JPH10158499A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JPH10158499A
JPH10158499A JP22425897A JP22425897A JPH10158499A JP H10158499 A JPH10158499 A JP H10158499A JP 22425897 A JP22425897 A JP 22425897A JP 22425897 A JP22425897 A JP 22425897A JP H10158499 A JPH10158499 A JP H10158499A
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hydroxyphenyl
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純 田島
Mitsuhiro Takarada
充弘 宝田
Masaki Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 新規ポリカーボネート樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 式(A)のポリシロキサン化合物と式
(B)で表されるビスフェノール類とを炭酸エステル形成化
合物と反応させて得られるポリカーボネート重合体とオ
ルガノポリシロキサンとの混合物とからなるポリカーボ
ネート樹脂組成物。 (R1は、アルキル基等、、Xは、R1及び/又はヒドロ
キシフェニル基を置換基として有する有機基(M)を表
し、かつMの個数は平均で1≦M<2、nは2〜100
0。) (R2〜R9は、H、F、Cl、Br、I、アルキル基、
Yは、 であり、ここにR10及びR11は、H、アルキル基、eは
0〜20。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリカーボネ
ート樹脂組成物に関する。本発明のポリカーボネート樹
脂組成物は、ポリシロキサン構造を構成単位として有す
る新規なポリカーボネート重合体と通常のジオルガノポ
リシロキサンの混合物であり、各種成形材料やポリマー
アロイ材料、添加剤として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱
性、機械的強度等のバランスのとれたエンジニアリング
プラスチックとして種々の用途に広く使用されている。
さらにポリカーボネート樹脂には、離型性、流動性、耐
候性、難燃性などの性能を強化するため種々の離型剤、
難燃剤等の添加剤を用いた組成物として用いられること
が多い。中でも、添加剤としてシリコーン(ジオルガノ
ポリシロキサン)を用いる場合、耐摩耗性向上、離型性
向上や難燃性の付与などポリカーボネート樹脂として有
用な場合が多い。しかしながら、ジオルガノポリシロキ
サンを大量に添加するとポリカーボネート成型品に白濁
が生じ、ポリカーボネートの特徴である透明性が低下す
る問題があった。特に、相溶性に関しては、比較的均一
分散しやすい良溶媒中に溶解し、樹脂液としたような場
合についても、樹脂液が白濁し、良外観の湿式成型品が
得られない場合があった。一方、難燃性、離型性、流動
性等の改良を目的としたシロキサンブロック共重合ポリ
カーボネートと通常のポリカーボネートをブレンドした
樹脂組成物が開発されていた(特開昭55−1660052、特
開昭62-146953、特開平5-140461、特開平1-161048)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらは、通常のポリ
カーボネートに比べ前記の性能が改善されていたが、ジ
オルガノポリシロキサン添加剤を用いた場合に比べ総合
的な性能はかならずしも十分満足するものでは無かっ
た。そのため、ジオルガノポリシロキサン添加剤とポリ
カーボネート樹脂との相溶性を向上させ、透明性を損な
わず、耐摩耗性や離型性等を保持したポリカーボネート
樹脂組成物が要求されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、繰り返し単位中
に特異なポリシロキサン構造を有するポリカーボネート
重合体は通常のジオルガノポリシロキサンと相溶性が良
好で、良透明性とジオルガノポリシロキサン添加剤の性
能とを両立し、各種成形材料やポリマーアロイ原料とし
て有用な樹脂組成物であることを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は下記一般式(A)で表される化合物
【0005】
【化4】
【0006】(式中のR1は、それぞれ置換基を有して
もよい炭素数1〜7のアルキル基、炭素数6〜12のア
リール基、炭素数2〜7のアルケニル基、炭素数1〜7
のアルコキシ基及び炭素数7〜17のアラルキル基から
選ばれた基を表し、Xは、R1及び/又はヒドロキシフ
ェニル基を有する有機基(M)を表し、かつMの個数は
平均で1≦M<2を表す。nは平均で2〜1000を表
す。)
【0007】および下記一般式(B)で表されるビスフ
ェノール類
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R2〜R9は、それぞれ水素、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素、それぞれ置換基を有してもよ
