JPH10148038A - 既設柱の耐震補強方法および既設柱の耐震補強構造 - Google Patents

既設柱の耐震補強方法および既設柱の耐震補強構造

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JPH10148038A
JPH10148038A JP9342650A JP34265097A JPH10148038A JP H10148038 A JPH10148038 A JP H10148038A JP 9342650 A JP9342650 A JP 9342650A JP 34265097 A JP34265097 A JP 34265097A JP H10148038 A JPH10148038 A JP H10148038A
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文雄 白石
Masanobu Arano
政信 荒野
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幹雄 竹内
Yoshinori Nakano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手間がかからず、欠陥の少ない既設柱の補強
を行なうことができる既設柱の耐震補強方法を提供す
る。 【解決手段】 既設柱51の回りにこの既設柱51の外
周面から一定間隔を隔てて連続した螺旋フープ筋1を巻
き付けながら配設し、既設柱51と螺旋フープ筋1の隙
間にモルタルを充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
製の既設柱を外周から耐震補強する既設柱の耐震補強方
法および耐震補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】平成7年1月17日に阪神地区を襲った
阪神大震災により、多くの構造物が倒壊あるいは破損
し、とりわけ高架道路等の鉄筋コンクリート製の支柱の
倒壊は、未曾有のものであった。そのため、将来の大震
災に備えて、かかる鉄筋コンクリート製の支柱の補強が
現在も盛んに行なわれている。
【0003】このような柱の耐震補強方法の1つとし
て、図7(A),(B)に示す鋼板巻き建て工法がある。こ
の工法は、既設柱51の周囲全体を、上端の水平梁52
下の隙間53を残してコ字状断面の1対の鋼板54で囲
み、両鋼板の裏当金付き縦継手を溶接(55)するととも
に、鋼板54の外周を縦方向に所定間隔をおいて水平に
溶接した押え帯板56で補強した後、鋼板54と既設柱
51の間の空間にモルタル57を充填する手法である。
しかし、この工法は、現場溶接(55)を必要とするため
品質管理が難しいうえ、鋼板54の建て込みにクレーン
あるいは用地が狭い場合には吊り設備を要し、さらに施
工性の面から鋼板を強度上必要な厚さ以上に厚くした
り、外気に晒される鋼板を防錆塗装しなければならない
ため、フープ筋による補強に比して不経済であるという
欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、柱のいま1
つの耐震補強方法として、図7(C),(D)に示すRC(鉄
筋コンクリート)巻き建て工法がある。この工法は、既
設柱51の外側四隅に添え筋58を垂設し、これらの添
え筋58に、例えば直径16mmの鉄筋コンクリート用棒鋼
(SD35)を矩形に加工してなるフープ筋59を外嵌してフ
ープの継目を溶接(59a)し、このフープ筋59を縦方
向に順次例えば10cmの間隔で添え筋58に溶接または結
束線で結束した後、フープ筋58の周囲全体を水平梁5
2下の隙間53を残して囲んだ仮枠(図示せず)内にモル
タル57を打設する手法である。ところが、このRC巻
き建て工法は、既設柱51の下端には基礎,上端には水
