JPH10127278A - コレステロール・エステラーゼの製造方法 - Google Patents

コレステロール・エステラーゼの製造方法

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JPH10127278A
JPH10127278A JP8304182A JP30418296A JPH10127278A JP H10127278 A JPH10127278 A JP H10127278A JP 8304182 A JP8304182 A JP 8304182A JP 30418296 A JP30418296 A JP 30418296A JP H10127278 A JPH10127278 A JP H10127278A
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cholesterol
enzyme
cholesterol esterase
esterase
genus
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JP8304182A
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Minoru Hiruma
稔 蛭間
Takao Shirokane
孝雄 白兼
Masaru Suzuki
勝 鈴木
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Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エステル型コレステロールの定量などの際に
有用な、実用性に優れた理化学的性質を有するコレステ
ロール・エステラーゼを容易に製造する。 【解決手段】ブルクホルデリア属に属し、コレステロー
ル・エステラーゼ生産能を有する菌株を培地に培養し、
その培養物からコレステロール・エステラーゼを採取す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コレステロール・
エステルを加水分解し、コレステロールと脂肪酸を生成
するコレステロール・エステラーゼの製造方法、さらに
詳しくはブルクホルデリア属に属し、コレステロール・
エステラーゼ生産能を有する菌株を培地に培養し、その
培養物からコレステロール・エステラーゼを採取する、
コレステロール・エステラーゼの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】血中の総コレステロール(遊離型コレス
テロールとエステル型コレステロールの合計量)及びエ
ステル型コレステロールの定量は、臨床学的な診断に際
して非常に重要であり、その存在量を知ることは動脈硬
化症、心筋梗塞症などの診断に役立ち、保健上重視され
ている。従来、遊離型コレステロールの定量法として
は、コレステロール・オキシダーゼを作用させて酵素的
に直接定量する方法が知られているが、該酵素は、エス
テル型コレステロールには作用しないため、エステル型
コレステロールを定量する場合には、まずエステル結合
を加水分解して遊離型のコレステロールを生成させ、そ
の後遊離型のコレステロールにコレステロール・オキシ
ダーゼを作用させて生成する過酸化水素を測定してエス
テル型のコレステロールを定量する方法が一般的に行わ
れている。前記のエステル型コレステロールを加水分解
する方法としては、例えばアルコール性水酸化カリウム
と化学的に反応させてケン化する方法、あるいは酵素的
にコレステロール・エステラーゼを作用させる方法など
が挙げられる。そして後者の方法は、前記分解操作が簡
便で、自動分析法などにおいて直接かつ迅速に定量がで
きることから好ましく用いられる。
【0003】コレステロール・エステラーゼは、エステ
ル型コレステロールに作用して遊離型コレステロールと
脂肪酸を生成する酵素であり、特に動物の膵臓、肝臓な
どに由来するもの、あるいは微生物由来のものなどが知
られている。微生物由来のコレステロール・エステラー
ゼとしては、シュードモナス(Pseudomona
s)属に属する微生物から得たもの(特開昭50−15
7588号公報参照)、フザリウム(Fusariu
m)属に属する微生物から得たもの(ジャーナル・オブ
・バイオケミストリー(Journal of Bio
chemistry)第81巻、1209−1215
頁、1977年、参照)、シゾフィラム(Schizo
phyllum)属に属する微生物から得たもの(特公
昭55−34674号公報参照)、担子菌のカワラタケ
属から得たもの(特公昭56−53355号公報参
照)、ストレプトミセス(Streptomyces)
属から得たもの(特公昭60−15311号公報参
照)、また、ノカルジア・コレステロリカム(Noca
rdia cholesterolicum)NRRL
5767から得たもの(特公昭60−58955号公報
参照)、などが知られている。しかしながら、ブルクホ
