JPH10159854A - 複合滑り軸受 - Google Patents

複合滑り軸受

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JPH10159854A
JPH10159854A JP31380096A JP31380096A JPH10159854A JP H10159854 A JPH10159854 A JP H10159854A JP 31380096 A JP31380096 A JP 31380096A JP 31380096 A JP31380096 A JP 31380096A JP H10159854 A JPH10159854 A JP H10159854A
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JP
Japan
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bearing
resin
bearing member
housing member
synthetic resin
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JP31380096A
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English (en)
Inventor
Shunichi Isobe
俊一 磯部
Satoru Fukuzawa
覚 福澤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬液中でも摩耗することなく使用でき、低摩
擦な滑り軸受を安価で提供する。 【解決手段】 耐薬品性合成樹脂に固体潤滑剤を添加し
た樹脂組成物からなる軸受部材2と、耐薬品性合成樹脂
に充填材を添加した樹脂組成物からなるハウジング部材
3とを一体化して複合滑り軸受1とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は軸受部材とハウジン
グ部材とからなる複合滑り軸受に関するもので、より詳
しくは、染色機械におけるロール軸受のように主に腐食
雰囲気下で使用される複合滑り軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば染色機械の染色工程や水洗工程
等では、使用される薬液(染料あるいは洗剤)によって
は酸性やアルカリ性のものがあるため、これらの工程で
ロールを支持する軸受には耐薬品性が必要である。ま
た、グリース等の潤滑剤が薬液に溶かされてしまうので
転がり軸受は使用できない。このため、従来、一般にカ
ーボンメタルと呼ばれる黒鉛を主成分としバインダー樹
脂で結着させた材料による滑り軸受を使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カーボンメタ
ルは薬液中での耐摩耗性が十分でなく、たとえば6ヵ月
に1回程度の頻度で軸受の交換を余儀なくされている。
【0004】そこで、本発明の課題は、薬液中でも摩耗
することなく長期間使用でき、低摩擦な滑り軸受を安価
で提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、耐薬品性合成樹脂に固体潤滑剤を添加
した樹脂組成物からなる軸受部材と、耐薬品性合成樹脂
に充填材を添加した樹脂組成物からなるハウジング部材
とを一体化して複合滑り軸受としたものである(請求項
1)。
【0006】軸受部材とハウジング部材を一体化するた
めには、嵌合、圧入、超音波溶着、接着、ねじ溝等の既
知の手段のうち適当なものを選択して採用することがで
きる。たとえば、円筒形の軸受部材を、ハウジング部材
の円筒形の内孔に嵌合することによって両者を一体化す
ることができる(請求項2)。この場合、軸受部材の外
周面の一部に軸方向全長にわたって延びるキー面を設
け、一方、ハウジング部材の内周面の一部に軸方向全長
にわたって延びるキー面を設けておくことにより(請求
項3)、キー面どうしが互いに係合して軸受部材のまわ
り止めの役割を果たす。また、軸受部材の円筒部の一端
にフランジを設け、一方、ハウジング部材の内孔の一端
に環状凹部を設けておくことにより(請求項4)、軸受
部材の円筒部をハウジング部材の内孔に嵌合する際に、
フランジが環状凹部に受け止められ、軸受部材の軸方向
の位置決めがなされる。
【0007】また、軸受部材の少なくとも外周面に開口
した径方向の孔を設け、かつ、ハウジング部材に径方向
に貫通する孔を設け、これらの孔どうしを整列させて両
孔に共通的に係合部材を嵌合させることにより軸受部材
とハウジング部材を一体化することもできる(請求項
5)。この場合、ハウジング部材に対する軸受部材の軸
方向および径方向の両方の位置決め固定が係止部材によ
ってなされる。
【0008】耐薬品性合成樹脂とは、各種薬品に侵され
ず、かつ、吸水による寸法変化の小さい合成樹脂を指
す。そのような合成樹脂としては、ポリフェニレンスル
