JPH10130801A - 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法

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JPH10130801A
JPH10130801A JP8283596A JP28359696A JPH10130801A JP H10130801 A JPH10130801 A JP H10130801A JP 8283596 A JP8283596 A JP 8283596A JP 28359696 A JP28359696 A JP 28359696A JP H10130801 A JPH10130801 A JP H10130801A
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hot
plating
dip
steel sheet
furnace
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JP8283596A
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Atsuhisa Yagawa
敦久 矢川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融めっき鋼板に求められる耐食性、加工性、
皮膜密着性、塗装性等を損なうことなく、また、めっき
操業でのライン速度を低下させることなく、めっきの光
沢むら、光沢度低下及び合金化反応むらの発生を防止す
ることができ、また、熱延鋼板表面に薄いスケールが存
在した状態でめっきしても優れた表面品質が得られるめ
っき方法を提供する。 【解決手段】鋼帯を溶融めっき連続炉内を通過させた
後、溶融めっき浴でめっきするに際し、溶融めっき連続
炉の冷却帯以降の過程で、350〜650℃の温度範囲
内にある鋼帯に、曲げ半径300mm以下、伸び率0〜
2%の範囲で曲げ、曲げ戻し加工を施した後、溶融めっ
きすることを特徴とする溶融めっき鋼板の製造方法、お
よびこの製造方法において、溶融めっき連続炉に入る前
の鋼帯が、表面のスケール厚さが3μm以下である熱延
鋼帯であることを特徴とする表面品質に優れた溶融めっ
き鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材等の用途に広く用いられている溶融めっき鋼板、さら
にはめっき後の熱処理により鋼板とめっき皮膜とを相互
拡散させた合金化溶融めっき鋼板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鋼に添加された元素は、必ずしも鋼中で
均一に存在しているとは限らず、熱間圧延までの高温工
程やめっき前の焼鈍工程において不均一な分布となるこ
とがある。
【0003】特にSi、P、Mn等が添加されている場
合は、溶融めっきの反応性に著しく影響を及ぼし、これ
ら成分の表面濃化層の存在によりめっき濡れ性やめっき
密着性に課題が生じる。また、めっき浴中およびめっき
直後に進行する鋼板/めっき金属界面での初期合金化反
応は、めっき被膜の光沢等の表面性状に影響する。した
がって、添加元素の不均一分布によりる初期合金化むら
は、めっき表面性状むらにつながなり表面品質の低下を
招く。さらに、この初期合金化むらは、めっき後の熱処
理時の合金化反応の遅延や不均一合金化の問題をも有し
ている。
【0004】これらの問題点を解決するために、プレめ
っきを施す方法や連続炉入側で鋼板表層を研削する方法
等が提案されている。特公昭61−9386号公報に
は、プレめっきする方法として0.01〜1μm厚のN
iやCoめっきを、特開昭57−79160号公報には
0.5g/m2 以上のFeめっきを施すことにより、め
っき濡れ性を改善し、合金化反応を均一化する方法が開
