JPH101332A - 耐薬品性部材 - Google Patents

耐薬品性部材

Info

Publication number
JPH101332A
JPH101332A JP8155799A JP15579996A JPH101332A JP H101332 A JPH101332 A JP H101332A JP 8155799 A JP8155799 A JP 8155799A JP 15579996 A JP15579996 A JP 15579996A JP H101332 A JPH101332 A JP H101332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
diamond
hard carbon
carbon film
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8155799A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Atsunushi
成生 厚主
Fumio Fukumaru
文雄 福丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP8155799A priority Critical patent/JPH101332A/ja
Publication of JPH101332A publication Critical patent/JPH101332A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Devices For Use In Laboratory Experiments (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】酸やアルカリとの接触において、従来のダイヤ
モンド膜では、局所的な腐食が見られた。 【解決手段】酸、アルカリ等と接する表面を、ラマン分
光スペクトルにおいて1340±40cm-1と1160
±40cm-1にピークが存在し、且つ1160±40c
-1に存在するピークのうち最も強度の強いピーク強度
をH1 、1340±40cm-1に存在するピークのうち
最も強度の強いピーク強度をH2 とした時、H1 /H2
で表されるピーク強度比が0.05以上の緻密でボイド
がない表面平滑性に優れたダイヤモンドを主とする硬質
炭素膜により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸やアルカリなど
の薬品と接触する化学実験用器具、化学プラント用部
材、医療用器具などに使用される耐薬品性部材に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】従来より、化学実験用器具、化学プラント
用部材として、酸やアルカリと接触する部材としては、
耐薬品性に優れることが要求され、これまで、ステンレ
ス鋼や銅のような金属材料、石英ガラスやホウケイ酸ガ
ラスのようなガラス材料、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹
脂、Al2 3 (アルミナ)などのセラミックス等が用
いられてきた。
【0003】ところが、特に、フッ酸(フッ化水素酸)
などの強酸や強アルカリ性の薬品に対しては、金属材
料、ガラス材料やセラミックスは、腐食するためにその
用途が限られていた。また、樹脂などからなる部材は、
耐腐食性にはある程度優れるものの、溶剤に対して溶解
したり耐熱性に劣ることからその用途も限定されてい
た。
【0004】そこで、これら耐薬品性部材として、その
表面にダイヤモンド状炭素やダイヤモンド薄膜を形成す
ることが特開昭64−27638号、特開平4−194
86号等に提案されている。これらの薄膜は、炭素によ
るSP3 結合した化学的に非常に安定したダイヤモンド
を含むことからフッ酸等に対しても高い耐薬品性が期待
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ダイヤモンド薄膜は、その表面は、平均粒径が1〜10
μm程度のダイヤモンド結晶粒によって構成され、結晶
粒間には、粒界相が存在し、場合によっては、結晶粒間
にボイドが形成されている場合もある。このようなダイ
ヤモンド薄膜を例えば、フッ酸等と接触させると、粒界
