JPH10138437A - 透明被覆成形品およびその製造方法 - Google Patents

透明被覆成形品およびその製造方法

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JPH10138437A
JPH10138437A JP30206096A JP30206096A JPH10138437A JP H10138437 A JPH10138437 A JP H10138437A JP 30206096 A JP30206096 A JP 30206096A JP 30206096 A JP30206096 A JP 30206096A JP H10138437 A JPH10138437 A JP H10138437A
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俊彦 樋口
Hiroshi Shimoda
博司 下田
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候試験におけるクラック発生防止性能と高い
耐磨耗性を両立させた紫外線硬化性組成物の硬化物層を
表面に有する透明被覆成形品を提供する。 【解決手段】透明プラスチック基材上に、その表面に接
する紫外線硬化性組成物の硬化物の層とコロイド状シリ
カ含有含有紫外線硬化性組成物の硬化物の層をこの順に
形成した透明被覆成形品、および各硬化物の層となる未
硬化の組成物の層を形成した後に紫外線を照射して各未
硬化の組成物の層一度に硬化させる透明被覆成形品の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明プラスチック
基材上に、活性エネルギー線(特に紫外線)を照射して
形成された耐磨耗性、透明性、耐候性などに優れた透明
被覆層を有する透明被覆成形品、およびこの透明被覆成
形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスに代わる透明材料として透
明プラスチック材料が用いられるようになってきてい
る。とりわけ芳香族ポリカーボネート樹脂は耐破砕性、
透明性、軽量性、易加工性などに優れ、その特徴を生か
して、外壁、アーケード等の大面積の透明部材として各
方面で使用されている。しかし、ガラスの代替として使
用するには表面の硬度が充分ではなく、傷つきやすく磨
耗しやすいことから透明性が損なわれやすいという欠点
を有している。
【0003】従来、芳香族ポリカーボネート樹脂の耐擦
傷性や耐磨耗性を改良するために多くの試みがなされて
きた。最も一般的な方法の一つに分子中にアクリロイル
基等の重合性官能基を2以上有する重合硬化性化合物を
基材に塗布し、熱あるいは紫外線等の活性エネルギー線
により硬化させ、耐擦傷性に優れた透明被覆層を有する
成形品を得る方法がある。この方法は、コート液も比較
的安定で、特に紫外線硬化が可能であるため生産性に優
れ、成形品に曲げ加工を施した場合でも硬化皮膜にクラ
ックが発生することがなく表面の耐擦傷性や耐磨耗性を
改善することができる。しかし、硬化皮膜が有機物のみ
からなることから長期間の外使い等の厳しい条件では使
用に限界がある。
【0004】一方、より高い表面硬度を基材に付与させ
るための方法として、金属アルコキシド化合物を基材に
塗布し熱により硬化させる方法がある。金属アルコキシ
ドとしてはケイ素系の化合物が広く用いられており、耐
磨耗性に非常に優れた硬化皮膜を形成できる反面、金属
アルコキシドの硬化に高温を必要とするため生産性が低
く、また硬化皮膜と基材との密着性に乏しいため、硬化
皮膜の剥離やクラックを生じやすい等の欠点を有してい
た。
【0005】これらの技術の欠点を改良する方法として
特開昭61−181809に示されるようにアクリロイ
ル基を有する化合物とコロイド状シリカの混合物を基材
に塗布し、紫外線等の活性エネルギー線により硬化さ
せ、耐擦傷性に優れた透明被覆層を形成する方法があ
る。コロイド状シリカを重合硬化性化合物と併用するこ
とにより、かなり高い表面硬度と生産性を両立させるこ
とが可能である。また、特開平1−188509、特開
平1−315403、特開平2−64138、特開平5
−93170、特開平5−117545には、このよう
な方法においてビニル官能性シラン、アクリル官能性シ
ラン、エポキシ官能性シラン、アミノ官能性シラン等で
表面修飾したコロイド状シリカを用いる技術が開示され
ている。
【0006】しかし、こうした非常に硬い被膜を透明プ
ラスチック基材に直接コートすると、基材と硬化被膜の
熱膨張率の差が非常に大きくなり、耐候試験の過程でマ
イクロクラックが生じることがある。こうしたマイクロ
クラックが生じると巨視的には透明基材のヘーズとなっ
て現れる。さらに、耐候試験を進めるとこうしたマイク
ロクラックを起点にして硬化被膜が基材からはがれ落ち
てしまうといった問題が生じることが分かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の欠点を
解消しようとするものである。すなわち、充分な表面耐
擦傷性、耐磨耗性を有し、さらに耐候性に優れた透明被
覆層を有する成形品およびその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決目的として検討を行った結果、特定の層構成を有
する成形品およびその製造方法を見いだした。本発明は
この成形品およびその製造方法にかかわる下記発明であ
る。
【0009】透明プラスチック基材の表面に活性エネル
ギー線硬化性組成物の硬化物からなる少なくとも2層構
造の透明被覆層を有する透明被覆成形品において、透明
被覆層の基材表面に接する層が活性エネルギー線硬化性
の下記組成物(A)の硬化物からなる層であり、透明被
覆層の最外層が活性エネルギー線硬化性の下記組成物
(B)の硬化物からなる層であることを特徴とする透明
被覆成形品。
【0010】透明プラスチック基材の表面に活性エネル
ギー線硬化性組成物の硬化物からなる少なくとも2層構
造の透明被覆層を有する透明被覆成形品を製造する方法
において、活性エネルギー線硬化性の下記組成物(A)
と活性エネルギー線硬化性の下記組成物(B)の少なく
とも2つの活性エネルギー線硬化性組成物を用い、透明
プラスチック基材上に、組成物(A)の未硬化物からな
る基材に接した未硬化層と組成物(B)の未硬化物から
なる最外未硬化層とを有する少なくとも2つの未硬化層
を形成し、次いでこれら未硬化層に活性エネルギー線を
照射してこれら未硬化層の組成物をほぼ同時に硬化させ
ることを特徴とする透明被覆成形品の製造方法。
【0011】組成物(A):活性エネルギー線硬化性の
重合性官能基を2以上有する多官能性化合物(a)と光
重合開始剤とを含み、実質的に有効量のコロイド状シリ
カを含まない組成物。 組成物(B):活性エネルギー線硬化性の重合性官能基
を2以上有する多官能性化合物(b)、光重合開始剤お
よび平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含む
組成物。
【0012】本発明のにおける透明被覆層は、透明プラ
スチック基材の表面に接する層(以下、基材接触層とい
う)が最外層に比較して柔軟であることより前記マイク
ロクッラクを生じるおそれが少なく、かつ透明被覆層の
最外層(以下、露出層という)の表面硬度が高いことよ
り耐擦傷性や耐磨耗性が高い。したがって、透明被覆層
全体としては従来の表面特性を維持した上でマイクロク
ッラクの発生が少ないという特徴を有する。加えて本発
明の製造方法は、上記透明被覆成形品の特徴に加えて、
未硬化層の形成工程が増加すること以外は従来と同様の
製造方法で製造することができることより従来法と同程
度の製造効率を維持することができ、さらに透明被覆層
の層間接着強度も高いという特徴を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のにおける透明被覆層は、
組成物(A)の硬化物からなる基材接触層と組成物
(B)の硬化物からなる露出層の少なくとも2層構成で
あることを必須とする。場合によっては基材接触層と露
出層との間に中間層を1層以上有していてもよい。中間
層は活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物からなるこ
とが好ましい。この中間層の硬化性組成物は組成物
(A)と同等〜類似の組成物であってもよく、組成物
(B)と同等〜類似の組成物であってもよい。たとえ
ば、組成物(B)に比較してコロイド状シリカの含有量
が少ない組成物(B)と同等の組成物を使用できる。中
間層を形成する場合、中間層形成用組成物の硬化は未硬
化層を形成し組成物(A)、組成物(B)と同時に硬化
する方法が好ましい。以下まず組成物(A)、組成物
(B)の材料について説明する。中間層の材料もこれら
材料と同じものを使用できる。
【0014】組成物(A)、組成物(B)における活性
エネルギー線硬化性の重合性官能基を2以上有する多官
能性化合物(a)、(b)は、具体的な組成物(A)と
組成物(B)の組み合わせにおいて両者同一の多官能性
化合物であってもよく、同一範疇の異なる化合物であっ
てもよく、範疇の異なる化合物であってもよい。たとえ