示されている。しかし、これらの方法は、工程が増える
ことからコスト面で問題がある。
【0005】また、特開平3−61352号公報には、
Si添加熱延鋼板を対象に、焼鈍前の鋼板表層を1〜2
g/m2 程度研削することにより、表層の酸化層、成分
濃化層を研削除去し、めっき外観及びめっき皮膜の密着
性を改善する方法が開示されている。これらの方法によ
り、相対的には改善効果が認められるが、絶対的にはま
だまだ不十分である。例えば、Siが積極的に添加され
ていない普通鋼熱延鋼板や冷延鋼板のめっき品質と比べ
ると需要家の要望には耐えられない。
【0006】特公昭63−58225号公報には、鋼帯
が軟化焼鈍後の炉内あるいはめっき浴中にある段階で、
研磨、研削等の機械加工で鋼帯表面層を除去して新生面
を付与することにより、合金化速度を促進させる方法が
示されている。しかし、この技術は合金化溶融亜鉛めっ
きに限られた技術であること、また表面外観、表面形態
を均一美麗化することには問題を有している。さらに、
炉内で研磨、研削されて発生した鉄粉末は鋼板への押し
込み疵の原因となりやすく、また浴中で研磨、研削され
た場合は浴中のドロスの増加につながり、めっき品質を
低下させることが懸念される。
【0007】ところで、溶融めっき用鋼板として冷延鋼
板が多用されているが、めっき鋼板の用途によっては熱
延鋼板も用いられる。熱延鋼板にめっきを施す場合は、
熱延工程で生成したスケールを予め除去しておかなけれ
ばならない。従って、熱延鋼板のめっきの効率化及び低
コスト化を図るためには、熱延鋼板の酸洗工程の高速
化、更には酸洗工程の省略が課題の一つとなる。そのた
めには、熱延仕上がりの表面スケールを薄くする技術が
必要であり、いくつかの技術が提案され、一部実用化さ
れている。しかしながら、熱延仕上がり状態で、完全に
スケールのない鋼板は得られないので、いずれの従来方
法においても熱延後酸洗によるスケール除去が必要とな
る。
【0008】特開平8−49054号公報では、スケー
ル付きの熱延鋼帯を還元焼鈍した後に、めっき浴内入側
で表面に凹凸を有するロールで鋼板面を研磨して除去す
る方法が提案されている。この技術により、平滑なめっ
き皮膜の形成は可能となるが、この研磨により還元鉄が
完全にかつ確実に除去できるかどうかという点に不安定
因子があり、また、浴内のドロス増加、ひいてはドロス
巻き込み欠陥の増加という問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したようにSi、
P、Mn等を添加した鋼板のめっきでは、熱延工程まで
の加熱時やめっき連続炉内での酸化・還元反応等で不均
一に存在する可能性が高くなる。また、スケール不均一
生成の影響で、めっき浴侵入前には還元鉄層の不均一分
布も存在する。これらはいずれもめっき浴中での鋼板/
めっき金属界面の合金化、拡散反応の不均一化につなが
り、めっき表面品質の不均一となる。
【0010】また、めっき連続炉内では、鋼板表面に擦
り疵や押し込み疵等の表面凹凸欠陥が発生した場合、そ
の形状及び表面歪の影響で、疵部に対応するめっき部で
局部的な光沢むらが発生しやすい。更に、めっき後の熱
処理による合金化反応の不均一が発生し、合金化後の色
調及び表面形状の不均一につながる。
【0011】上記したように、熱延鋼板にめっきを行う
場合、熱延後鋼板表面に生成したスケールを酸洗等によ
り除去してからめっきを施すが、スケール除去後の鋼板
表面は冷延鋼板に比べかなり凹凸になっている(以下、
鋼板表面の凹凸の程度を粗度という)。粗度の大きい鋼
板は、めっき後の表面の粗度度も低下し、また合金化反
応むらが発生する。合金化反応むらが発生するとめっき
の色調にむらが生じる。
【0012】この発明は、溶融めっき鋼板に求められる
耐食性、加工性、皮膜密着性、塗装性等を損なうことな
く、また、めっき操業でのライン速度を低下させること
