nの明視域が遠用部F
の明視域よりもはるかに小さくなる。したがって、図3
に示す屈折力分布を有する累進多焦点レンズは、遠近重
視のレンズや遠中重視のレンズとしては実用に耐えるこ
とができるが、中近重視のレンズとしては視野が狭いだ
けでなく像の揺れや歪みが依然として大きく実用に耐え
ることができない。さらに、従来の遠近重視の累進多焦
点レンズでは、眼鏡レンズとしての装用基準となる遠用
アイポイントEから近用部Nまでの距離が大きいため、
近方視に移行するのに視線を大きく下げる必要があり、
眼精疲労を引き起こしてしまう。
【0016】そこで、本発明の累進多焦点レンズでは、
遠用部の明視域をある程度犠牲にし、装用者の老視の度
合いに応じて近景よりも実質的に離れた特定距離までの
範囲(軽度の老視であれば遠方までの範囲)を矯正して
いる。すなわち、本発明では、近用作業時の装用感を最
重視して、眼球の回旋疲労が少ないような累進帯の長さ
を確保している。また、明視域の広い近用部を確保し、
且つ最大非点隔差を減少させ、中間部における明視域も
ある程度確保するとともに特定視距離領域を十分に広く
している。なお、本発明において、近景よりも実質的に
離れた特定距離に対応する面屈折力を有する特定視距離
矯正領域を「特定視部」と呼び、特定視部の中心すなわ
ち特定中心と近用部の中心すなわち近用中心との距離を
「累進帯の長さ」と呼び、特定中心と近用中心との間で
付加される屈折力の増加量を「加入度」と呼ぶ。
【0017】本発明では、眼鏡レンズとしての装用基準
となる近用アイポイントから近用中心までの距離を2m
mから8mmと小さく設定するとともに屈折表面の縦断
面形状を所定の性状にしたがって規定している。このた
め、近用アイポイントから近用部にかけて発生する収差
が比較的小さく、良好な視覚特性が得られる。また、視
線を大きく下げることなく中間視から近用視へ移行する
ことができるとともに、近用部において広い明視域を確
保することができる。さらに、近用部の上部から中間部
のほぼ中央に至る領域の側方領域における非点収差の集
中が軽減され、像の揺れや歪みなどが抑えられ、近用部
および中間部において広い明視域を実現することができ
る。
【0018】さらに、近用アイポイントから特定視部に
かけて屈折表面の縦断面形状を本発明にしたがって規定
することにより、近用アイポイントから特定視部にかけ
て視覚特性が改良され、主子午線曲線の側方領域におけ
る収差集中が緩和される。その結果、像の揺れや歪みを
軽減することができ、広い明視域を確保することができ
る。ところで、近用アイポイントから近用中心までの距
離を2mmよりも短くすると、近用アイポイントから特
定中心にかけて主子午線曲線上での屈折力が大きく低下
することになる。その結果、近用アイポイントから特定
視部にかけて屈折力の変化の度合いが大きくなり、像の
揺れや歪みの少ない良好な中間視状態を得ることができ
なくなる。さらに、特定視部において十分広い明視域を
確保することができなくなる。
【0019】また、近用アイポイントから近用中心まで
の距離を2mmよりも短くすると、近用アイポイントか
ら特定視部までの距離が長くなりすぎて、特定視距離状
態において上目遣い気味になってしまう。一方、近用ア
イポイントから近用中心までの距離を8mmよりも長く
すると、視線を大きく下げなければ近用視領域に移行す
ることができなくなる。その結果、眼精疲労を引き起こ
すとともに、近用部においてある程度広い明視域を確保
することができなくなってしまう。
【0020】このような累進多焦点レンズのレンズ面の
設計においては、レンズとしての円形形状の範囲内のみ
において設計評価するのではなく、レンズ面の円形形状
を含む図6に示すような四角形を想定し、この四角形内
において面形状の設計および評価を行う。レンズの円形
形状を包含するより大きな面において曲面を最適化する