平梁52があるため、フープ筋59を1つずつ外嵌して
継目を溶接してから所定間隔に順次固定するという手法
に依らざるを得ず、手間がかかり、現場溶接による品質
管理面および施工性の面で問題がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、1つずつ別々の
輪になった従来のフープ筋に代えて、螺旋状の束に加工
した1本のフープ筋を用いることによって、手間がかか
らず、欠陥の少ない既設柱の補強を行なうことができる
既設柱の耐震補強方法および耐震補強構造を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の既設柱の耐震補強方法は、既設柱の回り
にこの既設柱の外周面から一定間隔を隔てて螺旋フープ
筋を配設し、上記既設柱と螺旋フープ筋の隙間にモルタ
ルを充填することを特徴とする。尚、この明細書では、
モルタルとは、モルタルそのものの他に、コンクリート
を含む広い意味で使っている。
【0007】請求項1の既設柱の耐震補強方法では、連
続した螺旋フープ筋を既設柱の回りに巻き付けて一定間
隔を隔てて配設するので、従来のように輪状のフープ筋
を柱に1つずつ外嵌して継目を溶接する必要がないか
ら、欠陥の少ない能率的なフープ筋の施工により既設柱
を能率良く強固に耐震補強することができる。
【0008】請求項2の既設柱の耐震補強方法は、既設
柱の回りにこの既設柱の外周面から一定間隔を隔てて螺
旋フープ筋を配設し、上記既設柱と螺旋フープ筋の隙間
にモルタルを吹き付けながら充填するとともに、上記螺
旋フープ筋をモルタルで被覆することを特徴とする。
【0009】請求項2の耐震補強方法では、連続した螺
旋フープ筋を既設柱の回りに巻き付けて一定間隔を隔て
て配設するので、従来のように輪状のフープ筋を柱に1
つずつ外嵌して継目を溶接する必要がないから、欠陥の
少ない能率的なフープ筋の施工により既設柱を能率良く
強固に耐震補強することができる。また、モルタルによ
る既設柱と螺旋フープ筋の隙間の充填および螺旋フープ
筋の被覆を吹き付けで行なうので、モルタル充填用の仮
枠を要さずに螺旋フープ筋まで被覆できるから、施工を
一層能率化できるとともに、螺旋フープ筋の防錆塗装を
省略することができる。
【0010】請求項3の既設柱の耐震補強構造は、既設
柱の回りにこの既設柱の外周面から一定間隔を隔てて配
設された螺旋フープ筋と、上記既設柱と螺旋フープ筋の
隙間に充填されたモルタルとを備えたことを特徴とす
る。請求項3の耐震補強構造では、既設柱の回りに連続
した螺旋フープ筋が配設されているので、従来のように
輪状のフープ筋を柱に1つずつ外嵌して継目を溶接する
必要がないから、施工能率の良い強固な耐震補強構造と
なる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。図1(A),(B)は、既設柱の耐
震補強方法の要部をなす螺旋フープ筋の配設方法の一形
態を示す夫々斜視図,側面図である。螺旋フープ筋1
は、高強度の鋼線を、既設柱51の外周に沿う矩形のル
ープをなして螺旋状の束に加工したものである。上記螺
旋フープ筋1の既設柱51への巻き付けは、図示の如
く、螺旋フープ筋1を、既設柱51の外面に近接させ、
かつ螺旋フープ筋1の開口面(ループ面)を上記外面に対
向するように横方向に向けて,つまり鉛直面に沿う方向
に配置するとともに、巻き始めとなる図示しない直角に
曲げた先端を、既設柱51の下端に柱面に垂直に穿設し
た図示しない穴に差し込んで固定し、螺旋フープ筋1の
束をその開口面が鉛直方向に沿うように保持したまま、
図1(B)の矢印Xで示す束がほどける方向に回転させつ
つ、既設柱51の周囲を矢印Yで示す方向に巡らせて、
1ループずつ既設柱51の回りに巻き付けて行なう。な
お、図1の既設柱51の下端外周に水平に重なっている
のが、既に巻き付けられた螺旋フープ筋であり、既設柱
