JPH10132997A - 放射性廃棄物の固化処理方法およびその装置 - Google Patents
放射性廃棄物の固化処理方法およびその装置Info
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- JPH10132997A JPH10132997A JP28694896A JP28694896A JPH10132997A JP H10132997 A JPH10132997 A JP H10132997A JP 28694896 A JP28694896 A JP 28694896A JP 28694896 A JP28694896 A JP 28694896A JP H10132997 A JPH10132997 A JP H10132997A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 放射性廃棄物のセメント固化において、廃液
の蒸発濃縮工程で晶析が生じることなく、かつセメント
の凝結遅延を起こすことなく、安定性と耐久性に優れた
固化体が得られる固化処理方法および装置を提供する。 【解決手段】 本発明の方法では、ホウ酸またはリン酸
含有の放射性廃液に、Ca、Mgのようなアルカリ土類
金属化合物を添加して主成分を不溶化し、次いで脱水処
理した後、得られた粉体またはスラリーにセメント系の
水硬性無機固化材を混合して固化する。本発明の固化処
理装置は、放射性廃液に主成分を不溶化する添加剤を供
給添加する供給機構と、不溶化された廃液を脱水する脱
水処理機と、脱水された粉体またはスラリーと水硬性無
機固化材とを混練する混練機とを備えて成る。脱水処理
機としては、遠心蒸発乾燥機、マイクロ波加熱装置、円
筒回転形乾燥機、回転円板形加圧式濾過機等が使用され
る。
の蒸発濃縮工程で晶析が生じることなく、かつセメント
の凝結遅延を起こすことなく、安定性と耐久性に優れた
固化体が得られる固化処理方法および装置を提供する。 【解決手段】 本発明の方法では、ホウ酸またはリン酸
含有の放射性廃液に、Ca、Mgのようなアルカリ土類
金属化合物を添加して主成分を不溶化し、次いで脱水処
理した後、得られた粉体またはスラリーにセメント系の
水硬性無機固化材を混合して固化する。本発明の固化処
理装置は、放射性廃液に主成分を不溶化する添加剤を供
給添加する供給機構と、不溶化された廃液を脱水する脱
水処理機と、脱水された粉体またはスラリーと水硬性無
機固化材とを混練する混練機とを備えて成る。脱水処理
機としては、遠心蒸発乾燥機、マイクロ波加熱装置、円
筒回転形乾燥機、回転円板形加圧式濾過機等が使用され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性物質取扱い
施設で発生する中乃至低レベルの放射性廃棄物を固化処
理し、緻密で長期に亘る安定性と耐久性に優れた固化体
を得るための固化処理方法、およびその装置に関する。
施設で発生する中乃至低レベルの放射性廃棄物を固化処
理し、緻密で長期に亘る安定性と耐久性に優れた固化体
を得るための固化処理方法、およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、原子力発電所等の放射性物質
取扱い施設では、種々の放射性廃棄物が発生するため、
放射性廃棄物の減容化および安定化のための各種の方法
が実用化されている。
取扱い施設では、種々の放射性廃棄物が発生するため、
放射性廃棄物の減容化および安定化のための各種の方法
が実用化されている。
【0003】一般に、放射性廃棄物を含む廃液を減容す
る方法として、竪型遠心蒸発乾燥機等により廃液を蒸発
濃縮し廃液中の固形分を粉体として回収した後、固型化
材(固化材)と混ぜて固型化(固化)する方法が実用化
されている。しかし、この方法では、ホウ酸主成分の濃
縮廃液(ホウ酸含有廃液)あるいはリン酸主成分の廃溶
媒酸化分解生成物(リン酸含有廃液)を蒸発濃縮する
と、濃縮の過程で高い粘性を有する結晶が析出(晶析)
するため、取扱いが難しく、十分に減容できないという
問題がある。
る方法として、竪型遠心蒸発乾燥機等により廃液を蒸発
濃縮し廃液中の固形分を粉体として回収した後、固型化
材(固化材)と混ぜて固型化(固化)する方法が実用化
されている。しかし、この方法では、ホウ酸主成分の濃
縮廃液(ホウ酸含有廃液)あるいはリン酸主成分の廃溶
媒酸化分解生成物(リン酸含有廃液)を蒸発濃縮する
と、濃縮の過程で高い粘性を有する結晶が析出(晶析)
するため、取扱いが難しく、十分に減容できないという
問題がある。
【0004】また、ホウ酸含有廃液またはリン酸含有廃
液にセメントを加えて固化する方法では、廃液の投入量
が多いと、ホウ酸イオンまたはリン酸イオンによりセメ
ントの水和反応が阻害されるため、固化体が十分に硬化
しないなどの問題がある。そのため、ホウ酸イオン等に
より硬化反応が阻害されることがない、アスファルトに
よる固化法が考案され、一部のプラントで採用されてい
る。
液にセメントを加えて固化する方法では、廃液の投入量
が多いと、ホウ酸イオンまたはリン酸イオンによりセメ
ントの水和反応が阻害されるため、固化体が十分に硬化
しないなどの問題がある。そのため、ホウ酸イオン等に
より硬化反応が阻害されることがない、アスファルトに
よる固化法が考案され、一部のプラントで採用されてい
る。
【0005】さらに、放射性廃棄物の固化処理において
は、ホウ酸含有廃液等を蒸発濃縮する際の晶析を抑える
ため、廃液を苛性ソーダで中和して減容化を可能とした
方法(特開昭 53-147200号)が提案されている。またさ
らに、蒸発濃縮する際の晶析とセメント固化体の凝結遅
延とを同時に改善する方法として、廃液を苛性ソーダで
中和した後、カルシウム化合物を添加して低温加熱で熟
成し、次いで固液分離して不溶性のホウ酸カルシウムを
回収し、その後セメントにより固化する方法が提案され
ている(特開昭59-12399)。この方法によれば、濃縮し
た廃液の移送性向上にも効果がある。
は、ホウ酸含有廃液等を蒸発濃縮する際の晶析を抑える
ため、廃液を苛性ソーダで中和して減容化を可能とした
方法(特開昭 53-147200号)が提案されている。またさ
らに、蒸発濃縮する際の晶析とセメント固化体の凝結遅
延とを同時に改善する方法として、廃液を苛性ソーダで
中和した後、カルシウム化合物を添加して低温加熱で熟
成し、次いで固液分離して不溶性のホウ酸カルシウムを
回収し、その後セメントにより固化する方法が提案され
ている(特開昭59-12399)。この方法によれば、濃縮し
