JPH10142402A - 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 - Google Patents

反射防止膜およびそれを配置した表示装置

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JPH10142402A
JPH10142402A JP8294240A JP29424096A JPH10142402A JP H10142402 A JPH10142402 A JP H10142402A JP 8294240 A JP8294240 A JP 8294240A JP 29424096 A JP29424096 A JP 29424096A JP H10142402 A JPH10142402 A JP H10142402A
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layer
refractive index
film
fine particles
antireflection film
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JP8294240A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Yasuda
知一 安田
Kazuhiro Nakamura
和浩 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範な波長領域において一様に低い反射率
(反射率1%以下)を示し、同時に膜強度、耐久性、対
汚れ付着性、耐熱性に優れた反射防止膜を低コストで、
また、大量かつ大面積製造の適性のある方法で提供す
る。 【解決手段】 平均粒径が200nm以下の重合体微粒
子を含む層を有し、該微粒子の少なくとも1種の中空形
状または空隙構造を有する含フッ素重合体であることを
特徴とする低屈折率層を有する反射防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、量産性、対汚染性
に優れ、同時に、高い膜強度を実現する反射防止膜およ
びそれを配置した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の普及、大型化や野
外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例え
ば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上
が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主
機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発
に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視
認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り
込みであり、これらに対する対処として最表面に反射防
止膜を設ける方法が一般的に行われる。しかしながら、
この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けら
れるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス
化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例
えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、指紋
や油脂等の付着防止や易除去性、炎天下や自動車室内の
ような高温環境下での諸性能の維持などである。
【0003】従来、可視光の波長域を全てカバーできる
性能を有する広波長域/低反射率の反射防止膜として
は、金属酸化物等の透明薄膜を積層させた多層膜が用い
られてきた。単層膜では単色光に対しては有効であるも
ののある程度の波長域を有する光に対しては有効に反射
防止できないのに対し、このような多層膜においては、
積層数が多いほどに広い波長領域で有効な反射防止膜と
なるためである。しかしながら、物理蒸着法等の手段に
よって金属酸化物等を3層以上積層して形成するこのよ
うな反射防止膜は、予め最適に設計された各層の屈折率
と膜厚との関係に従い、その膜厚を高精度に制御した物
理蒸着を何回も行う必要があり、非常に高コストなもの
であり、かつ、広い面積の膜を得ることの非常に困難な
大量製造適性に乏しいものであった。また、これらの多
層蒸着型の反射防止膜では、表面の耐傷性あるいは指紋
付着性等の対汚染性に乏しく、この改善のためには例え
ば新たに含フッ素樹脂からなる層を塗設するなどの反射
防止を犠牲にしかねない加工が必須であった。