ことによって、実用的レンズ面をより滑らかな優れた形
状にすることが可能になる。なお、図6において、OG
はレンズの幾何中心であり、Wはレンズの半径である。
また、曲線Φ5 〜Φ-5およびΣ0 〜Σ5 は、それぞれz
軸およびy軸に沿った設計上の基準となる横断面および
縦断面を示している。
【0021】また、一般に、累進多焦点レンズは眼鏡フ
レームに合わせて加工されるため、遠用部、中間部およ
び近用部の各領域、特に周辺部を含む遠用部および近用
部の領域は、フレームの形状によって異なることにな
る。加工前の累進多焦点レンズは一般に直径が60m程
度以上の円形レンズであり、この円形形状のまま眼鏡小
売店に供給され、小売店において所望の眼鏡フレーム形
状に合わせて加工される。したがって、本発明による累
進多焦点レンズの面形状の規定においては、加工前の円
形形状を基準としている。そして、累進多焦点レンズの
最適面形状の設計においては、使用頻度の高い中央領域
ばかりでなく、使用される有効領域を含むより広い領域
における面形状をも考慮して、収差のバランスを図るこ
とが肝要である。
【0022】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説
明する。具体的な実施例を説明する前に、まず本発明に
おける横断面および縦断面について説明する。図4は、
レンズの屈折表面σについての横断面曲線を説明する斜
視図である。また、図5は、レンズの屈折表面σについ
ての縦断面曲線を説明する斜視図である。図4および図
5では、レンズの幾何中心をOGとし、幾何中心OGに
おける屈折表面σの曲率中心をO0とし、幾何中心OG
と曲率中心O0とを通る軸線をx軸としている。また、
幾何中心OGにおける屈折表面σの曲率半径R0を半径
とする球面を基準球面としている。したがって、基準球
面は幾何中心OGにおいてレンズの屈折表面σと接して
いる。また、基準球面の中心O0を原点として、鉛直方
向にy軸を、水平方向にz軸をとっている。
【0023】本発明における「横断面曲線」とは、図4
に示すように、上述の基準球面の中心O0を通りxy平
面に直交する平面πj(j=0,±1,±2・・・)に
よって横断される屈折表面σの横断線のことである。換
言すれば、本発明における「横断面曲線」は平面πjと
屈折表面σとの交線であり、図中横断面交線Φj(j=
0,±1,±2・・・)として表されている。なお、本
発明において横断面曲線を含む平面πjによって横断さ
れるレンズの断面を「横断面」という。なお、図4にお
いて、屈折表面上の点Mjを含む平面πjと、xy平面
と屈折表面σとの交線との交点をMyとし、交点Myと
曲率中心O0とを結ぶ線分がx軸となす角度をVyとし
ている。また、屈折表面上の点Mjと同じz座標成分を
有する横断面交線Φ0 上の点をMzとし、点Mzと曲率
中心O0とを結ぶ線分がx軸となす角度をVzとしてい
る。
【0024】本発明における「縦断面曲線」とは、図5
に示すように、上述の基準球面の中心O0を通りyz平
面に直交する平面χj(j=0,±1,±2・・・)に
よって縦断される屈折表面σの縦断線のことである。換
言すれば、本発明における「縦断面曲線」は平面χjと
屈折表面σとの交線であり、図中縦断面交線Σj(j=
0,±1,±2・・・)として表されている。なお、本
発明において縦断面曲線を含む平面χjによって縦断さ
れるレンズの断面を「縦断面」という。なお、図5にお
いて、屈折表面上の点Mjを含む平面χjと、xz平面
と屈折表面σとの交線との交点をMzとし、交点Mzと
曲率中心O0とを結ぶ線分がx軸となす角度をVz’と
している。また、屈折表面上の点Mjと同じy座標成分
を有する横断面交線Σ0 上の点をMzとし、点Myと曲
率中心O0とを結ぶ線分がx軸となす角度をVy’とし
ている。
【0025】図6は、図4のyz平面に投影した横断面