相やボイド部分が局所的に浸食されて、薬品が薄膜内部
まで浸食し、最終的には薄膜を形成した部材にまで到達
するという問題があった。
【0006】また、ダイヤモンド状炭素では、膜厚を大
きくすると基体との密着性が不十分となり剥離しやすく
なるために膜厚を小さくする必要があり、そのため、浸
食のの進行によって基体が容易に露出してしまうという
問題があった。
【0007】さらに、従来のダイヤモンド膜表面には、
粗大なダイヤモンド結晶による凹凸が存在し、各種薬品
類と接触した時に、凹部やボイド中にその薬品が残存し
てしまう場合もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するための方法について検討を重ねた結果、酸や
アルカリ等の薬品と接触する部材表面を、ラマン分光ス
ペクトルにおいて1160±40cm-1と1340±4
0cm-1にピークが存在する硬質炭素膜によって構成す
ることにより、薬品に対して局所的な腐食を生じること
なく、信頼性の高い耐薬品性に優れた表面を形成するこ
とができることを見いだし、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の耐薬品性部材は、酸やアル
カリ等の薬品と接する表面が、ラマン分光スペクトルに
おいて1340±40cm-1と1160±40cm-1
ピークが存在し、且つ1160±40cm-1に存在する
ピークのうち最も強度の強いピーク強度をH1 、134
0±40cm-1に存在するピークのうち最も強度の強い
ピーク強度をH2 とした時、H1 /H2 で表されるピー
ク強度比が0.05以上の硬質炭素膜からなることを特
徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における耐薬品性部材は、
酸またはアルカリ等の薬品と直接接する必要のある部
材、例えば、ビーカ、フラスコなどの化学実験用器具、
酸またはアルカリの液体が流れる管部材等の化学プラン
ト用部材、ピンセットなどの医療用器具などに使用され
るものである。
【0011】一般に知られるダイヤモンド膜は、高純度
ダイヤモンドからなり、炭素原子間がSP3 混成で結合
された構造からなり、ラマン分光スペクトルにおいて、
1340±40cm-1にのみピークを有するものであ
り、場合によってSP2 混成で結合されたグラファイト
構造の炭素等を含む場合は、1500〜1600cm-1
付近にブロードなピークを有する場合もある。また、こ
のダイヤモンド膜は、ダイヤモンド結晶粒が大きいこと
により、結晶の自形による成膜後の表面の凹凸が大き
く、結晶粒界が存在し、また薄膜内部にボイドが多量に
存在する。
【0012】これに対して、本発明の耐薬品性部材の表
面に形成された硬質炭素膜は、ダイヤモンドを主とする
ものであるが、ラマン分光スペクトルにおいて、134
0±40cm-1に加え、1160±40cm-1にピーク
を有するものである。この1160±40cm-1のピー
クは、ダイヤモンド構造からなるものの、極めて微細な
結晶のダイヤモンド粒子からなるためにその結晶の周期
が短いことを意味するものと考えられる。従って、本発
明における硬質炭素膜は、ダイヤモンド結晶が極めて微
細な粒子により構成される。このように、硬質炭素膜自
体が非常に緻密質で且つ結晶粒界成分がほとんどない膜
によって構成されるために、薬品と接触した場合におい
て、膜中のボイド等や結晶粒界による局所的な浸食がな
く、優れた耐薬品性を発揮することができる。しかも、
従来のようなダイヤモンド結晶による凹凸がなく平坦性
に優れたものである。また、グラファイト構造を微量含
んでいても高硬度と耐摩耗性を有するものである。
【0013】よって、上記硬質炭素膜を所定の母材表面
に形成する場合において、あらゆる形状の母材の表面に
形成しても、母材表面形状に整合した平滑で緻密な膜面
を形成でき、耐薬品性が要求される部材表面に高い平滑
性が要求される場合においても母材表面を所望の表面粗
さに仕上げておくと、平滑性に優れた硬質炭素膜を形成
することができる。仮に、膜表面を研磨する必要がある
時も従来のダイヤモンド膜に比較して容易に研磨でき、
ボイドのない膜面を形成できる。
【0014】本発明における硬質炭素膜のラマン分光ス
ペクトルにおける1160±40cm-1のピーク強度に
ついて具体的に説明する。図1に示すように得られたラ
マンスペクトルの曲線において、1100cm-1と17
00cm-1の位置間で斜線を引き、これをベースライン