ルデリア(Burkholderia)属に属する微生
物由来のコレステロール・エステラーゼについての報告
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エステル型
コレステロールの定量などの際に用いられる、実用性に
優れた理化学的性質を有するコレステロール・エステラ
ーゼを、容易に得る方法を提供することを目的としてな
されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ね、広く自然界よりコレ
ステロール・エステラーゼを生産し得る微生物の検索を
行った結果、土壌より分離したブルクホルデリア属に属
する菌株がコレステロール・エステラーゼを生産するこ
と、そしてその菌株によって生産された酵素の至適pH
が微酸性にあり、かつ熱安定性に優れて実用に適してい
ることなどを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、ブルクホルデリア
属に属し、コレステロール・エステラーゼ生産能を有す
る菌株を培地に培養し、その培養物からコレステロール
・エステラーゼを採取することを特徴とするコレステロ
ール・エステラーゼの製造方法である。以下、本発明に
ついて詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】先ず、本発明に用いられる菌とし
ては、ブルクホルデリア(Burkholderia)
属に属し、コレステロール・エステラーゼ生産能を有す
る菌株であればいかなる菌でもよく、またこれらの変種
又は変異株でもよい。そして、その具体例としては、ブ
ルクホルデリア・エスピー No.128−11(Bu
rkholderia sp. No.128−11)
が挙げられ、該菌株の変種又は変異株も用いることがで
きる。このブルクホルデリア・エスピー No.128
−11は、本発明者らが奈良市郊外の畑の土壌から採取
して純粋分離して得た菌であり、その菌学的性質は以下
に示すとおりである。
【0007】<ブルクホルデリア・エスピー No.1
28−11の菌学的性質> (a)形態的性質 顕微鏡的観察(肉汁寒天培地(pH7.0)上で、30
℃、6〜48時間培養) (1)細胞の形及び大きさ:0.7〜0.8×1.4〜
1.6μmの桿菌。 (2)細胞の多形性:単独または2連鎖。 (3)運動性の有無:運動性あり。数本の極鞭毛を有す
る。 (4)胞子の有無:胞子なし。 (5)グラム染色性:陰性。 (6)抗酸性:陰性。 (b)生育状態 (1)肉汁寒天平板培養:30℃、48時間培養で直径
約1.5〜2.0mmの円形コロニーを形成し、その表
面は平滑で光沢があり、凸円状の隆起をなし、色調は淡
いクリーム色で可溶性色素の生産は見られない。 (2)肉汁寒天斜面培養:30℃、24時間培養で糸状
に生育する。表面は光沢があり淡いクリーム色で、生育
は良好である。 (3)肉汁液体培養:30℃、48時間の静置培養でわ
ずかに濁り、沈渣を生成する。 (4)肉汁ゼラチン穿刺培養:30℃、24時間培養で
培地の表面だけに生育し、穿刺孔に沿っては生育しな
い。また生育に伴いゼラチンを液化する。 (5)リトマスミルク:30℃、3日間の静置培養でや
やアルカリ性となり、液化するが凝固しない。 (c)生理的性質 (1)硝酸塩の還元:陰性。 (2)脱窒反応:陰性。 (3)MRテスト:陰性。 (4)VPテスト:陰性。 (5)インドールの生成:陰性。 (6)硫化水素の生成:陰性。 (7)デンプンの加水分解:陰性。 (8)クエン酸の利用:利用する。 (9)無機窒素源の利用:硝酸塩は利用されないが、ア
ンモニウム塩は利用される。 (10)色素の生成:陰性。 (11)ウレアーゼ:陽性。 (12)オキシダーゼ:陽性。 (13)カタラーゼ:陽性。 (14)生育の範囲:pH;4.5〜8.5、温度;5〜
42℃。 (15)酸素に対する態度:好気性。 (16)O−Fテスト:酸化的。 (17)糖類からの酸及びガスの生成の有無: L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、
D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクトー
ス、ラクトース、トレハロース、D−ソルビトール、D
−マンニトール、イノシトール、グリセロール、マルト
ース及びシュークロースから酸を生成し、スターチから
は酸を生成しない。また何れからもガスの生成は認めら
れない。
【0008】以上の諸性質をバージーズ・マニュアル・
オブ・デイタミネイテイブ・バクテリオロジー(Ber
gey′s Manual of Determina
tive Bacteriology)第9版(199
4年)の記載と対比すると、形態において桿菌であるこ
と、好気性菌であること、数本の極鞭毛を有すること、
グラム陰性であること、運動性があること、カタラーゼ
陽性であることなどから、シュードモナス(Pseud
omonas)属に属する菌株と考えられたが、Oya