交線Φjおよび図5のyz平面に投影した縦断面交線Σ
jの位置を示す図であって、レンズの屈折表面における
横断面交線Φjおよび縦断面交線Σjの平面的位置を示
す図である。図7は、本発明の実施例にかかる累進多焦
点レンズの屈折表面の曲率変化を示す図であって、図6
に示す各横断面交線Φ5 〜Φ-5に沿った屈折表面σの縦
方向の曲率の変化を示す図である。本発明において、屈
折表面の縦方向の(縦断面曲線に沿った)曲率を「縦方
向曲率」という。図7において、縦軸には図4の角度V
yを、横軸には図4の角度Vzをそれぞれとっている。
【0026】すなわち、図7は、主子午線曲線MM′と
交差する11個の代表的な横断面曲線に沿った縦方向曲
率の変化をプロットしたものである。さらに詳細には、
角度Vyが+20°〜−20°の範囲で4°ずつ変化す
る各横断面曲線上で、角度Vzが0°〜+20°の範囲
で4°ずつ変化する各位置における縦方向曲率の変化
を、各横断面曲線と主子午線曲線MM′との交点におけ
る縦方向曲率に対する変化として示すものである。すな
わち、図7において、縦軸および横軸はそれぞれ角度V
yおよびVzを示すが、その一方において各位置におけ
る縦方向曲率の変化が基準となる縦方向曲率に対して増
加するときには上向きの曲線として、減少するときには
下向きの曲線として示されている。
【0027】次に、本発明における累進多焦点レンズの
設計手法について、また累進多焦点レンズの基準となる
各点について説明する。図8は、累進多焦点レンズを装
用した状態における眼の様子を説明する図であり、主子
午線曲線に沿った断面すなわちレンズの鉛直断面の様子
を示している。図示のように、眼球Oは眼球回旋点CR
を中心に回転するため、視線pはレンズL上の種々の点
を通過することになる。そして、近く物体を見つめると
きには顔が下向きになると同時に視線も角度αだけ下が
る。このとき累進多焦点レンズを装用していれば、両眼
の視線は輻輳しながらレンズLの主子午線曲線上を中間
部から近用部へ移動することになる。視覚を感ずる網膜
の部位で最も視力がでるのは黄斑部中心窩であり、物体
を見ようとする場合、この中心窩位置に視線が合うよう
に物体に眼を向けて、鮮明な像をこの中心窩位置に形成
しなければならない。調節しないとき、この中心窩位置
の物体側共役位置を調節遠点と称し、眼球が回転移動し
たときのこの調節遠点の軌跡Tを遠点球面と呼んでい
る。
【0028】図8は遠視眼状態を示したものであり、遠
視眼の調節遠点は眼後に位置するから回旋点CRを中心
とした遠点球面Tを描くことができる。したがって、こ
の遠点球面Tの位置に黄斑部中心窩があることと等価と
なる。そこで、この遠点球面Tから回旋点CRを通り累
進多焦点レンズLへ向かう光線pを考え、この光線pが
レンズLで屈折されて収束する位置が物体位置となる。
このとき、主子午線曲線に沿った方向のm像(メリディ
オナル像)の位置と主子午線曲線に直交する方向のs像
(サジタル像)の位置とが合致していれば良好な結像状
態となる。しかしながら、一般には、図示のようにm像
とs像とが一致せず、非点隔差を生ずることになる。こ
の非点隔差の程度が著しいと、物体が流れて見え、像の
歪み等の不快な視覚の原因となる。
【0029】図8に示す曲線は遠点球面Tと共役な点の
変化を示しており、m像とs像との平均位置を結んだ線
である。そして、この曲線が、累進多焦点レンズLのい
わゆる加入度曲線に対応している。図8の場合、遠用部
の屈折度数が0ディオプター(D)で近用部の屈折度数
が2ディオプターであり、加入度Adが2ディオプター
ということになる。そして、m像とs像との間隔Δがレ
ンズの装用状態における収差としての非点隔差に対応す
る。このように、実際に累進多焦点レンズを装用する状
態でのレンズの性能評価を行うことによって、最終的に