い炭素数1〜7のアルキル基、炭素数6〜12のアリー
ル基、炭素数2〜7のアルケニル基、炭素数1〜7のア
ルコキシ基及び炭素数7〜17のアラルキル基から選ば
れた基を表す。Yは、
【0010】
【化6】
【0011】であり、ここにR10及びR11は、それぞれ
水素、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜7のア
ルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、炭素数1〜7
のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表す
か、R10及びR11が一緒に結合して、炭素環又は複素環
を形成する基を表す。eは0〜20の整数を表す。)
【0012】とを炭酸エステル形成化合物と反応させて得ら
れるポリカーボネート重合体とジオルガノポリシロキサ
ンとの混合物からなるポリカーボネート樹脂組成物を提
供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】前記一般式(A)で表されるポリ
シロキサン化合物は、公知のヒドロシリル化反応による
製造法、例えば不飽和基を有するフェノールとSi−H
基を有するポリシロキサンをヒドロシリル化触媒下で付
加反応させる方法にて製造される。
【0014】ヒドロシリル化に使用される触媒は、均一
系、不均一系のいずれでもよく、具体的には、塩化白金
酸などに代表される白金錯体、金属白金、オクタカルボ
ニル2コバルト、パラジウム錯体、ロジウム錯体等が挙
げられる。反応は、本発明に使用される不飽和基含有フ
ェノール類が溶解する溶媒中で行われる。具体的には、
四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、モノクロルベンゼン、ジクロロベ
ンゼン等の芳香族ハロゲン化物、メチルエチルケトン、
酢酸エチル、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン等
を挙げることができるが、溶解性や触媒との相性より、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が望
ましい。反応温度は60〜150℃が好ましい。
【0015】上記Si-H基含有ポリシロキサンは、ポリア
ルキルハイドロジェンシロキサン、ポリアリールハイド
ロジェンシロキサン、ポリアルキルアリールハイドロジ
ェンシロキサン等より誘導することができ、具体的に
は、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリエチル
ハイドロジェンシロキサン、ポリフェニルハイドロジェ
ンシロキサン、ポリメチルフェニルハイドロジェンシロ
キサン等が挙げられる。これらは2種類以上併用しても
良い。
【0016】本発明における一般式(A)のポリシロキ
サン化合物には、前記の反応にて付加されたフェノール
(ヒドロキシフェニル基)がポリシロキサン1分子当た
り最低1個付加されており、かつ1分子当たりヒドロキ
シフェニル基の付加数は平均2個未満である。この付加
されたヒドロキシフェニル基が、炭酸エステル形成物と
反応しカーボネート結合を形成する。ヒドロキシフェニ
ル基が平均2個を越えると、ポリシロキサンが分岐化剤
として働く場合が多くなり、ジオルガノポリシロキサン
との相溶性が低下しやすくなる。また、本発明の一般式
(A)のポリシロキサン化合物のポリシロキサン基の長
さは、式(A)のnで表され、nが2〜1000であ
り、好適には3〜100である。十分なシロキサンの特
性を得るためにはある程度、nが大きい方がよいが、n
が1000を越えるようなものでは、不飽和基を有する
フェノール類との反応性が劣り、あまり実用的ではな
い。nが2未満のときは、十分にポリシロキサンの特性
が得られない。また、ポリシロキサンはポリマーである
ためポリマー鎖の長短混ざりあった混合物で、重合度n
はあくまで平均重合度であり、通常は重合度は分布をも
って存在する。
【0017】本発明における、一般式(A)を誘導する
ポリシロキサンと反応する不飽和基を有するフェノール
としては、具体的には、o-アリルフェノール、オイゲノ
ール、イソオイゲノール、p-イソプロペニルフェノー
ル、p-ヒドロキシスチレン、p−アリルフェノール、2,6
-ジメチル-4-アリルフェノール、2-t-ブチル-6-(3-t-ブ
チル−2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェ
ニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペン
チルフェニル)エチル]-4,6-ジ-t-ペンチルフェニルアク
リレート、p-ヒドロキシケイ皮酸メチル、2-ヒドロキシ
スチルベン、4-(1-ブテニル)フェノール等が挙げられ
る。なかでも、取扱いの容易さ、工業的有用性や反応性
を考慮するとo-アリルフェノール、オイゲノールが好ま
しい。
【0018】前記一般式(A)で表されるポリシロキサ
ン化合物は、具体的には、
【0019】
【化7】
