JPH10142401A - 低反射透明導電膜とその製造方法および表示装置 - Google Patents

低反射透明導電膜とその製造方法および表示装置

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JPH10142401A
JPH10142401A JP8295514A JP29551496A JPH10142401A JP H10142401 A JPH10142401 A JP H10142401A JP 8295514 A JP8295514 A JP 8295514A JP 29551496 A JP29551496 A JP 29551496A JP H10142401 A JPH10142401 A JP H10142401A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive film
film
low
reflection
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JP8295514A
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Naoki Takamiya
直樹 高宮
Kazumichi Mori
一倫 森
Masumi Ishizuka
ます美 石塚
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過性に優れ、反射が軽減され、しかも優
れた帯電防止性と電磁波遮蔽性とを有する低反射透明導
電膜と陰極線管を得る。 【解決手段】 金属を含み膜厚hが5nm以上50nm
未満の範囲内である透明導電膜1の上層に、この透明導
電膜1の屈折率とは異なる屈折率を有する透明薄膜2が
形成された低反射透明導電膜4を陰極線管のフェースパ
ネル3上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光透過性に優れ、
反射が軽減され、反射光の色むらが少なく、しかも優れ
た帯電防止性・電磁波遮蔽性を有する低反射透明導電膜
とその製造方法、およびこの低反射透明導電膜がフェー
スパネルの前面に形成された表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイ、液晶表示装置、
陰極線管などの表示装置、特にTVブラウン管やコンピ
ュータのディスプレイなどとして用いられている陰極線
管にあっては、フェースパネル面に発生する静電気によ
り埃が付着して視認性が低下する他、電磁波を輻射して
周囲の機器などに影響を及ぼす惧れがある。
【0003】そこで最近、帯電防止、電磁波遮蔽および
反射防止を目的として、平均粒径2〜200nmの金属
微粒子からなる透明導電性微粒子層と、この微粒子層の
上層に形成されかつこの微粒子層より屈折率が低い透明
被膜とから構成された透明導電性被膜を陰極線管のフェ
ースパネル上に成膜することが提案されている(特開平
8−77832号公報)。この提案によれば、透明導電
性被膜が優れた反射防止効果を発揮するためには、導電
性微粒子層の膜厚を50nm〜200nmの範囲内とす
ることが推奨されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の提案に
従う透明導電性被膜は透明性(光透過性)が悪く、例え
ば陰極線管のフェースパネルなどに施すと、透過画像が
極端に暗くなって実用に耐えないことがわかった。ま
た、透明性を改善するためには膜厚を薄くすることが考
えられるので、導電性微粒子層を膜厚が50nm未満と
なるように成膜しようとすると、均一な厚みの成膜がで
きず膜厚むらを生じ、この膜厚むらに起因して反射光の
色むらが発生し、透過画像の視認性が低下すると共に、
外観も悪化するという問題があった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、従ってその目的は、光透過性に優
れ、反射が軽減され、反射光の色むらが少なく、しかも
優れた帯電防止性・電磁波遮蔽性を有する低反射透明導
電膜とその製造方法、およびこの低反射透明導電膜がフ
ェースパネルの前面に形成された表示装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、金属を含み膜厚が5nm以上50nm未