使用状態において最良の性能を発揮することのできる累
進多焦点レンズのレンズ設計を行うことが可能になる。
【0030】ところで、特定視部の中心すなわち特定中
心とは、特定視部での所定の表面屈折平均度数を有する
主子午線曲線上の位置であり、実用上は特定視部の測定
基準点とされる点である。また、近用部の中心すなわち
近用中心とは、近用部での所定の表面屈折平均度数を有
する主子午線曲線上の位置であり、実用上は近用部の測
定基準点とされる点である。また、近用アイポイントと
は、レンズを眼鏡フレームに枠入れする際に基準とされ
る位置であり、眼鏡フレームを装用した状態において近
用視線通過位置と合致する近用基準点となる。本発明の
実施例において、近用アイポイントの位置とレンズの幾
何中心とを一致させているが、必ずしも一致させる必要
はない。
【0031】図1は、本発明の実施例にかかる累進多焦
点レンズの領域区分の概要を示す図である。図1に示す
ように、本実施例の累進多焦点レンズは、装用時におい
て上方に位置する特定視部Fと、下方の近用部Nと、双
方の領域の間において連続的に屈折力が変化する中間部
Pとを備えている。レンズ面の形状に関しては、装用状
態でレンズ面のほぼ中央を上方から下方にかけて鉛直に
走る子午線に沿った断面と物体側レンズ面との交線すな
わち主子午線曲線MM′がレンズの加入度などの仕様を
表すための基準線として用いられている。このように対
称設計された累進多焦点レンズでは、特定中心A、近用
アイポイントE、近用中心Bは、主子午線曲線MM′上
にある。
【0032】このように、図1の累進多焦点レンズは、
主子午線曲線MM′に沿って、近景に対応する面屈折力
を有する近用部Nと、近景よりも実質的に離れた特定距
離に対応する面屈折力を有する特定視部Fと、近用部N
と特定視部Fとの間において両領域の面屈折力を連続的
に接続する中間部Pとを備えている。そして、特定中心
Aよりも上方を特定視部F、近用中心Bよりも下方を近
用部N、特定中心Aと近用中心Bとの間を中間部Pと考
えることができる。累進多焦点レンズの屈折面上では屈
折力が連続的に変化しており各領域を明確に区分するこ
とができないが、レンズの構造を考える上で有効な手段
として図1のような領域区分が一般的に採用されてい
る。
【0033】図2は、本実施例の累進多焦点レンズの主
子午線曲線上の屈折力分布を示す図である。図2におい
て、縦軸は累進多焦点レンズの主子午線曲線を、横軸は
主子午線曲線上の屈折度数(単位D:ディオプター)を
それぞれ示している。図2に示すように、主子午線曲線
上の表面屈折力の平均度数は、特定中心Aから近用アイ
ポイントEを経由して近用中心Bまで連続的に且つ滑ら
かに接続するように構成されている。
【0034】本実施例の累進多焦点レンズでは、近用ア
イポイントEから近用中心Bまでの主子午線曲線に沿っ
た距離は5mmである。また、近用アイポイントEから
特定中心Aまでの主子午線曲線に沿った距離は14mm
である。したがって、特定中心Aから近用中心Bまでの
主子午線曲線に沿った距離すなわち累進帯の長さは19
mmである。また、図2を参照すると、本実施例の累進
多焦点レンズでは、特定視部Fの平均屈折度数(ベース
カーブ)が3.5ディオプターで、加入度Adが1.5
ディオプターである。したがって、図示のように、特定
中心Aにおける屈折度数は3.5ディオプターであり、
近用中心Bにおける屈折度数は5.0ディオプターであ
る。
【0035】また、図7に示すように、本実施例の累進
多焦点レンズでは、特定視部Fの下部から上部(Vyが
8°〜16°の範囲)において屈折表面の縦断面形状
は、横断面曲線に沿って主子午線曲線MM’との交点か
ら遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が増加する非円
形形状であり、その増加率は下部から上部に向かって減