ば、両者ともアルリルウレタンである異なる化合物の組
み合わせであってもよく、一方がアルリルウレタン、他
方がウレタン結合を有しないアクリル酸エステル化合物
である組み合わせであってもよい。以下の説明において
は多官能性化合物(a)、(b)を区別することなく両
者共通に「多官能性化合物」という。
【0015】活性エネルギー線硬化性の重合性官能基を
2以上有する多官能性化合物における活性エネルギー線
硬化性の重合性官能基としては、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、ビニル基、アリル基などのα,β−不飽
和基やそれを有する基であり、アクリロイル基またはメ
タクリロイル基であることが好ましい。すなわち、多官
能性化合物としては、アクリロイル基およびメタクリロ
イル基から選ばれる1種以上の重合性官能基を2以上有
する化合物が好ましい。さらにそのうちでも紫外線によ
ってより重合しやすいアクリロイル基が好ましい。な
お、この多官能性化合物は1分子中に2種以上の重合性
官能基を合計2以上有する化合物であってもよく、また
同じ重合性官能基を合計2以上有する化合物であっても
よい。
【0016】多官能性化合物1分子中における重合性官
能基の数は2以上であり、その上限は特に限定されな
い。通常は2〜50個が適当であり、特に2〜30個が
好ましい。
【0017】以下の説明において、アクリロイル基およ
びメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル基
という。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリレート等も表現も同様とする。
なお、上記のようにこれらの基や化合物のうちでより好
ましいものはアクリロイル基を有するもの、たとえばア
クリロイルオキシ基、アクリル酸、アクリレート等であ
る。
【0018】多官能性化合物として好ましい化合物は
(メタ)アクリロイル基を2以上有する化合物である。
そのうちでも(メタ)アクリロイルオキシ基を2以上有
する化合物、すなわち多価アルコールなどの2以上の水
酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエス
テル、が好ましい。
【0019】組成物(A)、(B)において、多官能性
化合物として2種以上の多官能性化合物が含まれていて
もよい。また、多官能性化合物とともに、活性エネルギ
ー線によって重合しうる重合性官能基を1個有する単官
能性化合物が含まれていてもよい。この単官能性化合物
としては(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ま
しく、特にアクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0020】組成物(A)、(B)においてこの単官能
性化合物を使用する場合、多官能性化合物とこの単官能
性化合物との合計に対するこの単官能性化合物の割合
は、特に限定されないが0〜60重量%が適当である。
単官能性化合物の割合が多すぎると硬化塗膜の硬さが低
下し耐磨耗性が不充分となるおそれがある。したがって
少なくとも組成物(B)においては単官能性化合物の割
合は少ないことが好ましい。多官能性化合物とこの単官
能性化合物との合計に対する単官能性化合物のより好ま
しい割合は組成物(A)、(B)のいずれにおいても0
〜30重量%である。
【0021】多官能性化合物としては、重合性官能基以
外に種々の官能基や結合を有する化合物であってもよ
い。たとえば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原
子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、チオ
エーテル結合、アミド結合などを有していてもよい。特
に、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル基含有
化合物(いわゆるアクリルウレタン)とウレタン結合を
有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物が好まし
い。以下これら2つの多官能性化合物について説明す
る。
【0022】ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイ
ル基含有化合物(以下アクリルウレタンという)は、た
とえば、(1)(メタ)アクリロイル基と水酸基を有す
る化合物(x1)と2以上のイソシアネート基を有する
化合物(以下ポリイソシアネートという)との反応生成
物、(2)化合物(x1)と2以上の水酸基を有する化
合物(x2)とポリイソシアネートとの反応生成物、
(3)(メタ)アクリロイル基とイソシアネートを有す
る化合物(x3)と化合物(x2)との反応生成物、な
どがある。これらの反応生成物においては、イソシアネ
ート基が存在しないことが好ましい。しかし、水酸基は
存在してもよい。したがって、これらの反応生成物の製
造においては、全反応原料の水酸基の合計モル数はイソ
シアネート基の合計モル数と等しいかそれより多いこと
が好ましい。
【0023】(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する
化合物(x1)としては、(メタ)アクリロイル基と水
酸基をそれぞれ1個ずつ有する化合物であってもよく、
(メタ)アクリロイル基2個以上と水酸基1個を有する
化合物、(メタ)アクリロイル基1個と水酸基2個以上
を有する化合物、(メタ)アクリロイル基と水酸基をそ
れぞれ2個以上有する化合物であってもよい。具体例と
して、上記順に、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ートなどがある。これらは2以上の水酸基を有する化合
物と(メタ)アクリル酸とのモノエステルまたは1個以
上の水酸基を残したポリエステルである。
【0024】さらに化合物(x1)としては、エポキシ
基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開
環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)ア
クリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステル
結合が生じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロ
イル基と水酸基を有する化合物となる。またエポキシ基
を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水酸
基含有化合物としそれを(メタ)アクリル酸エステルに
変換することもできる。
【0025】エポキシ基を1個以上有する化合物として
は、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシ
ドが好ましい。ポリエポキシドとしては、たとえば多価
フェノール類−ポリグリシジルエーテル(たとえばビス
フェノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリシジ
ル基を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合物が
好ましい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)アクリ
レートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との反
応生成物を化合物(x1)として使用することもでき
る。エポキシ基を有する(メタ)アクリレートとして
は、たとえばグリシジル(メタ)アクリレートがある。
【0026】化合物(x1)の上記以外の具体例として
は、たとえば以下の化合物がある。2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール
モノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート、2−ブテン−1,4−ジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルモノ(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールモノ(ないしペン
タ)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−ジグリシ
ジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物。
【0027】ポリイソシアネートとしては、通常の単量
体状のポリイソシアネートはもちろん、ポリイソシアネ
ートの多量体や変性体またはイソシアネート基含有ウレ
タンプレポリマーなどのプレポリマー状の化合物であっ
てもよい。
【0028】多量体としては3量体(イソシアヌレート
変性体)、2量体、カルボジイミド変性体などがあり、