満の範囲内である透明導電膜の上層および/または下層
に、この透明導電膜の屈折率とは異なる屈折率を有する
透明薄膜が1層以上形成されてなる低反射透明導電膜を
提供する。前記金属の少なくとも1種は銀であることが
好ましい。また前記の低反射透明導電膜は、透明導電膜
とその上層に形成された透明薄膜との2層構成とされ、
この低反射透明導電膜の膜厚が100nm未満とされて
なるものであることが好ましい。
【0007】本発明はまた、前記の低反射透明導電膜を
製造するに際して、少なくとも金属微粒子とグリコール
エーテルとを含む導電性塗布液を用いて前記の透明導電
膜を形成する低反射透明導電膜の製造方法を提供する。
更に本発明は、前記のいずれかに記載の低反射透明導電
膜がフェースパネルの前面に形成されてなる表示装置を
提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。図1に、本発明の低反射透明導電膜および
陰極線管の一実施形態を示す。図1において、この低反
射透明導電膜4は、陰極線管5のフェースパネル3の表
面に形成されている。この低反射透明導電膜4は、金属
として銀を含み、かつ膜厚hが5nm以上50nm未満
の範囲内とされた透明導電膜1の上層に、この透明導電
膜1の屈折率とは異なる屈折率を有する透明薄膜2が形
成され、この透明導電膜1と透明薄膜2との2層構成と
された低反射透明導電膜4の膜厚Hが100nm未満と
されている。ここで一般に、2層またはそれ以上に積層
された膜のフェースパネル3に近い側の層を相対的に下
層、遠い側の層を上層と称する。
【0009】この低反射透明導電膜4は、透明導電膜1
が金属(銀)を含んでいるので、その膜厚hが5nm以
上50nm未満の範囲内であっても十分な帯電防止性
能、電磁波遮蔽性能を発揮するに十分な導電性を有して
おり、かつ透明性が高く、フェースパネル3からの透過
画像が明るく、実用的に十分な視認性を有している。ま
た、この低反射透明導電膜4は、透明導電膜1の屈折率
とは異なる屈折率を有する透明薄膜2が上層に形成され
ているので、外光反射が防止されている。
【0010】この低反射透明導電膜4は、銀微粒子とグ
リコールエーテルの1種であるエチレングリコールモノ
ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)とを含む導電性塗
布液をフェースパネル3上に塗布し乾燥して、膜厚が5
nm以上50nm未満の範囲内である透明導電膜1を形
成し、次いでこの上に透明薄膜2を形成する方法により
製造されている。この製造方法を用いて製造された低反
射透明導電膜4は、透明導電膜1の膜厚が50nm未満
の薄さであっても均一であり、従って膜厚むらに起因す
る反射光の色むらが防止され、透過画像の視認性が更に
改善されると共に、フェースパネルの外観が良好な陰極
線管5が得られる。
【0011】以下、本発明を構成する各要素について詳
しく説明する。前記の透明導電膜1は基本成分として金
属を含んでいる。この透明導電膜1における金属の存在
形態は、それぞれが独立した金属微粒子の形態であって
もよく、一様に連続した金属薄膜の形態であってもよ
く、金属微粒子が互いに融着して連結した薄膜の形態で
あってもよく、更にこれらの金属薄膜と金属微粒子とが
混在した形態であってもよい。
【0012】この透明導電膜1の膜厚は5nm以上50
nm未満の範囲内とされる。本発明者らは、金属を含む
透明導電膜1の膜厚hを5nm以上50nm未満の範囲
内とすることによって、低反射透明導電膜4が実用的に
十分な帯電防止性能、電磁波遮蔽性能を備えながら、し
かも良好な透明性を獲得し得ることを見いだし本発明に
到達した。膜厚hが5nm未満では十分な電磁波遮蔽性
能が得難くなる他、そもそも均一な膜形成が困難とな
り、一方、膜厚hが50nm以上では、導電性は問題な
いが透明性が低下し、透過画像の視認性が悪化する。す
なわち、金属を含む透明導電膜1の膜厚hを5nm以上
50nm未満の範囲内とするとき、電磁波遮蔽性能と透
明性との最適なバランスが得られる。特に、この範囲内
で膜厚が均一に調整されていれば、反射光の相互干渉に
よる色むらが解消され、視認性と外観が更に改善される
ことがわかった。
