JPH10158015A - 表面処理された酸化チタンゾルの製造方法 - Google Patents

表面処理された酸化チタンゾルの製造方法

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JPH10158015A
JPH10158015A JP1758797A JP1758797A JPH10158015A JP H10158015 A JPH10158015 A JP H10158015A JP 1758797 A JP1758797 A JP 1758797A JP 1758797 A JP1758797 A JP 1758797A JP H10158015 A JPH10158015 A JP H10158015A
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oxide sol
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化チタンの分散性及びその安定性に優れ、可
視部の波長の光に対する透明性に優れた酸化チタンゾル
を得る。 【解決手段】チタン化合物水溶液を加熱加水分解し、若
しくはチタン化合物水溶液にアルカリを添加し中和して
得た酸化チタン微粒子を、モル比で表して酸化チタン/
鉱酸が1/0.5〜1/2の範囲になるように、鉱酸と
混合してスラリーとした後、50℃以上該スラリーの沸
点以下の温度で加熱処理し、次いで、前記の酸化チタン
の表面にケイ素及び/又はアルミニウムの含水酸化物を
析出させて表面処理し、次いで、前記の表面処理した酸
化チタンのスラリーから不純物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタンを溶媒
中に分散してなる酸化チタンゾルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは化学的に安定であり、か
つ、紫外線を吸収する性質を持っている。そして、その
粒子径を小さくしていくと、可視部の波長の光に対して
透明性を持つようになってくる。そこで、この可視部に
透明な酸化チタンを溶媒中に分散してなる酸化チタンゾ
ルを、必要に応じて樹脂と混合し、基体上に塗布したり
或いは成形したりしたものは、可視部の波長の光に対し
ては透明であり、しかも、紫外線を吸収・遮蔽する性質
を有するので、食品や医薬品等のプラスチック包装材、
施設農園芸用プラスチック被覆材、化粧品用途等に利用
されている。
【0003】これら用途に用いる酸化チタンゾルの製造
方法としては、酸化チタン微粒子を酸を用いて解膠す
る方法、酸化チタン微粒子をアルカリ金属の水酸化物
とともに加熱処理し、次いで塩酸水溶液中で熟成し、濾
過膜を用いて洗浄する方法(特開昭62−235215
号公報)、で得られた酸性の酸化チタンゾル中に分
散安定剤を添加し、次いで、ゾル中に含まれる陰イオン
を除去する方法(特開昭64−3020号公報)等が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の酸化チタンゾル
は、可視部の波長の光に対する透明性がやや劣り、より
一層透明性に優れた酸化チタンゾルが望まれている。ま
た、酸化チタンに紫外部の波長の光が照射されると、い
わゆるチョーキングを起こしやすく、プラスチック等を
劣化しやすいという問題がある。また、前記、の方
法で得られる酸性域又はアルカリ性域で安定化された酸
化チタンゾルは、多量に存在する酸やアルカリの悪影響
のために、使用できる用途が限定されてしまうという問
題がある。一方、前記の方法で得られる中性域の酸化
チタンゾルでは、分散安定剤の種類によってはその使用
が制限される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の
方法で用いる酸化チタン微粒子がチタン化合物水溶液を
加熱加水分解し、若しくはチタン化合物水溶液にアルカ
リを添加し中和して得られる極微細な酸化チタンである
ため、この酸化チタン微粒子を酸で解膠しても凝集しや
すく、分散性及びその安定性が劣ること、しかも、この
酸化チタン微粒子の内部にはアルカリ根、硫酸根、塩素
根等の不純物が存在しやすく、この不純物が分散性及び
その安定性に悪影響を及ぼすこと等により、可視部の波
長の光に対する透明性が劣ると考えた。また、前記で
用いる酸化チタンは、チタン酸アルカリの加熱処理によ
り粒子成長しやすく、粒子径の大きい酸化チタンが多く
存在すること等により、可視部の波長の光に対する透明
性が劣ると考えた。また、中性域の酸化チタンゾルを得