izuとKomagataは、3−ヒドロキシ脂肪酸の
組成の違いがシュードモナス属の5つのリボゾーマルリ
ボ核酸−デオキシリボ核酸(rRNA−DNA)ホモロ
ジーグループに対応することを報告している(ジャ−ナ
ル・オブ・ジェネラル・アンド・アプライド・ミクロバ
イオロジー(Journal of General
and Applied Microbiology)
第29巻、17−40頁、1983年、参照)。
【0009】そこで、本菌株の菌体内脂肪酸組成を調べ
たところ、3−ヒドロキシ脂肪酸のうち、3−ヒドロキ
シミリスチン酸(3OH−C14:0)と3−ヒドロキ
シパルミチン酸(3OH−C16:0)の存在が認めら
れた。この3−ヒドロキシ脂肪酸の組成から、本菌株は
シュードモナス属のrRNA−DNAホモロジーグルー
プIIに属する菌株であることが明らかになった。この
rRNA−DNAホモロジーグループIIは、1993
年にブルクホルデリア(Burkholderia)属
としてシュードモナス属から独立しており(マイクロバ
イオロジー・アンド・イムノロジー(Microbio
logy and Immunology)第36巻、
1251−1275頁、1992年、参照)、従って本
菌株はブルクホルデリア属に属するものであると判定さ
れた。このことは主要キノンシステムがQ−8であるこ
とからも裏付けられた。さらに、菌体内脂肪酸のうち、
ラクトバシル酸(C19CPA)がステアリン酸(C1
8:0)に比較して2倍以上多く存在することから、ブ
ルクホルデリア・セパシア(Burkholderia
cepacia)の特徴を有していた。また、電子顕
微鏡観察の結果、本菌株には数本の極鞭毛の他に細胞の
周囲に繊毛(piliあるいはfimbriae)の存
在が確認された。このような繊毛は、ブルクホルデリア
・セパシアとシュードモナス・フラギ(Pseudom
onas fragi)に認められると報告されている
(ジャーナル・オブ・ジェネラル・マイクロバイオロジ
ー(Journal of General Micr
obiology)第58巻、227−237頁、19
69年、参照)が、シュードモナス・フラギの生育温度
範囲が10℃−30℃であるのに対し、本菌株の生育温
度範囲は5℃−42℃であり、シュードモナス・フラギ
とは明らかに異なっていた。
【0010】以上の結果から、本菌株はブルクホルデリ
ア・セパシアに近縁のものと認められるが、前記文献お
よびインタ−ナショナル・ジャーナル・オブ・システマ
チック・バクテリオロジー(Internationa
l Journal ofSystematic Ba
cteriology)第31巻、479−481頁、
1981年、に記載の性質と比較すると、色素の生産
能、オルニチンの脱炭酸能、ウレアーゼ生産能、エスク
リン分解能などの性質が明らかに異なっており、本菌株
はブルクホルデリア属に属する新種と認められることか
ら、ブルクホルデリア・エスピー No.128−11
(Burkholderia sp.No.128−1
1)と命名した。そしてこの菌株は、工業技術院生命工
学工業技術研究所に、FERM P−15924として
寄託されている。
【0011】次に、前記のブルクホルデリア属に属し、
コレステロール・エステラーゼ生産能を有する菌株を培
地に培養し、その培養物からコレステロール・エステラ
ーゼを採取する菌株を用いてコレステロール・エステラ
ーゼ(以下本酵素という)を製造するには、先ず培養方
法としては、通常の固体培養法でもよいが、液体培養法
が好ましい。そしてその培地としては、炭素源、窒素
源、無機物、その他の栄養素を程よく含有するものであ
れば、合成培地又は天然培地のいずれでも使用できる。
炭素源としては、同化可能な炭素化合物であればいずれ
でもよく、例えばマルトース、グルコース、デンプン加
水分解物、グリセリン、フラクトース、糖蜜、大豆油、
ステアリン酸コレステリルなどが使用される。また、窒
素源としては、利用可能な窒素化合物であればよく、例
えば酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスチープ
リカー、大豆粉、アミノ酸、硫安、硝酸アンモニウムな
どが使用される。その他、食塩、塩化カリウム、硫酸マ
グネシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄、リン酸第一カ
リウム、リン酸第二カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウムなどの種々の塩類、ビタミン類、消泡剤などが
使用される。そしてこれらの栄養源はそれぞれ単独で用
いることもでき、また組み合わせて用いることもでき
る。このようにして調製した培地を用いて本酵素を製造
するには、通気攪拌深部培養または振盪培養などにより
好気的に培養し、その際に、培地の初発pHを5〜8程
度に調整し、20〜37℃、好ましくは25〜35℃前
後の温度で10〜50時間、好ましくは15〜25時間
培養する。こうすることによって、培養物中に本酵素が