【0004】一方、上述のような多層膜による方法の他
に、空気との界面において屈折率が徐々に変化する様な
膜によって有効な反射防止効果を得る方法が従来知られ
ている。例えば、特開平2−245702号公報には、
ガラス基板とMgF2 の中間の屈折率を持つSiO2
微粒子とMgF2 超微粒子を混合してガラス基板に塗布
し、ガラス基板面から塗布膜面に向かって徐々にSiO
2 の混合比を減少させてMgF2 の混合比を増加させる
事により、塗布面とガラス基板との界面における屈折率
変化が緩やかとなり、反射防止効果が得られる事が記載
されている。さらに、特開平5−13021号公報に
は、MgF2 、SiO2 等の低屈折率を有する超微粒子
を用いた反射防止膜において、この超微粒子が基板上に
規則正しく配列されたときに最も小さな反射率が得られ
ることが記載されている。
【0005】上述の各方法では確かに低反射率の表面層
を設けることは可能であるが、前記特開平2−2457
02号公報に記載の反射防止膜は、混合比の異なる塗布
膜を積み重ねて得られるため、膜の形成の煩雑さと屈折
率のコントロールの困難さが問題であり、また、前記特
開平5−13021号公報の反射防止膜においては、最
表層の超微粒子がバインダで覆われているために屈折率
を緩やかに変化させる事が困難な事、焼き付け温度が高
温であるために用いられる基材が限定される、充分な反
射防止効果が得られない等の問題点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範
な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以
下)を示し、同時に膜強度、耐久性、対汚れ付着性、耐
熱性に優れた反射防止膜を低コストで、また、大量かつ
大面積製造の適性のある方法で提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題は下記の反射
防止膜によって解決される。 (1)平均粒径が200nm以下の重合体微粒子を含む
層を有し、該微粒子の少なくとも1種の中空形状または
空隙構造を有する含フッ素重合体であることを特徴とす
る低屈折率層を有する反射防止膜。 (2)該微粒子の少なくとも一種が架橋性基を含有する
重合体から成ることを特徴とする上記(1)に記載の反
射防止膜。 (3)該微粒子の少なくとも一種がコア―シェル構造を
有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載
の反射防止膜。 (4)形成された低屈折層が少なくとも0.3重量分率
以上のフッ素原子を含むことを特徴とする上記(1)に
記載の反射防止膜。 (5)該低屈折率層がそれよりも高い屈折率を有する層
の上に形成されたことを特徴とする上記(1)に記載の
反射防止膜。 (6)表面がアンチグレア処理されていることを特徴と
する上記(1)に記載の反射防止膜。 (7)上記(1)の反射防止膜を配置した表示装置。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の反射防止膜によって得ら
れる優れた反射防止膜について以下に説明する。以下の
説明では本発明の「中空形状あるいは空隙構造を有する
微粒子」を「ボイド微粒子」、この「ボイド微粒子内の
空隙」を「粒子内ボイド」、このボイド粒子を製膜して
得られる反射防止膜中の空隙を「ミクロボイド」と称す
る。
【0009】一般に反射防止機能を選るには基材の最表
面に可能な限り屈折率の低い超薄層を設ける方法が知ら
れている。本発明ではこの最表面層(低屈折率層)にボ
イド微粒子を用いることが特徴である。図1に、ボイド
微粒子からなる反射防止膜を示す。図中で、1は粒子内
ボイドがもたらした空気が膜を形成する粒子形成ポリマ
ーやバインダー成分と混在している層(ミクロボイド含
有層)であり、3は基材である。ミクロボイドは1の層
中に均一に分散して存在する。また、このミクロボイド
層は、反射防止を行うべき透明基材の最表面に設けられ
る。
【0010】このような低屈折率を有する微粒子層は、
図1に示す単層膜だけでなく、多層膜の最上層として用
いる事もできる。図2に、基材フィルム上に基材の屈折
率よりも高い屈折率を有する層2を設け、さらにその上
に本発明の粒子内ボイドを有する含フッ素重合体微粒子
を含む層を設けた反射防止膜を示す。このように多層化
する事によってより広い波長領域において有効な反射防
止膜を得る事は、従来の技術と同様な原理に基づくもの
である。例えば、特開昭59−50401号公報に示さ
れているように、2層膜では、基材と接する第一層の膜
の屈折率n1 と膜厚d1 および第一層と接する第2層の
屈折率n2 と膜厚d2 が以下の関係を満たすようにする
事によって、反射防止膜としての作用が最適化される。
このような多層膜による反射防止条件については古くか
ら公知である。 第1層 mλ/4×0.7<n1 1 <mλ/4×1.
3 第2層 nλ/4×0.7<n2 2 <nλ/4×1.
