JPH10144565A - コンデンサ用ポリエステルフィルム - Google Patents

コンデンサ用ポリエステルフィルム

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JPH10144565A
JPH10144565A JP29633296A JP29633296A JPH10144565A JP H10144565 A JPH10144565 A JP H10144565A JP 29633296 A JP29633296 A JP 29633296A JP 29633296 A JP29633296 A JP 29633296A JP H10144565 A JPH10144565 A JP H10144565A
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film
capacitor
shrinkage stress
thickness
longitudinal direction
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JP29633296A
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Yoshiki Sato
嘉記 佐藤
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Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法安定性に優れ、また蒸着金属層とのフィ
ルムとの密着性に優れ、高度な電気特性と耐熱性、耐湿
性を与え、コンデンサの長期信頼性向上に寄与すること
のできるフィルムを提供する。 【解決手段】 フィルムの長手方向の収縮応力が下記式
(1)および(2)を同時に満足し、全フィルム厚みが
0.5〜12μmであることを特徴とするコンデンサ用
ポリエチレンナフタレートフィルム。 【数1】S150 <150g/mm2 ……(1) Smax <700g/mm2 ……(2) (上記式中、S150 は、150℃におけるフィルムの単
位断面積あたりの収縮応力値、Smax は、150℃〜フ
ィルムの融点の温度範囲内での収縮応力値の最大値を示
す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ用ポリ
エチレンナフタレートフィルムに関する。詳しくは、本
発明は熱寸法安定性に優れるフィルムであって、コンデ
ンサ誘電体に使用したときに高度な電気特性と耐熱性、
耐湿性を与える、ポリエチレンナフタレートフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、優れた機械的
性質、耐熱性、電気的特性有することから、磁気テープ
用、包装用、製版用等の産業用資材として広く用いられ
ている。中でもコンデンサ用に関しては、電気機器の小
型化に伴い、小型化が可能なポリエステルフィルムから
製造されたコンデンサの需要が急増している。
【0003】特に近年は電子機器等の発達に伴い、かか
るコンデンサ用ポリエステルフィルムの高特性化が求め
られている。その高特性化の要求項目の一つとして、耐
熱性がある。すなわち、高温環境下で使用するコンデン
サは、高度な耐熱性を有し、長期使用しても性能劣化が
なく、信頼性が高いことが要求される。かかる要求を満
足すべく、耐熱性に優れる素材であるポリエチレンナフ
タレートフィルムを用いたコンデンサが、例えば特開昭
63−136013号公報、特開昭63−140512
号公報、特開平4−255208号公報、特開平7−3
20975公報等で提案されている。
【0004】しかしながら、最近の各種電子機器の発達
は顕著であり、コンデンサに求められる長期耐熱信頼性
への要求は、さらに増大している。このためフィルムへ
の要求特性も一段と厳しいものとなっており、これまで
のフィルムではかかる要求を満足できるものではなかっ
た。さらに高温高湿度下での耐久性も高度であることが
要求され、耐熱性を有する素材であるポリエチレンナフ
タレートフィルムにおいても、さらなる耐久性向上が望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、寸法安定性
に優れ、また蒸着金属層とのフィルムとの密着性に優
れ、高度な電気特性と耐熱性、耐湿性を与え、コンデン
サの長期信頼性向上に寄与することのできるフィルムを
提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み鋭意検討を行った結果、長手方向の寸法安定性に優れ
るポリエチレン2,6−ナフタレートフィルムをコンデ
ンサ誘電体として用いた場合、優れた特性を有すること
を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明の要旨は、フィルムの長手方向の収縮応力が下記式
(1)および(2)を同時に満足し、全フィルム厚みが