フィド樹脂(請求項6)、ポリイミド樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート等
の不飽和ポリエステル、ポリプロピレン樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリア
セタール樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロ
エチレン等の各種フッ素樹脂等が挙げられる。この中で
特に好ましいのは、耐薬品性が最も高いポリフェニレン
スルフィド樹脂である。
【0009】軸受部材の樹脂組成物に添加する固体潤滑
剤としては、耐薬品性があり摩擦係数を低減させ得るも
のであれば種類を限定することなく採用することができ
る。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(請求項
7)、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ化黒鉛な
どが挙げられる。
【0010】ハウジング部材の樹脂組成物に添加する充
填材としては、耐薬品性があるものであれば種類や形状
を限定することなく採用することができる。具体的に
は、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィス
カ、シリカ、酸化チタン、ガラスビーズ、芳香族ポリア
ミド樹脂、グラファイト、タルク、クレー、炭酸カルシ
ウム、活性炭などが挙げられる。この中でも補強効果の
ある繊維状(ウイスカを含む。)の充填剤が好ましい
(請求項8)。なお、軸受部材の樹脂組成物にも、潤滑
性を損なわない程度に固体潤滑剤以外の各種充填材を添
加してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に示すように、軸受部材2と
ハウジング部材3とで複合滑り軸受1を構成する。軸受
部材2は円筒形の内周面をもった円筒部22と、円筒部
22の一端に形成したフランジ部24とを備えている。
さらに、円筒部22の外周面は、円筒部の全長にわたっ
て軸方向に延びる平坦なキー面22aを備えている。
【0012】ハウジング部材3は内部を貫通する内孔3
2を備えている。内孔32は軸方向に延びる平坦なキー
面32aを有しており、このため横断面が円形の一部を
切除した形状を呈する(図1(B))。内孔32の一端
は、ハウジング部材3の一側面に形成された環状凹部3
4と連通している。
【0013】軸受部材2の円筒部22をハウジング部材
3の内孔32に挿入して嵌合させ、これにより両者を一
体化させる。このとき、軸受部材2のフランジ24がハ
ウジング部材3の環状凹部34に受け止められて軸受部
材2の軸方向の位置決めがなされ、また、両者のキー面
22a,32aどうしが係合して軸受部材2の回り止め
がなされる。
【0014】図2に示す後述の実施例では、円筒形の軸
受部材をハウジング部材の内孔に嵌合させて両者を一体
化するとともに、軸受部材20を径方向に貫通する孔4
0aとハウジング部材30を径方向に貫通する孔40b
とに共通的に係合部材40を嵌合させて、ハウジング部
材30に対する軸受部材20の軸方向および周方向の両
方に関して回り止めをしている。
【0015】なお、嵌合による一体化としては、ゆるみ
ばめ、中間ばめ、しまりばめのいずれの方法で嵌合・一
体化してもよい。軸受部材とハウジング部材とを一体化
することにより、軸受部材には主に摺動特性を重視した
組成配合の材料を選択することができ、一方、ハウジン
グ部材には軸受部材や軸等より受ける荷重に耐えるため
の機械的構造特性を重視した組成配合材とすることがで
きる。そして、二つの別部材とすることで軸受部材が摩
耗しても簡単に軸受部材の補修・点検等を行うこともで
きる。その場合、比較的簡単に交換のできる嵌合量とす
ることが好ましく、たとえば0.01〜0.1mmのす
きま量に設定して各々一体化することもできるが、いず
れの一体化方法であってもよい。
【0016】この発明に用いる耐薬品性合成樹脂とし
て、まず、ポリフェニレンスルフィド樹脂を一例とする
ポリアリーレンスルフィド系樹脂(以下、PAS樹脂と
称する。)は、一般的に化1で示される合成樹脂であ
る。ここで、化1中のPhは、たとえば下記化2〜化7
に示されるものがあげられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】PAS樹脂は、化1で示される繰り返し単
位が70モル%以上のものがよく、90モル%以上10
0モル%以下、もしくは100モル%未満のものが好ま
しい。繰り返し単位が70モル%未満では、期待する性
質の組成物が得られなくなるので好ましくない。また、
化1のPhは化2からなるものが好ましい。
【0025】このような重合体を得るには既によく知ら
れた方法を使用すればよいが、たとえば、硫化ナトリウ
ムとp−ジクロロベンゼンとをN−メチルピロリドン、
ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒もしくはスルホ
ラン等のスルホン系溶媒中で反応させるのが好適であ