3 ただし、mは正整数、nは奇の正整数である。
【0011】本発明においては、このボイド微粒子によ
り持ち込まれ、膜内に保持されるミクロボイドが均一で
あること、およびミクロボイドが光を散乱しない大きさ
であることに特徴がある。言い換えれば、該低屈折率層
は微視的にはミクロボイド含有多孔質膜であるが、光学
的あるいは巨視的には均一な膜とみなすことができる。
このため、ミクロボイド含有膜の巨視的屈折率は、重合
体をミクロボイド微粒子にすることによって持ち込まれ
る空気の体積分率に相当する分だけ低くなる。すなわ
ち、この膜の屈折率は膜を形成しているバインダー成分
の屈折率(1より大きな値を有する)と持ち込まれた空
気の屈折率(1.00である)の体積平均で表されるこ
とになり、用いられたバインダー成分の屈折率より低い
値を示す結果となる。
【0012】本発明に用いられる微粒子の粒径は200
nm以下のものである。粒子径が増大すると前方散乱が
増加し、200nmを越えると散乱光に色付きが生じる
ため好ましくない。さらに、好ましくは、光学性能的観
点と膜質的観点から70nm以下のものであり、特に好
ましいのは50nm以下である。このような微粒子はポ
リマーラテックスとして製造、入手が可能である。
【0013】本発明のボイド微粒子を形成する含フッ素
重合体のモノマー単位はモノマーがフッ素原子を含有し
ているものであれば特に制限はない。これらのモノマー
の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例え
ばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフ
ルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールな
ど)、下記一般式で表されるアクリル、メタクリル酸の
部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完
全または部分フッ素化ビニルエーテル類などであり、こ
れらの任意のモノマーを任意の比率で組み合わせて共重
合により目的のポリマーを得ることができる。
【0014】
【化1】
【0015】本発明のボイド微粒子を形成するポリマー
には上記の含フッ素モノマーの他にフッ素原子を含有し
ないモノマーを併用しても良い。併用可能なモノマー単
位には特に限定はなく、例えば、オレフィン類(エチレ
ン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなど)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
など)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレ
ングリコールジメタクリレートなど)、スチレン誘導体
(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレンなど)、ビニリエーテル類(メチルビニ
ルエーテルなど)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニルなど)、アクリルアミ
ド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロ
ヘキシルアクリルアミドなど)、メタクリルアミド類、
アクリロニトリル誘導体などを挙げることができる。
【0016】上記に記載した含フッ素モノマーを用いた
場合に得られる重合体の屈折率は用いた全モノマー中の
フッ素原子の含有量の増加に伴い低下する。本発明の目
的の反射防止膜の屈折率を充分に低くするためには、ポ
リマーが35重量%ないし80重量%のフッ素原子を含
むことが好ましく、特に好ましくは45重量%ないし7
5重量%である。
【0017】本発明に用いられる粒子内空隙または中空
構造を有する粒子においてその空隙の量は特に制限はな
いが、粒子の形状保持の観点と膜内への有効な空隙導入
の観点から3体積%以上、50体積%以下であり、特に
好ましいのは5体積%以上35体積%以下のものであ
る。これらの粒子は通常の乳化重合によって容易に合成
可能である。中空形状の粒子は特開平1−185311
号、特開平6−248012号、特開平8−20604
号に記載の方法およびこれらに同等の方法で得られる。
また、粒子内空隙を有する粒子は一般に多孔質イオン交
換樹脂の製造工程で実施される様に分子内に2つ以上の
重合性不飽和基を有するモノマーを全量の15ないし5
0重量%程度用いて乳化重合して容易に合成可能であ
る。
【0018】層としての屈折率は前述のようにミクロボ
イドの含有量の増加に伴い低下する。このため、本発明
の反射防止膜が充分な低屈折率を有するには、含フッ素
重合体微粒子からなる層が含有するミクロボイドの量は
3体積%ないし50体積%が好ましく、特に好ましいの
は5体積%ないし35体積%である。
【0019】本発明における反射防止膜の重合体粒子に
は結晶性、非晶性のいずれのものも用いる事ができる。
また、本発明に用いる重合体粒子のガラス転移点(T
g)は特に制限が無く製膜時のボイド保持の観点から、
Tgが製膜温度以上であることが好ましい。しかしなが
ら、Tgが製膜温度より高いと粒子の融着が妨げられ連
続膜が形成されず、膜強度が悪化する懸念があるため後
述の併用バインダーの使用の実態に応じて融着効果とボ
イド保持効果をTgで最適な領域に調製したものを用い
ることが望ましい。
【0020】本発明に用いられるミクロボイド微粒子は
一つの反射防止膜内に任意の2種以上の粒子を任意の割
合で混合して用いても良い。また、本発明のミクロボイ
