JPH10154617A - 電磁石装置の故障判定装置、流量制御装置、および内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

電磁石装置の故障判定装置、流量制御装置、および内燃機関の燃料噴射装置

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JPH10154617A
JPH10154617A JP8314996A JP31499696A JPH10154617A JP H10154617 A JPH10154617 A JP H10154617A JP 8314996 A JP8314996 A JP 8314996A JP 31499696 A JP31499696 A JP 31499696A JP H10154617 A JPH10154617 A JP H10154617A
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failure
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coil
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対のコイルを含む電磁石装置の故障を検出
する。 【解決手段】 電磁石装置17のコイルL11,L12
は、信号生成回路22からの第1および第2制御信号に
よって制御される切換回路19,20の状態に応じて、
励磁または消磁される。比較回路27,29は、コイル
L11,L12と切換回路19,20との間の接続点P
11,P12の第1および第2電気信号をそれぞれレベ
ル弁別して、第1および第2比較信号を生成する。故障
判定回路28,30は、比較信号と制御信号との信号レ
ベルの変化パターンを、比較信号のハイレベルの継続時
間および比較信号のパルス立下がりタイミングを用いて
それぞれ比較し、変化パターンが一致するときは故障が
なく、一致しないときは故障があると判定する。これに
よって、コイルL11,L12の相互インダクタンスの
大きいときでも、電磁石装置17の故障の有無を判定す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、複数のコイルを有
する電磁石装置の故障を判定する故障判定装置、ならび
にこの電磁石装置を有する流量制御装置および内燃機関
の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の内燃機関には、アイドル
状態のときの回転数を制御するために、スロットル弁と
は別に流量制御弁が設けられる。流量制御弁は、内燃機
関に吸入空気を導入する吸入管路において、スロットル
弁を迂回するように設けられる迂回管路内に取付けら
れ、迂回管路の空気流量を増減させることによって、内
燃機関に供給される吸入空気量を調整する。このアイド
ル制御のための流量制御弁には、たとえばロータリアイ
ドルスピードコントロール(以後、「R−ISC」と略
称する)と称される弁がある。
【0003】R−ISC弁は、弁体として側面に切欠き
を有する円柱を用い、この弁体を側面に平行な中心軸線
回りに角変位させることで、弁体の設置場所での補助管
路の断面積、すなわち弁開度を変更する。この弁体を角
変位させるための駆動装置として、一対のコイルを有す
る電磁石装置が用いられる。駆動装置は、この一対のコ
イルを後述する手法で相互に励磁させることで、所望の
弁開度を維持する。
【0004】現在、内燃機関のアイドル回転数制御手法
において、上述の流量制御弁を介在する迂回管路の空気
流量の増大化が求められている。たとえば現在の流量制
御弁の単位時間当たりの流量は約2000ccである
が、この単位時間当たりの流量を約3000cc〜50
00ccに増大させることが求められる。迂回管路の空
気流量が増加するほど、迂回管路の弁開度の変動が内燃
機関の吸入空気量に及ぼす影響が大きくなる。たとえば
上述の駆動装置に異常が生じるとき、流量制御弁の弁開
度の調整ができなくなる。この場合に迂回管路の空気流
量が大きいと、全吸入空気量内の迂回管路からの吸入空
気の割合が大きいので、吸入空気量が所望量以上に増
加、または所望量未満に減少することが考えられる。こ
れによって、内燃機関の回転数がアイドル回転数以上に
増加すること、または回転数がアイドル回転数未満に低
下して内燃機関が停止するような不都合が生じる。した
がって、流量制御弁の流量増加に伴い、駆動回路に、上
述の不都合を防止するためのフェールセーフ機能を付加
させることが求められる。
【0005】図11は、第1の従来技術である上述の流
量制御弁およびの駆動装置を含む流量制御装置1の電気
的構成を説明するための回路図である。図12は、図1
1の流量制御装置1における故障検出手法を説明するた
めの波形図である。図11と図12とを併せて説明す
る。
【0006】コイルL1,L2は、その一方端子が電源
ラインと接続され、他方端子が制御用のトランジスタT
1,T2をそれぞれ介して接地ラインと接続される。コ
イルL1,L2は駆動装置の電磁石装置を構成する部品
であり、各コイルL1,L2が個別に励磁するとき、流
量制御弁の弁体3を、流量制御弁の弁開度を増加および
減少する方向にそれぞれ角変位させる。
【0007】トランジスタT1,T2のゲート端子に
は、処理回路5から、図12(1),(2)に表す第1
および第2制御信号がそれぞれ与えられる。第1および
第2制御信号は、デューティ比が等しく、位相が相互に
逆転した矩形パルス信号である。トランジスタT1,T
2は、各制御信号の信号レベルがハイレベルのとき電流
が通過可能なオン状態となり、ローレベルのとき電流を
遮断するオフ状態となる。第1および第2制御信号は矩
形パルス信号であるので、信号レベルはデューティ比に
応じてハイレベルとローレベルとを交互に保つ。
【0008】このとき処理回路5は、コイルL1,L2
の励磁/消磁動作の制御に関する回路、図11ではコイ
ルT1,T2およびコイルL1,L2をそれぞれ含む2
つの電力供給経路に対してそれぞれ故障検出動作を行
う。各電力供給経路の故障検出手法は同一であるので、
電源ラインからコイルL1、トランジスタT1を経て接
地ラインに至る電力供給経路を例として説明する。処理
回路5は、まず、コイルL1とトランジスタT1との間
の接続点P1に現れる電気信号の信号レベル変化を検出
する。次いで、第1制御信号の1信号周期間に、接続点
P1の電気信号の信号レベルが予め定める基準レベル以
上のレベルから基準レベル未満のレベルに変化したか否
かを検出する。この基準レベルは、たとえばコイルL1
励磁時の電気信号の信号レベルが13Vであるとき、
2.5Vに設定される。
【0009】電力供給経路に断線および短絡であるよう
な故障がないとき、トランジスタT1のオンおよびオフ
状態に応じて、電力供給経路に電力が供給および遮断さ
れる。このときの接続点P1の電気信号の信号レベル
は、図12(3)に表すように、第1制御信号と同期し
て、ハイレベルとローレベルとに交互に切換わる。トラ
ンジスタT1が故障してオフ状態を保つとき、電力供給
経路の電力が供給されないので、上述の信号レベルは常
に基準レベル未満のローレベルを保つ。
【0010】これらのことから、処理回路5は、第1制
御信号の或る信号周期W1内で、この電気信号の信号レ
ベルが基準レベルを横切って変化したか否かを検出し、
変化がないときに故障があると判定する。たとえば電気
信号の信号レベルは、電力供給経路に故障がないときだ
け、第1制御信号の矩形パルスの立下がり時刻t1に上
述のレベル切換えが生じるので、処理回路5は、この切
換えを検出して、故障の有無を判定する。
【0011】上述の流量制御装置1では、駆動装置を小
型化するために、コイルL1,L2の鉄芯を共通の鉄棒
で構成することがある。このとき、コイルL1,L2間
の相互インダクタンスが極めて高い。この構造の流量制
御装置1では、トランジスタT1がオフ状態を保つよう
に故障する場合であってコイルL2が正常作動すると
き、コイルL1,L2間の相互誘導によってコイルL1
に誘導電流が生じるので、接続点P1の電気信号にレベ
ル変化が生じる。このレベル変化は、図12(4)に表
すように、第2制御信号のパルスの立下がりおよび立上
がり、すなわち第1制御信号のパルスの立上がりおよび
立下がりに同期して急激にレベルが増大および減少し、
その後緩やかにレベルが減少または増大する。このと
き、コイルL1,L2の相互インダクタンスが大きいた
めに、その信号レベルが前述の基準レベルを下回ること
がある。このレベルの切換えは、たとえばコイルL2へ
の第2制御信号に同期して、第2制御信号の矩形パルス
の立上がり時刻、すなわち第1制御信号のパルスの立下
がり時刻t1に発生する。このように、コイルL1,L
2間の相互インダクタンスが大きい場合、異常動作中の
接続点P1の電気信号が、正常動作中の接続点P1の電
気信号と類似の挙動を示す。
【0012】ゆえに、上述の故障判定手法で故障の有無
の判定を行うとき、処理回路5は時刻t1のレベル切換
えを検出して、故障無しと判定する。このように、コイ
ルL1,L2の相互誘導が極めて大きいとき、この流量
制御装置のトランジスタT1,T2の故障を上述の故障
判定手法で判定することは困難である。
【0013】本件出願人は、複数のコイルを含む電磁石
装置の故障判定のための第2の従来技術として、特開平
3−118486号公開公報に開示される故障検出装置
を提案している。この装置では、電源ラインと接地ライ
ンとの間に並列接続される複数のコイルを含むソレノイ
ド負荷の断線および短絡を検出する。このために装置
は、ソレノイド負荷への電力供給開始タイミングから、
全コイルの接地ライン側の端子に現れる電気信号の信号
レベルが所定の電圧に至るタイミングまでの時間を計時
する。このソレノイド負荷では、前記電気信号のレベル
は経時変化して緩やかに増加し、正常動作時と異常動作
時とに計時される時間が異なるので、計時された時間と
正常動作時の計時時間である基準時間とを比較して、コ
イルの断線および短絡の有無を検出する。
【0014】上述の相互インダクタンスの大きい流量制
御装置1では、装置1に故障が生じるときでも、第1お
よび第2制御信号のレベル切換えタイミングで電気信号
のレベルが瞬時に変化するので、電気信号のレベルが所
定の電圧に至るまでの時間は、正常動作時と異常動作時
とで一致する。したがって、本公報の装置で上述の流量
制御装置1の故障の有無を検出することは困難である。
【0015】また、上述の問題を解決するための第3従
来技術として、特開平6−146978号公開公報に開
示されるアイドル制御弁異常検出装置が挙げられる。こ
の装置では、上述の流量制御装置1と同一構造のアイド
ル制御弁の異常動作を検出する。このため、該装置は、
一対のコイルの接地ライン側の各端子に現れる電気信号
を微分して、電気信号のパルスの立上がりおよび立下が
りだけを検出し、これら立上がりおよび立下がりの有無
をフリップフロップ回路を用いて検出する。
【0016】前述したように、一対のコイルを有する装
置において、一対のコイルの相互インダクタンスが大き
い場合に前記端子よりも電力供給経路の下流側で断線が
生じるときには、前述の図12(4)に示すように電気
信号が周期的に急激なレベル変化をする。この装置はコ
イル間の相互誘導を考慮していないので、このときの電
気信号のレベルの変化点をパルスの立上がりおよび立下
がりとして検出する。したがって、本公報の装置で上述
の流量制御弁の駆動装置の故障の有無を検出することは
困難である。
【0017】
【発明が解決するべき課題】本発明の目的は、相互イン
ダクタンスが大きい一対のコイルを含む電磁石装置の故
障の有無および故障箇所を判定することができる電磁石
装置の故障判定装置、ならびに、このような電磁石装置
を含む燃料噴射装置および流量制御装置を提供すること
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気結合した
一対の第1および第2コイルを有する電磁石装置と、第
1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイルが
励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第1
スイッチング手段と、第2コイルに直列接続され、導通
状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態のとき第2
コイルが消磁される第2スイッチング手段と、第1スイ
ッチング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2ス
イッチング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生
し、第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段
が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第
1期間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2
スイッチング手段が導通状態である第2期間を有するよ
うに、第1および第2スイッチング手段をデューティ制
御する信号発生手段と、第1コイルと第1スイッチング
手段との第1接続点における電気信号の信号レベルを予
め定める弁別レベルでレベル弁別する比較手段と、比較
手段からの出力に応答し、第1接続点の電気信号の信号
レベルの変化パターンと第1制御信号の信号レベルの変
化パターンとを比較することによって、故障を判定する
故障判定手段を含むことを特徴とする電磁石装置の故障
判定装置である。本発明に従えば、電磁石装置が有する
一対のコイルは、信号発生手段からの第1および第2制
御信号を用いたデューティ制御によって個別的に励磁ま
たは消磁される。各コイルは、各コイルと個別的に直列
接続されるスイッチング手段を各制御信号の信号レベル
に対応して導通または遮断させることで、各コイルへの
電力供給の有無が切換えられて、励磁と消磁とを経時的
に交互に繰返す。これによって、各コイルの或る期間の
磁場の強さの平均値を、各制御信号のデューティ比に対
応して任意に変更することができる。故障検出手段は、
第1コイルと第1スイッチング手段とを含む第1回路の
断線、および第1スイッチング手段と信号発生手段との
間の信号伝達経路の断線であるような故障を検出する。
第1回路の故障の有無は、比較手段からの電気信号の比
較結果に応答して、第1コイルと第1スイッチング手段
との間の第1接続点の電気信号の信号レベルの変化パタ
ーンと、第1制御信号の信号レベルの変化パターンとを
比較することによって判定する。この動作で故障の有無
の判定ができることを以下に説明する。たとえば、第1
回路に故障がなく第1コイルが正常作動するとき、第1
回路への電力供給の有無は、第1スイッチング手段の状
態の変化、すなわち第1制御信号の信号レベル変化に対
応して切換わる。このとき、電気信号のレベルが、第1
スイッチング手段が導通および遮断状態のときに第1お
よび第2レベル、図4ではレベルVL,VHをそれぞれ
保つと仮定すると、図4(1)に示す第1制御信号の信
号レベルが導通/遮断状態の切換えに対応するレベルに
至るタイミングだけで、電気信号のレベルが切換わる。
この電気信号の波形図を図4(3)に示す。これによっ
て、第1制御信号と電気信号との信号レベルの変化タイ
ミングは一致する。またたとえば、第1回路に上述の故
障があるとき、第1スイッチング手段の状態の変化に拘
わらず、第1回路には電力が供給されない。この場合で
あって第2コイルが正常作動するとき、上述するように
第1および第2コイルが磁気結合するために、第1コイ
ルには、第1および第2コイル間の相互誘導に起因する
誘導電流が発生する。この誘導電流は、第1および第2
コイル間の相互インダクタンスが大きいほど大きく、こ
の誘導電流のために、第1回路の故障発生箇所に対応し
て、第1接続点の電気信号の信号レベルの挙動が異な
る。たとえば、第1コイルが断線するときには、誘導電
流が第1接続点に伝達されないので、第1接続点の電気
信号の信号レベルは常に第1および第2レベルのいずれ
かを保つ。比較手段の弁別レベルを該電気信号の第1お
よび第2レベルの間のレベルとすると、この電気信号
は、弁別レベル以上または未満のレベルを常に保つ。こ
の電気信号の波形図を、図4(7)に示す。また、第1
スイッチング手段が常に遮断状態を保つように故障する
とき、および信号伝達経路が断線するときには、第1接
続点の電気信号は、誘導電流が第1接続点に伝達される
ことによって信号レベルが変化する。この電気信号の信
号レベルの変化タイミングは、第2制御信号の信号レベ
