JPH10128461A - 展開ブランクを用いた深い容器状製品の深絞り成形方法 - Google Patents
展開ブランクを用いた深い容器状製品の深絞り成形方法Info
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- JPH10128461A JPH10128461A JP8315376A JP31537696A JPH10128461A JP H10128461 A JPH10128461 A JP H10128461A JP 8315376 A JP8315376 A JP 8315376A JP 31537696 A JP31537696 A JP 31537696A JP H10128461 A JPH10128461 A JP H10128461A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属板の深絞り加工において,深い容器状の
製品を成形する場合には,多工程の再絞りやしごき加工
が必要になる.工程数が増えるとポンチ,ダイス,しわ
押さえ等の工具の数も多くなるので,特に試作や多品種
少量生産では,製品コストに占める金型費の割合が著し
く増大すること,およびリードタイムの短縮が図れない
という問題がある. 【解決手段】 本発明に係わる深絞り成形方法は,従来
の深絞りで用いられてきたブランク1の代わりに,ブラ
ンクの外周部分を数箇所切り取ったいわゆる展開ブラン
ク2を使用することによって,フランジ部における絞り
抵抗を低減させ,ただ一組のポンチ3,ダイス4,しわ
押さえ5を用いて1工程で深い容器状製品の成形を可能
にするものである.成形された容器の側壁部には継ぎ目
6が生じるが,材料の深絞り性や板厚の大小,円筒や角
筒などの容器形状等に拘わらず適用できる.
製品を成形する場合には,多工程の再絞りやしごき加工
が必要になる.工程数が増えるとポンチ,ダイス,しわ
押さえ等の工具の数も多くなるので,特に試作や多品種
少量生産では,製品コストに占める金型費の割合が著し
く増大すること,およびリードタイムの短縮が図れない
という問題がある. 【解決手段】 本発明に係わる深絞り成形方法は,従来
の深絞りで用いられてきたブランク1の代わりに,ブラ
ンクの外周部分を数箇所切り取ったいわゆる展開ブラン
ク2を使用することによって,フランジ部における絞り
抵抗を低減させ,ただ一組のポンチ3,ダイス4,しわ
押さえ5を用いて1工程で深い容器状製品の成形を可能
にするものである.成形された容器の側壁部には継ぎ目
6が生じるが,材料の深絞り性や板厚の大小,円筒や角
筒などの容器形状等に拘わらず適用できる.
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,金属およびプラス
チック,紙,木材等の板材料の深絞り成形方法に関する
ものである.
チック,紙,木材等の板材料の深絞り成形方法に関する
ものである.
【0002】
【従来の技術】金属板材の深絞り法には種々の方法があ
るが,もっとも基本的でかつ一般的に使用されている方
法は,例えば図3に示すように,ブランク1をダイス4
としわ押さえ板5ではさみ,しわ押さえ圧力をかけた後
にポンチ3をダイス4の穴に押し込んでいき,平らなブ
ランク1の外周部を円周方向に縮めて底付きの容器状製
品を成形するものである.
るが,もっとも基本的でかつ一般的に使用されている方
法は,例えば図3に示すように,ブランク1をダイス4
としわ押さえ板5ではさみ,しわ押さえ圧力をかけた後
にポンチ3をダイス4の穴に押し込んでいき,平らなブ
ランク1の外周部を円周方向に縮めて底付きの容器状製
品を成形するものである.
【0003】周知のとおり,この深絞り法においては,
加工の成否はポンチ肩部における材料の強度とフランジ
部の絞り抵抗の大小関係によって決まる.深い容器を成
形するためには直径の大きいブランクを用いなければな
らないが,ブランクの直径が過大になるとフランジ部で
の絞り抵抗が増大するため,ポンチ肩部で破断が生じる
ことになる.このため,1回の深絞りで成形できる製品
の深さには限界が存在する.
加工の成否はポンチ肩部における材料の強度とフランジ
部の絞り抵抗の大小関係によって決まる.深い容器を成
形するためには直径の大きいブランクを用いなければな
らないが,ブランクの直径が過大になるとフランジ部で
の絞り抵抗が増大するため,ポンチ肩部で破断が生じる
ことになる.このため,1回の深絞りで成形できる製品
の深さには限界が存在する.