た廃液の移送性向上にも効果がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した固化処理方法
は、いずれも放射性廃棄物を安定化することができる方
法であるが、固化時の取扱い性および処理後の固化体の
長期安定性の点で、以下に示すようないくつかの課題が
あった。
は、いずれも放射性廃棄物を安定化することができる方
法であるが、固化時の取扱い性および処理後の固化体の
長期安定性の点で、以下に示すようないくつかの課題が
あった。
【0007】すなわち、ホウ酸含有廃液またはリン酸含
有廃液をアスファルトにより固化する方法においては、
アスファルトが有機物であるため、固化体を最終的に処
分する際の長期に亘る安定性が明確でないという問題が
あった。そのため、セメントによる固化方法が、長期的
に安定で放射性核種の化学的な閉込め性にも優れ、かつ
低コストの方法として見直されている。
有廃液をアスファルトにより固化する方法においては、
アスファルトが有機物であるため、固化体を最終的に処
分する際の長期に亘る安定性が明確でないという問題が
あった。そのため、セメントによる固化方法が、長期的
に安定で放射性核種の化学的な閉込め性にも優れ、かつ
低コストの方法として見直されている。
【0008】しかし、前記したように、廃液中のホウ酸
イオンまたはリン酸イオンがセメントの水和反応を阻害
し、固化体の凝結硬化を著しく遅延させるため、ホウ酸
またはリン酸含有廃液の投入量をあまり多くすることが
できないという問題があった。
イオンまたはリン酸イオンがセメントの水和反応を阻害
し、固化体の凝結硬化を著しく遅延させるため、ホウ酸
またはリン酸含有廃液の投入量をあまり多くすることが
できないという問題があった。
【0009】また、セメントによる固化処理において、
廃液を蒸発濃縮して減容する工程で、苛性ソーダを添加
してpHを中性に調整することで晶析を抑える方法(特
開昭53-147200) では、蒸発濃縮により得られる乾燥粉
体が、溶解性の高いホウ酸ナトリウムまたはリン酸ナト
リウムであるため、セメント固化時にホウ酸イオンまた
はリン酸イオンがセメントペースト中の水に溶解し、セ
メントの硬化反応を阻害する結果、固化体の凝結遅延が
発生するおそれがあった。
廃液を蒸発濃縮して減容する工程で、苛性ソーダを添加
してpHを中性に調整することで晶析を抑える方法(特
開昭53-147200) では、蒸発濃縮により得られる乾燥粉
体が、溶解性の高いホウ酸ナトリウムまたはリン酸ナト
リウムであるため、セメント固化時にホウ酸イオンまた
はリン酸イオンがセメントペースト中の水に溶解し、セ
メントの硬化反応を阻害する結果、固化体の凝結遅延が
発生するおそれがあった。
【0010】さらに、廃液を苛性ソーダで中和した後カ
ルシウム化合物を添加し、さらに低温加熱で熟成するこ
とにより、ホウ酸等を不溶化する方法(特開昭59-1239
9)では、廃液中のホウ酸等のイオンが完全には不溶性
のホウ酸カルシウム化しないため、ホウ酸等の含有量が
過剰になると、セメント固化時に凝結遅延がいくらか生
じ、固化体強度の発現が遅くなる。すなわち、固化後の
養生期間が長くなるため、固化体の養生スペースを大き
く取らなければならないという問題があった。
ルシウム化合物を添加し、さらに低温加熱で熟成するこ
とにより、ホウ酸等を不溶化する方法(特開昭59-1239
9)では、廃液中のホウ酸等のイオンが完全には不溶性
のホウ酸カルシウム化しないため、ホウ酸等の含有量が
過剰になると、セメント固化時に凝結遅延がいくらか生
じ、固化体強度の発現が遅くなる。すなわち、固化後の
養生期間が長くなるため、固化体の養生スペースを大き
く取らなければならないという問題があった。
【0011】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、原子力発電所等から発生するホウ酸主
成分の濃縮廃液およびリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生
成物のセメント固化において、蒸発濃縮工程で晶析が生
じることなく良好に減容化することができ、かつ廃棄物
を大量に投入しても凝結遅延を起こすことなく速やかに
固化し、長期に亘る安定性と耐久性に優れた固化体を得
ることができる固化処理方法、および固化処理装置を提
供することを目的とする。
なされたもので、原子力発電所等から発生するホウ酸主
成分の濃縮廃液およびリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生
成物のセメント固化において、蒸発濃縮工程で晶析が生
じることなく良好に減容化することができ、かつ廃棄物
を大量に投入しても凝結遅延を起こすことなく速やかに
固化し、長期に亘る安定性と耐久性に優れた固化体を得
ることができる固化処理方法、および固化処理装置を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の放射性廃棄物の
固化処理方法は、放射性廃棄物を含む廃液に、該廃液中
に溶解している主成分を不溶化する添加剤を添加し、次
いで脱水処理した後、得られた粉体またはスラリーに水
硬性無機固化材を混合して固化することを特徴とする。
固化処理方法は、放射性廃棄物を含む廃液に、該廃液中
に溶解している主成分を不溶化する添加剤を添加し、次
いで脱水処理した後、得られた粉体またはスラリーに水
硬性無機固化材を混合して固化することを特徴とする。
【0013】また、本発明の放射性廃棄物の固化処理装
置は、放射性廃棄物を含む廃液に、該廃液中に溶解して
いる主成分を不溶化する添加剤を供給し添加する供給機
構と、不溶化された成分を含む廃液を脱水する脱水処理
機と、前記脱水処理機により脱水された粉体またはスラ
リーと水硬性無機固化材とを混練する混練機とを備えた
ことを特徴とする。
置は、放射性廃棄物を含む廃液に、該廃液中に溶解して
いる主成分を不溶化する添加剤を供給し添加する供給機
構と、不溶化された成分を含む廃液を脱水する脱水処理
機と、前記脱水処理機により脱水された粉体またはスラ
リーと水硬性無機固化材とを混練する混練機とを備えた
ことを特徴とする。
【0014】本発明において処理される放射性廃棄物を
含む廃液としては、ホウ酸主成分の濃縮廃液(ホウ酸含
有廃液)あるいはリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生成物
(リン酸含有廃液)が使用される。そして、このような
放射性廃液の主成分であるホウ酸またはリン酸を不溶化
するための添加剤としては、アルカリ土類金属の化合物