る。なお、重合体の結晶性に影響を与えない範囲で、例
えば、化8〜化12に示される共重合成分を30モル%
未満、好ましくは10モル%未満で1モル%以上含ませ
てもよい。
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】このようなPAS樹脂は、たとえば、特公
昭44−27671号公報や特公昭45−3368号公
報に開示されているようなハロゲン置換芳香族化合物と
硫化アルカリとの反応、特公昭46−27255号公報
に開示されているような芳香族化合物を塩化硫黄とのル
イス酸触媒共存下における縮合反応、または米国特許第
3,274,165号明細書に開示されているような、
チオフェノール類のアルカリ触媒もしくは銅塩等の共存
下における縮合反応等によって合成されるが、目的に応
じて具体的な方法を任意に選択することができる。
【0032】また、耐熱性や低バリ性を向上させるた
め、PAS樹脂は、部分的交差結合、すなわち、部分架
橋を行なうことが好ましい。PAS樹脂に部分的交差結
合を形成させるために行う架橋をする方法としては、た
とえば、空気中における融点以下での加熱または架橋
剤、分岐剤を添加する方法があげられる。このようにし
て得られた架橋性のPAS樹脂の溶融粘度は例えば10
00〜5000ポイズであり、好ましくは2000〜4
000ポイズである。溶融粘度が1000ポイズより小
さいと、150℃以上の高温域で耐クリープ特性などの
機械的特性が低下し、変形しやすいので好ましくない。
また、5000ポイズより大きいと、成形性が劣り、ま
た柔軟性が低下して好ましくないと考えられる。なお、
溶融粘度の測定は、測定温度300℃、オリフィスが穴
径1mm、長さ10mm、測定荷重20kg/cm2 、
予熱時間6分の条件下で、高化式フローテスタにて行わ
れることが好ましいが、他の方法で測定してもよい。
【0033】また、部分的交差結合を有するPAS樹脂
の熱安定性は、上記の溶融粘度測定条件にて、予熱6分
後と30分後の溶融粘度の変化率が−50%〜150%
の範囲であることが好ましい。なお、変化率は下記の式
で表される。 変化率=(P30−P4 )/P4 ×100 (P4 :予熱6分後の測定値、P30:予熱30分後の測
定値) 以上のような条件を満足する部分的交差結合を有するP
AS樹脂としては、たとえば、トープレン社製:T4、
T4AG、TX−007等をあげることができる。
【0034】PAS樹脂の重量平均分子量としては例え
ば20000〜45000のものがよく、25000〜
40000のものが好ましい。重量平均分子量が200
00より小さいときは耐熱性の点で好ましくなく、ま
た、重量平均分子量が45000より大きいときは複雑
な精密な寸法精度に対する成形性の点で好ましくない。
PPS樹脂としては、例えば旭硝子社製M2100を挙
げることができる。
【0035】この発明に用いる他の耐薬品性合成樹脂で
あるポリイミド樹脂は化13の式で示され、化14の式
で示される芳香族エーテルジアミンと一種以上のテトラ
カルボン酸二無水物の反応によって得られるポリアミド
酸を脱水環化して得られるものである。
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】このようなポリイミド樹脂のうち、ポリイ
ミド樹脂の市販品(化13の式におけるR1〜R4がすべ
て水素であるもの)としては、三井東圧化学社製:AU
RUMが挙げられる。
【0039】上記耐薬品性合成樹脂の全組成物中の好ま
しい配合割合は30〜88重量%である。30重量%未
満だと上記組成物からなる成形体の強度が低下してしま
い、88重量%を越えると所定の充填剤を添加しても補
強効果が得られず、成形体の耐摩耗性が劣ることになる
からである。
【0040】この発明に用いられるパーフルオロ系フッ
素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTF
Eと称する。)に代表されるフッ素系樹脂である。この
樹脂は、骨格である炭素原子の周囲をすべてフッ素原子
または微量の酸素原子で取り囲まれた状態であり、C−
F間の強固な結合により、フッ素系樹脂のなかでも比較
的耐熱温度が高く、また、低摩擦係数、非粘着性、耐薬
品性等の諸特性に優れている。PTFEは、四フッ化エ
チレン単独重合体で、それ単独では射出成形不可能な樹
脂であるが、その熱分解温度は例えば約508〜538
℃である。
【0041】パーフルオロ系フッ素樹脂としては、PT
FE以外に、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA、熱分解温度約
464℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP、熱分解温度約419℃以
上)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(EPE、熱分解温度約440℃)等があげられる。ま
た、これらに加えて、ポリクロロトリフルオロエチレン
(PCTFE、熱分解温度約347〜418℃)、テト
ラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE、熱
分解温度約347℃以上)、クロロトリフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体(ECTFE、熱分解温度約33
0℃以上)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF、
熱分解温度約400〜475℃)、ポリビニルフルオラ
イド(PVD、熱分解温度約372〜480℃)等を混
合してもよい。
【0042】また、パーフルオロ系フッ素樹脂は、上記
フッ素樹脂のモノマーのたとえば約1:10から10:
1の重合割合で2種類以上の共重合体や、3元共重合体
などのフッ素化ポリオレフィンなどであってもよく、こ
れらは、固体潤滑剤としての特性を示す。これらのなか
でも、PTFEは、耐熱性、耐薬品性、非粘着性、低摩
擦係数などの諸特性にすぐれており好ましい。
【0043】これらのパーフルオロ系フッ素樹脂は、微
分熱分解開始温度が比較的高く好ましい。たとえば、P
TFE、PVDFの熱分解点はそれぞれ約490℃、約
350℃であり、これらの微分熱分解開始温度は、それ
ぞれ約555℃、約460℃を示し、なかでも、PTF
E、PFA、FEP等は高温特性にすぐれていて好まし
い。このため、上記樹脂を含む組成物を溶融して成形体
とする過程での熱履歴に比較的耐え得る。とくに、PT
FEの分解点は、融点が280〜290℃前後のPAS
樹脂より100〜200℃高く、PAS樹脂と溶融混合
するときにほとんど分解しないので好ましい。
【0044】これらのパーフルオロ系フッ素樹脂を2〜
25重量部、好ましくは5〜25重量部添加すること
で、機械的特性にすぐれ、標準品等で圧縮強さが50〜
200MPa程度の良好な耐クリープ特性および耐熱
性、耐油性や耐薬品性等にすぐれる特性に加えて、耐衝
撃性、耐疲労性、耐摩耗性および低摩擦性等を向上させ
ることもできると考えられる。
【0045】添加量が2重量部未満では、これらの効果
が期待できず、自己潤滑性および耐摩耗性等の摺動特性
の改良が顕著に認められない。また、25重量部を越え
ると、これらの溶融粘度等により造粒時や射出成形時に
溶融成形機等のシリンダにかかる負荷が大きく、成形性
が悪くなり、安定した造粒性、射出成形性および寸法精
度が期待できず、機械的特性が低下する場合がある。
【0046】PTFEを粉末状にして耐薬品性合成樹脂
に添加する場合は、粉末状にすればその形状や大きさを
とくに限定することなく用いることができるが、均一な
分散特性、また、凝集発生による分散不良を避ける理由
から、粒状で粒径が1μm以上70μm以下、好ましく
は、平均粒径が10〜50μmのものが、樹脂組成を均
一にするために好ましい。
【0047】また、バージン材のPTFE粉末に代え、
再生PTFE粉末をも良好に用いることができる。再生
PTFE粉末とは、バージン材を一度焼成した後、粉砕
して得られる粉末であり、このものは繊維状になりにく
い性質を有しており、配合し樹脂組成物を良好な溶融粘
度に維持するので、再生PTFE粉末のみばかりでな
く、バージン材に再生PTFE粉末を添加した場合にお
いても、成形性を改善する上ですぐれた添加剤となり得
ると考えられる。このようなPTFEとしては、例えば
喜多村社製KT400H等を挙げることができる。
【0048】再生PTFE粉末の全組成物中の配合割合
は、2〜25重量%がよい。2%未満だと、摺動特性、
耐摩耗性の問題点を有し、25重量%を越えると、成形
性等の問題点を有する。
【0049】なお、上記材料以外の添加剤として、この
発明の効果を阻害しない範囲内で、たとえば機械的強度
および熱安定性などの向上ならびに着色等の目的で増量
剤、粉末充填剤および顔料など350℃程度以上の高温
で安定な物質を適宜混合してもよい。たとえば、樹脂組
成物の潤滑性をさらに改良するために、耐摩耗性の改良
剤を配合することができる。この耐摩耗性改良剤の具体
例としては、カーボン、マイカ、ウォラストナイト、リ
ン酸塩、炭酸塩、ステアリン酸塩、超高分子量ポリエチ
レン、硫酸カルシウムなどのウィスカ、金属酸化物の粉
末などを例示することができる。また、必要であれば、
軸受部材に炭素繊維を混合してもよいが、必ずしも軸受
部材に繊維状充填材を混合しなくともよい。このような
添加剤を添加する際の残部耐薬品性合成樹脂は、約40
重量%を下回らないようにすることが好ましい。
【0050】これらの耐薬品性合成樹脂に対して各種の
添加物を添加混合する方法はとくに限定するものではな
く、通常広く用いられている方法、たとえば主成分とな
る樹脂、その他の諸原料をそれぞれ個別に、またはヘン
ッシェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー等
の混合機によって適宜乾式混合した後、溶融混合性のよ
い射出成形機もしくは溶融押出成形機に供給するか、ま
たは、あらかじめ熱ロール、ニーダ、バンバリーミキサ
ー、溶融押出機などで溶融混合するなどの方法を利用す