変性体としてはトリメチロールプロパン等の多価アルコ
ールで変性して得られるウレタン変性体、ビュレット変
性体、アロハネート変性体、ウレア変性体などがある。
プレポリマー状のものの例としては、後述ポリエーテル
ポリオールやポリエステルポリオールなどのポリオール
とポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシア
ネート基含有ウレタンプレポリマーなどがある。これら
ポリイソシアネートは2種以上併用して使用できる。
【0029】具体的な単量体状のポリイソシアネートと
しては、たとえば、以下のポリイソシアネートがある
([ ]内は略称)。2,6−トリレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トラ
ンスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート[XDI]、水添XDI、水添
MDI、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジ
イソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシ
クロヘプタントリイソシアネート。
【0030】ポリイソシアネートとしては特に無黄変性
ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイソシアネ
ート基を有しないポリイソシアネート)が好ましい。具
体的にはヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族
ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
の脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ートなどの芳香族ポリイソシアネートがある。上記のよ
うにこれらポリイソシアネートの多量体や変性体等も好
ましい。
【0031】2以上の水酸基を有する化合物(x2)と
しては、多価アルコールや多価アルコールに比較して高
分子量のポリオールなどがある。
【0032】多価アルコールとしては、2〜20個の水
酸基を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15
個の水酸基を有する多価アルコールが好ましい。多価ア
ルコールは脂肪族の多価アルコールはもちろん、脂環族
多価アルコールや芳香核を有する多価アルコールであっ
てもよい。
【0033】芳香核を有する多価アルコールとしてはた
とえば多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物や
多価フェノール類−ポリグリシジルエーテルなどの芳香
核を有するポリエポキシドの開環物などがある。
【0034】高分子量のポリオールとしてはポリエーテ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
エステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなど
がある。また、ポリオールとして水酸基含有ビニルポリ
マーをも使用できる。これら多価アルコールやポリオー
ルは2種以上併用することもできる。
【0035】多価アルコールの具体例としてはたとえば
以下の多価アルコールがある。エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキ
サン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエ
リスリトール、3,9−ビス(ヒドロキシメチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、ビスフェノールA−ジグリシジ
ルエーテルの開環物、ビニルシクロヘキセンジオキシド
の開環物。
【0036】ポリオールの具体例としてはたとえば以下
のポリオールがある。ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ビスフェノールA−アルキレンオ
キシド付加物、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテルポリオール。ポリブタジエンジオール、水添ポ
リブタジエンジオール等の脂肪族ポリオール。ポリε−
カプロラクトンポリオール。アジピン酸、セバシン酸、
フタル酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グル
タル酸等の多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得
られるポリエステルポリオール。1,6−ヘキサンジオ
ールとホスゲンの反応で得られるポリカーボネートジオ
ール。
【0037】水酸基含有ビニルポリマーとしてはたとえ
ばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒドロキシア
ルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートなどの水酸基含有単量体とオレフィンなどの
水酸基不含単量体との共重合体がある。
【0038】(メタ)アクリロイル基とイソシアネート
を有する化合物(x3)としては、2−イソシアネート
エチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシア
ネート、3−または4−イソプロペニル−α,α−ジメ
チルベンジルイソシアネートなどがある。
【0039】多官能性化合物として好ましいウレタン結
合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物として
は、前記化合物(x2)と同様の2以上の水酸基を有す
る化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルが好ま
しい。2以上の水酸基を有する化合物としては前記多価
アルコールやポリオールが好ましい。さらに、2以上の
エポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反
応生成物である(メタ)アクリル酸エステル化合物も好
ましい。
【0040】2以上のエポキシ基を有する化合物として
はエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドがある。
たとえば、グリシジルエーテル型ポリエポキシド、脂環
型ポリエポキシドなどのエポキシ樹脂として市販されて
いるものを使用できる。具体的にはたとえば以下のよう
なポリエポキシドがある。ビスフェノールA−ジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエー
テル、グリセリントリグリシジルエーテル、ノボラック
ポリグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキ
シド、ジシクロペンタジエンジオキシド。
【0041】ウレタン結合を含まない多官能性化合物の
具体例としてはたとえば以下のような化合物がある。
【0042】以下の脂肪族多価アルコールの(メタ)ア
クリレート。1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、炭素数14〜15の長鎖脂肪族ジオールのジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロール
ジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールとトリメチロールプロ
パンとの縮合物からなるジオールのジ(メタ)アクリレ
ート。
【0043】以下の芳香核またはトリアジン環を有する
多価アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレー
ト。ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビス
フェノールA、ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル)ビスフェノールS、ジ(2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチル)ビスフェノールF、トリス(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビ
スフェノールAジメタクリレート。
【0044】以下の水酸基含有化合物−アルキレンオキ
シド付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合物
−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポリ
オキシアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート。
ただし、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオ
キシドを表し、[ ]内はポリオキシアルキレンポリオ
ールの分子量を表す。トリメチロールプロパン−EO付
加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パン−PO付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトール−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコール[200〜1000]ジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール[2
00〜1000]ジ(メタ)アクリレート。
【0045】下記(メタ)アクリロイル基を有するカル
ボン酸エステルやリン酸エステル。ビス(アクリロイル
オキシネオペンチルグリコール)アジペート、ヒドロキ
シピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールエステル−カプロラクトン付加物のジ(メ
タ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル)ホスフェート、トリス(2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル)ホスフェート。
【0046】下記ポリエポキシドの(メタ)アクリル酸
付加物(ただし、ポリエポキシドのエポキシ基1個あた
り1分子の(メタ)アクリル酸が付加したもの)、およ
びグリシジル(メタ)アクリレートと多価アルコールも
しくは多価カルボン酸との反応生成物(ただし、多価ア
ルコール等の1分子あたりグリシジル(メタ)アクリレ
ート2分子以上反応したもの)。ビスフェノールA−ジ
グリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ビニ
ルシクロヘキセンジオキシド−(メタ)アクリル酸付加
物、ジシクロペンタジエンジオキシド−(メタ)アクリ
ル酸付加物、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレ
ングリコールの反応生成物、グリシジル(メタ)アクリ
レートとプロピレングリコールの反応生成物、グリシジ
ル(メタ)アクリレートとジエチレングリコールの反応
生成物、グリシジル(メタ)アクリレートと1,6−ヘ
キサンジオールの反応生成物、グリシジル(メタ)アク
リレートとグリセロールの反応生成物、グリシジル(メ
タ)アクリレートとトリメチロールプロパンの反応生成
物、グリシジル(メタ)アクリレートとフタル酸の反応
生成物。
【0047】上記のような(メタ)アクリレート類でか
つ未反応の水酸基を有している化合物のアルキルエーテ
ル化物、アルケニルエーテル化物、カルボン酸エステル
化物など(以下、変性ともいう)で、下記のような化合
物。アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ビニルシク
ロヘキセンジオキシド−(メタ)アクリル酸付加物のア
リルエーテル化物、ビニルシクロヘキセンジオキシド−
(メタ)アクリル酸付加物のメチルエーテル化物、ステ
アリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート。
【0048】多官能性化合物とともに使用できる単官能
性化合物としては、たとえば分子中に1個の(メタ)ア
クリロイル基を有する化合物が好ましい。そのような単
官能性化合物は、水酸基、エポキシ基などの官能基を有
していてもよい。好ましい単官能性化合物は(メタ)ア
クリル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレートであ
る。
【0049】具体的な単官能性化合物としてはたとえば
以下の化合物がある。メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル
グリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物。
【0050】組成物(A)は実質的に有効量のコロイド
状シリカを含まず、組成物(B)は平均粒径200nm
以下のコロイド状シリカを含む。組成物(A)が実質的
に有効量のコロイド状シリカを含まないとは、マイクロ
クッラクが発生しやすくなる程度の量のコロイド状シリ
カを含まないことを意味し、通常は組成物(A)中の硬
化性成分(多官能性化合物と単多官能性化合物の合計)
100重量部に対して5重量部未満である。勿論この量
は組成物(B)におけるコロイド状シリカの量に比較し
て効果上充分に差異が認められる量である必要がある。
組成物(A)は、好ましくはコロイド状シリカをまった
く含まない。なお、前記した中間層がコロイド状シリカ
を含む場合は、その量は組成物(A)と組成物(B)に
おけるコロイド状シリカ含有量の中間の量であることが
好ましい。
【0051】組成物(B)は露出層の表面硬度を高める
上で有効量の平均粒径200nm以下のコロイド状シリ
カを含む。コロイド状シリカの平均粒径は1〜100n
mであることが好ましく、特に1〜50nmが好まし
い。コロイド状シリカはまた下記表面修飾されたコロイ
ド状シリカであることが、コロイド状シリカの分散安定
性およびコロイド状シリカと多官能性化合物との密着性
向上の面で好ましい。
【0052】組成物(B)におけるこれらコロイド状シ
リカの量は、組成物(B)中の硬化性成分(多官能性化
合物と単多官能性化合物の合計)100重量部に対して
5重量部以上が適当であり、10重量部以上が好まし
い。この量が少ない場合には充分な表面硬度を有する硬
化被膜が得られ難い。また多すぎると硬化被膜にヘーズ
が発生しやすくなり、また得られた透明被覆成形品を熱
曲げ加工などの2次加工を行う場合にはクラックが生じ
やすくなるなどの問題を生じやすくなる。したがって、
組成物(B)におけるコロイド状シリカ量の上限は硬化
性成分100重量部に対して300重量部であることが
好ましい。より好ましい組成物(B)におけるこれらコ
ロイド状シリカの量は硬化性成分100重量部に対して
50〜250重量部である。
【0053】コロイド状シリカとしては表面未修飾のコ
ロイド状シリカを使用することができるが、好ましくは
表面修飾されたコロイド状シリカを使用する。表面修飾
されたコロイド状シリカの使用は組成物中のコロイド状
シリカの分散安定性を向上させる。修飾によってコロイ
ド状シリカ微粒子の平均粒径は実質的に変化しないか多
少大きくなると考えられるが、得られる修飾コロイド状
シリカの平均粒径は上記範囲のものであると考えられ
る。以下組成物(B)に使用する場合を例として表面修
飾されたコロイド状シリカ(以下単に修飾コロイド状シ
リカという)について説明するが、前記のように修飾コ
ロイド状シリカは組成物(B)のみに使用されることに
限定されるものではない。
【0054】修飾コロイド状シリカの原料となる未修飾
のコロイド状シリカは酸性または塩基性の分散体形態で
入手できる。いずれの形態でも使用できるが、塩基性コ
ロイド状シリカを使用する場合は組成物(B)がゲル化
しないように、またシリカがコロイド分散系から沈殿し
ないように、有機酸の添加のような手段によって分散体
を酸性にすることが好ましい。
【0055】コロイド状シリカの分散媒としては種々の
分散媒が知られており、原料コロイド状シリカの分散媒
は特に限定されない。必要により分散媒を変えて修飾を
行うことができ、また修飾後に分散媒を変えることもで
きる。修飾コロイド状シリカの分散媒はそのまま組成物
(B)の媒体(溶媒)とすることが好ましい。組成物
(B)の媒体としては、乾燥性などの面から比較的低沸
点の溶媒、すなわち通常の塗料用溶媒、であることが好
ましい。製造の容易さなどの理由により、原料コロイド
状シリカの分散媒、修飾コロイド状シリカの分散媒およ
び組成物(B)の媒体はすべて同一の媒体(溶媒)であ
ることが好ましい。このような媒体としては、塗料用溶
媒として広く使用されているような有機媒体が好まし
い。
【0056】分散媒としては、たとえば以下のような分
散媒を使用できる。水;メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノー
ル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エ
チレングリコールのような低級アルコール類;メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセ
ロソルブ類;ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレ
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトンな
ど。前記のように特に分散媒としては有機分散媒が好ま
しく、上記中の有機分散媒の中ではさらにアルコール類
およびセロソルブ類が好ましい。なお、コロイド状シリ
カとそれを分散させている分散媒との一体物をコロイド
状シリカ分散液という。
【0057】コロイド状シリカの修飾は加水分解性ケイ
素基または水酸基が結合したケイ素基を有する化合物