が使用され、例えばカルシウム(Ca)またはマグネシ
ウム(Mg)の塩化物あるいは酸化物もしくは水酸化物
(水酸化カルシウム、塩化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、塩化マグネシウム)等が挙げられる。これらの添
加剤は、粉末のままで、あるいは水溶液またはスラリー
状にして添加することができる。また、これらの添加剤
の添加量は、放射性廃液中のホウ素(B)またはリン
(P)の含有量に対して、CaまたはMgを 0.4〜 0.8
のモル比で含むように調整することが望ましい。このよ
うに調整した廃液を脱水処理した後に固化することで、
固化材としてセメント系の水硬性無機固化材を用いて
も、凝結遅延を起こすことなく良好に固化することが可
能となる。
含む廃液としては、ホウ酸主成分の濃縮廃液(ホウ酸含
有廃液)あるいはリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生成物
(リン酸含有廃液)が使用される。そして、このような
放射性廃液の主成分であるホウ酸またはリン酸を不溶化
するための添加剤としては、アルカリ土類金属の化合物
が使用され、例えばカルシウム(Ca)またはマグネシ
ウム(Mg)の塩化物あるいは酸化物もしくは水酸化物
(水酸化カルシウム、塩化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、塩化マグネシウム)等が挙げられる。これらの添
加剤は、粉末のままで、あるいは水溶液またはスラリー
状にして添加することができる。また、これらの添加剤
の添加量は、放射性廃液中のホウ素(B)またはリン
(P)の含有量に対して、CaまたはMgを 0.4〜 0.8
のモル比で含むように調整することが望ましい。このよ
うに調整した廃液を脱水処理した後に固化することで、
固化材としてセメント系の水硬性無機固化材を用いて
も、凝結遅延を起こすことなく良好に固化することが可
能となる。
【0015】なお、添加剤を添加した後の廃液が酸性ま
たはアルカリ性の場合には、後述する脱水処理時に加熱
濃縮すると、液性が強酸性または強アルカリ性となり、
機器の腐食等を引き起こすおそれがある。また、強酸性
または強アルカリ性の廃液は、脱水処理後の乾燥粉体ま
たはスラリーの取扱い性が悪く、さらに、水硬性無機固
化材による固化時に硬化不良を招くことも懸念される。
そのため本発明では、添加剤添加後の廃液のpHを、 6
〜 9の範囲に調整することが望ましい。
たはアルカリ性の場合には、後述する脱水処理時に加熱
濃縮すると、液性が強酸性または強アルカリ性となり、
機器の腐食等を引き起こすおそれがある。また、強酸性
または強アルカリ性の廃液は、脱水処理後の乾燥粉体ま
たはスラリーの取扱い性が悪く、さらに、水硬性無機固
化材による固化時に硬化不良を招くことも懸念される。
そのため本発明では、添加剤添加後の廃液のpHを、 6
〜 9の範囲に調整することが望ましい。
【0016】本発明においては、放射性廃液に前記した
添加剤を添加した後、脱水処理がなされるが、このとき
不溶化された成分を含む廃液を、90℃以上の温度に加熱
して濃縮することが望ましい。上記温度で加熱すること
で、廃液中の未反応のホウ酸またはリン酸が脱水反応
(ホウ酸の場合:H3 BO3 →HBO2 +H2 O)を起
こし、これにより生成したイオンが、添加剤であるCa
またはMgと結合して、ホウ酸またはリン酸の不溶化が
促進される。その結果、水硬性無機固化材の凝結遅延が
いっそう改善される。
添加剤を添加した後、脱水処理がなされるが、このとき
不溶化された成分を含む廃液を、90℃以上の温度に加熱
して濃縮することが望ましい。上記温度で加熱すること
で、廃液中の未反応のホウ酸またはリン酸が脱水反応
(ホウ酸の場合:H3 BO3 →HBO2 +H2 O)を起
こし、これにより生成したイオンが、添加剤であるCa
またはMgと結合して、ホウ酸またはリン酸の不溶化が
促進される。その結果、水硬性無機固化材の凝結遅延が
いっそう改善される。
【0017】本発明においては、脱水処理をより短時間
で行ない処理量を稼ぐために、遠心蒸発乾燥機を用いて
脱水処理を行なうことが望ましい。遠心蒸発乾燥機とし
ては、例えば竪型薄膜乾燥機を使用することができる。
竪型薄膜乾燥機は、ジャケット内に蒸気を供給して 170
〜 180℃に加熱し、加熱された内壁に、回転羽根の遠心
力により廃液を押しつけ薄膜を形成させて伝熱効率を上
げるもので、この装置によれば、供給される廃液を効率
よく瞬時に脱水処理し、乾燥粉体を回収することができ
る。
で行ない処理量を稼ぐために、遠心蒸発乾燥機を用いて
脱水処理を行なうことが望ましい。遠心蒸発乾燥機とし
ては、例えば竪型薄膜乾燥機を使用することができる。
竪型薄膜乾燥機は、ジャケット内に蒸気を供給して 170
〜 180℃に加熱し、加熱された内壁に、回転羽根の遠心
力により廃液を押しつけ薄膜を形成させて伝熱効率を上
げるもので、この装置によれば、供給される廃液を効率
よく瞬時に脱水処理し、乾燥粉体を回収することができ
る。
【0018】なお、このような竪型薄膜乾燥機による脱
水処理方法では、加熱蒸気を供給するためのボイラーが
必要であるが、スペース等の制約上ボイラーの設置が難
しい場合には、廃液をマイクロ波加熱装置により加熱濃
縮して脱水処理することもできる。マイクロ波加熱装置
によれば、廃液を短時間で加熱濃縮することが可能とな
る。
水処理方法では、加熱蒸気を供給するためのボイラーが
必要であるが、スペース等の制約上ボイラーの設置が難
しい場合には、廃液をマイクロ波加熱装置により加熱濃
縮して脱水処理することもできる。マイクロ波加熱装置
によれば、廃液を短時間で加熱濃縮することが可能とな
る。
【0019】さらに本発明においては、ロータリーキル
ンのような気流乾燥装置、あるいは横形パドル式乾燥機
のような円筒回転形乾燥機を用いて、脱水処理を行なう
ことができる。
ンのような気流乾燥装置、あるいは横形パドル式乾燥機
のような円筒回転形乾燥機を用いて、脱水処理を行なう
ことができる。
【0020】またさらに本発明の脱水処理では、廃液を
前記したように蒸発乾固させて放射性廃棄物を回収する
他に、濃縮スラリーを中空糸膜フィルター等で濾過して
回収することも可能である。ただし、Mg化合物のよう
に濾過差圧が高いために通常の濾過が難しい廃液につい
ては、回転円板形加圧式濾過機を用いて廃液を脱水処理
することが望ましい。回転円板形加圧式濾過機は、数枚
のフィルターに廃液を加圧しながら濾過し、濾過された
固形分を回転する羽根で掻き落として回収するものであ