るために、前記、の方法で得た酸性域の酸化チタン
ゾルを中和しても、酸化チタン微粒子の等電点が6程度
であることから、酸化チタン微粒子が凝集してしまい、
分散性及びその安定性が劣ること等により、可視部の波
長の光に対する透明性が劣ると考えた。従って、可視部
の波長の光に対する透明性を改善するためには、酸化チ
タンの分散性及びその安定性を改善する必要があり、そ
のためには、酸化チタンの粒子径を適宜調整し、酸化チ
タンに存在する不純物の量を削減すること、更に、酸化
チタンの等電点を適宜コントロールする必要があると考
えた。このような考えに基づき、種々研究した結果、チ
タン化合物水溶液を加熱加水分解し、若しくはチタン化
合物水溶液にアルカリを添加し中和して、平均粒径が1
〜30nmの酸化チタンを得る第一の工程、モル比で表
して酸化チタン/鉱酸が1/0.5〜1/2の範囲にな
るように、前記酸化チタンと鉱酸とを混合したスラリー
を、50℃以上該スラリーの沸点以下の温度で加熱処理
する第二の工程、前記の第二の工程で得られた酸化チタ
ンのスラリーに、ケイ素及び/又はアルミニウムの化合
物を添加し、酸化チタンの表面にケイ素及び/又はアル
ミニウムの含水酸化物を析出させて表面処理する第三の
工程、次いで、前記の第三の工程で得られた表面処理さ
れた酸化チタンのスラリーから不純物を除去する第四の
工程からなることにより、可視部の波長の光に対する透
明性に優れた酸化チタンゾルが得られること、しかも、
酸化チタンの表面をケイ素及び/又はアルミニウムの含
水酸化物で処理しているため、十分な耐光性を有してい
ること等を見出し、本発明を完成した。
【0006】更に、前記第四の工程により、酸化チタン
のスラリーから不純物を除去した後、該スラリー中の水
を有機溶媒で置換する第五の工程からなることにより、
可視部の波長の光に対する透明性に優れた有機溶媒系酸
化チタンゾル或いは水−有機溶媒系酸化チタンゾルが得
られること等を見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、可視部の波長の光に
対する透明性に優れた酸化チタンゾルの製造方法を提供
することにある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、まず、酸化チタ
ン微粒子は、公知の方法である、チタン化合物水溶液を
加熱加水分解したり、チタン化合物水溶液にアルカリを
添加し中和したりして得る(第一の工程)。このように
して得られた酸化チタン微粒子の平均粒径は1〜30n
mであり、好ましい平均粒径は1〜20nmであり、よ
り好ましい平均粒径は1〜10nmである。酸化チタン
微粒子の平均粒径が30nmより大きいと、その後の処
理により粒子成長して、所望の粒子径を有する酸化チタ
ンが得られない。酸化チタン微粒子の平均粒径は、加熱
加水分解や中和の温度を下げたり、中和の反応速度を遅
くすることにより、より微細な酸化チタンが得られる。
なお、酸化チタン微粒子の平均粒径はシェラー法により
測定する。前記チタン化合物としては、硫酸チタニル、
四塩化チタン等の水溶性無機チタン化合物を用いること
ができる。酸化チタンの結晶型としては、ルチル型、ア
ナターゼ型のいずれでもよいが、耐光性がより優れたル
チル型が好ましい。ルチル型構造を有する酸化チタン
は、チタン化合物として四塩化チタンを用いたり、予め
ルチル型構造を有する核形成用種子を添加して加熱加水
分解、若しくは中和したりすると得られ、四塩化チタン
水溶液にアルカリを添加し中和する方法がより好まし
い。次に、このようにして得られた酸化チタン微粒子を
通常の濾過法により濾過し、洗浄したり、後述するイオ
ン交換法、限外濾過法等により不純物を除去したりする
のが好ましい。洗浄は、濾液の導電率が5mS/cm以
下となるように行うのが好ましく、より好ましくは2m
S/cm以下である。濾液の導電率が前記範囲より高い
と、分散性に優れた酸化チタンゾルが得られ難く、ひい
ては可視部の波長の光に対する透明性に優れたものが得
られ難いため好ましくない。
【0009】次いで、第一の工程で得られた酸化チタン
微粒子と鉱酸とを混合したスラリーを、50℃以上該ス
ラリーの沸点以下の温度で加熱処理(以後、酸加熱処理
という)する(第二の工程)。酸化チタン微粒子と鉱酸
との混合比は、モル比で表して酸化チタン/鉱酸が1/
0.5〜1/2の範囲になるようにするのが好ましく、
より好ましくは1/0.7〜1/1.5、最も好ましく
は1/0.8〜1/1.2である。また、酸加熱処理
は、50℃以上スラリーの沸点以下の温度で行うのが好
ましく、より好ましくは70℃以上スラリーの沸点以