少している。また、特定視部Fの最上部(Vyが20
°)において屈折表面の縦断面形状は、主子午線曲線M
M’との交点から遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値
が増加した後に減少する非円形形状となっているが、レ
ンズの形状が円形であることを考えると側方部の縦断面
形状は光学性能に寄与しない。
【0036】一方、中間部Pの上部(Vyが4°)にお
いて屈折表面の縦断面形状は、横断面曲線に沿って主子
午線曲線MM’との交点から遠ざかるにしたがって縦方
向曲率の値が増加する非円形形状である。また、中間部
Pの下部(Vyが0°)において屈折表面の縦断面形状
は、横断面曲線に沿って主子午線曲線MM’との交点か
ら遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が減少した後に
増加する非円形形状である。なお、中間部Pの下部(V
yが0°)において、縦方向曲率の値が減少から増加に
転ずる位置は、累進多焦点レンズの半径をWとすると
き、実用的には主子午線曲線から横断面曲線に沿ってW
/3〜2W/3だけ離れていることが有効である。
【0037】そして、近用部Nの上部から下部(Vyが
−4°〜−16°の範囲)において屈折表面の縦断面形
状は、横断面曲線に沿って主子午線曲線MM’との交点
から遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が単調に減少
する非円形形状であり、その減少率は上部から下部に向
かって減少している。また、近用部Nの最下部(Vyが
−20°)において屈折表面の縦断面形状は、横断面曲
線に沿って主子午線曲線MM’との交点から遠ざかるに
したがって縦方向曲率の値が増加する非円形形状である
が、レンズの形状が円形であることを考えると側方部の
縦断面形状は光学性能に寄与しない。
【0038】上述のような横断面曲線に沿った縦方向曲
率の変化について、特定視部Fの下部から上部における
側方領域での曲率は、その横断面と主子午線曲線との交
点における基準の曲率に対して平均で約16%増加して
いる。また、中間部Pの上部における側方領域での曲率
は、その横断面と主子午線曲線との交点における基準の
曲率に対して約12%増加している。また、中間部Pの
下部(Vyが0°)から近用部Nの上部(Vyが−8
°)における縦方向曲率の値は減少した後に増加する
が、その極小値はその横断面と主子午線曲線との交点に
おける基準の曲率に対して平均で約8%減少している。
さらに、近用部Nの中央における側方領域での曲率は、
その横断面と主子午線曲線との交点における基準の曲率
に対して約11%減少している。
【0039】図9は、本実施例の累進多焦点レンズの縦
方向の曲率に対応する縦方向の屈折力について縦断面交
線に沿った変化を示す図である。すなわち、図9は、図
5の縦断面交線Σjに沿った屈折表面σの縦方向の屈折
力をプロットした図であり、屈折表面σの縦方向曲率の
縦方向の変化を示すものである。これらの曲線は、種々
の縦断面交線(Σj)に沿った加入度曲線でもある。こ
こで、曲率半径と屈折力とは密接な関係にあり、曲率半
径をRとし、レンズの屈折率をnとするとき、曲率ρ
は、次の式(a)で表される。 ρ=1/R (a) また、屈折力Dは、次の式(b)で表される。 D=(n−1)/R=(n−1)ρ (b) そして、曲率半径Rをメートル単位とする場合に、屈折
力Dはディオプター単位で表される。
【0040】図9において、縦断面交線Σ0 は主子午線
曲線MM’(Vz’=0°)に相当し、この主子午線曲
線MM’に沿った縦方向の屈折力の変化を曲線d0 で示
している。そして、縦断面交線Σ1 、Σ2 、Σ3 、Σ4
およびΣ5 はVz’=4°、8°、12°、16°およ
び20°にそれぞれ対応し、各縦断面交線に沿った縦方