る。このような濾過機を用いることにより、Mg化合物
により不溶化された廃液についも容易に脱水処理を行な
うことができる。
前記したように蒸発乾固させて放射性廃棄物を回収する
他に、濃縮スラリーを中空糸膜フィルター等で濾過して
回収することも可能である。ただし、Mg化合物のよう
に濾過差圧が高いために通常の濾過が難しい廃液につい
ては、回転円板形加圧式濾過機を用いて廃液を脱水処理
することが望ましい。回転円板形加圧式濾過機は、数枚
のフィルターに廃液を加圧しながら濾過し、濾過された
固形分を回転する羽根で掻き落として回収するものであ
る。このような濾過機を用いることにより、Mg化合物
により不溶化された廃液についも容易に脱水処理を行な
うことができる。
【0021】本発明において、脱水処理により粉体また
はスラリーとして回収された固形分に混合される水硬性
無機固化材としては、セメント系の固化材等があり、例
えばポルトランドセメントと、高炉スラグ、フライアッ
シュ、シリカの中から選ばれた1種または2種以上の材
料とを混合して調製されたものを使用することができ
る。また、市販の高炉セメント、フライアッシュセメン
ト、シリカセメント等を用いることも可能である。
はスラリーとして回収された固形分に混合される水硬性
無機固化材としては、セメント系の固化材等があり、例
えばポルトランドセメントと、高炉スラグ、フライアッ
シュ、シリカの中から選ばれた1種または2種以上の材
料とを混合して調製されたものを使用することができ
る。また、市販の高炉セメント、フライアッシュセメン
ト、シリカセメント等を用いることも可能である。
【0022】さらに本発明においては、このようなセメ
ント系の水硬性固化材に縮合リン酸ナトリウムを添加す
ることもできる。縮合リン酸ナトリウムはセメント粒子
を分散させる作用を有するので、添加により、水硬性固
化材の流動性が向上し、廃棄物と固化材とを混合したス
ラリーの取り扱いが容易になるうえに、廃棄物の混練量
を高めることができる。
ント系の水硬性固化材に縮合リン酸ナトリウムを添加す
ることもできる。縮合リン酸ナトリウムはセメント粒子
を分散させる作用を有するので、添加により、水硬性固
化材の流動性が向上し、廃棄物と固化材とを混合したス
ラリーの取り扱いが容易になるうえに、廃棄物の混練量
を高めることができる。
【0023】本発明においては、原子力発電所等から発
生するホウ酸主成分の濃縮廃液やリン酸主成分の廃溶媒
酸化分解生成物に、Ca化合物またはMg化合物を添加
した後脱水処理を行なうことにより、不溶性のホウ酸塩
またはリン酸塩が沈殿回収され、蒸発濃縮による減容化
が可能となる。そして、このように回収されたホウ酸塩
またはリン酸塩を、セメント系の水硬性無機固化材と混
合して固化することで、セメントの凝結遅延を起こすこ
となく多量の廃棄物を安定的に固化することができ、ア
スファルトによる固化と同等の廃棄物投入量が得られ
る。
生するホウ酸主成分の濃縮廃液やリン酸主成分の廃溶媒
酸化分解生成物に、Ca化合物またはMg化合物を添加
した後脱水処理を行なうことにより、不溶性のホウ酸塩
またはリン酸塩が沈殿回収され、蒸発濃縮による減容化
が可能となる。そして、このように回収されたホウ酸塩
またはリン酸塩を、セメント系の水硬性無機固化材と混
合して固化することで、セメントの凝結遅延を起こすこ
となく多量の廃棄物を安定的に固化することができ、ア
スファルトによる固化と同等の廃棄物投入量が得られ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0025】図1は、本発明の放射性廃棄物の固化処理
方法の一実施例を示すフロー図である。
方法の一実施例を示すフロー図である。
【0026】本発明の実施例においては、この図に示す
ように、原子力発電所等から発生するホウ酸含有廃液や
リン酸含有廃液のような放射性廃液に、CaやMgのよ
うなアルカリ土類金属の化合物を添加して主成分である
ホウ酸やリン酸を不溶化し、得られる不溶性のホウ酸化
合物またはリン酸化合物を含む廃液(不溶性ホウ酸廃液
または不溶性リン酸廃液)を脱水処理した後、セメント
系の水硬性無機固化材を加えて混練し、セメント固化体
とする。
ように、原子力発電所等から発生するホウ酸含有廃液や
リン酸含有廃液のような放射性廃液に、CaやMgのよ
うなアルカリ土類金属の化合物を添加して主成分である
ホウ酸やリン酸を不溶化し、得られる不溶性のホウ酸化
合物またはリン酸化合物を含む廃液(不溶性ホウ酸廃液
または不溶性リン酸廃液)を脱水処理した後、セメント
系の水硬性無機固化材を加えて混練し、セメント固化体
とする。
【0027】このような実施例においては、脱水処理工
程で晶析を生じることなく良好に減容化することができ
るうえに、セメントの凝結遅延を起こすことなく多量の
廃棄物を安定的に固化することができる。
程で晶析を生じることなく良好に減容化することができ
るうえに、セメントの凝結遅延を起こすことなく多量の
廃棄物を安定的に固化することができる。
【0028】図2は、本発明の固化処理装置の一実施例
を概略的に示す図である。
を概略的に示す図である。
【0029】実施例の固化処理装置は、図2に示すよう
に、ホウ酸含有廃液やリン酸含有廃液のような放射性廃
液の貯留槽1と、この貯留槽1内に、廃液中の主成分で
あるホウ酸またはリン酸を不溶化するCa化合物または
Mg化合物を供給する供給機構2と、主成分が不溶化さ
れた廃液を脱水処理する脱水処理機3と、脱水後の乾粉
体またはスラリーとセメント系の水硬性無機固化材とを
混練する混練機4と、混練された混合物を移送して処分
容器5に投入する移送機6とから構成される。このよう
な実施例の固化処理装置において、脱水処理システムの
構成を、図3〜図5に基づいて以下に説明する。
に、ホウ酸含有廃液やリン酸含有廃液のような放射性廃
液の貯留槽1と、この貯留槽1内に、廃液中の主成分で
あるホウ酸またはリン酸を不溶化するCa化合物または
Mg化合物を供給する供給機構2と、主成分が不溶化さ
れた廃液を脱水処理する脱水処理機3と、脱水後の乾粉
体またはスラリーとセメント系の水硬性無機固化材とを
混練する混練機4と、混練された混合物を移送して処分
容器5に投入する移送機6とから構成される。このよう
な実施例の固化処理装置において、脱水処理システムの
構成を、図3〜図5に基づいて以下に説明する。
【0030】すなわち、図3に示す脱水処理システムに
おいては、廃液タンク7内の不溶化されたホウ酸カルシ
ウム等を含む廃液を、撹拌機8により撹拌しながら、給
液ポンプ9により遠心蒸発乾燥機(遠心薄膜乾燥機)ま
たはマイクロ波加熱装置10に給液し、これらの乾燥機