下、最も好ましくは80℃以上スラリーの沸点以下であ
る。酸加熱処理は、酸化チタン微粒子の内部に存在する
濾過、洗浄で除去しきれない不純物を削減でき、また、
酸化チタン微粒子の粒子径を適宜調整することができる
と推測している。しかしながら、酸化チタンと鉱酸との
モル比、及び酸加熱処理の温度が前記範囲から外れる
と、酸化チタン微粒子の内部に存在する不純物を削減で
き難く、また、酸化チタン微粒子の粒子径の調整ができ
難いため好ましくない。特に、酸加熱処理の温度が前記
範囲より高いと、酸加熱処理により、酸化チタンの粒子
成長が顕著になり、所望の酸化チタンが得られないため
好ましくない。鉱酸としては、硝酸、塩酸、硫酸等を用
いることができ、特に硝酸が好ましい。なお、本発明で
用いる酸加熱処理は、処理後のスラリーはゾルの状態と
はなっておらず、この点で解膠処理とは明確に区別され
る。次に、このようにして得られた酸化チタンのスラリ
ー中に存在する不純物を中和、洗浄による方法、後述す
るイオン交換法、限外濾過法等により除去するのが好ま
しい。不純物の除去は、スラリーの導電率が5mS/c
m以下となるように行うのが好ましく、より好ましくは
2mS/cm以下である。スラリーの導電率が前記範囲
より高いと、最終物である酸化チタンゾルの分散性に優
れたものが得られ難く、ひいては可視部の波長の光に対
する透明性に優れたものが得られ難いため好ましくな
い。
【0010】次いで、前記の第二の工程で得られた酸化
チタンのスラリーに、ケイ素及び/又はアルミニウムの
化合物を添加し、酸化チタンの表面にケイ素及び/又は
アルミニウムの含水酸化物を析出させて表面処理する
(第三の工程)。この表面処理は、酸化チタンの等電点
を適宜コントロールすることができ、酸化チタンの分散
性及びその安定性を改善することができると推測してい
る。また、アルミニウムの含水酸化物を析出させると、
その後の濾過がしやすくなる。この表面処理は、酸化チ
タン顔料粒子の公知の方法を応用することができる。す
なわち、酸化チタンのスラリーに、ケイ素及び/又はア
ルミニウムの化合物を添加し、中和等して含水酸化物を
析出させる。ケイ素化合物としては、ケイ酸ナトリウム
等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩を用いることができ、
それらの中でも、ケイ酸ナトリウムは、無色であり、酸
化チタンゾルが着色しないので好ましい。また、アルミ
ニウム化合物としては、アルミン酸ナトリウム、水酸化
アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等
を用いることができる。ケイ素、アルミニウムの含水酸
化物の処理量は、酸化チタンに対して酸化物基準で10
〜25重量%が好ましく、12〜20重量%がより好ま
しい。処理量が前記範囲より少ないと、可視部の波長の
光に対する透明性に優れたものが得られ難く、また、最
終物の酸化チタンの耐光性が充分なものとならなかった
りするため好ましくなく、また、処理量が前記範囲より
多いと、逆に酸化チタンが凝集し、ゾルの粘度が上昇し
やすく、分散性が悪化し可視部の波長の光に対する透明
性に優れたものが得られ難いため好ましくない。なお、
表面処理を施す、第二の工程で得られた酸化チタンのス
ラリーは、アルカリ性にしておくのが好ましく、スラリ
ーのpHを9〜10とするのがより好ましい。また、前
記スラリー中の酸化チタンの濃度は、固形分濃度として
5〜10重量%が好ましい。
【0011】次いで、前記の第三の工程で得られた表面
処理された酸化チタンのスラリーから不純物を除去する
(第四の工程)。このスラリーには、前工程で混入した
不純物を多く含有している。これら不純物を除去するに
は、通常の濾過法により濾過し、洗浄したり、イオン交
換法、限外濾過法等を用いて除去する。本発明において
は、イオン交換法、限外濾過法を用いるのが好ましい。
イオン交換法は、スラリーに陽イオン交換樹脂を添加し
て陽イオンを除去し、陽イオン交換樹脂を分離した後、
陰イオン交換樹脂を添加して陰イオンを除去し、陰イオ
ン交換樹脂を分離したり、また逆にスラリーに陰イオン
交換樹脂を添加して陰イオンを除去し、陰イオン交換樹
脂を分離した後、陽イオン交換樹脂を添加して陽イオン
を除去し、陽イオン交換樹脂を分離したりして、不純物
を除去する方法である。陽イオン交換樹脂は、強酸性、
弱酸性の区別無く、例えば市販のアンバーライト(オル
ガノ(株)製)、ダイアイオン(三菱化学(株)製)等
を用いることができる。また、陰イオン交換樹脂は、強
塩基性、弱塩基性の区別無く、陽イオン交換樹脂同様例
えば市販のアンバーライト(オルガノ(株)製)、ダイ