なく上記したようなめっきの光沢むら、光沢度低下及び
合金化反応むらの発生を防止することができ、また、熱
延鋼板表面に薄いスケールが存在した状態でめっきして
も優れた表面品質が得られるめっき方法を提供すること
を課題とする。
【0013】なお、この発明では、光沢むら、光沢度低
下及び合金化処理時の合金化反応むら(色調むら)がな
い外観のよいめっき鋼板を総称して表面品質に優れため
っき鋼板という。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶融めっ
き鋼板に求められる耐食性、加工性、皮膜密着性、塗装
性等を損なうことなく、まためっき操業でのライン速度
を低下させることなくめっき鋼板の表面品質を改善する
方法について鋭意実験検討を行った結果、次のような知
見を得るに到った。
【0015】1) 溶融めっき鋼板及び合金化溶融めっ
き鋼板の表面品質を均一化、良好化するためには、S
i、Mn、P等の鋼中添加元素の不均一濃化、鋼板表面
層の酸化、還元反応速度、反応量の分布の不均一さが溶
融めっきに及ぼす影響を、少なくとも溶融めっき直前に
は除去しておかなければならない。
【0016】2)そのために、溶融めっき連続炉内の冷
却帯以降の比較的温度が低くなった鋼帯に、曲げ半径3
00mm以下で曲げ、曲げ戻し加工を施すことにより鋼
帯表面に歪を付与するのが好ましく、その歪を維持した
ままの鋼帯をめっき浴中に侵入させるのがよい。
【0017】3)熱延鋼帯に溶融めっきする場合、鋼帯
表面に3μm 以下の薄いスケールが存在した状態であ
っても、連続炉内の冷却帯以降の比較的温度が低くなっ
た鋼帯に曲げ、曲げ戻し加工を与えることにより鋼帯表
面に歪を付与し、その歪を維持したままめっきすれば、
めっきの表面品質は低下しない。
【0018】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その要旨は、「鋼帯を溶融めっき連続炉内を通
過させた後、溶融めっき浴でめっきするに際し、溶融め
っき連続炉の冷却帯以降の過程で、350〜650℃の
温度範囲内にある鋼帯に、曲げ半径300mm以下、伸
び率0〜2%の範囲で曲げ、曲げ戻し加工を施した後、
溶融めっきすることを特徴とする溶融めっき鋼板の製造
方法、およびこの製造方法において、溶融めっき連続炉
に入る前の鋼帯が、表面のスケール厚さが3μm以下で
ある熱延鋼帯であることを特徴とする表面品質に優れた
溶融めっき鋼板の製造方法」にある。
【0019】ここで、上記溶融めっき鋼板とは、溶融め
っきした後単に冷却して製品とする溶融めっき鋼板と、
溶融めっき直後に熱処理を施し、鋼板とめっき皮膜間で
相互拡散させた合金化溶融めっき鋼板の両者を示すもの
とする。
【0020】また、曲げ加工前の鋼板の長さをL、曲げ
加工後の鋼板の長さをlとすると、伸び率は下記式によ
り求めるものとする。
【0021】(l−L)/L×100(%) めっき鋼板の表面品質は、前記したように母材鋼板の表
面性状により左右されるが、鋼板がめっき浴に入る直前
に鋼板に曲げ半径300mm以下で曲げ、曲げ戻し加工
(以下、単に曲げ加工と記す)を加え、鋼板表面に残留
歪を付与することにより、母材鋼板の表面性状の悪影響
を抑制、除去することができる。
【0022】この理由は明かではないが、鋼帯表面に均
一な残留歪を付与することで、その歪により、鋼板とめ
っき界面での拡散反応が均一化し、従来有していた鋼板
表層の不均一な形態、特性による影響を相対的に小さく
できるためと考えられる。
【0023】また、熱延鋼板を母材とする場合に、表層
スケールが3μm以下の厚みであれば、その鋼板表面に
残留歪を与えた状態でめっきをすると良好な表面品質が
得られる。その詳細な理由については不明であるが、還
元帯を通過した後の鋼板を曲げ加工を与えることによ
り、表層のスケール還元体(Fe主成分)が加工され、
