JPH10136669A - 振動アクチュエータ及びその制御方法 - Google Patents

振動アクチュエータ及びその制御方法

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JPH10136669A
JPH10136669A JP9205954A JP20595497A JPH10136669A JP H10136669 A JPH10136669 A JP H10136669A JP 9205954 A JP9205954 A JP 9205954A JP 20595497 A JP20595497 A JP 20595497A JP H10136669 A JPH10136669 A JP H10136669A
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JP
Japan
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vibration
drive signal
vibrator
drive
predetermined time
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JP9205954A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実に起動することができ、起動特性が向上
し、さらには消費電力を低減することを可能にする。 【解決手段】 振動子21と、振動子21に加圧接触さ
れて、振動子21との間で相対運動を行う移動子32
と、振動子21に第1駆動信号及び第2駆動信号を出力
する駆動回路40とを有し、振動子21は、第1駆動信
号によって相対運動の方向と略同じ方向へ変位する第1
振動を発生するとともに、第2駆動信号によって相対運
動の方向と交差する方向へ変位する第2振動を発生し、
駆動回路40は、起動時から所定時間の間のみ、第1駆
動信号と第2駆動信号とについて、独立した制御を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、異形モード縮退
型の振動アクチュエータ及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】進行波型の振動アクチュエータは、2相
の駆動信号を印加することにより、弾性体からなる固定
子の駆動面に超音波の進行波を発生させ、この駆動面に
加圧接触された移動子を進行波波頭における楕円運動に
より摩擦的に駆動するものである。
【0003】この進行波型の振動アクチュエータの起動
時における駆動信号の制御方法は、特開平2−1745
74号公報等により提案されている。この提案によれ
ば、起動時に高い駆動電圧を印加して確実に起動させる
ことができる。すなわち、この進行波型の振動アクチュ
エータは、2相の駆動信号を印加することにより固定子
の駆動面に進行波を発生させる。そして、駆動面に加圧
接触された移動子が進行波波頭の楕円運動により摩擦的
に駆動される。このために、2相の駆動信号ともに高い
電圧を印加しないと、その効果は生じない。
【0004】一方、図14は、縦−捩じり振動型の振動
アクチュエータ100の構造例を示した斜視図である。
従来、この種の振動アクチュエータ100では、固定子
101は、2つの円柱型の振動子102,103間に捩
じり振動用圧電体104が挟まれるとともに、振動子1
03の上側に縦振動用圧電体105が配置されることに
より、構成される。捩じり振動用圧電体104は周方向
に分極される。一方、縦振動用圧電体105は厚さ方向
に分極される。さらに、移動子106は、縦振動用圧電
体105の上側に配置される。
【0005】固定子101を構成する振動子102,1
03及び圧電体104,105は、いずれも固定軸10
7のネジ部にネジ止めされて固定される。移動子106
は、ボールベアリング108を介して固定軸107に回
転自在に設けられる。固定軸107の先端にはばね10
9を介してナット110がネジ止めされ、バネ力Fによ
り移動子106を固定子101に加圧接触させる。
【0006】捩じり振動用圧電体104と縦振動用圧電
体105とは、ともに、発振器111から発振される同
一周波数の電圧を、移相器112により位相制御するこ
とにより、駆動される。捩じり振動用圧電体104は、
移動子106が固定軸107周りに回転するための機械
的変位を与える。一方、縦振動用圧電体105は、固定
子101と移動子106との間に作用する摩擦力を、捩
じり振動用圧電体104による捩じり振動の周期に同期
させて周期的に変動させることにより、固定子101に
生じる振動を移動子106の一方向への運動に変換する
クラッチ的役割を果たす。
【0007】図15は、図14に示す振動アクチュエー
タ100の固定子101を展開して示す斜視図である。
捩じり振動用圧電体104は、周方向に分極する必要が
ある。そこで、圧電材料を、図15に示すように、6〜
8個程度の扇形の小片に一旦分割する。そして、各小片
を分極した後に、再度環状に組み合わせていた。なお、
符号104aは、捩じり振動用圧電体104に駆動電圧
を印加するための電極である。しかし、このような振動
アクチュエータ100では、捩じり振動用圧電体104
を環状に組み合わせる際に、形状精度を出すことが難し
かった。
【0008】一方、図14において、縦振動用圧電体1
05及び捩じり振動用圧電体104それぞれの断面積
は、固定子101の断面積と略等しいか、又は、固定子
101の断面積よりも小さかった。また、固定軸107
を貫通させるために圧電体104,105の中央部に貫
通孔を開ける必要があった。そのために、圧電体10
4,105の面積はさらに小さくなり、振動アクチュエ
ータ100の高トルク化及び高回転化を図ることが難し
かった。
【0009】このような問題を解決するため、本出願人
は、既に、高トルク,高回転により駆動することがで
き、しかも、構造が簡単であってかつ製造が簡単である
異形モード縮退型の振動アクチュエータを、例えば特開
平8−103089号や特開平8−140377号によ
り提案した。
【0010】図16は、これらの振動アクチュエータの
構造例を示す縦断面図である。また、図17は、図16
の振動アクチュエータの制御を示すブロック図である。
また、図18(a)は、図16に示す2つの半円柱状の
弾性体により構成される振動子を底面方向から見た図で
あり、図18(b)は、図16に示す振動子を側面方向
から見た図である。さらに、図19は、振動子に発生す
る捩じり振動と縦振動とを組み合わせて駆動面に楕円運
動を発生させる振動アクチュエータの駆動原理を示す説
明図である。
【0011】すなわち、図16及び図17において、捩
じり−縦振動型の振動アクチュエータ1の弾性体である
振動子2は、圧電体3,4と、弾性体2a,2bとによ