アイオン(三菱化学(株)製)等を用いることができ
る。限外濾過法は、ミクロンオーダーの細孔を有するセ
ラミックフィルター、プラスチック製中空糸膜等をフィ
ルターとして用いて不純物を除去する方法であって、酸
化チタンゾルの用途に応じて所望の固形分濃度にまで濃
縮することができ、工業的製造にも有利であるので好ま
しい方法である。不純物の除去は、スラリーの導電率が
5mS/cm以下となるように行うのが好ましく、より
好ましくは2mS/cm以下である。スラリーの導電率
が前記範囲より高いと、最終物である酸化チタンゾルの
分散性に優れたものが得られ難く、ひいては可視部の波
長の光に対する透明性に優れたものが得られ難いため好
ましくない。
【0012】更に、必要に応じて、前記第四の工程で得
られた、不純物を除去した酸化チタンのスラリー中の水
を有機溶媒で置換する(第五の工程)。水との溶媒置換
を行うためには、公知の方法を採用することができ、例
えば、スラリー中に有機溶媒を添加し混合した後、加熱
還流して水を留去させる方法を採用することができる。
溶媒置換量は、用途に応じて適宜調整することができ、
必ずしも水の全てを有機溶媒で置換しなくてもよい。有
機溶媒としては、極性を持つものならば何れでも使用で
きる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、ブタノール等のアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、1、2−ブチレングリコール、1、3−ブチレン
グリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキシレング
リコール、オクチレングリコール、グリセリン、ヘキサ
グリセロール等の多価アルコール類、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレ
ングリコール等のエーテル類、ぎ酸エチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類などを用いることができ
る。特に、水に可溶な極性溶媒は、分散性の優れたゾル
が得られやすいため好ましい。また、エタノール、イソ
プロピルアルコール、プロピレングリコール、1、3−
ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ポリエチレングリコール等の化粧
品原料基準に定められている有機溶媒を用いることによ
り、水系酸化チタンゾルと同様に化粧品原料としての利
用が可能である。
【0013】前記の第一の工程〜第四の工程、或いは第
五の工程を経て酸化チタンゾルにするには、(1)表面
処理する第三の工程の前に酸化チタンを分散させたり、
(2)表面処理した第三の工程の後(不純物を除去する
第四の工程の前)に酸化チタンを分散させたり、(3)
不純物を除去した第四の工程の後に酸化チタンを分散さ
せたり、(4)有機溶媒に置換した第五の工程の後に酸
化チタンを分散させたりして、酸化チタンゾルとするの
が好ましい。前記の(1)、(2)で酸化チタンを分散
させておくと、第四の工程、或いは第五の工程が終了し
た時点で酸化チタンゾルが得られる。前記の(1)の手
段は、表面処理がより均一に行われるため、好ましい実
施態様である。酸化チタンを分散させるには、ボールミ
ル、サンドミル、コロイドミル、ラインミル、ホモジナ
イザー等の分散機を用いたり、超音波発振器を用いたり
することができる。更に、酸、アルカリを添加したり、
分散安定剤を添加したりして分散させてもよい。なお、
このようにして得られた酸化チタンゾルをその用途に応
じて所望の固形分濃度にまで濃縮してもよい。濃縮する
には、遠心分離器、ロータリーエバポレーター、加熱蒸
発する方法等を用いたり、限外濾過法を用いることがで
きる。
【0014】ゾルのpHが5〜9.5の範囲である酸化
チタンゾルは、使用できる用途が限定されないため、好
ましいゾルである。本発明で得られた酸化チタンゾル
は、5〜9.5の範囲でも凝集せず、分散性及びその安
定性に優れている。このような酸化チタンゾルを得るに
は、前記の(1)〜(3)のいずれかの時点で酸化チタ
ンを分散させるとともに、pHを、(イ)第三の工程に
おいて、ケイ素及び/又はアルミニウムの化合物を添加
した後、酸又はアルカリを添加してpHを5〜9.5に
調整して酸化チタンの表面にケイ素及び/又はアルミニ
ウムの含水酸化物を析出させたり、(ロ)不純物を除去
した第四の工程の後に酸又はアルカリを添加して、pH
を5〜9.5に調整したりして、ゾルのpHが5〜9.