または加熱装置10により脱水処理して、ホウ酸カルシ
ウム等の乾燥粉体を得るように構成されている。また、
図4に示す脱水処理システムでは、廃液タンク7から給
液された不溶化されたホウ酸カルシウム等を含む廃液
を、遠心蒸発乾燥機またはマイクロ波加熱装置の代わり
に、気流乾燥装置または円筒回転形乾燥機11を使用し
て脱水処理し、ホウ酸カルシウム等の乾燥粉体を得るよ
うに構成されている。なお、図3および図4において、
符号12は乾燥粉体受け容器、13はブロア(送風
機)、14は復水器、15は凝縮水受け容器をそれぞれ
示している。
おいては、廃液タンク7内の不溶化されたホウ酸カルシ
ウム等を含む廃液を、撹拌機8により撹拌しながら、給
液ポンプ9により遠心蒸発乾燥機(遠心薄膜乾燥機)ま
たはマイクロ波加熱装置10に給液し、これらの乾燥機
または加熱装置10により脱水処理して、ホウ酸カルシ
ウム等の乾燥粉体を得るように構成されている。また、
図4に示す脱水処理システムでは、廃液タンク7から給
液された不溶化されたホウ酸カルシウム等を含む廃液
を、遠心蒸発乾燥機またはマイクロ波加熱装置の代わり
に、気流乾燥装置または円筒回転形乾燥機11を使用し
て脱水処理し、ホウ酸カルシウム等の乾燥粉体を得るよ
うに構成されている。なお、図3および図4において、
符号12は乾燥粉体受け容器、13はブロア(送風
機)、14は復水器、15は凝縮水受け容器をそれぞれ
示している。
【0031】さらに、図5に示す脱水処理システムは、
不溶化されたホウ酸マグネシウムを含む廃液の脱水処理
に好適するシステムであり、廃液タンク7から給液され
たこの放射性廃液を、回転円板形加圧式濾過器16によ
り濾過処理し、濃縮スラリーを得るように構成されてい
る。なお図5において、符号17はスラリー受け容器、
18は濾過水受け容器、19は洗浄水ラインをそれぞれ
示している。
不溶化されたホウ酸マグネシウムを含む廃液の脱水処理
に好適するシステムであり、廃液タンク7から給液され
たこの放射性廃液を、回転円板形加圧式濾過器16によ
り濾過処理し、濃縮スラリーを得るように構成されてい
る。なお図5において、符号17はスラリー受け容器、
18は濾過水受け容器、19は洗浄水ラインをそれぞれ
示している。
【0032】次に、本発明の具体的実施例について説明
する。
する。
【0033】実施例1 ホウ酸を水に溶解し、B濃度として21000ppmに調整し、
これを模擬廃液とした。次いでこの模擬廃液に、添加剤
として水酸化カルシウムの粉末を添加し、不溶性ホウ酸
塩としてホウ酸カルシウムの沈殿を廃液中に得た。次い
で、この不溶性ホウ酸塩を遠心蒸発乾燥機のような脱水
処理機により脱水乾燥し、含水率 1重量%以下のホウ酸
カルシウムの粉体を得た。得られた乾燥粉体を、高炉セ
メントを主成分とする水硬性無機固化材と表1に示す配
合比で混合し、混合物をJIS に定める圧縮強度測定用試
験片を作成するための容器に充填して、セメント固化体
を作製した。
これを模擬廃液とした。次いでこの模擬廃液に、添加剤
として水酸化カルシウムの粉末を添加し、不溶性ホウ酸
塩としてホウ酸カルシウムの沈殿を廃液中に得た。次い
で、この不溶性ホウ酸塩を遠心蒸発乾燥機のような脱水
処理機により脱水乾燥し、含水率 1重量%以下のホウ酸
カルシウムの粉体を得た。得られた乾燥粉体を、高炉セ
メントを主成分とする水硬性無機固化材と表1に示す配
合比で混合し、混合物をJIS に定める圧縮強度測定用試
験片を作成するための容器に充填して、セメント固化体
を作製した。
【0034】
【表1】 このセメント固化体は、養生3日目に凝結した。さらに
室温で28日間湿中養生し、得られた固化体の圧縮強度を
測定したところ、図6に示す結果が得られた。図6のグ
ラフにおいて、横軸は模擬廃液に添加するCa化合物
(水酸化カルシウム)の量を、CaとB(模擬廃液中の
ホウ素)のモル比に換算して表わしており、縦軸は得ら
れたセメント固化体の圧縮強度を表わしている。
室温で28日間湿中養生し、得られた固化体の圧縮強度を
測定したところ、図6に示す結果が得られた。図6のグ
ラフにおいて、横軸は模擬廃液に添加するCa化合物
(水酸化カルシウム)の量を、CaとB(模擬廃液中の
ホウ素)のモル比に換算して表わしており、縦軸は得ら
れたセメント固化体の圧縮強度を表わしている。
【0035】このグラフから、セメント固化体の圧縮強
度は、Ca/Bモル比が0.6 のときに最大値 44.3kg/cm
2 となることがわかった。また、放射性廃棄物を浅地中
処分する際に固化体に要求される圧縮強度は、 15kg/cm
2 であるので、Ca/Bモル比は0.4 から0.8 の範囲が
適当であることが確認された。
度は、Ca/Bモル比が0.6 のときに最大値 44.3kg/cm
2 となることがわかった。また、放射性廃棄物を浅地中
処分する際に固化体に要求される圧縮強度は、 15kg/cm
2 であるので、Ca/Bモル比は0.4 から0.8 の範囲が
適当であることが確認された。
【0036】実施例2 ホウ酸を水に溶解し、B濃度として21000ppmに調整した
模擬廃液に、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、水酸
化マグネシウム、および塩化マグネシウムの粉末または
水溶液をそれぞれ添加し、廃液中に不溶性ホウ酸塩とし
て、ホウ酸カルシウムまたはホウ酸マグネシウムの沈殿
を得た。次いでこの廃液を、実施例1と同様に脱水処理
し次いで固化処理を行ない、得られたセメント固化体の
圧縮強度をそれぞれ測定した。測定の結果、表2に示す
ように、Ca/Bモル比あるいはMg/Bモル比が0.6
のときに得られた固化体の圧縮強度は、塩化カルシウム
添加では 40.3kg/cm2 、水酸化マグネシウム添加では 3
8.8kg/cm2 、塩化マグネシウム添加では 38.0kg/cm2 と
なり、いずれの場合も、放射性廃棄物の浅地中処分に十
分な圧縮強度が得られることがわかった。
模擬廃液に、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、水酸
化マグネシウム、および塩化マグネシウムの粉末または
水溶液をそれぞれ添加し、廃液中に不溶性ホウ酸塩とし
て、ホウ酸カルシウムまたはホウ酸マグネシウムの沈殿
を得た。次いでこの廃液を、実施例1と同様に脱水処理
し次いで固化処理を行ない、得られたセメント固化体の
圧縮強度をそれぞれ測定した。測定の結果、表2に示す
ように、Ca/Bモル比あるいはMg/Bモル比が0.6
のときに得られた固化体の圧縮強度は、塩化カルシウム