り構成される。圧電体3,4は、駆動信号により励振さ
れ、電気エネルギーを機械的変位に変換する電気機械変
換素子である。弾性体2a,2bは中空で半円柱状の形
状をしている。弾性体2a,2bには、圧電体3,4が
接合され、圧電体3,4の励振により1次の捩じり振動
と1次の縦振動とが発生する。これにより、駆動面2c
に駆動力を発生する
【0012】弾性体2a,2bは、厚肉の中空円筒を縦
に2つに分割した形状の部材であり、その分割面に圧電
体3,4が挟み込まれた状態で保持される。圧電体3,
4は合計4層からなっている。2層の圧電体3は圧電定
数d15を用いる捩じり振動用圧電体である。残り2層の
圧電体4は圧電定数d31を用いる縦振動用圧電体であ
る。
【0013】弾性体2a,2bには、高さ方向の略中心
に、圧電体3,4の積層方向と平行に貫通孔2d,2e
が形成される。この弾性体2a,2bは、その貫通孔2
d,2eを用いてボルト6a,6bにより固定される。
これにより、圧電体3,4を挟み込むとともに、軸方向
の中心に挿入された固定軸5にネジ止めされる。相対運
動部材である移動子7は、移動子母材7−1と、振動子
2の駆動面2cに接触する摺動材7−2とにより構成さ
れる。移動子7は、移動子母材7−1の内周部にはめ込
まれた位置決め部材であるベアリング8により、固定軸
5に対して位置決めされる。また、移動子7は、加圧部
材9aにより振動子2の駆動面2cに加圧接触される。
【0014】固定軸5は、弾性体2a,2bの軸方向に
形成された中空部に貫通している。固定軸5は、振動子
2を固定するとともに、移動子7を半径方向について位
置決めする。この固定軸5は、端部にネジ部5aが形成
されており、加圧部材9aの加圧力を調整する加圧力調
整部材であるナット9bがネジ止めされる。
【0015】圧電体3,4には、図17に示すように、
駆動信号を発振する発振部10と,その駆動信号を(1
/4)λ(波長)位相差のある信号に分ける移相部11
と,捩じり振動用圧電体3に入力する駆動信号を増幅す
るT増幅部13と,縦振動用圧電体4に入力する駆動信
号を増幅するL増幅部12等とにより構成される。
【0016】また、制御回路は、捩じり振動を検出する
検出部14と,検出部14の検出量に応じて発振部10
の周波数や電圧等を制御する制御部15等とにより構成
される。検出部14は、振動子2の側面に貼付された圧
電体14aを備えており、捩じりに伴って発生する変位
を検出することによって、間接的に発生した捩じり変位
を検出する。
【0017】図18(a)及び図18(b)に示すよう
に、圧電体3,4は、2つの圧電体2a,2bに挟まれ
た2群からなる。圧電体3,4の各群は、それぞれ4層
からなり、これら4層のうちの2層は圧電定数d15を用
いる圧電体3により、残り2層が圧電定数d31を用いる
圧電体4により、それぞれ構成される。前者の圧電体3
は圧電定数d15を用いており、励振することにより、弾
性体2a,2bの長手方向に対して剪断変位を発生させ
る。圧電体4は、図18(a)において、円周方向に対
して剪断変形が手前方向Xと反対方向Yとに交互になる
ように、配置される。圧電体3は、このように配置され
ることにより、それぞれが剪断変形した時に、振動子2
に捩じり変位を発生し、底面が捩じれる。
【0018】後者の圧電体4は圧電定数d31を用いてお
り、弾性体2a,2bの長手方向に対して伸縮変位を発
生させる。4つの縦振動用圧電体4は全てある電位が印
加された場合に、同じ方向へ変位が発生するように配置
される。以上のように、圧電定数d15を用いる捩じり振
動用圧電体3と,圧電定数d31を用いる縦振動用圧電体
4とを配置する。そして、捩じり振動用圧電体3に正弦
波電圧を印加することによって、振動子2には捩じり振
動が発生する。一方、縦振動用圧電体4に正弦波電圧を
入力することによって、振動子2には伸縮振動(縦振
動)が発生する。
【0019】このような振動アクチュエータ1では、図
17において、発振部10及び移相部11を介して、T
増幅部13及びL増幅部12から圧電体3,4に駆動信
号を印加されると、圧電体3,4は励振され、弾性体2
には捩じり振動と縦振動とがそれぞれ発生する。
【0020】すなわち、図19に示すように、捩じり振
動Tの周期と縦振動Lの周期との位相差を(1/4)λ
ずらして設定すると、駆動面2c上の点Aには楕円運動
が発生する。駆動時に印加する電圧の周波数をfとし、
このときの角周波数をω(=2πf)とすると、t=
(6/4)・(π/ω)の時点では、捩じり振動Tの変
位は左側に最大であり、縦振動Lの変位は零である。こ
の状態では、移動子7は加圧部材9aによって振動子2
の駆動面2cに加圧接触する。
【0021】この状態から、t=(7/4)・(π/
ω)〜0〜(2/4)・(π/ω)までは、捩じり振動
Tは左側の最大から右側の最大まで変位し、縦振動Lは
ゼロから上側の最大に変位し再びゼロに戻る。したがっ
て、振動子2の駆動面2cは移動子7を押しながら右方
向に回転し、この回転により移動子7は駆動される。
【0022】次に、t=(2/4)・(π/ω)〜(6
/4)・(π/ω)までは、捩じり振動Tは右側の最大
から左側の最大まで変位する。一方、縦振動Lは、ゼロ
から下側の最大に変位し再びゼロに戻る。したがって、
振動子2の駆動面2cの点Aは、移動子7から離れなが
ら左方向に回転するため、移動子7は駆動されない。こ
のときに、移動子7は加圧部材9aにより加圧されるも
のの、固有振動数が異なるために振動子2の縮みに追従
することができない。
【0023】このようにして生じる捩じり振動及び縦振
動それぞれの共振周波数が略一致すると、捩じり振動と
縦振動とが同時に生じ(縮退)、振動子2の駆動面2c
に楕円運動が発生して駆動力を発生し、移動子7が回転
する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、進行
波型の振動アクチュエータを確実に起動するためには、
2相の駆動信号にともに高電圧を印加すればよい。しか
し、例えば、カメラレンズのAFアクチュエータとして
進行波型の振動アクチュエータを使用して起動及び停止
を頻繁に繰り返すと、起動時に高電圧を多数回印加する
ことになる。そのため、電気エネルギーが多量に消費さ
れてしまい、AFアクチュエータの電池寿命が低下する
という課題があった。
【0025】一方、捩じり振動及び縦振動を利用した異
形モード縮退型の振動子を用いた振動アクチュエータで
は、振動子に対する移動子の加圧方向が、縦振動の振幅
方向と一致するため、縦振動振幅がこの加圧により減衰
する。したがって、起動時において、振動子と移動子と
の駆動力の断続を行うクラッチ機構として必要な所定の
縦振動振幅に達するまでにある程度の時間を要する。そ
のため、振動アクチュエータの時定数等の起動特性が悪
化するという課題があった。
【0026】本発明では、これらの課題を解決すること
