JPH10130002A - 三次元網目状金属酸化物およびその製造方法 - Google Patents

三次元網目状金属酸化物およびその製造方法

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JPH10130002A
JPH10130002A JP8284965A JP28496596A JPH10130002A JP H10130002 A JPH10130002 A JP H10130002A JP 8284965 A JP8284965 A JP 8284965A JP 28496596 A JP28496596 A JP 28496596A JP H10130002 A JPH10130002 A JP H10130002A
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metal oxide
metal
sol
pressure
dimensional mesh
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JP8284965A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hirota
一雄 広田
Toshio Suzuki
俊男 鈴木
Noriko Kamihashi
範子 神橋
Chikafumi Tanaka
爾文 田中
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比表面積が大きい一方で、圧力損失が小さ
く、反応物質を大きな空間速度で処理することができる
形態を有する金属酸化物を提供する。 【解決手段】 少なくとも1種の金属酸化物を含み、三
次元網目状に形成されてなることを特徴とする三次元網
目状金属酸化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は触媒あるいは金属触
媒の担体として有用な金属酸化物に関する。より詳しく
は、本発明は新規な形態を有する金属酸化物および該金
属酸化物を製造する方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、
チタン酸化物などの金属酸化物は触媒あるいは触媒の担
体として、広く用いられている。金属酸化物の形態とし
ては、粒状、リング状、ハニカム状、長繊維および短繊
維、長繊維を編んだ布状、短繊維を集めたマット状のも
のが知られている。
【0003】かかる形態の金属酸化物を触媒あるいは触
媒担体として用いる場合、例えば最も一般的な粒状、リ
ング状の金属酸化物を流通式固定床にて用いる場合に
は、その形状故に圧力損失が大きくなり、空間速度を高
くできず処理能力が限定されるという問題がある。ま
た、互いに接触するために金属酸化物が次第に損傷する
という問題もある。
【0004】上記問題を解決するため、金属酸化物をモ
ノリスのハニカム状に成型した触媒担体が使用されてい
る。しかしながら、かかる形態は、金属酸化物前駆体の
スラリーから押出成型によりハニカムを形成し、焼結を
行うことによって得ているため、金型が必要になり、製
造コストが嵩む。また、ハニカム構造をとると全体の体
積に占める実際に反応に用いられる触媒量の比率がかな
り小さくなり、大きな反応器が必要となるという欠点も
ある。
【0005】一方、金属酸化物繊維を織布あるいは不織
布状に成型したものを用いる場合には、金属酸化物繊維
のコストが嵩む上、繊維形態を持たせるためには使用可
能な組成が限定されるため、耐久性等の問題も生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は比表面積が大
きい一方で、圧力損失が小さく、反応物質を大きな空間
速度で処理することができる形態を有する金属酸化物お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らの鋭意研究の
結果、多孔質の金属酸化物を三次元網目状に成型すれ
ば、上記課題を解決し得ることを見いだし、本発明を完
成した。