0.5〜12μmであることを特徴とするコンデンサ用
ポリエチレンナフタレートフィルムに存する。
【数2】S150 <150g/mm2 ……(1) Smax <700g/mm2 ……(2) (上記式中、S150 は、150℃におけるフィルムの単
位断面積あたりの収縮応力値、Smax は、150℃〜フ
ィルムの融点の温度範囲内での収縮応力値の最大値を示
す)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエチレンナフタレート
とは、繰り返し構造単位の80モル%以上がエチレン−
2,6−ナフタレート単位であるポリエステルを指す
が、20モル%以下の他の第三成分を含有していてもよ
い。かかる第三成分としては、芳香族ジカルボン酸成分
としては、例えば2,7−ナフタレンジカルボン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、オキシカルボン酸としては、例えばp−オキ
シエトキシ安息香酸、グリコ−ル成分としては、例えば
ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタン
ジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオ
ペンチルグリコ−ル等の一種または二種以上を用いるこ
とができる。
【0008】本発明のポリエステルフィルムは、フィル
ム製造時のキズの発生防止や、フィルムに滑り性を与え
て取扱い性を向上する目的で、ポリエステルに粒子を含
有させ、フィルム表面に適度な突起を形成させる。かか
る粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミ
ナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウ
ム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高
分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子、およびポ
リエステル重合時に生成させる析出粒子を挙げることが
できる。
【0009】本発明のフィルムに含有させる粒子の平均
粒径は、好ましくは0.005〜5.0μm、さらに好
ましくは0.01〜3.0μmの範囲である。平均粒径
が5.0μmを超えると、粗面化により絶縁性が低下し
たり、粒子がフィルム表面から脱落して絶縁欠陥の原因
となる等の問題が生ずるようになるため好ましくない。
また、平均粒径が0.005μm未満では、突起形成が
不十分なためフィルムの表面にキズが発生したり、フィ
ルムの取扱い性が低下してしまう。
【0010】また、粒子含有量はポリエステルに対し、
0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜2.0
重量%、さらに好ましくは0.1〜1.0重量%であ
る。0.01重量%未満ではフィルム表面の突起が不足
して滑り性が不十分となる。一方、3.0重量%を超え
ると、粒子の脱落が起こりやすくなったり、粒子が凝集
して粗大突起を形成し、絶縁欠陥等の問題が生ずること
がある。フィルム中に、かかる粒子を2種類以上配合し
てもよく、同種の粒子で粒径の異なるものを配合しても
よい。いずれにしても、フィルムに含有する粒子全体の
平均粒径、および合計の含有量が上記した範囲を満足す
ることが好ましい。
【0011】また、上記の突起形成剤以外の添加剤とし
て、必要に応じて、帯電防止剤、安定剤、潤滑剤、架橋
剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、着色剤、光線遮
断剤、紫外線吸収剤などを、コンデンサ特性を悪化させ
ない範囲内で含有していてもよい。本発明のフィルム
は、最終的に得られる特性が本発明の構成を満足する限
り、多層構造となっていても構わない。多層構造の場
合、その一部の層はポリエステル以外の樹脂からなる層
であってもよい。
【0012】本発明のフィルムは、コンデンサ誘電体と
して用いる際に電極として形成する蒸着金属との接着性
を高めるため、少なくとも一方のフィルム表面に塗布層
を設けることができる。塗布層を構成する塗布剤の例と
して、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン
系、ポリアクリレート系、ポリカーボネート系、ポリア
リレート系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン
系、ポリビニルブチラール系、ポリビニルアルコール
系、ポリウレタン系などの樹脂およびこれらの樹脂の共
重合体や混合体などを挙げることができる。これらの中
で好ましい樹脂は、ポリエステル系、ポリアクリレート
系、ポリウレタン系の樹脂であり、中でも最も好ましい
樹脂はポリウレタン系樹脂である。ポリウレタン系樹脂
が塗布層樹脂中に好ましくは30重量%以上、さらに好