添加では 40.3kg/cm2 、水酸化マグネシウム添加では 3
8.8kg/cm2 、塩化マグネシウム添加では 38.0kg/cm2 と
なり、いずれの場合も、放射性廃棄物の浅地中処分に十
分な圧縮強度が得られることがわかった。
【0037】
【表2】 実施例3 ホウ酸を水に溶解しB濃度として21000ppmに調整した模
擬廃液を、NaとBのモル比(Na/B)が0.35になる
ように苛性ソーダで中和した後、添加剤として水酸化カ
ルシウムの粉末を添加し、実施例1と同様に脱水処理し
次いで固化処理を行ない、セメント固化体を得た。この
固化体を室温で28日間湿中養生した後、圧縮強度を測定
したところ、Ca/Bモル比が0.6 のときの固化体の圧
縮強度が46.3kg/cm2 となり、苛性ソーダで中和処理を
行わなかったセメント固化体と比べて、同程度あるいは
それ以上の圧縮強度を有する固化体が得られることがわ
かった。
擬廃液を、NaとBのモル比(Na/B)が0.35になる
ように苛性ソーダで中和した後、添加剤として水酸化カ
ルシウムの粉末を添加し、実施例1と同様に脱水処理し
次いで固化処理を行ない、セメント固化体を得た。この
固化体を室温で28日間湿中養生した後、圧縮強度を測定
したところ、Ca/Bモル比が0.6 のときの固化体の圧
縮強度が46.3kg/cm2 となり、苛性ソーダで中和処理を
行わなかったセメント固化体と比べて、同程度あるいは
それ以上の圧縮強度を有する固化体が得られることがわ
かった。
【0038】実施例4 ホウ酸含有模擬廃液(B濃度21000ppm)に、水酸化カル
シウムの粉末を添加してCa/Bモル比 0.6に調整した
廃液を、温度を変えて脱水処理を行なった。脱水処理
は、添加剤を添加した前記廃液を、恒温装置を用いて所
定の温度で1時間加熱することにより行なった。次い
で、廃液を濾過した後、得られたホウ酸カルシウムに、
前記表1に示す水硬性無機固化材を同表に示す配合比で
混合し、それぞれ固化を行なった。得られたセメント固
化体について、常温で湿中養生した3日後の貫入抵抗値
を、ASTMに定める方法に準拠してそれぞれ測定した。測
定結果を表3に示す。
シウムの粉末を添加してCa/Bモル比 0.6に調整した
廃液を、温度を変えて脱水処理を行なった。脱水処理
は、添加剤を添加した前記廃液を、恒温装置を用いて所
定の温度で1時間加熱することにより行なった。次い
で、廃液を濾過した後、得られたホウ酸カルシウムに、
前記表1に示す水硬性無機固化材を同表に示す配合比で
混合し、それぞれ固化を行なった。得られたセメント固
化体について、常温で湿中養生した3日後の貫入抵抗値
を、ASTMに定める方法に準拠してそれぞれ測定した。測
定結果を表3に示す。
【0039】
【表3】 表3から、90℃以上の温度で加熱処理した場合は、養生
3日後の貫入抵抗値が280kg/cm2 以上となり、凝結が終
結していることがわかった。これに対して、80℃以下の
加熱処理では、固化体の凝結に遅延が見られ、養生3日
後では始発(凝結始発の貫入抵抗値: 35kg/cm2 )に達
していないことがわかった。
3日後の貫入抵抗値が280kg/cm2 以上となり、凝結が終
結していることがわかった。これに対して、80℃以下の
加熱処理では、固化体の凝結に遅延が見られ、養生3日
後では始発(凝結始発の貫入抵抗値: 35kg/cm2 )に達
していないことがわかった。
【0040】実施例5 図3に示す脱水処理システムを使用して脱水処理を行な
い、次いで実施例と同様にしてセメント固化を行なっ
た。
い、次いで実施例と同様にしてセメント固化を行なっ
た。
【0041】すなわち、廃液タンク7内の不溶化された
ホウ酸カルシウムを含む廃液を、撹拌機8により撹拌し
ながら、35〜 40l/hの供給速度で0.5m2 の乾燥面積を有
する遠心蒸発乾燥機10に給液し、乾燥機10内部の回
転羽の周速を 10m/sとし、連続 8時間運転することによ
り、含水率 1重量%以下のホウ酸カルシウムの粉体68.5
kgを得ることができた。
ホウ酸カルシウムを含む廃液を、撹拌機8により撹拌し
ながら、35〜 40l/hの供給速度で0.5m2 の乾燥面積を有
する遠心蒸発乾燥機10に給液し、乾燥機10内部の回
転羽の周速を 10m/sとし、連続 8時間運転することによ
り、含水率 1重量%以下のホウ酸カルシウムの粉体68.5
kgを得ることができた。
【0042】また、廃液タンク7内の不溶化されたホウ
酸カルシウムを含む廃液を、 35l/hの供給速度でマイク
ロ波加熱装置10に給液し、このマイクロ波加熱装置1
0により出力 5kWで 2450MHzのマイクロ波を照射し、約
8時間半運転することにより、含水率 1重量%以下のホ
ウ酸カルシウムの粉体69.8kgを得ることができた。
酸カルシウムを含む廃液を、 35l/hの供給速度でマイク
ロ波加熱装置10に給液し、このマイクロ波加熱装置1
0により出力 5kWで 2450MHzのマイクロ波を照射し、約
8時間半運転することにより、含水率 1重量%以下のホ
ウ酸カルシウムの粉体69.8kgを得ることができた。
【0043】次いでこれらの粉体に、前記表1に示す水
硬性無機固化材を同表に示す配合比で混合し、それぞれ
固化を行なった。得られたセメント固化体の養生28日後
の圧縮強度は、遠心蒸発乾燥機により脱水処理した場合
が 45.3kg/cm2 、マイク口波加熱装置により脱水した場
合が 46.2kg/cm2 であり、いずれの場合も、放射性廃棄
物の浅地中処分に十分な圧縮強度が得られた。
硬性無機固化材を同表に示す配合比で混合し、それぞれ
固化を行なった。得られたセメント固化体の養生28日後
の圧縮強度は、遠心蒸発乾燥機により脱水処理した場合
が 45.3kg/cm2 、マイク口波加熱装置により脱水した場
合が 46.2kg/cm2 であり、いずれの場合も、放射性廃棄
物の浅地中処分に十分な圧縮強度が得られた。
【0044】実施例6 図4に示す脱水処理システムを使用して脱水処理を行な
い、含水率 1重量%以下のホウ酸カルシウム粉体を良好
に回収することができた。次いで、これらの粉体に、実
施例5と同様に、表1に示す水硬性無機固化材を同表に
示す配合比で混合し、それぞれ固化を行なったところ、
得られたセメント固化体の養生28日後の圧縮強度は、気
流乾燥装置により脱水処理した場合が 42.4kg/cm2 、円
筒回転形乾燥機により脱水した場合が 47.0kg/cm2 であ
り、いずれの場合も、放射性廃棄物の浅地中処分に十分
な圧縮強度が得られた。
い、含水率 1重量%以下のホウ酸カルシウム粉体を良好
に回収することができた。次いで、これらの粉体に、実