【0008】すなわち本発明は、少なくとも1種の金属
酸化物を含み、三次元網目状に形成されてなる三次元網
目状金属酸化物を要旨とするものである。
【0009】本発明の三次元網目状金属酸化物は、好ま
しくは1A〜4B属の金属、具体的にはシリコン、アル
ミニウム、チタニウム、ジルコニウム、バナジウム、
銅、鉄、クロム、コバルト、スズ、亜鉛、ニオブ、タン
グステンからなる群から選択される少なくとも1種の金
属酸化物からなる。金属酸化物における金属と酸素の比
率は特に限定されず、金属酸化物として存在し得る比率
であればよいが、両者を化学量論比とすることが好まし
い。また、金属酸化物を混合して用いる場合、その混合
比についても特に限定されることはない。
【0010】本発明の三次元網目状金属酸化物を構成す
る金属酸化物は窒素吸着法により測定したBET比表面
積が、10m2/gから500m2/g、より好ましくは
30m2/gから250m2/gである多孔質体であるこ
とが好ましい。
【0011】本発明の三次元網目状金属酸化物は、柱が
直径1〜100μm、好ましくは10〜50μm、柱の
長さ、即ち各柱の接点から接点の間の距離が直径の10
〜100倍であるものが好適に用いられる。
【0012】本発明の三次元網目状金属酸化物は、全体
の容積に占める、金属酸化物を除いた部分の比率(空隙
率)が10%〜98%、特に50〜90%であることが
好ましい。
【0013】本発明の三次元網目状金属酸化物は単独で
触媒として用いることもできるが、他の金属を担持させ
てもよい。本発明の三次元網目状金属酸化物に担持させ
る金属としては、化学反応において触媒として用いられ
るものであれば特に制限されない。通常触媒として用い
られる遷移金属、特に周規律表第8族の金属が好まし
い。特に好ましくは、白金、鉛、ロジウム、ニッケルが
挙げられる。金属は目的に応じて単独で担持させても2
種類以上を担持させてもよく、2種類以上を担持させる
場合、各金属の比率は特に限定されない。担持させる金
属の合計量は、金属酸化物に対して0.1重量部から1
0重量部、好ましくは0.5重量部から5重量部であ
る。
【0014】本発明の金属酸化物は、特に触媒あるいは
触媒の担体として好適に用いられる。即ち、本発明の三
次元網目状金属酸化物は、比表面積が大きい一方で圧力
損失が小さいため、反応物質を大きな空間速度で処理す
ることができる。
【0015】本発明はさらに、上記三次元網目状金属酸
化物を容易に製造する方法も提供する。すなわち本発明
は、金属酸化物前駆体を含むゾル状物を作成し、このゾ
ル状物を高圧下の容器内に入れ、これを自生圧下又は加
圧下で圧力降下室を有する孔を通して大気中に出し、そ
の直後に溶媒を気化させると共に三次元網目状に形成さ
せ、さらに乾燥および焼成することを含む、三次元網目
状金属酸化物の製造方法を提供する。
【0016】一般に触媒あるいは触媒の担体としてよく
用いられている金属酸化物としては、アルミナ、シリケ
ート、チタニアなどが知られている。金属酸化物製造の
一般的な方法としては例えば、「金属酸化物と複合酸化
物 調製・物性・構造・触媒作用・無機材質との関連」
田部浩三編、講談社発行などに記載されている通り、乾
式法、湿式法などが知られているが、本発明においては
湿式法に基づいて金属酸化物を製造する。
【0017】本発明の方法において用いる金属を含むゾ
ルは、ゾル状物質を形成し得、その後の焼成により酸化
物に転換する金属化合物と溶媒により構成されているも
のであって、例えば金属アルコキシド、(M(OR)n
(Mは金属、ORはアルコキシル基、nは金属の酸化
数)などの金属有機化合物、MXnOHm・H2O(Mは
金属、Xはハロゲン、m+nは金属の酸化数)などの金
属塩などを加水分解させることにより調製したものが挙
げられる。
【0018】金属アルコキシドからゾル状物を調製する
場合、金属アルコキシドへ水を添加して混合すればアル
コキシドは水と反応して加水分解し、OR基がOH基に
変わり、重合してゾル状物となる。
【0019】金属アルコキシドとしては、金属とRを適
宜選択することにより非常に多くの種類のものを用いる