5の範囲である酸化チタンゾルを得ることができる。前
記の(イ)の手段は、pH調整が一回ですむなど、好ま
しい実施態様である。更に、好ましい実施態様は、前記
(1)の表面処理する第三の工程の前に酸化チタンを分
散させ、次いで、前記(イ)のケイ素及び/又はアルミ
ニウムの化合物を添加した後、酸又はアルカリを添加し
てpHを5〜9.5に調整して酸化チタンの表面にケイ
素及び/又はアルミニウムの含水酸化物を析出させるこ
とである。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 (1)酸化チタン微粒子の作成 TiO2 として200g/lの濃度の四塩化チタン水溶
液700mlと、Na2 Oとして100g/lの濃度の
水酸化ナトリウム水溶液を、系のpHを5〜9に維持す
るように水中に並行添加した。その後、系のpHを7に
調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cm
となるまで洗浄し、固形分濃度28.3重量%の酸化チ
タン湿ケーキ1を得た。この酸化チタン微粒子はルチル
型構造を有し、その平均粒径は8nmであった。
【0017】(2)酸加熱処理 前記(1)で得られたルチル型酸化チタン湿ケーキ1を
純水で希釈して、1モル/lのスラリーを調製した。こ
のスラリー1lを3lの4つ口フラスコに仕込み、更
に、1規定の硝酸を酸化チタン/硝酸のモル比が1/1
となるよう1l添加し、95℃の温度に加熱し、この温
度で2時間保持して、酸加熱処理を行った。次いで、酸
加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモ
ニア水を用いて中和(pH=6.7)して、濾過した
後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄
し、固形分濃度25重量%の酸化チタン湿ケーキ2を得
た。
【0018】(3)表面処理 前記(2)で得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10%
の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、リパルプ
し、その後、超音波洗浄機(Branson8210:
Yamato製)で3時間分散して、pH=10.5、
固形分濃度10重量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得
た。このアルカリ性酸化チタンゾル2lを3lの4つ口
フラスコに仕込み、70℃の温度に昇温し、SiO2
して432g/lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液6
9.4mlを添加し、その後90℃に昇温して1時間熟
成した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整し
て、酸化チタンの表面をケイ素の含水酸化物で表面処理
した。
【0019】(4)不純物の除去 前記(3)で得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却
し、5.4lの純水を添加し、脱塩濃縮装置(セラフロ
ー:ミクニキカイ(株)製)を用いて、不純物の除去、
及び濃縮を行ない、pH=7.3、固形分濃度29重量
%、導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタ
ンゾル(試料A)を得た。試料Aは、TiO2 に対して
SiO2 基準で14.9重量%のケイ素の含水酸化物を