施例5と同様に、表1に示す水硬性無機固化材を同表に
示す配合比で混合し、それぞれ固化を行なったところ、
得られたセメント固化体の養生28日後の圧縮強度は、気
流乾燥装置により脱水処理した場合が 42.4kg/cm2 、円
筒回転形乾燥機により脱水した場合が 47.0kg/cm2 であ
り、いずれの場合も、放射性廃棄物の浅地中処分に十分
な圧縮強度が得られた。
【0045】実施例7 図6に示す脱水処理システムを使用して脱水処理を行な
った。
った。
【0046】すなわち、予め恒温装置により 100℃で 1
時間処理された不溶化されたホウ酸マグネシウムを含む
廃液を、廃液タンク7内で十分撹拌しながら、0.5m2 の
膜面積を有する回転円板形加圧式ろ過器16に、入口圧
力5.0kg/cm2 で給液し、 230〜425l/hの処理容量を確保
しながら連続 130分間運転することにより、含水率56重
量%以下のホウ酸マグネシウムのスラリー 135.7kgを得
ることができた。
時間処理された不溶化されたホウ酸マグネシウムを含む
廃液を、廃液タンク7内で十分撹拌しながら、0.5m2 の
膜面積を有する回転円板形加圧式ろ過器16に、入口圧
力5.0kg/cm2 で給液し、 230〜425l/hの処理容量を確保
しながら連続 130分間運転することにより、含水率56重
量%以下のホウ酸マグネシウムのスラリー 135.7kgを得
ることができた。
【0047】得られた濃縮スラリーを、高炉セメントを
主成分とする水硬性無機固化材と表4に示す配合比で混
合し、セメント固化体を作製した。得られたセメント固
化体の養生28日後の圧縮強度は、 35.3kg/cm2 であっ
た。
主成分とする水硬性無機固化材と表4に示す配合比で混
合し、セメント固化体を作製した。得られたセメント固
化体の養生28日後の圧縮強度は、 35.3kg/cm2 であっ
た。
【0048】
【表4】 実施例8、9 実施例1と同様に添加剤により不溶化したホウ酸カルシ
ウムの沈殿を、脱水処理した後、セメント固化する際
に、水硬性無機固化材と表5に示す配合比でそれぞれ混
合した。そして、これらの混合ペーストの粘度を回転粘
度計によりそれぞれ測定した。測定結果を表5に示す。
ウムの沈殿を、脱水処理した後、セメント固化する際
に、水硬性無機固化材と表5に示す配合比でそれぞれ混
合した。そして、これらの混合ペーストの粘度を回転粘
度計によりそれぞれ測定した。測定結果を表5に示す。
【0049】
【表5】 表5の結果から、高炉セメントとともに縮合リン酸ナト
リウムを添加しない比較例において、ペーストの粘度が
104dPa・s と極めて高くなったのに対して、縮合リン酸
ナトリウムを適切な配合比で添加した実施例では粘度が
30〜 40dPa・sと大幅に低下し、縮合リン酸ナトリウム
の添加によりペーストの流動性が向上し、取扱性が向上
することがわかった。
リウムを添加しない比較例において、ペーストの粘度が
104dPa・s と極めて高くなったのに対して、縮合リン酸
ナトリウムを適切な配合比で添加した実施例では粘度が
30〜 40dPa・sと大幅に低下し、縮合リン酸ナトリウム
の添加によりペーストの流動性が向上し、取扱性が向上
することがわかった。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、原子力発電所等から発生するホウ酸主成分の
濃縮廃液あるいはリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生成物
を、晶析を生じることなく良好に脱水処理して減容化す
ることができるうえに、こうして脱水処理された廃棄物
を、セメント系の水硬性無機固化材により、凝結遅延を
起こすことなく容易に固化させ、長期に亘る安定性と耐
久性に優れた固化体を得ることができる。
によれば、原子力発電所等から発生するホウ酸主成分の
濃縮廃液あるいはリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生成物
を、晶析を生じることなく良好に脱水処理して減容化す
ることができるうえに、こうして脱水処理された廃棄物
を、セメント系の水硬性無機固化材により、凝結遅延を
起こすことなく容易に固化させ、長期に亘る安定性と耐
久性に優れた固化体を得ることができる。
【0051】したがって、従来に比べて放射性廃棄物の
投入量を大幅に増大することができるうえに、固化体の
養生スペースを小さくすることができ、処理コストの低
減にも寄与する。
投入量を大幅に増大することができるうえに、固化体の
養生スペースを小さくすることができ、処理コストの低
減にも寄与する。
【図1】本発明の放射性廃棄物の固化処理方法の一実施
例を示すフロー図。
例を示すフロー図。
【図2】本発明の固化処理装置の一実施例を概略的に示
す図。
す図。
【図3】実施例の固化処理装置において、遠心蒸発乾燥
機またはマイクロ波加熱装置を用いたホウ酸カルシウム
廃液の脱水処理システムを概略的に示す図。
機またはマイクロ波加熱装置を用いたホウ酸カルシウム
廃液の脱水処理システムを概略的に示す図。
【図4】実施例の固化処理装置において、気流乾燥装置
または円筒回転形乾燥機を用いたホウ酸カルシウム廃液
の脱水処理システムを概略的に示す図。
または円筒回転形乾燥機を用いたホウ酸カルシウム廃液
の脱水処理システムを概略的に示す図。
【図5】実施例の固化処理装置において、回転円板形加
圧式ろ過器を用いたホウ酸マグネシウム廃液の脱水処理
システムを概略的に示す図。
圧式ろ過器を用いたホウ酸マグネシウム廃液の脱水処理
システムを概略的に示す図。
【図6】ホウ酸含有廃液のセメント固化におけるCa化
合物の添加量とセメント固化体の圧縮強度との関係を表
わすグラフ。
合物の添加量とセメント固化体の圧縮強度との関係を表
わすグラフ。
1………放射性廃液の貯留槽 2………供給機構 3………脱水処理機 4………混練機 7………廃液タンク 9………給液ポンプ 10………遠心蒸発乾燥機またはマイクロ波加熱装置 11………気流乾燥装置または円筒回転形乾燥機 12………乾燥粉体受け容器 16………回転円板形加圧式濾過器 17………スラリー受け容器
フロントページの続き (72)発明者 三倉 通孝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 石井 友晴 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エ ンジニアリング株式会社内
Claims (13)
- 【請求項1】 放射性廃棄物を含む廃液に、該廃液中に
溶解している主成分を不溶化する添加剤を添加し、次い