ことができる。Rとしては、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−
ブチル等の低級アルキル基が特に好ましい。また二種以
上の金属を含む、複合金属アルコキシドを用いてもよ
い。
【0020】塩基性金属塩からゾルを得るには、塩基性
金属塩を水あるいは有機溶剤へ溶解し、ここへ有機多価
酸を添加すればよい。ここで用いられる有機多価酸とは
2以上のカルボキシル基を有する有機化合物をいうが、
一般には重合していないものが好ましい。シュウ酸、マ
ロン酸、こはく酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの
飽和脂肪族カルボン酸、マレイン酸、フマル酸などの不
飽和脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸な
どの芳香族カルボン酸などが挙げられ、特に1分子につ
きカルボキシル基を2〜3、水酸基を1〜2個有する、
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸が好ましい。有機多価酸は
単独で使用しても二種類以上を使用してもよい。
【0021】ゾルを形成する際に用いる溶媒としては、
水、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ニトリ
ル、アミド、二酸化硫黄、二酸化炭素、ニトロメタン、
ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、またはこれらの
異性体や同族体等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサンな
どの脂環族炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、クロ
ロホルム、1,1−ジクロルー2、2フルオロエタン,
1、2−ジクロル−1,1−ジフルオロエタン、塩化メ
チレン、フルオロカーボン等のハロゲン化炭化水素が例
示されるが、これらに限定されない。
【0022】金属酸化物を上記溶媒へ溶解させ、濃縮し
てゾルを生成する。所望の性質を得るため、ゾル溶液は
高温高圧下でさらに濃縮する。適当な粘度のゾルを得る
ための条件は、金属、溶媒の種類により相違するが、濃
縮は溶媒の沸点付近の温度で行うのが好ましい。圧力に
関しては通常液体を濃縮してゾル状物を得る際の圧力で
あれば特に限定はない。
【0023】金属酸化物前駆体ゾル生成にあたっては、
界面活性剤、顔料、安定剤など本発明の効果を損なわな
い範囲内で添加してもよい。
【0024】本発明に用いるゾル状金属酸化物前駆体
は、粘度が10〜100万センチポイズ、好ましくは1
00〜3万センチポイズとする。ゾルの粘度が高すぎる
と、圧力によりノズルから放出させることが困難となる
一方、粘度が低いということは即ち金属酸化物前駆体濃
度が低いこととなり、生産性が下がる。また、形成され
る三次元構造体の構造、強度などにも影響を及ぼす。
【0025】例えばアルミナゾルを調製する場合は、塩
基性アルミニウム塩水溶液を撹拌しながら、有機多価酸
を少量ずつ添加して混合した後、濃縮してゾルを得るか
または、アルミニウムアルコキシド、アルカノールアミ
ン化合物、マグネシウム化合物を有機溶媒と混合し、加
水分解した後、濃縮してゾルを得ればよい。
【0026】塩基性アルミニウム塩としては、式(Al
2(OH)nCl6-n)m(3≦n≦5、m≦10)で表される塩
基性塩化アルミニウムおよび式(Al2(OH)n(Lac)6-n)m
(3≦n≦5、m≦10)で表される塩基性乳酸アルミ
ニウムなどが挙げられる。塩基性アルミニウム塩を用い
てゾルを調製する場合は、有機多価酸を含むゾルを調製
する。このようなゾルは、例えば、塩基性アルミニウム
塩水溶液を撹拌しながら、有機多価酸を少量ずつ添加し
て混合した後、濃縮することによって得ることができ
る。
【0027】この時の塩基性アルミニウム塩の濃度とし
ては、80重量%以下が好ましく、特に50〜70重量
%が好ましい。また、有機多価酸の量としては、水溶液
中のアルミニウム量に対して0.1重量%以上であれば
