JPH10139590A - ダイヤモンド薄膜を有する構造体及びその製造方法 - Google Patents
ダイヤモンド薄膜を有する構造体及びその製造方法Info
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- JPH10139590A JPH10139590A JP8303138A JP30313896A JPH10139590A JP H10139590 A JPH10139590 A JP H10139590A JP 8303138 A JP8303138 A JP 8303138A JP 30313896 A JP30313896 A JP 30313896A JP H10139590 A JPH10139590 A JP H10139590A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基板との密着性を高めたダイヤモンド薄膜を
有する構造体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 支持基板の上面の上に、支持基板の上面
に対して、ダイヤモンドよりも強い密着性を有する材料
からなる埋め込み領域が形成されている。埋め込み領域
内にダイヤモンド粒子が埋め込まれている。ダイヤモン
ド粒子は、支持基板の上面内で島状に分布し、その表面
の一部が埋め込み領域の表面上に露出している。埋め込
み領域及びダイヤモンド粒子の上に直接ダイヤモンド薄
膜が形成されている。
有する構造体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 支持基板の上面の上に、支持基板の上面
に対して、ダイヤモンドよりも強い密着性を有する材料
からなる埋め込み領域が形成されている。埋め込み領域
内にダイヤモンド粒子が埋め込まれている。ダイヤモン
ド粒子は、支持基板の上面内で島状に分布し、その表面
の一部が埋め込み領域の表面上に露出している。埋め込
み領域及びダイヤモンド粒子の上に直接ダイヤモンド薄
膜が形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイヤモンド薄膜
を有する構造体及びその製造方法に関する。ダイヤモン
ドは地球上で最も固い材料であり、耐磨耗性に優れてい
る。さらに、化学安定性、熱伝導性、光学的特性、半導
体的特性等において、他の材料にはない優れた特性を有
する。このため、ダイヤモンド薄膜は、耐磨耗性コーテ
ィング、半導体集積回路チップのボンディングツール、
ヒートシンク等への応用が期待されている。
を有する構造体及びその製造方法に関する。ダイヤモン
ドは地球上で最も固い材料であり、耐磨耗性に優れてい
る。さらに、化学安定性、熱伝導性、光学的特性、半導
体的特性等において、他の材料にはない優れた特性を有
する。このため、ダイヤモンド薄膜は、耐磨耗性コーテ
ィング、半導体集積回路チップのボンディングツール、
ヒートシンク等への応用が期待されている。
【0002】
【従来の技術】プラズマ励起型化学気相堆積(PE−C
VD)によりダイヤモンド薄膜を形成する技術が知られ
ている。
VD)によりダイヤモンド薄膜を形成する技術が知られ
ている。
【0003】しかし、PE−CVDにより気相合成され
たダイヤモンド薄膜は、基板との密着性が悪く、機械的
強度の必要とされる工具等への応用は困難である。ま
た、半導体集積回路チップのボンディングツール、ヒー
トシンクにおいては、ダイヤモンド薄膜形成後にその表
面を研磨する必要がある。ダイヤモンド薄膜と基板との
密着性が悪いと、研磨時にダイヤモンド薄膜が剥離して
しまう場合もある。このため、ボンディングツール、ヒ
ートシンク等への応用も容易ではない。
たダイヤモンド薄膜は、基板との密着性が悪く、機械的
強度の必要とされる工具等への応用は困難である。ま
た、半導体集積回路チップのボンディングツール、ヒー
トシンクにおいては、ダイヤモンド薄膜形成後にその表
面を研磨する必要がある。ダイヤモンド薄膜と基板との
密着性が悪いと、研磨時にダイヤモンド薄膜が剥離して
しまう場合もある。このため、ボンディングツール、ヒ