【0013】透明導電膜1の形成に用いることができる
金属は、特に限定されるものではないが、透明性を保持
しながら良好な導電性を有する好ましい金属の例として
は、銀、金、銅、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジ
ウム、ニッケル、またはこれらの任意の2種以上を組み
合わせた混合物を挙げることができる。
【0014】用いる金属の内の少なくとも1種または全
部が銀であることが好ましい。銀はコロイド状分散液と
して比較的容易かつ安価に入手可能であり、導電性が高
く帯電防止性・電磁波遮蔽性に優れ、しかも透明性の高
い導電膜が形成できるからである。また銀と組み合わせ
て例えば金を用いることも好ましい。銀は、可視光帯域
の短波長側に特有の吸収を有し、透過画像が黄色味に着
色して見える傾向があるが、これに金を比較的少量配合
することによって、可視光帯域における透過スペクトル
の波形を平坦化し、透過画像の色相を補正する効果があ
る。
【0015】透明導電膜1は、前記の金属を10重量%
以上含有していることが好ましい。透明導電膜1は、帯
電防止効果ばかりでなく電磁波遮蔽効果も求められてい
るので、遮蔽すべき電磁波の周波数に対応した膜特性の
設計が必要となる。一般に、電磁波遮蔽効果は、下記の
式1によって表される。
【0016】式1: S(dB)=50+10log(1/ρf)+1.7t
√(f/ρ) 式中、S(dB)は電磁波遮蔽効果、ρ(Ω・cm)は
導電膜の体積固有抵抗、f(MHz)は電磁波周波数、
t(cm)は導電膜の膜厚を表す。
【0017】透明導電膜1の膜厚tは、前記のように5
nm以上50nm未満とされ、きわめて薄いのでtを含
む項を無視すれば、式1は近似的に下記の式2で表すこ
とができる。式2: S(dB)=50+10log(1/ρf)
【0018】すなわち、透明導電膜1の体積固有抵抗値
(ρ)は、できるだけ小さいほうが広範な周波数の電磁
波に対してより大きい遮蔽効果を現すことがわかる。一
般に、電磁波遮蔽効果は、S>30dBであれば有効、
更にS>60dBであれば優良とみなされる。規制対象
となる電磁波の周波数は一般に10kHz〜1000M
Hzの範囲とされるので、50nm未満の膜厚で良好な
電磁波遮蔽効果を得るには、透明導電膜1の体積固有抵
抗値(ρ)を103 Ω・cm以下とすることが望まし
い。この値は、透明導電膜1中の金属含有量を10重量
%以上とすることによって達成することができる。
【0019】この透明導電膜1は、前記の金属の他に、
透明性を更に向上させるなどのために、ケイ素、アルミ
ニウム、ジルコニウム、セリウム、チタン、イットリウ
ム、亜鉛、マグネシウム、インジウム、錫、アンチモ
ン、ガリウムなどの酸化物、複合酸化物、または窒化
物、特にインジウムや錫の酸化物、複合酸化物または窒
化物を主成分とする無機微粒子を含んでいてもよい。こ
れらの無機微粒子の粒径は、透明導電膜1の膜厚を50
nm未満とする必要から50nm未満とするべきであ
る。
【0020】透明導電膜1はまた、前記の金属の他に、
膜強度を向上させるためにバインダー成分を含んでいて
もよい。用いることができるバインダー成分の例として
は、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、
紫外線硬化樹脂などの有機系合成樹脂、ケイ素、チタ
ン、ジルコニウムなどの金属アルコキシドの加水分解
物、またはシリコーンモノマー、シリコーンオリゴマー
などの有機・無機系バインダー成分などを挙げることが
できる。特に式、 M(OR)mRn において、MがSi、TiまたはZrであり、RがC1
〜C4 のアルキル基であり、mが1〜4の整数であり、
nが1〜3の整数であり、かつm+nが4である化合
物、またはその部分加水分解物の1種またはそれ以上の
混合物をバインダーとして用いることが好ましい。
【0021】前記バインダー成分と金属との親和性を高
めるために、金属の表面は、シリコーンカップリング
剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤
や、カルボン酸塩、ポリカルボン酸塩、リン酸エステル
塩、スルホン酸塩、ポリスルホン酸塩などの親油化表面
処理剤で処理されていてもよい。
【0022】透明導電膜1を、例えば陰極線管のフェー