により、確実に起動することができ、起動特性が向上
し、さらには消費電力が低減された振動アクチュエータ
及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の一実施形態の振動アクチュエータでは、振
動子と、前記振動子に加圧接触されて、前記振動子との
間で相対運動を行う相対運動部材と、前記振動子に第1
駆動信号及び第2駆動信号を出力する駆動回路とを有
し、前記振動子は、前記第1駆動信号によって前記相対
運動の方向と略同じ方向へ変位する第1振動を発生する
とともに、前記第2駆動信号によって前記相対運動の方
向と交差する方向へ変位する第2振動を発生し、前記駆
動回路は、起動時から所定時間の間のみ、前記第1駆動
信号と前記第2駆動信号とについて、独立した制御を行
う。
【0028】また、本発明の他の実施形態の振動アクチ
ュエータでは、振動子と、前記振動子に加圧接触され
て、前記振動子との間で相対運動を行う相対運動部材
と、前記振動子に駆動信号を出力する駆動回路とを有
し、前記振動子は、前記駆動信号によって、前記相対運
動の方向と略同じ方向へ変位する第1振動及び、前記相
対運動の方向と交差する方向へ変位する第2振動を発生
し、前記駆動回路は、起動時から所定時間の間のみ、前
記第1振動と前記第2振動とについて、別々の制御を行
う。
【0029】また、本発明の一実施形態の振動アクチュ
エータの制御方法は、起動時から所定時間の間のみ、前
記第1駆動信号と前記第2駆動信号とについて、別々の
制御を行う。さらに、本発明の他の実施形態の振動アク
チュエータの制御方法は、起動時から所定時間の間の
み、前記第1振動と前記第2振動とについて、別々の制
御を行う。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明にかかる振動アクチュエ
ータの実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明
する。なお、以降の各実施形態の説明は、振動アクチュ
エータとして超音波の振動域を利用する超音波アクチュ
エータを例にとって、行う。
【0031】図1は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータ20を示す縦断面図である。振動子21は、圧電体
22a,22bと、弾性体23とにより構成される。圧
電体22a,22bは、駆動信号により励振される電気
機械変換素子である。弾性体23は、圧電体22a,2
2bが装着されて、圧電体22a,22bの励振によ
り、2次の捩じり振動と1次の縦振動とが発生する。こ
れにより、駆動面21aに駆動力を発生する。本実施形
態では、2次の捩じり振動は、駆動回路から出力される
第1駆動信号によって駆動面21aに含まれる方向と略
同じ方向へ変位する第1振動であり、1次の縦振動は、
駆動回路から出力される第2駆動信号によって駆動面2
1aに直交する方向へ変位する第2振動である。
【0032】弾性体23は、鉄鋼,ステンレス鋼,リン
青銅,エリンバー材等の共振の鋭さが大きな金属材料に
より構成される。弾性体23は、側面に溝状に形成され
た3つの小径部23a,23b,23cを備えている。
また、弾性体23は、小径部23a〜23cに区切られ
ることにより形成される4つの大径部23A,23B,
23C及び23Dを備えている。弾性体23は、円柱状
の弾性体を縦に2つに分割した形状の弾性部材24a,
24bによって構成される。
【0033】この弾性部材24a,24bの分割面に
は、2層の圧電体22a,22bと、これらの圧電体2
2a,22bに駆動電圧を印加するために用いられる電
極36a,36bとが挟み込まれた状態で保持される。
小径部23a〜23cは、捩じり振動及び縦振動それぞ
れの節部に配置される。捩じり振動用圧電体22aは捩
じり振動の駆動面21a側の節部に配置される。一方、
縦振動用圧電体22bは縦振動の節部に配置される。弾
性体23の側面に小径部23a〜23cを形成したの
は、1次の縦振動の共振周波数と2次の捩じり振動の共
振周波数とをほぼ一致させるためである。
【0034】弾性体23の平面部には、圧電体22a,
22bの積層方向と平行な方向に貫通孔26a,26b
が形成される。弾性体23は、これらの貫通孔26a,
26bにボルト27a,27bを挿入し、ナット28
a,28bをネジ止めすることにより、圧電体22a,
22bを挟み込んだ状態で保持される。弾性体23の小
径部23aには、固定ピン29が貫通するための貫通孔
30が形成されている。弾性体23は、弾性体23の中
心部に設けられた貫通孔を貫通する固定軸31を固定ピ
ン29が貫通することにより、支持される。
【0035】振動子21との間で相対運動を行う相対運
動部材である移動子32は、移動子母材32aと、摺動
材32bとにより構成される。移動子母材32aは、ス
テンレス鋼,銅合金又はアルミニウム合金等からなる。
摺動材32bは、振動子21の駆動面21aと移動子3
2との接触面に接着等により貼り付けられている。摺動
材32bは、高分子材等を主成分とする。移動子母材3
2aは、内周部に嵌合されたベアリング33等による位
置決め部材により固定軸31に対して位置決めされる。
円柱状の移動子母材32aの外周面には、出力取出用の
歯車32cが環状に形成されており、その出力は図示し
ない被駆動体の歯車に伝達される。また、移動子32
は、加圧部材である皿バネ34(コイルバネ又は板バネ
等であってもよい。)により、振動子21の駆動面21
aに加圧接触される。
【0036】固定軸31は、弾性体23の軸方向に形成
された中空部に貫通している。固定軸31は、弾性体2
3をピン形状支持部材29を介して固定するとともに、
移動子32を半径方向について位置決めする。固定軸3
1は、上端部側にネジ部31aが形成されている。ネジ
部31aには、加圧部材34の加圧力を調整する加圧力
調整部材であるナット35が設けられる。
【0037】また、固定軸31の両端部近傍には溝31
b,31cが設けられており、超音波アクチュエータ2
0を搭載機器(図示しない)に備え付ける時に、この溝
31b,31cを用いてセットビスにより図示しない固
定部に固定することにより、回り止めされる。
【0038】図2は、振動子21の振動用圧電体22
a,22bの配置と、振動子21に励振される振動モー
ドを示す説明図である。図2において、図2(a)は振
動子21の上面図,図2(b)は振動子21における振
動用圧電体22a,22bの配置を示す側面図、図2
(c)は振動子21に発生する縦振動及び捩じり振動の
モードを示す図である。
【0039】弾性体23は、外周面に3つの小径部23
a〜23cと4つの大径部23A〜23Dとを備える厚
肉の円筒体を中心軸を含む縦面で2つに分割することに
より得られる半弾性体24a,24bを、再度円筒状に
組み合わせることにより得られる、弾性部材である。