ートシンク等への応用も容易ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基板
との密着性を高めたダイヤモンド薄膜を有する構造体及
びその製造方法を提供することである。
との密着性を高めたダイヤモンド薄膜を有する構造体及
びその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点による
と、上面を有する支持基板と、前記支持基板の上面の上
に形成され、前記支持基板の上面に対して、ダイヤモン
ドよりも強い密着性を有する材料からなる埋め込み領域
と、前記埋め込み領域内に埋め込まれ、前記支持基板の
上面内で島状に分布し、表面の一部が前記埋め込み領域
の表面上に露出しているダイヤモンド粒子と、前記埋め
込み領域及び前記ダイヤモンド粒子の上に直接形成され
たダイヤモンド薄膜とを有するダイヤモンド薄膜構造体
が提供される。
と、上面を有する支持基板と、前記支持基板の上面の上
に形成され、前記支持基板の上面に対して、ダイヤモン
ドよりも強い密着性を有する材料からなる埋め込み領域
と、前記埋め込み領域内に埋め込まれ、前記支持基板の
上面内で島状に分布し、表面の一部が前記埋め込み領域
の表面上に露出しているダイヤモンド粒子と、前記埋め
込み領域及び前記ダイヤモンド粒子の上に直接形成され
たダイヤモンド薄膜とを有するダイヤモンド薄膜構造体
が提供される。
【0006】ダイヤモンド粒子は、埋め込み領域内に埋
め込まれて基板に強固に密着する。ダイヤモンド薄膜
は、ダイヤモンド粒子に強固に結合する。
め込まれて基板に強固に密着する。ダイヤモンド薄膜
は、ダイヤモンド粒子に強固に結合する。
【0007】本発明の他の観点によると、支持基板上に
ダイヤモンドの原料を供給し、支持基板の表面内で島状
に分布するダイヤモンド粒子を支持基板の表面上に形成
する工程と、前記支持基板上に金属粒子またはセラミッ
クス粒子を溶射し、前記支持基板の表面のうち前記ダイ
ヤモンド粒子の形成されていない領域上に、金属または
セラミックスからなる埋め込み領域を形成するととも
に、前記ダイヤモンド粒子の表面の一部を露出させた状
態とする工程と、前記ダイヤモンド粒子の表面の一部が
露出した状態の表面上に、ダイヤモンド薄膜を堆積する
工程とを有するダイヤモンド薄膜形成方法が提供され
る。
ダイヤモンドの原料を供給し、支持基板の表面内で島状
に分布するダイヤモンド粒子を支持基板の表面上に形成
する工程と、前記支持基板上に金属粒子またはセラミッ
クス粒子を溶射し、前記支持基板の表面のうち前記ダイ
ヤモンド粒子の形成されていない領域上に、金属または
セラミックスからなる埋め込み領域を形成するととも
に、前記ダイヤモンド粒子の表面の一部を露出させた状
態とする工程と、前記ダイヤモンド粒子の表面の一部が
露出した状態の表面上に、ダイヤモンド薄膜を堆積する
工程とを有するダイヤモンド薄膜形成方法が提供され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施例
によるダイヤモンド薄膜の形成方法について説明する。
によるダイヤモンド薄膜の形成方法について説明する。
【0009】図1(A)に示すように、ダイヤモンドの
合成温度700〜1100℃に耐えられる材料、例え
ば、金属、金属複合材料、またはセラミックス材料から
なる基板1を準備する。
合成温度700〜1100℃に耐えられる材料、例え
ば、金属、金属複合材料、またはセラミックス材料から
なる基板1を準備する。
【0010】図1(B)に示すように、基板1の表面上
にダイヤモンドの原料を含むプラズマジェットを照射す
る。例えばメタンとキャリアガスのプラズマジェットを
照射する。基板1の表面に付着したダイヤモンド核が膜
化する前に、プラズマジェットの照射を停止する。基板
1の表面上に、島状に分布するダイヤモンド粒子2が形
成される。
にダイヤモンドの原料を含むプラズマジェットを照射す
る。例えばメタンとキャリアガスのプラズマジェットを
照射する。基板1の表面に付着したダイヤモンド核が膜
化する前に、プラズマジェットの照射を停止する。基板
1の表面上に、島状に分布するダイヤモンド粒子2が形
成される。
【0011】図1(C)に示すように、基板1の表面上