【0004】このような深絞り加工の限界を表す尺度と
して,限界絞り比(絞りが可能な最大ブランク直径とポ
ンチ直径の比)が用いられている.この限界絞り比は材
料や板厚,加工条件等によって異なるが,例えば円筒深
絞りの場合,実用限界絞り比は約2程度である.これを
製品の直径と深さの関係で見ると,1回の絞りで得られ
る容器の最大深さは直径の約0.75倍ということにな
る.
して,限界絞り比(絞りが可能な最大ブランク直径とポ
ンチ直径の比)が用いられている.この限界絞り比は材
料や板厚,加工条件等によって異なるが,例えば円筒深
絞りの場合,実用限界絞り比は約2程度である.これを
製品の直径と深さの関係で見ると,1回の絞りで得られ
る容器の最大深さは直径の約0.75倍ということにな
る.
【0005】このような理由から,深さが直径の約0.
75倍以上の深い容器を成形する場合には,初絞りの後
に再絞りやしごき加工を繰り返すといった方法が採られ
ている.このような多工程の成形では,各工程ごとにポ
ンチ,ダイス,しわ押さえといった工具(金型)が必要
になるため,深い容器の成形,特に試作や多品種少量生
産では製品コストに占める金型費の割合が著しく大きく
なる.
75倍以上の深い容器を成形する場合には,初絞りの後
に再絞りやしごき加工を繰り返すといった方法が採られ
ている.このような多工程の成形では,各工程ごとにポ
ンチ,ダイス,しわ押さえといった工具(金型)が必要
になるため,深い容器の成形,特に試作や多品種少量生
産では製品コストに占める金型費の割合が著しく大きく
なる.
【0006】そこで,本発明者等は,このような問題点
を解決するために,従来の深絞り法で用いられてきた円
形や四角形,矩形などのブランクの代わりに,絞り抵抗
の少ないブランク形状すなわち図2に示すようにブラン
クの外周部分を数箇所切り取ったいわゆる展開ブランク
を使用して,非常に深い容器状の製品を1工程で成形す
る方法を開発した.
を解決するために,従来の深絞り法で用いられてきた円
形や四角形,矩形などのブランクの代わりに,絞り抵抗
の少ないブランク形状すなわち図2に示すようにブラン
クの外周部分を数箇所切り取ったいわゆる展開ブランク
を使用して,非常に深い容器状の製品を1工程で成形す
る方法を開発した.
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように,従来の
成形方法によって深い容器を成形する場合には,多工程
の成形が必要になる.工程数が増えるとそれだけ工具の
数も多くなるので,工具の製作に時間がかかる.また,
特に試作や多品種少量生産では製品コストに占める金型
費の割合が著しく増大する.これらは,コストの低減と
リードタイムの短縮という点から,解決しなければなら
ない重要な課題である.
成形方法によって深い容器を成形する場合には,多工程
の成形が必要になる.工程数が増えるとそれだけ工具の
数も多くなるので,工具の製作に時間がかかる.また,
特に試作や多品種少量生産では製品コストに占める金型
費の割合が著しく増大する.これらは,コストの低減と
リードタイムの短縮という点から,解決しなければなら
ない重要な課題である.
【0008】周知のように,板の深絞り性はr値(引張
試験における板幅方向ひずみと板厚ひずみの比)が大き
いほど,また板厚が大きいほど向上する.このため,従
来,深い容器を成形する場合には,破断を回避するため
にr値が大きい高品質材あるいは板厚が少し厚い板を使
用するといった方法が採られてきた.しかし,製品のコ
スト低減や軽量化を図るためには,深絞り性が悪い低r
値材料(低グレード材)や薄板あるいは極薄板であって
も,深い容器を成形できるような成形方法の開発が望ま
れる.
試験における板幅方向ひずみと板厚ひずみの比)が大き
いほど,また板厚が大きいほど向上する.このため,従
来,深い容器を成形する場合には,破断を回避するため
にr値が大きい高品質材あるいは板厚が少し厚い板を使
用するといった方法が採られてきた.しかし,製品のコ
スト低減や軽量化を図るためには,深絞り性が悪い低r
値材料(低グレード材)や薄板あるいは極薄板であって
も,深い容器を成形できるような成形方法の開発が望ま
れる.