51の外面に対向して鉛直に保持されている束が、これ
から巻き付けられる螺旋フープ筋である。
【0012】図2は、本発明の螺旋フープ筋の巻き付け
のピッチとそのときに生じる応力を、図7(C),(D)で
述べた従来例と対比して検討するための模式図である。
まず、柱単位長さ当たりの螺旋フープ筋の合計断面が担
う許容荷重が、従来例のフープ筋の同様の合計断面が担
う許容荷重と等しいとして、実施の形態の巻き付けピッ
チを求める。従来例のフープ筋は、直径:d=16mm,柱1m
当たりの本数:n=10本/m (10cmピッチ),降伏点:σy=3
8kgf/mm2であるから、柱1m当たりこのフープ筋が担う
許容荷重Wは、W=σy×(πd2/4)×2×n=152700kg
となる。一方、本実施の形態の螺旋フープ筋(PC鋼棒S
BPD130/145)は、柱1m当たりの本数をn'(本/m)とし、
d'=7.4mm,σy'=134kgf/mm2だから許容荷重W'は、
W'=σy'πd'2n'/2=11520n'kg となり、W=W'と
おけば、n'=152500/11510=13.3 と求まる。そこで安
全率を考慮して、n'=20 即ち巻き付けのピッチを5cm
と決定する。このように本実施の形態は、ピッチが従来
例の半分になって柱1mの巻き付けに要するフープ筋の
長さは2倍になるが、フープ筋の断面積が従来例の0.21
4(=3.72/82)倍になるから、従来と同等の補強度を維持
しつつ、フープ筋重量を略半減して施工の軽量化を図れ
る。
【0013】次に、巻き付けの際の捩りにより生じる剪
断応力について検討する。直径d(mm)の丸棒の捩り剛性
Tは、丸棒の横弾性係数をG(kgf/mm2),単位長さ当た
りの捩れ角をθ(rad/mm)として、T=GI=Gπd4θ
/32 で与えられ、これを丸棒の最大剪断応力τ(kgf
/mm2)の式 τ=16T/(πd3) に代入すると、τ=G
dθ/2…(1) となる。螺旋フープ筋1の捩れ角は、図
2に示すように、柱51に固定された下端1sから既に
巻き付けられた最上ループの第1隅部1aまでが零で、
ここから漸増して第2隅部1bに至って45°になり、第
3隅部1cまで45°の一定値を保ち、再び漸増して第4
隅部1dで90°になると考えることができる。つまり、
柱51(900mm □)の半周長1800mmに対して捩れ角が90°
増加するから、単位長さ当たりの捩れ角θは、θ=(πr
ad/180°)×(90°/1800mm)=0.000873(rad/mm) とな
る。
【0014】上記(1)式中のGは、G=E/2(ν+1)
E:ヤング率,ν:ポアソン比 で与えられ、この値は、
従来例のSD35,本発明のSWPR1を問わず鉄鋼である限り、
一定(8100kgf/mm2)であり、また(1)式中のθも、本発
明,従来例を問わず上記一定値である。従って、捩りに
よりフープ筋に生じる最大剪断応力τは、(1)式からフ
ープ筋の直径dに比例することになる。一方、材料の許
容最大剪断応力τaは、その材料の降伏点をσyとすれ
ば、τa=σy/2√3…(2) で与えられるので、フー
プ筋の許容最大剪断応力は、材料の降伏点σyに比例す
ることになる。従って、従来例および本実施の形態の材
料特性値等を上記(1),(2)式に代入して夫々の最大剪
断応力τ,許容最大剪断応力τaを求めると、従来例で
は、τ=56.6(kgf/mm2)>τa=11.0(kgf/mm2) となっ
て巻き付けが不可能だが、本発明では、τ=26.2(kgf/
mm2)<τa=38.7(kgf/mm2) となって弾性変形内での巻
き付けが可能になる。これは、本実施の形態が、従来例
のSD35よりも遥かに高強度のSWPR1を用いているので、
許容最大剪断応力τaを大きくできるのに加えて、フー
プ筋を小径にできて捩りで生じる最大剪断応力τを直径
に逆比例して小さくできるからである。
【0015】上述の螺旋フープ筋の巻き付けを含む既設