ルの変化タイミングと同期する。また、信号レベルの変
化パターンは、具体的には、第2制御信号の変化タイミ
ングで最大値または最小値に瞬時に至り、該変化タイミ
ングから経時的に減少または増大する。この電気信号の
波形図を図4(5)に示し、上述の最大値および最小値
は、レベルVH,VLにそれぞれ相当する。このよう
に、誘導電流が電気信号の信号レベルの挙動に拘わると
き、第1制御信号と電気信号との信号レベルの挙動は、
1対1で対応しない。この電気信号の最大値と最小値と
の幅は、一対のコイル間の相互インダクタンスが大きい
ほど広くなる。このために、電気信号の信号レベルは、
最大値または最小値に至る第1タイミングで弁別レベル
以上のレベルから未満のレベルへ、またはその逆に変化
することがある。このとき、レベル変化後に信号レベル
が増大または減少するので、第1タイミングからのレベ
ル経時変化中の期間内の任意の第2タイミングで、信号
レベルは再度弁別レベル未満のレベルから以上のレベル
へ、またはその逆に変化する。この場合で第1および第
2制御信号の信号レベルの変化タイミングが異なると
き、第1および第2タイミングは全て第1制御信号の変
化タイミングと異なる。また、この場合で第1および第
2制御信号の変化タイミングが一致するとき、少なくと
も第2タイミングは第1制御信号の変化タイミングと異
なる。これによって、第1制御信号と電気信号との信号
レベルの変化パターンを、電気信号のレベル弁別結果に
基づいて比較することで、上述の挙動の相違点を検出し
て、第1回路の故障の有無を検出することができる。
【0019】また本発明は、前記比較手段は、前記電気
信号のレベルが前記弁別レベル未満のとき予め定める一
方レベルを保ち、弁別レベル以上のとき予め定める他方
レベルを保つ比較信号を生成し、前記故障判定手段は、
前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、
比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間
を計時する計時手段と、計時手段で計時される継続時間
が、第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通
状態または遮断状態に保たれる保持時間と一致すると
き、故障がないと判定し、継続時間が保持時間と一致し
ないとき、故障があると判定する判定手段とを含むこと
を特徴とする。本発明に従えば、故障判定手段は、上述
の比較手段からの比較信号の継続時間と第1スイッチン
グ手段の保持時間とを比較して、故障の有無を判定す
る。比較信号の一方および他方レベルは、図4の波形図
ではハイレベルおよびローレベルにそれぞれ対応する。
この比較信号の一方または他方レベルの継続時間は、電
気信号の信号レベルが請求項1で説明したような弁別レ
ベル未満および以上のレベルである期間を示し、比較信
号のレベル変化タイミングは、電気信号の信号レベルが
弁別レベル以上から弁別レベル未満に、またはその逆に
変化する変化タイミングを示す。第1回路に故障がない
とき、請求項1で説明したように、電気信号は第1スイ
ッチング手段の状態変化に1対1で対応して、第1およ
び第2レベルのいずれかを保つ。ゆえに、比較信号は、
第1制御信号の変化タイミングと同期して、第1および
他方レベルのいずれかに切換わり、次の変化タイミング
までそのレベルを保つ。これによって、継続時間と保持
時間とが一致する。第1回路に第1コイルの上述の断線
の故障があるとき、電気信号は第1および第2レベルの
いずれかを常に保つので、比較信号も一方および他方レ
ベルのいずれかを保ち、継続時間は0か無限大のいずれ
かになる。この時間の観測期間が第1制御信号の信号周
期の1周期分の時間よりも長いとき、第1スイッチング
手段の導通および遮断状態は交互に切換えられるので、
保持時間は0より大きく観測期間よりも短い有限の時間
である。したがって、継続時間と保持時間とは一致しな
い。第1回路に第1スイッチング手段の上述の断線の故
障、および上述の信号伝達回路の断線の故障がある場
合、相互インダクタンスが小さいときには、信号レベル
の変化量が小さいので、常に弁別レベル未満または以上
のレベルを保つ。このときの比較信号は、第1コイルの
上述の故障があるときの比較信号と同一である。前記場
合で相互インダクタンスが大きいとき、信号レベルの変
化量が大きく電気信号の信号レベルは弁別レベル以上ま
たは未満に変動するので、比較信号が請求項1で説明し
た第1および第2タイミングで一方および他方レベルに
切換わる。このときの継続時間は、これら第1および第
2タイミング間の時間である。この継続時間は、少なく
とも第2タイミングが第1制御信号のレベル変化タイミ
ングと一致しないので、第1および第2スイッチング手
段の保持時間とは無関係になる。したがって、継続時間
と保持時間とは一致しない。これらのことから、継続時
間と保持時間とを比較することによって、故障の有無を
判定することができることがわかる。
【0020】また本発明は、前記判定手段は、前記継続
時間が保持時間と一致しない場合であって継続時間が予
め定める時間未満のとき、第1接続点よりも第1コイル
側の経路に故障があると判定し、一致しない場合であっ
て継続時間が予め定める時間以上のとき、第1接続点よ
りも第1スイッチング手段側の経路に故障があると判定
することを特徴とする。本発明に従えば、前記判定手段
は、故障があると判定されるとき、継続時間の絶対的長
さに応じて、上述の第1回路の故障箇所を判定する。請
求項2で説明したように、故障箇所に応じて、継続時間
を規定する要因が異なる。特に第1回路の第1コイル側
の経路に上述の断線の故障があるとき、継続時間は0か
観察期間と一致するかのいずれかになり、第1スイッチ
ング手段側の経路に上述の断線の故障があるときの継続
時間よりも充分に短いまたは長い。ゆえに、第1コイル
故障時の継続時間だけを検出するように予め定める閾の
時間を定め、この時間を基準に継続時間の長さを判定す
ることによって、第2回路の故障箇所を判定することが
できる。
【0021】また本発明は、前記比較手段は、前記電気
信号のレベルが前記弁別レベル未満のとき予め定める一
方レベルを保ち、弁別レベル以上のとき予め定める他方
レベルを保つ比較信号を生成し、前記故障判定手段は、
前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通
状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他
方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデ
ューティ比に対応して定められる時間だけ遡る時点から
計時される予め定める判定期間内の比較信号のレベル変
化の有無を検出する検出手段と、検出手段の出力に応答
し、レベル変化があるとき故障がないと判定し、レベル
変化がないとき故障がないと判定する判定手段とを含む
ことを特徴とする。本発明に従えば、前記故障判定手段
は、矩形パルス信号である第1制御信号のレベル変化タ
イミングを含む判定期間内に、上述の比較手段からの比
較信号のレベル変化の有無を検出することによって、上
述の第1回路の故障の有無を判定する。故障がないと
き、第1コイルに上述の断線の故障があるとき、および
第1スイッチング手段に上述の断線の故障があるときの
比較信号の挙動は、請求項2で説明した挙動と同一であ
るので説明は省略する。第1回路に故障がないとき、比
較信号の信号レベルは、第1制御信号の変化タイミング
と同期して切換わり、次の変化タイミングまでそのレベ
ルを保つ。これによって、第1制御信号のレベル変化と
同期して第1スイッチング手段が導通状態および遮断状
態のいずれか一方状態からいずれか他方状態に切換わる
とき、同時に比較信号の信号レベルが一方レベルから他
方レベルに切換わる。第1回路に第1コイルの上述の断
線の故障があるとき、比較信号は一方および他方レベル
のいずれかを保ち、レベルの切換えはない。第1回路に
第1スイッチング手段の上述の断線の故障、および上述
の信号伝達回路の断線の故障がある場合、相互インダク
タンスが小さいときには、比較信号は、第1コイルの上
述の故障があるときの比較信号と同一であるので、レベ
ルの切換えはない。前記場合で相互インダクタンスが大
きいときには、たとえば比較信号が請求項1で説明した
第1タイミングで他方レベルから一方レベルに切換わ
り、第2タイミングで一方レベルから他方レベルに切換
わる。この第2タイミングは、第1スイッチング手段の
状態が切換わるタイミングとは一致しない。このことか
ら、第1制御信号の上述のタイミングを含み、比較信号
の上述の第2タイミング以後の時点を上述の遡る時点と
して計時されるような判定期間内には、第1回路の故障
がないときだけ、比較信号のレベル変化が生じることが
わかる。これによって、前記判定期間内の比較信号のレ
ベル変化の有無を検出することによって、第1回路の故
障の有無を判定することができる。
【0022】また本発明は、前記比較手段は、前記電気
信号のレベルが前記弁別レベル未満のとき予め定める一
方レベルを保ち、弁別レベル以上のとき予め定める他方
レベルを保つ比較信号を生成し、前記故障判定手段は、
予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通
状態または遮断状態に保つ強制手段と、検査期間内の比
較信号のレベル変化の有無を検出する検出手段と、検出
手段の出力に応答し、レベル変化がないとき故障がない
と判定し、レベル変化があるとき故障があると判定する
判定手段とを含むことを特徴とする。本発明に従えば、
前記故障判定手段は、検査期間の間だけ第1スイッチン
グ手段を強制的に導通状態または遮断状態に保ち、その
間の比較信号の挙動を請求項4と同一手法で判定するこ
とで、第1スイッチング手段の上述の断線の故障、およ
び信号伝達経路の上述の断線の故障の有無を判定する。
この故障判定手法は、第1コイルに故障がないことを前
提条件とする。またこの検査期間は、図9の波形図では
検査期間W30に相当する。比較信号の意味は、請求項
2で説明した意味と同一である。検査期間内で第1スイ
ッチング手段を導通状態に保つと仮定するときで上述の
2箇所の故障がないとき、比較信号は、第1スイッチン
グ手段の挙動と同期するので、一方レベルを保ち、レベ
ル変化はない。このときの比較信号の波形図を図9
(4)に示す。上述の故障が少なくとも1箇所ある場合
で相互インダクタンスがあるとき、電気信号は相互誘導
の誘導電流によって変動する。この場合で相互インダク
タンスが充分に大きいときには、比較信号にはレベル変
化が生じる。この比較信号の波形図を図9(6)に示
す。このように、検査期間内の比較信号のレベル変化の
有無は、故障があるときとないときとで異なる。これに
よって、上述の手法で第1回路の第1スイッチングの故
障を検出することができる。
【0023】また本発明は、前記故障判定手段は、予め
定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通状態
または遮断状態に保つ強制手段と、検査期間内に前記電
気信号の信号レベルが前記弁別レベル以上を保つとき、
前記第1接続点よりも第1スイッチング手段側の経路に
故障がないと判定し、検査期間内に信号レベルが弁別レ
ベル未満になるとき、第1スイッチング手段側の経路に
故障があると判定する判定手段とを含むことを特徴とす
る。本発明に従えば、前記故障判定手段は、検査期間の
間だけ第1スイッチング手段を強制的に導通状態または
遮断状態に保ち、その間の電気信号の挙動を判定するこ
とで、第1スイッチング手段の上述の断線の故障、およ
び信号伝達経路の上述の断線の故障の有無を判定する。
この故障判定手法は、第1コイルに故障がないことを前
提条件とする。またこの検査期間は、図9の波形図では
検査期間W30に相当する。比較信号の意味は、請求項
2で説明した意味と同一である。たとえば、検査期間内
で第1スイッチング手段を導通状態に保つと仮定する場
合、上述の2箇所の故障がないとき、電気信号のレベル
変化は第1スイッチング手段の挙動と同期するので、導
通状態に対応する第1レベルを保つ。このときの電気信
号の波形図を図9(3)に示す。上述の断線の故障が少
なくとも1箇所ある場合で相互インダクタンスがあると
き、電気信号は相互誘導の誘導電流によって変動する。
この場合で相互インダクタンスが充分に大きいとき、電
気信号の信号レベルは第2制御信号のレベル変化タイミ
ングと同期して、弁別レベル未満まで低下する。この電
気信号の波形図を図9(5)に示す。このように、検査
期間内の電気信号の挙動は、故障があるときとないとき
とで異なる。これによって、上述の手法で第1回路の第
1スイッチングの故障を検出することができる。またこ
の手法では、請求項5の手法と比較して比較信号を生成
する必要がなく、そのための手段を削除することもでき
るので、装置の構造が容易になる。
【0024】また本発明は、前記故障判定手段は、前記
検査期間内に前記第1接続点の電気信号のレベルが前記
弁別レベル以下の予め定めるもう1つの弁別レベル未満
を保つとき、第1接続点よりも第1コイル側の経路に故
障があると判定し、前記検査期間内にもう1つの弁別レ
ベル以上になるときには第1接続点よりも第1コイル側
の経路に故障なしと判定する断線判定手段をさらに含む
ことを特徴とする。本発明に従えば、請求項5,6の故
障判定手段は、上述の検査期間の間に、断線判定手段を
用いて、第1コイルの上述の断線の故障をさらに判定す
る。検査期間内で導通状態を保つと仮定する場合で第1
コイルに故障がないときは、上述のように電気信号は第
1スイッチング手段の導通状態時に対応する第1レベル
を保つ。第1コイルに故障があるときは、第1スイッチ
ング手段の遮断状態時に対応する第2レベルを保つ。こ
の第2レベルは、弁別レベル以下のレベルであるので、
上述のもう1つの弁別レベルを第2レベルよりも大きく
弁別レベル以下のレベルに設定すると、電気信号のレベ
ルが第2レベルであるか否かを判定することによって、
第1コイルの故障の有無を判定する事ができる。また、
第1スイッチング手段に上述の故障がある場合で相互イ
ンダクタンスが小さいときには、電気信号は第1コイル
の故障時とほぼ同一の挙動を示すので、この手法によっ
て故障の有無を判定することができる。
【0025】また本発明は、予め定める流体が通過する
流体経路に介在される弁体を有する弁手段と、弁手段の
弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段と、磁気
結合した一対の第1および第2コイルであって、第1コ
イルは弁開度が増加する方向に弁体を変位させ、第2コ
イルは弁開度が減少する方向に弁体を変位させる電磁石
装置と、第1コイルに直列結合され、導通状態のとき第
1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁
される第1スイッチング手段と、第2コイルに直列結合
され、導通状態のとき第2コイルが励磁され、遮断状態
のとき第2コイルが消磁される第2スイッチング手段
と、開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対
応するデューティ比が相互に定められる第1および第2
制御信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断
する第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮
断する第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信
号は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチ
ング手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッ
チング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状
態である第2期間を有するように、第1および第2スイ
ッチング手段をデューティ制御する信号発生手段と、第
1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点におけ
る第1電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベルで
レベル弁別する第1比較手段と、第1比較手段からの出
力に応答し、第1電気信号の信号レベルの変化パターン
と第1制御信号の信号レベルの変化パターンとを比較す
ることによって、第1コイルおよび第1スイッチング手
段を含む第1電力供給経路の故障を判定する第1故障判
定手段と、第2コイルと第2スイッチング手段との第2