【0009】板厚が厚くかつ大寸法の容器状製品を深絞
り加工する場合には,絞り荷重が著しく大きくなる.こ
の絞り荷重がプレスの加圧能力を越えると深絞り加工が
できなくなる.ためため,厚板の深絞り加工ではブラン
クを加熱した状態での熱間成形や,ブランクを数個の放
射状セグメントに分割して成形を行った後,溶接によっ
て一体化するといった手間のかかる方法を採らざるを得
ない状況である.このような現状を改善するために,冷
間(室温)でしかも小さい荷重で厚板の成形を実現しう
る成形方法の開発が必要である.
り加工する場合には,絞り荷重が著しく大きくなる.こ
の絞り荷重がプレスの加圧能力を越えると深絞り加工が
できなくなる.ためため,厚板の深絞り加工ではブラン
クを加熱した状態での熱間成形や,ブランクを数個の放
射状セグメントに分割して成形を行った後,溶接によっ
て一体化するといった手間のかかる方法を採らざるを得
ない状況である.このような現状を改善するために,冷
間(室温)でしかも小さい荷重で厚板の成形を実現しう
る成形方法の開発が必要である.
【0010】側壁部に円や矩形等の穴を有する容器を製
造する場合,まず容器を成形し,つぎにその容器の側壁
部に穴をあける方法と,まず平らなブランクの状態で穴
をあけ,しかる後にこの穴あきブランクを成形する方法
とがある.金型製作や成形の連続化という観点から見る
と後者の方が望ましい.しかし後者の場合.には,成形
時に穴が変形するので穴の形状や寸法精度がでないとい
う問題があり,改善が望まれている.
造する場合,まず容器を成形し,つぎにその容器の側壁
部に穴をあける方法と,まず平らなブランクの状態で穴
をあけ,しかる後にこの穴あきブランクを成形する方法
とがある.金型製作や成形の連続化という観点から見る
と後者の方が望ましい.しかし後者の場合.には,成形
時に穴が変形するので穴の形状や寸法精度がでないとい
う問題があり,改善が望まれている.
【0011】本発明は,上記のような問題点を解決する
ための深絞り成形方法を提供するものである.すなわ
ち,本発明に係わる深絞り成形方法は,従来の深絞り法
で用いられてきた円形や四角形,矩形などのブランクの
代わりに,ブランクの外周部分を数箇所切り取ったいわ
ゆる展開ブランクを使用することによって,フランジ部
における絞り抵抗の低減を実現し,ただ一組のポンチ,
ダイス,しわ押さえを用いて1工程で深い容器の成形を
可能にしようとするものである.したがって,本成形方
法によれば,製品コストの低減とリードタイムの短縮を
図ることができる.また,材料の深絞り性や板厚の大小
にほとんど影響されることなく,非常に深い容器状の製
品を1工程で成形することができる.さらに,フランジ
部の絞り抵抗が小さいので,厚板の場合でも深絞り荷重
を著しく低減させることができる.また,フランジ部の
絞り変形がほとんどないことから,ブランクにあけた穴
の形状・寸法は成形時にもほとんど変形せず,したがっ
て平らなブランクの状態で所要の形状・寸法の穴をあけ
ておき,このブランクを成形することによって側壁部に
穴を有する深い容器を得ることができる.
ための深絞り成形方法を提供するものである.すなわ
ち,本発明に係わる深絞り成形方法は,従来の深絞り法
で用いられてきた円形や四角形,矩形などのブランクの
代わりに,ブランクの外周部分を数箇所切り取ったいわ
ゆる展開ブランクを使用することによって,フランジ部
における絞り抵抗の低減を実現し,ただ一組のポンチ,
ダイス,しわ押さえを用いて1工程で深い容器の成形を
可能にしようとするものである.したがって,本成形方
法によれば,製品コストの低減とリードタイムの短縮を
図ることができる.また,材料の深絞り性や板厚の大小
にほとんど影響されることなく,非常に深い容器状の製
品を1工程で成形することができる.さらに,フランジ
部の絞り抵抗が小さいので,厚板の場合でも深絞り荷重
を著しく低減させることができる.また,フランジ部の
絞り変形がほとんどないことから,ブランクにあけた穴
の形状・寸法は成形時にもほとんど変形せず,したがっ
て平らなブランクの状態で所要の形状・寸法の穴をあけ
ておき,このブランクを成形することによって側壁部に
穴を有する深い容器を得ることができる.