【0020】などが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。また、これらポリシロキサン化合物を2
種類以上併用して使用することも可能である。これらの
ポリシロキサン化合物に付加しているヒドロキシフェニ
ル基は、ポリシロキサン1分子に最低1個必要であり、
かつ1分子当たり平均2個未満である。そのため、例え
ば付加が1個のものもあれば10個のものも存在する可
能性がある。すなわち、本発明におけるポリシロキサン
1分子当たり平均2未満のヒドロキシフェニル基が付加
するという意味は、そのヒドロキシフェニル基付加数の
分布の中心値が1〜2であることを示す。また、ヒドロ
キシフェニル基の付加位置も特定できるものではなく、
一般式(A)の側鎖であればいずれにヒドロキシフェニ
ル基が付加しても良い。
【0021】本発明における一般式(B)で表されるビ
スフェノール類としては、具体的には4,4'−ビフェニル
ジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
−ルA;BPA)、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2-ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4
−ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-
ビス(4−ヒドロキシ−3-ブロモフェニル)プロパン、
2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3-クロロフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3-メチルフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5-ジメ
チルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシ-5-メチ
ルフェニル)メタン、2,2-ビス(2−ヒドロキシ−3,5-
ジメチルフェニル)プロパンなどが例示される。これら
は、2種類以上併用して用いてもよい。また、これらの
中でも特に2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3-メチルフェニル)プ
ロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1-フェニ
ルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルか
ら選ばれることが、反応性から好ましい。
【0022】一方、炭酸エステル形成性化合物として
は、例えばホスゲンや、ジフェニルカーボネート、ジ−
p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボ
ネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフ
チルカーボネートなどのジアリールカーボネートが挙げ
られる。
【0023】本発明のポリカーボネート重合体の製法と
しては、ビスフェノールAからポリカーボネートを製造
する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノ
ール類とホスゲンとの直接反応(ホスゲン法)、あるい
はビスフェノール類とジアリールカーボネートとのエス
テル交換反応(エステル交換法)などの方法を採用する
ことができる。
【0024】ホスゲン法とエステル交換法では、一般式
(A)のポリシロキサン化合物の耐熱性やエステル交換
率を考慮した場合、ホスゲン法の方が好ましい。また、
本発明における一般式(A)のポリシロキサン化合物に
付加するヒドロキシフェニル基は、一般式(A)1分子
当たり1個付加したものが多く、ポリカーボネート重合
体の重合停止剤として働くため、その使用量には限りが
あり、ホスゲン法においては、一般式(A)のポリシロ
キサン化合物の使用量はポリシロキサンの反応性の観点
から、全モノマー成分(一般式(A)+一般式(B))
に対し0.01〜20mol%が好ましい。ポリシロキサン化合物
(A)が0.01mol%未満ではポリシロキサンの特性付与が
不十分であり、20mol%を超えると本発明の共重合体の粘
度が低くなり、ポリカーボネート樹脂としての目的が達
成できなくなるので好ましくない。さらにホスゲン法の
界面重合状態を維持しやすくするため、一般式(A)の
ポリシロキサン化合物は全モノマー成分に対し50wt%以
下使用することが好ましい。
【0025】前者のホスゲン法においては、通常酸結合
剤および溶媒の存在下において、前記一般式(A)のポ
リシロキサン化合物と一般式(B)で表されるビスフェ
ノール類とを、ホスゲンと反応させる。酸結合剤として
は、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられる。
また、溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロ
ホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いられる。
縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのよう
な第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩などの触媒
を使用することが好ましい。また、重合度を調節するた
めに、フェノールやp−t−ブチルフェノールなどの分
子量調節剤を添加して反応を行うことが望ましい。更に
また、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファ
イトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビ
スフェノールなど分岐化剤を小量添加してもよい。反応
は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲と
するのが適当である。反応時間は、反応温度によって左
右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分
〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以
上に保持することが望ましい。
【0026】一方後者のエステル交換法においては、前
記一般式(A)のポリシロキサン化合物と一般式(B)
で表されるビスフェノール類とジアリールカーボネート
とを混合し、減圧下で高温において反応させる。反応
は、通常150〜350℃、好ましくは200〜300
℃の範囲の温度において行われる。また、減圧度は、反
応の最終で、好ましくは1mmHg以下にして、エステル交
換反応により副生した該ジアリールカーボネートに由来
するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は、反
応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4
時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気下で行うことが好ましい。また、所望に応じ、
前記の分子量調節剤、酸化防止剤や分岐化剤を添加して
反応を行ってもよい。
【0027】本発明における樹脂組成物のうち、ポリカ
ーボネート重合体に添加されるジオルガノポリシロキサ
ンは、具体的には、ポリジアルキルシロキサン、ポリジ
アリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン
等が挙げられる。さらに具体的には、ポリジメチルシロ
キサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロ
キサン、ポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられ
る。これらは2種類以上併用しても良い。また本発明中
の式(A)化合物もジオルガノポリシロキサンの1種と
して含まれる。ただし、本発明におけるジオルガノポリ
シロキサンは、単独のものを意味し、ポリカーボネート
と共重合したようなものは本発明におけるジオルガノポ
リシロキサンには含めない。
【0028】本発明におけるジオルガノポリシロキサン
は、数平均分子量が200〜100,000の範囲のも
のであり、数平均分子量が350〜10,000のもの
が好ましい。本発明の樹脂組成物中のジオルガノポリシ
ロキサンの含有量は0.5〜20wt%の範囲が、ジオ
ルガノポリシロキサン特性の発揮と透明性を兼ねた領域
として好ましい。ジオルガノポリシロキサンの含有量が
0.5wt%未満では摺動性や離型性といった特性付与
に乏しくなり、20wt%を超えると透明性が悪くなる
ので好ましくない。
【0029】本発明のジオルガノポリシロキサンをポリ
カーボネート重合体にブレンドする方法として、ポリカ
ーボネート重合体製造時にブレンドする方法、ポリカー
ボネート重合体樹脂液にブレンドする方法、ポリカーボ
ネート重合体粉体にブレンドする方法、ポリカーボネー
ト重合体熱溶融体にブレンドする方法等が選択できる
が、特にポリカーボネート重合体の製造(重合)時にジ
オルガノポリシロキサンをブレンドする方法が分散性が
よく、透明性向上に最も効果があるため好ましい。
【0030】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
押出成形、射出成形、ブロ−成形、圧縮成形、湿式成形
など公知の成形法で成形可能であるが、容易に成形加工
できるためには極限粘度[η]が2.0(dl/g)以下が望
ましく、機械的強度が十分発揮するには0.3(dl/g)以
上が好ましい。中でも、本ポリカーボネート樹脂組成物
を用いた湿式成形によるフィルム状成形品は、ポリシロ
キサンの有する滑り性や撥水性等の性質とポリカーボネ
ートの透明性や機械的強度等の性質がバランス良く発現
する。
【0031】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 8.8%(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液600ml
に、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(略
称:BPA)91.2gと、ハイドロサルファイト0.