(以下これらを修飾剤という)を用いて行うことが好ま
しい。加水分解性ケイ素基の加水分解によってシラノー
ル基が生じ、これらシラノール基がコロイド状シリカ表
面に存在すると考えられるシラノール基と反応して結合
し、修飾剤がコロイド状シリカ表面に結合すると考えら
れる。修飾剤は2種以上を併用してもよい。また後述の
ように互いに反応性の反応性官能基を有する修飾剤2種
をあらかじめ反応させて得られる反応生成物を修飾剤と
して用いることもできる。
【0058】修飾剤は2個以上の加水分解性ケイ素基や
シラノール基を有していてもよく、また加水分解性ケイ
素基を有する化合物の部分加水分解縮合物やシラノール
基を有する化合物の部分縮合物であってもよい。好まし
くは1個の加水分解性ケイ素基を有する化合物を修飾剤
として使用する(修飾処理過程で部分加水分解縮合物が
生じてもよい)。また、修飾剤はケイ素原子に結合した
有機基を有し、その有機基の少なくとも1個は反応性官
能基を有する有機基であることが好ましい。好ましい修
飾剤は下記(式1)で表される化合物である。
【0059】Y3-n −SiR1 n2 ・・・(式1) ただし、Yは加水分解性基、R1 は反応性官能基を有し
ない1価の有機基、R2 は反応性官能基を有する1価の
有機基、nは0、1、または2を表す。
【0060】Yで表される加水分解性基としては、たと
えば、ハロゲン基、アルコキシ基、アシロキシ基、アミ
ド基、アミノ基、アミノキシ基、ケトキシメート基など
があり、特にアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基と
しては、炭素数4以下のアルコキシ基が好ましく、特に
メトキシ基とエトキシ基が好ましい。なお、nは0また
は1であることが好ましい。また、(式1)と同様に表
されかつそのYが水酸基である化合物は上記シラノール
基を有する化合物の例である。
【0061】R1 で表される反応性官能基を有しない1
価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アラル
キル基などの炭素数18以下の炭化水素基が好ましい。
この炭化水素基としては、炭素数8以下の炭化水素基、
特に炭素数4以下のアルキル基が好ましい。R1 として
は特にメチル基とエチル基が好ましい。なお、ここにお
ける1価の有機基とは炭素原子によってケイ素原子に結
合する有機基をいう(R2 においても同じ)。
【0062】R2 で表される反応性官能基を有する1価
の有機基としては、反応性官能基を有するアルキル基、
アリール基、アラルキル基などの炭素数18以下の炭化
水素基が好ましい。この有機基には2以上の反応性官能
基を有していてもよい。反応性官能基としては、アミノ
基、メルカプト基、エポキシ基、イソシアネート基、重
合性不飽和基などがある。重合性不飽和基としてはR2
そのものであってもよく(たとえばビニル基)、(メ
タ)アクリロイルオキシ基やビニルオキシ基などの有機
基と結合してR2 となる重合性不飽和基であってもよ
い。またアミノ基としては1級、2級のいずれのアミノ
基であってもよく、2級アミノ基の場合素の窒素原子に
結合した有機基はアルキル基、アミノアルキル基、アリ
ール基など(特に炭素数4以下のアルキル基、炭素数4
以下のアミノアルキル基およびフェニル基)が好まし
い。好ましい反応性官能基はアミノ基、メルカプト基、
エポキシ基および(メタ)アクリロイルオキシ基であ
る。反応性官能基が結合する有機基としては、反応性官
能基を除いて炭素数8以下のアルキレン基やフェニレン
基が好ましく、特に炭素数2〜4のアルキレン基(その
内でもポリメチレン基)が好ましい。
【0063】具体的な修飾剤としては反応性官能基の種
類によって分けると、たとえば以下のような化合物があ
る。
【0064】(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン
類;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなど。
【0065】アミノ基含有シラン類;γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−
ビニルベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメ
トキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシランなど。
【0066】メルカプト基含有シラン類;γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエ
トキシシランなど。
【0067】エポキシ基含有シラン類;γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシランなど。
【0068】イソシアネート基含有シラン類;γ−イソ
シアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネー
トプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネー
トプロピルメチルジエトキシシランなど。
【0069】互いに反応性の反応性官能基を有する修飾
剤2種をあらかじめ反応させて得られる反応生成物とし
ては、たとえば、アミノ基含有シラン類とエポキシ基含
有シラン類との反応生成物、アミノ基含有シラン類と
(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応生
成物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラ
ン類との反応生成物、メルカプト基含有シラン類同士2
分子の反応生成物などがある。
【0070】コロイド状シリカの修飾は通常、加水分解
性基を有する修飾剤をコロイド状シリカに接触させて加
水分解することにより行う。たとえば、コロイド状シリ
カ分散液に修飾剤を添加し、コロイド状シリカ分散液中
で修飾剤を加水分解することによって修飾できる。この
場合、修飾剤の加水分解物はコロイド状シリカの微粒子
表面に化学的にまたは物理的に結合し、その表面を修飾
すると考えられる。特にコロイド状シリカ表面には通常
シラノール基が存在することより、このシラノール基が
修飾剤の加水分解で生成するシラノール基と縮合して修
飾剤の加水分解残基が結合した表面が生成すると考えら
れる。また、加水分解物自身の縮合反応が進んだものが
同様に表面に結合する場合もあると考えられる。また、
本発明においては修飾剤をある程度加水分解を行った後
にコロイド状シリカ分散液に添加して修飾を行うことも
できる。
【0071】コロイド状シリカの表面を加水分解性基を
有する修飾剤で修飾する場合、修飾剤をコロイド状シリ
カ分散液に添加混合して、系中の水または新たに加える
水により加水分解することにより、この加水分解物で表
面が修飾された修飾コロイド状シリカが得られる。修飾
剤の加水分解反応、およびコロイド状シリカ表面のシラ
ノール基と修飾剤またはその部分加水分解縮合物との反
応を効果的に促進するために触媒を存在させることが好
ましい。シラノール基を有する修飾剤で修飾する場合も
シラノール基同士の反応を促進するために触媒を存在さ
せることが好ましい。
【0072】この触媒としては、酸やアルカリがある。
好ましくは無機酸および有機酸から選ばれる酸を使用す
る。無機酸としては、たとえば塩酸、フッ化水素酸、臭
化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等
を使用できる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ
酸、アクリル酸、メタクリル酸等を使用できる。
【0073】加水分解反応を均一に進行せしめるために
通常溶媒中で反応が行われる。通常この溶媒は原料コロ
イド状シリカ分散液の分散媒である。しかし、この分散
媒以外の溶媒やこの分散媒と他の溶媒の混合溶媒であっ
てもよい。この溶媒の条件としては、修飾剤を溶解し、
水および触媒との相溶性があり、加えてコロイド状シリ
カの凝集を起こしにくいものであることが好ましい。
【0074】具体的には、水;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノールのような低級ア
ルコール類;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチ
ルエチルケトンのようなケトン類、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンのようなエーテル類、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソル
ブ類;ジメチルアセトアミド等を挙げうる。
【0075】これらの溶媒は先に述べたコロイド状シリ
カの分散媒をそのまま用いてもよく、分散媒以外の溶媒
に置換して用いてもよい。また分散液にその分散媒以外
の溶媒を必要な量新たに加えて用いてもよい。
【0076】反応温度としては室温から用いる溶媒の沸
点までの間が好ましく、反応時間は温度にもよるが0.