空隙(もともとスケール内に存在する空隙とスケールが
還元され変態する際に生成する空隙)が小さくなるため
と推察される。また、この曲げ加工により付与した表面
歪により、めっき反応性や合金化反応性がマクロ的に均
一なものとなり、めっき皮膜外観も良好なものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の方法を実施する
のに用いるゼンジミア方式(または無酸化炉方式)の縦
型めっきラインの側面図で、図2は、同方式の横型めっ
きラインの側面図である。
【0025】鋼板をめっきライン内で焼鈍するゼンジミ
ア方式(または無酸化炉方式)では、図1あるいは図2
に示すように、ペイオフリール2から供給された鋼帯1
は、酸化炉(または無酸化炉)3を経て、加熱帯および
均熱帯等の再結晶還元帯4に入り、次いで冷却帯5、低
温保持帯6、スナウト7を通ってめっき浴8に入り、ガ
スワイピング等のめっき付着量制御装置9を通過後、冷
却装置10又は合金化処理炉10を通過する。このめっ
き付着量制御装置を通過後冷却装置10で冷却すると、
いわゆる溶融めっき鋼板となり、めっき後合金化処理炉
で加熱処理をすると合金化溶融めっき鋼板となる。
【0026】連続炉内で曲げ加工を実施する段階は、冷
却帯以降の鋼帯温度が350℃以上650℃以下の比較
的低温域である。
【0027】図1は、曲げ加工装置として冷却帯5とス
ナウトの入り側の2ヶ所にロールを千鳥状に配置したレ
ベラを設けた例である。また、図2は冷却帯5、低温保
持帯6およびスナウト入り側の3ヶ所にレベラを設けた
例である。
【0028】鋼帯温度が650℃を超える再結晶還元帯
以前で曲げ加工を行っても、歪付与効果が消失してしま
う。また、冷却帯以降でも650℃を超えるところで
は、残留表面歪量が低下し、その効果が小さくなるの
で、曲げ加工を施す鋼帯温度の上限を650℃とした。
望ましくは600℃以下である。また、炉内で350℃
未満に鋼帯温度を低下させると、めっき浴侵入までに再
加熱を行わないとめっき濡れ性および反応性の不均一が
生じ、めっき外観不良を招く。再加熱に時間とコストが
かかるため、曲げ加工温度の最低温度を350℃とし
た。ただし、加工温度が350℃以上であれば、600
℃以下の温度まで再加熱してめっき浴に浸入させても品
質上なんら問題ないので、曲げ加工後350〜600℃
の範囲内に再加熱してもよい。
【0029】なお、本発明の方法は、ここで示した縦型
および横型の連続炉に限定されるものでなく、同様の工
程を経る装置には全て適用できる。炉内の曲げ加工の装
置11の設置位置や設置数も限定するものではない。本
発明で規定する条件を満足させることができる装置であ
ればよい。
【0030】さて、炉内での曲げ加工方法については特
に限定されないが、板幅方向に均一な歪み付与を行う手
法として例えば、レベラのようなロールによる曲げ加工
が良好な手法であり、曲げ半径300mm以下で曲げ加
工するのがよい。
【0031】曲げ半径が小さいほど、鋼板表層の歪が大
きくなり、その効果が大きくなるが、曲げ半径が300
mmを超えると歪量が小さくなるので、曲げ半径の上限
を300mmとした。
【0032】上記のような曲げ加工により、鋼板に伸び
を与えなくともよく、また曲げ、曲げ戻し加工時に張力
を負荷することにより伸びを与えるとより効果的に歪を
得ることができる。しかし、伸び率が2%以下で歪付与
の効果が大であった。伸び率の上昇に伴い表面歪量は増
加するが、2%超では効果が飽和あるいは低下する傾向
が認められた。したがって、伸び率の上限を2%とし
た。なお、必ずしも伸びを付与する必要がないのは、繰
り返し曲げ加工のみでも、鋼板の表面層に歪を付与する
ことができるからである。
【0033】曲げ加工を、接触式(レベラーの場合ロー
ルと鋼帯とが接触)でおこなう場合、鋼帯に接触させる
曲げツール(レベラーの場合ロール)の表面温度も35