十分効果が認められ、特に1〜5重量%が好ましい。
【0028】塩基性アルミニウム塩水溶液に有機多価酸
を添加する際には、有機多価酸が膨潤することを考慮し
て塩基性アルミニウム塩水溶液を撹拌しながら少量ずつ
添加することが好ましい。また、混合する際の温度とし
ては特に限定されるものではなく、例えばクエン酸であ
れば常温(約10〜40℃)で十分均一な溶液とするこ
とが可能である。
【0029】また、濃縮するときの圧力としては特に制
限されるものではなく、常圧で行えばよく、濃縮すると
きの温度としては80℃以下であることが好ましく、特
に40〜60℃で行うのが好ましい。この時の温度が8
0℃以上であると、溶液表面から急激にゲル化が進行
し、固形分が析出するなど、安定にゾルを得られにくく
なるために好ましくない。また、濃縮温度が低いとゲル
化の進行が遅くなるため、作業性を考慮すると好ましく
ない。このようにして、1〜100ポイズ程度、好まし
くは1〜20ポイズの粘度になるまでゾルを濃縮すれば
よい。
【0030】また、アルミニウムアルコキシドを用いて
ゾルを調製する場合、アルカノールアミンは安定な加水
分解を進行させ、アルミニウムアルコキシドを有機溶媒
または混合有機溶媒に効果的に混合させるために添加さ
れる。アルカノールアミンとしては、モノメタノールア
ミン、モノエタノールアミン、モノ−n−プロパノール
アミン、モノ−iso−プロパノールアミン、トリメタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリ−n−プロ
パノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミンな
どが挙げられる。その添加量は、アルミニウムアルコキ
シド1モルに対して活性水素が0.5〜2.5モルの範囲
が好ましく、特に0.8〜2.0モルが好ましい。アルカ
ノールアミンの量が0.5モル未満の場合には加水分解
速度が速くなり、沈殿物が析出する等により好ましいゾ
ルを得ることができない。2モルを越える場合には、適
当な粘性を有するゾルが得られず、形態を保持するのが
困難である。
【0031】この場合マグネシウム化合物はゾルの安定
性を高めるために添加される。混合有機溶媒を用いる場
合には、マグネシウム化合物の添加は不要である。マグ
ネシウム化合物としては、硝酸マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウ
ム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸三マグネシウ
ム、フッ化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化マグ
ネシウム、ヨウ化マグネシウム、水酸化マグネシウム、
ホスフィン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムなどの
無機マグネシウム化合物や、酢酸マグネシウム、クエン
酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、シュウ酸マグネシウムなどの有機マグネシウ
ム化合物があげられる。マグネシウム化合物を添加する
場合は、焼成時における酸化マグネシウム/アルミナの
重量比率で0.1〜10%となるように添加することが
好ましく、特に0.5〜5%となるように添加すること
が好ましい。
【0032】有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタ
ノール、sec−ブタノール及びこれらの混合有機溶媒
に代表されるアルコール類が特に好適に用いられる。有
機溶媒または混合有機溶媒の使用量としては、アルミニ
ウムアルコキシド1モルに対して5〜30モルが好まし
く、特に8〜25モルが好ましい。混合有機溶媒として
は、上記の有機溶媒を2種以上混合するが、混合有機溶
媒中で含有量が最も多い有機溶媒(主溶媒)に対して他
の有機溶媒としては、主溶媒より沸点の高い溶媒を用い
ることが好ましい。例えば主溶媒としてiso−プロパ