ましくは50重量%以上含まれる場合、極めて高度な接
着性が得られるためコンデンサの高度な信頼性が得ら
れ、特に耐湿熱性に優れたコンデンサを得ることができ
る。
【0013】また、本発明で用いる塗布液には、塗布層
の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐溶剤性、機械
的強度の改良のために架橋剤としてメチロール化あるい
はアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン
系、アクリルアミド系、ポリアミド系等の化合物、エポ
キシ系化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン化合
物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カ
ップリング剤、過酸化物、熱および光反応性のビニル化
合物や感光性樹脂などを含有してもよい。
【0014】また、固着性や滑り性改良のために、塗布
層中に無機系微粒子としてシリカ、シリカゾル、アルミ
ナ、アルミナゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タル
ク、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、カ−ボンブラック、硫化モリブデン、酸
化アンチモンゾルなどを、有機系微粒子としてポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、シリコ−ン樹脂、
フッ素樹脂などを含有していてもよい。さらに、必要に
応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有
機系潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染
料、顔料などを塗布層中に含有していてもよい。
【0015】塗布層の厚さは、0.005〜0.5μm
の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.3
μmの範囲、特に好ましくは0.03〜0.1μmの範
囲である。塗布層の厚さは、コンデンサ小型化の要請か
らも薄くすることが好ましい。特に塗布層厚みが0.5
μmを超えると電気的特性、特に誘電損失特性を悪化さ
せることがある。一方、塗布層の厚みが0.005μm
未満の場合には、塗布ムラや塗布ヌケが生じやすくなる
傾向がある。かくして得られたポリエチレンナフタレー
トフィルムは、収縮特性が特定範囲内を満足する必要が
あり、その場合、長期耐熱安定性が高度に達成される。
すなわち、フィルムの長手方向の収縮応力が以下の式を
満足する場合、優れた特性を得ることができる。
【0016】
【数3】S150 <150g/mm2 ……(1) Smax <700g/mm2 ……(2) (上記式中、S150 は、150℃におけるフィルムの単
位断面積あたりの収縮応力値、Smax は、150℃〜フ
ィルムの融点の温度範囲内での収縮応力値の最大値を示
す) S150 が150g/mm2 以上の場合は、フィルムの寸
法安定性が劣るため、コンデンサ誘電体とした時に電気
特性が悪化する。S150 は好ましくは100g/mm2
未満、さらに好ましくは50g/mm2 未満である。ま
た、収縮応力値は150℃〜ポリエステルの融点の温度
範囲内で最大値(Smax )を有するが、本発明において
は、Smax が700g/mm2 未満の場合、寸法安定性
が優れ、コンデンサ特性をさらに高度に満足させること
ができる。Smax は、好ましくは500g/mm2
満、さらに好ましくは300g/mm2 未満である。
【0017】さらに本発明においては、TMAで測定し
たフィルムの長手方向の寸法変化率が−2〜2%、すな
わち寸法変化が小さい場合にさらに優れた耐熱性を満足
する。収縮や伸長が大きくなると、コンデンサとして使
用した時に高温で特性低下が大きくなるため好ましくな
い。寸法変化率は好ましくは−2〜1%、さらに好まし
くは−1.5〜0.5%の範囲である。
【0018】本発明のフィルムの全厚みは、0.5〜1
2μmの範囲である。厚みが12μmを超える場合は、
フィルムを巻回してコンデンサとする際のフィルムの変
形が元々小さいため、本発明の効果が十分に発揮されな
いし、より高品質、小型のコンデンサを得ることができ
なくなる。フィルム厚みは好ましくは10μm以下、さ
らに好ましくは9μm以下である。一方、全厚みが0.
5μm未満の場合は、薄すぎてフィルムの生産性や取り
扱い性が悪くなるため好ましくない。フィルム全厚みの
下限は、好ましくは1.0μm、さらに好ましくは1.
5μmである。
【0019】また、フィルム表面の中心線平均粗さ(R
a)は、好ましくは0.005〜0.5μmの範囲であ
り、さらに好ましくは0.01〜0.3μmの範囲であ
り、特に好ましくは0.02〜0.1μmの範囲であ