0〜650℃の範囲にしておくのが好ましい。加工時に
鋼帯に発生し得る歪模様を抑制するには、曲げツールの
表面温度を鋼帯温度の±40℃、好ましくは±20℃以
内にするのが望ましい。
【0034】さらに、本発明の方法を用いると、熱延鋼
板を母材とする場合などに、表層スケールが3μm以下
の厚みであれば、酸洗により脱スケールすることなくそ
のまま溶融めっきラインにて良好なめっきが可能であ
る。
【0035】溶融めっき連続炉に入る前の鋼帯の表面の
スケール厚さを3μm以下にする理由は、下記の通りで
ある。
【0036】通常、3μm以下の厚みのスケールであ
れば、炉内の通板速度を低下させることなく連続炉内の
還元帯で還元が可能である。 スケールの厚さが3μmを超えると、連続炉でそのス
ケールを還元すると約0.5μm以上の還元鉄が生成さ
れ、めっき被膜の密着性が低下する。
【0037】したがって、連続炉に入る前の鋼帯の表面
のスケール厚さの上限を3μm以下とした。めっきを施
すのにはスケール厚が薄いほど好ましいので、熱間圧延
後に酸洗することなく可能なだけ薄くすればよい。
【0038】連続炉に入る前の鋼帯の表面のスケール厚
さを3μm以下にし、連続炉の冷却帯以降の過程で曲げ
加工を加えると、めっき皮膜の密着性も大幅に改善され
る。その理由については定かではないが、還元帯を通過
した後の鋼板を曲げ加工させることにより、表層のスケ
ール還元体(Fe主成分)が加工され、空隙をなくすた
めと思われる。また、この曲げ加工により表面歪を付与
せしめるため、めっき反応性や合金化反応性がマクロ的
に均一なものとなり、めっき皮膜外観も良好なものとな
る。
【0039】ここで、表層スケール厚を3μm以下とす
る方法としては、(1)熱延を低温(例えばα域)で圧
下する、(2)高圧水によるデスケーリングを熱間圧延
の巻取り直前に実施する、(3)デスケーリング後の鋼
板を雰囲気シールし、スケールの成長を抑制する、等の
方法がある。
【0040】以下、実施例により本発明の効果を詳細に
説明する。
【0041】
【実施例】
(実施例1)表1に示す3種類の化学成分の鋼を溶製
し、一般的な熱間圧延と冷間圧延で厚さ0.7mm、幅
200mmの冷延鋼板を製造した。これらコイルを試験
用連続めっき装置にて、焼鈍、続いて溶融めっきをおこ
なった。
【0042】
【表1】
【0043】めっき後の光沢むらを目視観察すると共
に、JIS Z 8741の規定に従い表面光沢度を測定した。さ
らに、一部めっき後に合金化処理を行い、色調を観察す
ることにより合金化むらを評価した。
【0044】雰囲気還元焼鈍からめっきおよび合金化処
理までの条件および評価方法は下記の通りであった。
【0045】1)雰囲気還元焼鈍 雰囲気 :26%H2+N2、露点=−60℃中 温度、時間:800℃で60秒 2)冷却過程での曲げ加工(レベラ) ロール表面:ダル仕上(ロール表面粗さRa=1.5±0.2
μm) ロール直径:200mm(曲げ半径100〜400m
m) 4)めっき浴(浴種2種類) 浴a:Zn−0.14%Al(浴温460℃) 浴b:Zn−55%Al−1.6%Si(浴温600
℃) 浸漬保持時間:1秒(各浴共) 5)めっき付着量 めっき付着量:70±10g/m2 浴引き上げ後、ワイピングガス(N2ガス)の圧力、流
量を調整。
【0046】6)めっき後の冷却 ガスワイピングに続いて、めっき材にHeガスを吹き付
け、めっき浴引き上げから凝固までの平均冷却速度を約
−50〜−70℃/secとした。
【0047】7)めっき外観評価 目視による光沢均一性評価 ○:均一光沢、△:ややむらあり、 ×:むら多発 光沢度測定(入射角=反射角=∠60°) ○:光沢度≧180%、△:120%<光沢度<180%、 ×:光沢度≦120% 8)合金化処理 浴aを用いてめっきしたものについては、上記5の評価
実施後に赤外加熱炉にて500℃大気下で合金化処理を