【0040】半弾性体24a,24bの二つの分割面に
は、2層の圧電体22a,22bと電極36a,36b
とが挟み込まれた状態で保持される。弾性体24の側面
に形成される小径部23a〜23cは、捩じり振動の節
部に配置される。捩じり振動用圧電体22aは、捩じり
振動の駆動面21a側の節部をまたぐように配置され、
また、縦振動用圧電体22bは、縦振動の節部をまたぐ
ように配置される。
【0041】捩じり振動用圧電体22aは、圧電定数d
15を用いる圧電体により構成され、中心軸と平行な方向
に分極されている。捩じり振動用圧電体22aは、周波
電圧が印加されると、印加電圧の方向に応じた剪断変形
を発生し、この剪断変形により弾性体24には捩じり振
動が発生する。捩じり振動用圧電体22a群は、図面上
の手前側に配置される2枚の捩じり振動用圧電体22a
と、向こう側に配置される2枚の捩じり振動用圧電体2
2aとにより構成される。これらの捩じり振動用圧電体
22aを、手前側に配置される捩じり振動用圧電体22
aと、向こう側に配置される捩じり振動用圧電体22a
との剪断変形が、同じ方向の電圧が印加されるとそれぞ
れ反対方向に発生するように、配置すると、振動子21
にはある方向への捩じり変位が発生する。
【0042】例えば、図2のように、手前側に配置され
る2枚の捩じり振動用圧電体22aと向こう側に配置さ
れる2枚の捩じり振動用圧電体22aとが剪断変形させ
る。すると、振動子21の駆動面21aは、図2(a)
において矢印に示す方向に捩じれる。また、これとは逆
向きの駆動電圧を印加すると、逆向きの剪断変形を発生
するため、駆動面21aは図2に矢印で示す方向とは反
対方向に捩じれる。
【0043】縦振動用圧電体22bは、圧電定数d31
用いる圧電体により構成され、圧電体の厚さ方向に分極
されている。縦振動用圧電体22b群は、図面上の手前
側に配置される2枚の縦振動用圧電体22bと、図面上
の奥側に配置される2枚の縦振動用圧電体22bとから
構成される。これらの縦振動用圧電体22bは、同じ方
向の電圧が印加されると、それぞれ同方向に縦変形(伸
縮変形)するように配置される。このような縦振動用圧
電体22bの配列にすることにより、振動子21には縦
振動が発生する。また、図2(b)中に破線矢印で示し
たように、捩じり振動用圧電体22a及び縦振動用圧電
体22bは、隣り合う2枚の圧電体で分極方向が反対と
なっている。
【0044】図3は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータ20の振動子21の構成及び制御ブロックの概略を
示す説明図である。図3は、振動子21を構成する弾性
体24,圧電体22a,22b及び電極36a,36b
の配置を、分解状態で示している。
【0045】弾性体24は、3つの小径部23a〜23
cと4つの大径部23A〜23Dとを備える圧肉の円筒
体を中心軸を含む縦面で2つに分割することにより得ら
れる2つの半円筒体24a,24bを、再度円筒状に組
み合わせることにより得られる弾性部材である。弾性体
24の2つの分割面には、それぞれ、2層の圧電体22
a,22bと電極36a,36bとが挟み込まれた状態
で、保持される。
【0046】小径部23a,23cは、捩じり振動の節
部に配置される。捩じり振動用圧電体22aは、捩じり
振動の駆動面21a側の節部をまたぐように配置され、
一方、縦振動用圧電体22bは、縦振動の節部をまたぐ
ように配置される。捩じり振動用圧電体22aは、圧電
定数d15を用いる圧電体により構成され、周波電圧が印
加されると印加電圧の方向に応じた剪断変形を発生す
る。発生する剪断変形により、弾性体24には捩じり振
動が発生する。
【0047】縦振動用圧電体22bは、圧電定数d31
用いる圧電体により構成され、周波電圧が印加されると
印加電圧の方向に応じた縦変形(伸縮変形)を発生す
る。発生する伸縮変形により、弾性体24には縦振動が
発生する。捩じり振動検出用圧電体37aは、振動子2
1の捩じり振動を検出するために設けられる。また、縦
振動検出用圧電体37bは、振動子21の縦振動を検出
するために設けられる。
【0048】捩じり振動用圧電体22a,捩じり振動検
出用圧電体37a,縦振動用圧電体22b及び縦振動検
出用圧電体37bは、いずれも、各層毎に同一平面(弾
性体23の分割面)上に配置されており、駆動面21a
側から反駆動面側まで、捩じり振動検出用圧電体37
a,捩じり振動用圧電体22a,縦振動用圧電体22b
及び縦振動検出用圧電体37bの順に配置される。捩じ
り振動用圧電体22aは、図面上の上部に配置される捩
じり振動の節部をまたぐように配置され、一方、縦振動
用圧電体22bは縦振動の節部と下の捩じり振動の節部
とをまたぐように配置される。
【0049】電極36a,36bは、それぞれ2層の捩
じり振動用圧電体22a,捩じり振動検出用圧電体37
a,縦振動用圧電体22b及び縦振動検出用圧電体37
bの間に配置されており、2層の縦振動用圧電体22b
及び2層の捩じり振動用圧電体22aへ同時に駆動信号
を印加することができるように配置される。
【0050】また、捩じり振動検出用圧電体37a,縦
振動検出用圧電体37bからも電圧を検出することがで
きるように構成される。それぞれの半弾性体24a,2
4b,圧電体22a,22b及び電極36a,36b
は、接着剤により接着される。また、図3に示すよう
に、本実施形態では、駆動回路41と制御回路42とに
より駆動部40が構成される。
【0051】駆動回路41は、駆動信号を発振する発振
器43と,駆動信号を約(1/4)λ位相差のある信号
に振り分ける移相部44と,捩じり振動用圧電体22a
に入力する駆動信号(以下、「T相駆動信号」とい
う。)を増幅するT電圧増幅部45と,縦振動用圧電体
22bに入力する駆動信号(以下、「L相駆動信号」と
いう。)を増幅するL電圧増幅部46とにより構成され
る。
【0052】また、制御回路42は、速度を検出する速
度検出部47と,速度を設定して起動した後に速度検出
部47から検出された速度値とを比較して偏差がなくな
るようにL電圧制御部49,T電圧制御部50及び駆動
周波数制御部51に指示を送る駆動指令部48と,駆動
指令部48からの信号を受けてT相駆動信号電圧を制御
するT電圧制御部50と,L相駆動信号電圧を制御する
L電圧制御部49と,駆動周波数を制御する駆動周波数
制御部51とにより構成される。
【0053】振動子21の速度は、移動子32に設けた
エンコーダからの出力により直接的に検出される。この
ように構成された超音波アクチュエータ20に、2つの
約(1/4)λ位相差を有する駆動信号をそれぞれ捩じ
り振動用圧電体22a,縦振動用圧電体22bに入力す
ると、捩じり振動及び縦振動それぞれの位相が90度ず
れて発生し、発生した捩じり振動及び縦振動が合成され
た楕円運動が、振動子21の駆動面21aに発生する。
【0054】図4は、このような振動子21に発生する