る。Raが0.005μm未満では、フィルムの滑り性
が不十分となる傾向があり、コンデンサ製造等、フィル
ムの取り扱い性が不十分になったり、蒸着層に傷が付き
やすいという問題が生ずるようになることがある。一
方、Raが0.5μmを超えると、表面が粗れすぎてコ
ンデンサとした時に耐電圧特性や耐湿熱特性が悪化する
ことがある。次に、本発明のフィルムの製造法を具体的
に説明する。まず、ポリエステル原料を押出装置に供給
し、ポリエステルの融点以上の温度で溶融押出してスリ
ット状のダイから溶融シートとして押し出す。次に、溶
融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の
温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配
向シートを得る。
【0020】得られたシートを二軸方向に延伸してフィ
ルム化するが、その延伸および熱処理条件を適切な範囲
とすることにより本発明のフィルムの特徴である収縮特
性を達成させることができる。二軸延伸条件について具
体的に述べると、前記未延伸シートをまず第一軸方向に
延伸する。延伸温度範囲は110〜160℃、延伸倍率
は3〜6倍の範囲とする。延伸は一段階または二段階以
上で行うことができる。次に第二軸方向、すなわち第一
軸方向と直交する方向に一軸配向フィルムを一旦ガラス
転移点以下に冷却するか、または冷却することなく、例
えば110〜170℃の温度範囲に予熱して、さらにほ
ぼ同温度の下で3〜6倍、好ましくは3.5〜5倍に延
伸を行い、二軸に配向したフィルムを得る。
【0021】なお、第一軸方向の延伸を2段階以上で行
えば、良好な厚さ均一性を達成できるので好ましい。ま
た、横延伸した後さらに長手方向に再延伸する方法も可
能であるが、いずれにしても長手方向の総合延伸倍率
は、厚みの均一性を良好とするために3倍以上とし、収
縮応力を大きくさせないために6倍以下、好ましくは5
倍以下、さらに好ましくは4.5倍以下とすることが好
適である。かくして得られたフィルムを、1〜100秒
間、200〜260℃の温度範囲、好ましくは210〜
250℃の温度範囲で熱処理する。この際、熱処理工程
内または熱処理後に長手方向または横方向、あるいは両
方向に再延伸を行ってもよい。
【0022】本発明の要件である、特定範囲の収縮応力
特性を得るために、フィルム製造時、熱処理工程で縦方
向または横方向、あるいは両方向に2〜20%、好まし
くは3〜15%の範囲で弛緩処理を行う方法や、フィル
ムをオフラインで低張力下熱弛緩処理する方法等が好ま
しく採用される。ただし、オフラインで熱処理する方法
は、工程が増えるためコスト的に不利である点、不純物
が混入しやすく、耐電圧特性が低下することが多いこ
と、および薄いフィルムの場合は張力を非常に低くする
必要があり、安定した処理が難しい等の問題点がある。
【0023】一方、フィルム製造時の熱処理温度を高く
する方法を用いても収縮率を低下できるが、かかる方法
を用いると、ポリエステルフィルムの電気的特性、特に
誘電損失特性が悪化するのでコンデンサ誘電体として用
いた場合に好ましくないものとなる。具体的には熱処理
温度が260℃を超えるとフィルム密度が高くなりすぎ
て高度な電気的特性が得られなくなる。また、フィルム
生産性の低下を招いてしまう。一方、200℃未満では
フィルムの熱収縮率が大きくなって、コンデンサ製造時
に熱を受ける工程で寸法変化を起こし、コンデンサの生
産性を悪化させたり、耐電圧等のコンデンサ特性が低下
する等の問題が生ずるようになる。本発明においてはフ
ィルム製造時に弛緩しつつ熱処理する方法により特定の
収縮応力特性を達成する方法が最も好ましい。
【0024】本発明のフィルムに塗布層を設ける場合
は、特に、ロール延伸法により第一軸方向に延伸された
一軸延伸ポリエステルフィルムに塗布液を塗布し、適当
な乾燥を施し、あるいは乾燥を施さず一軸延伸フィルム
を直ちに第二軸方向に延伸し、熱処理を行う方法が好ま
しい。本方法によるならば、延伸と同時に塗布層の乾燥
が可能になるとともに塗布層の厚さを延伸倍率に応じて
薄くすることができ、かつ厚さの均一性が良好となり、
しかもフィルムと塗布層との密着性も極めて強固とする
ことができる。コスト的にも有利で、コンデンサ誘電体
用基材として好適なフィルムを安価に製造できる。
【0025】また塗布層は、ポリエステルフィルムの片
面だけに設けてもよいが、両面に設けることが好まし
い。また、片面にのみ塗布した場合、その反対面には本
発明における塗布液以外の塗布層を必要に応じて形成
し、本発明のポリエステルフィルムに他の特性を付与す
ることもできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性、
接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や
放電処理を施してもよい。処理効率やコスト、処理の簡
便さからコロナ放電処理を行うことが特に好ましい。ま