に金属粒子またはセラミックス粒子を溶射する。基板1
の表面のうちダイヤモンド粒子2の形成されていない領
域上に、金属またはセラミックスからなる埋め込み領域
3が形成される。埋め込み領域3の厚さは、ダイヤモン
ド粒子2の表面の一部が埋め込み領域3の表面上に露出
する程度の厚さとする。
に金属粒子またはセラミックス粒子を溶射する。基板1
の表面のうちダイヤモンド粒子2の形成されていない領
域上に、金属またはセラミックスからなる埋め込み領域
3が形成される。埋め込み領域3の厚さは、ダイヤモン
ド粒子2の表面の一部が埋め込み領域3の表面上に露出
する程度の厚さとする。
【0012】溶射粒子として、炭素と固溶体を形成しな
い金属、例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、W等もしくはこれらの金属複合材料を用いることが
できる。ただし、炭素と固溶体を形成する金属、例えば
Ni、Co、Fe等であっても、溶射粒子に10%以下
の濃度となるように添加物として加えるのであれば問題
はない。これらの添加物は、埋め込み領域3と基板1と
の密着性を高める場合がある。てもよい。
い金属、例えばTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、M
o、W等もしくはこれらの金属複合材料を用いることが
できる。ただし、炭素と固溶体を形成する金属、例えば
Ni、Co、Fe等であっても、溶射粒子に10%以下
の濃度となるように添加物として加えるのであれば問題
はない。これらの添加物は、埋め込み領域3と基板1と
の密着性を高める場合がある。てもよい。
【0013】埋め込み領域3を堆積したのち、アルゴン
等のプラズマジェットで基板1の表面を加熱し、焼結を
行う。プラズマジェットで基板加熱を行うため、溶射粒
子の温度を短時間に焼結温度まで上昇させることができ
る。このため、ダイヤモンドの炭化が生じる前に、溶射
粒子間または溶射粒子と基板間で強い結合を生じさせる
ことができる。
等のプラズマジェットで基板1の表面を加熱し、焼結を
行う。プラズマジェットで基板加熱を行うため、溶射粒
子の温度を短時間に焼結温度まで上昇させることができ
る。このため、ダイヤモンドの炭化が生じる前に、溶射
粒子間または溶射粒子と基板間で強い結合を生じさせる
ことができる。
【0014】図1(D)に示すように、ダイヤモンド粒
子2の表面の一部が露出した状態の基板表面上に、ダイ
ヤモンドの原料、例えばメタン等をキャリアガスと共に
供給しダイヤモンド薄膜4を堆積する。ダイヤモンド薄
膜4はダイヤモンド粒子2と強固に結合する。また、ダ
イヤモンド粒子2は、埋め込み領域3に埋め込まれてお
り、埋め込み領域3は基板1の表面に強く結合している
ため、ダイヤモンド粒子2は基板1に強固に固定され
る。
子2の表面の一部が露出した状態の基板表面上に、ダイ
ヤモンドの原料、例えばメタン等をキャリアガスと共に
供給しダイヤモンド薄膜4を堆積する。ダイヤモンド薄
膜4はダイヤモンド粒子2と強固に結合する。また、ダ
イヤモンド粒子2は、埋め込み領域3に埋め込まれてお
り、埋め込み領域3は基板1の表面に強く結合している
ため、ダイヤモンド粒子2は基板1に強固に固定され
る。
【0015】ダイヤモンド薄膜を基板1の表面上に直接
堆積する場合には、ダイヤモンド薄膜と基板表面との密
着性は弱い。図1(D)に示すように、基板1の表面と
の密着性の強い埋め込み領域3に埋め込まれたダイヤモ
ンド粒子2にダイヤモンド薄膜4を強く結合させること
により、ダイヤモンド薄膜の基板表面への密着度を高め
ることができる。
堆積する場合には、ダイヤモンド薄膜と基板表面との密
着性は弱い。図1(D)に示すように、基板1の表面と
の密着性の強い埋め込み領域3に埋め込まれたダイヤモ
ンド粒子2にダイヤモンド薄膜4を強く結合させること
により、ダイヤモンド薄膜の基板表面への密着度を高め
ることができる。
【0016】次に、上記実施例によるダイヤモンド薄膜
の形成方法を用いてダイヤモンド薄膜を形成した評価実
験について説明する。
の形成方法を用いてダイヤモンド薄膜を形成した評価実
験について説明する。
【0017】図2は、評価実験で用いたDCプラズマジ
ェットCVD装置の概略図を示す。マニピュレータ12