接続点における第2電気信号の信号レベルを予め定める
弁別レベルでレベル弁別する第2比較手段と、第2比較
手段からの出力に応答し、第2電気信号の信号レベルの
変化パターンと、第2制御信号の信号レベルの変化パタ
ーンとを比較することによって、第2コイルおよび第2
スイッチング手段を含む第2電力供給経路の故障を判定
する第2故障判定手段とを含むことを特徴とする流量制
御装置である。本発明に従えば、予め定める流体の流量
を制御するための弁手段を含む流量制御装置では、磁気
結合した一対のコイルを含む電磁石装置を用いて弁体を
変位させる。この弁手段の弁開度は、各コイルのスイッ
チング手段を開度決定手段からの指示信号が表す弁開度
に対応するデューティ比の制御信号でデューティ制御す
ることによって、所望の弁開度に調整することができ
る。この電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに
第1および第2スイッチング手段を含み、各コイルの励
磁と消磁とを切換えるための第1回路および第2回路に
は、第1および第2比較手段ならびに第1および第2故
障判定手段がそれぞれ取付けられる。これによって、た
とえば第1および第2コイル間の相互インダクタンスが
大きいときでも、請求項1で説明したような動作で、第
1回路および第2回路の上述の断線の故障の有無、およ
び故障箇所を個別的に判定することができる。この故障
判定手法の具体的手法としては、請求項2〜7の手法を
用いることができる。
【0026】また本発明は、前記流体は、内燃機関に供
給される吸入空気であり、前記流体経路は、内燃機関に
空気を供給するための吸入管路に付随し、吸入管路のう
ちスロットル弁の取付位置を迂回する迂回管路であるこ
とを特徴とする。 本発明に従えば、上述の流量制御装置は、たとえば内燃
機関の上述の迂回管路に取り付けられ、いわゆるアイド
ル状態での内燃機関の回転数制御のための吸入空気の流
量制御弁として用いられる。この流量制御装置が車両に
搭載されるとき、流量制御装置の設置場所が狭いため
に、電磁石装置の小型化が求められ、そのために第1お
よび第2コイルを巻回する芯材を連続した一本の棒材で
実現することが多い。このために、第1および第2コイ
ル間の相互インダクタンスが大きくなりやすい。このた
めに、上述の流量制御装置では、一方のコイルを含む回
路だけに上述の故障が生じ、他方のコイルを含む回路が
正常作動するときには、上述の相互誘導に起因する起電
力によって、一方の接続点の電気信号が変動する可能性
が大きい。従来技術の装置では、この電気信号のレベル
が比較手段の比較レベルを横切るか否かだけを判定して
いたので、相互インダクタンスが大きいときに故障を検
出することが困難であったが、本発明の装置では、請求
項1で説明したように、相互インダクタンスが大きいと
きでも、故障を判定することができる。
【0027】また本発明は、前記第1および第2電力供
給経路の少なくとも一方に故障があることを表示する表
示手段と、前記第1および第2故障判定手段の少なくと
も一方で故障ありと判定されるとき、表示手段によって
故障があることを表示し、さらに前記第2故障判定手段
によって故障ありと判定されるとき、内燃機関のトルク
を減少させる内燃機関制御手段とをさらに有することを
特徴とする。本発明に従えば、上述の流量制御装置で
は、電磁石装置の第1および第2コイル、ならびに第1
および第2スイッチング手段に関して、上述の故障があ
るときには、いわゆるフェールセーフ動作を行う。具体
的には、第2コイルおよび第2スイッチング手段を含む
第2回路に上述の故障があるとき、第1コイルだけが弁
体を変位させるので、流量制御弁の弁開度は開度決定手
段で決定される所望弁開度よりも大きくなる。この流量
制御装置が、たとえば車両用内燃機関のアイドル状態の
制御のための流量制御弁の制御装置であるとき、上述の
状態が継続されると、内燃機関の回転数がアイドル回転
数以上に増大して内燃機関に吹上がりであるような不都
合が生じる。このため、内燃機関制御手段は、たとえば
内燃機関の混合気への点火時期を遅角方向にずらして、
内燃機関のトルクがを減少させるとともに、故障がある
ことを表示手段を用いて運転者に提示する。また、第1
コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1回路に上
述の故障があるとき、第2コイルだけが弁体を変位させ
るので、流量制御弁の弁開度は開度決定手段で決定され
る所望弁開度よりも小さくなる。このために、内燃機関
の作動状態はトルクが減少する方向に自然に変化するの
で、内燃機関制御手段は、故障があることだけを表示手
段によって運転者に提示する。これによって、上述の流
量制御装置が車両用内燃機関の流量制御弁に用いられる
とき、電磁石装置を含む第1および第2回路の故障によ
って、内燃機関の吹上がりであるような不都合が生じる
ことを防止することができる。
【0028】また本発明は、内燃機関に燃料を供給する
ために弁体が変位する燃料噴射弁と、燃料噴射弁からの
燃料流量を表す指示信号を導出する燃料噴射量決定手段
と、磁気結合した一対の第1および第2コイルであっ
て、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位さ
せ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位さ
せる電磁石装置と、第1コイルに直列結合され、導通状
態のとき第1コイルが励磁され、遮断状態のとき第1コ
イルが消磁される第1スイッチング手段と、第2コイル
に直列結合され、導通状態のとき第2コイルが励磁さ
れ、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第2スイッ
チング手段と、燃料噴射量決定手段からの指示信号に応
答し、燃料流量に対応する弁開度に対応するデューティ
比が相互に定められる第1および第2制御信号であっ
て、第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信
号と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御
信号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイ
ッチング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断
状態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮
断状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期
間を有するように、第1および第2スイッチング手段を
デューティ制御する信号発生手段と、第1コイルと第1
スイッチング手段との第1接続点における第1電気信号
の信号レベルを予め定める弁別レベルでレベル弁別する
第1比較手段と、第1比較手段からの出力に応答し、第
1電気信号の信号レベルの変化パターンと、第1制御信
号の信号レベルの変化パターンとを比較することによっ
て、第1コイルおよび第1スイッチング手段を含む第1
電力供給経路の故障を判定する第1故障判定手段と、第
2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点におけ
る第2電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベルで
レベル弁別する第2比較手段と、第2比較手段からの出
力に応答し、第2電気信号の信号レベルの変化タイミン
グと、第2制御信号の信号レベルの変化タイミングとを
比較することによって、第2コイルおよび第2スイッチ
ング手段を含む第2電力供給経路の故障を判定する第2
故障判定手段とを含むことを特徴とする内燃機関の燃料
噴射装置である。 本発明に従えば、内燃機関の燃料噴射弁を含む燃料噴射
装置では、磁気結合した一対のコイルを含む電磁石装置
を用いて弁体を変位させる。この燃料噴射弁の弁開度
は、各コイルのスイッチング手段を内燃機関に供給すべ
き燃料噴射量に応じたデューティ比の制御信号でデュー
ティ制御することによって、内燃機関の作動状態に対応
する所望弁開度に調整することができる。この電磁石装
置の第1および第2コイル、ならびに第1および第2ス
イッチング手段を含み、各コイルの励磁と消磁とを切換
えるための第1回路および第2回路には、第1および第
2比較手段ならびに第1および第2故障判定手段がそれ
ぞれ取付けられる。これによって、第1および第2回路
は、請求項1で説明したような動作で、個別的に上述の
故障の有無、および故障箇所を判定することができる。
この故障判定手法の具体的手法としては、請求項2〜7
の手法を用いることができる。この燃料噴射装置を含む
内燃機関が車両に搭載されるときには、燃料噴射装置の
設置場所が狭いために、電磁石装置の小型化が求めら
れ、そのために第1および第2コイルを巻回する芯材を
連続した一本の棒材で実現することが多い。このため
に、第1および第2コイル間の相互インダクタンスが大
きくなる。したがって、一方のコイルを含む回路だけに
上述の故障が生じ、他方のコイルを含む回路が正常作動
するときには、上述の相互誘導に起因する起電力によっ
て、一方の接続点の電気信号が変動する。従来技術の装
置では、この電気信号のレベルが比較手段の比較レベル
を横切るか否かだけを判定していたので、相互インダク
タンスが大きいときに故障を検出することが困難であっ
たが、本発明の装置では、請求項1で説明したように、
相互インダクタンスが大きいときでも、故障を判定する
ことができる。 〔発明の詳細な説明〕
【0029】図1は、本発明の第1実施形態である電磁
石装置の故障判定装置を含む流量制御装置11の電気的
構成を示すブロック図である。流量制御装置11は、内
燃機関24のアイドル状態を維持するときに、内燃機関
24への吸入空気量を調整するための装置である。この
内燃機関24は、たとえば車両に搭載される。流量制御
装置11は、流量制御弁13、電磁石装置17、切換回
路19,20、信号生成回路22、NOT回路26、比
較回路27,29、および故障判定回路28,30を含
んで構成される。
【0030】流量制御弁13は、内燃機関24に吸入空
気を供給するための吸入管路101に付随する迂回管路
14に介在される。この迂回管路14は吸入管路101
内のスロットル弁102の空気流れ上流側と下流側との
部分をバイパスするように、吸入管路101に取付けら
れる。図1では、空気流れの方向を矢符105で示す。
流量制御弁13の弁体15は、この迂回管路14内部に
設置される。吸入管路101内で、スロットル弁102
の空気流れ下流側の迂回管路14の取付位置14aと内
燃機関24のシリンダの吸入弁との間の部分には、燃料
噴射弁103が取付けられる。内燃機関24は、吸入管
路101および迂回管路14を通過した吸入空気と燃料
噴射弁103から噴射される燃料とが吸入管路101の
燃料噴射弁103の取付位置近傍で混合されて生成され
る混合気体を、そのシリンダの燃焼室内部に導入し、燃
焼させる。
【0031】流量制御弁13は、内燃機関24にアイド
ル状態を保たせるために吸入管路101のスロットル弁
102が全閉と称されるような最小弁開度を保つとき、
内燃機関24の作動状態の微小な変化に応じて、迂回管
路15を通過する吸入空気の流量を変化させる。また、
内燃機関24が車両が走行する状態であるような有負荷
の駆動状態を保つとき、流量制御弁13は完全に閉鎖さ
れ、内燃機関24への吸入空気量はアクセルペダル10
7に連動して動作するスロットル弁102だけによって
制御される。スロットル弁102の弁開度は、たとえば
アクセルペダル107の踏込み量に対応する。流量制御
弁13の具体的構造および動作は後述する。
【0032】電磁石装置17は、コイルL11,L12
をそれぞれ含む一対の電磁ソレノイドを少なくとも1つ
有する。コイルL11,L12は、単一の鉄芯に巻回さ
れて磁気結合しており、コイルL11,L12間の相互
インダクタンスが大きい。コイルL11を含む電磁ソレ
ノイドは、流量制御弁13の弁開度が増大する方向に、
弁体15を変位させる。コイルL12を含む電磁ソレノ
イドは、流量制御弁13の弁開度が減少する方向に、弁
体15を変位させる。電磁石装置17の詳細な構造およ
び動作は後述する。
【0033】コイルL11,L12の一方端子は、電圧
+Bの電力が供給される電源ライン18に個別的に接続
される。コイルL11,L12の他方端子は、それぞれ
切換回路19,20を介して、接地される。コイルL1
1と切換回路19とは、後述の第1回路を形成し、コイ
ルL12と切換回路20とは、後述の第2回路を形成す
る。切換回路19,20は、制御回路21内の信号生成
回路22によって、それぞれ後述するように制御され
る。制御回路21は、以後説明する複数の回路を含み、
たとえばマイクロコンピュータで実現される。制御回路
21内部の複数の回路は、マイクロコンピュータでの演
算処理によってそれぞれ実現される仮想的な回路であ
る。また制御回路21は、複数の実在回路を個別的に含
む電気回路で実現されてもよい。
【0034】信号生成回路22には、流量制御弁13の
所望弁開度を表す指示信号が、内燃機関制御回路25か
ら与えられる。内燃機関制御回路25は、複数の開度決
定手段と、内燃機関制御手段とを兼ね備える。流量制御
弁13の所望弁開度は、内燃機関制御回路25におい
て、内燃機関24の作動状態に対応して定められる。具
体的には、内燃機関制御回路25は、たとえば複数のセ
ンサを用いて内燃機関24の現在の作動状態、たとえば
回転数を計測し、計測された回転数と予め定めるアイド
ル状態での回転数との差を減少させるように、所望弁開
度を定める。図面では、内燃機関24を「E/G」、内
燃機関制御回路25を「E/G制御」と表す。
【0035】信号生成回路22は、流量制御弁13の所
望弁開度に対応するデューティ比の矩形パルス信号であ
るような、後述の第1制御信号を生成する。第1制御信
号は、切換スイッチSW1を介して切換回路19に与え
られる。またNOT回路26は、切換スイッチSW1よ
りも信号流れ上流側の信号伝達経路から第1制御信号を
導入し、第1制御信号の位相を反転させて、第2制御信
号を生成する。第2制御信号は、切換スイッチSW2を
介して、切換回路20に与えられる。切換スイッチSW
1,SW2は、後述の第3故障判定動作を実施する場合
を除いて、常に導通状態に保たれる。
【0036】比較回路27は、コイルL11と切換回路
19との間の第1接続点P11から後述の第1電気信号
を導入し、第1電気信号の信号レベルと予め定める弁別
レベルVrefとをレベル弁別して、弁別結果を表す第
1比較信号を生成する。制御回路21内の故障判定回路
28は、第1制御信号および第1比較信号を導入して、
後述の故障判定手法によって、第1回路の故障の有無、
および故障の発生箇所を判定する。また比較回路29
は、コイルL12と切換回路20との間の第2接続点P
12から第2電気信号を導入し、第2電気信号の信号レ
ベルと、前述の弁別レベルVrefとをレベル弁別し
て、弁別結果を表す第2比較信号を生成する。制御回路
21内の故障判定回路30は、第2制御信号および第2
比較信号を導入して、後述の故障判定手法によって、第
2回路の故障の有無、および故障の発生箇所を判定す
る。故障判定回路28,30にそれぞれ導入される第1
および第2制御信号は、それぞれ切換スイッチSW1,
SW2よりも信号流れ上流側の信号伝達経路から分岐し
た経路を介して導入される。故障判定回路28,29の
判定結果は、内燃機関制御回路25に与えられる。
【0037】内燃機関制御回路25は、故障判定回路2
8,30の少なくとも一方で故障が判定されるとき、内
燃機関24に対して後述のフェールセーフ動作を実施す
る。このフェールセーフ動作では、たとえば、内燃機関
24のトルクを減少させる。
【0038】コイルL12、切換回路20、比較回路2
9、および故障判定回路30の詳細な構造および挙動
は、コイルL11、切換回路19、比較回路27、およ
び故障判定回路28の詳細な構造および挙動とそれぞれ
同一である。ゆえに以後、コイルL11および回路1
9,27,28を例として説明し、コイルL12,回路
20,29,30の詳細な説明は省略する。
【0039】以下に、コイルL11に関する各回路1
9,27,28の詳細な電気的構造を説明する。
【0040】切換回路19は、抵抗R1〜R3、トラン
ジスタT11、およびダイオードD1を含んで構成され
る。トランジスタT11は、MOS形FETで実現され
る。コイルL11の他方端子は、抵抗R1を介して、ト
ランジスタT11のソース端子と直列接続される。第1
接続点P11は、コイルL11と抵抗R1との間の接続
点である。トランジスタT11のドレイン端子は接地さ
