JPH10131880A - ロータリー圧縮機 - Google Patents

ロータリー圧縮機

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JPH10131880A
JPH10131880A JP28391696A JP28391696A JPH10131880A JP H10131880 A JPH10131880 A JP H10131880A JP 28391696 A JP28391696 A JP 28391696A JP 28391696 A JP28391696 A JP 28391696A JP H10131880 A JPH10131880 A JP H10131880A
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和宏 古庄
Kenichi Saito
健一 斉藤
Takeyoshi Okawa
剛義 大川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリー圧縮機において、ブレードと揺動
ブッシュとの間の摺動損失を低減して、圧縮機の効率を
向上させる。 【解決手段】 ブレードの吐出口側の側面と揺動ブッシ
ュ(32a)との摺接面積を、ブレードの吸入口側の側面と
揺動ブッシュ(32b)との摺接面積よりも小さく構成す
る。具体的には、ブレードの吐出口側の側面に対向する
揺動ブッシュ(32a)の対向面に、シール部(42)と、ブレ
ードと摺接しない凹部(44)とを、ブレードの延びる方向
に順に形成する。一方、ブレードの吸入口側の側面に対
向する揺動ブッシュ(43)の対向面には、全面がブレード
と摺接する平面状の摺接面(43)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置等に使用
されるロータリー圧縮機に関し、特に、圧縮機の高効率
化に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ロータリー圧縮機には、例え
ば、特開平7−27074号公報に開示されているよう
なものが知られている。上記公報のロータリー圧縮機
は、図11及び図12に示すように、吸入口(a)及び吐
出口(b)が開口し軸方向断面が円形状をなすシリンダ室
(c)を有するシリンダ(d)と、このシリンダ(d)の軸方向
の上下両側面にシリンダ室(c)を閉鎖するように配置さ
れたサイドハウジングと、シリンダ室(c)内に偏心軸部
(e)を有する回転可能な駆動軸(f)と、シリンダ室(c)内
に配設され、内周部がこの偏心軸部(e)に回転可能に嵌
合されたピストン(g)と、このピストン(g)に一体的に形
成されピストン(g)の外周部より突出し、上記シリンダ
室(c)を吸入口(a)に通じる低圧室(h)と吐出口(b)に通じ
る高圧室(i)とに区画するブレード(j)と、上記シリンダ
(d)の吸入口(a)と吐出口(b)との間に形成されてシリン
ダ室(c)に開口する支持孔(k)内に揺動自在に設けられ、
上記ブレード(j)を揺動自在に且つ進退自在に支持する
揺動ブッシュ(l1,l2)とを備えている。そして、吸入口
(a)及び吐出口(b)は、共にシリンダ(d)に形成され、駆
動軸(f)の軸心方向と平行にシリンダ室(c)に開口してい
る。
【0003】上記のロータリー圧縮機では、上記駆動軸
(f)の回転に伴い、ブレード(j)を介して揺動ブッシュ(l
1,l2)を支点にピストン(g)をシリンダ室(c)内で公転さ
せ、このピストン(g)の1公転毎に吸入口(a)から吸入し
た冷媒ガスなどの流体を圧縮して、吐出口(b)から吐出
する。
【0004】上記のロータリー圧縮機では、ピストンと
ブレードが別体であるローリングピストン型の圧縮機と
異なり、ピストン(g)とブレード(j)との間の相対移動が
なく、その分だけ、摩擦損失や動力損失を小さくできる
とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のロー
タリー圧縮機では、ピストン(g)を揺動運動させるため
に揺動ブッシュ(l1,l2)が必要とされるが、この揺動ブ
ッシュ(l1,l2)は左右対称の形状をしている。そのた
め、ブレード(j)と揺動ブッシュ(l1,l2)とが潤滑油を介
して接触する面積、つまり摺接面積は、吐出口側と吸入
口側とで同一となっている。
【0006】しかしながら、圧縮動作中に、ブレード