により、基板ホルダ13がチャンバ10内に昇降可能に
支持されている。成膜時には、基板ホルダ13の上面に
基板14が載置される。基板ホルダ13の中には冷却水
路が設けられており、基板ホルダ13及び基板14を水
冷することができる。
ェットCVD装置の概略図を示す。マニピュレータ12
により、基板ホルダ13がチャンバ10内に昇降可能に
支持されている。成膜時には、基板ホルダ13の上面に
基板14が載置される。基板ホルダ13の中には冷却水
路が設けられており、基板ホルダ13及び基板14を水
冷することができる。
【0018】基板ホルダ13の上にプラズマトーチ20
が配置されている。プラズマトーチ20は、中心導体2
1、筒状の内部導体22、及び筒状の外部導体23を含
んで構成される。内部導体22は中心導体21の外周を
取り囲み、外部導体23は、さらに内部導体22の外周
を取り囲んでいる。外部導体23のチャンバ10内側の
端部は、ノズル状の形状とされている。
が配置されている。プラズマトーチ20は、中心導体2
1、筒状の内部導体22、及び筒状の外部導体23を含
んで構成される。内部導体22は中心導体21の外周を
取り囲み、外部導体23は、さらに内部導体22の外周
を取り囲んでいる。外部導体23のチャンバ10内側の
端部は、ノズル状の形状とされている。
【0019】内部導体22及び外部導体23に対して正
の直流バイアス24が中心導体に印加される。内部導体
22の内部空洞内にダイヤモンド成膜の原料ガスを供給
する。中心導体21と内部導体22との先端相互間でア
ーク放電が生じ、原料ガスのプラズマが発生する。チャ
ンバ10内は減圧雰囲気とされており、原料ガスのプラ
ズマがチャンバ10内に噴射し、原料ガスのプラズマジ
ェットが基板14の表面を照射する。残留ガスは、排気
管11から外部に排出される。
の直流バイアス24が中心導体に印加される。内部導体
22の内部空洞内にダイヤモンド成膜の原料ガスを供給
する。中心導体21と内部導体22との先端相互間でア
ーク放電が生じ、原料ガスのプラズマが発生する。チャ
ンバ10内は減圧雰囲気とされており、原料ガスのプラ
ズマがチャンバ10内に噴射し、原料ガスのプラズマジ
ェットが基板14の表面を照射する。残留ガスは、排気
管11から外部に排出される。
【0020】内部導体22と外部導体23との間の空洞
内に、溶射粒子をキャリアガスと共に供給する。プラズ
マトーチ20の先端に生じているアーク放電により、溶
射粒子が融解し、外部導体23のノズル状先端部からチ
ャンバ10内に噴出する。溶射粒子が基板14の表面に
衝突し付着する。
内に、溶射粒子をキャリアガスと共に供給する。プラズ
マトーチ20の先端に生じているアーク放電により、溶
射粒子が融解し、外部導体23のノズル状先端部からチ
ャンバ10内に噴出する。溶射粒子が基板14の表面に
衝突し付着する。
【0021】プラズマジェットもしくは溶射粒子の衝突
による基板14の加熱と冷却水による冷却とにより、基
板14の温度が一定に保たれる。マニピュレータ12に
よって基板ホルダ13とプラズマトーチ20との間隔を
調節することにより、基板温度を制御することができ
る。例えば、基板ホルダ13をプラズマトーチ20に近
づけると基板14の温度が上昇し、遠ざけると低下す
る。
による基板14の加熱と冷却水による冷却とにより、基
板14の温度が一定に保たれる。マニピュレータ12に
よって基板ホルダ13とプラズマトーチ20との間隔を
調節することにより、基板温度を制御することができ
る。例えば、基板ホルダ13をプラズマトーチ20に近
づけると基板14の温度が上昇し、遠ざけると低下す
る。
【0022】以下、図1及び図2を参照しながら、評価
実験について説明する。まず、第1の評価実験について
説明する。図1(A)に示す基板1として、一辺の長さ
が10mm、厚さ2mmの正三角形のモリブデン(M
o)製のバイトチップを用いた。
実験について説明する。まず、第1の評価実験について
説明する。図1(A)に示す基板1として、一辺の長さ
が10mm、厚さ2mmの正三角形のモリブデン(M
o)製のバイトチップを用いた。
【0023】図1(B)に示す工程では、ダイヤモンド
原料ガスとして流量30slmのアルゴンガス、流量3