れる。トランジスタT11のゲート端子は、抵抗R2を
介して、制御回路21内の切換スイッチSW1と直列接
続される。抵抗R3は、抵抗R2の切換スイッチSW1
側の端子と、電圧VCCの電力が供給される電源ライン
41との間に介在される。ダイオードD1は、その順方
向電流入力側の一方端子がトランジスタT11のソース
端子と接続され、順方向電流出力側の他方端子が電圧+
Bの電源ライン18に接続される。
【0041】トランジスタT11は、ゲート端子に与え
られる後述の第1制御信号の信号レベルがローレベルの
ときに電流が通過可能なオン状態になり、ハイレベルの
ときに電流を遮断するオフ状態になる。また,電源ライ
ン18,41にそれぞれ供給される電力の電圧+B,V
CCは、トランジスタT11のソース端子の電圧レベル
が、トランジスタT11がオフ状態のときよりもオン状
態のときの方が大きくなるように設定される。
【0042】比較回路27は、導線43,抵抗R4〜R
6、および比較器44を含んで構成される。導線43
は、一方端が第1接続点P11と接続され、他方端が抵
抗R4を介して接地される。抵抗R5,R6は直列接続
されて、電圧VRの電力が供給される電源ライン45と
接地ラインとの間に介在される。比較器44はたとえば
オペアンプで実現される。比較器44の反転入力端子
は、導線43と抵抗R4との間の接続点P13に接続さ
れる。比較器44の非反転入力端子は、抵抗R5,R6
間の接続点P14と接続される。電源ライン45の電圧
VR、および抵抗R5,R6の各抵抗値は、接続点P1
4の電圧レベルが予め定める弁別レベルVrefとなる
ように、電源ライン45と接地ラインとの間の電圧を分
圧するような値にそれぞれ設定される。
【0043】比較器44は第1電気信号の信号レベルと
弁別レベルVrefとを比較して、比較結果を表す後述
の第1比較信号を出力する。第1比較信号は、たとえば
矩形パルス信号であり、第1電気信号の信号レベルが弁
別レベルVref以上であるときにローレベルを保ち、
信号レベルが弁別レベルVref未満であるときにハイ
レベルを保つ。
【0044】故障判定回路29は制御回路21の内部回
路であり、タイマ46、ラッチ検出回路47、断線判定
回路48、および判定回路49を含む。これら回路46
〜49は、実在の回路で実現されてもよく、マイクロコ
ンピュータの演算処理で実現される仮想的な回路であっ
てもよい。
【0045】タイマ46には、比較回路27の比較器4
4から第1比較信号が与えられる。タイマ46は、第1
比較信号の信号レベルがハイレベルを保つ継続時間、ま
たはローレベルを保つ継続時間の少なくとも一方の時間
を計時して、計時した継続時間を表す継続時間信号を導
出する。
【0046】ラッチ検出回路47は、たとえばRSフリ
ップフロップ回路で実現され、R端子に比較回路27の
比較器44から第1比較信号が与えられる。また、ラッ
チ検出回路47のS端子には、判定回路49から後述の
リセット信号が与えられる。ラッチ検出回路47は、第
1比較信号のパルスの立下がりを検出して、Q端子から
パルスの立下がりの有無を表す後述のラッチ検出信号を
導出する。
【0047】断線判定回路48には、比較回路27の比
較器44から第1比較信号が与えられ、第1比較信号が
後述の検査期間W30の間常にローレベルを保つか否か
を判定して、判定結果を表す断線検出信号を導出する。
また断線判定回路48は、第1接続点P11から直接第
1比較信号を導入し、後述の検査期間W30内の第1電
気信号の信号レベルをレベル弁別して、弁別結果を表す
断線検出信号を導出する構造であってもよい。
【0048】判定回路49には、タイマ46からの継続
時間信号、ラッチ検出回路47のQ端子からのラッチ検
出信号、および断線判定回路48からの断線検出信号が
それぞれ与えられる。さらに判定回路49には、信号生
成回路22から、第1制御信号が与えられる。判定回路
49は、これら複数の信号に基づいて、後述の故障判定
動作を行い、その判定結果を内燃機関制御回路25に導
出する。
【0049】図2は、流量制御弁13を含む迂回管路1
5の部分外観図である。迂回管路15は、第1管路51
の一方端部が第2管路52の側面に接続されて開口した
T字状の管路であり、管路の交点に流量制御弁13が形
成される。第1管路51の他方端部53は、内燃機関の
吸入管路のうち、スロットル弁の取付位置よりも空気流
れ上流側に開口するように、吸入管路に取付けられる。
第2管路52の一方端部54は、内燃機関の吸入管路の
うち、スロットル弁の取付位置よりも空気流れ下流側に
開口するように、吸入管路に取付けられる。
【0050】流量制御弁13の弁体15は、第1管路5
1の一方端部の内径とほぼ同一の外径の略円筒状の部材
であり、その側面には、円筒の中心軸線に平行に形成さ
れてかつ一部が連結するような2つの切欠きを有する。
弁体15は、その円筒の中心軸線が第1管路の一方端部
の開口部の中心軸線と一致するように取付けられ、円筒
の中心軸線を回転中心として角変位可能である。第1管
路51の内部空間は、弁体15の一方の切欠きと第1管
路51の一方端部の内壁との間の空間によって、第2管
路の弁体15よりも一方端部54側の部分56の内部空
間と導通する。また、第2管路の弁体15よりも他方端
部55側の部分57の内部空間は、弁体15の他方の切
欠きと第1管路51の一方端部の内壁との間の空間によ
って、第2管路の部分56の内部空間と導通する。
【0051】この弁体15が、第1管路51内で角変位
することによって、弁体15の2つの切欠きの向きが変
位するので、切欠きと第1管路51の一方端部との間の
空間の中心軸線に垂直な断面積が変化する。これによっ
て、第1管路51から部分56に流入する吸入空気の流
量、および部分56から部分57に流入する吸入空気の
流量が、断面積の増減に対応して増減する。これによっ
て、第2管路52の一方および他方端部54,55から
導出する吸入空気の流量が変化する。
【0052】図3は、電磁石装置17の詳細な構造を表
す図である。電磁石装置17は、コイルL11,L12
の他に、変位部材61、ばね部材62,63、固定部材
64,65、芯部材66、棒状部材67およびクランク
装置を含む。棒状の変位部材61はその長手方向両端部
にばね部材62,63が取付けられ、電磁石装置17の
筺体であるような固定部材64,65間にばね部材6
2,63を介して設置される。一対のコイルL11,L
12は1組または複数組準備され、各一対のコイルL1
1,L12毎に芯部材66に巻回される。各一対のコイ
ルL11,L12は、各コイルL11,L12が変位部
材61の一方および他方端部近傍であって、変位部材6
1の中心軸線を中心とする同心円上にそれぞれ配置さ
れ、かつ各芯部材66が変位部材61の長手方向と平行
になるように設置される。変位部材61の長手方向中心
部の側面には、棒状部材67が角変位可能に取付けられ
る。この棒状部材は、クランク装置に接続される。この
クランク装置が、流量制御弁13の弁体15を角変位さ
せる。
【0053】コイルL11,L12が個別的に励磁され
るとき、変位部材61は矢符69,70で示すように、
変位部材61の長手方向に沿う方向で固定部材64,6
5に近付く向きにそれぞれ変位される。これらコイルL
11,L12を第1および第2制御信号を用いる後述の
手法でデューティ制御すると、第1および第2制御信号
のデューティ比に対応して、固定部材64,65間の変
位部材61の長手方向に沿う軸線上での変位部材61の
位置が定められる。この変位部材61の平行運動は、棒
状部材67を介してクランク装置に伝達され、クランク
装置内で回転運動に変換されて、弁体15に伝達され
る。これによって、変位部材61の平行移動量に対応し
た角変位量、すなわちデューティ比に対応した角変位量
だけ、弁体15が角変位される。
【0054】以下に、流量制御装置11の正常作動時の
各回路の動作、および異常作動時の各回路の動作をそれ
ぞれ説明する。
【0055】前述のように、第2回路、比較回路29,
および故障判定回路30の挙動は、第1回路、比較回路
27,および故障判定回路28の挙動と類似し、第1お
よび第2制御信号にそれぞれ対応する動作に代わって、
第2および第1制御信号にそれぞれ対応して動作する点
だけが異なり、他の点は同一である。ゆえに、以下の説
明では、第2回路が正常作動する場合の第1回路の挙動
だけを表し、第1回路が正常作動する場合の第2回路の
挙動の説明は省略する。
【0056】図4は、流量制御装置11において、制御
回路21、第1回路および比較回路27から導出される
各信号を表す波形図である。
【0057】図4(1)は、信号生成装置22から導出
される第1制御信号を表す波形図である。第1制御信号
は、信号周期W11の矩形パルス信号であり、図4
(1)に示す波形を周期的に繰返す。単一の信号周期W
11内では、第1制御信号の信号レベルは、時刻t11
でローレベルからハイレベルに切換わり、時刻t11か
ら時刻t12までハイレベルを保ち、時刻t12でハイ
レベルからローレベルに切換わり、時刻t12から時刻
t13までローレベルを保つ。或る信号周期W11の最
終の時刻t13と次の信号周期W11の最初の時刻t1
1とは一致する。単一信号周期W11内で、信号レベル
がハイレベルを保つ保持時間W12と信号レベルがロー
レベルを保つ保持時間W13との比率、すなわちデュー
ティ比は、内燃機関24の作動状態によって定められ、
たとえば単一の信号周期W11毎に変更される。
【0058】図4(2)は、NOT回路26から導出さ
れる第2制御信号を表す波形図である。第2制御信号は
流量制御装置11の同一作動時に導出される第1制御信
号と比較して、信号周期およびレベル変化タイミングが
等しく、位相だけが逆転する。ゆえに、第2制御信号の
単一信号周期W11内で、信号レベルがローレベルを保
つ保持時間W14と信号レベルがハイレベルを保つ保持
時間W15とは、第1制御信号の保持時間W12,W1
3とそれぞれ一致する。
【0059】コイルL11および切換回路19を含む前
述の第1回路の挙動は、第1回路内の故障の有無、およ
び故障があるときの故障箇所に対応して異なる。まず、
第1回路に故障がないとき、すなわち正常作動時の挙動
を以下に説明する。
【0060】正常作動時では、上述の第1制御信号は、
切換回路19内で、抵抗R2,R3を含む回路を介して
トランジスタT11のゲート端子に与えられる。トラン
ジスタT11は、前述したように、第1制御信号がハイ
レベルのときにオフ状態になり、ローレベルのときにオ
ン状態になる。流量制御装置11に故障がない場合、ト
ランジスタT11がオン状態のときコイルL11が励磁
し、オフ状態のときコイルL11が消磁される。
【0061】具体的には、トランジスタT11がオン状
態のとき、電源ライン18からコイルL11、抵抗R
1、およびトランジスタT11を介して接地ラインに至
る電力供給経路に、電圧レベル+Bの電力が供給され、
コイルL11が励磁する。このとき、接続点P11の電
圧レベルは、コイルL11のインダクタンスと抵抗R1
の抵抗値とで規定されるレベルVLを保つ。逆に、トラ
ンジスタT11がオフ状態のとき、上述の電力供給経路
がトランジスタT11の部分で遮断される。これによっ
て、電源ライン+Bから電力供給経路への電力供給が遮
断されて該経路に電流が流れないので、コイルL11は
消磁される。このとき接続点P11の電圧レベルは、予
め定めるレベルVHに規定される。レベルVHは、電源
ライン18の印加電圧+BとダイオードD1の順方向電
圧とでトランジスタT11のソース端子に規定される電
圧レベルを、抵抗R1,R4で分圧したレベルである。
抵抗R1,R4の抵抗値は、たとえば、レベルVLが0
V、レベルVHが13Vとなるように、予め定められ
る。前述の第1電気信号は、このようなトランジスタT
11の状態の切換えに対応して変化する第1接続点P1
1の電圧レベルの経時変化を表す信号である。
【0062】図4(3)は、第1および第2回路の正常
作動時であって図4(1)の第1制御信号が切換回路1
9に与えられるときに、第1接続点P11に現れる第1
電気信号を表す波形図である。正常作動時の第1電気信
号は、第1制御信号と同期した信号であって、第1制御
信号と比較すると、信号周期および信号レベルの切換タ
イミングが一致し、位相およびレベルの値が異なる。第
1電気信号の信号レベルは、単一の信号周期間W11内
で、時刻t11から時刻t12までレベルVLを保ち、
時刻t12で信号レベルが切換わり、時刻t12から時
刻t13までレベルVHを保つ。レベルVL,VHがそ
れぞれ継続される継続時間は、第1制御信号の保持時間
W12,W13とそれぞれ等しい。このような第1電気
信号が、第1接続点P11から比較回路27の比較器4
4に与えられる。
【0063】比較器44では、上述の第1電気信号の信
号レベルを、接続点P14の弁別レベルVrefでレベ
ル弁別して、レベル弁別結果を表す第1比較信号を生成
して導出する。弁別レベルVrefは、第1電気信号の
2値のレベルVH,VLの間のレベルであって、レベル
VH,VL間の中点よりもレベルVLに近いレベルに設
定され、たとえば2.5Vである。第1比較信号は2値
の矩形パルス信号であり、第1電気信号の信号レベルが
弁別レベルVref未満のとき、ハイレベルを保ち、信
号レベルが弁別レベルVref以上のときローレベルを
保つ。
【0064】図4(4)は、第1および第2回路の正常
作動時に上述の図4(3)の第1電気信号が与えられる
ときの比較回路27からの第1比較信号を表す波形図で
ある。正常作動時の第1比較信号は、第1制御信号と同
期した信号であって、信号周期、信号レベルの切換タイ
ミング、および位相が全て第1制御信号と一致する。ゆ
えに、第1比較信号でハイレベルおよびローレベルをそ
れぞれ保つ継続時間W18,W19は、第1制御信号の
保持時間W12,W13とそれぞれ同一である。この第
1比較信号は、比較器44から故障判定回路38のタイ
マ46、ラッチ検出回路47、および断線検出回路48
にそれぞれ与えられ、後述の故障判定手法に用いられ
る。
【0065】次いで、第1回路に故障がありかつ第2回
路が正常作動するとき、すなわち第1回路の異常作動時
における第1回路の挙動を説明する。
【0066】上述の流量制御装置11で検出可能な第1
回路の故障には、大別して、コイルL11の断線、なら
びに切換回路19の断線および短絡がある。回路の断線
には、具体的には、各回路を構成する回路部品の内部の
断線、流量制御装置11への回路部品の取付け忘れであ
るような欠落のための回路の断線、回路部品の端子と接
続先の端子とが接続不良ではずれたための回路の断線、
または回路間を接続する導線の断線が挙げられる。以
後、これら断線が原因であるような故障を、「断線故
障」と称する。また、回路部品間の短絡、または回路部
品と電源ラインとの間の短絡であるような故障を「短絡
故障」と称する。さらに単に「故障」とするときは、特
に指定しない限り、断線故障と短絡故障とを共に含むも
のとする。
【0067】まず、切換回路19の断線故障時の第1回
路および比較回路27の詳細な挙動を以下に説明する。
【0068】切換回路19の断線故障は、具体的には、
抵抗R1〜R3およびトランジスタT11に関する断線
故障である。ダイオードD1の断線故障時には、第1回
路にサージ電流が発生するが、流量制御装置11全体の
挙動には影響がなく、流量制御装置11は正常作動す
る。
【0069】抵抗R1,R2、およびトランジスタT1
1のゲート端子の断線故障時、すなわち第1制御信号の
信号伝達経路の断線故障時には、信号生成回路46から
切換回路19に図4(1)の第1制御信号が与えられる
にも拘わらず、トランジスタT11のゲート端子に与え
られる信号レベルが不定になる。このとき、トランジス
タT11は、ゲート端子の信号レベルによって、第1制
御信号とは無関係にオン状態またはオフ状態のいずれか
一方に固定される。また、トランジスタT11のソース
端子およびドレイン端子、ならびに抵抗R3の断線故障
時、すなわち第1回路の第1接続点よりも接地ライン側
の部分の断線故障時には、トランジスタT11の状態が
第1制御信号の信号レベルに対応して作動しても、断線
の生じた点で電力が遮断されるので、第1回路全体で
は、トランジスタT11をオフ状態に固定した場合と等
価になる。この状態でコイルL12を含む第2回路が作
動停止するとき、第1電気信号は常にレベルVLを保つ
筈である。
【0070】トランジスタT11がオフ状態に固定され
る場合であってコイルL12を含む第2回路が正常作動
するとき、コイルL11には、コイルL12の励磁およ
び消磁動作の切換えに応答して、コイルL12からの磁
場を打消す磁場を発生させるような誘導電流、すなわち
相互誘導に起因する誘導電流が発生し、第1回路内を誘
導電流が流れる。第1接続点P11とコイルL11との
間の経路には断線が生じていないので、第1接続点P1