た、本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布層の
接着性、塗布性などを改良するために、塗布層形成後に
塗布層に放電処理を施すこともできる。
【0026】かくして得られたフィルムの表面に、金属
を蒸着する。蒸着する金属として、アルミニウム、パラ
ジウム、亜鉛、ニッケル、金、銀、銅、インジウム、
錫、クロム、チタン等が挙げられるが、特に好ましい金
属はアルミニウムである。なお、上記の金属には金属の
酸化物も含まれる。金属蒸着膜の厚さは10〜2000
Åの範囲が好ましい。蒸着の方法は通常、真空蒸着法、
スパッタリング法等を用いる。蒸着工程においては、ロ
ール状のフィルムを巻きだし、冷却ドラムの表面に接触
させつつフィルムを走行させ、蒸着を行う。このときに
蒸着部でフィルムにかかる張力が高すぎると、蒸着時に
受ける熱と張力でフィルムが伸び、目的とする特定の収
縮応力が得られなくなる。一方、低張力の場合はフィル
ムと冷却ドラムとの接触が不十分になり、蒸着の熱によ
りフィルムにシワやたるみが発生するようになる。この
ため蒸着時の張力を適度に調節することが必要である。
【0027】本発明のフィルムを誘電体として用いてコ
ンデンサを作成する場合は、2枚重ね合わせて巻回(両
面金属蒸着ポリエステルフィルムと本発明におけるポリ
エステルフィルムを含む他のフィルムとの巻回も含
む)、または多数枚積層してコンデンサ素子を作り、常
法に従って、例えば、熱プレス、テーピング、メタリコ
ン、電圧処理、両端面封止、リード線取り付けなどを行
う。もちろんこれらに限定されるわけではない。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例中の評価方法は下記のとおりである。実施例および比
較例中、「部」とあるのは「重量部」を示す。 (1)粒子の平均粒径(μm) 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。
【0029】(2)フィルム厚み(μm) フィルムを約100枚、10cm×10cmの正方形に
切り出し、その重量を測定する。その後枚数を数えて、
フィルムの密度とフィルム合計面積と重量とからフィル
ム厚みを算出する。
【数4】
【0030】(3)収縮応力特性 試料フィルムを幅5mm、長さ70mmの短冊状に切り
出し、片端を微小荷重検出器に、もう片端を固定チャッ
クにセットした。フィルムがたるまないようにチャック
位置を調節し、張力が発生する直前で位置を固定し、初
期張力を0gとして測定を開始した。試料フィルムの周
囲の温度を5℃/分の速度で昇温し、発生する収縮応力
とフィルムのごく近傍の温度との関係を曲線で描き、フ
ィルムの初期断面積あたりの収縮応力を求めた。すなわ
ち、S150 およびSmax は、得られた曲線の150℃、
およびピークでの収縮応力値として得られた。
【0031】(4)寸法変化率(%) 真空理工(株)製の熱機械試験機(TMA)TM−70
00を用いて測定した。すなわち、幅5mm、測定長1
5mmの試料フィルムに、約80g/mm2 となるよう
に荷重をかけて、室温から5℃/分の速度で昇温し、試
料フィルムの寸法と温度との関係を曲線で描いた。得ら
れた曲線から200℃到達時の寸法変化率(%)を得
た。なお、伸長率を正、収縮率を負として表記した。
【0032】(5)中心線平均粗さ(Ra) (μm) (株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲
線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の
部分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表した
とき、次式で与えられた値を〔μm〕で表した。中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は
2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08
mmとした。
【0033】
【数5】 (6)フィルムの密度(g/cm3 ) n−ヘプタンと四塩化炭素との混合液による密度勾配管
法により測定した。なお、測定温度は25℃で行った。
【0034】(7)電気的特性評価 耐電圧特性 JIS C−2319に準じて測定を行った。すなわ
ち、10kV直流耐電圧試験機を用い、23℃、50%
RHの雰囲気下にて、100V/秒の昇圧速度で上昇さ
せ、フィルムが破壊し短絡した時の電圧を読み取った。
【0035】コンデンサ特性の変化 (蒸着フィルムおよびコンデンサの製造)抵抗加熱型金
属蒸着装置を用い、真空室の圧力を10-4Torr以下
として、フィルム表面にアルミニウムを450Åの厚み
に蒸着した。その際、ポリエステルフィルムの長手方向
にマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部
の幅10mm、マージン部の幅1mmの繰り返し)。得