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに,本発明に係わる深絞り成形方法は,ブランクの外
周部分を数箇所切り取ったいわゆる展開ブランクを使用
することによって,フランジ部における絞り抵抗を低減
させ,ただ一組のポンチ,ダイス,しわ押さえを用いて
1工程で深い容器の成形を可能にしようとするものであ
る.
めに,本発明に係わる深絞り成形方法は,ブランクの外
周部分を数箇所切り取ったいわゆる展開ブランクを使用
することによって,フランジ部における絞り抵抗を低減
させ,ただ一組のポンチ,ダイス,しわ押さえを用いて
1工程で深い容器の成形を可能にしようとするものであ
る.
【0013】本発明に係わる深絞り成形方法において
は,上記の展開ブランクの形状・寸法が絞りの成否およ
び製品の寸法精度,板厚ひずみに影響を及ぼす重要な因
子である.展開ブランクの形状・寸法としては,例えば
図2に示すようなものが考えられる.図2において,d
pはポンチ直径,dcは通常の深絞り加工と同様に絞り
変形を受ける部分の直径である.dcより外側のフラン
ジ部はポンチの進行に伴って順次ポンチ側へ移動し,C
点で合流・接触した後,dc/dpの絞り変形を受けて
側壁部になる.
は,上記の展開ブランクの形状・寸法が絞りの成否およ
び製品の寸法精度,板厚ひずみに影響を及ぼす重要な因
子である.展開ブランクの形状・寸法としては,例えば
図2に示すようなものが考えられる.図2において,d
pはポンチ直径,dcは通常の深絞り加工と同様に絞り
変形を受ける部分の直径である.dcより外側のフラン
ジ部はポンチの進行に伴って順次ポンチ側へ移動し,C
点で合流・接触した後,dc/dpの絞り変形を受けて
側壁部になる.
【0014】図2に示すブランク形状は,いずれもフラ
ンジ部の任意の半径位置における円弧の長さSrの和
が,C点における円周長さScと等しくなるように決定
したものである.dc/dpの値が大きすぎるとC点で
合流・接触した後の絞り抵抗が増大するためポンチ肩部
破断が生じる.また逆に,dc/dpの値が小さすぎる
と側壁部における継ぎ目部に隙間が生じる.したがっ
て,例えば円筒深絞りの場合には,dc/dp=1.2
5〜1.5程度が好ましい.
ンジ部の任意の半径位置における円弧の長さSrの和
が,C点における円周長さScと等しくなるように決定
したものである.dc/dpの値が大きすぎるとC点で
合流・接触した後の絞り抵抗が増大するためポンチ肩部
破断が生じる.また逆に,dc/dpの値が小さすぎる
と側壁部における継ぎ目部に隙間が生じる.したがっ
て,例えば円筒深絞りの場合には,dc/dp=1.2
5〜1.5程度が好ましい.
【0015】なお,上記円筒深絞りの場合,ブランクの
切り取り数が多くなるほどフランジ部の絞り抵抗が減少
するので,深絞り荷重が低下して破断の危険が少なくな
るが,切り取り数が4以上になると深絞り荷重はほぼ一
定値に落ち着く.したがって,ブランクの切り取り数と
しては2〜4程度が適当である.
切り取り数が多くなるほどフランジ部の絞り抵抗が減少
するので,深絞り荷重が低下して破断の危険が少なくな
るが,切り取り数が4以上になると深絞り荷重はほぼ一
定値に落ち着く.したがって,ブランクの切り取り数と
しては2〜4程度が適当である.