柱の耐震補強方法を、図3を参照しつつ説明する。ま
ず、既設柱51のコンクリートを、後に吹き付けられる
モルタルとなじませるべく表面処理し、続いて柱51の
外側四隅に結束用の添え筋58を垂設する。次に、柱5
1の下端に柱面に垂直にアンカー穴(図示せず)を明け、
このアンカー穴に螺旋フープ筋1の直角に曲げた先端を
差し込んだ後、螺旋フープ筋1の束のループ面を柱外面
に対向させて、つまり鉛直方向に沿うように保持し、こ
の状態のまま束を図1(B)に示す矢印X方向に回転させ
つつ矢印Y方向に柱の周囲に巡らせて、1ループずつ柱
51に巻き付けていく。1束の巻き付けが終わると、柱
51の下端外周に重なって巻き付いた螺旋ループ筋1の
上端を柱51の上方へ図3(B)の如く持ち上げて、所定
のピッチP=5cmを作って保持し、この状態で螺旋ループ
筋1の四隅を、添え筋58に結束線で結束または溶接し
て固定する。次に、巻き建ての終わった螺旋ループ筋1
の先端が差し込まれたアンカー穴にグラウトを注入して
固定した後、既設柱51と螺旋ループ筋1の隙間にモル
タルを吹き付けながら充填するとともに螺旋ループ筋1
をモルタルで覆って、厚さ40mmのモルタル層57とし、
既設柱51の耐震補強を終了する。
【0016】このように、本実施の形態の既設柱の耐震
補強方法の要部である螺旋フープ筋の巻き付けは、螺旋
フープ筋1のループ面を既設柱51の外面に対向させて
鉛直方向に沿って保持したまま、束がほどける方向(図
1(B)の矢印X)に回転させつつ既設柱の回りを巡らせ
て(図1(B)の矢印Y)1ループずつ巻き付けていくの
で、従来のように矩形状のフープ筋の隅部を矩形面内で
曲げ力によりさらに90°開くのではなく、螺旋フープ筋
を柱の半外周長当たり90°捩るだけでよいから、弾性変
形範囲内での巻き付けが可能になるうえ、螺旋フープ筋
の束の鉛直保持により、柱の周囲空間が狭くても施工が
できる。さらに、本実施の形態では、従来のように輪状
のフープ筋を柱に1つずつ外嵌して継目を溶接する必要
がないので、能率的で欠陥の少ない既設柱の耐震補強を
行なうことができる。
【0017】また、上記実施の形態では、螺旋フープ筋
1の材料に降伏点が134kgf/mm2の高強度鋼を用いてい
るので、従来と同等の補強強度を維持しつつ、フープ筋
の所要重量を略半減でき、施工の軽量化を図れるととも
に、降伏点の上昇による許容剪断応力の上昇およびフー
プ筋の小径化に比例した巻き付けに伴って生じる捩り最
大剪断応力の低減により、弾性範囲内での巻き付けを確
実に保証しつつ、巻き付けの一層の容易化を図ることが
できる。
【0018】なお、上記実施の形態では、螺旋フープ筋
のループ形状を正方形としたが、この形状は既設柱の断
面形状に合わせて円形,長方形などにできることは勿論
である。また、螺旋フープ筋の材質は、上記実施の形態
のSWPR1に限らず、巻き付けに伴う捩り最大剪断応力が
弾性範囲内に収まるものであれば、どのようなものでも
よい。さらに、上記実施の形態では、螺旋フープ筋1を
巻き付けた上に吹き付けによりモルタル層57を施工し
ているので、モルタル充填用の仮枠を要さずに螺旋フー
プ筋まで被覆できるから、施工を一層能率化できるとと
もに、螺旋フープ筋の防錆塗装を省略することができ
る。なお、螺旋フープ筋1の回りに仮枠を組み、この仮
枠内にモルタルを注入して施工することもできる。
【0019】図4,図5,図6は、本発明の既設柱の耐震
補強方法の要部である螺旋フープ筋の自動巻付けを実施
するための装置を示す夫々平面図,側面図,正面図であ
る。この装置は、既設柱51の外周に沿う矩形のループ
をなして螺旋状に加工して束ねられた螺旋フープ筋1
を、ループ面1fを既設柱51の外面に対向させて、つ
まり鉛直方向に沿うように外周11aで支持する枠部材
11と、この枠部材11の横軸である中心軸11bの基
端を回転自在(図6の矢印L参照)かつ水平に枢支する支
柱部12と、この支柱部12を縦軸である鉛直軸12a