5gを加え溶解した。これに、メチレンクロライド50
0mlと、p-ターシャルブチルフェノール(略称:PT
BP)1.0gとを加え撹拌し、溶液温度を15℃に保
ちつつ、ホスゲン51gを60分かけて吹き込んだ。吹
き込み終了後、下記構造を主成分とするポリシロキサン
化合物(略称:Si1)
【0032】
【化8】
【0033】10.6gと下記構造のジオルガノポリシ
ロキサン(略称:SC1)
【0034】
【化9】
【0035】2.6gとを反応液に加え、激しく撹拌し
て反応液を乳化させ、乳化後0.2mlのトリエチルアミン
を加え、約1時間撹拌し重合およびブレンドさせた。得
られた重合樹脂液を水相と有機相に分離し、有機相をリ
ン酸で中和し、洗液のpHを中性になるまで水洗を繰り返
した後、45℃に加温した温水に樹脂液を滴下し、溶媒を
除去しつつ、重合物を粒状化させた。粒状化物を濾過
後、乾燥して粉末状重合体組成物を得た。この組成物
は、塩化メチレンを溶媒とする濃度 0.5g/dlの溶液の
温度20℃における極限粘度[η]は0.69dl/gであっ
た。得られた上記重合体組成物を赤外線吸収スペクトル
により分析した結果、1770cm-1の位置にカルボニル基に
よる吸収、1240cm-1の位置にエーテル結合による吸収が
認められ、カーボネート結合を有することが確認され
た。また、3650〜3200cm-1の位置に水酸基由来の吸収は
ほとんど認められなかった。しかも、1100〜1020cm-1の
シロキサン由来のピークも確認された。また、蛍光X線
分析(Cr管球)によりこの重合体組成物中にはシリコ
ン元素が含まれていることが確認された。よって、この
組成物は下記繰り返し単位を主成分とするポリカーボネ
ート重合体とSC1の混合物と認められた。
【0036】
【化10】
【0037】実施例2 Si1のポリシロキサン化合物の代わりに、下記構造を主
成分とするポリシロキサン化合物(略称:Si2)
【0038】
【化11】
【0039】を10.6g用い、PTBPの量を2.0gに
変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた組
成物の極限粘度[η]は0.50dl/g赤外吸収スペクトル分
析および蛍光X線分析よりこの組成物は下記繰り返し単
位主成分とするポリカーボネート重合体とSC1の混合物
と認められた。
【0040】
【化12】
【0041】実施例3 Si1のポリシロキサン化合物の代わりに、下記構造を主
成分とするポリシロキサン化合物(略称:Si3)
【0042】
【化13】
【0043】を14.7g用い、SC1のジオルガノポリシロ
キサンの代わりに下記構造のもの(略称:SC2)
【0044】
【化14】
【0045】を3.7g用いた以外は、実施例1と同様に
行った。得られた組成物の極限粘度[η]は0.64dl/gで
赤外吸収スペクトル分析および蛍光X線分析よりこの組
成物は下記繰り返し単位を主成分とするポリカーボネー
ト重合体とSC2ジオルガノポリシロキサンの混合物と認
められた。
【0046】
【化15】
【0047】実施例4 Si1のポリシロキサン化合物の代わりに、下記構造を主
成分とするポリシロキサン化合物(以下Si4)
【0048】
【化16】
【0049】を18.8g用い、SC1のジオルガノポリシロ
キサンの代わりに下記構造のジオルガノポリシロキサン
(略称:SC3)
【0050】
【化17】
【0051】を6.2g用い、ホスゲンの量を52g、P
TBPの量を0.1gに変更した以外は、実施例1と同様
に行った。得られた組成物の極限粘度[η]は0.61dl/g
で、赤外吸収スペクトル分析および蛍光X線分析よりこ
の組成物は下記繰り返し単位を主成分とするポリカーボ
ネート重合体とSC3のジオルガノポリシロキサンの混合
物と認められた。
【0052】
【化18】
【0053】実施例5 BPAに代えて、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン(BPZ)107.2gを用いた以外
は、実施例1と同様に行った。得られた組成物の極限粘
度[η]は0.60dl/gで、赤外吸収スペクトル分析およ
び蛍光X線分析よりこの組成物は下記繰り返し単位を主
成分とするポリカーボネート重合体とSC1のジオルガノ
ポリシロキサンの混合物と認められた。
【0054】
【化19】
【0055】実施例6 BPAに代えて、2,2-ビス(3-メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(DMBPA)102.4gを用
い、p-ターシャルブチルフェノールの量を2.8g、ホ
スゲンの量を53gに変更した以外は実施例1と同様に
行った。得られた組成物の極限粘度[η]は0.31dl/g
で、赤外吸収スペクトル分析および蛍光X線分析よりこ
の組成物は下記繰り返し単位を主成分とするポリカーボ
ネート重合体とSC1ジオルガノポリシロキサンの混合物
と認められた。
【0056】
【化20】
【0057】実施例7 BPAに代えて、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-
1-フェニルエタン(BPAP)58gとビス(4-ヒドロ
キシフェニル)エーテル(DHPE)40.4gとを用
いた以外は、実施例1と同様に行った。得られた組成物
の極限粘度[η]は0.67dl/gで、赤外吸収スペクトル