向の屈折力の変化を曲線d1 、d2 、d3 、d4 および
d5 で示している。ここで、Vz’=20°が累進多焦
点レンズとして最大有効径(半径)Wにほぼ対応するも
のとすれば、Σ1 、Σ2 、Σ3 、Σ4 およびΣ5 の位置
は、W/5、2W/5、3W/5、4W/5およびWの
位置にそれぞれ対応することになる。
【0041】図9に示すように、レンズの最上部すなわ
ち特定視部Fの最上部を除き特定視部Fの上部から中間
部Pの上部において、主子午線曲線上の屈折力(d0 )
よりもレンズの側縁部(Σ5 )における屈折力(d5 )
の方が大きい。そして、特定視部Fの上部から中間部P
の上部において、各曲線d1 、d2 、d3 およびd4が
曲線d0 とd5 との間に存在し、主子午線曲線から横方
向へ離れるにしたがって屈折力が大きくなっていること
がわかる。
【0042】一方、レンズの最下部すなわち近用部Nの
最下部を除き中間部Pの下部から近用部Nにおいては、
主子午線曲線上の屈折力(d0 )が最も大きく、所定の
加入度をもって増大した後に近用部Nの上部で減少傾向
となる。また、図9に示すように、中間部Pの中央から
近用部Nにおいて、主子午線曲線から横方向に離れた領
域での縦方向の面屈折力Cは、特定中心Aでの表面屈折
力K(3.5ディオプター)および加入度Ad(1.5
ディオプター)に対して、Ad/2+K(=4.24デ
ィオプター)〜Ad+K(=5ディオプター)の範囲内
に入っている。
【0043】図10は、本実施例の累進多焦点レンズの
主子午線曲線に沿った平均屈折力の分布を示す図であ
る。上述したように、本実施例の累進多焦点レンズは、
特定視部Fの平均屈折度数(ベースカーブ)が3.5デ
ィオプターで、加入度Adが1.5ディオプターであ
る。したがって、図10に示すように、特定中心Aにお
いて平均屈折度数はほぼ3.5ディオプターであり、近
用中心Bにおいて平均屈折度数は5.0ディオプターで
ある。
【0044】図11は、本実施例の累進多焦点レンズの
等非点隔差曲線図であり、図8に示す設計手法にしたが
ってレンズの装用状態における性能評価を行った結果を
示している。図11において、等非点隔差曲線は0.5
ディオプターごとの値で示されている。図11を参照す
ると、本実施例の累進多焦点レンズでは、非点隔差の最
大値が1.0D(ディオプター)程度であり、像の揺れ
や歪みが少ない良好な中間視および近用視が可能である
ことがわかる。また、特定中心Aから近用アイポイント
Eまでの緩やかな度数勾配および本発明にしたがう縦断
面形状により、特定視部Fの下部から中間部Pにかけて
側方領域の等非点隔差を表す線の密度および勾配がとも
に減少している。
【0045】本実施例では、中間視および近用視をし易
くするために、眼鏡レンズとしての装用基準となる近用
アイポイントEから近用中心Bまでの主子午線曲線に沿
った距離を5mmと小さく設定している。このため、顔
の正面を見るときにレンズの度数が中間視および中間視
からやや近方視に合ったものとなり、中間視および中間
視からやや近方視がし易くなっている。また、近用アイ
ポイントEから近用中心Bまでの距離を5mmと小さく
設定するとともに屈折表面の縦断面形状を本発明にした
がって規定することにより、図11に示すように、近用
アイポイントEから近用部Nにかけて発生する収差が比
較的小さく、良好な視覚特性が得られ、近用部Nの明視
域をある程度広くすることができる。
【0046】また、本実施例では、近用部の上部から中
間部Pのほぼ中央に至る領域の側方領域における非点収
差の集中が軽減され、像の揺れや歪みなどが抑えられ、
図11に示すように近用部Nおよび中間部Pにおいて広
い明視域を実現している。さらに、本実施例では、近用
アイポイントEから近用中心Bまでの距離を5mmと小
さく設定するとともに屈折表面の縦断面形状を本発明に