ド微粒子と本発明外の空隙または中空構造を有していな
い微粒子を併用しても良い。この場合、併用する本発明
外のポリマー微粒子に特に制限はないが通常の乳化重合
で得られる粒子でも良いし、別途に調製した有機溶媒系
の溶液重合により得られる水不溶性ポリマーの乳化物で
も、水溶性ポリマーであっても良い(以下バインダーと
称す)。本発明のミクロボイド微粒子と併用するバイン
ダーの混合比率は特に制限はないが、膜質強化の観点と
膜内への有効な空隙導入の観点から本発明の微粒子が3
0重量%ないし90重量%が好ましく、50重量%ない
し80重量%が特に好ましい。
【0021】また、併用されるバインダーのTgは本発
明の微粒子を形成するポリマー成分のTgよりも低いこ
とが好ましい。これにより、併用するバインダーが製膜
時に変形し本発明の微粒子間の結着剤の役目を果たし、
充分な膜強度が期待できる。ただし、併用するバインダ
ーのTgが本発明の微粒子を形成するポリマー成分のT
gに極めて近いと本発明の微粒子が変形してミクロボイ
ドが減少してしまうため、併用するバインダーのTgは
本発明の粒子に比べて5# C 以上低いことが好ましく、
Tgの幅や製膜温度のゆらぎを考慮して20# C 以上低
いことが特に好ましい。
【0022】また、上記の併用バインダーが光や電子線
の様な放射線エネルギーあるいは加熱や電磁波の様な熱
エネルギーで相互に反応して架橋可能な官能基を導入す
ることによっても粒子間の共有結合生成による膜強度向
上ができる。架橋性基として好適に使用できるものとし
ては、放射線や熱により反応する官能基であれば特に限
定はなく、例えば、イソシアナート基、ブロックイソシ
アナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン
基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カル
ボキシル基、メチロール基、活性メチレン基を有する化
合物のほか、ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアク
リレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エ
ステル、ウレタンなどから選ばれる官能基を含む粒子を
挙げることができる。また、本発明において架橋基と
は、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応
性を示すものであってもよい。使用する架橋性化合物は
相互反応可能な基を導入した2種以上の化合物を併用し
ても良いし、ビニル基、活性メチレン基など自己架橋が
可能な基を分子内に複数個有する化合物を用いても良
い。
【0023】本発明の反射防止膜を形成する基材として
は、各種のプラスチックフィルムが使用でき、セルロー
ス誘導体(例えば、トリアセチル−(TAC)、ジアセ
チル−、プロピオニル−、ブタノイル−、アセチルプロ
ピオニル−アセテート、ニトロ−など)、ポリアミド、
ポリカーボネート、特公昭48−40414号に記載の
ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート、ポリ
−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン1,2−ジフェノキシエタン−4,4−ジ
カルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレートなど)、ポリスチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポ
リエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート等のよう
な各種透明樹脂が好ましく用いられる。
【0024】また、多層膜として用いる場合には、低屈
折率層の下方に設けられる高屈折率層の素材として、以
下の様なものを用いることができる。
【0025】有機材料としては比較的屈折率の高い被膜
形成性物質、たとえばポリスチレン、ポリスチレン共重
合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、
複素環、脂環式環状基、またはフッ素以外のハロゲン基
を有する各種重合体組成物、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、ないしエポキシ樹脂などを硬化剤とする各種熱硬
化性樹脂形成性組成物、脂環式ないしは芳香族イソシア
ネートおよびまたはこれらとポリオールからなるウレタ
ン形成性組成物、および上記の化合物に2重結合を導入
することにより、ラジカル硬化を可能にした各種変性樹
脂またはプレポリマを含む組成物などが好ましく用いら
れる。また無機系微粒子を分散させた有機材料としては
一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単
独で用いられる場合よりも低屈折率ものも用いられる。
上記に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系
共重合体、ポリエステル(アルキドを含む)系重合体、
繊維素系重合体、ウレタン系重合体、およびこれらを硬
化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物
など透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各
種の有機材料が使用可能である。さらに有機置換された