1の電圧レベルは相互誘導に起因する起電力によって変
動する。これによって、トランジスタT11がオフ状態
に固定されるにも拘わらず、第1電気信号にレベル変化
が生じる。このレベル変化の変化量は、コイルL11,
L12の相互インダクタンスが大きいほど大きい。本実
施例では、コイルL11,L12の相互インダクタンス
に起因する第1電気信号の信号レベルの変化量は、最大
でレベルVHであり、最小でレベルVLであるとする。
【0071】図4(5)は、上述の切換回路19に上述
の断線故障が生じる場合であって、図4(2)の第2制
御信号が切換回路20に与えられて第2回路が正常作動
するときに、第1接続点P11に現れる第1電気信号を
表す波形図である。
【0072】このときの第1電気信号は、信号周期だけ
が第1および第2制御信号と等しい。第1電気信号の信
号レベルは、時刻t1でレベルVLに瞬時に低下し、時
刻t11から時刻t12までの間にレベルVLから時間
経過に比例して徐々に増加し、レベルVc1に至る。さ
らに、時刻t12でレベルVc1からレベルVHに瞬時
に増加し、時刻t12から時刻t13までの間にレベル
VHから時間経過に比例して徐々に減少し、時刻t13
でレベルVc2に至る。レベルVc1,Vc2は、レベ
ルVL,VH間のレベルであって、弁別レベルVref
よりもそれぞれ大きい。
【0073】このように、切換回路19の断線故障時に
は、第1電気信号は、第2制御信号のレベル切換タイミ
ング、すなわち第1制御信号のレベル切換タイミングt
11〜t13に急激にレベル変化し、第1および第2制
御信号がそれぞれハイレベルまたはローレベルをそれぞ
れ保持する保持時間W12,W13;W14,W15間
にも、緩やかにレベル変化する。このため、第1電気信
号の信号レベルは、時刻t11で弁別レベルVref以
上のレベルから弁別レベルVref未満のレベルに低下
し、保持期間W12,W14内であって時刻t12以前
の時刻t14で、弁別レベルVref未満のレベルから
弁別レベルVref以上のレベルに増加する。以後、或
る信号レベルが弁別レベルVref未満のレベルから弁
別レベルVref以上のレベルに増加すること、または
或る信号レベルがで弁別レベルVref以上のレベルか
ら弁別レベルVref未満のレベルに低下することを、
「信号レベルが弁別レベルを横切る」と称する。
【0074】図4(6)は、切換回路19の断線故障時
であって、図4(5)の第1電気信号が与えられたとき
に、比較回路19から導出される第1比較信号を表す波
形図である。上述したように、第1電気信号の信号レベ
ルは、時刻t11,14で弁別レベルを横切る。このた
め、第1比較信号の信号レベルは、時刻t11でローレ
ベルからハイレベルに切換わり、時刻t11から時刻t
14までハイレベルを保ち、時刻t14でハイレベルか
らローレベルに切換わり、時刻t14から時刻t12を
経て時刻t13までローレベルを保つ。ゆえに、切換回
路19の断線故障時の第1比較信号のハイレベルの継続
時間W23は、正常作動時のハイレベルの継続時間W1
8よりも短い。また、切換回路19の断線故障時の第1
比較信号のローレベルの継続時間W24は、正常作動時
のローレベルの継続時間W19よりも長い。
【0075】続いて、コイルL11の断線故障時の第1
回路および比較回路27の詳細な挙動を以下に説明す
る。
【0076】コイルL11の断線故障は、具体的には、
コイルL11内部の導線、コイルL11と電源ライン1
8との間の接続用導線、およびコイルL11と切換回路
19の抵抗R1との間の接続用導線のうちのいずれかの
断線故障である。これらの導線の断線故障時には、図4
(1)の第1制御信号に応じて切換回路19内のトラン
ジスタT11が正常に作動しても、第1回路には電力が
供給されない。また、コイルL11,L12間の相互誘
導があるときでも、上述の導線が断線するので、第1接
続点P11には誘導電流が流れない。
【0077】このとき、第1接続点P11の電圧レベル
は、トランジスタT11のソース端子の電圧レベルと抵
抗R1,R4とによって規定される。したがって、コイ
ルL11の断線故障時の第1接続点P11の第1電気信
号は、図4(7)に示すように、単一の信号周期W11
間常にレベルVLを保つ。ゆえに、コイルL11の断線
故障時であって図4(7)の第1電位信号が与えられる
とき、比較回路19から導出される第1比較信号は、図
4(8)に示すように、単一の信号周期W11間常にハ
イレベルを保つ。
【0078】続いて、切換回路19の短絡故障時の第1
回路および比較回路27の詳細な挙動を以下に説明す
る。
【0079】切換回路19の短絡故障は、具体的には、
抵抗R1,R2間、ダイオードD1の両端子間、トラン
ジスタT11のゲート端子と電源ライン41との間、該
ゲート端子と接地ラインとの間、トランジスタT11の
ドレイン端子と電源ライン18との間、および該ドレイ
ン端子と接地ラインとの間の短絡故障である。抵抗R
2,R3間の短絡故障時には、切換回路19内を流れる
電流が増加するが、流量制御装置11の挙動には影響が
なく、装置11は正常作動する。
【0080】抵抗R1と抵抗R2間、トランジスタT1
1のゲート端子と電源ライン41間、および該ドレイン
端子と接地ライン間の短絡故障時には、信号生成回路4
6から切換回路19に図4(1)の第1制御信号が与え
られるにも拘わらず、トランジスタT11が常にオン状
態に固定される。このために、コイルL11は常に励磁
して、弁体15を弁開度が増加する方向に駆動し続け
る。このときには、単一信号周期W11間、第1電気信
号が常にレベルVHを保ち、第1比較信号が常にローレ
ベルを保つ。
【0081】また、トランジスタT11のドレイン端子
と電源ライン18間、ダイオードD1の両端子間の短絡
故障時には、信号生成回路46から切換回路19に図4
(1)の第1制御信号が与えられるにも拘わらず、トラ
ンジスタT11が常にオフ状態に固定される。このため
に、コイルL11は常に消磁される。このときには、単
一の信号周期W11間、第1電気信号が常にレベルVL
を保ち、第1比較信号が常にハイレベルを保つ。
【0082】さらに、トランジスタT11のゲート端子
と接地ライン間の短絡故障時、すなわち第1制御信号の
信号伝達経路の短絡故障時には、信号生成回路46から
切換回路19に図4(1)の第1制御信号が与えられる
にも拘わらず、第1制御信号とは無関係にオフ状態に固
定される。このとき、コイルL11にはコイルL11,
L12間の相互誘導によって、切換回路19の断線故障
時と同様に、第1電気信号の信号レベルに図4(5)に
表すような変動が生じる。
【0083】以上のように、第1比較信号の信号レベル
は、第1回路に故障がないときには第1制御信号と同期
して変動し、故障があるときには同期しないことがわか
る。また、第1回路の3種類の故障時には、比較回路2
7に相互誘導に起因する図4(5)の第1電気信号が与
えられるときと、第1制御信号と同期しない図4(7)
の第1電気信号またはレベルVHを保つ第1電気信号の
いずれかが与えられるときとの2パターンがあることが
わかる。
【0084】流量制御装置11における第1回路および
第2回路の故障判定動作を以下に詳細に説明する。
【0085】上述の流量制御装置11の故障判定回路2
8,30は、上述の比較信号と制御信号との挙動の差異
に基づいて、第1および第2回路の故障の有無ならびに
故障箇所を個別的に判定する。具体的には、比較信号と
制御信号とを比較して、両信号の信号レベルの変化パタ
ーンが一致するときには故障がないと判定し、一致しな
いときには故障があると判定する。また、第1回路およ
び第2回路に故障があるとき、比較信号の挙動から、上
述の故障箇所を判定する。この故障判定手法には、変化
パターンを比較するパラメータおよび制御信号の挙動に
応じて、以下の3種類の手法がある。また、第2回路に
対する故障判定回路30の故障判定手法は、第1回路に
対する故障判定回路28の故障判定手法とは類似の手法
であり、第1比較信号と第1制御信号とを比較する代わ
りに、第2比較信号と第2制御信号とを比較する点が異
なる。
【0086】まず、タイマ46を用いる第1故障判定手
法を以下に説明する。
【0087】第1故障判定手法では、故障判定回路2
8,30は、制御信号と比較信号との信号レベルの変化
パターンを比較するためのパラメータとして、第1およ
び第2比較信号のハイレベルの継続時間Wa,Wbと第
1および第2制御信号のハイレベルの保持時間W12,
W15と用いる。また、第1および第2比較信号のロー
レベルの継続時間と第1および第2制御信号のローレベ
ルの保持時間W13,W14とを用いるようにしてもよ
い。
【0088】継続時間Wa,Wbは、タイマ46,62
によってそれぞれ計時される。タイマ46,62は、具
体的には、たとえば第1および第2比較信号のパルスの
立上がりおよび立下がりを検出する検出手段を有し、検
出手段がパルスの立上がりを検出すると継続時間Wa、
Wbの計時動作を開始し、検出手段がパルスの立下がり
を検出すると計時動作を停止する。このようにタイマ4
6,62は、第1および第2比較信号が少なくとも1つ
のパルスをそれぞれ有するときに、そのパルスのパルス
幅である継続時間Wa,Wbを計時する。
【0089】コイルL11と切換回路19とを含む第1
回路を例とすると、第1回路および第2回路の正常作動
時には、上述の図4(1),(4)から、継続時間Wa
は継続時間W18であって、継続時間Waと第1制御信
号の保持時間W12とは一致することが解る。また、第
2回路の正常作動時であって切換回路19の断線故障時
には、図4(1),(6)から、継続時間Waは継続時
間W23であって、継続時間Waと保持時間W12とは
一致しないことが解る。さらにまた、切換回路19の短
絡故障時およびコイルL11の断線故障時には、図4
(1),(8)から、第1比較信号にパルスが存在しな
いことが解る。この場合、タイマ46の検出手段がパル
スの立上がりおよび立下がりを検出しないので、タイマ
46は時間を計時しない。このとき、継続時間Waは、
タイマ46の初期値である0秒である。
【0090】図5は、制御回路21の信号生成回路22
および故障判定回路28で実施される第1回路の第1故
障判定手法を説明するためのフローチャートである。
【0091】内燃機関24のアイドル状態の保持動作が
開始されると、ステップa1からステップa2に進む。
ステップa2では、信号生成回路22は、内燃機関制御
回路25から与えられる流量制御弁13の所望弁開度を
参照して、所望弁開度に対応するデューティ比を演算し
て求める。
【0092】次いでステップa3では、信号生成回路2
2は、求めたデューティ比で信号レベルが変化するよう
な第1制御信号を生成して、切換回路19およびNOT
回路26に与える。NOT回路26は、第1制御信号が
与えられると、その位相を反転させて第2制御信号を生
成し、切換回路20に与える。この第1および第2制御
信号は、前述の図4(1),(2)に示すデューティ比
の信号であるとする。これによって、上述のコイルL1
1,L12は、一方のコイルが励磁するときに他方のコ
イルが消磁されるような挙動を、励磁するコイルを交互
に切換えて繰返す。このとき第1回路は、故障の有無に
対応して図4(3),(5)のいずれかの第1電気信号
をそれぞれ比較回路27に導出する。比較回路27は、
図4(4),(6)のいずれかの第1比較信号を故障判
定回路28のタイマ46に導出する。
【0093】次いで、ステップa4では、故障判定回路
28のタイマ46が、上述の手法で第1比較信号のハイ
レベルの継続時間Waを計時する。この継続時間Wa
は、継続時間信号として、判定回路49に与えられる。
続いて、ステップa5では、判定回路49において、第
1比較信号のハイレベルの継続時間Waが、第1制御信
号のハイレベルの保持時間W12と一致するか否かが判
定される。第1制御信号の保持時間W12は、第1制御
信号から直接求められる。また、第1制御信号の保持時
間W12は、ステップa2で信号生成回路22において
演算される第1制御信号のデューティ比から求めてもよ
い。
【0094】ステップa5では、継続時間Waが保持時
間W12と一致するときだけ、ステップa5からステッ
プa6に進み、上述の第1回路に故障がなく、正常作動
中であると判定する。また継続時間Waが保持時間W1
2と一致しないとき、ステップa5からステップa7に
進み、第1回路に故障があり、異常作動中であると判定
する。ステップa6,a7では、判定回路49は、第1
回路の故障の有無の判定結果を表す判定信号をそれぞれ
生成して、内燃機関制御回路25に導出する。またステ
ップa7では、判定回路49はいわゆるダイアグノーシ
ス動作のための後述の故障箇所判定動作を実施してもよ
い。判定信号導出後、正常作動中であるときはステップ
a6からステップa2に戻り、故障判定動作を続行す
る。また異常作動中であるときには、ステップa7から
ステップa8に進み、で当該フローチャートの処理動作
を終了する。
【0095】上述の第1回路の故障箇所判定動作の手法
を以下に説明する。この故障箇所判定手法は、前述の継
続時間Waを用い、第1回路に対して個別的に実施され
る。前述したように、第1回路内の故障箇所が異なると
き、比較回路27からの第1比較信号の信号レベル変化
の挙動が異なるので、ハイレベルの継続時間Waの値が
異なる。具体的には、切換回路19の断線故障時には継
続時間Waは時間W23であり、コイルL11の断線故
障時および切換回路19の短絡故障時には継続時間Wa
は時間0秒である。したがって、この継続時間Waの長
さを判定することによって、継続時間Waから第1回路
の故障箇所を判別することができる。
【0096】図6は、上述の故障箇所判定手法を説明す
るためのフローチャートである。図5のフローチャート
でステップa5からステップa7に至ると、ステップc
1からステップc2に進む。
【0097】ステップc2では、継続時間Waが切換回
路19の断線故障時の継続時間W23未満であってコイ
ルL11の断線故障時の継続時間以上の予め定める時間
以上であるか否かが判定される。本実施形態では、具体
的には、継続時間Waが時間0秒と一致するか否かが判
定される。一致するときには、ステップc2からステッ
プc3に進み、第1回路の故障がコイルL11の断線故
障または切換回路19の短絡故障であると判定する。一
致しないときはステップc2からステップc4に進み、
第1回路の故障が切換回路19の断線故障であると判定
する。ステップc3,c4では、判定した故障箇所およ
び故障理由を、たとえば判定回路49内に設けられるメ
モリにストアする。上述の判定動作が終了すると、ステ
ップc3,c4からステップc5にそれぞれ進み、当該
フローチャートの処理動作を終了する。
【0098】これによって、第1回路に故障があると
き、その故障箇所および故障理由をタイマ46からの比
較信号の継続時間Waから判定することができる。また
これら故障箇所および故障理由をメモリにストアしてお
くと、故障後に流量制御装置11を修理するとき、メモ
リのストア内容を読出すだけで故障箇所および故障理由
を知ることができる。ゆえに、修理時に再度流量制御装
置11を作動させて故障箇所および故障理由を判定する
動作を省略することができるので、修理時の故障判定の
手間がなくなる。
【0099】第2回路の第1故障判定手法は、第1回路
の第1故障判定手法と比較して、継続時間Waと保持時
間W12とが継続時間Wbと保持時間W15とに置換え
られる点だけが異なり、他の挙動は同一であるので、説
明は省略する。また第2制御信号の保持時間W15は、
判定回路63に導入される第2制御信号から直接求めて
も良く、また第1制御信号のローレベルの保持時間W1
3と同一であるので上述の第1制御信号のデューティ比
から求めてもよい。さらに、第2回路の故障箇所判定手
法もまた、第1回路の故障箇所判定手法とに比較して、
継続時間Waと保持時間W12とが継続時間Wbと保持
時間W15とに置換えられる点だけが異なり、他の挙動
は同一であるので、説明は省略する。
【0100】このような手法の第1回路および第2回路
の第1故障判定動作が、制御回路21でたとえば並列し
て実施される。これによって、タイマ46,62を用い
て、流量制御装置11の第1回路および第2回路の故障
の有無を個別的に判定することができる。
【0101】内燃機関制御回路25は、各判定回路4
9,63からの判定信号に応答して、流量制御装置11
全体の故障の有無を判定する。両判定回路49,63か
らの判定信号が共に故障がないことを表すときだけ、上
述の第1回路および第2回路の両方に故障がないので、
内燃機関制御回路25は流量制御装置11が正常作動中
であると判定する。流量制御装置11が正常作動すると
き、流量制御弁13の弁開度は内燃機関制御回路25か
らの所望弁開度となるように制御される。このとき内燃
機関制御回路25は、そのまま内燃機関24のアイドル