分析および蛍光X線分析よりこの組成物は下記繰り返し
単位を主成分とするポリカーボネート重合体とSC1のジ
オルガノポリシロキサンの混合物と認められた。
【0058】
【化21】
【0059】実施例8 SC1のジオルガノポリシロキサンを重合時ではなく、重
合終了後、リン酸中和〜精製を経て得られた粒状化前の
樹脂液にSC1のジオルガノポリシロキサンを2.6g添
加した以外は実施例1と同様に行った。得られた組成物
の極限粘度[η]は0.62dl/gで、赤外吸収スペクトル
分析および蛍光X線分析よりこの組成物は実施例1と同
等の繰り返し単位を主成分とするポリカーボネート重合
体とSC1のジオルガノポリシロキサンの混合物と認めら
れた。
【0060】実施例9 SC1のジオルガノポリシロキサンの量を13.2gに変更し
た以外は、実施例1と同様に行った。得られた組成物の
極限粘度[η]は0.42dl/gで、赤外吸収スペクトル分
析および蛍光X線分析よりこの組成物は実施例1と同等
の繰り返し単位を主成分とするポリカーボネート重合体
とSC1のジオルガノポリシロキサンの混合物と認められ
た。
【0061】比較例1 Si1のポリシロキサン化合物を用いなかった以外は実施
例1と同様に行った。得られた組成物の極限粘度[η]
は0.63dl/gであった。この組成物は下記繰り返し単位
を有するポリカーボネート重合体とSC1のジオルガノポ
リシロキサンの組成物と認められた。
【0062】
【化22】
【0063】比較例2 Si1のポリシロキサン化合物の代わりに、下記構造で代
表されるα,ω-ビス[2−(P−ヒドロキシフェニル)
エチル]ポリジメチルシロキサン(略称:Si5)
【0064】
【化23】
【0065】を10.7g用いた以外は実施例1と同様
に行った。得られた組成物の極限粘度[η]は0.63dl/
gで、赤外吸収スペクトル分析および蛍光X線分析よ
り、この組成物は下記繰り返し単位を有するポリカーボ
ネート重合体とSC1ジオルガノポリシロキサンとの組成
物と認められた。
【0066】
【化24】
【0067】比較例3 SC1のジオルガノポリシロキサンを重合時ではなく、重
合終了後、リン酸中和〜精製を経て得られた粒状化前の
樹脂液にSC1のジオルガノポリシロキサンを10.6g
添加した以外は比較例1と同様に行った。このブレンド
物の極限粘度[η]は0.26dl/gであった。
【0068】実施例1〜9および比較例1〜3の結果を
表1に、実施例1〜9と比較例1〜3までの樹脂組成物
を湿式成形にて成形したフィルムについての摩耗性試験
の結果と透過率測定結果を表2に示した。また、実施例
1の赤外吸収スペクトルを図1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】(略称説明) Si1:フェノール平均1.2個である実施例1に記載のポリ
シロキサン化合物 Si2:フェノール平均1.9個である実施例2に記載のポリ
シロキサン化合物 Si3:フェノール平均1.1個である実施例3に記載のポリ
シロキサン化合物 Si4:フェノール平均1.8個である実施例4に記載のポリ
シロキサン化合物 Si5:α,ω-ヒ゛ス[2-(P-ヒト゛ロキシフェニル)エチル]ホ゜リシ゛メチルシロキサン SC1:実施例1記載のジオルガノポリシロキサン SC2:実施例3記載のジオルガノポリシロキサン SC3:実施例4記載のジオルガノポリシロキサン BPA:2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)フ゜ロハ゜ン DMBPA:2,2-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシ-3-メチルフェニル)フ゜ロハ゜ン BPZ:1,1-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)シクロヘキサン DHPE:ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)エーテル BPAP:1,1-ヒ゛ス(4-ヒト゛ロキシフェニル)-1-フェニルエタン 極限粘度:20℃、0.5W/V%シ゛クロロメタン溶液にて測定 SC含有量(%):シ゛オルカ゛ノホ゜リシロキサン/樹脂組成物全量×100
=SC含有量(wt%)
【0071】
【表2】
【0072】試験片:20w/v%シ゛クロロメタン溶液にて250μm厚
キャストフィルムを作成し、表面をメタノールで洗浄後、風乾し
試験片とした。 透過率:村上ヘース゛メーターHM-100使用。全光線透過率測定。 摩耗量:テーハ゛摩耗試験(荷重1000g、CS-17輪、トルエン雰囲
気、4、12、24、48hr)後 の摩耗量。
【0073】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物
は、グラフト状にシロキサン構造を有する文献未記載の
新規なポリマーと通常のシリコーン(ジオルガノポリシ
ロキサン)の相溶した樹脂組成物であって、各種成形材
料やポリマーアロイ原料に使用する新規なポリカーボネ
ート樹脂組成物を提供することができる。本発明のポリ
カーボネート樹脂組成物は、従来のシロキサン共重合ポ
リカーボネートやジオルガノポリシロキサン添加ポリカ
ーボネート樹脂組成物に比して、透明性や耐摩耗性がよ
く、レンズ、照明カバー等の耐摩耗性が要求される透明
成形品に応用が可能である。また、湿式成形では表面が