スパネル3などの表面に形成する方法としては、真空蒸
着やスパッタなどの方法を用いることもできるが、前記
金属の微粒子をコロイド状に分散させて得られた塗布液
を、透明導電膜1の膜厚hが5nm以上50nm未満の
範囲内となるように均一に塗布して成膜することによっ
て形成することが好ましい。このとき用いる塗布液は、
例えば金属を粒径が50nm未満のコロイド状微粒子と
し、水および/または有機溶剤からなる媒体中に均一に
分散させることによって調製することができる。
【0023】この塗布液の配合や塗布条件は、得られた
低反射透明導電膜4に求められる導電性や透明性を考慮
して設計することが好ましい。特に本発明の低反射透明
導電膜においては、透明導電膜1の膜厚hが5nm以上
50nm未満の範囲内ときわめて薄くされるので、塗布
に際して膜厚むらを起こし易く、膜厚むらが起こると反
射光に色むらが生じて視認性を低下させ、また外観を悪
くするので、膜厚むらが起こらないように、塗布液の濡
れ性やレベリング性に特別な配慮が求められる。
【0024】この塗布液にグリコールエーテル類を添加
すると、濡れ性やレベリング性が改善され、膜厚hが5
nm以上50nm未満の範囲内ときわめて薄いにも関わ
らず、膜強度の劣化を招くことなく均一な厚みに塗布す
ることができ、厚みむらに起因する反射光の色むらが効
果的に防止できることがわかった。
【0025】用い得るグリコールエーテルの例として
は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、およびこれらのアセ
タート類などを挙げることができる。特に濡れ性の観点
から、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチル
セロソルブ)が好ましい。これらのグリコールエーテル
は、塗布液中に1重量%〜80重量%の範囲内で添加す
ることが好ましい。
【0026】前記塗布液の塗布は、一般には、スピンコ
ート、ロールコート、ナイフコート、バーコート、スプ
レーコート、メニスカスコート、ディップコートなど、
公知の任意の薄膜塗布技術を用いて行うことができる。
この内、スピンコートは、短時間で均一な厚みの薄膜を
形成することができるので特に好ましい塗布法である。
塗布後、塗膜を乾燥すれば、フェースパネル3などの表
面に透明導電膜1が形成される。
【0027】本発明の低反射透明導電膜にあっては、前
記の透明導電膜1の上層および/または下層に、この透
明導電膜1の屈折率とは異なる屈折率を有する透明薄膜
2が1層以上形成される。この透明薄膜2は、膜の界面
における外光反射を干渉効果によって除去または軽減す
るために用いられる。
【0028】この目的に用いられる透明薄膜は、図1に
示す実施形態においては透明導電膜1の上層に透明薄膜
2として1層形成されているが、本発明の低反射透明導
電膜における透明薄膜の構成はこれに限定されるもので
はない。透明薄膜は、透明導電膜1の下層(フェースパ
ネル3と透明導電膜1との間)に形成されていてもよ
く、また上層と下層の双方に形成されていてもよい。
【0029】一般に、透明導電膜1の上層に形成される
透明薄膜は、その屈折率を透明導電膜1の屈折率より小
さくし、透明導電膜1の下層に形成される透明薄膜は、
その屈折率を透明導電膜1のそれより大きくすることに
よって有効な反射防止が達成される。またこの透明薄膜
は、必ずしも1層に限定されるものではなく、多層に形
成されていてもよく、例えば透明導電膜1も含めて最下
層から最上層に向けて屈折率が順次に低下する複数の薄
膜層が形成されるように構成してもよい。
【0030】一般に、多層薄膜における界面反射防止能
は、薄膜の屈折率と膜厚、および積層薄膜数により決定
されるため、本発明の低反射透明導電膜においても、積
層膜数を考慮して透明導電膜、透明薄膜の厚みを適宜設
計することにより、効果的な反射防止効果を得ることが
できる。
【0031】この透明薄膜2は、例えばケイ素、アルミ
ニウム、ジルコニウム、セリウム、チタン、イットリウ
ム、亜鉛、マグネシウム、インジウム、錫、アンチモ
ン、ガリウムなどの酸化物、複合酸化物、または窒化物
など、または焼付けによってこれらを生成することがで
きる前駆体を主成分として含む塗布液(反射防止塗料)