【0016】角筒絞りの場合には,容器側壁部の継ぎ目
がコーナー部にくるようにしたほうが直辺部にくるよう
にした場合よりも良好な成形ができる.ブランクの切り
取り数は4,dc/dp=1.5〜2.0程度が好まし
い.
がコーナー部にくるようにしたほうが直辺部にくるよう
にした場合よりも良好な成形ができる.ブランクの切り
取り数は4,dc/dp=1.5〜2.0程度が好まし
い.
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係わる深絞り成形方法で
は,フランジ部の絞り抵抗を低減させるために,絞り変
形を受けるブランクの外周部を数箇所切り取ったいわゆ
る展開ブランクを使用する.従来の深絞り法と異なる点
は,円形や正方形ブランクの代わりに,このような展開
ブランクを用いることだけである.したがって,深絞り
装置としては,ポンチ,ダイス,しわ押さえ等を備えた
従来の装置をそのまま使用して成形を行うことができ
る.
は,フランジ部の絞り抵抗を低減させるために,絞り変
形を受けるブランクの外周部を数箇所切り取ったいわゆ
る展開ブランクを使用する.従来の深絞り法と異なる点
は,円形や正方形ブランクの代わりに,このような展開
ブランクを用いることだけである.したがって,深絞り
装置としては,ポンチ,ダイス,しわ押さえ等を備えた
従来の装置をそのまま使用して成形を行うことができ
る.
【0018】ただし,本発明に係わる深絞り成形方法で
は,フランジ部の絞り成分が小さいので,通常の深絞り
の場合よりもしわ押さえ力は小さくてよく,これに起因
して無潤滑状態での成形も可能である.また,深絞り荷
重をかなり大幅に低減させることができるので,通常の
深絞りと比較してプレス能力は小さくてよいという特徴
がある.
は,フランジ部の絞り成分が小さいので,通常の深絞り
の場合よりもしわ押さえ力は小さくてよく,これに起因
して無潤滑状態での成形も可能である.また,深絞り荷
重をかなり大幅に低減させることができるので,通常の
深絞りと比較してプレス能力は小さくてよいという特徴
がある.
【0019】実施の形態を図面を参照して説明する.
【0020】図1は,請求項1に対応する深絞り成形方
法の工程を示す説明図であって,(a)は円形ブランク
1を用いた従来の成形工程,(b)は展開ブランク2を
用いた本発明に係わる成形工程である.従来の成形工程
では,初絞りの後,所要の深さの容器を得るために多工
程の再絞り加工やしごき加工を繰り返さねばならず,そ
れぞれの工程ごとにポンチ3,ダイス4,しわ押さえ5
を必要とする.一方,本発明に係わる深絞り成形方法の
場合には,展開ブランク2を使用することによって,1
回の初絞りのみで所要の深さの容器状製品を得ることが
できる.したがって,深絞り用工具としては,1組のポ
ンチ3,ダイス4,しわ押さえ5のみでよい.
法の工程を示す説明図であって,(a)は円形ブランク
1を用いた従来の成形工程,(b)は展開ブランク2を
用いた本発明に係わる成形工程である.従来の成形工程
では,初絞りの後,所要の深さの容器を得るために多工
程の再絞り加工やしごき加工を繰り返さねばならず,そ
れぞれの工程ごとにポンチ3,ダイス4,しわ押さえ5
を必要とする.一方,本発明に係わる深絞り成形方法の
場合には,展開ブランク2を使用することによって,1
回の初絞りのみで所要の深さの容器状製品を得ることが
できる.したがって,深絞り用工具としては,1組のポ
ンチ3,ダイス4,しわ押さえ5のみでよい.
【0021】ただし,本発明に係わる深絞り成形方法の
場合には展開ブランクを使用するので,通常の絞り加工
と同様に底付きの一体成形がなされるのは容器底部から
深さ約10mm程度までであり,それより上部の容器側
壁には継ぎ目6が生じる.
場合には展開ブランクを使用するので,通常の絞り加工
と同様に底付きの一体成形がなされるのは容器底部から
深さ約10mm程度までであり,それより上部の容器側
壁には継ぎ目6が生じる.