(j)で区画される高圧室(i)と低圧室(h)との間にはかな
りの圧力差が生じるため、ブレード(j)には、吐出口側
から吸入口側に働く荷重(図12の矢印mを参照)が生
じている。従って、吸入口側の揺動ブッシュ(l2)と吐出
口側の揺動ブッシュ(l1)とでは、ブレード(j)との間の
接触圧が異なる。ところで、通常、ブレード(j)と揺動
ブッシュ(l1,l2)との間に必要な摺接面積は、相対的に
高強度が必要とされる吸入口側の揺動ブッシュ(l2)を基
準として計算される。そのため、吐出口側の揺動ブッシ
ュ(l1)は過剰設計となり、この揺動ブッシュ(l1)とブレ
ード(j)との摺接面積は必要以上に大きくなっていた。
【0007】その結果、吐出口側の揺動ブッシュ(l1)と
ブレード(j)との間には、余分な摺動損失が生じてお
り、圧縮機の効率低下を招いていた。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、揺動ブッシュとブレ
ードとの摺動損失を低減し、圧縮機の効率を向上させる
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ブレードの吸入口側の側面と揺動ブッシ
ュとの摺接面積を、ブレードの吐出口側の側面と揺動ブ
ッシュとの摺接面積よりも小さくした。
【0010】具体的には、請求項1に記載の発明が講じ
た手段は、ブレード(31,60)が一体的に形成されたロー
タ(9)が駆動軸(5)の軸心に対して偏心してシリンダ室(6
a)に収納され、上記ブレード(31,60)がシリンダ(6)の支
持孔(24)に進退自在に挿入され、上記ブレード(31,60)
がシリンダ室(6a)を吸入口(21)側の低圧室(34)と吐出口
(22)側の高圧室(35)とに区画する一方、駆動軸(5)の回
転に伴いブレード(31,60)を介してロータ(9)をシリンダ
室(6a)で公転させるロータリー圧縮機において、上記支
持孔(24)には、ブレード(31,60)の両側面に摺接する揺
動ブッシュ(32,45,46,50,64)が設けられ、ブレード(31,
60)の吐出口側の側面と揺動ブッシュ(32,45,46,50,64)
との摺接面積は、ブレード(31,60)の吸入口側の側面と
揺動ブッシュ(32,45,46,50,64)との摺接面積よりも小さ
い構成としたものである。
【0011】上記の発明特定事項により、ブレード(31,
60)と揺動ブッシュ(32,50,64)との余分な摺動損失を低
減することができ、圧縮機の効率を向上することができ
る。
【0012】また、請求項2に記載の発明が講じた手段
は、請求項1に記載のロータリー圧縮機において、ブレ
ード(31)の吐出口(22)側の側面と対向する揺動ブッシュ
(32,45,46,50)の対向面(40)に、凹部(44,44b,44c,54)が
設けられている構成としたものである。
【0013】また、請求項3に記載の発明が講じた手段
は、請求項1に記載のロータリー圧縮機において、ブレ
ード(60)の吐出口(22)側の側面に、凹部(62)が設けられ
ている構成としたものである。
【0014】上記請求項2又は請求項3の発明特定事項
により、ブレード(31,60)の吐出口側の側面と揺動ブッ
シュ(32,50,64)との摺接面積を、ブレード(31,60)の吸
入口側の側面と揺動ブッシュ(32,50,64)との摺接面積よ
りも小さくすることができる。その結果、ブレード(31,
60)の吐出口側の側面と揺動ブッシュ(32,50,64)との間
の余分な摺動損失を低減することができ、圧縮機の効率
を向上することができる。
【0015】また、請求項4に記載の発明が講じた手段
は、請求項2に記載のロータリー圧縮機において、ブレ
ード(31)の吐出口(22)側の側面と対向する揺動ブッシュ
(32,45,46,50)の対向面(40)には、ブレード(31)の長手
方向に延びてブレード(31)に摺接する保持部(41,41b,41
c,53)と、該長手方向に直交する方向に延びてブレード
(31)に摺接するシール部(42,52)とが形成され、凹部(4
4,44b,44c,54)は、ブレード(31)の長手方向に沿って形
成されている構成としたものである。
【0016】また、請求項5に記載の発明が講じた手段
は、請求項3に記載のロータリー圧縮機において、ブレ
ード(60)の吐出口(22)側の側面には、ブレード(60)の長
手方向に延びて揺動ブッシュ(64)に摺接する保持部(61)