ノール(沸点82℃)を用いた場合には他の有機溶媒と
してsec−ブタノール(沸点99℃)を用いる。その
混合比(モル比)としては0.1〜0.8が好ましく、特
に0.2〜0.5が好ましい。
【0033】ゾルを得るため、上記混合物を加熱して濃
縮する。加熱は単一の有機溶媒の場合には、その沸点付
近の温度で、混合有機溶媒の場合にはその主溶媒の沸点
付近の温度で行うことが好ましい。この時、単一の有機
溶媒では濃縮よって溶液の粘度が上昇し、紡糸可能な粘
度の領域でゲル化の進行が速くなる傾向があるが、混合
有機溶媒では沸点が高い他の有機溶媒の存在によってゲ
ル化の進行が抑えられ、安定したゾルを得ることができ
る。
【0034】得られたアルミニウムアルコキシド含有溶
液を加水分解させてゾルを得る。加水分解は、例えば水
を加えてアルミニウムアルコキシドの加水分解を行えば
よい。この時の水の添加量としては、アルミニウムアル
コキシド1モルに対して0.5〜2モルの範囲で添加す
ることが好ましく、特に0.8〜1.5モルの範囲で添加
することが好ましい。0.5モルより少ない場合には、
三次元網目状構造体前駆体の形態を保持しにくくなるた
めに好ましくない。また、2モルより多い場合には、加
水分解速度が速まるため、粉末状の沈殿物が析出しやす
くなり、さらに得られたゾルのゲル化が速くなり、作業
可能な時間が短くなるので、操業性を考慮すると好まし
くない。
【0035】上記の他にも、例えばよく用いられる金属
酸化物多孔質である多孔質シリケートの場合にはNa2
O・xSiO2y2O(x=1〜4)の一般式を有する
水ガラスを硫酸および塩酸で中和し、ポリケイ酸の組成
を有するシリカゾルを経てヒドロゲルを得ればよい。ま
た、その他の公知のいずれの方法を用いて金属酸化物前
駆体のゲル状物を得てもよい。
【0036】上述のごとく得られた金属酸化物前駆体の
ゾルは高温高圧下条件下から、圧力降下室を有する孔を
通して噴出させる。圧力降下室を通すことによって急激
に圧力を下げ、相分離を生じさせる。その後大気中へ吹
き出し、金属酸化物前駆体は繊維状となって放出され
る。繊維状の金属酸化物を適当な距離をおいて設置した
板上へ堆積させて、三次元構造体を得る。金属酸化物前
駆体を高温高圧条件とするには、適当な粘度に濃縮した
ゾルを圧力容器に投入した後にこれを、高温高圧として
もよいし、ゾルを適当な粘度まで連続的に耐圧容器中で
加熱濃縮してもよい。
【0037】放出は、自生圧下または加圧下で、圧力降
下室を通して一旦、2層の状態とした後に、大気中へ放
出して行う。放出時の圧力を調節することによって、形
成される三次元網目構造を変化させることが可能であ
る。圧力降下室の容積としては、1〜100ccが好ま
しく、特に2〜50ccとするのが好ましい。噴出する
際のノズルの口径(D)としては、0.1〜2.0mm
φが好ましく、特に0.3〜1.0mmφが好ましい。こ
のとき、孔の長さ(L)と口径の比率(L/D)は、1
〜6が好ましく、特に1〜3となるようにするのがよ
い。放出時の圧力を高くすれば繊維状の金属が爆発的に
広がることから、網目構造が粗くなる。逆に、圧力が低
いと構造は密となる。しかしながら、製造上に望まれる
圧力としては、最低でも40kg/cm2、好ましくは
40〜150kg/cm2、より好ましくは80〜12
0kg/cm2である。
【0038】一旦ゾルが放出されると、溶媒が気化し、
金属酸化物前駆体は繊維状となる。放出された繊維状の
金属酸化物前駆体を、衝突板により幅方向に拡げ、移動
可能な金網状のシート上に堆積させる。堆積の際にシー
トを移動させ、堆積される繊維が所望の網目状となるよ
うにする。厚みとしては、使用用途によって設定すれば
よいが、取り扱いの容易さの点からは厚みを1mm以上
とするのが好ましい。
【0039】得られた金属酸化物前駆体の三次元網目状
構造物を焼成して金属酸化物を生成させる。上述の通
り、通常放出時には溶媒が気化するため、乾燥工程は必
要に応じて行えばよい。加熱、乾燥、焼成は従来公知で
ある任意の方法にて行えばよく、具体的に例えば空気中
または窒素やアルゴンなどの不活性ガス中で加熱して含
有している溶媒その他の有機物を炭化させ、更に酸素の