として、1160±40cm-1に存在するピークのうち
最も強度の高いピーク強度をH1 、1340±40cm
-1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク強度を
2 とする。このときH1 /H2 で表されるピーク強度
比が0.05以上であることが重要である。
【0015】このピーク強度比が小さすぎると、ダイヤ
モンド結晶粒子が大きく成長し過ぎ、膜中にボイドが発
生したり膜の表面粗さが大きくなり、薬品による局所的
な腐食が進行しやすくなる。また、ピーク強度比が大き
すぎると非晶質ダイヤモンドの存在が増加し、非晶質ダ
イヤモンドの浸食が進行し膜表面に荒れや変色が生じ
る。このピーク強度比は0.2乃至1.0であることが
望ましい。
【0016】本発明における耐薬品性部材によれば、上
記硬質炭素膜は、所定の母材表面に被覆されたものであ
ることが望ましい。その場合、硬質炭素膜は、母材との
密着性が高いことが要求される。耐薬品性部材の母材材
種としては、例えば、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミ
ナ、ジルコニアなどのセラミックス、チタン合金、超硬
合金、サーメット、ステンレス鋼などの金属材料、石英
ガラス、ホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が挙げられ
る。これらの中でもガラス、窒化ケイ素、Ti合金が望
ましい。これらの母材はそのまま用いることもできる
し、気相成長法などの薄膜形成技術で、これらの母材材
種を他の部材表面に薄膜として形成されたものでもよ
い。また、硬質炭素膜の厚みは、平均で1〜10μm、
特に2〜8μmの厚みが好適である。
【0017】また、硬質炭素膜の母材との密着性を高め
る上で、母材表面と硬質炭素膜との間に、少なくともダ
イヤモンドと金属炭化物との複合体からなる中間層を介
在させることにより、極めて密着性の良い硬質炭素膜を
形成することができる。
【0018】このような中間層の介在によって硬質炭素
膜と母材との密着強度が向上する理由は次のように考え
られる。原子同士は電子を介在することにより結合され
ているが、一般に、原子間の電子が一方に存在して電気
的な結び付きにより結合しているイオン結合よりも、電
子を双方の原子で共有している共有結合の方が強い結合
力を持つ。ダイヤモンドは炭素の共有結合により構成さ
れているので強い結合力を有している。したがって、ダ
イヤモンドと異種化合物との密着強度を向上させるため
には類似の結合様式である共有結合性の化合物であるこ
とが望ましいと考えられる。またダイヤモンドの成分で
ある炭素を含む化合物の方がより整合性がよいと思われ
る。金属炭化物は数多く存在するがその多くはイオン性
結合を主体としたものである。共有結合性炭化物として
は炭化ケイ素や炭化ホウ素があるが、本発明の耐薬品性
部材においては炭化ケイ素が最も望ましい。
【0019】このような金属炭化物とダイヤモンドが混
在する中間層を硬質炭素膜と母材との間に形成すること
により、硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する。ま
たこのダイヤモンドと、金属炭化物は層分離して存在し
ているのではなく、ダイヤモンドの周りを金属炭化物が
取り囲むような構造を呈し、ダイヤモンドが島状に分布
した構造となるために、いわゆるアンカー効果により密
着性が向上する。
【0020】本発明における硬質炭素膜を作製する方法
としては、従来より炭素膜を生成手段として、マイクロ
波や高周波によりプラズマを発生させて所定の基体表面
に炭素膜を形成する、いわゆるプラズマCVD法あるい
は熱フィラメント法が主流である。しかしながら、プラ
ズマCVD法では、プラズマ発生領域が小さいために、
成膜できる面積が小さく、成膜できる面積が一般に直径
20mm程度であり、加工用部材としての応用が限られ
る。また圧力が高すぎるか、もしくはプラズマ密度が低
すぎるために基体が複雑な構造を有する場合や曲面構造
を有する場合、その構造に沿った均一なプラズマが得ら
れず、膜厚分布が不均一になりやすい。
【0021】一方、熱フィラメントCVD法では、フィ
ラメントが切れやすく、また膜厚のバラツキを抑制する
ために母材の形状に合わせてフィラメントを設置する必
要があり、装置が汎用性に欠けるなどの欠点を有してい
る。