ればよい。
【0051】さらに、前記の組成物を成形する際には、
とくに成形方法を限定するものではなく、圧縮成形、押
出成形、射出成形等の通常の方法、または組成物を溶融
混合した後、これをジェットミル、冷凍粉砕機等によっ
て粉砕し、所望の粒径に分級することも可能である。な
かでも射出成形法は、生産性にすぐれ、安価な成形体を
提供することができる。
【0052】また、このようにして得られたペレットな
どの粒は、成形前に後述の熱処理と同程度の乾燥処理を
施してもよい。充分にペレット等の粒から水分などを蒸
発させることで、成形体の膨れや強度低下を防ぐことが
できると考えられる。
【0053】そして、このようにして得られた成形体
は、熱固定および成形時のひずみを除いて高温使用時の
寸法安定性を確保するため、約80〜260℃、具体的
には使用温度より10℃〜50℃高い温度で約0.1〜
24時間程度のアニール熱処理をしておいてもよい。な
お、実際の使用温度が耐薬品性合成樹脂材のガラス転移
点より低い温度条件下で使用される場合、例えば薬液体
の凝固点(−20℃〜0℃)以上、沸点(100℃〜1
20℃)以下のような温度条件下にて使用される場合に
は、生産性効率を考慮して熱処理工程を省略してもよ
い。
【0054】一方、比較的高温下で使用されるばあい
で、熱処理が必要とされる場合等には熱処理を行えばよ
い。その場合、アニール熱処理温度が成形体の熱変形温
度よりも約20〜30℃程度を越えると、樹脂にかかる
熱履歴の影響が大きくなり好ましくないと考えられ、こ
れ以下で熱処理することが好ましい。熱処理時は、前記
所定の温度に達する前に、たとえば常温、約80℃、約
130℃、約180℃、約220℃、約230℃という
ように、数段階に分けて、約15〜180分程度の範囲
で、約15〜60分毎に徐々に昇温し、前記温度範囲内
の最適な温度にて、前記時間の範囲で温度を一定に保持
してもよい。その場合の最高温度の保持時間は、約15
〜480分程度であればよい。最高温度の保持時間が所
定時間よりも短時間であると、樹脂の結晶化が不十分と
なって寸法安定性が悪くなり、所定時間よりも長時間で
あると、反りなどの不適当な熱変形が起こり、また、電
気炉などのエネルギー消費量の増大や製造時間の長時間
化からみても製造コストの低減を図ることが難しくな
る。
【0055】また、前記した数段階ごとに昇温した時に
そのときの温度で保持してもよい。このようにすると、
成形体内にわずかに取り込まれた水分を乾燥させること
ができ、その後、結晶化させることができる。一方、短
時間で急激に加熱して熱処理を終了させることは好まし
くない。前記水分が沸点を越えて気化し、その際の体積
膨張によって成形体に膨れなどの不具合が発生する可能
性が高くなるからである。
【0056】結晶化工程後の冷却は、前記昇温時と逆の
段階を経て冷却してもよく、または約60〜180分程
度の時間をかけて連続的に徐冷してもよい。
【0057】以上のような熱処理工程を行うことによ
り、成形体の膨れなどの不具合の発生を極力防ぐととも
に、樹脂の結晶化を確実かつ徐々に進行させて、成形体
の寸法安定性を高めて寸法精度の高い軸支持用成形体を
提供することもできる。一方、前述のように使用温度条
件が低い場合、例えば−10℃〜110℃の範囲で薬品
雰囲気中もしくは薬液中で使用されるのであれば、前記
熱処理を行わずに、前記理由と同様に省略すれば製造効
率が上がりコストダウンにもつながる。なお、前記温度
範囲内でも必要ならば熱処理を施してもよい。
【0058】また、成形体(軸受部材)と相手部材の少
なくとも一方の摺動面の表面粗さは、Rmax、Ra、
Rz等のJISで定義された評価法によって測定され、
約18μm以下であり、約15μm以下が好ましく、約
13μm以下がより好ましい。なぜなら、表面粗さが前
記所定範囲を越えると、摺動面に傷が多く付くようにな
り、これは摩耗の原因になると考えられるからである。
なお、表面粗さの下限値は、加工時の効率性も考慮し
て、約1μm以上、好ましくは約7μm程度以上であれ
ばよい。
【0059】相手材表面の仕上げ加工などの工程に長時
間を要するので、効率的でないことや樹脂材の転移膜の
形成に影響される可能性もあるため、摩耗に影響されな
いような仕様や条件であれば、約23μm程度の範囲以
下としてもよいとも推定される。
【0060】次に、繊維状充填剤について説明する。こ
の発明に用いられる炭素系ファイバの一例である炭素繊
維は、例えば現在汎用されている1000℃以上、好ま
しくは1200〜1500℃の高温に耐えるものであれ
ば、レーヨン系、ポリアクリロニトリル系、リグニンポ
バール系混合物、特殊ピッチ系など原料の種類の如何に
よらず使用することができる。そして、その形状は長短
いずれの単繊維であっても、クロス、フェルト、ペー
パ、ヤーン等のように一次加工を経た編織布、不織布、
糸、紐等の製品形態をしたものであってもよく、また、
これらから切断して製造したものでもよい。
【0061】また、その材質を特に制限することなく、
ピッチ系、PAN系、黒鉛質のいずれであってもよく、
たとえば、繊維径約4〜20μm、繊維長約10〜10