と、該長手方向に直交する方向に延びて揺動ブッシュ(6
4)に摺接するシール部(63)とが形成され、凹部(62)は、
ブレード(60)の長手方向に沿って形成されている構成と
したものである。
【0017】上記請求項4又は請求項5の発明特定事項
により、ブレード(31,60)のこじを抑制できると共に、
ブレード(31,60)と揺動ブッシュ(32,45,46,50,64)との
隙間を通過する流体漏れをなくすことができる。
【0018】また、請求項6に記載の発明が講じた手段
は、請求項1に記載のロータリー圧縮機において、揺動
ブッシュ(50)は一体物で形成されている構成としたもの
である。
【0019】上記発明特定事項により、揺動ブッシュ(5
0)に対するブレード(31)の摺動を確実なものにすること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0021】−ロータリー圧縮機(1)の構成− 図1は、実施形態1に係るロータリー圧縮機(1)の全体
構成を示している。このロータリー圧縮機(1)は、密閉
ケーシング(2)内の上部にモータ(3)を配設すると共に、
モータ(3)の下方に圧縮要素(4)を配設し、モータ(3)か
ら延びる駆動軸(5)の回転によって圧縮要素(4)が回転駆
動するように構成されている。また、密閉ケーシング
(2)の上部には、ケーシング内部空間と連通する外部吐
出管(2c)が接続されている。また、密閉ケーシング(2)
の下方の側部には、吸入管(2b)が接続されている。
【0022】上記圧縮要素(4)は、内部にシリンダ室(6
a)を有するシリンダ(6)と、シリンダ(6)の上下両開放部
に配設され、この上下両開放部を閉鎖するサイドハウジ
ングを構成するフロントヘッド(7)及びリアヘッド(8)
と、シリンダ室(6a)内に公転可能に配設されたロータで
あるピストン(9)とを備えている。そして、駆動軸(5)の
下部は、各ヘッド(7,8)に設けた軸受部(15,16)に支持さ
れている。
【0023】図2に示すように、シリンダ室(6a)の内周
壁は断面が略円形状に形成される一方、ピストン(9)は
円環状に形成され、その内周側には、偏心軸部(5a)が回
転自在に嵌合されている。この偏心軸部(5a)の軸心は、
駆動軸(5)の中心点より所定量オフセットされている。
そして、ピストン(9)は、駆動軸(5)の回転によって自転
することなく公転のみを行う。つまり、ピストン(9)の
外周面の一カ所がシリンダ室(6a)の内周壁に接触し又は
近接した状態で、ピストン(9)は内周壁に沿って公転す
る。
【0024】ピストン(9)には、その外周面から半径方
向に突出して延びるブレード(31)が一体的に形成されて
いる。このブレード(31)は断面形状が矩形に形成されて
おり、揺動ブッシュ(32)に対する側面は平面状に形成さ
れている。なお、このブレード(31)は、ピストン(9)と
一体形成されるか、又はピストン(9)と別部材で形成さ
れ、ピストン(9)と凹凸の嵌合構造により連結される
か、あるいは接着剤等により連結されて構成されてい
る。
【0025】上記シリンダ(6)には、シリンダ室(6a)の
内周壁に開口する吸入口(21)が設けられている。そし
て、この吸入口(21)には、密閉ケーシング(2)の外部か
ら吸入管(2b)が接続されている。
【0026】図3に示すように、上記シリンダ(6)に
は、シリンダ室(6a)に開口する円形状の吐出口(22)が設
けられている。吐出口(22)は、ブレード(31)に近接し
て、且つ高圧室(35)に連通するように配置されている。
そして、吐出口(22)には、後述するシリンダ室(6a)の高
圧室(35)内の圧力が所定値以上になったときに開く吐出
弁(23)が設けられている。吐出弁(23)は、吐出口(22)を
開閉する弁体(23a)と、この弁体(23a)が所定量以上に開
放すると当接して弁体(23a)の開放を規制する弁押さえ
(23b)とを備えている。
【0027】シリンダ(6)には、吸入口(21)と吐出口(2
2)との間の位置に、軸方向に貫通する支持孔である円柱
形状のブッシュ孔(24)が形成されている。このブッシュ
孔(24)は、シリンダ室(6a)に臨んで開口する開口部(24
a)を有している。
【0028】ブッシュ孔(24)内には、断面が略半円形状
の一対の揺動ブッシュ(32a,32b)が揺動自在に配置され
ている。そして、ブレード(31)の先端側は、揺動ブッシ
ュ(32a,32b)間に挿入されている。つまり、この両揺動