を用いて膜厚が均一な膜を形成し、透明導電膜1と同時
にまたは別途に焼付けることによって形成することがで
きる。
【0032】この透明薄膜2はまた、透明導電膜1の反
射防止と保護とを兼ねて、表面硬度が高く、屈折率が比
較的低いSiO2 膜からなるハードコート層として形成
することもできる。この反射防止性ハードコート層を形
成することができる物質の例として、例えば下式 M(OR)m Rn において、MがSi、TiまたはZrであり、RがC1
〜C4 のアルキル基であり、mが1〜4の整数であり、
nが1〜3の整数であり、かつm+nが4である化合
物、またはその部分加水分解物の1種またはそれ以上の
混合物を挙げることができる。この化合物の例として
は、例えばテトラエトキシシラン(Si(OC
2H5)4 )が被膜形成性、透明性、膜強度および反射防
止性能の点から好適に用いられる。
【0033】このハードコート層は、前記の透明導電膜
1と異なる屈折率に設定できるのであれば、前記の透明
薄膜2を形成する金属酸化物、複合酸化物、または窒化
物など、または焼付けによってこれらを生成することが
できる前駆体などを含んでいてもよい。
【0034】透明薄膜の形成は、透明導電膜1の形成に
用いた方法と同様に、前記の成分を含む塗布液(反射防
止塗料)を所定の面に均一に塗布して成膜する方法によ
って行うことができる。塗布は、スピンコート、ロール
コート、ナイフコート、バーコート、スプレーコート、
メニスカスコート、ディップコートなどによることがで
きるが、特にスピンコートが好ましい。塗布後は塗膜を
乾燥し、好ましくは焼き付けることによって強固な膜が
形成される。
【0035】本発明の低反射透明導電膜は、図1に示す
ように、透明導電膜1の上層に透明薄膜2が形成された
2層構成とされ、この積層された低反射透明導電膜の膜
厚は100nm未満とされることが好ましい。この膜厚
が100nm以上になると、光学的反射防止能力が低下
し、十分な反射防止効果が得られなくなることがわかっ
た。
【0036】本発明の低反射透明導電膜は、その最上層
に、凹凸を有する低屈折率透明膜が形成されていてもよ
い。この凹凸を有する低屈折率透明膜は、低反射透明導
電膜の層間の外光反射を防止すると共に、表面反射光を
散乱させ、フェースパネル面に防眩性を付与する効果が
ある。
【0037】また、本発明の低反射透明導電膜は、その
いずれか1層または複数の層に、透過画像の色調を調整
するための着色材が含有されていてもよい。この着色材
は、透明導電膜に含有されている金属に由来して可視光
の波長帯域である400nm〜800nmの範囲内にお
いて、特定波長帯域に吸収がみられる場合、フェースパ
ネルを通じての透過画像の色調が不自然に変化するのを
調整する目的、および/または透過画像のコントラスト
を改善する目的で添加される。この観点から、用いる着
色材の色調は青色、紫色または黒色などが好ましい。
【0038】例えば金属が銀である場合は、400nm
〜530nmの短波長可視光帯域に吸収があって、透過
画像の色相が黄色味を帯びて不自然に見えるのである
が、本発明の低反射透明導電膜のいずれかの層に紫色顔
料を添加すると、この紫色顔料が長波長可視光を適度に
吸収するので、可視光帯域における光の透過スペクトル
が平坦化され、透過画像の色相が紫味を帯びた自然な色
に改善される。
【0039】前記の透明導電膜と透明薄膜とを有する本
発明の低反射透明導電膜がフェースパネルの前面に形成
された本発明の表示装置は、フェースパネルの帯電が防
止されているので画像表示面に埃などが付着せず、電磁
波が遮蔽されるので各種の電磁波障害が防止され、しか
も従来の電磁波遮蔽膜に比べて光透過性に優れ、従って
画像が明るく、反射が抑制され、従って視認性が改善さ
れ、反射光の色むらが低減され、従ってフェースパネル
の外観が改善される。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (塗布液の調製) 銀コロイド分散液の調製:クエン酸ナトリウム二水和
物(14g)、硫酸第一鉄(7.5g)を溶解した溶液
60gを5℃に保持した状態で、硝酸銀(2.5g)を
溶解した溶液25gを加えて銀コロイドを生成させた。
得られた銀コロイドを遠心分離により水洗して不純物を
除去した後、38.1gの純水を加えて塗布液用の銀コ