滑らかで、かつ透明で滑り性の良い成形品が得られるた
め、OHPフィルム等の機能性フィルムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた組成物の赤外吸収スペク
トル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83:14) (72)発明者 宝田 充弘 群馬県碓氷郡松井田町人見1−10番 信越 化学工業株式会社シリコーン電子材料技術 研究所内 (72)発明者 田中 正喜 東京都千代田区大手町二丁目6番1号 信 越化学工業株式会社シリコーン事業本部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)のポリシロキサン化合
    物と、下記一般式(B)で表されるビスフェノール類と
    を炭酸エステル形成化合物と反応させて得られるポリカーボ
    ネートであって、一般式(A)のポリシロキサン化合物
    の使用量が、全モノマー成分(一般式(A)+一般式
    (B))に対して0.01〜20mol%であり、かつ
    極限粘度[η]が、0.3〜2.0[dl/g]である
    ポリカーボネート重合体に0.5〜20wt%のジオル
    ガノポリシロキサンを混合してなるポリカーボネート樹
    脂組成物。 【化1】 (式中のR1は、それぞれ置換基を有してもよい炭素数
    1〜7のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭
    素数2〜7のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ
    基及び炭素数7〜17のアラルキル基から選ばれた基を
    表し、Xは、R1及び/又はヒドロキシフェニル基を有
    する有機基(M)を表し、かつMの個数は平均で1≦M
    <2を表す。nは平均で2〜1000を表す。) 【化2】 (式中、R2〜R9は、それぞれ水素、フッ素、塩素、臭
    素、ヨウ素、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜
    7のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数
    2〜7のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基及
    び炭素数7〜17のアラルキル基から選ばれた基を表
    す。Yは、 【化3】 であり、ここにR10及びR11は、それぞれ水素、それぞ
    れ置換基を有してもよい炭素数1〜7のアルキル基、炭
    素数2〜7のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ
    基又は炭素数6〜12アリール基を表すか、R10及びR
    11が一緒に結合して、炭素環または複素環を形成する基
    を表す。eは0〜20の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(B)が2,2-ビス(4−ヒドロキ
    シフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3-
    メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシ
    フェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4−ヒドロキシ
    フェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4-ヒドロキシフ
    ェニル)エーテルから選ばれたビスフェノールである請
    求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 炭酸エステル形成化合物がホスゲンであ
    る請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(A)中のR1がメチル基または
    フェニル基である請求項1記載のポリカーボネート樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(A)の重合度nが3〜100で
    ある請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ジオルガノポリシロキサンが液状のポリ
    ジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンで
    ある請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のポリカーボネート樹脂組
    成物を用い、湿式成型法にて成形したフィルム状成型
    品。
  8. 【請求項8】 ポリカーボネート重合体の重合時にジオ
    ルガノポリシロキサンを添加混合することを特徴とする
    請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物のブレンド
    方法
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