0slmの水素ガス、及び水素に対する体積濃度0.5
%のメタンガスの混合ガスを用いた。チャンバ10内の
圧力を30Torr、放電出力を10kW、基板温度を
900℃とした条件で約6分間のダイヤモンド粒子の形
成を行った。アルゴンガスはキャリアガスであり、水素
ガスは、ダイヤモンドの成長中に形成されるグラファイ
トを除去する作用を有する。上記条件で形成された各ダ
イヤモンド粒子2の粒径は約2〜3μmであった。
原料ガスとして流量30slmのアルゴンガス、流量3
0slmの水素ガス、及び水素に対する体積濃度0.5
%のメタンガスの混合ガスを用いた。チャンバ10内の
圧力を30Torr、放電出力を10kW、基板温度を
900℃とした条件で約6分間のダイヤモンド粒子の形
成を行った。アルゴンガスはキャリアガスであり、水素
ガスは、ダイヤモンドの成長中に形成されるグラファイ
トを除去する作用を有する。上記条件で形成された各ダ
イヤモンド粒子2の粒径は約2〜3μmであった。
【0024】図1(C)に示す工程では、図2の内部導
体22内の空洞にアルゴンと水素の混合ガスを供給し、
内部導体22と外部導体23との間の空洞に平均粒径約
0.8μmのMo粒子をアルゴンガスと共に供給し、約
5分間の溶射を行った。その後、Mo粒子の供給を停止
し、マニピュレータ12を調節して基板温度を1500
℃とし、約30秒間の焼結を行った。この条件で約2〜
3μmの厚さのMoの埋め込み領域3が形成された。
体22内の空洞にアルゴンと水素の混合ガスを供給し、
内部導体22と外部導体23との間の空洞に平均粒径約
0.8μmのMo粒子をアルゴンガスと共に供給し、約
5分間の溶射を行った。その後、Mo粒子の供給を停止
し、マニピュレータ12を調節して基板温度を1500
℃とし、約30秒間の焼結を行った。この条件で約2〜
3μmの厚さのMoの埋め込み領域3が形成された。
【0025】図1(D)に示す工程では、図1(B)と
同様の条件でダイヤモンド薄膜の堆積を行い、厚さ約1
0〜20μmのダイヤモンド薄膜4を形成した。
同様の条件でダイヤモンド薄膜の堆積を行い、厚さ約1
0〜20μmのダイヤモンド薄膜4を形成した。
【0026】ダイヤモンド薄膜を形成したMo製のバイ
トチップを用いて切削試験を行った。被削材として、A
l−Si合金(Si濃度12%)(AC8A−T6)を
用いた。切削方法は外周長手連続旋削、切削速度は10
00m/分、送りは0.2mm/回転、切り込み0.5
mmである。上記条件で10000mの切削を行ったと
ころ、逃げ面磨耗幅は数μm程度であり、ダイヤモンド
薄膜の剥離は生じなかった。
トチップを用いて切削試験を行った。被削材として、A
l−Si合金(Si濃度12%)(AC8A−T6)を
用いた。切削方法は外周長手連続旋削、切削速度は10
00m/分、送りは0.2mm/回転、切り込み0.5
mmである。上記条件で10000mの切削を行ったと
ころ、逃げ面磨耗幅は数μm程度であり、ダイヤモンド
薄膜の剥離は生じなかった。
【0027】これに対し、市販の焼結ダイヤモンドバイ
トチップで同様の切削を行ったところ、逃げ面磨耗幅は
約数十μmであった。これは、市販のダイヤモンドバイ
トチップが焼結ダイヤモンドであるのに対し、第1の評
価実験により形成したバイトチップの表面が多結晶ダイ
ヤモンド薄膜であるためである。
トチップで同様の切削を行ったところ、逃げ面磨耗幅は
約数十μmであった。これは、市販のダイヤモンドバイ
トチップが焼結ダイヤモンドであるのに対し、第1の評
価実験により形成したバイトチップの表面が多結晶ダイ
ヤモンド薄膜であるためである。
【0028】上記第1の評価実験からわかるように、高
硬度でかつ剥離しにくいダイヤモンド薄膜を形成するこ
とが可能になる。
硬度でかつ剥離しにくいダイヤモンド薄膜を形成するこ
とが可能になる。
【0029】次に、第2の評価実験について説明する。
図1(A)に示す基板1として、一辺の長さが10m
m、厚さ2mmの正三角形のタングステンカーバイド
(WC)製のバイトチップを用いた。なお、このバイト
チップは、バインダとして数%のCoを含む。ダイヤモ
ンド粒子の形成の前に、濃硫酸を用いてバイトチップ表
面に存在するCoをエッチング除去した。Coが残留し