状態の維持動作を続行する。
【0102】逆に、各判定回路49,63からの判定信
号のうち、少なくとも一方の判定信号が故障があること
を示すときには、上述の第1回路および第2回路の少な
くとも一方に故障があるので、内燃機関制御装置25は
流量制御装置11が異常作動する可能性があると判定す
る。流量制御装置11が異常作動するとき、流量制御弁
13の弁開度は、内燃機関制御回路25からの所望弁開
度よりも増大または減少するので、内燃機関24がアイ
ドル状態を維持することが困難になる。このときには、
内燃機関制御回路25はフェールセーフ動作を実施し
て、内燃機関24のトルクが減少させる。
【0103】流量制御装置11の異常作動時のフェール
セーフ動作を以下に説明する。
【0104】上述の内燃機関24は、流量制御装置11
が故障するとき、第1および第2回路のいずれが故障す
るかによって、故障後の挙動が異なる。たとえば、流量
制御弁13の弁体を弁開度を増加させる方向に変位させ
るコイルL11を含む第1回路回路が正常作動して、弁
開度を減少させる方向に弁体15を変位させるコイルL
12を含む第2回路だけが故障するとき、電磁石装置1
7は流量制御弁13の弁開度が増加する方向だけに弁体
15を変位させる。ゆえに内燃機関24および流量制御
装置11をそのまま作動させ続けると、流量制御弁13
の弁開度が所望弁開度よりも増加し、たとえば流量制御
弁13の予め定める最大弁開度になる。このとき、内燃
機関24にオーバランと称される吹上がりが生じ、内燃
機関24がアイドル状態を保つことができなくなること
がある。また逆に、第1回路だけが故障して第2回路が
正常作動するときは、電磁石装置17は流量制御弁13
の弁開度が減少する方向だけに弁体15を変位させるの
で、そのまま作動させ続けると、流量制御弁13の弁開
度が所望弁開度よりも減少し、たとえば流量制御弁の予
め定める最小弁開度になる。このとき内燃機関24の回
転数が順次減少し、停止することがある。これらのこと
から、内燃機関制御回路25は、流量制御装置11内の
故障する回路に対応して、フェールセーフ動作を実施す
る。
【0105】図7は、上述のフェールセーフ動作を説明
するためのフローチャートである。内燃機関制御装置2
5における上述の流量制御装置11の故障判定動作内
で、第1回路および第2回路のいずれかに故障があると
判定されると、ステップb1からステップb2に進む。
【0106】ステップb2では、第1回路および第2回
路のうち、流量制御弁13の弁開度を減少させる方向に
弁体15を変位させるコイルを含む回路、本実施形態で
は第2回路が故障しているか否かを判定する。この判定
動作は、具体的には、上述の判定回路49,63からの
判定信号に応答して、判定回路49,63のいずれから
の判定信号が故障があることを表しているかを判定する
ことで実施される。第2回路だけが故障するとき、およ
び第1回路および第2回路の両方が故障するときにはス
テップb2からステップb3に進み、第1回路だけが故
障するときにはステップb2からステップb4に進む。
【0107】ステップb3では、内燃機関制御回路25
は、内燃機関24のトルクが小さくなるように、内燃機
関24の作動状態を制御する。具体的には、内燃機関制
御回路25は、内燃機関24の現在の作動状態に拘わら
ず、内燃機関24内の混合気への点火時期をアイドル状
態に対応する基本の点火時期から予め定める最大遅角値
だけ遅角させる。これによって、内燃機関の24の回転
数がアイドル状態に対応するアイドル回転数よりも低下
し、トルクが減少する。したがって、内燃機関24は最
終的に停止する。また内燃機関制御回路25は、たとえ
ば車両のインストルメントパネルに設置されるような警
告灯を点灯させて、流量制御装置11に故障があること
を車両の乗車者に提示する。
【0108】また、ステップb4では、内燃機関制御回
路25は、上述の警告灯を点灯させて、流量制御装置1
1に故障があることを車両の乗車者に提示する。ステッ
プb3,b4での処理動作が終了すると、ステップb
3,b4からそれぞれステップb5に進み、当該フロー
チャートの処理動作を終了する。
【0109】これによって、流量制御装置11の第2回
路の故障時に、内燃機関24がアイドル状態を越えて作
動することを防止することができる。したがって、内燃
機関24の吹上がり、および車両の急発進であるような
不都合が発生することを防止することができる。また、
第1回路および第2回路のいずれの故障時にも、流量制
御装置11に故障があることを乗車者に提示することが
できる。
【0110】続いて、第2故障判定手法を以下に詳細に
説明する。
【0111】第2故障判定手法では、故障判定回路2
8,30は、制御信号と比較信号との信号レベルの変化
パターンを比較するためのパラメータとして、単一信号
周期W11内の第1および第2比較信号のパルスの立下
がりおよび立上がりタイミングを用いる。
【0112】コイルL11と切換回路19とを含む第1
回路を例とすると、第1および第2回路の正常作動時に
は、図4(1),(4)に示すように、第1比較信号の
パルスの立下がりタイミングは、第1制御信号のパルス
の立下がりタイミングである時刻t12と一致する。ま
た、第2回路が正常作動する場合であって切換回路19
の断線故障時には、図4(1),(6)に示すように、
第1比較信号のパルスの立下がりタイミングである時刻
t14は、前述の時刻t12よりも早い。さらにまた、
コイルL11の断線故障時には、図4(1),(8)に
示すように、第1比較信号は常にハイレベルを保つの
で、パルスの立下がりが存在しない。このように、正常
作動時と故障時とは、第1比較信号の信号レベルの変化
タイミングが異なる。第2故障判定手法では、この変化
タイミングの差異を、時刻t12近傍の判定期間W26
内でのパルスの立下がりの有無から検出する。
【0113】判定期間W26は、第1制御信号のパルス
立下がりタイミングから遡航時間W27だけ遡ったタイ
ミングである時刻t15から、信号周期W11の終了タ
イミングである時刻t13までの期間である。この遡航
時間W27は、判定期間W26の開始タイミングである
時刻t15が、切換回路27の断線故障時の第1比較信
号のパルスの立下がりタイミングである時刻t14より
も時間軸上で遅くなるように設定される。
【0114】この遡航時間W27は、たとえば第1制御
信号のデューティ比に対応して、デューティ比を変更す
るたびに定められる。また遡航時間W27は、上述の条
件を満たすように実験的に定められた固定の時間であっ
てもよい。固定の遡航時間W27は、たとえば第1制御
信号のデューティ比が最小のときに、上述の条件を満た
すように決定される。このように固定の遡航時間W27
を決定すると、デューティ比が最小のデューティ比より
も増加するときでも、時刻t15が時刻t14よりも時
間軸上で遅いタイミングになる。以下の説明では、遡航
時間W27は固定の時間であるとする。
【0115】上述の第1比較信号のパルスの立下がりタ
イミングは、ラッチ検出回路47によって検出される。
ラッチ検出回路47は前述したようにフリップフロップ
回路で実現される。ラッチ検出回路47のQ端子からの
ラッチ検出信号は値0,1のいずれかを取る2値信号で
あり、初期状態では値0である。初期状態のラッチ検出
回路47は、R端子に与えられる第1制御信号にパルス
の立下がりがあると、回路47がセット状態になり、ラ
ッチ検出信号の値は値1になる。ラッチ検出回路47の
初期状態からセット状態への切換えは、後述の故障判定
動作とは独立に、回路47の機械的動作として実施され
る。
【0116】図8は、上述の第1回路の第2故障判定手
法を説明するためのフローチャートである。
【0117】内燃機関のアイドル状態の保持動作が開始
されると、ラッチ検出回路47を初期状態に戻した後、
ステップd1からステップd2に進む。ステップd2で
は、信号生成回路22は、第1制御信号のデューティ比
を演算して求める。ステップd2の動作は、図5のフロ
ーチャートのステップa2での動作と同一である。次い
で、ステップd3〜d7で、第1および第2制御信号の
生成動作と、パルスの立下がりの検出動作とを疑似的に
並列して実施する。第1および第2制御信号の生成動作
は、図5のフローチャートのステップa3の動作と同一
である。また、前述のラッチ検出回路47の初期状態か
らセット状態への切換動作は、ステップd3〜d7の処
理動作の実施中に、該処理動作とは独立して実施され
る。
【0118】具体的には、まず、時刻t11においてス
テップd3に進み、第1制御信号の生成動作として、信
号生成回路22は導出中の第1制御信号の信号レベルを
ローレベルからハイレベルに切換える。これによって、
NOT回路26からの第2制御信号の信号レベルが、ハ
イレベルからローレベルに切換えられる。以後図面で
は、第1制御信号を「S1」、第2制御信号を「S2」
と表す。
【0119】続いて、ステップd4で、立下がりの検出
動作として、判定回路49内に備えられるタイマが、時
刻t11から計時時間W28の計時を開始する。計時時
間W28は、時刻t11から前述の判定期間W26の開
始タイミングである時刻t15までの時間であり、第1
制御信号のハイレベルの保持時間W12から前述の遡航
時間W27を減算して得られる。時刻t15は、時刻t
12から遡航時間W27だけ遡った時刻であるが、実際
の第2故障判定動作時には、時刻t11から上述の計時
時間W28を計時して求める。計時時間W28は、たと
えば判定回路49において、第1制御信号のデューティ
比から保持時間W12を求め、さらに保持時間W12か
ら遡航時間W27を減算することによって求められる。
計時時間W28の計時が終了し、時刻t15に至るとス
テップd5に進む。
【0120】ステップd5では、判定回路49は、ラッ
チ検出回路47のS端子に、値1の2値信号であるよう
なリセット信号を与えて、ラッチ検出回路47を初期状
態に戻す。たとえば第1回路の切換回路19の断線故障
時には、既にラッチ検出回路47はセット状態である
が、時刻t15で初期状態に戻される。また、第1回路
および第2回路の正常作動時ならびにコイルL11の断
線故障時には、時刻t15でラッチ検出回路27は初期
状態を保つので、そのまま初期状態を保たせる。時刻t
15以後、第1回路および第2回路の正常作動時には、
ラッチ検出回路47はたとえば時刻t12でセット状態
に切換わる。
【0121】続いて、時刻t12においてステップd6
に進み、第1制御信号の導出動作として、信号生成回路
22は導出中の第1制御信号の信号レベルをハイレベル
からローレベルに切換える。これによって、NOT回路
26からの第2制御信号の信号レベルがローレベルから
ハイレベルに切換えられる。さらに時刻t13において
ステップd7に進み、信号生成回路22は導出中の第1
制御信号の信号レベルをローレベルからハイレベルに切
換える。これによってNOT回路26からの第2制御信
号の信号レベルがハイレベルからローレベルに切換えら
れる。これによって、ステップd3で開始された信号周
期W11内の第1および第2制御信号の導出が終了し、
次の信号周期W11の第1および第2制御信号の導出に
移る。時刻t13以後、ステップd8に進む。
【0122】ステップd8では、判定回路49におい
て、ラッチ検出回路47が前述のセット状態であるか否
かを判定する。この判定動作は、具体的に、ラッチ検出
回路47のQ端子からのラッチ検出信号の値が値1であ
るか否かを判定することで実施される。時刻t15でラ
ッチ検出回路47が一旦初期状態に戻されているので、
時刻t13以後のステップd8の判定の時点では、判定
期間W26内に第1制御信号にパルスの立下がりがある
ときだけ、すなわち正常作動時だけ、ラッチ検出回路4
7がセットされる。
【0123】判定回路49は、ラッチ検出回路47がセ
ット状態であるときだけ、ステップd8からステップd
9に進み、上述の第1回路に故障がなく正常作動中であ
るとと判定する。また、回路47がリセット状態である
ときには、ステップd8からステップd10に進み、第
1回路に故障があり、異常作動中であると判定する。ス
テップd9,d10では、判定回路49は、第1回路の
故障の有無の判定結果を表す判定信号をそれぞれ生成し
て、内燃機関制御回路25に導出する。ステップd9,
d10の各動作は、図5のフローチャートのステップa
6,a7の動作と同一である。判定信号導出後、正常作
動中であるときは、ラッチ検出回路48を初期状態に戻
してステップd9からステップd2に戻り、故障判定動
作を続行する。また異常作動中であるときには、ステッ
プd10からステップd11に進み、で当該フローチャ
ートの処理動作を終了する。この一連の判定動作によっ
て、第1比較信号のパルスの立下がりタイミングから、
第1回路の故障の有無を判定することができる。
【0124】第2回路の第2故障判定手法は、第1回路
の第2故障判定手法と類似する手法であり、ラッチ検出
回路64が単一信号周期W11内で第2比較信号のパル
スの立上がりを検出する点が異なり、他の挙動は等しい
ので、説明は省略する。
【0125】このような手法の第2故障判定動作が、第
1回路および第2回路それぞれに対して並列して個別的
に実施される。内燃機関制御回路25には、故障判定回
路28,30の各判定回路から判定信号が与えられる。
内燃機関制御回路25は、各判定回路49,63からの
判定信号に応答して、流量制御装置11の故障の有無を
判定し、故障が第1回路および第2回路のいずれにある
か対応して、フェールセーフ動作を実施する。内燃機関
制御回路25の流量制御装置11の故障判定動作および
フェールセーフ動作は、第1および第2回路に故障判定
動作に上述の第1故障判定手法を用いたときの回路25
の故障判定動作およびフェールセーフ動作と同一である
ので、説明は省略する。
【0126】このような動作によって、ラッチ検出回路
47,64を用いて、流量制御装置の第1回路および第
2回路の故障の有無を判定することができる。
【0127】続いて、第3故障判定手法を以下に詳細に
説明する。
【0128】第3故障判定手法では、第1および第2制
御信号のいずれか一方の導出を一時的に停止させて、そ
のときの第1および第2比較信号のいずれか一方の信号
レベルの変化パターンと第1および第2制御信号のいず
れか一方の信号レベルの変化パターンとを比較して、故
障の有無を判定する。変化パターンを比較するためのパ
ラメータには、第1および第2比較信号のパルスの立下
がりタイミングを用いる。
【0129】図9は、第3故障判定手法における流量制
御装置の各回路の挙動を説明するための波形図である、
図9の波形図の単一信号周期W11内の各信号の挙動
は、図4の波形図に表す各信号の挙動と等しく、同一の
点には同一の符号を付し、説明は省略する。また図9で
は複数の信号周期W11にわたって信号波形が表される
が、図9で表される複数周期間の第1および第2制御信
号のデューティ比は、特に指定しない限り最初の周期と
等しいものと仮定する。第3故障判定手法は、図9の波
形図で4番目の信号周期W11間に実施される。
【0130】第1回路に対して第3故障判定手法を用い
る故障判定動作を実施するとき、第1制御信号は図9
(2)に示すように、検査期間W30内で常にローレベ
ルを保つ。検査期間W30は、本実施形態では信号周期
W11と等しい。このとき、第2制御信号の信号レベル
は、図9(1)に示すように、信号生成回路22で決定
されるデューティ比の矩形パルス信号となるようにレベ
ル変化する。
【0131】第1回路が正常作動するとき、第1電気信
号の信号レベルは第1制御信号の信号レベルに対応して
変化するので、図9(3)に示すように、検査期間W3
0内で常にハイレベルを保つ。したがって、第1比較信
号の信号レベルは、図9(4)に示すように、検査期間
W30内で常にローレベルを保つ。また、切換回路19
の断線故障時には、第1電気信号の信号レベルはコイル
L11,L12の相互誘導に起因する誘導電流によって
変動するので、第2制御信号の信号レベルに対応して、
図9(5)の実線71に示すように、検査期間W30内
で変動する。この検査期間W30内の第1電気信号の挙
動は、図4(5)に示す切換回路19の断線故障時の第
1電気信号の挙動と等しい。したがって、第1比較信号
は、図9(6)の実線72に示すように、検査期間W3
0内に矩形パルスが発生するような信号である。さら
に、コイルL11の断線故障時には、図9(5)の2点
鎖線73に示すように、第1電気信号の信号レベルは常
にローレベルを保つ。したがって、第1比較信号の信号
レベルは、図9(6)の2点鎖線74に示すように、検
査期間W30内で常にハイレベルを保つ。
【0132】このように、検査期間W30内の第1比較
信号の信号レベルの挙動は、正常作動時と故障時とで異
なる。第3故障判定手法では、このレベル変化の挙動の
差異を、検査期間W30内でのパルスの立下がりの有無