ロイド分散液を調製した。得られた銀コロイド粒子の粒
径は5nm〜30nmであった。 反射防止塗料の調製:テトラエトキシシラン(0.8
g)と0.lN塩酸(0.8g)とエチルアルコール
(98.4g)とを混合して均一な溶液とした。
【0041】(実施例1)導電性塗布液の調製 : の銀コロイド分散液 15.0g 純水 65.0g ブチルセロソルブ 10.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合して得られた混合液を超音波分散機
(セントラル科学貿易社製「ソニファイヤー450」)
で分散し、導電性塗布液を調製した。
【0042】成膜:上記の導電性塗布液を、ブラウン管
のフェースパネル表面にスピンコーターを用いて塗布
し、乾燥後、の反射防止塗料を同様にスピンコーター
を用いて塗布し、乾燥機により150℃で1時間焼付け
て本発明の低反射透明導電膜を有する陰極線管を作成し
た。
【0043】(比較例1)スピンコーターの回転数を下
げた他は実施例1に準じて、反射防止性高導電膜を有す
る比較例1の陰極線管を作成した。
【0044】(比較例2)比較例1におけるスピンコー
ターの回転数よりも更にスピンコーターの回転数を下げ
た他は実施例1に準じて、反射防止性高導電膜を有する
比較例2の陰極線管を作成した。
【0045】(比較例3)導電性塗布液の調製 : の銀コロイド分散液 15.0g 純水 74.99g IPA 10.0g シリコーンオイル 0.01g (信越シリコーン社製KF−355A)上記の成分を配
合し実施例1に準じて導電性塗布液を調製した。
【0046】成膜:上記の導電性塗布液を用いた他は実
施例1に準じて反射防止性高導電膜を有する比較例3の
陰極線管を作成した。
【0047】(比較例4)導電性塗布液の調製 : の銀コロイド分散液 15.0g 純水 75.0g IPA 10.0g 上記の成分を配合し実施例1に準じて導電性塗布液を調
製した。
【0048】成膜:上記の導電性塗布液を用いた他は実
施例1に準じて反射防止性高導電膜を有する比較例4の
陰極線管を作成した。
【0049】上記の実施例1、および比較例1〜比較例
4の各陰極線管試料について、それぞれの低反射透明導
電膜の評価試験を行った。評価項目およびその試験機
(または試験方法)を下に記す。 膜厚 :薄膜のエッチングを行い、エッチングレ
ートより算出。 透過率 :日本分光社製「U-Best 50 」 ヘーズ :東京電色社製「Automatic Haze meter H
III DP」 表面抵抗 :三菱油化社製「ロレスタAP」(4端針
法) 視感反射率 :EG&G GAMMA SCIENTIFIC社製 MODEL C-1
1 電磁波遮蔽性:0.5MHzを基準波長としで前記式1
により計算。 強度 :1kgの荷重下、消しゴムで膜表面を5
0回往復後、膜表面の擦傷の状態を目視により評価し
た。 ○;擦傷なし △;やや擦傷あり ×;擦傷多い 色差 :ミノルタカメラ社製「CR-300」にて膜の
任意の2点の反射色を測定しその色差(Δx,Δy)を
測定した。 外観 :上記の色差測定と同時に、目視によって
膜面反射の色むらを評価した。 ○;色むらなし △;やや色むらあり ×;全面に色むらが広がっている 試験結果を表1に示す。表1中の「C膜」は透明導電膜
を表し、「D膜」はC膜の上層に透明薄膜が積層されて
なる低反射透明導電膜を表す。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果をみると、実施例1の試料は、
C膜(透明導電膜)の膜厚hが50nm未満であるため
に光透過率が70%台と高く、ヘーズも認められず、明
るく見やすい透過画像が得られることがわかる。またD
膜(低反射透明導電膜)の膜厚Hが100nm未満とさ
れているために視感反射率が0.3%と低くなってい
る。またグリコールエーテルを含む塗布液を用いてC膜
を形成しているので色差で表される色むらが少なく、外
観も良好であった。表面抵抗や電磁波遮蔽性は実用的に
十分な水準にあり、膜強度も良好であった。
【0052】これに対して比較例1の試料は、C膜の膜
厚hが50nm以上であるために透過率が58%台と低
く、ヘーズも発生し、透過画像はやや暗く見にくいもの
となっている。またD膜Hが100nm以上とされてい
るので視感反射率が増加し視認性が低下している。比較