ていると、ダイヤモンドが成長しにくくなるためであ
る。
図1(A)に示す基板1として、一辺の長さが10m
m、厚さ2mmの正三角形のタングステンカーバイド
(WC)製のバイトチップを用いた。なお、このバイト
チップは、バインダとして数%のCoを含む。ダイヤモ
ンド粒子の形成の前に、濃硫酸を用いてバイトチップ表
面に存在するCoをエッチング除去した。Coが残留し
ていると、ダイヤモンドが成長しにくくなるためであ
る。
【0030】図1(B)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのW粒子を約5分間溶射し、その後基板温度
を2000℃として30秒間の焼結を行った。この条件
で約2〜3μmの厚さのWの埋め込み領域3が形成され
た。
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのW粒子を約5分間溶射し、その後基板温度
を2000℃として30秒間の焼結を行った。この条件
で約2〜3μmの厚さのWの埋め込み領域3が形成され
た。
【0031】図1(D)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。次に、第3の評価実験について説明す
る。用いた基板は、第2の評価実験で使用したものと同
様のWC製のバイトチップである。第2の評価実験と同
様に、濃硫酸を用いてバイトチップ表面に存在するCo
をエッチング除去した。
と同様である。次に、第3の評価実験について説明す
る。用いた基板は、第2の評価実験で使用したものと同
様のWC製のバイトチップである。第2の評価実験と同
様に、濃硫酸を用いてバイトチップ表面に存在するCo
をエッチング除去した。
【0032】図1(B)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのMo粒子とCo粒子との混合粒子(Moと
Coとの混合比は85:15)を約5分間溶射し、その
後基板温度を1500℃として30秒間の焼結を行っ
た。この条件で約2〜3μmの厚さのMoCoの埋め込
み領域3が形成された。Coがバインダとして作用する
ため、埋め込み領域3と基板1との密着性をより強くす
ることができる。
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのMo粒子とCo粒子との混合粒子(Moと
Coとの混合比は85:15)を約5分間溶射し、その
後基板温度を1500℃として30秒間の焼結を行っ
た。この条件で約2〜3μmの厚さのMoCoの埋め込
み領域3が形成された。Coがバインダとして作用する
ため、埋め込み領域3と基板1との密着性をより強くす
ることができる。
【0033】図1(D)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。次に、第4の評価実験について説明す
る。用いた基板は、第2の評価実験で使用したものと同
様のWC製のバイトチップである。図1(B)に示す工
程の前に、平均粒径0.8μmのMo粒子を溶射し、厚
さ約2〜3μmのMo薄膜を堆積した。Mo薄膜を堆積
するため、バイトチップ表面のCoのエッチングは不要
である。
と同様である。次に、第4の評価実験について説明す
る。用いた基板は、第2の評価実験で使用したものと同
様のWC製のバイトチップである。図1(B)に示す工
程の前に、平均粒径0.8μmのMo粒子を溶射し、厚
さ約2〜3μmのMo薄膜を堆積した。Mo薄膜を堆積
するため、バイトチップ表面のCoのエッチングは不要
である。
【0034】図1(B)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのMo粒子を約5分間溶射し、その後基板温
度を1500℃として30秒間の焼結を行った。この条
件で約2〜3μmの厚さのMoの埋め込み領域3が形成
された。
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのMo粒子を約5分間溶射し、その後基板温
度を1500℃として30秒間の焼結を行った。この条
件で約2〜3μmの厚さのMoの埋め込み領域3が形成
された。