を介して揺動自在(図4の矢印M参照)に搭載して、既設
柱51の回りを旋回(図4の矢印N参照)する台車13を
備えている。
【0020】上記既設柱51の回りの地盤上には、コ字
状断面の形鋼を円形に加工してなる軌道14が敷設さ
れ、内,外円をなす形鋼上にレール15,15が固定さ
れ、外側円の内周全体にラックギヤ16が設けられると
ともに、内外円の中間にガイドレール17が設けられて
いる。一方、上記台車13には、上記レール15上を転
動する4つの車輪18と、上記ガイドレール17を両側
から挾んでレール15からの車輪18の離脱を防ぐ位置
決めローラ19と、上記ラックギヤ16に噛合し,かつ
モータ20で駆動されて台車13を旋回させるピニオン
ギヤ21と、モータ20に電力を供給する発電機22を
設けている。
【0021】さらに、上記枠部材11は、中心軸11b
とその四隅に配した水平材11aを筋違材23で連結し
て直方体に形成され、各水平材11aの先端に、90°内
側に回動して螺旋フープ筋1の抜け落ちを防ぐ抜止めピ
ン24を有するとともに、中心軸11bの基端が、上記
台車13上に鉛直軸12aを介して揺動自在に取り付け
られた支柱部12の板状部25の遠端から突出する支柱
26の上端に軸受27を介して枢支されている。
【0022】上記装置による既設柱への螺旋フープ筋の
巻き付けは、次のとおりである。まず、枠部材11の前
面四隅の抜止めピン24を水平材11aと一直線をなす
ようにして、前面から枠部材11に螺旋フープ筋1の束
を外嵌し、螺旋フープ筋1の先端を引き出して既設柱5
1の下端のアンカー穴(図示せず)に係止し、上記抜止め
ピン24を直角に回動してロックして、束の抜け落ちを
防止する。これにより、螺旋フープ筋1は、そのループ
面1fを既設柱51の外面に対向させて鉛直に支持され
る。次に、発電機22を起動して電力でモータ20を駆
動し、ピニオンギヤ21,ラックギヤ16を介して台車
13を既設柱51の回りのレール15上に矢印N(図4)
の方向に旋回させる。すると、台車13上の支柱部12
が水平面内で矢印M(図4)の方向へ揺動しながら、支持
26の上端に軸受27を介して枢支された枠部材11が
矢印L(図6)の方向に回転して、螺旋ループ筋1の束が
1ループずつほどけ出して図示の如く既設柱51の回り
に巻き付いていく。
【0023】巻き付く際の螺旋フープ筋1は、図1,図
2で既述のように、柱の半外周長当たり90°ずつ弾性範
囲内で捩れ変形するので、従来のように輪状のフープ筋
を1本ずつ柱に外嵌して継目を溶接する必要がないか
ら、能率的で欠陥のない既設柱の補強を行なうことがで
きる。また、螺旋フープ筋1を高強度鋼製とすれば、既
述の如く補強強度を維持したままフープ筋の所要重量を
半減でき、施工の軽量化および弾性範囲内での巻き付け
の確実化と巻き付けの一層の容易化を図れるのはいうま
でもない。
【0024】上記装置では、枠部材11の中心軸11b
の基端を支柱12で水平に枢支し、この支柱部12を鉛
直軸12aを介して台車13上に揺動自在に取り付けて
いるので、螺旋フープ筋1が矩形のループに束ねられて
いても、上記支柱部12の揺動によって既設柱51への
巻き付けが容易になるという利点がある。また、枠部材
11の前面四隅に抜止めピン24を設けているので、枠
部材11からの螺旋フープ筋1の抜け落ちが確実に防止
できるという利点がある。
【0025】なお、上記装置では、枠部材11を直方体
としたが、この形状は螺旋フープ筋のループ形状に合わ
せて円筒状などにできることは勿論である。また、螺旋
フープ筋のループ形状が例えば円の場合は、支柱部12
を台車13上に揺動不可に取り付けても、巻き付けに支
障は生じない。
【0026】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
の既設柱の耐震補強方法は、既設柱の回りにこの既設柱