で脱水処理した後、得られた粉体またはスラリーに水硬
性無機固化材を混合して固化することを特徴とする放射
性廃棄物の固化処理方法。 - 【請求項2】 前記廃液が、ホウ酸主成分の濃縮廃液ま
たはリン酸主成分の廃溶媒酸化分解生成物であることを
特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理方
法。 - 【請求項3】 前記添加剤が、カルシウムまたはマグネ
シウムの塩化物、酸化物あるいは水酸化物から選ばれた
アルカリ土類金属化合物であることを特徴とする請求項
1または2記載の放射性廃棄物の固化処理方法。 - 【請求項4】 前記添加剤の添加量を、前記廃液中のホ
ウ素またはリンの含有量に対して、カルシウムまたはマ
グネシウムを 0.4〜 0.8のモル比で含むように調整する
ことを特徴とする請求項3記載の放射性廃棄物の固化処
理方法。 - 【請求項5】 前記脱水処理する際に、不溶化された成
分を含む前記廃液を90℃以上の温度に加熱することを特
徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の放射性廃
棄物の固化処理方法。 - 【請求項6】 前記水硬性無機固化材が、ポルトランド
セメントと、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカの中
から選ばれた1種または2種以上の材料とを混合して調
製されたものであることを特徴とする請求項1乃至5の
いずれか1項記載の放射性廃棄物の固化処理方法。 - 【請求項7】 前記水硬性無機固化材に、縮合リン酸ナ
トリウムを添加することを特徴とする請求項1乃至6の
いずれか1項記載の放射性廃棄物の固化処理方法。 - 【請求項8】 放射性廃棄物を含む廃液に、該廃液中に
溶解している主成分を不溶化する添加剤を供給し添加す
る供給機構と、不溶化された成分を含む廃液を脱水する
脱水処理機と、前記脱水処理機により脱水された粉体ま
たはスラリーと水硬性無機固化材とを混練する混練機と
を備えたことを特徴とする放射性廃棄物の固化処理装
置。 - 【請求項9】 前記脱水処理機が、遠心蒸発乾燥機であ
ることを特徴とする請求項8記載の放射性廃棄物の固化
処理装置。 - 【請求項10】 前記脱水処理機が、マイクロ波加熱装
置であることを特徴とする請求項8記載の放射性廃棄物
の固化処理装置。 - 【請求項11】 前記脱水処理機が、気流乾燥装置であ
ることを特徴とする請求項8記載の放射性廃棄物の固化
処理装置。 - 【請求項12】 前記脱水処理機が、円筒回転形乾燥機
であることを特徴とする請求項8記載の放射性廃棄物の
固化処理装置。 - 【請求項13】 前記脱水処理機が、回転円板形加圧式
濾過機であることを特徴とする請求項8記載の放射性廃
棄物の固化処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08286948A JP3107758B2 (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 放射性廃棄物の固化処理方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08286948A JP3107758B2 (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 放射性廃棄物の固化処理方法およびその装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10132997A true JPH10132997A (ja) | 1998-05-22 |
| JP3107758B2 JP3107758B2 (ja) | 2000-11-13 |
Family
ID=17711033
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08286948A Expired - Lifetime JP3107758B2 (ja) | 1996-10-29 | 1996-10-29 | 放射性廃棄物の固化処理方法およびその装置 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3107758B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2043109A1 (en) * | 2007-09-26 | 2009-04-01 | Atomic Energy Council - Institute of Nuclear Energy Research | Method for solidifying and stabilizing waste acid |
| JP2012058033A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Toshiba Corp | ホウ酸含有廃液の処理方法及び処理装置 |
| JP2014157107A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Veolia Water Japan Kk | 放射性汚染物の除染方法 |
| CN110648777A (zh) * | 2019-06-20 | 2020-01-03 | 中国辐射防护研究院 | 一种低pH值放射性废液的高效水泥固化处理方法 |
| CN120432219A (zh) * | 2025-07-04 | 2025-08-05 | 深圳大学 | 一种用于处理含An3+与An4+放射性泥浆的烧结固化体及固化方法 |
-
1996
- 1996-10-29 JP JP08286948A patent/JP3107758B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2043109A1 (en) * | 2007-09-26 | 2009-04-01 | Atomic Energy Council - Institute of Nuclear Energy Research | Method for solidifying and stabilizing waste acid |
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| JP3107758B2 (ja) | 2000-11-13 |
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