含有していた。このゾル中の酸化チタンの平均粒径は9
nmであった。
【0020】実施例2 実施例1において、(4)に代えて、以下に記した
(4’)の処理を施した以外は、実施例1と同様に処理
して、pH=8.2、固形分濃度26.6重量%、導電
率1.7μS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾル(試
料B)を得た。試料Bは、TiO2 に対してSiO2
準で14.9重量%のケイ素の含水酸化物を含有してい
た。
【0021】(4’)不純物の除去 前記(3)で得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却
し、陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120
B:オルガノ(株)製)をゾル650mlに対し樹脂
(膨潤状態)525gの割合で添加してゾル中の陽イオ
ンを除去した後、前記陽イオン交換樹脂をろ別した。次
いで、陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−91
0:オルガノ(株)製)をゾル650mlに対し樹脂
(膨潤状態)525gの割合で添加してゾル中の陰イオ
ンを除去し、次いで、前記陰イオン交換樹脂をろ別した
後、ロータリーエバポレーター(RE111:SIBA
TA製)により濃縮した。
【0022】実施例3 実施例1で得た中性ルチル型酸化チタンゾル(試料A)
1lにエチレングリコール0.81lを添加した。酸化
チタンとエチレングリコールの重量比は1/2.44で
ある。この酸化チタンゾル1.81lを3lの四つ口フ
ラスコに仕込み、130℃の温度で4時間加熱し、発生
した蒸気を還流器で凝縮させ四つ口フラスコ外に捕集し
て、水をエチレングリコールに置換した、固形分濃度2
9重量%のエチレングリコール分散酸化チタンゾル(試
料C)を得た。
【0023】実施例4 実施例3において、エチレングリコールに代えてグリセ
リンを用いること以外は、実施例3と同様に処理して、
水をグリセリンに置換した、固形分濃度28重量%のグ
リセリン分散酸化チタンゾル(試料D)を得た。
【0024】比較例1 実施例1において、(2)の酸加熱処理に代えて、以下
に記した(2’)の酸解膠処理を施した以外は、実施例
1と同様に処理して中性ルチル型酸化チタンゾル(試料
E)を得た。試料Eは、pH=7.1、固形分濃度2
8.8重量%、導電率0.61mS/cmの中性ルチル
型酸化チタンゾルであり、TiO2 に対してSiO2
準で14.9重量%のケイ素の含水酸化物を含有してい
た。
【0025】(2’)酸解膠処理 前記(1)で得られたルチル型酸化チタン湿ケーキ1を
純水で希釈して、1モル/lのスラリーを調製した。こ
のスラリー1lを3lの4つ口フラスコに仕込み、更
に、60%の濃度の硝酸を酸化チタン/硝酸のモル比が
1/0.3となるよう1.5ml添加し、80℃の温度
に加熱し、この温度で2時間保持して、解膠処理を行っ
た。次いで、解膠処理後のゾルを室温まで冷却し、5%
の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和(pH=
6.8)して、濾過した後、濾液の導電率が100μS
/cmとなるまで洗浄し、固形分濃度14重量%の酸化
チタン湿ケーキ2を得た。
【0026】比較例2 実施例1において、pH=10.5、固形分濃度10重
量%のアルカリ性酸化チタンゾルを(3)の表面処理を
行わなかったこと以外は実施例1と同様に処理して、p
H=10.5、固形分濃度14.5重量%、導電率0.