5〜24時間の範囲が好ましい。
【0077】コロイド状シリカの修飾において、修飾剤
の使用量は特に限定されないが、コロイド状シリカ(分
散液中の固形分)100重量部に対し、修飾剤1〜10
0重量部が適当である。修飾剤の量が1重量部未満では
表面修飾の効果が得られにくい。また、100重量部超
では未反応の修飾剤やコロイド状シリカ表面に担持され
ていない修飾剤の加水分解物〜縮合物が多量に生じ、組
成物(B)の硬化の際それらが連鎖移動剤として働いた
り、硬化後の被膜の可塑剤として働き、硬化被膜の硬度
を低下させるおそれが生じる。
【0078】組成物(A)、(B)に使用される光重合
開始剤としては、共通して公知〜周知のものを使用でき
る。特に入手容易な市販のものが好ましい。組成物
(A)、(B)において異なる光重合開始剤を使用して
もよく、同一の光重合開始剤を使用してもよい。光重合
開始剤としては、アリールケトン系光重合開始剤(たと
えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキル
アミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、
ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、
ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル
類など)、含イオウ系光重合開始剤(たとえば、スルフ
ィド類、チオキサントン類など)、その他の光重合開始
剤がある。光重合開始剤は2種以上併用できる。また、
光重合開始剤はアミン類などの光増感剤と組み合わせて
使用することもできる。具体的な光重合開始剤として
は、たとえば以下のような化合物がある。
【0079】4−フェノキシジクロロアセトフェノン、
4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブ
チル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1
−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1
−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロ
パン−1−オン。
【0080】ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル
安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化
ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベ
ンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチ
ルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−
フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾス
ベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエ
チルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、
メチルフェニルグリオキシレート。
【0081】4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル
スルフィド、チオキサントン、2−クロルチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アシルホ
スフィンオキシド。
【0082】組成物(A)、(B)における光重合開始
剤の量はそれぞれ硬化性成分(多官能性化合物と単官能
性化合物の合計)100重量部に対して0. 01〜20
重量部、特に0. 1〜10重量部が好ましい。
【0083】組成物(A)、(B)はそれぞれ上記基本
的成分以外に溶剤や種々の配合剤を含むことができる。
溶剤は通常必須の成分であり、多官能性化合物が特に低
粘度の液体でない限り溶剤が使用される。溶剤として
は、通常多官能性化合物を硬化成分とする被覆用組成物
に使用される溶剤を使用できる。また原料コロイド状シ
リカの分散媒をそのまま溶剤としても使用できる。さら
に基材の種類により適切な溶剤を選択して用いることが
好ましい。
【0084】溶剤の量は必要とする組成物の粘度、目的
とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変
更できる。通常は組成物中の硬化性成分に対して100
倍重量以下、好ましくは0.1〜50倍重量用いる。溶
剤としてはたとえば前記コロイド状シリカの修飾するた
めの加水分解に用いる溶媒として挙げた、低級アルコー
ル類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類などの溶剤
がある。そのほか、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコ
ールモノアセテートなどのエステル類、ハロゲン化炭化
水素類、炭化水素類などがある。耐溶剤性の低い芳香族
ポリカーボネート樹脂の被覆には低級アルコール類、セ
ロソルブ類、エステル類、それらの混合物などが適当で
ある。
【0085】組成物(A)、(B)それぞれには、必要
に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合防止剤など
の安定剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止
剤、顔料、分散剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性
剤類、酸、アルカリおよび塩類などから選ばれる硬化触
媒等を適宜配合して用いてもよい。
【0086】上記のような組成物を硬化させる活性エネ
ルギー線としては特に紫外線が好ましい。しかし、紫外
線に限られるものではなく、電子線やその他の活性エネ
ルギー線を使用することができる。紫外線源としてはキ
セノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カー
ボンアーク灯、タングステンランプ等が使用できる。
【0087】透明被覆層における硬化物の層の厚さは、
所望により種々の厚さを採用できる。通常は基材接触
層、露出層ともに各々1〜50μmの厚さが適当であ
り、特に各々2〜20μmの厚さであることが好まし
い。中間層が存在する場合はその層の厚さもこの程度で
あるかさらに薄いことが好ましい。透明被覆層全体の厚
さは4〜30μmであることが特に好ましい。
【0088】本発明における透明プラスチック基材の材
料としては各種透明合成樹脂を使用し得る。たとえば、
芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂(アクリル樹脂)、ポリスチレン樹脂などの透明
合成樹脂を透明プラスチック基材の材料として使用しう
る。特に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる基材が好
ましい。この透明プラスチック基材は成形されたもので
あり、たとえば平板や波板などのシート状基材、フィル
ム状基材、各種形状に成形された基材、少なくとも表面
層が各種透明合成樹脂からなる積層体等がある。透明プ
ラスチック基材としては、特に芳香族ポリカーボネート
樹脂製シートが好ましい。このシートの両面あるいは片
面に透明被覆層が形成される。
【0089】本発明の透明被覆成形品は、透明プラスチ
ック基材の少なくとも一部の表面にその表面に接して組
成物(A)の硬化物からなる層(基材接触層)を形成
し、その層形成と同時〜その後にその層の上に組成物
(B)の硬化物からなる層(露出層)を形成することに
よって得られる。透明被覆層が3層以上の構成を有する
場合は基材接触層と露出層との間に1層以上の中間層を
形成する。硬化物からなる中間層の形成は基材接触層形
成と同時であってもよく、形成後であってもよい。露出
層の形成も中間層形成と同時であってもよく、形成後で
あってもよい。本発明の透明被覆成形品の製造方法とし
て好ましい方法は基材接触層と露出層(中間層を有する
場合はその中間層も)同時に形成する方法である。この
場合、これらの層を形成するとは未硬化組成物の層を硬
化することをいう。
【0090】本発明はまた、透明被覆成形品の上記の好
ましい製造方法である。すなわち、組成物(A)の未硬
化物からなる透明プラスチック基材に接した未硬化層と
組成物(B)の未硬化層からなる最外未硬化層とを有す