00μm、好ましくは10〜500μmのものであれ
ば、前記樹脂組成物中に均一に分散し、これを充分に補
強するので適当である。
【0062】適当な弾性率、引張強度等の機械的特性と
相手材への攻撃性や成形時の樹脂組成物の流動性等を考
慮して、炭素繊維径は、平均約5〜14μm、また繊維
長は約10〜500μmであることが好ましい。
【0063】炭素繊維は、上記に示したような種々の有
機高分子繊維を平均1000〜3000℃程度に焼成し
て生成される。この構造は、主に炭素原子六角網平面か
ら構成される。この網平面が繊維軸に平行に近く配列し
たものとして、高配高、異方性を有するPAN系や液晶
ピッチ系の炭素繊維があげられ、一方、この網平面が乱
雑に集合したものとして、等方性を有するピッチ系炭素
繊維があげられる。
【0064】高配向、異方性の炭素繊維は、特定の方向
の弾力性や引張強度に対して高く優れており、等方性の
炭素繊維は、全方向から受ける荷重に対しても比較的耐
えうる。
【0065】ピッチ系炭素繊維は、たとえば、石油精製
で副生される石油ピッチ等のような構造上無定形の等方
性ピッチ系炭素繊維と、一定方向の構造、たとえば光学
異方性に異方性ピッチ系炭素繊維があげられる。
【0066】等方性ピッチ系炭素繊維は、石油系、石炭
系、合成品系、液化石炭系等に分類され、それらの原料
を溶融紡糸でピッチ繊維にして、不融化処理をした後
に、炭素化することにより製造される。
【0067】また、液晶ピッチ系炭素繊維は、ピッチ類
を不活性化気相中で加熱し、350〜500℃で液晶状
態とした後、固化してコークスとする。これを溶融紡糸
して酸化雰囲気で加熱すると酸化繊維となって不溶不融
の繊維となり、さらにこれを例えば不活性気相中で約1
000℃以上に加熱する方法等により製造される。
【0068】これらは、例えば引張弾性率が平均25〜
50GPa程度の低弾性率から平均100〜500GP
a程度の中・高弾性率のものを、また、引張強度が平均
500〜1000MPa程度の低強度から平均1500
〜3500MPa程度の中・高強度のものを、要求によ
り選択することができ、このような引張強度等の機械的
特性に優れた繊維を所定の樹脂組成物に混合することに
より、適切な機械的強度を有する軸支持用成形体を得る
ことができる。
【0069】このようなピッチ系炭素繊維の例として
は、呉羽化学社製:クレカM107TやM207S等の
「クレカ」(商品名)シリーズ全般があげられる。
【0070】また、PAN系炭素繊維は、リアクリロニ
トリル繊維等のアクリル系繊維を加熱して焼く方法で製
造することができる。加熱温度によって所定の引張弾性
率を得ることができ、たとえば、約2000℃で加熱し
て、引張弾性率を平均100〜500GPa、温度設定
により平均200〜400GPaとすることもできる。
したがって、PAN系炭素繊維は、高い引張弾性率の繊
維である。また、これは加熱温度により引張強度は平均
2000〜6000MPaの範囲のものも得られ、要求
により平均3000〜5000MPaの範囲のものを製
造することもできると考えられる。これらの数値が低す
ぎると圧縮クリープ等に関する補強が期待できず、これ
らの数値が高すぎると硬質の相手材を攻撃することも予
想される。
【0071】このPAN系炭素繊維の例としては、東邦
レーヨン社製「ベスファイト」(商品名)シリーズ全般
があげられ、その具体例としては、ベスファイトHTA
−CMF−0040−E、ベスファイトHTA−CMF
−0160−E、ベスファイトHTA−CMF−100
0−E、ベスファイトHTA−C6−E等(いずれも、
繊維径7〜8μm)があげられる。また、東レ社製の
「トレカ」(商品名)シリーズ全般もあげられ、その具
体例としては、トレカMLD−300、トレカMLD−
1000等があげられる。
【0072】これらの炭素繊維の有する引張強度として
は、500〜1000MPaが好ましく、ビッカース硬
度(Hv)は400〜600が好ましい。引張強度が5
00MPaより小さいときやビッカース硬度(Hv)が
400より小さいときは、炭素繊維を添加する補強効果
が期待できず、引張強度が1000MPaより大きいと
きやビッカース硬度(Hv)が600より大きいとき
は、相手材を攻撃して摩耗させることが考えられ、好ま
しくない。
【0073】これらの炭素繊維は、酸やアルカリ等の薬
品類の影響を受けにくく、また、耐摩耗性も有してい
る。
【0074】なお、これらの炭素繊維と前記耐薬品性合
成樹脂との密着性を高め、成形体の機械的特性等を向上
させるために、これらの炭素繊維の表面をエポキシ系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂等含有の処理剤やシラン系カップリン
グ剤等により表面処理を施してもよい。しかし、薬品に
よってはこれを省略してもよい。
【0075】上記炭素繊維のなかで、引張強度が500
〜1000MPa、引張弾性率25〜50GPaの範囲
にあるものが特に好ましい。引張強度、引張弾性率が下
限値以下では炭素繊維による補強効果が得られず、上限
値以上では相手材等の耐摩耗性に劣るからである。その