1mS/cmのアルカリ性ルチル型酸化チタンゾル(試
料F)を得た。
【0027】比較例3 実施例3において、実施例1で得た中性ルチル型酸化チ
タンゾルに代えて、比較例1で得た中性ルチル型酸化チ
タンゾルを用いること以外は実施例3と同様に処理し
て、固形分濃度28.6重量%のエチレングリコール分
散酸化チタンゾル(試料G)を得た。
【0028】実施例1、2、3、4及び比較例1、2、
3で得られたルチル型酸化チタンゾル(試料A〜G)の
可視域での透過率及び紫外線遮蔽能を以下に示す方法に
より評価した。試料A〜Gを各々固形分濃度0.015
重量%となるように、純水で希釈して調整し、10mm
厚の石英セルに入れ、分光光度計(150−20:日立
製)を用いて正透過での分光スペクトル(波長300〜
750nm)を測定した。得られた結果を表1に示し
た。表1より、本発明の製造方法によって得られた中性
ルチル型酸化チタンゾル(試料A、B)及び有機溶媒系
酸化チタンゾル(試料C、D)は、比較例に比べ、波長
300〜350nmの紫外域での遮蔽能は同等であっ
て、しかも、波長400〜750nmの可視域での透過
率に優れていることから、分散性及びその安定性が向上
していることがわかった。
【0029】
【表1】
【0030】次に、実施例1、2及び比較例1、2で得
られたルチル型酸化チタンゾル(試料A、B、E、F)
の耐光性を以下に示す方法により評価した。試料A、
B、E、Fを各々固形分濃度6重量%となるように、純
水で希釈して調整した酸化チタンゾル2.5mlと6重
量%の濃度のポリビニルアルコール2.5mlとを混合
し、前記石英セルに封入し、ブラックライトを用いて4
mW/cm2 の強度の紫外線を1時間照射した。紫外線
照射前後の明度、及び色度を色彩色差計(938:X−
Rite社製)を用いて各々測定し、紫外線照射前後で
の色差(ΔE)を算出した。得られた結果を表2に示し
た。一般に、耐光性が高いほど、色差は小さくなること
より、本発明の製造方法によって得られた中性ルチル型
酸化チタンゾル(試料A、B)は、比較例のものに比
べ、耐光性が向上していることがわかった。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明は、表面処理された酸化チタンゾ
ルの製造方法であって、紫外線を吸収・遮蔽する性質を
有し、かつ、可視部の波長の光に対する透明性に優れた
酸化チタンゾルが得られる有用な方法である。しかも、
ゾル中の酸化チタンは十分な耐光性を有しているため、
プラスチック等に配合しても、プラスチック等を劣化さ
せることがないため、本酸化チタンゾルを種々の用途に
用いることができる。更に、本発明では、pHが5〜
9.5の弱酸性〜弱アルカリ性の範囲でも安定な分散状
態を保持できる酸化チタンゾルが得られ、その用途が限
定されることなく、幅広い用途に有用な酸化チタンゾル
が得られる。更に、本発明では、少なくとも水の一部を
有機溶媒に置換して、水−有機溶媒系酸化チタンゾル或
いは有機溶媒系酸化チタンゾルとすることができ、種々
の用途に有用な酸化チタンゾルが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 純子 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原 産業株式会社応用研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン化合物水溶液を加熱加水分解し、若
    しくはチタン化合物水溶液にアルカリを添加し中和し
    て、平均粒径が1〜30nmの酸化チタンを得る第一の
    工程、 モル比で表して酸化チタン/鉱酸が1/0.5〜1/2
    の範囲になるように、前記酸化チタンと鉱酸とを混合し
    たスラリーを、50℃以上該スラリーの沸点以下の温度
    で加熱処理する第二の工程、 前記の第二の工程で得られた酸化チタンのスラリーに、
    ケイ素及び/又はアルミニウムの化合物を添加し、酸化
    チタンの表面にケイ素及び/又はアルミニウムの含水酸
    化物を析出させて表面処理する第三の工程、 次いで、前記の第三の工程で得られた表面処理された酸
    化チタンのスラリーから不純物を除去する第四の工程か
    らなることを特徴とする表面処理された酸化チタンゾル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の第一の工程〜第四の工程
    を経て得られた、不純物を除去した酸化チタンのスラリ
    ー中の水を有機溶媒で置換する第五の工程からなること
    を特徴とする表面処理された酸化チタンゾルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記の第一の工程において、四塩化チタン
    水溶液にアルカリを添加し中和して、ルチル型構造を有
    する酸化チタンを得ることを特徴とする請求項1または
    2に記載の表面処理された酸化チタンゾルの製造方法。
  4. 【請求項4】前記の第二の工程で用いる鉱酸が硝酸であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理
    された酸化チタンゾルの製造方法。
  5. 【請求項5】前記の第三の工程において、ケイ素及び/
    又はアルミニウムの化合物を添加した後、酸又はアルカ
    リを添加しスラリーのpHを5〜9.5に調整して酸化
    チタンの表面にケイ素及び/又はアルミニウムの含水酸
    化物を析出させることを特徴とする請求項1または2に
    記載の表面処理された酸化チタンゾルの製造方法。
  6. 【請求項6】前記の第四の工程において、イオン交換
    法、若しくは限外濾過法を用いて不純物を除去すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の表面処理された
    酸化チタンゾルの製造方法。
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