例1のC膜の成膜にはグリコールエーテルを含む塗布液
を用いているが、膜厚が厚いために膜厚むらが発生し外
観がやや低下した。
【0053】比較例2の試料は、C膜とD膜の膜厚がい
ずれも比較例1より更に大とされ、これに伴って透過率
は更に低下し、ヘーズ、視感反射率、色差がいずれも増
加し、総合的に視認性が大幅に低下していることがわか
る。
【0054】比較例3の試料は、実施例1に準じ、ただ
し膜厚を均一化するためにグリコールエーテルの代わり
に、従来から使用されていたシリコーンオイルを用いて
いる。この場合はC膜の膜厚hの均一化が不十分であ
り、色むらが多く発生し外観を損ねている。また膜強度
も弱くなっている。比較例4の試料は、膜厚均一化のた
めのグリコールエーテルもシリコーンオイルも用いなか
った場合であるが、膜厚むらがきわめて大きいため、デ
ータがとれなかった。
【0055】以上の実施例1と各比較例とを比べれば、
本発明の低反射透明導電膜、およびこれをフェースパネ
ルに施した本発明の陰極線管は、優れた光透過性を有し
て透過画像が明るく、ヘーズや反射が少なくて視認性が
良好であり、色むらが少なく外観が良好であり、しかも
帯電防止性、電磁波遮蔽性おび強度のいずれにも優れて
いることが明かである。
【0056】
【発明の効果】本発明の低反射透明導電膜は、金属を含
み膜厚が5nm以上50nm未満の範囲内である透明導
電膜の上層および/または下層に、この透明導電膜の屈
折率とは異なる屈折率を有する透明薄膜が1層以上形成
されたものであるので、この低反射透明導電膜がフェー
スパネルの前面に形成された本発明の表示装置は、光透
過性が良好で透過画像が明るく、反射光やヘーズが軽減
されていて視認性に優れ、しかも優れた帯電防止性・電
磁波遮蔽性を有するものとなる。
【0057】低反射透明導電膜を製造するに際して、少
なくとも金属微粒子とグリコールエーテルとを含む導電
性塗布液を用いて透明導電膜を形成すれば、透明導電膜
が50nm未満の薄膜であっても均一な成膜が可能とな
り、その結果、色むらが軽減され外観の良好な低反射透
明導電膜および陰極線管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の陰極線管の一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1……透明導電膜 2……透明薄膜 3……陰極線管フェースパネル 4……低反射透明導電膜 h……透明導電膜の膜厚 H……低反射透明導電膜の膜厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 Z G09F 9/00 313 G09F 9/00 313 H01J 9/20 H01J 9/20 A 29/89 29/89

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属を含み膜厚が5nm以上50nm未
    満の範囲内である透明導電膜の上層および/または下層
    に、この透明導電膜の屈折率とは異なる屈折率を有する
    透明薄膜が1層以上形成されたことを特徴とする低反射
    透明導電膜。
  2. 【請求項2】 前記金属の少なくとも1種が銀であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の低反射透明導電膜。
  3. 【請求項3】 前記の低反射透明導電膜が透明導電膜と
    その上層に形成された透明薄膜との2層構成とされ、こ
    の低反射透明導電膜の膜厚が100nm未満とされたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の低反射透明導電膜。
  4. 【請求項4】 少なくとも金属微粒子とグリコールエー
    テルとを含む導電性塗布液を用いて、前記の透明導電膜
    を形成することを特徴とする請求項1に記載の低反射透
    明導電膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の低反射透明導電膜がフェースパネルの前面に形成さ
    れたことを特徴とする表示装置。
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