【0035】図1(D)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。次に、第5の評価実験について説明す
る。用いた基板は、第2の評価実験で使用したものと同
様のWC製のバイトチップである。第2の評価実験と同
様に、濃硫酸を用いてバイトチップ表面に存在するCo
をエッチング除去した。
と同様である。次に、第5の評価実験について説明す
る。用いた基板は、第2の評価実験で使用したものと同
様のWC製のバイトチップである。第2の評価実験と同
様に、濃硫酸を用いてバイトチップ表面に存在するCo
をエッチング除去した。
【0036】図1(B)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのWC粒子とCo粒子との混合粒子(WCと
Coとの混合比は85:15)を約5分間溶射し、その
後基板温度を2000℃として30秒間の焼結を行っ
た。この条件で約2〜3μmの厚さのWCCoの埋め込
み領域3が形成された。
と同様である。図1(C)に示す工程では、平均粒径約
0.8μmのWC粒子とCo粒子との混合粒子(WCと
Coとの混合比は85:15)を約5分間溶射し、その
後基板温度を2000℃として30秒間の焼結を行っ
た。この条件で約2〜3μmの厚さのWCCoの埋め込
み領域3が形成された。
【0037】図1(D)に示す工程は、第1の評価実験
と同様である。上記第2〜5の評価実験による方法で作
製したバイトチップを用い、第1の評価実験の場合と同
様の切削試験を行ったところ、第1の評価実験の場合と
同様、ダイヤモンド薄膜の剥離は生じなかった。また、
逃げ面磨耗幅も同程度であった。
と同様である。上記第2〜5の評価実験による方法で作
製したバイトチップを用い、第1の評価実験の場合と同
様の切削試験を行ったところ、第1の評価実験の場合と
同様、ダイヤモンド薄膜の剥離は生じなかった。また、
逃げ面磨耗幅も同程度であった。
【0038】上記評価実験で形成された島状に分布する
ダイヤモンド粒子の粒径は約2〜3μmであったが、作
製可能な粒径は、基板の種類、作製条件等によって異な
る。種々の実験結果から、ダイヤモンド粒子の粒径は
0.5〜10μm程度になると考えられる。
ダイヤモンド粒子の粒径は約2〜3μmであったが、作
製可能な粒径は、基板の種類、作製条件等によって異な
る。種々の実験結果から、ダイヤモンド粒子の粒径は
0.5〜10μm程度になると考えられる。
【0039】上記評価実験では、バイトチップの表面を
ダイヤモンド薄膜で被覆する場合を説明したが、バイト
チップ以外の工具、例えばドリルの刃、エンドミルの刃
等の表面をダイヤモンド薄膜で被覆してもよい。密着度
の高いダイヤモンド薄膜で被覆することにより、工具の
寿命を長くすることができる。また、インナーリードボ
ンディングツールの表面をダイヤモンド薄膜で被覆して
もよい。ダイヤモンド薄膜の密着度が高いため、薄膜形
成後に研磨加工を行うことができ、表面平坦性を向上さ
せることが可能になる。
ダイヤモンド薄膜で被覆する場合を説明したが、バイト
チップ以外の工具、例えばドリルの刃、エンドミルの刃
等の表面をダイヤモンド薄膜で被覆してもよい。密着度
の高いダイヤモンド薄膜で被覆することにより、工具の
寿命を長くすることができる。また、インナーリードボ
ンディングツールの表面をダイヤモンド薄膜で被覆して
もよい。ダイヤモンド薄膜の密着度が高いため、薄膜形
成後に研磨加工を行うことができ、表面平坦性を向上さ
せることが可能になる。
【0040】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板表面上に形成するダイヤモンド薄膜の基板への密着
度を高めることができる。
基板表面上に形成するダイヤモンド薄膜の基板への密着
度を高めることができる。
【図1】本発明の実施例によるダイヤモンド薄膜を形成
する方法を説明するための基板の断面図である。
する方法を説明するための基板の断面図である。
【図2】DCプラズマジェットCVD装置の概略図であ
る。
る。
1 基板 2 ダイヤモンド粒子 3 埋め込み領域 4 ダイヤモンド薄膜 10 チャンバ 11 排気管 12 マニピュレータ 13 基板ホルダ 14 基板 20 プラズマトーチ 21 中心導体 22 内部導体 23 外部導体