る少なくとも2つの未硬化層を形成し、次いでこれらの
未硬化層に活性エネルギー線を照射してこれら未硬化層
の組成物をほぼ同時に硬化させる方法である。基材に接
した未硬化層が硬化することにより基材接触層が形成さ
れ、最外未硬化層が硬化することにより露出層が形成さ
れる。
【0091】本発明の製造方法において、硬化に至るま
での間接触している未硬化層は混合せずに層状態を維持
する必要がある。しかし未硬化層の接触面において組成
物やその成分がわずかに混合ないし浸透することは硬化
物層間の接着強度を高める上で好ましい。硬化性組成物
が溶剤を含む場合、未硬化層間の混合を防止するため
に、未硬化層形成後その上に他の未硬化層を形成する前
に未硬化層中の溶剤を除去することが好ましい。未硬化
層形成毎にその層中の溶剤を除去することは、溶剤除去
を容易にするためにも好ましい。すなわち多層の未硬化
層形成後に各層中の溶剤を除去することは特に全体の層
が厚い場合には困難になりやすい。溶剤を除去した未硬
化層の組成物自体が低粘度で他の未硬化層の組成物と混
合しやすい場合は組成物に増粘剤等を添加しておくこと
ができる。また、そのような低粘度の未硬化層の場合は
その上に次の未硬化層を形成する前に活性エネルギー線
を充分な硬化に至らない程度に照射して部分硬化させる
こともできる。
【0092】組成物(A)、(B)等を用いて未硬化層
を形成する手段は特に限定されず、公知〜周知の方法を
用いることができる。たとえば、ディッピング法、フロ
ーコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコー
ト法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイ
フコート法等の方法を用いることができる。このような
方法で組成物を基材に塗布し、組成物が溶剤を含む場合
は好ましくはその後乾燥し、基材接触層となる未硬化層
を形成する。同様な方法によりその上に中間層や露出層
となる未硬化層を形成する。
【0093】必要なすべての未硬化層を形成した後活性
エネルギー線を照射してそれらの未硬化層をすべてほぼ
同時に硬化させる。活性エネルギー線の照射時間は、活
性エネルギー線の種類、および各組成物における多官能
性化合物の種類、光重合開始剤の種類、各未硬化層の厚
さ、などの条件により適宜変えうる。活性エネルギー線
が紫外線で多官能性化合物がアクリロイル基を有する化
合物である場合、高圧水銀灯を用いて通常は1〜60秒
照射することにより目的が達成される。さらに硬化反応
を完結させる目的で、活性エネルギー線照射後加熱処理
を加えることもできる。
【0094】
【実施例】以下、本発明を合成例(例1〜7)、実施例
(例8〜13)、比較例(例14〜19)に基づき説明
するが、本発明はこれらに限定されない。例8〜19に
ついての各種物性の測定および評価は以下に示す方法で
行い、その結果を表1に示した。
【0095】[初期曇価、耐磨耗性]テーバー磨耗試験
法により、2つのCS−10F磨耗輪にそれぞれ500
gの重りを組み合わせ100回転と500回転させたと
きの曇価をヘーズメータにて測定した。なお、曇価(ヘ
ーズ)の測定は磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平均
値を算出した。初期曇価は磨耗試験前の曇価の値(%)
を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験前曇
価)の値(%)を示す。
【0096】[密着性]サンプルを剃刀の刃で1mm間
隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁
盤の目を作る。そして、市販のセロハンテープをよく密
着させた後、90度手前方向に急激にはがした際の、被
膜が剥離せずに残存したマス目の数(m)をm/100
で表す。
【0097】[耐候性]サンシャインウエザーメータを
用いてブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥
48分のサイクルで2000時間、3000時間暴露
後、それぞれ外観の評価を行った。「クラック発生」と
いう評価結果は本発明にいうマイクロクラックが発生し
たことを示す。
【0098】[例1]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)
100重量部に3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン5重量部と0. 1N塩酸3. 0重量部を加え、10
0℃にて6時間加熱撹拌した後12時間室温下で熟成す
ることにより、メルカプトシラン修飾コロイド状シリカ
分散液を得た。
【0099】[例2]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)
100重量部にγ−アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン5重量部と0. 1N塩酸3. 0重量部を加
え、100℃にて6時間加熱撹拌した後12時間室温下
で熟成することにより、アクリルシラン修飾コロイド状
シリカ分散液を得た。
【0100】[例3]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)
100重量部にN−フェニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン5重量部と0. 1N塩酸3. 0重量部を
加え、100℃にて6時間加熱撹拌した後12時間室温
下で熟成することにより、アミノシラン修飾コロイド状
シリカ分散液を得た。
【0101】[例4]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)
100重量部に3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン5重量部と0. 1N塩酸3. 0重量部を加え、1
00℃にて6時間加熱撹拌した後12時間室温下で熟成
することにより、エポキシシラン修飾コロイド状シリカ
分散液を得た。
【0102】[例5]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカのかわりにイソプロパノール分散型コロイド状
シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)1
00重量部を用いた他は例1と同じにして、メルカプト
シラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0103】[例6]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカのかわりにイソプロパノール分散型コロイド状
シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)1
00重量部を用いた他は例2と同じにして、アクリルシ
ラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0104】[例7]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール15
g、酢酸ブチル15g、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン500mg、2−(3,5−ジ−t−ア
ミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール3
00mg、およびレベリング剤(ビック・ケミー社製B
YK306)200mgを加え溶解させた(例9以下で
はこれと同様の装置を使用して同じ組成の溶液を同じ量
製造して以下の工程に使用する。以下この溶液を添加物
溶液という)。
【0105】続いて、ビス(2−アクリロイルオキシエ
チル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート7gと
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート3gの混合物
を加え、常温で1時間撹拌した。次に、この反応容器に
例1で得たメルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散
液14. 3gを加え、さらに0. 5時間常温で撹拌し
て、被覆用組成物を得た。
【0106】[例8]撹拌機および冷却管を装着した3
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール64.