ような理由から、より具体的にはピッチ系炭素繊維が好
ましい。
【0076】上記炭素繊維の全組成物中の配合割合は1
0〜45重量%、好ましくは10〜30重量%である。
10重量%未満では補強性がほとんど向上せず、45重
量%を越える多量では溶融流動性が著しく低下して成形
性が悪くなるからである。このような炭素繊維は摺動
材、構造材のいずれにも使用できるが、適度な諸特性に
より摺動系材料の補強材として使用することが好まし
い。
【0077】また、この発明に用いる繊維状充填剤の一
例である繊維状強化材、例えばガラス繊維は、Si
2 、B23、Al23、CaO、Na2O、K2O、M
gO、Fe23などを成分とする無機ガラスから得られ
るものであり、一般に無アルカリガラス(Eガラス)、
含アルカリガラス(Cガラス、Aガラス)などを用いる
こともできるが、耐薬品性等を考慮し、無アルカリガラ
スであってもよい。
【0078】無アルカリガラスは、例えばSiO2が約
52〜56重量%、B23が約8〜13重量%、Al2
3が約12〜16重量%、CaOが約15〜25重量
%、Na2OまたはK2Oが0を越え約1重量%以下、M
gOが0を越え約6重量%以下を含有している。これ
は、組成物中にアルカリ成分をほとんど含んでいないホ
ウケイ酸ガラスであり、アルカリ成分がほとんど入って
いないので耐薬品性に優れるものと考えられる。また、
ガラス繊維の引張強さは、約2500〜5000MP
a、無アルカリガラスは平均して約3500MPaであ
る。また、ガラス繊維の弾性率は70〜90GPa、無
アルカリガラスは平均して約74〜77GPaである。
そのような点から無アルカリガラスは耐薬品性、引張強
度、弾性率、量産性、価格等の点で総合的に優れたもの
である。
【0079】この発明で無アルカリガラスを用いる場合
には、その繊維長が約0.01〜0.7mmのものが好
ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmである。ま
た、その繊維径は、約5〜15μmが好ましく、より好
ましくは約6〜13μmである。なぜなら、繊維径が約
15μmを越える大径のもの、または繊維長が約0.7
mmを越えるものを用いると、耐薬品性合成樹脂と混合
する際に均一分散させることが難しくなり、不均一分散
の組成物では成形も困難になるからである。繊維径が5
μm未満であったり、繊維長が0.01mmより短い
と、組成物に所要の圧縮クリープ等の機械的強度が期待
できない。ガラス繊維としては、例えば旭ファイバーグ
ラス社製GF−MF−KAC−L150等を挙げること
ができる。
【0080】また、例えば前記ガラス繊維等の繊維材
は、その配合割合を、繊維長に応じて所定の割合で分布
させることが好ましく、例えば繊維の全体重量(100
重量部)のうち、繊維長が0.1mm未満のものが1〜
10重量部、0.1mm以上0.3mm未満のものは1
〜50重量部、0.3mm以上0.5mm未満のものは
10〜60重量部、0.5mm以上0.7mm以下のも
のは5〜70重量部、0.7mmを越えるものは1〜1
0重量部というように分布していてもよい。繊維全体量
のうち、繊維長が0.1〜0.5mm、または0.2〜
0.7mmのものが50〜100重量%、好ましくは7
0〜100重量%の割合で組成物中に含有されていれ
ば、適度な機械的強度を有する軸支持体になるので好ま
しい。
【0081】ここで、耐薬品性合成樹脂に対するガラス
繊維の添加量は10〜70重量%であることが好まし
く、特に構造部材のようなハウジング部材に添加する場
合、30〜60重量%であることが好ましい。なぜなら
ガラス繊維の添加量が10重量%未満では、成形物の機
械的性質はほとんど向上せず、また70重量%を越える
多量では、軸支持用樹脂成形体として成立しにくいから
である。このようなガラス繊維は、摺動材、構造材のい
ずれにも入っていてもよいが、相手軸材の損傷性も考慮
するとハウジング部材に適用して構造材系の補強材とし
て使用することが好ましい。
【0082】以上の組成物でもって製造した軸受支持体
は、例えばpH7を除く雰囲気中や液中で使用しても特
に問題ない。具体的にはpH0〜6の酸性、もしくはp
H8〜14の塩基性のpH値で使用でき、さらに実用的
には、pH2〜6の酸性、もしくはpH8〜12の薬品
雰囲気内で使用可能の滑り軸受を提供することができ
る。そして、このような軸受部材は、ステンレス鋼、ア
ルミニウム合金鋼等のように耐腐食性に優れ、軟質系の
ような非鉄合金鋼を摺動相手材とするものに適用しても
相手摺動材が損傷しにくいというような特性も備えてい
る。
【0083】
【実施例】実施例として、図2に示すように、内径2
4.0mm、外径32.0mm、長さ45mmの円筒形
の軸受部材20を、端面が一辺50mmの正方形で長さ
50mmの直方体形状のハウジング部材30の内孔に嵌
合し、直径5mmのピン40で回り止め、抜け止めをし
た複合滑り軸受10を製作した。実施例1、2、3につ
いては、軸受部材20とハウジング部材30をそれぞれ
表1に示す割合(重量%)で各材料を配合した後、二軸