ケイ素系化合物をこれに含めることができる。
【0026】これらのケイ素系化合物は一般式 R1 a 2 b SiX4-(a+b) (ここでR1 、R2 は各々アルキル基、アルケニル基、
アリル基、またはハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、
メルカプト基、メタクリルオキシ基ないしシアノ基を有
する炭化水素基。Xはアルコキシル、アルコキシアルコ
キシル、ハロゲンないしアシルオキシ基から選ばれた加
水分解可能な置換基。a、bは各々0ないし2の整数で
かつa+bが1または2である。)で表される化合物な
いしはその加水分解生成物である。
【0027】これに分散される無機化合物としてはアル
ミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなど
の金属元素の酸化物が好ましく用いられる。これらは微
粒子状で粉末ないしは水および/またはその他の溶媒中
へのコロイド状分散体として提供されるものである。こ
れらは上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合
分散される。
【0028】被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機系材料としては各種元素のアルコキ
シド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
がありこれらの好適な例としては、チタンテトラエトキ
シド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ
−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、
チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−tert
−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニ
ウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキ
シド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブト
キシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウム
テトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−
プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、
ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド、ジルコニウム
テトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合
物、さらにはジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチ
ルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチル
アセトネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルア
セトネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、アル
ミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−
ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート、ト
リ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセ
テートなどのキレート化合物、さらには炭酸ジルコニー
ルアンモニウム、あるいはジルコニウムを主成分とする
活性無機ポリマなどをあげることができる。上記に述べ
た他に、屈折率が比較的低いが上記の化合物と併用でき
るものとしてとくに各種のアルキルシリケート類もしく
はその加水分解物、微粒子状シリカとくにコロイド状に
分散したシリカゲルが用いられる。
【0029】本発明の反射防止層を形成する各層は一般
によく知られた方法、例えばディップコート法、エアー
ナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート
法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、或いは
米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパ
ーを使用するエクストルージョンコート法等により塗布
することができる。また必要に応じて、米国特許第2,
761,791号、3,508,947号、2,94
1,898号、及び3,526,528号明細書、原崎
勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉
書店発行)等に記載された方法により2層以上の層を同
時に塗布することができる。
【0030】本発明の低屈折率反射防止層は、中間層と
してハードコート層、防湿、帯電防止層等を設ける事も
できる。ハードコート層としては、アクリル系、ウレタ
ン系、エポキシ系のポリマーの他に、シリカ系の化合物
が使用できる。
【0031】本発明の低屈折率反射防止膜層の表面に有
機、無機化合物によって凹凸を形成し、外光を散乱させ