Claims (3)
- 【請求項1】 上面を有する支持基板と、 前記支持基板の上面の上に形成され、前記支持基板の上
面に対して、ダイヤモンドよりも強い密着性を有する材
料からなる埋め込み領域と、 前記埋め込み領域内に埋め込まれ、前記支持基板の上面
内で島状に分布し、表面の一部が前記埋め込み領域の表
面上に露出しているダイヤモンド粒子と、 前記埋め込み領域及び前記ダイヤモンド粒子の上に直接
形成されたダイヤモンド薄膜とを有するダイヤモンド薄
膜構造体。 - 【請求項2】 支持基板上にダイヤモンドの原料を供給
し、支持基板の表面内で島状に分布するダイヤモンド粒
子を支持基板の表面上に形成する工程と、 前記支持基板上に金属粒子またはセラミックス粒子を溶
射し、前記支持基板の表面のうち前記ダイヤモンド粒子
の形成されていない領域上に、金属またはセラミックス
からなる埋め込み領域を形成するとともに、前記ダイヤ
モンド粒子の表面の一部を露出させた状態とする工程
と、 前記ダイヤモンド粒子の表面の一部が露出した状態の表
面上に、ダイヤモンド薄膜を堆積する工程とを有するダ
イヤモンド薄膜形成方法。 - 【請求項3】 前記埋め込み領域を形成する工程が、金
属粒子またはセラミック粒子を溶射した後、基板表面に
プラズマジェットを照射し、前記埋め込み領域の焼結温
度以上まで埋め込み領域を加熱する工程を含む請求項2
に記載のダイヤモンド薄膜形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8303138A JPH10139590A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | ダイヤモンド薄膜を有する構造体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8303138A JPH10139590A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | ダイヤモンド薄膜を有する構造体及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10139590A true JPH10139590A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17917345
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8303138A Withdrawn JPH10139590A (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | ダイヤモンド薄膜を有する構造体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10139590A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013082956A (ja) * | 2011-10-06 | 2013-05-09 | Toyota Motor Corp | 摺動部材およびその製造方法 |
| JP2017002948A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社クボタ | 摺動部材およびポンプ |
-
1996
- 1996-11-14 JP JP8303138A patent/JPH10139590A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013082956A (ja) * | 2011-10-06 | 2013-05-09 | Toyota Motor Corp | 摺動部材およびその製造方法 |
| JP2017002948A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社クボタ | 摺動部材およびポンプ |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040203 |