【0022】したがって,液体や気体を入れる容器のよ
うに気密性を必要とする場合には,容器側壁部の継ぎ目
6をレーザー溶接やろう接,溶融浸漬,冷間圧接,その
他機械的方法等によって接合しなければならない.しか
し,固形物を入れる容器,あるいは防音,防塵,耐熱,
電磁波シールド,安全カバー等のようにあまり気密性を
必要としないカバーやケーシングとして使用する場合に
は,必ずしも側壁部の継ぎ目6を接合する必要はなく,
成形したままの状態で使用することもできる.
うに気密性を必要とする場合には,容器側壁部の継ぎ目
6をレーザー溶接やろう接,溶融浸漬,冷間圧接,その
他機械的方法等によって接合しなければならない.しか
し,固形物を入れる容器,あるいは防音,防塵,耐熱,
電磁波シールド,安全カバー等のようにあまり気密性を
必要としないカバーやケーシングとして使用する場合に
は,必ずしも側壁部の継ぎ目6を接合する必要はなく,
成形したままの状態で使用することもできる.
【0023】図2に示す展開ブランクの例から明らかな
ように,フランジの切り取り箇所が4以上になると,展
開ブランクの各セグメントは短冊状に近づく.このよう
な展開ブランクのセグメント数および絞り比dc/dp
が深絞りの成否に対してどのように影響するかを図4に
示す.図示の結果は,板厚1mm,外径120mmのア
ルミニウムブランクを深絞り成形した実験結果の例であ
る.展開ブランクのセグメント数が2の場合には破断が
生じるが,セグメント数を3以上にすると成形が可能に
なる.また,セグメント数が4以上になると,成形でき
るdc/dpはほぼ一定(=1.5)となる.
ように,フランジの切り取り箇所が4以上になると,展
開ブランクの各セグメントは短冊状に近づく.このよう
な展開ブランクのセグメント数および絞り比dc/dp
が深絞りの成否に対してどのように影響するかを図4に
示す.図示の結果は,板厚1mm,外径120mmのア
ルミニウムブランクを深絞り成形した実験結果の例であ
る.展開ブランクのセグメント数が2の場合には破断が
生じるが,セグメント数を3以上にすると成形が可能に
なる.また,セグメント数が4以上になると,成形でき
るdc/dpはほぼ一定(=1.5)となる.
【0024】本深絞り成形方法におけるポンチ荷重−ス
トローク線図の例を図5に示す.円形ブランクの場合,
破断せずに絞り込める限界ブランク直径は70mmであ
る.これに対して,フランジ部を4箇所切り取った展開
ブランクの場合には,ブランク直径が180mmの場合
でも,直径70mmの円形ブランクの場合よりかなり小
さい荷重で深絞りが進行し深い容器が得らる.
トローク線図の例を図5に示す.円形ブランクの場合,
破断せずに絞り込める限界ブランク直径は70mmであ
る.これに対して,フランジ部を4箇所切り取った展開
ブランクの場合には,ブランク直径が180mmの場合
でも,直径70mmの円形ブランクの場合よりかなり小
さい荷重で深絞りが進行し深い容器が得らる.
【0025】図6に,セグメント数4の場合の展開ブラ
ンク,成形途中の変形状態,および成形品の例を示す.
図示のように,継ぎ目部には隙間もなく深い容器が成形
されることがわかる.なお,ブランク直径d=180m
mの場合,フランジが残った状態になっているが,これ
は実験装置の関係でストロークが不足していたことによ
るものであり,ストロークの大きい深絞り装置を使用す
れば問題なく絞り込める.
ンク,成形途中の変形状態,および成形品の例を示す.
図示のように,継ぎ目部には隙間もなく深い容器が成形
されることがわかる.なお,ブランク直径d=180m
mの場合,フランジが残った状態になっているが,これ
は実験装置の関係でストロークが不足していたことによ
るものであり,ストロークの大きい深絞り装置を使用す
れば問題なく絞り込める.