て景色等の写り込みを防ぐアンチグレア効果を付与する
こともできる。また、この反射防止膜は単独であるいは
アンチグレア効果を併用して液晶表示装置(LCD)、
プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッ
センスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CR
T)などの画像表示装置に適用し、外光の反射を防止す
ることで、視認性を大幅に改良することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】(空隙を有する重合体微粒子の合成) 1)BP1の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた2リットル三ツ口フラス
コにドデシル硫酸ナトリウム30gを蒸留水1350m
lに溶解した溶液を入れ、次いでメタクリル酸ヘキサフ
ルオロイソプロピルエステル210g(0.89モル)
とジビニルベンゼン90g(0.69モル)の混合溶液
を加え、窒素気流下で200rpmの速度で攪拌した。
この反応容器を75℃に加熱し、8%過硫酸ナトリウム
水溶液50mlを添加して2時間重合させた。更に、8
%過硫酸ナトリウム水溶液50mlを加えて2時間重合
した。この反応液を室温まで冷却し、分画分子量1万の
セルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機
塩類を除去した後、濾過にて不溶分を除去して微乳濁白
色の水溶液2780gを得た。この溶液は不揮発分1
0.3重量%を含む平均粒子径48nmの微細ラテック
ス液であった。このラテックスに含有される粒子は体積
分率で約19%の空隙を有する多孔質の球形粒子であっ
た。粒子サイズはコールター社粒子測定装置N4を用い
て動的光散乱法により評価した。粒子形状は走査型電子
顕微鏡を用いて観察し、空隙率は粒子の屈折率を測定
し、用いたモノマー組成から得れるポリマーの屈折率の
計算値との差から空気の体積分率を逆算した。
【0034】2)BP2の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた2リットル三ツ口フラス
コにドデシル硫酸ナトリウム30gを蒸留水1350m
lに溶解した溶液を入れ、次いでメタクリル酸ヘキサフ
ルオロイソプロピルエステル165g(0.70モ
ル)、メタクリル酸グリシジルエステル45g(0.3
2モル)とジビニルベンゼン90g(0.69モル)の
混合溶液を加え、窒素気流下で200rpmの速度で攪
拌した。この反応容器を75℃に加熱し、8%過硫酸ナ
トリウム水溶液50mlを添加して2時間重合させた。
この間、反応液のpHを常に6.3〜7.7の範囲に保
つように3%水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて調整
した。更に、8%過硫酸ナトリウム水溶液50mlを加
えて2時間重合し、同様に反応溶液のpHを6.4〜
7.9に調整し続けた。この反応液を室温まで冷却し、
分画分子量1万のセルロース膜を用いて透析し、過剰な
界面活性剤や無機塩類を除去した後、濾過にて不溶分を
除去して微乳濁白色の水溶液3019gを得た。この溶
液は不揮発分9.3重量%を含む平均粒子径54nmの
微細ラテックス液であった。このラテックスに含有され
る粒子は体積分率で約14%の空隙を有する多孔質の球
形粒子であった。粒子サイズはコールター社粒子測定装
置N4を用いて動的光散乱法により評価した。粒子形状
は走査型電子顕微鏡を用いて観察し、空隙率は粒子の屈
折率を測定し、用いたモノマー組成から得れるポリマー
の屈折率の計算値との差から空気の体積分率を逆算し
た。
【0035】本発明に用いるその他のボイド粒子は上記
の乳化重合法と同じまたはこれに準じた方法で容易に合
成できた。これらの方法で合成した本発明のボイド微粒
子(BP1〜BP7)を下記の表1にまとめて示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1(反射防止層の塗設と性能評価)
【0038】上記の表1に記載のボイド微粒子を用い
て、表2の組成で調製した水溶液(E1〜E10)をト
リアセチルセルロース(以下TACと称す)フィルム上
にスピンコータを用いて塗布し、90# C で120分乾
燥し、膜厚100nmの低屈折率層を形成した。得られ
た膜(X1〜X10)について屈折率、視感反射率の測
定およびサファイヤ針による膜強度測定を実施した。結
果を表3に示した。
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】上記実施例1で用いた本発明の微粒子を表
2に示すとおり本発明外の粒子(NP1〜NP3)に置
き換えた外は実施例1と同じにして比較サンプル溶塗布
溶液(F1〜F4)を調製し、同条件で製膜して比較サ
ンプル(Y1〜Y4)を得た。得られた膜を上記実施例
1と同じ方法で膜の屈折率、視感反射率(光波長400
nm〜800nmの平均反射率値)の測定およびサファ
イヤ針による膜強度測定を実施した。結果を表3に併せ
て示した。
【0042】実施例2(重層型反射防止フイルムの作
成) (1)第1層(ハードコート層)の塗設 90μmの厚みを有するTACフィルムに5重量%のジ
ペンタエリスルトールヘキサアクリレートと光重合開始
剤(商品名:イルガキュア907、チバガイギー社製)
0.5重量%、光増感剤(商品名:カヤキュアーDET
X、日本化薬社製)0.2重量%を含むトルエン溶液を
ワイヤーバーを用いて8μmの厚さに塗布し、これを乾