【0022】これに対して、プラズマCVD法における
プラズマ発生領域に磁界をかけた、いわゆる電子サイク
ロトロン共鳴プラズマCVD法によれば、低圧下(1t
orr以下)で高密度のプラズマを得ることができるた
めに、プラズマを広い領域に均一に発生させることがで
き、通常のプラズマCVD法に比較して約10倍程度の
面積に均一に膜の形成を行うことができる。
【0023】よって、ここでは、電子サイクロトロン共
鳴プラズマCVD法(ECRプラズマCVD法)を例に
とって説明する。この方法では、内部に所定の母材が設
置された反応炉内に反応ガスを導入すると同時に2.4
5GHzのマイクロ波を導入する。それと同時にこの領
域に対して875ガウス以上のレベルの磁界を印加す
る。これにより電子はサイクロトロン周波数f=eB/
2πm(但し,m:電子の質量、e:電子の電荷,B:
磁束密度)にもとづきサイクロトロン運動を起こす。こ
の周波数がマイクロ波の周波数(2.45GHz)と一
致すると共鳴し、電子はマイクロ波のエネルギーを著し
く吸収して加速され、中性分子に衝突、電離を生じせし
めて高密度のプラズマを生成するようになる。この時の
母材の温度は150〜1000℃、炉内圧力1×10-2
〜1torrに設定される。
【0024】かかる方法によれば、成膜時の母材温度、
炉内圧力および反応ガス濃度を変化させることにより成
膜される硬質炭素膜の成分等が変化する。具体的には、
炉内圧力が高くなるとプラズマの領域が小さくなり、膜
の成長速度が下がるが結晶性は向上する傾向にある。ま
た、反応ガス濃度が高くなると、膜を構成する粒子の大
きさが小さくなり、結晶性が悪くなる傾向にある。これ
らの条件を具体的には後述する実施例に記載されるよう
に適宜制御することにより、前述したH1 /H2 比を制
御することができる。
【0025】上記の成膜方法において、本発明の耐薬品
性部材を作製する場合、硬質炭素膜の形成にあたっては
原料ガスとして水素と炭素含有ガスを用いる。用いる炭
素含有ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパ
ンなどのアルカン類、エチレン、プロピレンなどのアル
ケン類、アセチレンなどのアルキン類、ベンゼンなどの
芳香族炭化水素類、シクロプロパンなどのシクロパラフ
ィン類、シクロペンテンなどのシクロオレフィン類など
が挙げられる。また一酸化炭素、二酸化炭素、メチルア
ルコール、エチルアルコール、アセトンなどの含酸素炭
素化合物、モノ(ジ、トリ)メチルアミン、モノ(ジ、
トリ)エチルアミンなどの含窒素炭素化合物なども炭素
源ガスとして使用することができる。これらは一種単独
で用いることもできるし、二種以上で併用することもで
きる。
【0026】また、前述したようなダイヤモンドと炭化
ケイ素の混合物からなる中間層を形成するには、所望に
よりダイヤモンド核発生処理を行った後、反応ガスとし
て、水素と、炭素含有ガスおよびケイ素含有ガスを導入
する。前記ケイ素含有ガスとしては、四フッ化ケイ素、
四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのハロゲン化物、二酸
化ケイ素などの酸化物の他に、モノ(ジ、トリ、テト
ラ、ペンタ)シラン、モノ(ジ、トリ、テトラ)メチル
シランなどのシラン化合物、トリメチルシラノールなど
のシラノール化合物などが挙げられる。これらは一種単
独で用いることもできるし、二種以上で併用することも
できる。
【0027】このように、本発明における硬質炭素膜
は、微粒組織のダイヤモンドを主体とするものであり、
しかも緻密質で膜表面および内部にボイド等の欠陥がな
く、また膜表面も平滑性に優れたものである。したがっ
て酸やアルカリと接する部材表面にこの硬質炭素膜を形
成すると、これら薬品に対する高い耐腐食性を付与する
ことができ、特に薬品によるボイド等による局所的な腐
食の発生を防止するとともに、薬品の膜のボイドや凹部
への残留も防止することができる。
【0028】また、部材表面と硬質炭素膜との間に、少
なくともダイヤモンドと金属炭化物とを含む中間層を介
在させることにより、硬質炭素膜の母材への密着性を高
めることができるために、硬質炭素膜の母材からの剥離
等を防止できる。
【0029】
【実施例】
(実施例)電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD装置
の炉内に、母材として窒化ケイ素質焼結体(Y2O33重量