したがって規定することにより、視線を大きく下げるこ
となく中間視領域から近用視領域へ移行することができ
る。なお、図11に示すように、近用部Nにおける明視
域の最大幅WN は約40mmであり、近用部Nにおいて
従来の累進多焦点レンズに比べて十分広い明視域を確保
することができる。
【0047】また、本実施例では、近用アイポイントE
から特定視部Fにかけて屈折表面の縦断面形状を本発明
にしたがって規定することにより、近用アイポイントE
から特定視部Fにかけて視覚特性が改良され、主子午線
曲線の側方領域における収差集中が緩和されている。そ
の結果、像の揺れや歪みを軽減することができ、広い明
視域を確保することができる。なお、図11に示すよう
に、特定視部Fにおける明視域の最大幅WF は約60m
mであり、特定視部Fにおいて従来の累進多焦点レンズ
に比べて十分広い明視域を確保することができる。
【0048】なお、本実施例では、近用アイポイントE
から近用中心Bまでの距離を5mmと設定しているが、
本発明にしたがって屈折表面の縦断面形状を規定するこ
とにより、この距離を2mm〜8mmに設定しても同様
の効果を得ることができる。ただし、近用アイポイント
Eから近用中心Bまでの距離を2mmよりも短くする
と、近用アイポイントEから特定中心Aにかけて主子午
線曲線上での屈折力が加入度Adの約95%だけ低下す
ることになる。その結果、近用アイポイントEから特定
視部Fにかけて屈折力の変化の度合いが大きくなり、像
の揺れや歪みの少ない良好な中間視状態を得ることがで
きなくなる。さらに、特定視部Fにおいて十分広い明視
域を確保することができなくなる。
【0049】また、近用アイポイントEから近用中心B
までの距離を2mmよりも短くすると、近用アイポイン
トEから特定視部Fまでの距離が長くなりすぎて、特定
距離視状態において上目遣い気味になってしまう。一
方、近用アイポイントEから近用中心Bまでの距離を8
mmよりも長くすると、視線を大きく下げなければ近用
視領域に移行することができなくなる。その結果、眼精
疲労を引き起こすとともに、近用部Nにおいてある程度
広い明視域を確保することができなくなってしまう。
【0050】このように、屈折表面の縦断面形状を本発
明にしたがって規定することによって、レンズ面全体に
亘る収差バランスを良好に保ち、優れた視覚特性を有す
る中近重視の累進多焦点レンズを実現することが可能と
なる。なお、本実施例では、主子午線曲線を基準として
左右対称な累進多焦点レンズに本発明を適用している
が、近用部を鼻側に偏位させた非対称累進多焦点レンズ
にも本発明を適用することができる。
【0051】
【効果】以上説明したごとく、本発明によれば、目の調
節力の衰退が大きい人でも長い時間に亘って快適に近方
視を継続することのできる累進多焦点レンズを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる累進多焦点レンズの領
域区分の概要を示す図である。
【図2】本実施例の累進多焦点レンズの主子午線曲線上
の屈折力分布を概略的に示す図である。
【図3】従来の遠近重視の累進多焦点レンズの主子午線
曲線上の屈折力分布を概略的に示す図である。
【図4】レンズの屈折表面σについての横断面曲線を説
明する斜視図である。
【図5】レンズの屈折表面σについての縦断面曲線を説
明する斜視図である。
【図6】本発明の累進多焦点レンズを設計するための基
準となる横断面および縦断面を説明する図である。
【図7】本発明の実施例にかかる累進多焦点レンズの屈
折表面の曲率変化を示す図であって、図6に示す各横断
面交線Φ5 〜Φ-5に沿った屈折表面σの縦方向の曲率の
変化を示す図である。
【図8】累進多焦点レンズを装用した状態における眼の
様子を説明する図であり、主子午線曲線に沿った断面す