燥後、100℃に加熱して12W/cmの高圧水銀灯を
用いて1分間紫外線照射し架橋した。その後室温まで放
冷した。
【0043】(2)第2層(高屈折率層)の塗設 別途合成したポリ(n−ブチルメタクリレート−コ−メ
タクリル酸)ラテックス(共重合組成重量比80:2
0、平均粒子径63nm、固形分濃度12.5重量%:
HP1)100g、酸化錫微粒子(石原産業(株)より
入手の物)25gを混合し、さらに、ジペンタエリスル
トールヘキサアクリレート6g、光重合開始剤(商品
名:イルガキュア907、チバガイギー社製)0.5
g、光増感剤(商品名:カヤキュアーDETX、日本化
薬社製)0.2g酢酸エチル20gをドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム1gを用いて水100gに乳化分
散した乳化物液を混合、攪拌して塗布溶液を調製した。
この液を上記で作成した第1層の上にワイヤーバーを用
いて厚さ0.16μmに塗布し、これを乾燥後、100
℃に加熱して12W/cmの高圧水銀灯を用いて1分間
紫外線照射し架橋、その後室温まで放冷した。
【0044】(3)第3層(低屈折率層)の作成 ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート6g、光重
合開始剤(商品名:イルガキュア907、チバガイギー
社製)0.5g、光増感剤(商品名:カヤキュアーDE
TX、日本化薬社製)0.2g酢酸エチル20gをドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム1gを用いて水10
0gに乳化分散した乳化物液と先に合成したラテックス
BP1 100gとを混合、攪拌して、塗布溶液を調製
した。この液を上記で作成した第2層の上にワイヤーバ
ーを用いて厚さ0.10μmに塗布し、これを乾燥後、
100℃に加熱して12W/cmの高圧水銀灯を用いて
1分間紫外線照射し架橋した。その後室温まで放冷し
た。こうして得られた第1層〜第3層を塗設したフイル
ムは視感の表面反射率0.4%、表面硬度5H(鉛筆硬
度法による)の表面物性を示すものであった(反射防止
フイルム:ARF1)。
【0045】HP1、BP1をそれぞれ下記の表4に示
す素材とし、塗布液の固形分濃度が同じになる様に調液
量を変えた外は上記例に同じ方法で反射防止フイルムA
RF2〜6を得た。これらのフイルムの表面性能を表4
に併せて示す。同時に第3層に使用した化合物を本発明
外の粒子NP1〜NP3に変え、塗布液の固形分濃度を
同じになる様に調液量を変えた外は上記例に同じ方法で
比較フイルムCF1〜3を得た。これらの表面性能も表
4に併せて示す。
【0046】
【表4】
【0047】本実施例から明らかなように、本発明の反
射防止膜は非常に低い反射率と広い波長領域を有する優
れた反射防止性能を有するだけでなく、十分に強靱な膜
強度を有していることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明では中空構造あるいは空隙構造を
有する含フッ素ポリマー微粒子を用いて膜を塗設するこ
とによって空隙を有する膜の製膜工程上、空隙を損なう
ことなく、粒子間の付着性を改良することができる。こ
れによって反射防止膜として非常に良好な光学特性を発
現し、膜強度、耐傷性等の膜物性に優れた、安価で大面
積な反射防止膜を製造適性を有した形で提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の含フッ素重合体微粒子から成る層によ
る反射防止膜の断面図を示す。
【図2】本発明の含フッ素重合体微粒子から成る層と、
基材よりも高い屈折率を有する層から成る反射防止膜の
断面図を示す。
【符号の説明】
1 低屈折率層 2 高屈折率層 3 基材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が200nm以下の重合体微粒
    子を含む層を有し、該微粒子の少なくとも1種が中空形
    状または空隙構造を有する含フッ素重合体であることを
    特徴とする低屈折率層を有する反射防止膜。
  2. 【請求項2】 該微粒子の少なくとも一種が架橋性基を
    含有する重合体から成ることを特徴とする請求項1に記
    載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】 該微粒子の少なくとも一種がコア―シェ
    ル構造を有することを特徴とする請求項1または2に記
    載の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 形成された低屈折層が少なくとも0.3
    重量分率以上のフッ素原子を含むことを特徴とする請求
    項1に記載の反射防止膜。
  5. 【請求項5】 該低屈折率層がそれよりも高い屈折率を
    有する層の上に形成されたことを特徴とする請求項1に
    記載の反射防止膜。
  6. 【請求項6】 表面がアンチグレア処理されていること
    を特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  7. 【請求項7】 平均粒径が200nm以下の重合体微粒
    子を含む層を有し、該微粒子の少なくとも1種が中空形
    状または空隙構造を有する含フッ素重合体である低屈折
    率層を有する反射防止膜を配置したことを特徴とする表
    示装置。
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