生成し、蓄積する。
【0012】次いでこの培養物から本酵素を採取するに
は、通常の酵素採取手段を用いることができる。本酵素
は、主に菌体外に存在する酵素であるため、培養物か
ら、例えばろ過、遠心分離などの操作により菌体を除去
したのち、その菌体除去液からアセトン、アルコールに
よる有機溶媒沈殿法、あるいは硫安、その他塩類による
塩析法などの通常用いられる方法で酵素を得る。さらに
高度に精製された酵素標品を得るには、疎水及びイオン
交換を応用した吸着溶出法及び電気泳動法などを用いる
ことができる。次に本発明の方法によって得られた本酵
素の理化学的性質の一例は、下記のとおりである。
【0013】<本酵素の理化学的性質> (1)作用:コレステロール・エステルを加水分解して
脂肪酸とコレステロールを生成する。
【0014】(2)基質特異性:本酵素の、種々のコレ
スエロール・エステルに対する活性を後に述べる活性測
定法によって測定し、コレステロール・リノール酸に対
する活性を100としたときの相対活性(%)を求めた
結果の一例を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1からわかるように、コレステロール・
リノール酸、コレステロール・オレイン酸、コレステロ
ール・パルミチン酸及びコレステロール・オクタン酸に
作用し、中でもコレステロール・リノール酸に対して最
も強く作用する。またコレステロール・ステアリン酸及
びコレステロール・酢酸にもわずかに作用する。
【0017】(3)至適pH及び安定pH範囲:至適p
Hは、200mMリン酸緩衝液を用い、希釈した水酸化
ナトリウム及び塩酸にて各pHに調整し、各pHにおけ
る本酵素の活性測定を行って求めた。その結果は、図1
に示すとおりであり、本酵素の至適pHは、6.5付近
である。また、安定pH範囲は、50mM酢酸ナトリウ
ム−酢酸緩衝液(pH3.0〜5.0)、50mMメス
−水酸化ナトリウム緩衝液(pH5.0〜6.5)、5
0mMヘペス−水酸化ナトリウム緩衝液(pH6.5〜
8.0)及び50mMチェス−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH8.0〜10.0)を用い、pH3.0〜10.
0において37℃、60分間それぞれ処理した後、本酵
素の残存活性を測定して求めた。その結果は、図2に示
すとおりであり、本酵素の安定pH範囲は4.5〜7.
5である。なお、図2中に示すマークで、□は50mM
酢酸ナトリウム−酢酸緩衝液(pH3.0〜5.0)
を、■は50mMメス−水酸化ナトリウム緩衝液(pH
5.0〜6.5)を、●は50mMヘペス−水酸化ナト
リウム緩衝液(pH6.5〜8.0)を、また、○は5
0mMチェス−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.0〜
10.0)を、それぞれ用いたときの結果を示してい
る。
【0018】(4)作用適温の範囲:後記する力価の測
定法におけると同一の基質と酵素液を用い、種々の温度
(25℃〜70℃)で処理を行い本酵素の活性測定を行
った。その結果は、図3に示すとおりであり、本酵素の
作用適温の範囲は43〜47℃である。
【0019】(5)pH、温度などによる失活の条件:
本酵素は、37℃、60分間の処理では、pH4.5〜
7.5で安定であり、50mMメス−水酸化ナトリウム
緩衝液(pH6.0)を用いて、各温度で30分間処理
した場合の本酵素の熱安定性を調べた。その結果は、図
4に示すとおりであり、本酵素は60℃程度まで安定で
あり、75℃で約30%程度失活する。
【0020】(6)阻害、活性化及び安定化:後記する
力価の測定法におけると同一の基質・酵素混合液に、表
2に示す種々の金属塩(各々1mMの濃度)を添加して
酵素活性を測定し、各金属塩による影響を調べた結果を
表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2からわかるように、本酵素は、HgC
2で強く阻害され、またCuSO4で阻害されるが、活
性化及び安定化に特別に寄与する金属塩は見当たらな
い。
【0023】(7)力価の測定方法:コレステロール・
リノール酸を基質として、本酵素を作用させ、生成する
コレステロールをさらにコレステロール・オキシダーゼ
によって酸化し、生成する過酸化水素をさらに4−アミ
ノアンチピリンとフェノールを定量的に酸化縮合せし
め、キノネイミン色素を生じさせる。この色素を500
nmで測定し、酵素力価を求めた。なお、酵素反応液の
組成及び反応条件は以下のとおりである。また、本発明
におけるコレステロール・エステラーゼ1単位は、コレ
ステロール・リノール酸を基質として、pH7.0、3
7℃の条件で1分間に1マイクロモルの遊離コレステロ
ールを生成するに要する酵素量とした。
【0024】<反応液の組成> コレステロール・リノール酸(0.6mM、1%トリ
トンX−100溶液);1.0ml 86.6mM 4−アミノアンチピリン水溶液;0.