%、Al2O3 4重量%含有)、チタン合金(Ti−6Al
−4V)、ホウケイ酸ガラスのいずれかからなる100
ml容器を設置した。
【0030】そこに、H2 297sccm、CH4 3s
ccmのガスを用いて、ガス濃度1%、母材温度650
℃、炉内圧力0.1torrで3時間処理して、ダイヤ
モンド核を発生させた後、原料ガスとしてH2 ガス、C
4 ガスおよびSi(CH34 ガスを用いて、 H2 297sccm CH4 3sccm Si(CH3)4 0.3sccm の割合でガス濃度1%、母材温度650℃、炉内圧力
0.05torrの条件で電子サイクロトロン共鳴(E
CR)プラズマCVD法により最大2kガウスの強度の
磁場を印加させ、マイクロ波出力3.0KWの条件で1
0時間成膜して容器内面にダイヤモンドと炭化ケイ素が
混在した厚さ1μmの中間層を形成した。
【0031】また、表1中、試料No.4については、中
間層形成を H2 300sccm Si(CH3)4 0.3sccm のガス比とする以外は前記と全く同様にして、炭化ケイ
素からなる中間層を1μmの厚みで形成し、同様に評価
を行った。
【0032】次に、中間層の上に、純度99.9%以上
のH2 ガス、CH4 ガス、CO2 ガスを用いて、表1に
示すガス比、ガス濃度、母材温度、炉内圧力で成膜を行
い、容器内面にさらに4μmの硬質炭素膜を形成した。
【0033】成膜した硬質炭素膜に対して、膜表面のラ
マン分光スペクトル分析を行い、ラマン分光スペクトル
チャートから1100cm-1と1700cm-1の位置間
で線を引き、これをベースラインとし、1160±40
cm-1に存在する最大ピークのピーク強度をH1 、13
40±40cm-1に存在する最大ピークのピーク強度を
2 として、H1 /H2 で表される強度比を算出した。
尚、表1中、試料No.3と試料No.9についてチャート
を図1、図2に示した。なお、ラマン分光分析における
発振源として、レーザーはArレーザー(発振線48
8.0nm)を用いた。
【0034】次に、得られた容器に、45%フッ化水素
酸溶液80mlを注ぎ込み、48時間放置した。放置後
の表面を双眼顕微鏡で観察し腐食の状態を表1に示し
た。
【0035】(比較例1)ホウケイ酸ガラスを用いて、
実施例1および実施例2と同様の腐食試験を行い、その
結果を表1試料No.17に示した。
【0036】(比較例2)母材として実施例において用
いたホウケイ酸ガラスを用いて、マイクロ波CVD法に
よって、中間層形成を実施例と同じガス比でガス濃度1
%、母材温度950℃、炉内圧力30torrの条件で
10時間成膜した後、さらに表1の試料No.9に示す条
件で成膜し4μmの硬質炭素膜を形成した。
【0037】これについて、実施例1および実施例2と
同様の腐食試験を行い、その結果を表1試料No.9に示
した。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果によれば、H1 /H2 が0.0
5以上の硬質炭素膜を形成した本発明の試料は、いずれ
も強酸、強アルカリ溶液に対しても全く腐食が認められ
ず、優れた耐薬品性を示した。
【0040】また、比較例として従来のホウケイ酸ガラ
スでは、強酸に対して1時間で表面が白く変色した。ま
た、マイクロ波CVD法等で作製された硬質炭素膜や、
成膜条件によってH1 /H2 の比率が0.05よりも小
さい試料No.1、2、9、10では、いずれも試験後の
膜表面に腐食によると思われる10〜1000μmのス
ポットが多数観察され、腐食が局所的に進行したことが
わかった。
【0041】また、上記と同様にして容器内に40%N
aOH溶液のアルカリ溶液を80ml注ぎ込み、48時
間放置後の腐食の状態を観察した結果、試料No.17の
ホウケイ酸ガラスからなる容器では、全面に腐食が見ら
れたが、それ以外の試料No.1〜16についてはほとん
ど変化は見られなかった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐薬品性
部材は、酸やアルカリとの接触面において、優れた耐腐
食性を示し、特に局所的な腐食等の進行を抑制し、長期
にわたり優れた耐薬品性を発揮することができる。これ
により、酸やアルカリと接触する部材の耐薬品性にかか
わる信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における硬質炭素膜(表1中、試料No.