【0026】本発明に係わる深絞り成形方法によって成
形された容器状製品の板厚ひずみ分布の例を図7に示
す.図には,比較のために,限界絞り比直下の円形ブラ
ンク(直径70mm)を絞った場合の板厚ひずみ分布も
示してある.展開ブランクから成形された容器状製品の
場合,絞り領域の直径dcが大きくなるほどポンチ肩部
近傍での板厚減少が大きくなるが,円形ブランクの場合
と比べるとひずみの局所化の程度はそれほど大きくな
く,容器の壁厚一様という点からも好都合である.
形された容器状製品の板厚ひずみ分布の例を図7に示
す.図には,比較のために,限界絞り比直下の円形ブラ
ンク(直径70mm)を絞った場合の板厚ひずみ分布も
示してある.展開ブランクから成形された容器状製品の
場合,絞り領域の直径dcが大きくなるほどポンチ肩部
近傍での板厚減少が大きくなるが,円形ブランクの場合
と比べるとひずみの局所化の程度はそれほど大きくな
く,容器の壁厚一様という点からも好都合である.
【0027】なお,上記の実施例は,円筒深絞り成形の
場合であるが,本発明に係わる深絞り成形方法は,この
実施例に限定されるものではなく,角筒や矩形容器,楕
円筒容器等,絞り変形を伴うあらゆる成形に対して,深
い容器状製品を成形する方法として適用できる.
場合であるが,本発明に係わる深絞り成形方法は,この
実施例に限定されるものではなく,角筒や矩形容器,楕
円筒容器等,絞り変形を伴うあらゆる成形に対して,深
い容器状製品を成形する方法として適用できる.
【0028】また,上記実施例は金属板(アルミニウム
板)の場合であるが,本発明に係わる深絞り成形方法
は,金属板に限定されるものではなく,プラスチック
や,紙,木材等絞り性の悪い非金属板材の成形にも利用
できる.
板)の場合であるが,本発明に係わる深絞り成形方法
は,金属板に限定されるものではなく,プラスチック
や,紙,木材等絞り性の悪い非金属板材の成形にも利用
できる.
【0029】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の請求項1
に係わる板材料の深絞り成形方法によれば,非常に深い
容器状の製品を1工程で成形することができる.このよ
うな効果は,材料のフランジ部が受ける絞り変形の程度
が,常にその材料の深絞り限界を越えないように設計・
製作された展開ブランクを使用することによって達成さ
れており,ポンチ,ダイス,しわ押さえ等の深絞り工具
や装置は従来のものをそのまま使用することができる.
したがって,本発明は,試作や多品種少量生産における
コストの低減,リードタイムの短縮等を可能にする効果
がある.また,請求項1記載の深絞り成形方法において
は,フランジ部の絞り変形がきわめて小さい.したがっ
て,請求項2に記載のように,平らなブランクの状態で
所要の形状・寸法の穴をあけ,しかる後にこのブランク
を成形することによって,側壁部に寸法精度の良好な円
や矩形等の穴を有する深い容器状製品を成形しうるとい
う効果がある.
に係わる板材料の深絞り成形方法によれば,非常に深い
容器状の製品を1工程で成形することができる.このよ
うな効果は,材料のフランジ部が受ける絞り変形の程度
が,常にその材料の深絞り限界を越えないように設計・
製作された展開ブランクを使用することによって達成さ
れており,ポンチ,ダイス,しわ押さえ等の深絞り工具
や装置は従来のものをそのまま使用することができる.
したがって,本発明は,試作や多品種少量生産における
コストの低減,リードタイムの短縮等を可能にする効果
がある.また,請求項1記載の深絞り成形方法において
は,フランジ部の絞り変形がきわめて小さい.したがっ
て,請求項2に記載のように,平らなブランクの状態で
所要の形状・寸法の穴をあけ,しかる後にこのブランク
を成形することによって,側壁部に寸法精度の良好な円
や矩形等の穴を有する深い容器状製品を成形しうるとい
う効果がある.
【図1】本発明に係わる深絞り成形方法の成形工程と,
従来の深絞りにおける成形工程の比較を示す説明図であ
って,(a)は円形ブランクを使用した従来の深絞りお
よび多工程再絞り法による成形工程,(b)は展開ブラ
ンクを使用した本発明に係わる深絞り成形方法の成形工
程である.本発明に係わる深絞り成形方法では,1工程
で深い容器を成形することができるが,容器の側壁部に
は継ぎ目が生じる.この継ぎ目を溶接等によって接合し
た状態を示す説明図である.