押出機により造粒し、射出成形によって成形した。そし
て、ハウジング部材30の内孔に軸受部材20をすきま
量0.03〜0.05mmの嵌合量でもって一体化し
た。
【0084】
【表1】
【0085】実施例1、2、3および比較例1で使用し
た材料は具体的には次のとおりである。 ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS):旭硝子社製
M2100 ポリイミド樹脂(PI):三井東圧化学社製AURUM
450 ポリブチレンテレフタレート(PBT):GEプラスチ
ック社製バロックス310 ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末(PTFE):喜
多村社製KT400H 二硫化モリブデン:住鉱潤滑剤社製MOS2−10−2
0 タルク:クラウンタルク社製PP 炭素繊維:呉羽化学工業社製M107T(ピッチ系炭素
繊維、繊維径18μm) ガラス繊維:旭ファイバーグラス社製GF−MF−KA
C−L150 比較例2は、従来技術であるカーボンメタル製の軸受を
研削加工で形成したものであり、実施例のようにハウジ
ング部材と軸受部材とからなる複合構造ではない。比較
例で使用したカーボンメタルは、大和田カーボン工業社
製OCカーボンC70である。
【0086】評価試験は、100℃の希塩酸(pH=
4.5)中において、実施例および比較例の滑り軸受で
相手軸(材質=SUS316、面粗さ11s)を支持
し、荷重100kgf、回転数130rpmの条件で8
40時間運転を行った。
【0087】試験後の摩耗深さを表1に併記する。な
お、摩耗深さは、図2(B)の矢印位置よりタリロンド
測定器により測定した軸受部材の内径摩耗量である。比
較例の摩耗深さが2.20や5.14mmであったのに
対して、実施例1〜3の摩耗深さはいずれも約2/3以
下である。
【0088】
【発明の効果】主に薬液中で用いられる滑り軸受を、耐
薬品性合成樹脂に固体潤滑剤を添加した樹脂組成物から
なる軸受部材と、耐薬品性合成樹脂に充填剤を添加した
樹脂組成物からなるハウジング材とを一体化させて複合
滑り軸受としたことによって、表1に示した試験結果か
らも裏付けられるとおり、軸受の耐摩耗性が飛躍的に向
上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合滑り軸受の縦断面図(A)、図1(A)の
B−B断面図(B)、側面図(C)、平面図(D)であ
る。
【図2】試験に供した実施例の複合滑り軸受を示し、
(A)は縦断面図、(B)は横断面図である。
【符号の説明】
1、10 複合滑り軸受 2、20 軸受部 22 円筒部 22a キー面 24 フランジ 3、30 ハウジング部 32 内孔 32a キー面 34 環状凹部 40 ピン(係止部材) 40a 径方向孔 40b 径方向孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐薬品性合成樹脂に固体潤滑剤を添加し
    た樹脂組成物からなる軸受部材と、耐薬品性合成樹脂に
    充填剤を添加した樹脂組成物からなるハウジング部材と
    を一体化した複合滑り軸受。
  2. 【請求項2】 前記軸受部材が円筒形で、前記ハウジン
    グ部材が円筒形の内孔を有し、前記軸受部材を前記内孔
    に嵌合したことを特徴とする請求項1の複合滑り軸受。
  3. 【請求項3】 前記軸受部材が外周面の少なくとも一部
    に軸方向全長にわたって延びるキー面を有し、前記ハウ
    ジング部材が内周面の少なくとも一部に軸方向全長にわ
    たって延びるキー面を有し、前記キー面どうしが係合し
    ていることを特徴とする請求項2の複合滑り軸受。
  4. 【請求項4】 前記軸受部材が円筒部の一端にフランジ
    を有し、前記ハウジング部材が内孔の一端に前記フラン
    ジを受け止める環状凹部を有していることを特徴とする
    請求項2または3の複合滑り軸受。
  5. 【請求項5】 前記軸受部材の少なくとも外周面に開口
    した径方向の孔を設け、かつ、前記ハウジング部材に径
    方向に貫通する孔を設け、前記孔どうしを整列させて両
    孔に共通的に係合部材を嵌合させることにより前記軸受
    部材と前記ハウジング部材を一体化したことを特徴とす
    る請求項2の複合滑り軸受。
  6. 【請求項6】 前記耐薬品性合成樹脂がポリフェニレン
    スルフィド樹脂であることを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5の複合滑り軸受。
  7. 【請求項7】 前記固体潤滑剤がポリテトラフルオロエ
    チレンであることを特徴とする請求項6の複合滑り軸
    受。
  8. 【請求項8】 前記充填剤が繊維状充填剤であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4または5の複合滑り軸
    受。
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