05ml 638mM フェノール水溶液;0.1ml パーオキシダーゼ(150単位/ml、0.1M リ
ン酸緩衝液、pH7.0);0.1ml コレステロール・オキシダーゼ(100単位/ml、
0.1Mリン酸緩衝液、pH7.0);0.1ml 酵素液;0.1ml リン酸緩衝液(200mM、pH7.0);1.5m
l 反応液量;2.95ml
【0025】<測定手順>前記の、、、、の
反応混液2.75mlを試験管に採り、37℃で約5分
間予備加温し、これにを加えてさらに2分間加温す
る。次に前記したを添加し、緩やかに混和後、水を対
照に37℃に制御された分光光度計で500nmの吸光
度変化を3〜4分間記録し、その初期直線部分から1分
間あたりの吸光度変化量を求める。
【0026】(9)精製方法:本酵素の単離、精製は常
法に従って行うことができ、例えば硫安塩析法、有機溶
媒沈澱法、イオン交換体などによる吸着処理法、イオン
交換クロマトグラフ法、疎水クロマトグラフ法、ゲルろ
過クロマトグラフ法、吸着クロマトグラフ法、アフィニ
ティークロマトグラフ法、電気泳動法などを単独又は適
宜組合わせて用いられる。
【0027】なお、本発明によって得られるコレステロ
ール・エステラーゼの主要な理化学的性質は前記のとお
りであるが、この酵素が従来知られているコレステロー
ル・エステラーゼとは異なるものであることを、主とし
て至適pH、熱安定性について表3に示して比較する。
なお、比較の対象としては、シュードモナス属として、
(1)特開昭50−157588号公報記載のシュード
モナス・フルオレッセンス KY3955、(2)特公
昭58−30033号公報記載のシュードモナス・ノブ
・エスピーNo.109、(3)アグリカルチュラル・
アンド・バイオロジカル・ケミストリー(Agricu
ltural and Biological Che
mistry)第40巻、1957−1964頁、19
76年、記載のシュードモナス・フルオレッセンスAT
CC21156、及び(4)東洋紡績カタログに記載の
シュードモナス・エスピー由来のものを挙げた。また
(5)フザリウム属として、ジャーナル・オブ・バイオ
ケミストリー(Journal of Biochem
istry)第81巻、1209−1215頁、197
7年、に記載のFusarium oxysporum
IGH−2由来のものを、(6)シゾフィラムとし
て、特公昭55−34674号公報記載のSchizo
phyllumcommune IFO4928由来の
ものを、(7)担子菌のカワラタケ属として、特公昭5
6−53355号公報記載のCoriolus ver
sicolor K−1213由来のもの、及び(8)
ストレプトミセス属として、特公昭60−15311号
公報記載のStreptomyces lavendu
lae H−646−SY2由来のもの、を挙げて各文
献に記載のコレステロール・エステラーゼの性質と本酵
素のそれとを比較した。
【0028】
【表3】
【0029】表3に示すごとく、本発明の方法によるコ
レステロール・エステラーゼは、至適pHが微酸性にあ
り、かつ熱安定性がpH6.0で30分間の処理で60
℃まで安定であり、他の微生物由来のそれとは異なって
いる。
【0030】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 大豆油 0.5%(W/V)、酵母エキス 0.5%(W
/V)、リン酸一カリウム 0 .1%(W/V)、リン
酸二カリウム 0.1%(W/V)、硫酸マグネシウム
・7水和物0.01%(W/V)、硫酸第一鉄・7水和
物、0.005%(W/V)及び水道水からなる培地
(pH7.5)20lを30l容ジャーに入れて、12
0℃で15分間殺菌した。この培地に、ブルクホルデリ
ア・エスピーNo.128−11(Burkhorde
ria.sp.No.128−11)の保存スラント
(3本)から、生理食塩水を用いて調製した菌体懸濁液