存在下、好ましくは空気中にて加熱させて炭化した有機
成分を燃焼させ、除去するとともに金属酸化物前駆体を
金属酸化物へ変換させればよい。得られた金属酸化物を
さらに真空中、または水素雰囲気下で焼成してもよい。
【0040】焼成温度により、比表面積、細孔構造など
を制御できる。好ましい焼成温度は金属酸化物の種類に
よって異なるが、例えばアルミナ場合には500〜11
00℃、より好ましくは700〜900℃とする。焼成
温度が1100℃より高いとα相のアルミナが析出し、
比表面積が低下する。一方、焼成温度が500℃より低
い場合には有機成分が残留炭素として三次元網目状金属
酸化物内に残存するため好ましくない。焼成時間は有機
成分の除去が十分に行われ、アルミナが形成される時間
であれば特に限定されず、通常は1〜5時間である。
【0041】得られた金属酸化物へ触媒となる金属を本
発明の金属酸化物へ担持させるには、金属酸化物前駆体
のゾル状物へ担持させる金属を含む塩を混合しても、得
られた三次元網目状構造物へ含浸法、沈殿法、イオン交
換法のいずれにより担持させてもよい。
【0042】金属酸化物前駆体のゾル状物へ混合する場
合には、担持させるべき金属の塩をゾル状物に混合して
上述の処理を行えばよい。
【0043】得られた金属酸化物多孔質上に金属を担持
させる一般的な方法としては大別して、含浸法、沈殿
法、イオン交換法が知られている。いずれの方法で担持
してもよいが、含浸法が最も好適である。含浸法は、成
形した金属酸化物多孔質担体を担持させる金属成分を含
む溶液に漬け、乾燥、焼成および還元等の活性化処理を
することにより、触媒活性成分を細孔内壁に固定化させ
る方法で、蒸発乾固法、吸着法、乾燥含浸法、スプレー
法が知られている。蒸発乾固法は担体を金属成分を含む
溶液に漬けた後、撹拌しながら溶媒を蒸発させて溶質を
担体に付着させる方法である。吸着法は担体を金属成分
を含む溶液に漬けた後、溶液を濾別する。担持量は溶液
濃度と細孔容積で決まる。これには、担体の飽和吸着量
以下の量を吸着させる場合、担体の飽和吸着量以上の金
属成分を含む溶液に長時間担体を浸し、平衡まで吸着さ
せる場合と、担体の細孔容積と等容積の金属成分を含む
溶液を加えて全部吸い取らせる場合がある。乾燥含浸法
は担体を排気し細孔内の気体を除去後、細孔容積分の溶
液をビュレットなどで少しづつ加える。担体表面が均一
に濡れた状態でしかも過剰な溶液が存在しない状態まで
滴下を続ける。スプレー法はエバポレーターなどの中で
担体を乾燥状態に保ち、金属成分を含む溶液を噴霧する
方法である。
【0044】また、その他の沈殿法;一般的に、金属成
分を含む溶液と沈殿剤溶液を接触させて、水酸化物、炭
酸塩などの沈殿を生成させ、濾過、水洗、乾燥、成形お
よび焼成を行うことで金属成分を担持する方法であり、
担持させる触媒となる金属を金属酸化物前駆体ゾルと混
合し、これを三次元網目状に成型した後焼成する;およ
びイオン交換法;金属酸化物担体中の金属カチオンを担
持したい金属カチオンとをイオン交換反応によって担持
する方法を用いてもよい。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定される
ものではない。
【0046】実施例1 アルミニウムイソプロポキシド10モル、イソプロパノ
ール150モルおよび水10モルを60℃で1時間混合
した。次に80℃に温度を上げ、6時間加熱濃縮するこ
とでゾル状物を作成した。このゾル状物に対して30重
量%の炭酸ガスを圧力増加剤として注入した。温度が3
0℃、圧力が100kg/cm2になった時点で、オリ
フィス径0.75φのノズルよりゾル状物を吐出した。
このノズルより50mm離れた位置においてあるステン
レス板に厚みが25mmとなるよう、堆積させた。次に
相対湿度80%RH、温度80℃で6時間前処理した。
この前処理の後、温度900℃で2時間焼成し、三次元
網目状金属酸化物を得た。
【0047】得られた三次元網目状金属酸化物の空隙率
は87%であった。電子顕微鏡で観察したところ、図1
の模写図に示すような三次元網目状金属酸化物であっ
た。柱部分の平均直径は5μm、柱の長さの平均は0.