られた蒸着フィルムを、左または右に幅0.5mmのマ
ージン部を有する5.5mm幅のテープ状にスリットし
た。得られた、左マージンおよび右マージンの蒸着ポリ
エステルフィルム各1枚づつを併せて巻回し、巻回体を
得た。このとき、幅方向に蒸着部分が、0.5mmづつ
はみ出すように2枚のフィルムをずらして巻回した。こ
の巻回体を温度140℃、圧力50kg/cm2 で5分
間プレスした。プレス後の巻回体の両端面にメタリコン
を溶射後リード線を付し、液状のビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂による含浸層、および粉末状エポキシ樹脂を
加熱溶融することによる最低厚さ0.5mmの外装を形
成して、静電容量0.1μFのフィルムコンデンサとし
た。
【0036】(静電容量変化の測定)コンデンサの電極
間に60V/μmの直流電圧を印加しつつ温度105
℃、湿度80%RHの雰囲気下に1000時間放置し、
初期静電容量を基準値とする静電容量変化率を求めた。
すなわち、1000時間後の静電容量から初期静電容量
を差し引いた値を、初期静電容量で除して百分率で表記
した。
【0037】(誘電損失の変化)得られたコンデンサを
150℃の雰囲気下に24時間放置し、初期の誘電損失
特性と放置後の誘電損失特性とを比較した。誘電損失特
性は、室温から160℃の温度範囲での測定を行って評
価した。すなわち、誘電損失が急激に立ち上がる温度お
よび100〜160℃の範囲で示す誘電損失の最大値に
て、以下の基準で評価した。 ランクA:150℃放置後もほとんど特性変化しない ランクB:誘電損失が若干高くなる、あるいは立ち上が
り温度が低くなる ランクC:誘電損失の変化が大きい、または数値のばら
つきが大きくなる
【0038】交流耐電圧 上記で得られたコンデンサの電極間に1kHzの交流電
圧を印加し、絶縁破壊が起こるまでの時間tを測定し
た。印加電圧Vを変えて同じ測定を行い、Vとtとの関
係をプロットし、t=15時間の時の印加電圧を交流耐
電圧とした。かかる交流耐電圧の100℃での値と25
℃での値を比較して、以下の基準で評価した。 ランクA:100℃でも交流耐電圧の低下は小さく、良
好 ランクB:100℃で交流耐電圧やや低下するが、実用
上問題ない ランクC:100℃での交流耐電圧の低下が大きく、実
用上問題がある
【0039】実施例1 (フィルム原料ポリエステルの製造)ナフタレン2,6
−ジカルボン酸ジメチルエステル100部、エチレング
リコール56部および酢酸カルシウム1水塩0.09部
を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留
去してエステル交換反応を行い、反応開始から4時間を
要して240℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応
を終了した。次いで、粒径1.2μmのシリカ粒子0.
2部をエチレングリコールスラリ−として添加した。ス
ラリー添加後、さらにリン酸0.06部、三酸化アンチ
モン0.04部を加え、徐々に反応系を減圧とし、温度
を高めて重縮合反応を4時間行い、極限粘度0.55の
ポリエステルを得た。得られたポリエステルを、常法に
て230℃で固相重合を行い、極限粘度0.65のポリ
エステル(a)を得た。
【0040】(ポリエステルフィルムの製造)ポリエス
テル(a)を常法により乾燥して押出機に供給し、30
0℃で溶融してシート状に押出し、冷却ロール上で急冷
し、無定形シートとした。得られたシートを、ロール延
伸法を用いて縦方向に132℃で4.0倍延伸し、テン
ターに導いて、横方向に135℃で4.2倍延伸し、1
40℃で熱処理を行った。さらに別個のテンターに導
き、横方向に8%弛緩しながら240℃で熱処理を行
い、フィルムの厚さ5μmの二軸配向ポリエチレンナフ
タレートフィルムを得た。フィルムの特性および当該フ
ィルムから得られたコンデンサの特性は下記表1に示す
とおりであり、耐電圧特性に優れ、静電容量の変化の少
ない金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサが得られ
た。
【0041】実施例2 (塗布層用ポリウレタンの合成)テレフタル酸900
部、イソフタル酸400部、1,4−ブタンジオール5
00部、ネオペンチルグリコール450部を出発原料と
してポリエステルポリオールを得、これにアジピン酸3
20部、ジメチロールプロピオン酸270部を加え、カ
ルボキシル基含有ポリエステルポリオールを得た。この
ポリエステルポリオール1880部にトリレンジイソシ
アネート160部を加えて芳香族ポリエステルポリウレ
タン溶液を得た。得られた溶液をアンモニア水溶液中に
投入しながら溶剤を除去し、芳香族ポリエステルポリウ
レタン水分散体(A)を得た。実施例1において、縦方
向の延伸後の一軸延伸フィルムの両面に水分散体(A)
を塗布し、テンターに導き、横方向の延伸を行ったこと
以外は実施例1と同様にして、乾燥後の塗布厚みが0.