を接種し、これを30℃で約24時間、等量通気で攪拌
培養した。培養終了後、培養液20lを遠心分離によっ
て菌体除去し、上清を限外ろ過膜を用いて濃縮して2m
M塩化マグネシウム及び0.5mMエチレンジアミン四
酢酸を含有する10mMのリン酸緩衝液(pH7.5)
(以下緩衝Aという)に対して透析した。本酵素の精製
は、濃縮透析液の5lの半分量の2.5lに対して、以
下に示す操作により行なった。
【0031】ステップ1;(フェニル−セファロースC
L−4B・クロマトグラフィー) 透析液(2.5l)に5%飽和になるように硫安粉末を
添加、混合した後、フェニル−セファロースCL−4B
のカラム(8×30cm)に本酵素を吸着させ、緩衝液
Aにてカラムを洗浄した。次に、0M〜1.0M尿素と
35mMコール酸ナトリウムを含有する緩衝液Aの直線
濃度勾配法により本酵素を溶出させ、活性画分を限外濃
縮し、緩衝液Aに対して透析した。 ステップ2;(DEAE−セファセル・クロマトグラフ
ィー) 前記透析液(250ml)を、DEAE−セファセルの
カラム(6×21cm)に吸着させた後、緩衝液Aにて
カラムを洗浄し、次ぎに0M〜2.0M尿素と70mM
コール酸ナトリウムを含有する緩衝液Aの直線濃度勾配
法により溶出させ、活性画分を限外濃縮し、緩衝液Aに
対して透析した。 ステップ3;(セファデックスG−200・クロマトグ
ラフィー) 濃縮液(14ml)の一部(2ml)をセファデックス
G−200のカラム(2.5×95cm)に添加した
後、0.1M塩化カリウムを含有する緩衝液Aを用いて
ゲルろ過を行い、溶出された活性画分80mlを採取し
た。以上のステップ3の精製操作を合計7回繰り返し行
い、全タンパク量10mg、全活性510Uの精製酵素
標品を得た。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、熱安定性に優れたコレ
ステロール・エステラーゼを容易に製造することができ
る。そして本酵素は、熱安定性に優れているため実用性
に富み、本酵素を液状試薬としたときなどの保存性がよ
いことから、例えばエステル型コレステロールの定量な
どの際の試薬として有効に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本酵素の至適pHを示すグラフ。
【図2】 本酵素の安定pH範囲を示すグラフ。
【図3】 本酵素の作用適温の範囲を示すグラフ。
【図4】 本酵素の熱安定性を示すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブルクホルデリア属に属し、コレステロ
    ール・エステラーゼ生産能を有する菌株を培地に培養
    し、その培養物からコレステロール・エステラーゼを採
    取することを特徴とするコレステロール・エステラーゼ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 コレステロール・エステラーゼ生産能を
    有する菌株が、ブルクホルデリア・エスピー No.1
    28−11である請求項1記載のコレステロール・エス
    テラーゼの製造方法。
JP8304182A 1996-10-31 1996-10-31 コレステロール・エステラーゼの製造方法 Pending JPH10127278A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014008025A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Oriental Yeast Co Ltd コレステロールエステラーゼを可溶化発現させる方法
CN116103163A (zh) * 2022-12-30 2023-05-12 湖南成大生物科技有限公司 镰刀菌及其应用

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