5mmであった。
【0048】このサンプル50gを塩化パラジウムの水
溶液に2時間浸し、含浸法によりパラジウムを担持し
た。この時パラジウムの担持量は0.5wt%であっ
た。得られたパラジウム担持三次元網目状金属酸化物を
メタン酸化反応の触媒として使用した。このサンプル5
0gを触媒槽に投入し、反応ガスとしてメタン/空気の
1体積%を流量を変えて流した。反応温度は350℃で
ある。この時の空間速度とメタンの二酸化炭素への転化
率の関係を図2に示す。図2より、大きな空間速度まで
高い転化率を維持していることが分かる。
【0049】
【実施例2】塩基性塩化アルミニウム塩(Al 12w
t% Al2(OH)5Cl・nH2O)を300gを室
温で撹拌しながら塩化パラジウム0.6g加え、60℃
で撹拌溶解し、引き続き60℃で濃縮しゾル状物を作成
した。このゾル状物に対して30重量%の炭酸ガスを圧
力増加剤として加えた。その後、温度を35℃、圧力が
100kg/cm2になった時点で、オリフィス径0.7
5φのノズルよりゾル状物を吐出した。このノズルより
50mm離れた位置においてある板に厚みが25mmに
なるように堆積させた。このものを温度120℃で24
時間乾燥した。この前処理の後、温度700℃で2時間
焼成し、三次元網目状金属酸化物を得た。この三次元網
目状金属酸化物の空隙率は87%であった。電子顕微鏡
で観察したところ、図1と同様な構造が確認され、柱に
相当する部分の平均の直径は6μmであった。
【0050】得られた三次元網目状構造体をメタン酸化
反応の触媒として使用した。このサンプル50gを触媒
槽にいれ、反応ガスとしてメタン/空気の1体積%を流
量を変え流した。反応温度は350℃である。この時の
空間速度とメタンの二酸化炭素への転化率の関係を図3
に示す。大きな空間速度まで高い転化率を維持している
ことが分かる。
【0051】
【比較例1】市販の高比表面積アルミナハニカム(50
g:25mm×25mm、長さ50mm、空間率50%
岩尾磁器工業(株))に実施例と同様な含浸法により
パラジウムを0.5wt%になるように担持した。これ
を実施例と同様な反応を行い、メタンの二酸化炭素への
転化率を評価した。その結果を図3に示す。実施例1、
2と比較して、大きな空間速度では、転化率が落ちてい
る。
【0052】
【発明の効果】本発明により、低い圧力損失で大きな空
間速度で反応させる物質を処理することが可能で、大き
な比表面積を有し、さらには高い活性を大きな反応ガス
処理速度まで有することが可能になる。また、本発明の
方法によれば、かかる三次元網目状金属酸化物を非常に
簡便に作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で作成した試料の電子顕微鏡観察の
模写図である。
【図2】 実施例1で作成した試料とメタンを1体積%
含む反応ガスの空間速度(SV)とメタンから二酸化炭
素への転化率を示した図である。
【図3】 実施例2で作成した試料とメタンを1体積%
含む反応ガスの空間速度(SV)とメタンから二酸化炭
素への転化率を示した図である。
【図4】 比較例1で作成した試料とメタンを1体積%
含む反応ガスの空間速度(SV)とメタンから二酸化炭
素への転化率を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 爾文 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の金属酸化物を含み、三
    次元網目状に形成されてなることを特徴とする三次元網
    目状金属酸化物。
  2. 【請求項2】 柱の直径が1μmから100μmであ
    り、柱の長さが該直径の1倍から1000倍であり、全
    体の空隙率が10%から98%であることを特徴とす
    る、請求項1記載の金属酸化物。
  3. 【請求項3】 金属酸化物が比表面積10m2/gから
    500m2/gの多孔質体である請求項1または2記載
    の金属酸化物。
  4. 【請求項4】 触媒活性を示す少なくとも1種類の金属
    が担持されてなる、請求項1〜3いずれかに記載の金属
    酸化物。
  5. 【請求項5】 金属酸化物材料の原料である金属を含む
    ゾル状物を作成し、このゾル状物を高圧下の容器内に入
    れ、これを自生圧下又は加圧下で圧力降下室を有する孔
    を通して大気中に出し、その直後に溶媒を気化させると
    共に三次元網目状に金属酸化物を形成させ、さらに乾燥
    および焼成することを含む、請求項1〜4いずれかに記
    載の金属酸化物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6314736B1 (en) 1999-12-21 2001-11-13 Daimlerchrysler Ag Exhaust gas turbine of a turbocharger for an internal combustion engine
JP2007522066A (ja) * 2004-01-26 2007-08-09 エイビービー ラマス グローバル インコーポレイテッド メソ細孔性またはメソ細孔性およびミクロ細孔性の組み合わせの無機酸化物を製造する方法
JP2017214564A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 延世大学校 産学協力団Industry−Academic Cooperation Foundation,Yonsei University 多孔性構造体及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007522066A (ja) * 2004-01-26 2007-08-09 エイビービー ラマス グローバル インコーポレイテッド メソ細孔性またはメソ細孔性およびミクロ細孔性の組み合わせの無機酸化物を製造する方法
JP2017214564A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 延世大学校 産学協力団Industry−Academic Cooperation Foundation,Yonsei University 多孔性構造体及びその製造方法

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