3)のラマン分光スペクトル図である。
【図2】従来の硬質炭素膜(表1中、試料No.9)のラ
マン分光スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 16/50 C23C 16/50

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸やアルカリ等の薬品と接する表面が、ラ
    マン分光スペクトルにおいて1340±40cm-1と1
    160±40cm-1にピークが存在し、且つ1160±
    40cm-1に存在するピークのうち最も強度の強いピー
    ク強度をH1 、1340±40cm-1に存在するピーク
    のうち最も強度の強いピーク強度をH2とした時、H1
    /H2 で表されるピーク強度比が0.05以上の硬質炭
    素膜からなることを特徴とする耐薬品性部材。
JP8155799A 1996-06-17 1996-06-17 耐薬品性部材 Pending JPH101332A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8155799A JPH101332A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 耐薬品性部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8155799A JPH101332A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 耐薬品性部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101332A true JPH101332A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15613704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8155799A Pending JPH101332A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 耐薬品性部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101332A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231781A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Tocalo Co Ltd 圧縮機翼及びその製造方法、並びに、火力発電用ガスタービン
JP2007327349A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Tocalo Co Ltd 送液ポンプ用部材及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231781A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Tocalo Co Ltd 圧縮機翼及びその製造方法、並びに、火力発電用ガスタービン
JP2007327349A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Tocalo Co Ltd 送液ポンプ用部材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1036078C (zh) 淀积碳的微波增强化学气相淀积方法
JPH0477711B2 (ja)
KR930003605B1 (ko) 플라스틱 물체에 탄소필름을 코팅하는 마이크로파 증강 cvd법 및 그 제품
JPH07172988A (ja) 平滑な表面をもつcvdダイヤモンド薄膜およびその製法
JP3638600B2 (ja) ダイヤモンドでコートされた形のある物品の製造
Anger et al. Chemical and morphological modifications of silicon wafers treated by ultrasonic impacts of powders: consequences on diamond nucleation
JPH101332A (ja) 耐薬品性部材
JPH07215795A (ja) 硬質炭素膜及び硬質炭素膜被覆部材並びに硬質炭素膜生成方法
JP2978023B2 (ja) 合成ダイヤモンドフィルムの製造方法
Ali et al. Role of surface pre-treatment in the CVD of diamond films on copper
JP2813077B2 (ja) 摺動部材
JPH06262525A (ja) 研削砥石及びその製造方法
JP2962631B2 (ja) ダイヤモンド状炭素薄膜の製造方法
JPS61201698A (ja) ダイヤモンド膜およびその製造法
JPH0665744A (ja) ダイヤモンド状炭素薄膜の製造方法
JP3554119B2 (ja) 硬質炭素膜被覆部材
JPH04329879A (ja) ダイヤモンド状カーボン膜形成方法
JPS62226889A (ja) 膜状ダイヤモンドの気相合成法
JP3245320B2 (ja) 硬質炭素膜及び硬質炭素膜被覆部材
JP3592837B2 (ja) ガラス成形用型材
JP2584480B2 (ja) ダイヤモンド膜の製造方法
JPH106222A (ja) 液体噴射ノズル
JP3515866B2 (ja) 装飾用被覆部材
JPS6261109B2 (ja)
JPH0224005A (ja) ダイヤモンド被覆工具およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040720