ブッシュ(32a,32b)は、ブレード(31)の先端側を挟んだ
状態に配置されると共に、ブレード(31)がブッシュ孔(2
4)内を進退移動するのを許容し、且つ、ブレード(31)と
一体的にブッシュ孔(24)内で揺動するように設けられて
いる。
【0029】ブレード(31)は、シリンダ(6)の内周面と
ピストン(9)の外周面との間のシリンダ室(6a)を、吸入
口(21)に通じる低圧室(34)と、吐出口(22)に通じる高圧
室(35)とに区画している。そして、ピストン(9)は、一
体的に形成されたブレード(31)を介して揺動ブッシュ(3
2)を支点に揺動するようにシリンダ(6)の内周壁に沿っ
て公転する。このピストン(9)は、1公転毎に吸入口(2
1)から吸入した冷媒ガス等の流体を圧縮して、吐出口(2
2)から吐出する。
【0030】また、駆動軸(5)の軸心側には、ケーシン
グ(2)の底部の油溜め(2a)に開口する給油路(10)が設け
られている。駆動軸(5)の下部、つまり給油路(10)の入
口側にはポンプ要素(11)が設けられている。ポンプ要素
(11)によって油溜め(2a)から汲み上げられた潤滑油は、
給油路(10)を介して、偏心軸部(5a)とピストン(9)との
隙間、軸受け部(15,16)と駆動軸(5)との隙間などの摺動
箇所に供給される。
【0031】−揺動ブッシュ(32a,32b)及びブレード(3
1)の構成− 次に、本発明の特徴部分である揺動ブッシュ(32)及びブ
レード(31)について、詳述する。
【0032】図4に示すように、吸入口側の揺動ブッシ
ュ(32b)は、断面が略半円形状をした柱状に形成されて
いる。揺動ブッシュ(32b)のブレード(31)と面する摺接
面(43)は、全面が平面状に形成されている。
【0033】一方、吐出口側の揺動ブッシュ(32a)は、
吸入側の揺動ブッシュ(32b)の摺接面(43)の一部に凹部
を設けた形状に形成されている。具体的には、揺動ブッ
シュ(32a)は、ブレード(31)と面する対向面に、上下に
わたり全面がブレード(31)と摺接するシール部(42)と、
上部と下部とにブレード(31)が延びる方向に沿って形成
された凹部(44)とが、ブレード(31)の先端に向かう方向
に順に配設されて形成されている。そして、この凹部(4
4)が形成されていることによって、対向面の中央部に
は、ブレード(31)に対して凸状の保持部(41)がブレード
(31)が延びる方向に沿って設けられている。
【0034】シール部(42)は、揺動ブッシュ(32a)の上
面及び下面に直交して平面状に形成されており、図2に
示す高圧室(35)とブレード背部空間(29)との間での流体
の漏れを防止するように構成されている。また、シール
部(42)のブレード(31)が延びる方向の長さ(L)は、ピス
トン(9)がブッシュ孔(24)の開口部(24a)から最も離れた
位置(後述する下死点の位置)にあってもシールが可能
なような長さに設定されている。
【0035】凹部(44)は、ブレード(31)の側面に対し
て、所定間隔を存して対向している。つまり、凹部(44)
は、ブレード(31)と摺接しないように形成されている。
【0036】一方、保持部(41)は、表面が平らに形成さ
れており、ブレード(31)と摺接するように形成されてい
る。この保持部(41)は、ブレード(31)が摺動する際にこ
じないように、ブレード背部空間(29)側に向かって対向
面いっぱいに延びている。しかし、ブレード(31)がこじ
ず、且つ、必要な摺接面積が確保されるのであれば、保
持部(41)の長さは任意に設定することができる。
【0037】そして、上記のシール部(42)と保持部(41)
とは、それらの表面が同一平面上に位置するように形成
され、ブレード(31)と滑らかに摺接するように構成され
ている。
【0038】更に、以上のような構成に基づいて、揺動
ブッシュ(32a)とブレード(31)との間の摺接面は、強度
等の観点から必要最小限の面積を有するように形成され
る。好ましくは、揺動ブッシュ(32a)とブレード(31)と
の間の摺接面の面積は、揺動ブッシュ(32a)とブレード
(31)との間の接触圧力が、揺動ブッシュ(32b)とブレー
ド(31)との間の接触圧力とほぼ等しくなるように設定さ
れる。
【0039】−圧縮動作− 次に、ロータリー圧縮機(1)の圧縮動作について説明す
る。
【0040】まず、駆動軸(5)が回転すると、ピストン
(9)は、ブッシュ孔(24)の中心を支点に揺動し、公転運