捩じり振動T及び縦振動Lを組み合わせて、振動子21
の駆動面21aに楕円運動を発生させることを経時的に
示す説明図である。なお、図4においては、説明の便宜
上、駆動面21aを介して振動子21に加圧接触する移
動子は図示しない。
【0055】捩じり振動の周期と縦振動の周期との位相
差を、約(1/4)λ(波長)ずらして設定すると、振
動子21の駆動面21a上の点には楕円運動が発生す
る。駆動信号の周波数を、2次の捩じり振動の固有振動
数及び1次の縦振動の固有振動数に近い値に設定する
と、捩じり振動振幅及び縦振動振幅はともに大きくな
り、大きな楕円運動が得られる。
【0056】図4において、t=0の時点では、捩じり
振動の変位は左側に最大であり、縦振動の変位はゼロで
ある。この状態では、移動子は、加圧部材によって振動
子21側に付勢されており、振動子21の駆動面21a
に加圧接触する。駆動周波数をfとしたときの移動子の
角速度をω(=2πf)とすると、この状態から、t=
0〜(4/4)・(π/ω)までは、捩じり振動は左側
の最大から右側の最大まで変位し、縦振動は零から上側
の最大に変位し、再び零に戻る。したがって、振動子2
1の駆動面21aは、移動子を押しながら右方向に回転
し、移動子は駆動される。
【0057】次に、t=(4/4)・(π/ω)〜(8
/4)・(π/ω)=0までは、捩じり振動は、右側の
最大から左側の最大まで変位し、縦振動は、零から下側
の最大に変位し再び零に戻る。したがって、振動子21
の駆動面21aは移動子から離れながら左方向に回転す
るため、移動子は駆動されない。この時に、移動子は、
加圧部材により加圧されているが、加圧部材の固有振動
数が超音波振動域よりも低いため、振動子21の縮みに
追従することができない。
【0058】図5は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータ20の起動時のL相駆動信号電圧,T相駆動信号電
圧の制御を、エンコーダのパルス及び駆動周波数ととも
に示す説明図である。図3における駆動指令部48は、
移動子32の速度を設定してL電圧制御部49及びT電
圧制御部50に起動の指示を出力する。この出力によ
り、発振器43からある所望周波数の駆動信号が出力さ
れ、駆動信号がL電圧増幅部46及びT電圧増幅部45
によりそれぞれ増幅されて、超音波アクチュエータ20
へ伝達される。
【0059】本実施形態では、起動時から所定時間の
間、本発明における第1駆動信号であるT相駆動信号電
圧と本発明における第2駆動信号であるL相駆動信号電
圧とについて、別々の制御を行う。すなわち、図5に示
すように、起動時には、L相駆動信号電圧は通常駆動時
よりも大きく設定しておき、所定時間経過後に通常駆動
時の電圧値に低下する。L相駆動信号電圧を起動時から
通常時にするタイミングは、移動子32が駆動したこと
を確認した時点である。本実施形態では、移動子32の
速度を検出するエンコーダから連続的に出力されるパル
スの最初のパルスを検出した時である。
【0060】一方、T相駆動信号電圧は起動時にも定常
駆動時と同じ電圧である。また、周波数も一定値とす
る。本実施形態では、起動時にL相駆動信号電圧を大き
くするため、加圧による縦振動振幅の減衰量を低減する
ことができる。したがって、確実に起動することができ
るとともに、時定数等の起動特性を向上させることがで
きる。また、本実施形態では、起動時に、L相駆動信号
電圧だけを大きくするとともにT駆動信号電圧を定常駆
動時のままとするため、消費電力を低減することが可能
となる。
【0061】図6は、L相駆動信号電圧の制御を例とし
て、駆動信号電圧を制御する方法を示す説明図である。
図6において、L電圧制御部49は、マルチプレクサの
ようなものから構成されており、駆動指令部48からの
信号の選択を行うことができる。L電圧制御部49は、
選択された信号により、MOS電界効果トランジスタ等
のスイッチング素子Q1〜Q8をオン−オフすることが
できるように、構成される。
【0062】演算増幅器の帰還部には、抵抗値が異なる
抵抗Rf1〜Rf8が並列につながれており、各抵抗R
f1〜Rf8はそれぞれ直列につながれたスイッチング
素子Q1〜Q8が、制御信号発生部からの制御信号によ
りオンされることにより、演算増幅器の増幅量を決定す
ることができる。これにより、移相器44からの駆動信
号は増幅され、振動子21のL相電極36bに入力され
る。
【0063】図6を用いて、L相駆動信号電圧の制御に
ついて説明する。起動時には、駆動指令部48の指示に
よってL相駆動信号電圧を大きくするため、L電圧制御
部49は増幅率が最も大きくなるスイッチング素子をオ
ンし、他のスイッチング素子をオフする。これにより、
振動子21に入力される電圧が大きくなる。その後、移
動子32が駆動され、移動子32の速度を検出するエン
コーダから出力される最初のパルスが出力されて駆動指
令部48に入力された時点で、駆動指令部48の指示に
より、L電圧制御部49は増幅率が定常駆動時になるス
イッチング素子をオンし、他のスイッチング素子をオフ
する。これにより、振動子21に入力される電圧が定常
駆動時となる。
【0064】なお、L相駆動信号電圧の起動時から定常
駆動時への切換は、移動子32の速度が所定の速度とな
った時点で行ってもよい。この場合は、移動子32の速
度を検出するエンコーダから出力されるパルスの間隔か
ら、移動子32の速度を求める。そして、移動子32の
速度が所定の速度に達した時点で、駆動司令部48の指
示により、L電圧制御部49は増幅率が定常駆動時にな
るスイッチング素子をオンし、他のスイッチング素子を
オフする。これにより、振動子21に入力される電圧が
定常駆動時となる。
【0065】本実施形態では、A/D変換部からのデジ
タル信号を8ビットとし、スイッチング素子及び抵抗R
fをそれぞれ8個とした。これは、定常駆動時において
L相駆動信号電圧を制御するためである。
【0066】(第2実施形態)以下、第2実施形態を説
明する。なお、以降の各実施形態の説明では、第1実施
形態と相違する部分だけを説明し、共通する部分には同
一の図中符号を付すことにより、重複する説明を省略す
る。図7は、本発明の第2実施形態である超音波アクチ
ュエータの起動時のL相駆動信号電圧,T相駆動信号電
圧及び駆動周波数の制御を、エンコーダのパルス及び駆
動周波数とともに示す説明図である。
【0067】図3において、駆動指令部48は、移動子
32の速度を設定してL電圧制御部49とT電圧制御部
50と駆動周波数制御部51とに起動の指示を出力す
る。これにより、発振器43からある所望周波数の駆動
信号が出力され、駆動信号がL電圧増幅部49とT電圧
増幅部50とによりそれぞれ増幅されて超音波アクチュ
エータ20へ伝達される。
【0068】第2実施形態においても、起動時から所定
時間の間、本発明における第1駆動信号であるT相駆動