の外周面から一定間隔を隔てて螺旋フープ筋を配設し、
上記既設柱と螺旋フープ筋の隙間にモルタルを充填する
ので、従来のように輪状のフープ筋を柱に1つずつ外嵌
して継目を溶接する必要がなく、従って、欠陥の少ない
能率的なフープ筋の施工により既設柱を能率良く強固に
耐震補強することができる。
【0027】請求項2の既設柱の耐震補強方法は、既設
柱の回りにこの既設柱の外周面から一定間隔を隔てて螺
旋フープ筋を配設し、上記既設柱と螺旋フープ筋の隙間
にモルタルを吹き付けながら充填するとともに、上記螺
旋フープ筋をモルタルで被覆するので、請求項1と同様
に既設柱を能率良く強固に耐震補強できるうえ、モルタ
ル充填用の仮枠を要さずに螺旋フープ筋まで被覆できる
から、施工を一層能率化でき、螺旋フープ筋の防錆塗装
を省略することができる。
【0028】請求項3の既設柱の耐震補強構造は、既設
柱の回りにこの既設柱の外周面から一定間隔を隔てて配
設された螺旋フープ筋と、上記既設柱と螺旋フープ筋の
隙間に充填されたモルタルとを備えているので、従来の
ように輪状のフープ筋を柱に1つずつ外嵌して継目を溶
接する必要がないから、施工能率の良い強固な耐震補強
構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の既設柱の耐震補強方法の要部をなす
螺旋フープ筋の配設方法の一形態を示す斜視図および側
面図である。
【図2】 螺旋フープ筋の巻き付けのピッチとその際に
生じる応力を検討するための模式図である。
【図3】 本発明の螺旋フープ筋の巻き付けを含む既設
柱の耐震補強方法を示す平面図,側面図および拡大平面
図である。
【図4】 本発明の既設柱の耐震補強方法の要部である
螺旋フープ筋の自動巻付けを実施するための装置を示す
平面図である。
【図5】 図4のV-V線矢視図である。
【図6】 図5のVI-VI線矢視図である。
【図7】 従来の柱の耐震補強方法である鋼板巻き建て
工法およびRC巻き建て工法を示す平面図,側面図であ
る。
【符号の説明】
1…螺旋フープ筋、1f…ループ面、11…枠部材、1
1a…水平材、11b…中心軸、12…支柱部、12a…
鉛直軸、、13…台車、14…軌道、15…レール、1
6…ラックギヤ、18…車輪、20…モータ、21…ピ
ニオンギヤ、22…発電機、24…抜止めピン、27…
軸受、51…既設柱、57…吹き付けモルタル、58…
添え筋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 幹雄 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 中野 良則 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設柱の回りにこの既設柱の外周面から
    一定間隔を隔てて螺旋フープ筋を配設し、上記既設柱と
    螺旋フープ筋の隙間にモルタルを充填することを特徴と
    する既設柱の耐震補強方法。
  2. 【請求項2】 既設柱の回りにこの既設柱の外周面から
    一定間隔を隔てて螺旋フープ筋を配設し、上記既設柱と
    螺旋フープ筋の隙間にモルタルを吹き付けながら充填す
    るとともに、上記螺旋フープ筋をモルタルで被覆するこ
    とを特徴とする既設柱の耐震補強方法。
  3. 【請求項3】 既設柱の回りにこの既設柱の外周面から
    一定間隔を隔てて配設された螺旋フープ筋と、上記既設
    柱と螺旋フープ筋の隙間に充填されたモルタルとを備え
    たことを特徴とする既設柱の耐震補強構造。
JP34265097A 1997-12-12 1997-12-12 既設柱の耐震補強方法および既設柱の耐震補強構造 Expired - Lifetime JP3406820B2 (ja)

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