動を行う。つまり、ブレード(31)がブッシュ孔(24)に最
も没入した位置、つまり上死点の位置から、図5に示す
ようにブレード(31)のブッシュ孔(24)への没入が最も少
ない位置、つまり下死点の位置を経て、再び上死点の位
置に移動するようにして、ピストン(9)はシリンダ(6)の
内周面に沿って公転する。そして、このピストン(9)の
1公転の間に、吸入口(21)からシリンダ室(6a)に流入し
た流体を圧縮し、吐出口(22)より密閉ケーシング(2)内
に吐出する。
【0041】上記のピストン(9)の公転運動の際に、ブ
レード(31)は揺動ブッシュ(32a,32b)に対し、ブレード
が延びる方向に前後に摺動する。そしてこのとき、図5
に示すように、高圧室(35)と低圧室(34)との圧力差によ
って、ブレード(31)に吐出口側から吸入口側へ荷重(F)
が発生する。
【0042】しかし、本発明の圧縮機(1)では、揺動ブ
ッシュ(32a)の摺接面(40)の面積が揺動ブッシュ(32b)の
摺接面(43)の面積よりも小さく形成されており、両摺接
面(40,43)に加わる接触圧はほぼ同等となる。そのた
め、ブレード(31)の摺動に伴う揺動ブッシュ(32a)とブ
レード(31)との摺動損失は小さくなる。
【0043】また、図6に示すように、ブレード(31)の
摺動の際に、シール部(42)がブレード(31)と摺接してお
り、良好なシールを保つので、高圧室(35)とブレード背
部空間(29)との間で流体の漏れが発生せずに、流体の圧
縮が行われる。
【0044】−ロータリー圧縮機(1)の効果− 従って、このロータリー圧縮機(1)によれば、吐出口側
の摺接面(40)が吸入口側の摺接面(43)よりも面積が小さ
く形成されているので、ブレード(31)の摺動により発生
する摺動損失を低減することができる。更に、この吐出
口側の摺接面(40)は必要最小限の面積を有するように形
成されているので、上記の摺動損失を最小化することが
できる。この結果、圧縮機の効率の低下を招いていた摺
動損失が著しく減少するので、圧縮機の効率を向上させ
ることができる。
【0045】−変形例− なお、吐出口側の揺動ブッシュ(32a)を、図7(a)又
は(b)に示すようなものに置き換えてもよい。
【0046】図7(a)の揺動ブッシュ(45)では、ブレ
ード(31)に対向する対向面の上部に凹部(44b)を設け、
下部に保持部である摺接面(41b)を設けている。また、
対向面のシリンダ室(6a)側には、上下にわたり全面がブ
レード(31)と摺接するシール部(42b)が形成されてい
る。
【0047】一方、図7(b)の揺動ブッシュ(46)で
は、ブレード(31)に対向する対向面の中央部に凹部(44
c)を設け、その上下部分に保持部である摺接面(41c,41
c)を形成している。また、対向面のシリンダ室(6a)側に
は、シール部(42c)が設けられている。
【0048】図7(a)及び(b)の揺動ブッシュ(45,
46)においても、吐出口側の揺動ブッシュの摺接面の面
積が吸入口側の揺動ブッシュの摺接面の面積よりも小さ
く、ブレード(31)の摺動により発生する摺動損失を低減
することができる。従って、圧縮機の効率を向上させる
ことができる。
【0049】
【発明の実施の形態2】図8に示すように、実施形態2
のロータリー圧縮機(1)では、実施形態1のロータリー
圧縮機(1)の一対の揺動ブッシュ(34a,34b)を、一体型の
単一の揺動ブッシュ(50)に置き換えたものである。
【0050】すなわち、実施形態2の揺動ブッシュ(50)
は、内側に、シリンダ室(6a)に臨んでブレード(31)を挟
む開口部(51)が設けられると共に、断面の外周が略円形
状に形成され、ブッシュ孔(24)内に揺動自在に設けられ
ている。
【0051】ブレード(31)の吐出口側の側面と対向する
面には、上下にわたり全面がブレード(31)と摺接するシ
ール部(52)と、ブレード(31)が延びる方向に形成された
保持部である摺接面(53)とが順に設けられ、この摺接面
(53)の上下両側には、ブレード(31)が延びる方向に沿っ
て形成された凹部(54)が設けられている。
【0052】一方、ブレード(31)の吸入口側の側面と対
向する面(55)は、全面がブレード(31)と摺接するように
平面状に形成されている。
【0053】上記のような構成により、実施形態2にお
いても、吐出口側の摺接面(53)は、吸入口側の摺接面(5
5)よりも面積が小さく、必要最小限の面積を有するよう