行った。
【0048】9)合金化処理材の色調評価 合金化処理後のめっき材(皮膜中平均組成Fe=9〜1
0重量%)にて、目視上の合金化(色調)むらを判定。
【0049】○:色調均一、△:やや色調むら、 ×:全面に色調むら 上記評価結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】同表より明かなように、本発明で規定する
曲げ、曲げ戻し温度と伸び率を満足している本発明例は
全て、光沢むら、光沢度低下及び合金化後の色調むらは
発生しなかった。一方、炉内での曲げ加工を加えなかっ
た比較例1、4、9は光沢むらが多発し、光沢度低下も
少し発生した。伸び率が本発明の規定範囲内にあって
も、曲げ加工温度の高い比較例の2、5、11および1
3は特に光沢むらが多発し、光沢度も好ましくないこと
が分かる。
【0052】(実施例2)熱間圧延後のスケールを酸洗
により除去した表3に示す3種の化学成分の熱延鋼帯
(幅150mm、厚さ3.6mm)を試験用連続脱脂、酸洗設
備で脱脂、酸洗をおこないスケールを完全除去して乾燥
させ、実施例1と同様の工程で溶融めっきを行い、めっ
き外観を評価した。各条件を以下に示す。
【0053】
【表3】
【0054】1)雰囲気還元焼鈍 雰囲気:26%H2+N2、露点=−60℃中 温度、時間:800℃で60秒. 2)冷却過程での曲げ加工(レベラ) ロール:ダル仕上ロール(ロール表面粗さRa=1.5±0.
2μm) ロール直径:200mm(曲げ半径100〜400m
m) 4)めっき浴(浴種1種類) 浴a:Zn−0.14%Al(浴温460℃) めっき浸漬保持時間:1秒 5)めっき付着量 めっき付着量:100±10g/m2 浴引き上げ後、ワイピングガス(N2ガス)の圧力、流
量を調整。
【0055】めっき後冷却、合金化処理法および各評価
法は、実施例1と同じとした。評価結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】表4より、炉内で曲げ加工を施さなかった
比較例の3、7の表面品質は最も悪かった。これは、母
材が熱延鋼板の酸洗材であり、母材の表面粗さに反映さ
れたこと、及び鋼表面へのSi、Mn、P等の成分不均
一濃化による不均一合金化反応が抑制できなかったもの
と思われる。また、熱延鋼板の表面粗さが粗かったため
炉内搬送ロールとの局部接触による局部歪が付与された
ことにより局部的に合金化反応が促進し、表面品質が低
下したものと思われる。
【0058】一方、本発明例では全て光沢むら、光沢度
低下及び色調むらは発生しなかった。これは、炉内での
曲げ加工により、鋼板全面にほぼ均一に歪が付与され
て、合金化反応が均一となったためと思われる。また、
炉内曲げ加工を加えた比較例の4、5、8はそれぞれ曲
げ加工温度が650℃以上と高かったため、鋼板表面に
歪が蓄積されなかったため、曲げ加工の効果がでなかっ
たためよい表面品質が得られなかったと思われる。この
ように、めっき母材としては好ましいくない熱延鋼板の
酸洗材であっても、本発明の方法により表面品質の良好
なめっき鋼板が得られる。
【0059】(実施例3)熱間圧延時のスケール厚を制
御し、薄スケール化した熱延鋼板を、実施例1と同様の
工程で溶融めっきを行った。めっき光沢むら、光沢度お
よびめっき密着性の評価を行った。各条件を以下に示
す。
【0060】1)母材 真空溶解炉で表5に示す化学成分の鋼塊を溶製し、熱間
圧延機で板厚3.6mmとなるよう圧延を実施した。こ
の際、高圧水デスケーリングの水圧、デスケーリング実
施時の材料温度、デスケーリング実施回数を操作するこ
とにより、スケール厚を調整した。
【0061】2)雰囲気還元焼鈍 雰囲気26%H2+N2、露点=−60℃中800℃で6
0秒 3)冷却過程での曲げ加工(レベラ) ダル仕上ロール(ロール表面粗さRa=1.5±0.2μm) ロール直径:200mm(曲げ半径100〜400m