信号電圧と本発明における第2駆動信号であるL相駆動
信号電圧とについて、別々の制御を行う。すなわち、図
7に示すように、起動時には、L相駆動信号電圧は、通
常駆動時よりも高く設定しておき、所定時間経過後に通
常駆動時の電圧値に低下する。L相駆動信号電圧を起動
時から通常時にするタイミングは、移動子32が駆動を
開始したことを確認した時点である。第2実施形態にお
いては、移動子32の速度を検出するエンコーダから連
続的に出力されるパルスの最初のパルスを検出した時で
ある。一方、T相駆動信号電圧は、起動時にも定常駆動
時と同じ電圧とする。
【0069】なお、L相駆動信号電圧の起動時から定常
駆動時への切換は、移動子32の速度が所定の速度とな
った時点で行ってもよい。この場合は、移動子32の速
度を検出するエンコーダから出力されるパルスの間隔か
ら、移動子32の速度を求める。そして、移動子32の
速度が所定の速度に達した時点で、駆動司令部48の指
示により、L電圧制御部49は増幅率が定常駆動時にな
るスイッチング素子をオンし、他のスイッチング素子を
オフする。これにより、振動子21に入力される電圧が
定常駆動時となる。
【0070】また、駆動周波数は起動時には高く設定し
ておき、起動を開始したら徐々に低下するように制御
し、所望の速度になったらその周波数で保持する。この
ように周波数を制御する理由は、超音波アクチュエータ
20の駆動周波数が周囲の温度により変化し、起動時の
駆動周波数が共振点よりも低下することを防止するため
である。
【0071】第2実施形態でも、起動時にL相駆動信号
電圧を大きくしたために、加圧による縦振動振幅の減衰
を低減することができる。したがって、確実に起動でき
るとともに、時定数等の起動特性を向上させることがで
きる。また、起動時にL相駆動信号電圧のみを大きく
し、T駆動信号電圧は定常駆動時のままであるため、消
費電力を低減することができる。さらに、周囲の温度に
よって駆動周波数が変化しても、確実に駆動することが
できるように構成される。
【0072】図8は、第2実施形態における駆動周波数
の制御方法を示す説明図である。駆動周波数制御部51
は、マルチプレクサのようなものから構成され、駆動指
令部48からの信号選択を行うことができる。選択され
た信号によりMOS電界効果トランジスタ等のスイッチ
ング素子Q1〜Q8をオン−オフすることができるよう
に構成される。
【0073】演算増幅器の帰還部には、抵抗値が異なる
抵抗Rf1〜Rf8が並列に接続されており、各抵抗R
f1〜Rf8はそれぞれ直列につながれたスイッチング
素子Q1〜Q8が、制御信号発生部からの制御信号によ
りオンされることにより、演算増幅器の増幅量を決定す
ることができる。これにより、入力された駆動信号は演
算増幅器により増幅され、電圧制御発振器(VCO)に
入力される。電圧制御発振器(VCO)は、入力された
電圧値に応じた周波数を出力する。
【0074】図8を用いて、駆動周波数の制御手順を説
明する。起動時には、駆動指令部48の指示により、駆
動周波数を高くするために、駆動周波数制御部51は増
幅率が最も大きくなるスイッチング素子をオンし、他の
スイッチング素子をオフする。これにより、電圧制御発
振器(VCO)に入力される電圧が大きくなり、駆動周
波数が高くなる。その後、徐々に増幅率が小さくなるよ
うにオンされるスイッチング素子を切り換えて、駆動指
令部48が設定した温度になった時点で、その周波数を
保持する。
【0075】本実施形態では、説明を分かり易くするた
め、A/D変換部からのデジタル信号を8ビットとする
とともに、スイッチング素子及び抵抗Rfをそれぞれ8
個とした。しかし、A/D変換部からのデジタル信号を
4ビットとするとともに、スイッチング素子及び抵抗R
fをそれぞれ4個としてもよい。または、A/D変換部
からのデジタル信号を16ビットとするとともに、スイ
ッチング素子及び抵抗Rfをそれぞれ16個としてもよ
い。または、それ以上に設定してもよい。ビット数,ス
イッチング素子数及び抵抗数が多ければ多いほど、きめ
細かく周波数を変更することができる。
【0076】(第3実施形態)図9は、第3実施形態の
超音波アクチュエータの起動時におけるL相駆動信号電
圧,T相駆動信号電圧の制御を、駆動周波数とともに示
す説明図である。第3実施形態においても、起動時から
所定時間の間、本発明における第1駆動信号であるT相
駆動信号電圧と本発明における第2駆動信号であるL相
駆動信号電圧とについて、別々の制御を行う。
【0077】すなわち、駆動指令部48は、移動子32
の速度を設定してL電圧制御部49とT電圧制御部50
と駆動周波数制御部51とに起動の指示を出力する。こ
れにより、発振器43からある所望周波数の駆動信号が
出力され、出力された駆動信号がL電圧増幅部49とT
電圧制御部50とにおいてそれぞれ増幅され、超音波ア
クチュエータ20へ伝達される。ただし、起動時には、
L相駆動信号電圧のみを印加し、ある所定時間経過後に
T相駆動信号電圧の印加も開始する。
【0078】第3実施形態では、L相駆動信号電圧の印
加開始時からT相駆動信号電圧の印加開始時までの時間
を1(ミリ秒)と設定した。また、駆動周波数は、定常
駆動時の周波数のままで一定とした。第3実施形態で
は、起動時にL相駆動信号電圧のみを印加するようにし
たため、第1実施形態や第2実施形態に比較すると、消
費電力をより低減することができる。
【0079】(第4実施形態)図10は、第4実施形態
の超音波アクチュエータの起動時におけるL相駆動信号
電圧,T相駆動信号電圧及び駆動周波数の制御を示す説
明図である。駆動指令部48は、移動子32の速度を設
定して、L電圧制御部49とT電圧制御部50と駆動周
波数制御部51とに起動の指示を出力する。これによ
り、発振器43からある所望周波数f0(起動周波数)
の駆動信号が出力され、この駆動信号がL電圧増幅部4
6とT電圧増幅部45とによりそれぞれ増幅され、超音
波アクチュエータ20へ伝達される。
【0080】起動時には、L相駆動信号電圧のみを印加
し、そして、所定時間t1より短い時間t2が経過した
時点で駆動周波数をf1(定常駆動周波数)に切り換え
て高くし、所定時間t1が経過したら、T相駆動信号電
圧の印加を開始する。
【0081】図11は、周波数f0,f1の関係を示す
説明図である。駆動周波数に対して、縦振動振幅の極大
値(共振点)が捩じり振動振幅の極大値(共振点)より
も低くなると、好適な駆動制御を行うことができる。こ
のような振幅の関係により、駆動点(f1)に周波数を
保持したままで起動すると、縦振動の共振点から離れて
いるために、縦振動振幅が大きくなるまでに時間を要す
る。そこで、起動時のL相駆動信号電圧のみを印加して
いる時には、縦振動振幅が大きい周波数f0に設定し、
縦振動振幅が十分大きくなった時に、駆動周波数をf1
に切り換えて高くし、その後にT相駆動信号電圧の印加
を開始する。