に形成されている。
【0054】従って、実施形態2においても、ブレード
(31)の摺動により発生する摺動損失を低減することがで
き、圧縮機の効率を向上させることができる。
【0055】
【発明の実施の形態3】実施形態3のロータリー圧縮機
(1)では、実施形態1のロータリー圧縮機(1)において、
ブレード(31)と揺動ブッシュ(32a,32b)を、それぞれ図
9に示すブレード(60)と揺動ブッシュ(64,64)に置き換
えたものである。
【0056】実施形態3のブレード(60)は、実施形態1
のブレード(31)と同様に、ピストン(9)と一体形成され
るか、又はピストン(9)と別部材で形成され、ピストン
(9)に凹凸の嵌合構造によって連結されるか、あるいは
接着剤等により連結されて構成されている。
【0057】そして、このブレード(60)の吐出口側の側
面には、シール部(63)、保持部である摺接面(61)、及び
凹部(62)が形成されている。シール部(63)は、ピストン
(9)と近接する部分に設けられ、ブレード(60)の上面と
下面との間にわたり、全面が揺動ブッシュ(64)と摺接す
るように平面状に形成されている。摺接面(61)は、ブレ
ード(60)の側面の中央部に、ブレード(60)が延びる方向
に沿って形成されている。凹部(62)は、ブレード(60)が
延びる方向に沿って摺接面(61)の上下両側に形成されて
いる。
【0058】なお、図10に示すように、シール部(63)
の長さ(L)(ブレード(60)が延びる方向の長さ)は、ピ
ストン(9)が下死点の位置にあるときにも、高圧室(35)
とブレード背部空間(29)との間をシールするのに十分な
長さに形成されている。つまり、この長さ(L)は、上記
位置(下死点の位置)におけるブレード(60)の根本とブ
ッシュ孔(24)の開口部(24a)との距離よりも長く設定さ
れている。
【0059】一方、ブレード(60)の吸入口側の側面は、
平面状に形成されている。
【0060】揺動ブッシュ(64)は、従来のロータリー圧
縮機の揺動ブッシュと同様であり、ブレード(60)と対向
する面が平面状に形成された一対の略半円形状の柱状体
で形成されている。
【0061】以上のような構成により、実施形態3にお
いても、吐出口側の摺接面は、吸入口側の摺接面よりも
面積が小さく、必要最小限の面積を有するように形成さ
れている。
【0062】従って、実施形態3においても、ブレード
(60)の摺動により発生する摺動損失を低減することがで
き、圧縮機の効率を向上させることができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が発揮される。
【0064】すなわち、請求項1に記載の発明によれ
ば、ブレードの吐出口側の側面と揺動ブッシュとの摺接
面積を、ブレードの吸入口側の側面と揺動ブッシュとの
摺接面積よりも小さい構成としたので、ブレードと揺動
ブッシュとの間の余分な摺動損失を低減することがで
き、圧縮機の効率を向上させることができる。
【0065】また、請求項2又は請求項3に記載の発明
によれば、具体的な構成によって、ブレードの吐出口側
の側面と揺動ブッシュとの摺接面積を、ブレードの吸入
口側の側面と揺動ブッシュとの摺接面積よりも小さくす
ることができる。その結果、ブレードの吐出口側の側面
と揺動ブッシュとの間の余分な摺動損失を低減すること
ができ、圧縮機の効率を向上させることができる。
【0066】また、請求項4又は請求項5に記載の発明
によれば、ブレードのこじを抑制できると共に、ブレー
ド背部空間と高圧室又は低圧室との間の流体の漏れをな
くすことができる。
【0067】また請求項6に記載の発明によれば、揺動
ブッシュを一体物で形成したので、揺動ブッシュに対す
るブレードの摺動を確実なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリー圧縮機の縦断面図である。
【図2】偏心軸部付近で切断した圧縮要素の断面平面図
である。
【図3】吐出口付近の圧縮要素の縦断面図である。
【図4】揺動ブッシュの斜視図である。
【図5】圧縮要素の断面平面図である。
【図6】ブレード近辺の断面平面図である。
【図7】(a)及び(b)は揺動ブッシュの変形例の斜
視図である。
【図8】実施形態2の揺動ブッシュの斜視図である。
【図9】実施形態3のブレードと揺動ブッシュとを示す
斜視図である。
【図10】実施形態3における図6相当図である。