05μm、フィルムの全厚みが5μmの二軸配向ポリエ
チレンナフタレートフィルムを得た。
【0042】比較例1 実施例2において、フィルムの熱処理温度を200℃と
したこと以外は実施例2と同様にして塗布厚み0.05
μm、フィルム厚み5μmの二軸配向ポリエチレンナフ
タレートフィルムを得た。 比較例2 実施例2において、熱処理時の弛緩率を1%としたこと
以外は実施例2と同様にして、塗布厚み0.05μm、
フィルム厚み7μmの二軸配向ポリエステルフィルムを
得た。該フィルムは収縮応力特性が本発明の要件を満足
しておらず、得られたコンデンサの特性は不十分なもの
であった。
【0043】実施例3 比較例2で得たフィルムを、幅方向には拘束せず、高温
の空気を上下から吹きつけてフィルムを走行させながら
熱処理を行う、いわゆる加熱浮上熱処理を行った。フィ
ルム走行時、長手方向にかかる張力を1kg/cm2
し、処理温度を225℃、処理時間を5秒間、熱処理後
フィルムを100℃以下に冷却してから巻き取った。得
られたフィルムを用い、実施例2と同条件で蒸着し、蒸
着フィルムを得た。得られたフィルムを用いて製造した
コンデンサの特性は良好であったが、工程が多くなるた
めコスト的に不利であり、また不純物の混入が起こりや
すいためか、耐電圧特性がやや低下した。
【0044】実施例4 実施例2において、製膜時のフィルムの熱処理温度を2
55℃とし、該温度での弛緩処理を行わなかったこと以
外は実施例2と同様にして塗布厚み0.04μm、フィ
ルム厚み5μmの二軸配向ポリエチレンナフタレートフ
ィルムを得た。得られたフィルムの誘電損失特性はやや
劣るため、ここのフィルムから製造したコンデンサは交
流耐電圧のやや劣るものであった。
【0045】比較例3 実施例1おいて、フィルム厚みを0.4μmになるよう
に製膜条件を調節して製造した。しかしながら、フィル
ム厚みが薄すぎるため、フィルム破断が頻発して著しく
生産性が悪化した。また得られたフィルムの電気特性、
特に誘電損失が大きく、コンデンサ用として使用できる
ものではなかった。以上、得られた結果をまとめて下記
表1および2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明のポリエチレンナフタレートフィ
ルムは、寸法安定性に優れ、また蒸着金属層とのフィル
ムとの密着性に優れるため、特にコンデンサの誘電体と
して用いたときに、高度な電気特性と耐熱性、耐湿性を
与え、コンデンサの長期信頼性向上に寄与することがで
き、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムの長手方向の収縮応力が下記式
    (1)および(2)を同時に満足し、全フィルム厚みが
    0.5〜12μmであることを特徴とするコンデンサ用
    ポリエチレンナフタレートフィルム。 【数1】S150 <150g/mm2 ……(1) Smax <700g/mm2 ……(2) (上記式中、S150 は、150℃におけるフィルムの単
    位断面積あたりの収縮応力値、Smax は、150℃〜フ
    ィルムの融点の温度範囲内での収縮応力値の最大値を示
    す)
  2. 【請求項2】 TMAで測定した長手方向の寸法変化率
    が、200℃で−2〜2%であることを特徴とする請求
    項1記載のコンデンサ用ポリエチレンナフタレートフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも片面に、水溶性または水分散
    性樹脂を主成分とする塗布層を有することを特徴とする
    請求項1または2記載のポリエチレンナフタレートフィ
    ルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010082953A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Unitika Ltd 逐次二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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JP2010082953A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Unitika Ltd 逐次二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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Effective date: 20031224