なわちレンズの鉛直断面の様子を示している。
【図9】本実施例の累進多焦点レンズの縦方向の曲率に
対応する縦方向の屈折力について縦断面交線に沿った変
化を示す図である。
【図10】本実施例の累進多焦点レンズの主子午線曲線
に沿った平均屈折力の分布を示す図である。
【図11】本実施例の累進多焦点レンズの等非点隔差曲
線図である。
【符号の説明】
F 特定視部 N 近用部 P 中間部 A 特定中心 B 近用中心 E 近用アイポイント MM′主子午線曲線 Ad 加入度 T 遠点球面 O 眼球 CR 眼球回旋点 L レンズ OG 幾何中心

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ屈折面を鼻側領域と耳側領域とに
    分割する主子午線曲線に沿って、近景に対応する面屈折
    力を有する近用視矯正領域と、近景よりも実質的に離れ
    た特定距離に対応する面屈折力を有する特定視距離矯正
    領域と、前記近用視矯正領域と前記特定視距離矯正領域
    との間において両領域の面屈折力を連続的に接続する累
    進領域とを備え、 前記近用視矯正領域の中心は、近用アイポイントから前
    記主子午線曲線に沿って下方に2mmから8mmだけ間
    隔を隔て、 前記特定視距離矯正領域の下部から上部において屈折表
    面の縦断面形状は、横断面曲線に沿って前記主子午線曲
    線との交点から遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が
    増加する非円形形状であり、 前記累進領域の上部において屈折表面の縦断面形状は、
    横断面曲線に沿って前記主子午線曲線との交点から遠ざ
    かるにしたがって縦方向曲率の値が増加する非円形形状
    であり、 前記累進領域の下部において屈折表面の縦断面形状は、
    横断面曲線に沿って前記主子午線曲線との交点から遠ざ
    かるにしたがって縦方向曲率の値が減少した後に増加す
    る非円形形状であり、 前記近用視矯正領域の上部から下部において屈折表面の
    縦断面形状は、横断面曲線に沿って前記主子午線曲線と
    の交点から遠ざかるにしたがって縦方向曲率の値が減少
    する非円形形状であることを特徴とする累進多焦点レン
    ズ。
  2. 【請求項2】 前記特定視距離矯正領域の下部から上部
    において、縦方向曲率の値の増加率は下部から上部に向
    かって減少することを特徴とする請求項1に記載の累進
    多焦点レンズ。
  3. 【請求項3】 前記累進領域の下部において縦方向曲率
    の値が減少から増加に転ずる位置は、前記累進多焦点レ
    ンズの半径をWとしたとき、前記主子午線曲線との交点
    から横方向にW/3から2W/3だけ離れていることを
    特徴とする請求項1または2に記載の累進多焦点レン
    ズ。
  4. 【請求項4】 前記近用視矯正領域の上部から下部にお
    いて、縦方向曲率の減少率は上部から下部に向かって減
    少することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の累進多焦点レンズ。
  5. 【請求項5】 前記累進領域の中央から前記近用視矯正
    領域において、前記主子午線曲線から横方向に離れた領
    域での縦方向の面屈折力Cは、前記特定視距離矯正領域
    の中心での表面屈折力をK(ディオプター)とし、加入
    度をAd(ディオプター)としたとき、 (Ad/2+K)<C<(Ad+K) (1) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載の累進多焦点レンズ。
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