と、検査期間W30内での第1比較信号の信号レベルか
ら検出する。
【0133】図10は、上述の第1回路の第3故障判定
手法を説明するためのフローチャートである。図10の
フローチャートは図8のフローチャートに類似のもので
あり、同一の動作を行うステップの詳細な説明は省略す
る。
【0134】内燃機関24のアイドル状態の維持動作が
開始されると、ステップe1からステップe2に進む。
ステップe2では、信号生成回路22は、第1制御信号
のデューティ比を演算して求める。ステップe2の詳細
な動作は、図8のフローチャートのステップd2の動作
と同一である。次いで、ステップe3では、ラッチ検出
回路47に前述のリセット信号を与えて、ラッチ検出回
路47を初期状態に戻す。ラッチ検出回路47の詳細な
挙動は第2故障判定手法で説明した挙動と等しい。また
ステップe3の動作は、図8のステップd5の動作と等
しい。
【0135】ステップe4〜e6では、第1および第2
制御信号の導出動作を行う。これらステップでは、信号
生成回路22は第1制御信号を導出し続けるが、判定回
路49は切換スイッチSW1を遮断状態に切換えるの
で、切換回路19には第1制御信号が与えられない。ゆ
えに、切換回路19のトランジスタT11は、常にオフ
状態を保つ。また、第1制御信号はNOT回路26に与
えられるので、第2制御信号が生成される。このとき判
定回路63は切換スイッチSW2を導通状態に保つの
で、第2制御信号は切換回路20に与えられる。また上
述の信号生成回路22およびNOT回路26の組合わせ
に代わって、第1および第2制御信号を個別に生成する
レジスタであるような一対の信号発生回路を準備し、切
換スイッチSW1,SW2の状態を切換えるかわりに、
各信号発生回路からの信号生成動作を個別的に停止させ
るようにしてもよい。切換スイッチSW1と抵抗R2,
R3と電源ライン41とは第1回路の強制手段を構成す
る。
【0136】具体的には、まず、時刻t11においてス
テップe4に進み、信号生成回路22は導出中の第1制
御信号の信号レベルをローレベルからハイレベルに切換
える。同時に判定回路49は切換スイッチSW1を遮断
状態とし、判定回路63は切換スイッチSW2を導通状
態のまま保つ。これによって、切換回路20に与えられ
る第2制御信号の信号レベルは、ハイレベルからローレ
ベルに切換られる。また切換スイッチSW1よりも信号
流れ下流側の切換回路19に与えられる第1制御信号の
信号レベルは、信号生成回路22からの第1制御信号の
信号レベルに拘わらず、ローレベルに保たれる。
【0137】続いて、時刻t12においてステップe5
に進み、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信
号レベルをハイレベルからローレベルに切換える。この
とき、切換スイッチSW1,SW2は遮断状態および導
通状態のままそれぞれ保たれるので、切換回路19に与
えられる第1制御信号はローレベルを保ち、切換回路2
0に与えられる第2制御信号の信号レベルだけがローレ
ベルからハイレベルに切換られる。
【0138】続いて、時刻t13においてステップe6
に進み、信号生成回路22は導出中の第1制御信号の信
号レベルをローレベルからハイレベルに切換える。切換
スイッチSW2は導通状体のまま保たれるので、NOT
回路26からの第2制御信号がそのまま切換回路20に
与えられる。また、ステップe6では、切換スイッチS
W1が導通状態に切換えられるので、以後信号生成回路
22からの第1制御信号が切換回路19に与えられる。
これら一連の動作によって、図9(2),(1)に示す
ような検査期間W30内の第1および第2制御信号が導
出される。
【0139】次いで、ステップe7では、判定回路49
において、ラッチ検出回路47が前述のセット状態であ
るか否かを判定する。この判定動作は、図8のフローチ
ャートのステップd8の動作と同一である。第3故障判
定手法では、ラッチ検出回路47が検査期間W30の開
始前に一旦初期状態に戻されているので、ステップd8
の判定の時点では、検査期間W30内に第1比較信号に
パルスの立下がりがあるときだけ、すなわち切換回路1
9の断線故障時だけ、ラッチ検出回路47がセットされ
る。判定回路49は、ラッチ検出回路47がリセット状
態であるときだけ、ステップe7からステップe8に進
む。
【0140】ステップe8では、判定回路49は、断線
判定回路48において判定される第1比較信号の信号レ
ベルのレベル弁別結果から、第1比較信号が検査期間W
30内で常にローレベルを保つか否か、すなわち第1電
気信号の信号レベルVが検査期間W30内で常に基準レ
ベルVref未満であるか否かを判定する。
【0141】断線判定回路48における上述の判定動作
は、直接第1電気信号を導入して基準レベル以下の新た
な弁別レベルに対して新たにレベル弁別する動作で実現
されてもよく、比較回路27からの第1比較信号の信号
レベルが、常にハイレベルを保つか否かを判定するよう
にしてもよい。前述したように、第1電気信号の信号レ
ベルが最小レベルVLを常に保つとき、第1回路にはコ
イルL11の断線故障が生じている。ステップe8で
は、このコイルL11の断線故障を検出するために行わ
れる。
【0142】ステップe7でラッチ検出回路47がリセ
ット状態であるときでかつステップe8で第1電気信号
の信号レベルVが弁別レベルVref未満であるとき、
ステップe9に進み、上述の第1回路に故障がなく正常
作動中であるとと判定する。また、回路47がセット状
態であるとき、または第1電気信号の信号レベルが弁別
レベル以上であるときには、ステップe7,e8からそ
れぞれステップe10に進み、第1回路に故障があり、
異常作動中であると判定する。ステップe9,e10で
は、判定回路49は、各回路の故障の有無の判定を表す
判定信号を内燃機関制御回路25に導出する。ステップ
e9,e10の詳細な動作はステップed9,d10と
同一である。
【0143】判定信号導出後、正常作動中であるとき
は、ステップe9からステップe2に戻り、故障判定動
作を続行する。また異常作動中であるときには、ステッ
プe10からステップe11に進み、当該フローチャー
トの処理動作を終了する。この一連の判定動作によっ
て、第1回路の故障の有無を判定することができる。
【0144】第2回路の第2故障判定手法は、第1回路
の第2故障判定手法と類似する手法であり、ステップe
4〜e6の信号の導出動作で切換スイッチSW1,SW
2が導通状態および遮断状態にそれぞれ保たれる点と、
ラッチ検出回路64が単一信号周期W11内で第2比較
信号のパルスの立上がりを検出する点が異なり、他の挙
動は等しいので、説明は省略する。
【0145】このような故障判定動作が、第1回路およ
び第2回路のそれぞれに対して交互に実施される。第1
回路の第3故障判定動作と第2回路の第3故障判定動作
とは、予め定める時間間隔を空けて交互に実施される。
この時間間隔は、第1および第2制御信号の制御回路2
1からの導出をそれぞれ停止させることによって、流量
制御弁13自体の動作に影響が及ばない程度の時間間隔
に設定される。この時間間隔は、たとえば、連続する2
回の第1回路の第3故障判定動作間の時間間隔が、連続
する第1および第2回路の各第3故障判定動作間の時間
間隔の2倍となるように設定される。具体的には、或る
回の第1回路の第3故障判定動作から次回の第1回路の
第3故障判定動作までの時間間隔は、約20秒であり、
或る回の第1回路の第3故障判定動作から続く回の第2
回路の第3故障判定動作までの時間間隔は、約10秒で
ある。
【0146】内燃機関制御回路25には、各回の第3故
障判定動作毎に、故障判定回路28,30のいずれか一
方の各判定回路から判定信号が与えられる。内燃機関制
御回路25は、各判定回路49,63からの判定信号に
応答して、たとえば連続して与えられる両判定回路4
9,63からの判定信号が共に故障がないことを表すと
きだけ、流量制御装置11が正常作動中であると判定す
る。このとき、内燃機関制御回路25は、そのままアイ
ドル状態の維持動作を続行する。
【0147】また、判定回路49,63のいずれか一方
から、故障があることを表す判定信号が与えられると
き、流量制御装置11が異常作動中であると判定する。
このとき、内燃機関制御回路25は図7のフローチャー
トで示す動作と同一のフェールセーフ動作を実施する。
これら動作を行うと、流量制御装置11の故障判定動作
の処理動作を終了する。このような動作によって、ラッ
チ検出回路47,64を用いて、流量制御装置の第1回
路および第2回路の故障の有無を判定することができ
る。
【0148】また、この第3故障判定手法において、ス
テップe7のラッチ検出回路47を用いるパルスの立上
がりの有無の検出に変わって、第1電気信号のレベル弁
別手段を設け、検出期間W30内で第1比較信号の信号
レベルが少なくとも1回弁別レベルVref以上になる
か否かを判定することで行ってもよい。このとき、判定
回路46は、少なくとも1回だけ第1電気信号の信号レ
ベルが弁別レベルVref以上になるとき、ステップe
10に進み、故障があり異常作動中であると判定する。
この手法を用いると、切換回路19の断線故障とコイル
L11の断線故障とを同時に検出することができる。
【0149】本実施形態の流量制御装置11は、上述し
た第1〜第3故障判定手法のうちの少なくとも1つの手
法を用いて、第1回路および第2回路の故障の有無を検
出する。このため、故障判定回路28,30は、実施す
る故障判定手法に関連する回路だけを含み、実施しない
故障判定手法の回路を削除してもよい。
【0150】また、流量制御装置11は、それぞれ第1
回路および第2回路のいずれか一方だけの故障の有無を
判定するための構造を有していてもよい。そのとき、比
較回路27,29と故障判定回路28,30とは、それ
ぞれ故障を検出すべき回路に応じて、いずれか一方だけ
が準備される。たとえば、第1回路だけの故障の有無を
判定する構造の流量制御装置では、比較回路27と故障
判定回路28とが準備され、比較回路29と故障判定回
路30とは削除される。また逆に、第2回路だけの故障
の有無を判定する構造の流量制御装置では、比較回路2
9と故障判定回路30とが準備され、比較回路27と故
障判定回路29とは削除されてもよい。
【0151】さらにまた、本発明の電磁石装置17、な
らびに、切換回路19,20、比較回路27,29およ
び制御回路21を含む故障判定装置は、流量制御弁13
以外の他の弁装置に取付けられてもよい。たとえば、前
述した内燃機関24に燃料を供給するための燃料噴射弁
103を含む燃料噴射装置に取付けられてもよい。
【0152】燃料噴射装置の燃料噴射弁103は、たと
えば図1で示すように内燃機関24への吸入管路101
のうち、スロットル弁102よりも空気流れ下流側の部
分に設けられる。この燃料噴射弁103の構造は、上述
の流量制御弁13の構造と類似し、弁体が燃料槽と吸入
管路101とを接続する燃料供給管路108内に設置さ
れる点が異なり、他の構造は等しい。また燃料噴射弁1
03は、内燃機関24のシリンダ内に直接燃料を供給す
る構造であってもよい。この弁体は上述の電磁石装置1
7によって、流量制御弁13の弁体15と同様に変位さ
れる。電磁石装置のコイルL11,L12を制御するた
めの第1および第2制御信号のデューティ比は、内燃機
関24に吸入される混合気体の空燃比が理想空燃比とな
るように、内燃機関24の現在の作動状態と理想の作動
状態とによって決定される。コイルL11を含む第1回
路とコイルL12を含む第2回路の故障判定動作は、上
述の第1〜第3故障判定手法で実施される。
【0153】この故障判定手法を用いることで、電磁石
装置17の故障を容易に判定することができる。また、
電磁石装置17の第1回路の故障によって、燃料が無制
限に噴射されて空燃比が理想空燃比よりも大きくなるこ
とで、排気ガス内の一酸化炭素、窒素化合物、および炭
化水素の含有量が増大して、排出管路内の触媒で除去し
きれなくなることを未然に防止することができる。
【0154】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、磁気結合
する一対のコイルを含む電磁石の故障判定装置は、コイ
ルとスイッチング素子とを含む回路内の断線であるよう
な故障を検出する。この装置の故障検出手法は、コイル
とスイッチング手段との間の接続点に現れる電気信号の
信号レベルのレベル弁別結果の変化パターンと、スイッ
チング手段を導通および遮断させるための制御信号の信
号レベルの変化パターンとを比較して行う。これによっ
て比較手段からの出力に応答する故障判定手段におい
て、一対のコイル間の相互インダクタンスが大きいとき
に、コイルの断線、スイッチング手段の断線、およびス
イッチング手段に制御信号を与える信号伝達経路の断線
を全て検出することができる。
【0155】また本発明によれば、故障判定手段は、電
気信号のレベル弁別結果を表す比較信号のレベルの継続
時間と、第1制御信号のレベル変化から算出可能な第1
スイッチング手段の保持時間とを比較して、故障の有無
を判定する。これによって、相互インタクダンスが大き
い装置で、第1スイッチング手段の断線および信号伝達
経路の断線であるような故障があるために、相互誘導の
起電力によって電気信号のレベルが弁別レベル以上から
未満に、またはその逆に変動するときでも、故障がある
と判定することができる。またこの故障判定手段は、比
較信号の継続時間の計時手段と、第1制御信号からの保
持時間の算出手段と、継続時間と保持時間との比較手段
とを含むだけなので、回路構成が簡単であって実現が容
易である。
【0156】さらにまた本発明によれば、上述の故障判
定手段は、継続時間の長さによって、装置の故障箇所が
接続点よりも第1コイル側であるか第1スイッチング手
段側であるかを判別することができる。これによって、
継続時間を2種類の基準の時間とそれぞれ比較するだけ
で、故障の有無の判定と故障箇所の判別とを行うことが
できる。またこの故障箇所判別手法は、継続時間と基準
の時間との比較だけで実施することができるので、上述
の故障判定手段に付加して実現することが容易である。
【0157】また本発明によれば、上述の故障判定手段
は、電気信号の信号レベルの弁別結果を表す比較信号の
所定のレベル変化が所定の判定期間内に生じたか否かを
検出して、故障の有無を判定する。この判定期間の計時
動作の開始時点は、第1スイッチング手段の断線および
信号伝達回路の断線であるような故障が生じる場合で一
対のコイル間の相互インダクタンスが大きいときに、比
較信号に生じる所定のレベル変化が生じた時点以後に設
定される。これによって、前述のときに、たとえば相互
誘導の起電力によって電気信号のレベルが弁別レベル以
上から未満に、またはその逆に変動するときでも、故障
があると判定することができる。またこの故障判定手段
は、判定期間の計時手段と、比較信号の所望のレベル変
化の検出手段とだけで実現することができるので、回路
構造が簡単であって実現が容易である。
【0158】さらにまた本発明によれば、上述の故障判
定手段は、所定の検査期間中に、第1スイッチング手段
を導通状態または遮断状態に強制的に固定し、このとき
の上述の比較信号がレベル変化したか否かを検出するこ
とによって、故障の有無を判定する。この判定手法で
は、第1スイッチング手段の断線および信号伝達回路の
断線であるような故障が生じるときだけ、比較信号の信
号レベルが変化するので、このレベル変化から、故障が
あることを判定することができる。またこの故障判定手
法は、制御信号の導出の停止手段と、判定期間の計時手
段と、比較信号のレベル変化の有無の検出手段とだけで
実現することができるので、回路構造が簡単であって実
現が容易である。
【0159】また本発明によれば、上述の故障判定手段
は、所定の検査期間中に、第1スイッチング手段を導通
状態または遮断状態に強制的に固定し、このときの上述
の電気信号がレベル変化したか否かを検出することによ
って、故障の有無を判定する。この判定手法では、第1
スイッチング手段の断線および信号伝達回路の断線であ
るような故障が生じるときだけ、電気信号の信号レベル
が変化するので、このレベル変化から、故障があること
を判定することができる。またこの故障判定手段は、制
御信号の導出の停止手段と、判定期間の計時手段と、電
気信号のレベル弁別手段とだけで実現することができる
ので、実現が容易である。さらに、この故障判定手法
は、電気信号のレベルを直接判定するので、上述の故障
判定装置から比較信号の生成回路を削除して、回路構造
をさらに簡略化することができる。
【0160】さらにまた本発明によれば、上述の故障判
定手段は、検査期間中の上述の故障判定手法に加えて、
第1コイルの故障判定動作を行う。これによって、上述
した3カ所の断線を全て検出する事ができる。また、第