【図11】従来のロータリー圧縮機の圧縮要素の断面平
面図である。
【図12】従来のロータリー圧縮機のブレードと揺動ブ
ッシュとを示す斜視図である。
【符号の説明】
(5) 駆動軸 (5a) 偏心軸部 (6) シリンダ (6a) シリンダ室 (7) フロントヘッド (8) リヤヘッド (9) ピストン (21) 吸入口 (22) 吐出口 (24) ブッシュ孔 (31) ブレード (32) 揺動ブッシュ (34) 低圧室 (35) 高圧室 (40) 摺接面 (41) 保持部 (42) シール部 (44) 凹部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレード(31,60)が一体的に形成された
    ロータ(9)が駆動軸(5)の軸心に対して偏心してシリンダ
    室(6a)に収納され、上記ブレード(31,60)がシリンダ(6)
    の支持孔(24)に進退自在に挿入され、 上記ブレード(31,60)がシリンダ室(6a)を吸入口(21)側
    の低圧室(34)と吐出口(22)側の高圧室(35)とに区画する
    一方、上記駆動軸(5)の回転に伴いブレード(31,60)を介
    してロータ(9)を上記シリンダ室(6a)で公転させるロー
    タリー圧縮機において、 上記支持孔(24)には、ブレード(31,60)の両側面に摺接
    する揺動ブッシュ(32,45,46,50,64)が設けられ、 ブレード(31,60)の吐出口側の側面と揺動ブッシュ(32,4
    5,46,50,64)との摺接面積は、ブレード(31,60)の吸入口
    側の側面と揺動ブッシュ(32,45,46,50,64)との摺接面積
    よりも小さいことを特徴とするロータリー圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のロータリー圧縮機にお
    いて、 ブレード(31)の吐出口(22)側の側面と対向する揺動ブッ
    シュ(32,45,46,50)の対向面(40)に、凹部(44,44b,44c,5
    4)が設けられていることを特徴とするロータリー圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のロータリー圧縮機にお
    いて、 ブレード(60)の吐出口(22)側の側面に、凹部(62)が設け
    られていることを特徴とするロータリー圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のロータリー圧縮機にお
    いて、 ブレード(31)の吐出口(22)側の側面と対向する揺動ブッ
    シュ(32,45,46,50)の対向面(40)には、ブレード(31)の
    長手方向に延びてブレード(31)に摺接する保持部(41,41
    b,41c,53)と、該長手方向に直交する方向に延びてブレ
    ード(31)に摺接するシール部(42,52)とが形成され、 凹部(44,44b,44c,54)は、ブレード(31)の長手方向に沿
    って形成されていることを特徴とするロータリー圧縮
    機。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のロータリー圧縮機にお
    いて、 ブレード(60)の吐出口(22)側の側面には、ブレード(60)
    の長手方向に延びて揺動ブッシュ(64)に摺接する保持部
    (61)と、該長手方向に直交する方向に延びて揺動ブッシ
    ュ(64)に摺接するシール部(63)とが形成され、 凹部(62)は、ブレード(60)の長手方向に沿って形成され
    ていることを特徴とするロータリー圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のロータリー圧縮機にお
    いて、 揺動ブッシュ(50)は一体物で形成されていることを特徴
    とするロータリー圧縮機。
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WO2005108793A1 (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Daikin Industries, Ltd. 回転式圧縮機
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