従来の深絞りにおける成形工程の比較を示す説明図であ
って,(a)は円形ブランクを使用した従来の深絞りお
よび多工程再絞り法による成形工程,(b)は展開ブラ
ンクを使用した本発明に係わる深絞り成形方法の成形工
程である.本発明に係わる深絞り成形方法では,1工程
で深い容器を成形することができるが,容器の側壁部に
は継ぎ目が生じる.この継ぎ目を溶接等によって接合し
た状態を示す説明図である.
【図2】展開ブランクの形状・寸法を示す説明図であ
る.
る.
【図3】従来の深絞りにおける工具配置および成形方法
を示す説明図である.
を示す説明図である.
【図4】本発明に係わる深絞り成形方法の成否に対す
る,展開ブランクのセグメント数および絞り比dc/d
pの影響を示す実験図である.
る,展開ブランクのセグメント数および絞り比dc/d
pの影響を示す実験図である.
【図5】本深絞り成形方法におけるポンチ荷重−ストロ
ーク線図の測定図である.
ーク線図の測定図である.
【図6】本発明に係わる深絞り成形方法における展開ブ
ランク,成形途中の変形状態,および成形品の写真図で
ある.
ランク,成形途中の変形状態,および成形品の写真図で
ある.
【図7】本発明に係わる深絞り方法によって成形された
容器状製品の板厚ひずみ分布の測定図である.
容器状製品の板厚ひずみ分布の測定図である.
1:ブランク 2:展開ブランク 3:ポンチ 4:ダイス 5:しわ押さえ 6:容器側壁部の継
ぎ目
ぎ目
Claims (2)
- 【請求項1】 通常の深絞り法で用いられている円形や
四角形,矩形などのブランクの代わりに,絞り変形を受
けるブランクの外周部分を複数箇所切り取った,いわゆ
る展開ブランクを使用することによって,深絞りにおけ
るフランジ部の絞り抵抗を減少させ,容器底丸み部での
破断を回避して,深い容器状の製品を1工程で成形する
深絞り成形方法. - 【請求項2】 請求項1記載の深絞り成形方法におい
て,平らなブランクの状態で所要の形状・寸法の穴をあ
け,しかる後にこのブランクを成形することによって,
側壁部に寸法精度の良好な円や矩形等の穴を有する深い
容器状製品の成形方法.
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8315376A JPH10128461A (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 展開ブランクを用いた深い容器状製品の深絞り成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8315376A JPH10128461A (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 展開ブランクを用いた深い容器状製品の深絞り成形方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10128461A true JPH10128461A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=18064670
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8315376A Pending JPH10128461A (ja) | 1996-10-21 | 1996-10-21 | 展開ブランクを用いた深い容器状製品の深絞り成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10128461A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002254116A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-10 | Honda Motor Co Ltd | 2枚重ね製品の成形用ブランク材 |
| JP2009214176A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-24 | Saijo Inx Co Ltd | 容器状成形体の製造方法 |
| CN112547936A (zh) * | 2020-12-03 | 2021-03-26 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种射频离子源法拉第屏蔽筒制造方法及模具 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0456117A (ja) * | 1990-06-22 | 1992-02-24 | Taiyo Yuden Co Ltd | 保持部付きキャップ電極およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-10-21 JP JP8315376A patent/JPH10128461A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0456117A (ja) * | 1990-06-22 | 1992-02-24 | Taiyo Yuden Co Ltd | 保持部付きキャップ電極およびその製造方法 |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002254116A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-10 | Honda Motor Co Ltd | 2枚重ね製品の成形用ブランク材 |
| JP2009214176A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-09-24 | Saijo Inx Co Ltd | 容器状成形体の製造方法 |
| CN112547936A (zh) * | 2020-12-03 | 2021-03-26 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种射频离子源法拉第屏蔽筒制造方法及模具 |
| CN112547936B (zh) * | 2020-12-03 | 2025-01-03 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种射频离子源法拉第屏蔽筒制造方法及模具 |
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