2g、酢酸ブチル34. 2g、アシルホスフィンオキシ
ド1. 5g、2−{2−ヒドロキシ−5−(2−メタク
リロイルオキシエチル)フェニル}ベンゾトリアゾール
1. 5g、およびレベリング剤(ビック・ケミー社製B
YK306)600mgを加え溶解させた。続いて、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート30. 0gを
加え、常温で1時間撹拌した。
【0107】そして、厚さ3mmの透明な芳香族ポリカ
ーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコ
ータを用いてこの被覆用組成物を塗工(ウエット厚み1
0マイクロメートル)して、80℃の熱風循環オーブン
中で5分間放置した。そして、この上にさらに例7で合
成した被覆用組成物をもう一度バーコータを用いて塗工
(ウエット厚み10マイクロメートル)して、80℃の
熱風循環オーブン中で5分間放置した。
【0108】これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて
3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の
紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚7μ
mの透明被覆層を形成させた。このサンプルを用いて各
種物性の測定および評価を行った。
【0109】[例9]添加物溶液を製造し、続いて、ビ
ス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシ
エチルイソシアヌレート7gと1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート3gの混合物を加え、常温で1時間撹
拌した。次に、この反応容器に例2で得たアクリルシラ
ン修飾コロイド状シリカ分散液14. 3gを加え、さら
に0.5時間常温で撹拌して、被覆用組成物を得た。そ
して、この組成物を第二層として塗工すること以外は例
8と同じ条件で硬化被膜を形成させ、このサンプルを用
いて各種物性の測定および評価を行った。
【0110】[例10]添加物溶液を製造し、続いて、
水酸基を有するジペンタエリスリトールポリアクリレー
トと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートの
反応生成物であるウレタンアクリレート(1分子あたり
平均15個のアクリロイル基を含有)10gを加え、常
温で1時間撹拌した。次に、この反応容器に例3で得た
アミノシラン修飾コロイド状シリカ分散液14. 3gを
加え、さらに0. 5時間常温で撹拌して、被覆用組成物
を得た。そして、この組成物を第二層として塗工するこ
と以外は例8と同じ条件で硬化被膜を形成させ、このサ
ンプルを用いて各種物性の測定および評価を行った。
【0111】[例11]添加物溶液を製造し、続いて、
ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキ
シエチルイソシアヌレート7gと1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート3gの混合物を加え、常温で1時間
撹拌した。次に、この反応容器に例4で得たエポキシシ
ラン修飾コロイド状シリカ分散液14. 3gを加え、さ
らに0.5時間常温で撹拌して、被覆用組成物を得た。
そして、この組成物を第二層として塗工すること以外は
例8と同じ条件で硬化被膜を形成させ、このサンプルを
用いて各種物性の測定および評価を行った。
【0112】[例12]添加物溶液を製造し、続いて、
ジペンタエリスリトールポリアクリレート(1分子あた
り平均6個のアクリロイル基を含有)5gとヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジアクリ
レート5gの混合物を加え、常温で1時間撹拌した。次
に、この反応容器に例5で得たメルカプトシラン修飾コ
ロイド状シリカ分散液14. 3gを加え、さらに0. 5
時間常温で撹拌して、被覆用組成物を得た。そして、こ
の組成物を第二層として塗工すること以外は例8と同じ
条件で硬化被膜を形成させ、このサンプルを用いて各種
物性の測定および評価を行った。
【0113】[例13]添加物溶液を製造し、続いて、
水酸基を有するジペンタエリスリトールポリアクリレー
トと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートの
反応生成物であるウレタンアクリレート(1分子あたり
平均15個のアクリロイル基を含有)10gを加え、常
温で1時間撹拌した。次に、この反応容器に例6で得た
アクリルシラン修飾コロイド状シリカ分散液14. 3g
を加え、さらに0. 5時間常温で撹拌して、被覆用組成
物を得た。そして、この組成物を第二層として塗工する
こと以外は例8と同じ条件で硬化被膜を形成させ、この
サンプルを用いて各種物性の測定および評価を行った。
【0114】[例14〜19]例8〜13で共通して用
いた1層目(基材接触層形成用)の被覆組成物を塗工し
ない他は第二層用(露出層形成用)の被覆組成物(コロ
イド状シリカ含有)を例8〜13と同じように芳香族ポ
リカーボネート樹脂板に塗布して硬化させた。この1層
のみの透明被覆層を有する被覆板を用いて例8〜13と
同様に評価を行った。例14〜19は各々この順に例8
〜13に対応する比較例である。
【0115】
【表1】
【0116】
【発明の効果】本発明の透明被覆成形品は、表面硬度が
高いコロイド状シリカ含有硬化物からなる露出層を有
し、しかも従来のそのような層を有する透明被覆成形品
に比較してマイクロクラックの発生が少ない透明被覆層
を有する。これにより本発明の透明被覆成形品はマイク
ロクラックに起因するヘーズの発生や透明被覆層の剥離
が少ないという効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 博嗣 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明プラスチック基材の表面に活性エネル
    ギー線硬化性組成物の硬化物からなる少なくとも2層構
    造の透明被覆層を有する透明被覆成形品において、透明
    被覆層の基材表面に接する層が活性エネルギー線硬化性
    の下記組成物(A)の硬化物からなる層であり、透明被
    覆層の最外層が活性エネルギー線硬化性の下記組成物
    (B)の硬化物からなる層であることを特徴とする透明
    被覆成形品。 組成物(A):活性エネルギー線硬化性の重合性官能基
    を2以上有する多官能性化合物(a)と光重合開始剤と
    を含み、実質的に有効量のコロイド状シリカを含まない
    組成物。 組成物(B):活性エネルギー線硬化性の重合性官能基
    を2以上有する多官能性化合物(b)、光重合開始剤お
    よび平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含む
    組成物。
  2. 【請求項2】コロイド状シリカが加水分解性ケイ素基を
    有する化合物により表面修飾されている、請求項1の透
    明被覆成形品。
  3. 【請求項3】透明プラスチック基材が芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂からなる請求項1の透明被覆成形品。
  4. 【請求項4】透明プラスチック基材の表面に活性エネル
    ギー線硬化性組成物の硬化物からなる少なくとも2層構
    造の透明被覆層を有する透明被覆成形品を製造する方法
    において、活性エネルギー線硬化性の下記組成物(A)
    と活性エネルギー線硬化性の下記組成物(B)の少なく
    とも2つの活性エネルギー線硬化性組成物を用い、透明
    プラスチック基材上に、組成物(A)の未硬化物からな
    る基材に接した未硬化層と組成物(B)の未硬化物から
    なる最外未硬化層とを有する少なくとも2つの未硬化層
    を形成し、次いでこれら未硬化層に活性エネルギー線を
    照射してこれら未硬化層の組成物をほぼ同時に硬化させ
    ることを特徴とする透明被覆成形品の製造方法。 組成物(A):活性エネルギー線硬化性の重合性官能基
    を2以上有する多官能性化合物(a)と光重合開始剤と
    を含み、実質的に有効量のコロイド状シリカを含まない
    組成物。 組成物(B):活性エネルギー線硬化性の重合性官能基
    を2以上有する多官能性化合物(b)、光重合開始剤お
    よび平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含む
    組成物。
  5. 【請求項5】コロイド状シリカが加水分解性ケイ素基を
    有する化合物により表面修飾されている、請求項4の製
    造方法。
  6. 【請求項6】透明プラスチック基材が芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂からなる請求項4の製造方法。
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JP2024000296A (ja) * 2022-06-20 2024-01-05 東洋インキScホールディングス株式会社 コーティング組成物、および積層体

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