【0082】このように周波数を制御することにより、
第3実施形態と比較すると、起動が確実になり、さら
に、時定数等の起動特性も向上させることができる。ま
た、本実施形態においても、起動時にL相駆動信号電圧
のみを印加するようにしたため、第1実施形態や第2実
施形態と比較しても、消費電力を低減することが可能と
なる。なお、第4実施形態においては、起動時にL相駆
動信号電圧のみを印加する例について説明した。しか
し、起動時にL相駆動信号電圧とT相駆動信号電圧の両
方を印加した状態で、駆動周波数を縦振動振幅が大きい
周波数f0に設定し、縦振動振幅が十分大きくなったと
きに駆動周波数を定常駆動周波数f1に切り換えてもよ
い。この場合においても、起動が確実になり、時定数等
の起動特性を向上させることができる。
【0083】(第5実施形態)図12は、第5実施形態
の超音波アクチュエータ20の振動子21を構成する弾
性体24,圧電体22a,22b及び電極36a,36
bの配置を、制御ブロックの概略とともに示す斜視図で
ある。第5実施形態の制御回路が第1実施形態の制御回
路と異なる点は、駆動司令部48が縦振動検出用圧電体
37bからの信号に基づいてL電圧制御部49およびT
電圧制御部50の制御を行う点である。
【0084】図13は、第5実施形態における超音波ア
クチュエータの起動時におけるL相駆動電圧、T相駆動
電圧の制御および、L相モニタ電圧を説明する図であ
る。駆動司令部48は、移動子32の速度を設定して、
L電圧制御部49とT電圧制御部50と駆動周波数制御
部51とに起動の指示を入力する。これにより、発振器
43からある所望周波数の駆動信号が出力される。この
駆動信号がL電圧増幅部46およびT電圧増幅部45で
増幅された後に超音波アクチュエータ20に伝達され
る。
【0085】起動時には、L相駆動信号電圧のみを印加
し、ある所定時間の経過後にT相駆動信号電圧の印加を
開始する。T相駆動信号電圧の印加を開始するタイミン
グは、縦振動の振幅が定常状態になった時点である。第
5実施形態においては、縦振動検出用圧電体37bの駆
動状態を示す信号であるL相モニタ電圧の振幅がほぼ一
定値になったときにT相駆動電圧の印加を開始する。
【0086】第5実施形態においては、起動時にL 相駆
動信号電圧のみを印加するようにしたために、第1実施
形態や第2実施形態と比較して、消費電力をより低減す
ることが可能となる。
【0087】(変形例)各実施形態では、振動アクチュ
エータとして超音波アクチュエータを用いたが、本発明
にかかる振動アクチュエータはこのような態様に限定さ
れるものではなく、他の振動域を利用した振動アクチュ
エータについても等しく適用することができる。
【0088】また、各実施形態の超音波アクチュエータ
は、捩じり振動と縦振動とを組み合わせた異形モード異
入力(各振動を起こすための入力が独立している)の超
音波アクチュエータを用いた。しかし、異形モード異入
力の超音波アクチュエータであれば、捩じり振動及び縦
振動以外の他の振動を組み合わせた場合であっても、一
方の振動が相対運動部材の駆動に関与し、他方の振動が
振動子と相対運動部材との間のクラッチ的機構に関与す
るものであれば、同様な構成により、全く同様の効果を
得ることができる。
【0089】例えば、平板形状の振動体に縦振動(伸縮
振動)及び屈曲振動(曲げ振動)を組み合わせた超音波
アクチュエータや、ドーナツ型円板形状で円環対称伸び
振動と非軸対称振動とを組み合わせた超音波アクチュエ
ータ等がある。
【0090】さらに、同形モードの超音波アクチュエー
タであっても、各振動の励起が異入力であって、一方の
振動が相対運動部材の駆動に関与し、他方の振動が振動
子と相対運動部材との間のクラッチ的機構に関与するも
のであれば、同様な構成により全く同様の効果を生じる
ことができる。例えば、角柱形状や円柱形状の振動体の
曲げ振動と曲げ振動とを組み合わせた超音波アクチュエ
ータ等がある。
【0091】また、本実施形態に用いた超音波アクチュ
エータは、電気機械変換素子として圧電体を用いたが、
本発明にかかる振動アクチュエータはこれに限定される
ものではない。圧電体以外には、電歪素子や磁歪素子等
の電気エネルギーを機械的変位に変換することができる
素子を例示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータを示す縦
断面図である。
【図2】第1実施形態における振動子の振動用圧電体の
配置を示す説明図であって、図2(a)は振動子の上面
図,図2(b)は振動子に発生する縦振動及び捩じり振
動の一例を、振動用圧電体の配置と併せて示す振動子の
側面図である。
【図3】第1実施形態における振動子を構成する弾性
体,圧電体及び電極の配置を、制御ブロックの概略とと
もに示す説明図である。
【図4】第1実施形態における振動子に発生する捩じり
振動T及び縦振動Lを組み合わせて、振動子の駆動面に
楕円運動を発生させることを経時的に示す説明図であ
る。
【図5】第1実施形態の超音波アクチュエータの起動時
のL相駆動信号電圧,T相駆動信号電圧の制御を、エン
コーダのパルス及び駆動周波数とともに示す説明図であ
る。
【図6】L相駆動信号電圧の制御を例として、駆動信号
電圧を制御する方法を示す説明図である。
【図7】第2実施形態における超音波アクチュエータの
起動時のL相駆動信号電圧,T相駆動信号電圧及び駆動
周波数の制御を、エンコーダのパルス及び駆動周波数と
ともに示す説明図である。
【図8】第2実施形態における駆動周波数の制御方法を
示す説明図である。
【図9】第3実施形態の超音波アクチュエータの起動時
におけるL相駆動信号電圧,T相駆動信号電圧の制御
を、駆動周波数とともに示す説明図である。
【図10】第4実施形態の超音波アクチュエータの起動
時におけるL相駆動信号電圧,T相駆動信号電圧及び駆
動周波数の制御を示す説明図である。
【図11】周波数f0,f1の関係を示す説明図であ
る。
【図12】第5実施形態における振動子を構成する弾性
体,圧電体及び電極の配置を、制御ブロックの概略とと
もに示す説明図である。
【図13】第5実施形態の超音波アクチュエータの起動
時におけるL相駆動信号電圧,T相駆動信号電圧の制御
を、L相のモニタ電圧と共に示す説明図である。
【図14】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータの構
造例を示した斜視図である。
【図15】図14に示す振動アクチュエータの固定子を
展開して示す斜視図である。
【図16】従来の振動アクチュエータの構造例を示す縦
断面図である。
【図17】図16の振動アクチュエータの制御を示すブ
ロック図である。
【図18】図18(a)は、図16に示す振動子を底面
方向から見た図であり、図18(b)は、図16に示す
振動子を側面方向から見た図である。
【図19】弾性体に発生する捩じり振動と縦振動とを組