1コイルの故障判定手段は、比較信号のレベルをレベル
弁別してもよく、また電気信号のレベルをを直接判定し
てもよい。第1コイルの故障判定動作で電気信号のレベ
ルを直接判定するときであって上述の電気信号を用いる
第1スイッチング手段の故障判定動作と併用するとき、
上述の故障判定装置から比較信号の生成回路を削除し
て、回路構造を簡略化することができる。
【0161】また本発明によれば、一対のコイルを有す
る電磁石装置で弁体を変位させる構造の弁を含む流量制
御装置および内燃機関の燃料噴射装置では、上述の故障
判定装置を用いて、両コイルを含む回路の故障を個別的
に検出する。これによって、特に車両用の内燃機関に付
随するような流量制御弁および燃料噴射弁を含み、小型
化のために両コイルの鉄芯を単一の棒材で実現する装置
において、一方のコイルだけが故障して他方のコイルが
正常作動するときに、確実に各コイルの故障を判定する
事ができる。また、コイルの判定手法は上述の複数の手
法のいずれかで実現され、、実現のために付加する回路
数が少なく、また各回路の構造も簡単なので、装置全体
の構造が簡略化される。
【0162】さらにまた本発明によれば、上述の流量制
御装置を車両の吸入空気量の制御に用いる場合、流量制
御弁の弁開度を減少させる方向に弁体を変位させるコイ
ルが故障するとき、トルクが減少するように内燃機関を
制御する。これによって、上述のコイルが故障するとき
に、内燃機関の吹上がりであるような不都合が生じるこ
とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である電磁石装置17の
故障判定装置を含む流量制御装置11の電気的構成を示
すブロック図である。
【図2】流量制御弁13の外観を示す斜視図である。
【図3】電磁石装置17の具体的構造を示す模式図であ
る。
【図4】流量制御装置11の制御回路21から出力され
る第1および第2制御信号、ならびに流量制御装置11
の第1回路の正常動作時および故障時に、各回路から出
力される第1電気信号および第1比較信号を表す波形図
である。
【図5】流量制御装置の第1回路の第1故障判定手法を
説明するためのフローチャートである。
【図6】流量制御装置の第1回路の故障箇所判定手法を
説明するためのフローチャートである。
【図7】内燃機関制御装置24のフェールセーフ動作を
説明するためのフローチャートである。
【図8】流量制御装置の第1回路の第2故障判定手法を
説明するためのフローチャートである。
【図9】流量制御装置の第1回路の第3故障判定動作に
おいて、流量制御装置11の制御回路21から出力され
る第2および第1制御信号、ならびに流量制御装置11
の第1回路の正常動作時および故障時に、各回路から出
力される第1電気信号および第1比較信号を表す波形図
である。
【図10】流量制御装置の第1回路の第3故障判定手法
を説明するためのフローチャートである。
【図11】第1の従来技術の電磁石装置の故障判定装置
1の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】故障判定装置1から出力される第1および第
2制御信号を表す波形図、ならびに故障判定装置1の故
障判定装置1から正常動作時および故障時に出力される
第1電気信号を表す波形図である。
【符号の説明】
11 流量制御装置 13 流量制御弁 14 迂回管路 15 弁体 17 電磁石装置 19,20 切換回路 22 信号生成回路 26 NOT回路 27,29 比較回路 28,30 故障判定回路 46,62 タイマ 47,64 ラッチ検出回路 48,65 断線判定回路 49,63 判定回路 24 内燃機関 25 内燃機関制御回路 P11 第1接続点 P12 第2接続点 L11,L12 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 69/46 G01R 31/00 G01M 17/007 F02M 69/00 380F G01R 31/00 G01M 17/00 K

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気結合した一対の第1および第2コイ
    ルを有する電磁石装置と、 第1コイルに直列接続され、導通状態のとき第1コイル
    が励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第
    1スイッチング手段と、 第2コイルに直列接続され、導通状態のとき第2コイル
    が励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第
    2スイッチング手段と、 第1スイッチング手段を導通/遮断する第1制御信号
    と、第2スイッチング手段を導通/遮断する第2制御信
    号とを発生し、第1および第2制御信号は、第1スイッ
    チング手段が導通状態で第2スイッチング手段が遮断状
    態である第1期間、および第1スイッチング手段が遮断
    状態で第2スイッチング手段が導通状態である第2期間
    を有するように、第1および第2スイッチング手段をデ
    ューティ制御する信号発生手段と、 第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点にお
    ける電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベルでレ
    ベル弁別する比較手段と、 比較手段からの出力に応答し、第1接続点の電気信号の
    信号レベルの変化パターンと第1制御信号の信号レベル
    の変化パターンとを比較することによって、故障を判定
    する故障判定手段を含むことを特徴とする電磁石装置の
    故障判定装置。
  2. 【請求項2】 前記比較手段は、前記電気信号のレベル
    が前記弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保
    ち、弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ
    比較信号を生成し、 前記故障判定手段は、 前記第1制御信号の信号レベルの変化タイミングから、
    比較信号が一方レベルまたは他方レベルを保つ継続時間
    を計時する計時手段と、 計時手段で計時される継続時間が、第1制御信号によっ
    て第1スイッチング手段が導通状態または遮断状態に保
    たれる保持時間と一致するとき、故障がないと判定し、
    継続時間が保持時間と一致しないとき、故障があると判
    定する判定手段とを含むことを特徴とする請求項1記載
    の電磁石装置の故障判定装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、前記継続時間が保持時
    間と一致しない場合であって継続時間が予め定める時間
    未満のとき、第1接続点よりも第1コイル側の経路に故
    障があると判定し、一致しない場合であって継続時間が
    予め定める時間以上のとき、第1接続点よりも第1スイ
    ッチング手段側の経路に故障があると判定することを特
    徴とする請求項2記載の電磁石装置の故障判定装置。
  4. 【請求項4】 前記比較手段は、前記電気信号のレベル
    が前記弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保
    ち、弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ
    比較信号を生成し、 前記故障判定手段は、 前記第1制御信号によって第1スイッチング手段が導通
    状態および遮断状態のいずれか一方状態からいずれか他
    方状態に切換えられるタイミングから第1制御信号のデ
    ューティ比に対応して定められる時間だけ遡る時点から
    計時される予め定める判定期間内の比較信号のレベル変
    化の有無を検出する検出手段と、検出手段の出力に応答
    し、レベル変化があるとき故障がないと判定し、レベル
    変化がないとき故障がないと判定する判定手段とを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁石装置の故障判定
    装置。
  5. 【請求項5】 前記比較手段は、前記電気信号のレベル
    が前記弁別レベル未満のとき予め定める一方レベルを保
    ち、弁別レベル以上のとき予め定める他方レベルを保つ
    比較信号を生成し、 前記故障判定手段は、 予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通
    状態または遮断状態に保つ強制手段と、 検査期間内の比較信号のレベル変化の有無を検出する検
    出手段と、 検出手段の出力に応答し、レベル変化がないとき故障が
    ないと判定し、レベル変化があるとき故障があると判定
    する判定手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の
    電磁石装置の故障判定装置。
  6. 【請求項6】 前記故障判定手段は、 予め定める検査期間、前記第1スイッチング手段を導通
    状態または遮断状態に保つ強制手段と、 検査期間内に前記電気信号の信号レベルが前記弁別レベ
    ル以上を保つとき、前記第1接続点よりも第1スイッチ
    ング手段側の経路に故障がないと判定し、検査期間内に
    信号レベルが弁別レベル未満になるとき、第1スイッチ
    ング手段側の経路に故障があると判定する判定手段とを
    含むことを特徴とする請求項1記載の電磁石装置の故障
    判定装置。
  7. 【請求項7】 前記故障判定手段は、前記検査期間内に
    前記第1接続点の電気信号のレベルが前記弁別レベル以
    下の予め定めるもう1つの弁別レベル未満を保つとき、
    第1接続点よりも第1コイル側の経路に故障があると判
    定し、前記検査期間内にもう1つの弁別レベル以上にな
    るときには第1接続点よりも第1コイル側の経路に故障
    なしと判定する断線判定手段をさらに含むことを特徴と
    する請求項5または6記載の電磁石装置の故障判定装
    置。
  8. 【請求項8】 予め定める流体が通過する流体経路に介
    在される弁体を有する弁手段と、 弁手段の弁開度を表す指示信号を出力する開度決定手段
    と、磁気結合した一対の第1および第2コイルであっ
    て、第1コイルは弁開度が増加する方向に弁体を変位さ
    せ、第2コイルは弁開度が減少する方向に弁体を変位さ
    せる電磁石装置と、 第1コイルに直列結合され、導通状態のとき第1コイル
    が励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第
    1スイッチング手段と、 第2コイルに直列結合され、導通状態のとき第2コイル
    が励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第
    2スイッチング手段と、 開度決定手段からの指示信号に応答し、弁開度に対応す
    るデューティ比が相互に定められる第1および第2制御
    信号であって、第1スイッチング手段を導通/遮断する
    第1制御信号と、第2スイッチング手段を導通/遮断す
    る第2制御信号とを発生し、第1および第2制御信号
    は、第1スイッチング手段が導通状態で第2スイッチン
    グ手段が遮断状態である第1期間、および第1スイッチ
    ング手段が遮断状態で第2スイッチング手段が導通状態
    である第2期間を有するように、第1および第2スイッ
    チング手段をデューティ制御する信号発生手段と、 第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点にお
    ける第1電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベル
    でレベル弁別する第1比較手段と、 第1比較手段からの出力に応答し、第1電気信号の信号
    レベルの変化パターンと第1制御信号の信号レベルの変
    化パターンとを比較することによって、第1コイルおよ
    び第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の故障
    を判定する第1故障判定手段と、 第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点にお
    ける第2電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベル
    でレベル弁別する第2比較手段と、 第2比較手段からの出力に応答し、第2電気信号の信号
    レベルの変化パターンと、第2制御信号の信号レベルの
    変化パターンとを比較することによって、第2コイルお
    よび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路の故
    障を判定する第2故障判定手段とを含むことを特徴とす
    る流量制御装置。
  9. 【請求項9】 前記流体は、内燃機関に供給される吸入
    空気であり、 前記流体経路は、内燃機関に空気を供給するための吸入
    管路に付随し、吸入管路のうちスロットル弁の取付位置
    を迂回する迂回管路であることを特徴とする請求項8記
    載の流量制御装置。
  10. 【請求項10】 前記第1および第2電力供給経路の少
    なくとも一方に故障があることを表示する表示手段と、 前記第1および第2故障判定手段の少なくとも一方で故
    障ありと判定されるとき、表示手段によって故障がある
    ことを表示し、さらに前記第2故障判定手段によって故
    障ありと判定されるとき、内燃機関のトルクを減少させ
    る内燃機関制御手段とをさらに有することを特徴とする
    請求項9記載の流量制御装置。
  11. 【請求項11】 内燃機関に燃料を供給するために弁体
    が変位する燃料噴射弁と、 燃料噴射弁からの燃料流量を表す指示信号を導出する燃
    料噴射量決定手段と、磁気結合した一対の第1および第
    2コイルであって、第1コイルは弁開度が増加する方向
    に弁体を変位させ、第2コイルは弁開度が減少する方向
    に弁体を変位させる電磁石装置と、 第1コイルに直列結合され、導通状態のとき第1コイル
    が励磁され、遮断状態のとき第1コイルが消磁される第
    1スイッチング手段と、 第2コイルに直列結合され、導通状態のとき第2コイル
    が励磁され、遮断状態のとき第2コイルが消磁される第
    2スイッチング手段と、 燃料噴射量決定手段からの指示信号に応答し、燃料流量
    に対応する弁開度に対応するデューティ比が相互に定め
    られる第1および第2制御信号であって、第1スイッチ
    ング手段を導通/遮断する第1制御信号と、第2スイッ
    チング手段を導通/遮断する第2制御信号とを発生し、
    第1および第2制御信号は、第1スイッチング手段が導
    通状態で第2スイッチング手段が遮断状態である第1期
    間、および第1スイッチング手段が遮断状態で第2スイ
    ッチング手段が導通状態である第2期間を有するよう
    に、第1および第2スイッチング手段をデューティ制御
    する信号発生手段と、 第1コイルと第1スイッチング手段との第1接続点にお
    ける第1電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベル
    でレベル弁別する第1比較手段と、 第1比較手段からの出力に応答し、第1電気信号の信号
    レベルの変化パターンと、第1制御信号の信号レベルの
    変化パターンとを比較することによって、第1コイルお
    よび第1スイッチング手段を含む第1電力供給経路の故
    障を判定する第1故障判定手段と、 第2コイルと第2スイッチング手段との第2接続点にお
    ける第2電気信号の信号レベルを予め定める弁別レベル
    でレベル弁別する第2比較手段と、 第2比較手段からの出力に応答し、第2電気信号の信号
    レベルの変化タイミングと、第2制御信号の信号レベル
    の変化タイミングとを比較することによって、第2コイ
    ルおよび第2スイッチング手段を含む第2電力供給経路
    の故障を判定する第2故障判定手段とを含むことを特徴
    とする内燃機関の燃料噴射装置。
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