m) 4)めっき浴(浴種1種類) 浴a:Zn−0.14%Al(浴温460℃) 浸漬保持時間:1秒 5)付着量制御
【0062】
【表5】
【0063】浴引き上げ後、ワイピングガス(N2ガ
ス)の圧力、流量を調整し、めっき付着量を100±1
0g/m2とした。
【0064】めっき後冷却、合金化処理法については、
実施例1と同様に行った。
【0065】評価法については、光沢評価を実施例1あ
るいは2と同様に行う以外に、皮膜の密着性を接着剪断
評価により行った。
【0066】図3は、接着剪断引張試験片の作製要領を
示す図である。同図(a)点線で示すように、めっき鋼
板のほぼ中央部より幅25mm、長さ100mm のサンプル
を各4枚(各2組分)切り出し、同図(b)に示すよう
に接着貼り合わせ部(斜線部)のラップ長を12.5mm
として構造用エポキシ系接着剤を用い、接着剤厚みが15
0μm となるようにして貼り合わせ試験片とした。この
試験片を加熱して貼り合わせ部の接着剤を乾燥させた
後、接着剪断引張試験に供した。引張速度は、クロスヘ
ッドスピードで5mm/minとした。
【0067】密着性評価基準は以下の通りとした。
【0068】 ◎:皮膜剥離無し(全面接着剤の凝集破壊) ○:皮膜剥離がわずか(5%以下の面積率)に観察され
る △:皮膜剥離が10%以下の面積率で発生 ×:皮膜剥離が10%超の面積率で発生 ××:不めっき部が存在し、めっき部のほぼ全面が剥離 評価結果を表6に示す。同表より、スケール厚さが3μ
m 以下の本発明例は、全て表面品質、めっき皮膜の密
着性とも良好であることが分かる。しかし、めっき厚さ
が3μm を超える比較例1、5は光沢むらの点では良
いものの、合金化処理後の色調むら、密着性の点で好ま
しくなかった。
【0069】
【表6】
【0070】
【発明の効果】この発明の方法によれば、めっき母材の
鋼板の表面性状(形状、疵、表面濃化成分等)の影響を
受けることなく、溶融めっき後の外観が均一で美麗な皮
膜が得られ、また合金化処理反応が均一化することよ
り、外観はもちろんのこと品質の優れた皮膜が得られ
る。更に、本発明の方法では、鋼板表面に薄いスケール
が存在した状態でも、めっき後の皮膜性能(外観、皮膜
密着性等)に悪影響を及ぼすことなく良好なめっき皮膜
が得られ、酸洗工程の省力化、省略化が可能であり、コ
スト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゼンジミア法(または無酸化炉法)の縦型ライ
ン構成模式図である。
【図2】ゼンジミア法(または無酸化炉法)の横型ライ
ン構成模式図である。
【図3】接着剪断試験供試材のサンプリングから接着の
工程を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼帯 3 酸化炉(無酸化炉) 4 還元帯 5 冷却帯 6 低温保持帯 7 スナウト 10 合金化処理炉または冷却装置 11 曲げ、曲げ戻し装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼帯を溶融めっき連続炉内を通過させた
    後、溶融めっき浴でめっきするに際し、溶融めっき連続
    炉の冷却帯以降の過程で、350〜650℃の温度範囲
    内にある鋼帯に、曲げ半径300mm以下、伸び率0〜
    2%で曲げ、曲げ戻し加工を施した後、溶融めっきする
    ことを特徴とする表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】溶融めっき連続炉に入る前の鋼帯が、表面
    のスケール厚さが3μm以下である熱延鋼帯であること
    を特徴とする請求項1記載の表面品質に優れた溶融めっ
    き鋼板の製造方法。
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