み合わせて駆動面に楕円運動を発生させる振動アクチュ
エータの駆動原理を示す説明図である。
【符号の説明】
20 超音波アクチュエータ 21 振動子 21a 駆動面 22a,22b 圧電体 23 弾性体 23a,23b,23c 小径部 23A,23B,23C,23D 大径部 24a,24b 半弾性部材 26a,26b 貫通孔 27a,27b ボルト 28a,28b ナット 29 固定ピン 30 貫通孔 31 固定軸 31b,31c 溝 32 移動子 32a 移動子母材 32b 摺動材 32c 歯車 33 ベアリング 34 皿バネ(加圧部材) 35 ナット 36a,36b 電極 40 駆動部 41 駆動回路 42 制御回路 43 発振器 44 移相部 45 T電圧増幅部 46 L電圧増幅部 47 速度検出部 48 駆動指令部 49 L電圧制御部 50 T電圧制御部 51 駆動周波数制御部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子と、 前記振動子に加圧接触されて、前記振動子との間で相対
    運動を行う相対運動部材と、 前記振動子に第1駆動信号及び第2駆動信号を出力する
    駆動回路と、 を有する振動アクチュエータにおいて、 前記振動子は、前記第1駆動信号によって前記相対運動
    の方向と略同じ方向へ変位する第1振動を発生するとと
    もに、前記第2駆動信号によって前記相対運動の方向と
    交差する方向へ変位する第2振動を発生し、 前記駆動回路は、起動時から所定時間の間のみ、前記第
    1駆動信号と前記第2駆動信号とについて、独立した制
    御を行うことを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記駆動回路は、前記起動時から前記所定時間が経過す
    るまでは前記第2駆動信号の電圧を前記第1駆動信号の
    電圧より大きくするように制御を行う。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記駆動回路は、前記所定時間の間に、前記第1駆動信
    号または前記第2駆動信号の少なくとも一方に対し、駆
    動周波数を変更する制御を行う。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記駆動回路は、前記起動時から前記所定時間が経過す
    るまでは前記第2駆動信号のみを出力し、前記所定時間
    が経過した後は、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信
    号を出力する制御を行う。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記駆動回路は、前記所定時間の間に、前記第2駆動信
    号の駆動周波数を変更する制御を行う。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記相対運動の速度を検出する相対運動検出手段を更に
    有し、 前記駆動回路は、前記相対運動検出手段によって検出さ
    れた前記相対運動の速度に基づいて前記所定時間を決定
    する。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記第2振動の駆動状態を検出する検出手段を更に有
    し、 前記駆動回路は、前記検出手段が検出した前記駆動状態
    に基づいて前記所定時間を決定する。
  8. 【請求項8】 駆動回路から第1駆動信号を出力して振
    動子に第1振動を発生させるとともに、前記駆動回路か
    ら第2駆動信号を出力して前記振動子に第2振動を発生
    させることにより、前記振動子と前記振動子に加圧接触
    する相対運動部材との間で相対運動を発生する振動アク
    チュエータの制御方法であって、 起動時から所定時間の間のみ、前記第1駆動信号と前記
    第2駆動信号とについて、別々の制御を行うことを特徴
    とする振動アクチュエータの制御方法。
  9. 【請求項9】 振動子と、 前記振動子に加圧接触されて、前記振動子との間で相対
    運動を行う相対運動部材と、 前記振動子に駆動信号を出力する駆動回路と、 を有する振動アクチュエータにおいて、 前記振動子は、前記駆動信号によって、前記相対運動の
    方向と略同じ方向へ変位する第1振動及び前記相対運動
    の方向と交差する方向へ変位する第2振動を発生し、 前記駆動回路は、起動時から所定時間の間のみ、前記第
    1振動と前記第2振動とについて、別々の制御を行う。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の振動アクチュエータ
    において、 前記制御回路は、前記起動時から前記所定時間が経過す
    るまでは、前記第2振動のみを発生させ、前記所定時間
    が経過した後は、前記第1振動及び前記第2振動を発生
    させる。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の振動アクチュエータ
    において、 前記相対運動の速度を検出する相対運動検出手段を更に
    有し、 前記駆動回路は、前記相対運動検出手段によって検出さ
    れた前記相対運動の速度に基づいて前記所定時間を決定
    する。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の振動アクチュエータ
    において、 前記第2振動の駆動状態を検出する検出手段を更に有
    し、 前記駆動回路は、前記検出手段が検出した前記駆動状態
    に基づいて前記所定時間を決定する。
  13. 【請求項13】 駆動回路から駆動信号を出力して振動
    子に第1振動及び第2振動を発生させることにより、前
    記振動子と前記振動子に加圧接触する相対運動部材との
    間で相対運動を発生する振動アクチュエータの制御方法
    であって、 起動時から所定時間の間のみ、前記第1振動と前記第2
    振動とについて、別々の制御を行うことを特徴とする振
    動アクチュエータの制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006109679A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Olympus Corp 超音波アクチュエータ装置及び超音波アクチュエータ駆動方法
JP2008172853A (ja) * 2007-01-05 2008-07-24 Olympus Corp 定在波型超音波アクチュエータの駆動方法およびその駆動装置

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